JP2001227308A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2001227308A
JP2001227308A JP2000036533A JP2000036533A JP2001227308A JP 2001227308 A JP2001227308 A JP 2001227308A JP 2000036533 A JP2000036533 A JP 2000036533A JP 2000036533 A JP2000036533 A JP 2000036533A JP 2001227308 A JP2001227308 A JP 2001227308A
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stopper
valve timing
relative rotation
fluid pressure
lock
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JP2000036533A
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Yoshikazu Ishii
良和 石井
Mutsumi Nishimura
睦 西村
Kazuhisa Sanpei
和久 三瓶
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中間領域でのバルブタイミングの固定を確実に
行うことのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置
を提供する。 【解決手段】VVT機構9は、遅角側及び進角側圧力室
25、26への油圧供給に基づき、クランクシャフトに
駆動連結されたハウジング13に対して、カムシャフト
に駆動連結されたベーンロータ17を相対回動させるこ
とで、カムシャフトの回転位相を可変設定してバルブタ
イミングを変更する。VVT機構9には、中間領域内に
設定されたロック位相において、ベーンロータ17の相
対回動を禁止可能となるロック機構と、そのロック位相
においてベーンロータ17の相対回動を一時的に規制可
能なストッパ機構が設けられている。このストッパ機構
の作動制御にかかる油圧供給は、遅角側及び進角側圧力
室25、26への油圧供給系とは別途に設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関バルブのバル
ブタイミングを可変とする内燃機関のバルブタイミング
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、こうした内燃機関のバル
ブタイミング制御装置にあっては、内燃機関のクランク
シャフト(機関出力軸)に対するカムシャフトの相対回
転位相を変更することにより、同カムシャフトの回転に
伴って開閉駆動される機関バルブのバルブタイミング
(開閉弁時期)を可変としている。こうした内燃機関の
バルブタイミング制御装置として、例えば特開平11−
182214号公報に記載の装置が知られている。
【0003】図7は、そうしたバルブタイミング制御装
置について、その可変バルブタイミング機構(VVT機
構)の正面断面構造を示している。この図7に示すよう
に、VVT機構は、クランクシャフトに同期回転可能に
駆動連結されたハウジング100と、カムシャフトに連
結されたベーンロータ101とを備えている。そして、
これらハウジング100とベーンロータ101とを相対
回動させることで、バルブタイミングを可変としてい
る。
【0004】ベーンロータ101の外周に形成されたベ
ーン102は、ハウジング100の内周に形成された突
状部103の間に、周方向へと移動可能に配設されてい
る。そして、そのベーン102の周方向両側には、進角
側圧力室104及び遅角側圧力室105が形成されてい
る。
【0005】これら圧力室104、105内には、内燃
機関のクランクシャフトの回転に連動して作動するオイ
ルポンプの発生する油圧が導入される。隣り合った突状
部103の間におけるベーン102の位置は、上記2つ
の圧力室104、105内の油圧の相対的な関係によっ
て定まり、それによってハウジング100に対するベー
ンロータ101の相対回動位相が設定される。したがっ
て、両圧力室104、105内の油圧供給を制御するこ
とで、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回
転位相を任意に設定することができる。
【0006】ところで、こうしたバルブタイミング制御
装置では、オイルポンプからの油圧供給が滞る機関始動
時などには、両圧力室104、105内の油圧だけで
は、バルブタイミングを所望とする位相に保持すること
