JP2001228375A - 光ファイバユニット及びその製造方法 - Google Patents
光ファイバユニット及びその製造方法Info
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- JP2001228375A JP2001228375A JP2000034791A JP2000034791A JP2001228375A JP 2001228375 A JP2001228375 A JP 2001228375A JP 2000034791 A JP2000034791 A JP 2000034791A JP 2000034791 A JP2000034791 A JP 2000034791A JP 2001228375 A JP2001228375 A JP 2001228375A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光ファイバユニットからの光ファイバの取出
し作業を容易ならしめると共に、光ファイバユニットの
外層形成後における外層の収縮を小さくして光ファイバ
の伝送損失の増加を抑制する。 【解決手段】 1本又は複数本の光ファイバ1の周囲に
ジェリー状材料からなる充填層2を設け、その外側を紫
外線硬化型樹脂で形成した外層3で覆って光ファイバユ
ニット5、5’とする。なお、外層3は、光ファイバ1
の周囲に設けた充填層2上に紫外線硬化型樹脂を塗布し
て紫外線を照射して硬化させることで形成出来るので、
残留する伸び歪みが小さく、それによって硬化後の外層
3の収縮率を小さくすることが出来る。
し作業を容易ならしめると共に、光ファイバユニットの
外層形成後における外層の収縮を小さくして光ファイバ
の伝送損失の増加を抑制する。 【解決手段】 1本又は複数本の光ファイバ1の周囲に
ジェリー状材料からなる充填層2を設け、その外側を紫
外線硬化型樹脂で形成した外層3で覆って光ファイバユ
ニット5、5’とする。なお、外層3は、光ファイバ1
の周囲に設けた充填層2上に紫外線硬化型樹脂を塗布し
て紫外線を照射して硬化させることで形成出来るので、
残留する伸び歪みが小さく、それによって硬化後の外層
3の収縮率を小さくすることが出来る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底用等の光ファ
イバケーブルに使用される光ファイバユニットに関す
る。
イバケーブルに使用される光ファイバユニットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】海底用等の光ファイバケーブルに使用さ
れる光ファイバユニットとして、1本又は複数本の光フ
ァイバの周囲にジェリー状材料からなる充填層が設けら
れ、その外側が外層で覆われた光ファイバユニットがあ
る。この光ファイバユニットの外層は通常、ステンレス
スチール等の金属、あるいはPBT(ポリブチレンテレ
フタレート)樹脂等の比較的硬質の熱可塑性樹脂で形成
されている。
れる光ファイバユニットとして、1本又は複数本の光フ
ァイバの周囲にジェリー状材料からなる充填層が設けら
れ、その外側が外層で覆われた光ファイバユニットがあ
る。この光ファイバユニットの外層は通常、ステンレス
スチール等の金属、あるいはPBT(ポリブチレンテレ
フタレート)樹脂等の比較的硬質の熱可塑性樹脂で形成
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】外層が金属製の場合
は、金属テープを幅方向に丸めて両側縁を突合わせて溶
接して形成するが、溶接の不完全な箇所が発生したり、
溶接時の熱で内部に収納する光ファイバを損傷させたり
することがある。また、外層が金属の場合は、光ファイ
バユニットから光ファイバを取出すための外層の解体に
手間がかかる。また、解体後も、切り開いた箇所の金属
の端でもって光ファイバを傷付けることもある。
は、金属テープを幅方向に丸めて両側縁を突合わせて溶
接して形成するが、溶接の不完全な箇所が発生したり、
溶接時の熱で内部に収納する光ファイバを損傷させたり
することがある。また、外層が金属の場合は、光ファイ