ができなくなる。そこで、油圧不足時に、上記ハウジン
グ100とベーンロータ101との相対回動を禁止する
ロック機構が設けられている。
【0007】このロック機構は、上記ベーン102の1
つに配設されたロックピン106を備えて構成されてい
る。このロックピン106は、ハウジング100側に設
けられた係止穴(図示略)と係止することで、ハウジン
グ100とベーンロータ101との相対回動を禁止して
いる。係止穴は、ベーンロータ101が所定の相対回動
位相(ロック位相)に位置したときに、上記ロックピン
106に対向する位置に設けられている。上記ロックピ
ン106は、コイルばねによって係止穴に向かって付勢
されるとともに、上記両圧力室104、105へ供給さ
れた油圧を受けて、上記コイルばねの付勢力に抗して係
止穴から離脱する方向に移動するよう構成されている。
したがって、ベーンロータ101が上記ロック位相に位
置するときに、両圧力室104、105の油圧が低下し
ていれば、ロックピン106が係止穴と係止して、ハウ
ジング100に対するベーンロータ101の相対回動が
禁止される。また、両圧力室104、105内の油圧が
十分に高まれば、ロックピン106が係止穴から離脱
し、上記相対回動の禁止が解除される。
【0008】なお、ロック機構によって機関始動時に相
対回動が禁止される上記ロック位相は、内燃機関の始動
に適した位相に設定することが望ましい。そこで、機関
始動に適したバルブタイミングと、機関運転中のバルブ
タイミング制御の許容範囲の設定との関係から、その許
容範囲の両端の限界位相(最遅角位相及び最進角位相)
を除いた中間領域内に上記ロック位相が設定されること
がある。上記の如く、両圧力室104、105内の油圧
低下に応じてロックピン106が係止穴に係止可能とな
る構成においては、それらの係止時に、両圧力室10
4、105内の油圧でベーンロータ17をロック位相に
保持しておくことは困難である。したがって、中間領域
で上記ロックピン106を係止させる場合、そのロック
位相においてベーンロータ101の相対回動を一時的に
規制するストッパ機構を設けることが望ましい。
【0009】そこで、上記公報に記載の装置では、スト
ッパピン107を有して構成されたストッパ機構が設け
られている。ストッパピン107は、進角側圧力室10
4内に突出、及び同圧力室104内から退避可能に配設
されている。そして、ストッパピン107は、図示しな
いコイルばねによって進角側圧力室104内に突出する
方向に向けて付勢されるとともに、同圧力室104内の
油圧を受けて同室104内から退避する方向に押圧され
るように構成されている。
【0010】そこで、オイルポンプからの油圧供給が滞
り、進角側圧力室104内の油圧が低下すれば、ストッ
パピン107は、同圧力室104内に突出する。このと
き、ストッパピン107は、ベーンロータ101が上記
ロック位相まで相対回動された時点でベーン102と当
接し、それ以上遅角側へのベーンロータ101の相対回
動を一時的にする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記のよ
うなストッパピン107を設けることで、ベーンロータ
101をロック位相に保持し易くなり、ロック位相が中
間領域内に設定されている場合であれ、ロックピン10
6が係止穴に係止される機会を増大することはできる。
【0012】ただし、上記構成では、ストッパピン10
7が圧力室104内の油圧に連動して突出、或いは退避
される構成であるため、ベーンロータ101の回動動作
に同期してストッパ機構を作動させることが困難とな
る。そして、ストッパ機構が作動されるタイミングによ
っては、ベーンロータ101を上記ロック位相に位置さ
せられず、ロックピン106を係止穴に係止できないこ
とがある。
【0013】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、中間領域でのバルブタイミ
ングの固定を確実に行うことのできる内燃機関のバルブ
タイミング制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、機関出力軸に駆動連結された第1
の回転体と、その第1の回転体と互いに同一の軸心を有
して相対回動可能に配設されて、カムシャフトに駆動連
結された第2の回転体と、流体圧供給に基づき前記第1
及び第2の回転体を相対回動させて、前記機関出力軸に
対する前記カムシャフトの回転位相を許容範囲内で可変
設定するとともに、前記許容範囲の両端の限界位相を除
いた中間領域内の所定位相に設定されたロック位相にお
いて、前記第1及び第2の回転体の相対回動を禁止可能
となるロック機構と、流体圧制御に基づき作動して、前
記第1及び第2の回転体の相対回動を前記ロック位相に
おいて一時的に規制可能となるストッパ機構とを備える