バユニットから光ファイバを取出すための外層の解体に
手間がかかる。また、解体後も、切り開いた箇所の金属
の端でもって光ファイバを傷付けることもある。
【0004】また、外層が熱可塑性樹脂の場合は、通常
押出しによって形成されるため、金属製外層に比して加
工性には優れているが、押出し加工による伸び歪みが外
層の熱可塑性樹脂内に残るため、押出しによる外層形成
後、時間経過と共に外層が収縮するという現象が生じ
る。外層の材質がPBT樹脂の場合、外層の長さが押出
し後時間が経過すると、約0.1%〜0.2%程度収縮
し、押出し条件が異なるとその収縮程度も大きくばらつ
く。
押出しによって形成されるため、金属製外層に比して加
工性には優れているが、押出し加工による伸び歪みが外
層の熱可塑性樹脂内に残るため、押出しによる外層形成
後、時間経過と共に外層が収縮するという現象が生じ
る。外層の材質がPBT樹脂の場合、外層の長さが押出
し後時間が経過すると、約0.1%〜0.2%程度収縮
し、押出し条件が異なるとその収縮程度も大きくばらつ
く。
【0005】光ファイバユニットを使って光ファイバケ
ーブルを製造する時、又はその光ファイバケーブルを布
設する時に、光ファイバユニットにも張力が加わり、光
ファイバユニットが伸びる。その伸びが生じても光ファ
イバユニット内の光ファイバには張力が出来るだけ及ば
ないように、光ファイバユニット製造時の光ファイバの
供給張力等を調整して、光ファイバユニット内の光ファ
イバには余長を有せしめている。そしてその余長率(余
長率=(光ファイバの長さ−外層の長さ)/外層の長
さ)は、約0.03%〜0.1%が目標とされている。
ーブルを製造する時、又はその光ファイバケーブルを布
設する時に、光ファイバユニットにも張力が加わり、光
ファイバユニットが伸びる。その伸びが生じても光ファ
イバユニット内の光ファイバには張力が出来るだけ及ば
ないように、光ファイバユニット製造時の光ファイバの
供給張力等を調整して、光ファイバユニット内の光ファ
イバには余長を有せしめている。そしてその余長率(余
長率=(光ファイバの長さ−外層の長さ)/外層の長
さ)は、約0.03%〜0.1%が目標とされている。
【0006】しかし、上述した外層の長手方向の収縮が
大きいと、内部に収納された光ファイバの余長率が外層
の収縮によって必要以上に大きくなる。しかし、余長率
が大きすぎると、光ファイバにマイクロベンド等が発生
し、光ファイバの伝送損失が増加するので好ましくな
い。外層の収縮が常に一定であれば、それを考慮して光
ファイバの供給時の張力等を設定し、光ファイバユニッ
トとなった時の外層収縮後の余長率を一定にすることも
可能であるが、外層の収縮率が大きく、かつそのばらつ
きも大きいと、余長率を一定に保つのが困難となる。
大きいと、内部に収納された光ファイバの余長率が外層
の収縮によって必要以上に大きくなる。しかし、余長率
が大きすぎると、光ファイバにマイクロベンド等が発生
し、光ファイバの伝送損失が増加するので好ましくな
い。外層の収縮が常に一定であれば、それを考慮して光
ファイバの供給時の張力等を設定し、光ファイバユニッ
トとなった時の外層収縮後の余長率を一定にすることも
可能であるが、外層の収縮率が大きく、かつそのばらつ
きも大きいと、余長率を一定に保つのが困難となる。
【0007】本発明は、光ファイバユニットの内部から
光ファイバを取出す作業が容易なように外層を樹脂材料
で形成し、かつ外層の形成後の収縮を小さくした光ファ
イバユニット及びその製造方法を提供するものである。
光ファイバを取出す作業が容易なように外層を樹脂材料
で形成し、かつ外層の形成後の収縮を小さくした光ファ
イバユニット及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバユニ
ットは、1本又は複数本の光ファイバの周囲にジェリー
状材料からなる充填層が設けられ、その外側が紫外線硬
化型樹脂からなる外層で覆われたものである。この光フ
ァイバユニットにおいては、外層は、紫外線硬化型樹脂
の塗布と塗布された樹脂への紫外線照射によって形成す
ることが出来るので、押出しで形成する熱可塑性樹脂の
場合に比較して、紫外線硬化型樹脂内に残留する伸び歪