内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記第
1及び第2の回転体の相対回動にかかる流体圧を供給す
る第1の流体圧供給系に加え、その第1の流体圧供給系
による流体圧の供給態様に拘わらず、前記ストッパ機構
の作動にかかる流体圧制御のための流体圧を供給するこ
とのできる第2の流体圧供給系を更に設けたものであ
る。
【0015】上記構成では、第1の流体圧供給系による
流体圧供給によって第1及び第2の回転体を相対回動さ
せることで、それら第1及び第2の回転体にそれぞれ駆
動連結された機関出力軸に対するカムシャフトの回転位
相を許容範囲内で可変設定するようにしている。その結
果、カムシャフトの回転に応じて開閉駆動される機関バ
ルブのバルブタイミングが可変制御されるようになる。
そして、第2の流体圧供給系の流体圧供給に基づく流体
圧制御によってストッパ機構が作動されて、上記両回転
体の相対回動がロック位相において一時的に規制される
と、ロック機構がその相対回動を禁止可能とする。その
ため、上記両回転体の相対回動の許容範囲の両端の限界
位相、すなわち最遅角位相及び最進角位相を除いた中間
領域内の所定位相に設定されたロック位相であれ、ロッ
ク機構による相対回動の禁止を行うことができるように
なる。
【0016】また、上記構成では、上記両回転体の相対
回動にかかる流体圧を供給する流体圧供給系と、ストッ
パ機構の作動にかかる流体圧制御のための流体圧を供給
する流体圧供給系とが、それぞれ別途に設けられてお
り、上記両回転体の相対回動動作とストッパ機構の作動
動作とを、他方の動作に拘わらずそれぞれ独立して行う
ことができる。そのため、上記両回転体の相対回動に同
期させて、ストッパ機構を作動/作動解除することが可
能となり、適切な時期に確実にストッパ機構を作動させ
て、ロック機構による相対回動の禁止を行うことができ
るようになる。したがって、中間領域内に設定されたロ
ック位相においても、上記両回転体の相対回動をより確
実に禁止できるようになり、ひいては中間領域でのバル
ブタイミングの固定を確実に行うことができるようにな
る。
【0017】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記ストッパ機構を、その作動に応じて前記ロック
位相よりも所定回動方向への前記第1及び第2の回転体
の相対回動を禁止するように構成するとともに、前記ロ
ック機構を、少なくとも前記ストッパ機構によって禁止
される所定回動方向側への相対回動にかかる前記第1の
流体圧供給系の流体圧供給に応じて、前記相対回動の禁
止を解除するように構成するようにしている。
【0018】上記構成では、ストッパ機構が作動した状
態では、ロック位相よりも所定回動方向への上記両回転
体の相対回動が禁止されている。一方、ロック機構は、
ストッパ機構によって禁止される方向へと上記両回転体
を相対回動させるように、第1の流体圧供給系が流体圧
供給を行うことで、その相対回動の禁止を解除するよう
に構成されている。そこで、ロック機構による相対回動
の禁止を解除するにあたり、ストッパ機構を作動させて
おけば、上記相対回動の禁止が完全に解除されるまで、
ストッパ機構により相対回動をロック位相に保持してお
くことができるようになる。したがって、不適切な相対
回動方向への力の作用によってロック機構の解除が阻害
されることを防止し、ロック機構の解除性を確保するこ
とができるようになる。なお、上記のようにストッパ機
構の作動及びその作動解除は、上記第1の流体圧供給系
とは別途に設けられた第2の流体圧供給系の油圧供給に
基づいて行われるため、ロック機構の作動が解除される
まで、ストッパ機構の作動を確実に保持しておくことが
できる。
【0019】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置
において、前記ロック機構を、少なくとも前記ストッパ
機構の作動解除にかかる前記第2の流体圧供給系の流体
圧制御に応じて、前記相対回動の禁止を解除するように
構成するようにしている。
【0020】この構成では、第2の流体圧供給系の流体
圧制御によってストッパ機構の作動を解除すると、それ
と同時にロック機構による相対回動の禁止も解除するこ
とができる。したがって、バルブタイミング制御が行わ
れている期間などにおいて、それらストッパ機構及びロ
ック機構をより容易に解除しておくことができる。
【0021】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制
御装置において、前記第1及び第2の回転体のいずれか
一方の回転体の内部に周方向に延びる溝部を設け、ま
た、他方の回転体に前記溝部内に周方向に移動可能に挿
入されてその溝部を2つの圧力室とに区画するベーンを