みは小さく、外層形成後の外層の収縮を小さいものとす
ることが出来る。
ットは、1本又は複数本の光ファイバの周囲にジェリー
状材料からなる充填層が設けられ、その外側が紫外線硬
化型樹脂からなる外層で覆われたものである。この光フ
ァイバユニットにおいては、外層は、紫外線硬化型樹脂
の塗布と塗布された樹脂への紫外線照射によって形成す
ることが出来るので、押出しで形成する熱可塑性樹脂の
場合に比較して、紫外線硬化型樹脂内に残留する伸び歪
みは小さく、外層形成後の外層の収縮を小さいものとす
ることが出来る。
【0009】また、紫外線硬化型樹脂からな外層の樹脂
中に、少なくとも1本の抗張力体を埋め込むことによっ
て、光ファイバユニットの耐張力特性を向上させること
が出来る。
中に、少なくとも1本の抗張力体を埋め込むことによっ
て、光ファイバユニットの耐張力特性を向上させること
が出来る。
【0010】また、光ファイバユニットを、中心から順
に中心挿通孔、内層樹脂通路、外層樹脂通路を有する二
重塗布ダイスを使って、1本又は複数本の光ファイバを
前記中心挿通孔に通過させながら、該光ファイバの周囲
にジェリー状材料を前記内層樹脂通路を通して塗布充填
し、併せて該ジェリー状材料を覆うように紫外線硬化型
樹脂を前記外層樹脂通路を通して塗布して、しかる後紫
外線照射炉において前記塗布された紫外線硬化型樹脂に
紫外線を照射して該紫外線硬化型樹脂を硬化せしめるこ
とによって製造することにすれば、ジェリー状材料と紫
外線硬化型樹脂が同時に塗布されるので、ジェリー状材
料の表面及び外層の内外面を平滑な面とすることが出来
る。
に中心挿通孔、内層樹脂通路、外層樹脂通路を有する二
重塗布ダイスを使って、1本又は複数本の光ファイバを
前記中心挿通孔に通過させながら、該光ファイバの周囲
にジェリー状材料を前記内層樹脂通路を通して塗布充填
し、併せて該ジェリー状材料を覆うように紫外線硬化型
樹脂を前記外層樹脂通路を通して塗布して、しかる後紫
外線照射炉において前記塗布された紫外線硬化型樹脂に
紫外線を照射して該紫外線硬化型樹脂を硬化せしめるこ
とによって製造することにすれば、ジェリー状材料と紫
外線硬化型樹脂が同時に塗布されるので、ジェリー状材
料の表面及び外層の内外面を平滑な面とすることが出来
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1(A)(B)はそれぞれ、本
発明の光ファイバユニットの実施形態を示す横断面図で
あって、1は光ファイバ、2は充填層、3は外層、4は
抗張力体、5、5’は光ファイバユニットである。図1
(A)に示す光ファイバユニット5では、1本又は複数
本の光ファイバ1の周囲に防水コンパウンド、防水ジェ
リー等のジェリー状材料からなる充填層2が設けられ、
その外側は紫外線硬化型樹脂からなる外層3で覆われて
いる。
発明の光ファイバユニットの実施形態を示す横断面図で
あって、1は光ファイバ、2は充填層、3は外層、4は
抗張力体、5、5’は光ファイバユニットである。図1
(A)に示す光ファイバユニット5では、1本又は複数
本の光ファイバ1の周囲に防水コンパウンド、防水ジェ
リー等のジェリー状材料からなる充填層2が設けられ、
その外側は紫外線硬化型樹脂からなる外層3で覆われて
いる。
【0012】また、外層3の紫外線硬化型樹脂として
は、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系
等の紫外線硬化型樹脂を用いることが出来る。外層3の
厚さは、0.2mm〜0.9mm程度で、外層の外径は
2.3mm〜3.0mm程度である。また、外層3を構
成する紫外線硬化型樹脂の硬化後のヤング率が小さい
と、光ファイバユニットは横断面方向の圧縮強度等に耐
えないということが考えられるので、紫外線硬化型樹脂
の硬化後のヤング率は600MPa以上が望ましい。ま
た、その引張り強度は20MPa以上が望ましい。
は、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系
等の紫外線硬化型樹脂を用いることが出来る。外層3の
厚さは、0.2mm〜0.9mm程度で、外層の外径は
2.3mm〜3.0mm程度である。また、外層3を構
成する紫外線硬化型樹脂の硬化後のヤング率が小さい
と、光ファイバユニットは横断面方向の圧縮強度等に耐
えないということが考えられるので、紫外線硬化型樹脂
の硬化後のヤング率は600MPa以上が望ましい。ま
た、その引張り強度は20MPa以上が望ましい。
【0013】また、光ファイバ1として一般的なもの
は、石英ガラスを主成分とする外径125μmのガラス
ファイバ上に紫外線硬化型樹脂等からなる被覆を施して
外径250μm程度に仕上げたものであるが、これ以外
の光ファイバも用いることが出来る。また、光ファイバ
1の本数は多い場合には、24本程度まである。それら
の光ファイバをばらばらのままで、又は粗巻き体を光フ
ァイバ上に緩く巻付けて束にして、光ファイバユニット
内に入れても良いが、複数本の光ファイバを一方向に撚
り合わせるか又は長手方向に撚り方向を交互反転させて
撚り合わせて光ファイバユニット内に入れても良い。
は、石英ガラスを主成分とする外径125μmのガラス
ファイバ上に紫外線硬化型樹脂等からなる被覆を施して
外径250μm程度に仕上げたものであるが、これ以外
の光ファイバも用いることが出来る。また、光ファイバ
1の本数は多い場合には、24本程度まである。それら
の光ファイバをばらばらのままで、又は粗巻き体を光フ
ァイバ上に緩く巻付けて束にして、光ファイバユニット
内に入れても良いが、複数本の光ファイバを一方向に撚
り合わせるか又は長手方向に撚り方向を交互反転させて
撚り合わせて光ファイバユニット内に入れても良い。
【0014】充填層2を形成するジェリー状材料として
は、稠度400(1/10mm、JIS K 2220
の規定による)程度のオレフィン系オイルからなる防水
ジェリー等を用いることが出来る。また、充填層2のジ
ェリー用材料は、集合された光ファイバ1の束の表面に
塗布するだけでなく、複数本の光ファイバの隙間にも充
填されるようにする。図1(B)に示す光ファイバユニ
ット5’は、外層3の紫外線硬化型樹脂の樹脂中に単数
又は複数本の抗張力体4を埋め込むものであるほかは、
図1(A)の光ファイバユニット5と同じである。ま
た、抗張力体4は、外径0.4mm〜0.6mmの鋼線
等の金属又はFRPからなるもので、外層3の樹脂中に
埋め込む。また、光ファイバユニットに加わる張力を抗
張力体にて均等に負担するために、外層3の円周方向に
等間隔に抗張力体を2本又は4本配置して外層3の樹脂
中に埋め込むことが好ましい。
は、稠度400(1/10mm、JIS K 2220
の規定による)程度のオレフィン系オイルからなる防水
ジェリー等を用いることが出来る。また、充填層2のジ
ェリー用材料は、集合された光ファイバ1の束の表面に
塗布するだけでなく、複数本の光ファイバの隙間にも充
填されるようにする。図1(B)に示す光ファイバユニ
ット5’は、外層3の紫外線硬化型樹脂の樹脂中に単数
又は複数本の抗張力体4を埋め込むものであるほかは、
図1(A)の光ファイバユニット5と同じである。ま
た、抗張力体4は、外径0.4mm〜0.6mmの鋼線
等の金属又はFRPからなるもので、外層3の樹脂中に
埋め込む。また、光ファイバユニットに加わる張力を抗
張力体にて均等に負担するために、外層3の円周方向に
等間隔に抗張力体を2本又は4本配置して外層3の樹脂
中に埋め込むことが好ましい。
【0015】図2は、充填層と外層を同時に形成する場
合の光ファイバユニットの製造工程の主要部を示す縦断
面図であって、図1と同じ符号は同じものを示す。ま
た、図2において、6は二重塗布ダイス、6aは中心挿
通孔、6bは内層樹脂通路、6cは外層樹脂通路、7は
ジェリー状材料供給装置、7aはジェリー状材料供給
管、8は紫外線硬化型樹脂供給装置、8aは樹脂供給
管、9は紫外線照射装置である。
合の光ファイバユニットの製造工程の主要部を示す縦断
面図であって、図1と同じ符号は同じものを示す。ま
た、図2において、6は二重塗布ダイス、6aは中心挿
通孔、6bは内層樹脂通路、6cは外層樹脂通路、7は
ジェリー状材料供給装置、7aはジェリー状材料供給
管、8は紫外線硬化型樹脂供給装置、8aは樹脂供給
管、9は紫外線照射装置である。
【0016】1本又は複数本の光ファイバ1は必要に応