設け、前記第1の流体圧供給系を前記圧力室に対して流
体圧を供給するように構成するとともに、前記ストッパ
機構を、前記第1及び第2の回転体のいずれかに設けら
れて、軸方向への移動に応じて前記圧力室内に突出、及
び同圧力室内から退避可能なストッパピンを備え、同ス
トッパピンが前記圧力室内に突出した状態で、前記ベー
ンの周方向側壁及び前記溝部の周方向側壁の双方と当接
することで、前記第1及び第2の回転体の相対回動を前
記ロック位相に一時的に規制するよう構成するようにし
ている。
【0022】この構成では、ストッパ機構が作動する
と、ストッパピンが圧力室内に突出するようになる。そ
して突出したストッパピンは、ベーンの周方向側壁及び
溝部の周方向側壁の双方と当接することで、上記両回転
体の相対回動が一時的に規制する。そのため、上記両回
転体の相対回動の規制に際して、ベーンの周方向側壁か
ら受ける押圧を溝部の周方向側壁へと伝達することがで
きるようになり、ストッパピンには、せん断等の不適切
な力が作用しない構造とすることができる。したがっ
て、ストッパ機構の信頼性を向上できるようになる。ま
た、その結果、ストッパピンの要求強度の増大が抑えら
れるようになり、ストッパ機構の小型化が容易ともな
る。
【0023】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記ストッパピンを、前記圧力室内に突出した状態
において、前記第1及び第2の回転体の回動方向に移動
可能に配設するようにしたものである。
【0024】この構成では、ストッパピンは、進角側圧
力室内に突出した状態で、回動方向に移動可能に配設さ
れており、組み付けのずれを吸収することが可能とな
る。ちなみに、上記のように、ストッパピンがベーン及
び溝部の周方向側壁と当接することで、上記両回転体の
相対回動を規制する構成であるため、ストッパピンの上
記回動方向への移動が許容されていても、ストッパ機構
としての機能は、支障なく発揮することができる。
【0025】また請求項6に記載の発明は、請求項4ま
たは5に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置に
おいて、前記第1の流体圧供給系を、前記ストッパ機構
の作動を解除するに際して、前記第1及び第2の相対回
動によって前記ベーンを前記ストッパピンから離間させ
た状態とするように前記圧力室への流体圧供給を行うよ
うにしたものである。
【0026】この構成では、ストッパ機構の作動解除に
際して、第1の流体圧供給系の流体圧供給に基づく上記
両回転体の相対回動によって、ストッパピンからベーン
を離間させるようにしている。したがって、ベーンから
の押圧を受けずに、圧力室内からストッパピンを退避さ
せることが可能となり、より円滑にストッパ機構の作動
を解除することができるようになる。なお、ここでの
「離間」とは、ストッパピンとベーンとの間で、回動方
向の力が作用し合わない状態を云い、たとえそれらが接
触されていたとしても、それらの接触面間に面圧がほと
んど作用していない状態であれば、上記「離間」に含ま
れるものとする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
バルブタイミング制御装置を具体化した一実施形態につ
いて、図を参照して詳細に説明する。このバルブタイミ
ング制御装置は、油圧供給に基づき作動して、機関出力
軸であるクランクシャフトに対するカムシャフトの回転
位相を可変とする可変バルブタイミング機構(VVT機
構)を備えている。
【0028】図1は、本発明にかかる内燃機関のバルブ
タイミング制御装置について、上記VVT機構が設けら
れたカムシャフト先端部の側部断面構造を示している。
この図1に示すように、カムシャフト10は、内燃機関
のシリンダヘッド11上端とベアリングキャップ12と
の間に回転可能に軸支されている。カムシャフト10
は、複数のカム(図示略)を備えており、その回転に応
じて機関バルブ(吸気/排気バルブ)を開閉駆動してい
る。一方、カムシャフト10の先端部には、上記VVT
機構9が装着されている。VVT機構9は、ギア13、
ハウジング14、カバー15、ベーンロータ17等を備
えて構成されている。
【0029】ギア13は、カムシャフト10の先端部に
相対回動可能に装着されている。ギア13は、タイミン
グチェーン(図示略)を通じて機関出力軸であるクラン
クシャフト(図示略)に駆動連結されており、同クラン
クシャフトの回転に同期して回転する。ギア13の先端
側には、取付ボルト16によって、ハウジング14及び
カバー15が同ギア13と一体回転するように固定され
ている。ちなみに、本実施形態では、これらギア13、
ハウジング14、カバー15などが上述の「第1の回転
体」に対応している。
【0030】また、カムシャフト10の先端には、セン
タボルト18aによって、ベーンロータ17がワッシャ
18及びスペーサ19とともに、一体となって回転する
ように固定されている。これらベーンロータ17等は、
上記ギア13、ハウジング14及びカバー15によって
囲繞された空間内に配設されている。ちなみに本実施形
態では、これらベーンロータ17、ワッシャ18、スペ
ーサ19などが上述の「第2の回転体」に対応してい
る。
【0031】図2は、図1のII−II線に沿った断面構造
を示している。なお、先の図1は、この図2のI−I線
に沿った断面構造に対応している。また、以下の説明に
おいては、カムシャフト10は図2の反時計回り方向に
回転されるものとする。
【0032】この図2に示すように、上記ベーンロータ
17は、その中央部に位置する略円筒形状のボス20
と、同ボス20の外周から径方向に向けて突出されて、
互いに所定間隔をおいて形成された複数の(本実施形態
では4つの)ベーン21とを備えている。上記ワッシャ
18は、ボス20の中央部においてそのカバー15(図
1)側端面に形成された略円筒形状をなす収容穴20a
内に配設されている。また、この図2には示されていな
いが、上記スペーサ19は、同じくボス20の中央部に
おいてそのギア13側端面に形成された略円筒形状の収
容穴20b(図1参照)内に配設されている。
【0033】一方、上記ハウジング14は略円環形状に
形成されており、その内周からより軸心方向に向けて突
出されて、互いに所定間隔をおいて形成された上記ベー
ン21と同数の(本実施形態では4つの)突状部23が
突出形成されている。また、各突状部23の間に設けら
れて周方向に延びる溝部24内には、上記ベーン21が
収容されている。そして、ベーン21の先端が溝部24
の内周面に、突状部23の先端がボス20の外周面にそ
れぞれ摺接している。こうして、ハウジング14と、上
記ベーンロータ17とは、ベーン21がその両側方に位
置する2つの突状部23のいずれか当接するまでの範囲
(許容可変範囲)内において、互いに同一の回転軸心を
有して相対回動可能に組み付けられている。
【0034】ここでベーン21は、上記溝部24内の空
間をそれぞれ2つの圧力室25、26に区画している。
以下では、これら圧力室のうち、ベーン21からみて、
カムシャフト10の回転方向と同方向(以下「進角方
向」)側に形成される圧力室25を「遅角側圧力室」と
いう。それに対して、カムシャフト10の回転方向と逆
方向(以下「遅角方向」という)側に形成される圧力室
26を「進角側圧力室」という。そして、これらの圧力
室25、26内に充填されたオイルを通じて、上記両回
転体間の回転力の伝達が行われる。
【0035】なお、上記各ベーン21及び各突状部23
の先端には、溝が形成されており、その内部にアペック
スシール27がそれぞれ配設されている。また、それら
の溝の内部には、板ばね28(図1参照)が配設されて
おり、アペックスシール27を先端側に向けて付勢して
いる。そして、このアペックスシール27によって、隣
り合った圧力室25、26間のオイルの流通が制限され
る。
【0036】図3は、図2のIII−III線に沿った断面構
造を示している。この図3に示すように、ベーンロータ
17のボス20に設けられた収容穴20aの内部には、
ワッシャ18がセンタボルト18aによって一体回転可
能に固定されている。そして、そのワッシャ18の外周
と収容穴20aの内周面との間には、リング部材34が
軸方向に移動可能に配設されている。このリング部材3
4は、その先端の突起34cがカバー15に設けられた
係止溝15aと係止して、一体回転可能に回り止めされ
ている。リング部材34の先端側外周には、全周に亘っ
て周方向に突出された拡径部34bが形成されている。
また、カバー15とリング部材34との間には、コイル
ばね35が介設されており、その付勢力によってリング
部材34は、カムシャフト10の基端側に向けて付勢さ
れている。
【0037】図4は、これらワッシャ18及びリング部
材34の斜視構造を示している。この図4に示すよう
に、ワッシャ18の基端部外周には、周方向に所定間隔
をおいて4つの突起18bが、またリング部材34の基
端部内周には、同様に周方向に所定間隔をおいて4つの
凹部34aがそれぞれ形成されている。これら突起18
bと凹部34aとが互いに対向する位置にある場合に
は、上記コイルばね35の付勢力によってリング部材3
4が基端側に移動することで、これら突起18bと凹部
34aとが係止されるようになる。そしてその結果、カ
バー15とベーンロータ17とが機械的に連結されて、
同ベーンロータ17の相対回動が禁止されるようにな
る。したがって、本実施形態では、これらリング部材3
4、ワッシャ18、コイルばね35等によって、上記
「ロック機構」が構成されている。