じて図示しない撚り合わせ装置にて撚り合わせて、図2
の二重塗布ダイス6の中心挿通孔6aを通して供給す
る。また、抗張力体4は、先端が二重塗布ダイス6の外
層樹脂通路6c内に位置する図示しないパイプ等を通し
て外層樹脂通路6c内に供給する。また、ジェリー状材
料はジェリー状材料供給装置7からジェリー状材料供給
管7aを通して内層樹脂通路6b内に、紫外線硬化型樹
脂は紫外線硬化型樹脂供給装置8から樹脂供給管8aを
通して外層樹脂通路6cに供給する。
じて図示しない撚り合わせ装置にて撚り合わせて、図2
の二重塗布ダイス6の中心挿通孔6aを通して供給す
る。また、抗張力体4は、先端が二重塗布ダイス6の外
層樹脂通路6c内に位置する図示しないパイプ等を通し
て外層樹脂通路6c内に供給する。また、ジェリー状材
料はジェリー状材料供給装置7からジェリー状材料供給
管7aを通して内層樹脂通路6b内に、紫外線硬化型樹
脂は紫外線硬化型樹脂供給装置8から樹脂供給管8aを
通して外層樹脂通路6cに供給する。
【0017】そして、二重塗布ダイス6にて光ファイバ
1の上にジェリー状材料を塗布充填して、併せてその周
囲に紫外線硬化型樹脂を塗布する。また、抗張力体4は
紫外線硬化型樹脂からなる樹脂中に埋め込む。二重塗布
ダイスにて塗布がなされた線材は紫外線照射装置9に入
って、紫外線が照射され、紫外線硬化型樹脂が硬化す
る。そして、光ファイバ1の外側に紫外線硬化型樹脂か
らなる外層3が設けられ、外層3の内壁と光ファイバ1
との隙間がジェリー状材料2で充填されてなる光ファイ
バユニット5が得られる。
1の上にジェリー状材料を塗布充填して、併せてその周
囲に紫外線硬化型樹脂を塗布する。また、抗張力体4は
紫外線硬化型樹脂からなる樹脂中に埋め込む。二重塗布
ダイスにて塗布がなされた線材は紫外線照射装置9に入
って、紫外線が照射され、紫外線硬化型樹脂が硬化す
る。そして、光ファイバ1の外側に紫外線硬化型樹脂か
らなる外層3が設けられ、外層3の内壁と光ファイバ1
との隙間がジェリー状材料2で充填されてなる光ファイ
バユニット5が得られる。
【0018】なお、この二重塗布ダイス6を使って光フ
ァイバ1上にジェリー状材料と紫外線硬化型樹脂を同時
に塗布するので、ジェリー状材料3が流動してその表面
が凸凹になるといった状態は起こらず、ジェリー状材料
の表面は平滑になる。また、それによって外層3の内外
面も平滑な面とすることが出来る。また、外層3の樹脂
中に抗張力体4を埋め込まない形態の図1(A)に示す
光ファイバユニットの場合は、抗張力体の供給をする必
要がないだけで、図2と同様な装置で製造することが出
来る。図2には充填層と外層を同時に形成する製造工程
を例を示したが、本発明の光ファイバユニットは、充填
層を形成するジェリー状材料として比較的稠度の高い材
料を用いる場合は、光ファイバ上にまず充填層を設け、
別工程で紫外線硬化型樹脂からなる外層を設ける方法で
製造することも出来る。
ァイバ1上にジェリー状材料と紫外線硬化型樹脂を同時
に塗布するので、ジェリー状材料3が流動してその表面
が凸凹になるといった状態は起こらず、ジェリー状材料
の表面は平滑になる。また、それによって外層3の内外
面も平滑な面とすることが出来る。また、外層3の樹脂
中に抗張力体4を埋め込まない形態の図1(A)に示す
光ファイバユニットの場合は、抗張力体の供給をする必
要がないだけで、図2と同様な装置で製造することが出
来る。図2には充填層と外層を同時に形成する製造工程
を例を示したが、本発明の光ファイバユニットは、充填
層を形成するジェリー状材料として比較的稠度の高い材
料を用いる場合は、光ファイバ上にまず充填層を設け、
別工程で紫外線硬化型樹脂からなる外層を設ける方法で
製造することも出来る。
【0019】以上説明したように、本発明の光ファイバ
ユニットでは、紫外線硬化型樹脂を塗布してそれに紫外
線を照射して硬化させて外層とするので、樹脂を塗布す
る工程ではその樹脂の流動性が高く、長手方向に大きな
伸び歪みを内在しない状態で外層となる樹脂の層が形成
される。従って、その樹脂を硬化させて外層が形成され
た後においても内部の伸び歪みは小さく、時間経過によ
る長手方向の外層の収縮率は約0.01%以下と小さい
ものとすることが出来る。