【0038】また、先の図3に示すように、リング部材
34の基端側端面と収容穴20aの底面と間に形成され
る空間36、及び同リング部材34の拡径部34bの基
端側端面と収容穴20aの内周面との間に形成される空
間37は、油圧を導入可能な圧力室とされている。以
下、これら圧力室36、37を「ロック解除用圧力室」
という。リング部材34は、これらロック解除用圧力室
36、37内の油圧を受け、上記コイルばね35の付勢
力に抗してカムシャフト10の先端側に、すなわち上記
突起18bと凹部34aとの係止を解除する側に向けて
押圧されるようになる。したがって、これら圧力室3
6、37に油圧供給することで、上記突起18bと凹部
34aとが係止して、ベーンロータ17の相対回動が禁
止された状態(ロック状態)を解除することができるよ
うになる。
【0039】一方、図3に示すように、進角側圧力室2
6部分のギア13には、カムシャフト10の軸方向に延
びる収容穴40が形成されており、その内部にストッパ
ピン41、シールリング42、43、コイルばね44、
45、圧入リング46が配設されている。
【0040】図5(a)(b)は、図2のV−V線に沿っ
た断面構造、すなわちストッパピン41等が配設された
進角側圧力室26部分の周方向に沿った断面構造を示し
ている。なお、同図(a)は、ストッパピン41の先端
部41aが進角側圧力室26内から退避した状態を、同
図(b)は、ストッパピン41の先端部41aが進角側
圧力室26内に突出した状態を、それぞれ示している。
【0041】同図5に示すように、収容穴40には、中
央に挿通孔46aが形成された略円環形状の圧入リング
46が圧入され、同収容穴40の開口部に固定されてい
る。ストッパピン41は、円筒形状に形成された先端部
41aと、拡径された基端部41bとを備えており、そ
の先端部41aは上記圧入リング46の挿通孔46aを
通じて進角側圧力室26内に突出可能となっている。挿
通孔46aの径は、ストッパピン41の先端部41aの
径よりも大径とされており、同ストッパピン41の先端
部41aは、進角側圧力室26内に突出した状態で、同
挿通孔46a内を摺動可能となる。更に、ストッパピン
41は、その基端側から形成された穴41c内に配設さ
れたコイルばね44によって、先端側に向けて、すなわ
ち進角側圧力室26内に突出する方向に向けて付勢され
ている。
【0042】シールリング42、43は、中央に挿通孔
が設けられた略円環形状にそれぞれ形成されており、そ
れらの挿通孔内にストッパピン41の先端部41aが貫
通された状態で、圧入リング46とストッパピン41の
基端部41bとの間に配設されている。圧入リング46
側に設けられたシールリング42の内径は、ストッパピ
ン41の先端部41aの外径とほぼ同径とされている。
また、基端部41b側に設けられたシールリング43の
内径は、ストッパピン41の先端部41aの外径よりも
大径に形成されている。また、同シールリング43の外
径は、上記収容穴40とほぼ同径に形成されており、同
収容穴40に沿って軸方向に移動可能とされている。
【0043】また、それらシールリング42、43の間
にはコイルばね45が介設されており、その付勢力によ
って、シールリング42は圧入リング46に、シールリ
ング43はストッパピン41の基端部41bにそれぞれ
押し付けられている。ちなみに、このコイルばね45の
付勢力は、上記ストッパピン41を付勢するコイルばね
44の付勢力よりも十分に小さく設定されている。した
がって、ストッパピン41は、より大きなコイルばね4
4の付勢力によって先端側に移動し、その先端部41a
は、進角側圧力室26内に突出されるようになる。
【0044】一方、コイルばね45によって押し付けら
れることで、シールリング42は、ストッパピン41の
先端部41aと挿通孔46aとの間の隙間を、またシー
ルリング43は、ストッパピン41の基端部41bと収
容穴40の内周との隙間を、それぞれシールする。シー
ルリング42、43の間の空間47は、油圧を導入可能
な圧力室とされている。以下、この圧力室47を「スト
ッパ解除用圧力室」という。ストッパピン41は、この
ストッパ解除用圧力室47内に導入された油圧を受け
て、基端側に向けて押圧される。したがって、このスト
ッパ解除用圧力室47内への油圧供給によって、ストッ
パピン41が基端側へと移動して、その先端部41aが
進角側圧力室26内から退避されるようになる。
【0045】上記ストッパ解除用圧力室47への油圧供
給時には、同図5(a)に示すように、ストッパピン4
1の先端部41aは、上記ベーン21と突状部23との
間に設けられた進角側圧力室26内から退避した状態に
ある。このとき、上記ベーンロータ17は、ハウジング
14に対して、そのベーン21がハウジング14の突状
部23と当接する位相、すなわち最遅角位相まで相対回