ユニットでは、紫外線硬化型樹脂を塗布してそれに紫外
線を照射して硬化させて外層とするので、樹脂を塗布す
る工程ではその樹脂の流動性が高く、長手方向に大きな
伸び歪みを内在しない状態で外層となる樹脂の層が形成
される。従って、その樹脂を硬化させて外層が形成され
た後においても内部の伸び歪みは小さく、時間経過によ
る長手方向の外層の収縮率は約0.01%以下と小さい
ものとすることが出来る。
【0020】図3は、紫外線硬化型樹脂で形成した外層
の場合と、PBT樹脂で形成した外層の場合の、それぞ
れの外層の収縮率を比較したグラフである。横軸は外層
の形成後の経過時間(時間)を、縦軸は外層の長手方向
の収縮率(%)を示す。また、これに使用した光ファイ
バユニットは全て、光ファイバが12本、充填層のジェ
リー状材料はオレフィン系オイルからなる防水ジェリ
ー、外層のサイズは厚さ0.4mm、外径2.75mm
とした。また、外層材料として使用した紫外線硬化型樹
脂はウレタンアクルレート系の硬化後のヤング率が10
00MPaのものとした。
の場合と、PBT樹脂で形成した外層の場合の、それぞ
れの外層の収縮率を比較したグラフである。横軸は外層
の形成後の経過時間(時間)を、縦軸は外層の長手方向
の収縮率(%)を示す。また、これに使用した光ファイ
バユニットは全て、光ファイバが12本、充填層のジェ
リー状材料はオレフィン系オイルからなる防水ジェリ
ー、外層のサイズは厚さ0.4mm、外径2.75mm
とした。また、外層材料として使用した紫外線硬化型樹
脂はウレタンアクルレート系の硬化後のヤング率が10
00MPaのものとした。
【0021】また、PBT樹脂からなる外層は押出しで
形成し、押出し速度を2段階で変えて2種類を作った。
なお、ここで使用した光ファイバユニットでは、抗張力
体はいずれの場合も埋め込んでいない。この図3による
と、PBT樹脂からなる外層の場合の収縮率は約0.1
%程度と大きいが、紫外線硬化型樹脂で形成した外層の
場合は、その収縮率は0.01%程度で約1/10に小
さくなっている。
形成し、押出し速度を2段階で変えて2種類を作った。
なお、ここで使用した光ファイバユニットでは、抗張力
体はいずれの場合も埋め込んでいない。この図3による
と、PBT樹脂からなる外層の場合の収縮率は約0.1
%程度と大きいが、紫外線硬化型樹脂で形成した外層の
場合は、その収縮率は0.01%程度で約1/10に小
さくなっている。
【0022】また、図4は外層の収縮率がその内部に収
容された光ファイバの伝送損失の増加にどの程度の影響
を与えるかを調べた結果のグラフである。横軸は収縮率
(%)で、縦軸は波長1550nmで測定した光ファイ
バの伝送損失の増加(dB/km)である。これによる
と、収縮率が0.1%の場合伝送損失の増加は0.01
dB/km〜0.03dB/km程度となり、収縮率が
0.04%でも伝送損失の増加は0.003dB/km
〜0.01dB/km程度となるが、収縮率が0.01
%以下の場合は、伝送損失の増加を0.001dB/k
m以下程度に抑制することが出来る。
容された光ファイバの伝送損失の増加にどの程度の影響
を与えるかを調べた結果のグラフである。横軸は収縮率
(%)で、縦軸は波長1550nmで測定した光ファイ
バの伝送損失の増加(dB/km)である。これによる
と、収縮率が0.1%の場合伝送損失の増加は0.01
dB/km〜0.03dB/km程度となり、収縮率が
0.04%でも伝送損失の増加は0.003dB/km
〜0.01dB/km程度となるが、収縮率が0.01
%以下の場合は、伝送損失の増加を0.001dB/k
m以下程度に抑制することが出来る。
【0023】
【発明の効果】本発明の光ファイバユニットは、光ファ
イバの周囲にジェリー状材料からなる充填層を設け、そ
の外側を紫外線硬化型樹脂からなる外層で覆ったもので
あるので、外層は押出しによらず、紫外線硬化型樹脂の
塗布と塗布された樹脂への紫外線照射によって形成する
ことが出来る。従って、押出しで形成する熱可塑性樹脂
の場合に比較して、紫外線硬化型樹脂内に残留する伸び
歪みを小さくすることが出来る。それによって、外層形
成後の外層の収縮が小さくなり、外層の内部に収容され