動することが許容されている。
【0046】一方、上記ストッパ解除用圧力室47への
油圧供給を遮断したときには、同図5(b)に示すよう
に、ストッパピン41の先端部41aは、上記ベーン2
1と突状部23との間に設けられた進角側圧力室26内
に突出した状態にある。このとき、ベーンロータ17が
遅角方向に相対回動されると、やがては、ベーン21の
周方向側壁がストッパピン41の先端部41aと当接す
る。ここで、上記圧入リング46の挿通孔46a内にお
いて移動可能に配設されたストッパピン41の先端部4
1aは、ベーン21に押圧されて、周方向に移動し、突
状部23の周方向側壁とも当接する。そして、ストッパ
ピン41の先端部41aがベーン21及び突状部23の
周方向側壁の双方に当接することで、その位相よりも遅
角方向へのベーンロータ17の相対回動が規制される。
【0047】ちなみに、このときのストッパピン41の
先端部41aは、ベーン21及び突状部23の双方と当
接しており、ベーンロータ17の回動に伴うベーン21
からの押圧をそのまま突状部23へと伝達することがで
きる。そのため、相対回動の規制にあたり、ストッパピ
ン41自体には、せん断等の力がほとんど作用しない構
造となっている。
【0048】なお、こうしてストッパピン41によりベ
ーンロータ17の遅角方向への相対回動が規制される位
相は、上記リング部材34の凹部34aとワッシャ18
の突起18bとが係止可能となり、ロック機構による相
対回動の禁止がなされる位相(ロック位相)に設定され
ている。そのため、ストッパ機構によりベーンロータ1
7の相対回動を上記ロック位相に一時的に規制した状態
で、上記凹部34aと突起18bとの係止或いはその係
止の解除を行うことができるようになる。
【0049】続いて、本実施形態のバルブタイミング制
御装置において、上記ハウジング14に対するベーンロ
ータ17の相対回動や、ロック機構及びストッパ機構の
作動解除にかかる油圧供給を行うための油圧供給系の構
成について説明する。
【0050】先の図1に示すように、ベーンロータ17
やハウジング14等が配設されたカムシャフト10の先
端部には、シリンダヘッド11やカムシャフト10の内
部を通じて形成された3本のオイル通路50、51、5
2が延伸されている。これらのオイル通路うち、オイル
通路50は遅角側圧力室25に、オイル通路51は進角
側圧力室26にそれぞれ接続されている。以下、遅角側
圧力室25に接続されたオイル通路50を「遅角側オイ
ル通路」といい、進角側圧力室26に接続されたオイル
通路51を「進角側オイル通路」という。
【0051】これら両各オイル通路50、51の他端
は、オイルコントロールバルブ(OCV)31に接続さ
れている。このOCV53は、電磁駆動式の流量制御弁
であり、エンジン制御用の電子制御装置(「ECU」)
54によって制御されている。OCV53には、上記ク
ランクシャフトの回転に連動して作動し、油圧を発生す
るオイルポンプ32と、オイルを貯留するオイルパン3
3とが更に接続されている。そしてOCV53は、EC
U54の作動制御のもとに、上記各オイル通路50、5
1に対して、オイルポンプ32及びオイルパン33のい
ずれかを連通し、上記各圧力室25、26にオイルポン
プ32からオイルを供給する、或いは各圧力室25、2
6からオイルパン33へとオイルを排出するようにして
いる。こうしたOCV53によるオイルの給排によっ
て、各圧力室25、26の油圧が調整されるようにな
る。
【0052】なお、本実施形態では、上記ロック解除用
圧力室37(図3)は、ベーンロータ17のボス20に
設けられた図示しないオイル通路を通じて、遅角側圧力
室25と接続されている。したがって、本実施形態で
は、OCV53による遅角側オイル通路50への油圧供
給によって、ロック機構の作動を解除し、ハウジング1
4に対するベーンロータ17の相対回動を許容すること
ができる。
【0053】一方、もう1つのオイル通路52は、図3
に示すように、ギア13の内部等を通じて、上記ストッ
パ機構を作動解除するためのストッパ解除用圧力室47
に接続されている。また、本実施形態では、上記ロック
機構を解除するためのロック解除用圧力室36にも接続
されている。
【0054】このオイル通路52の他端は、図1に示す
ように、オイルスイッチングバルブ(OSV)55に接
続されている。以下、このオイル通路52を「OSV通
路」という。OSV55は、電磁駆動式の流路切換弁で
あり、やはり上記ECU54によって制御されている。
そしてOSV55は、ECU54の作動制御のもとに、
上記OSV通路52とオイルポンプ32とを選択的に連
通或いはその連通を遮断する、すなわちOSV通路52
への油圧供給とその供給遮断とを切り換えている。そし
て、OSV55によるOSV通路52への油圧供給によ