る光ファイバの伝送損失の増加を抑制することが出来
る。また、外層が樹脂材料で形成されているので、光フ
ァイバユニットの内部の光ファイバを取出す時の解体作
業を金属製外層に比べて容易にかつ安全に行なうことが
出来る。
イバの周囲にジェリー状材料からなる充填層を設け、そ
の外側を紫外線硬化型樹脂からなる外層で覆ったもので
あるので、外層は押出しによらず、紫外線硬化型樹脂の
塗布と塗布された樹脂への紫外線照射によって形成する
ことが出来る。従って、押出しで形成する熱可塑性樹脂
の場合に比較して、紫外線硬化型樹脂内に残留する伸び
歪みを小さくすることが出来る。それによって、外層形
成後の外層の収縮が小さくなり、外層の内部に収容され
る光ファイバの伝送損失の増加を抑制することが出来
る。また、外層が樹脂材料で形成されているので、光フ
ァイバユニットの内部の光ファイバを取出す時の解体作
業を金属製外層に比べて容易にかつ安全に行なうことが
出来る。
【0024】また、この光ファイバユニットを、二重塗
布ダイスを使って、光ファイバを中心挿通孔に通過させ
ながら、該光ファイバの周囲にジェリー状材料を内層樹
脂通路を通して塗布充填し、併せて該ジェリー状材料を
覆うように紫外線硬化型樹脂を外層樹脂通路を通して塗
布して、しかる後紫外線照射炉において紫外線を照射し
て該紫外線硬化型樹脂を硬化せしめることによって製造
することにすれば、ジェリー状材料と紫外線硬化型樹脂
が同時に塗布されるので、ジェリー状充填材料の表面及
び外層の内外面を平滑な面とすることが出来る。
布ダイスを使って、光ファイバを中心挿通孔に通過させ
ながら、該光ファイバの周囲にジェリー状材料を内層樹
脂通路を通して塗布充填し、併せて該ジェリー状材料を
覆うように紫外線硬化型樹脂を外層樹脂通路を通して塗
布して、しかる後紫外線照射炉において紫外線を照射し
て該紫外線硬化型樹脂を硬化せしめることによって製造
することにすれば、ジェリー状材料と紫外線硬化型樹脂
が同時に塗布されるので、ジェリー状充填材料の表面及
び外層の内外面を平滑な面とすることが出来る。
【0025】また、紫外線硬化型樹脂からなる外層の樹
脂中に、少なくとも1本の抗張力体を埋め込むことによ
って、光ファイバユニットの耐張力特性を向上させるこ
とが出来る。
脂中に、少なくとも1本の抗張力体を埋め込むことによ
って、光ファイバユニットの耐張力特性を向上させるこ
とが出来る。
【図1】(A)(B)はそれぞれ、本発明の光ファイバ
ユニットの実施形態を示す横断面図である。
ユニットの実施形態を示す横断面図である。
【図2】充填層と外層を同時に形成する場合の光ファイ
バユニットの製造工程の主要部を示す縦断面図である。
バユニットの製造工程の主要部を示す縦断面図である。
【図3】外層を、紫外線硬化型樹脂で形成した場合と、
PBT樹脂で形成した場合の、それぞれの収縮率を比較
したグラフである。
PBT樹脂で形成した場合の、それぞれの収縮率を比較
したグラフである。
【図4】外層の収縮率とその内部に収容された光ファイ
バの伝送損失の増加との関係を示すグラフである。
バの伝送損失の増加との関係を示すグラフである。
1:光ファイバ 2:充填層 3:外層 4:抗張力体 5、5’:光ファイバユニット 6:二重塗布ダイス 6a:中心挿通孔 6b:内層樹脂通路 6c:外層樹脂通路 7:ジェリー状材料供給装置 7a:ジェリー状材料供給管 8:紫外線硬化型樹脂供給装置 8a:樹脂供給管 9:紫外線照射装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴見 岳男 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 寺沢 良明 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H001 DD37 KK17 MM04 2H050 BA18 BB33S BC12 BD05
Claims (5)
- 【請求項1】 1本又は複数本の光ファイバの周囲にジ
ェリー状材料からなる充填層が設けられ、その外側が紫
外線硬化型樹脂からなる外層で覆われたことを特徴とす
る光ファイバユニット。 - 【請求項2】 前記紫外線硬化型樹脂は、硬化後のヤン
グ率が600MPa以上、引張り強度が20MPa以上
であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバユ
ニット。 - 【請求項3】 前記紫外線硬化型樹脂の樹脂中には、少
なくとも1本の抗張力体が長手方向に埋め込まれている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファ
イバユニット。 - 【請求項4】 中心から順に中心挿通孔、内層樹脂通
路、外層樹脂通路を有する二重塗布ダイスを使って、1
本又は複数本の光ファイバを前記中心挿通孔に通過させ
ながら、該光ファイバの周囲にジェリー状材料を前記内
層樹脂通路を通して塗布充填し、併せて該ジェリー状材
料を覆うように紫外線硬化型樹脂を前記外層樹脂通路を
通して塗布して、しかる後紫外線照射炉において前記塗
布された紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して該紫外線
硬化型樹脂を硬化せしめることを特徴とする光ファイバ
ユニットの製造方法。 - 【請求項5】 前記二重塗布ダイスの外層樹脂通路を通
して紫外線硬化型樹脂と共に少なくとも1本の抗張力体
を供給し、塗布された紫外線硬化型樹脂からなる樹脂中
に前記抗張力体を埋め込むことを特徴とする請求項4に
記載の光ファイバユニットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000034791A JP2001228375A (ja) | 2000-02-14 | 2000-02-14 | 光ファイバユニット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000034791A JP2001228375A (ja) | 2000-02-14 | 2000-02-14 | 光ファイバユニット及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001228375A true JP2001228375A (ja) | 2001-08-24 |
Family
ID=18559080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000034791A Pending JP2001228375A (ja) | 2000-02-14 | 2000-02-14 | 光ファイバユニット及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001228375A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100474725B1 (ko) * | 2002-10-18 | 2005-03-10 | 삼성전자주식회사 | 소형 광섬유 케이블 |
JP2018504629A (ja) * | 2014-12-19 | 2018-02-15 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 設計された微小構造を有するケーブルジャケット及び設計された微小構造を有するケーブルジャケットを製作するための方法 |
-
2000
- 2000-02-14 JP JP2000034791A patent/JP2001228375A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100474725B1 (ko) * | 2002-10-18 | 2005-03-10 | 삼성전자주식회사 | 소형 광섬유 케이블 |
JP2018504629A (ja) * | 2014-12-19 | 2018-02-15 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 設計された微小構造を有するケーブルジャケット及び設計された微小構造を有するケーブルジャケットを製作するための方法 |
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