って、ストッパ解除用圧力室47に油圧が導入され、ス
トッパ機構の作動が解除される。また、それと同時にロ
ック解除用圧力室36にも油圧が導入されて、ロック機
構の作動も解除されるようになる。
【0055】図6は、本実施形態のバルブタイミング制
御装置の油圧回路構成を模式的に示している。この図6
に示すように、本実施形態のバルブタイミング制御装置
では、主にカムシャフト10の位相制御にかかる上記遅
角側及び進角側圧力室25、26への油圧供給を司るO
CV53や遅角側/進角側オイル通路50、51等から
なる油圧供給系(第1の流体圧供給系)と、主にストッ
パ機構の作動解除にかかる油圧供給を司るOSV55及
びOSV通路52からなる油圧供給系(第2の流体圧供
給系)とからなる2つの油圧供給系を備えて構成されて
いる。したがって、ハウジング14に対するベーンロー
タ17の相対回動と、ストッパ機構の作動/作動解除と
を、他方の油圧供給態様の如何に拘わらず的確に制御す
ることができる。そのため、ハウジング14に対するベ
ーンロータ17の相対回動に同期させながらストッパ機
構を作動/作動解除することができるようになり、スト
ッパ機構、ひいてはロック機構を確実に動作させること
ができるようになる。
【0056】続いて、本実施形態のバルブタイミング制
御装置について、機関始動から機関停止に至るまでの制
御態様を説明する。 <機関始動時>内燃機関の始動前には、遅角側及び進角
側圧力室25、26内の油圧が抜けた状態となってい
る。また、ストッパ解除用圧力室47内の油圧も抜けた
状態となっており、ストッパピン41の先端部41aは
進角側圧力室26内に突出した状態となっている。この
とき本実施形態では、後述するように前回の機関停止時
の制御によって、ロック機構が作動されており、上記ロ
ック位相においてハウジング14に対するベーンロータ
17の相対回動が禁止されている。このロック位相は、
内燃機関の始動に適したバルブタイミングが得られるよ
うに設定されている。そのため、油圧供給に基づく位相
制御を行うことのできない機関始動時にも、適切なバル
ブタイミングが確保されている。
【0057】さて、内燃機関が始動されると、オイルポ
ンプ32も作動を開始する。ここでECU54は上記O
CV53を制御して、所定の期間、遅角側オイル通路5
0に対して油圧供給を行う。このとき、遅角側圧力室2
5に連通されたロック解除用圧力室37にも油圧が導入
される。そして、ロック解除用圧力室37内に十分な油
圧が導入されると、リング部材34がコイルばね35の
付勢力に抗して移動してロック機構の作動が解除され
る。ただし、こうしてロック機構の作動が解除されて
も、ストッパ機構は作動しており、ベーン21がストッ
パピン41の先端部41aに押し付けられて、ベーンロ
ータ17の遅角方向への相対回動が規制されている。そ
のため、ベーンロータ17の位相は、上記ロック位相に
保持されている。
【0058】その後、ECU54は、遅角側及び進角側
圧力室25、26内の油圧を釣り合わせ、ハウジング1
4に対するベーンロータ17の位相を保持すべく、OC
V53を制御する。また、それとともに、ECU54は
上記OSV55を制御して、OSV通路52に対して油
圧供給を行い、ストッパ機構の作動を解除する。このと
きのベーン21は、遅角側及び進角側圧力室25、26
の油圧によって位相保持されており、ストッパピン41
への押し付けは解除されている。そのため、ストッパピ
ン41の先端部41aを進角側圧力室26内からの円滑
に退避させることができる。こうしてストッパ機構の作
動が解除されると、ベーンロータ17の相対回動が全面
的に許容されるようになる。
【0059】<機関運転中>ロック機構及びストッパ機
構が解除されると、ECU54はOCV53を制御し
て、遅角側及び進角側圧力室25、26内の油圧を制御
し、機関運転状態に応じたバルブタイミング制御を行
う。一方、OSV55によるOSV通路52への油圧供
給は機関運転中、継続されている。そのため、ロック解
除用圧力室36及びストッパ解除用圧力室47内に十分
な油圧が導入されて、ロック機構及びストッパ機構は作
動解除された状態に保持されている。
【0060】<機関停止時>イグニッションスイッチが
オフされると、ECU54は、ロック機構を作動すべ
く、以下の制御を行う。
【0061】まず、ECU54はOCV53を制御し
て、進角側オイル通路51に油圧を供給して、ベーンロ
ータ17を少なくとも上記ロック位相よりも進角側に相
対回動させる。なお、進角側オイル通路51の油圧供給
を十分な期間行えば、それ以前に如何なる位相に位置さ
れていたとしても、ベーンロータ17をロック位相より
も進角方向側に回動させることはできる。
【0062】そして、ベーンロータ17がロック位相よ
りも十分に進角側まで回動すると、ECU54はOSV
55を制御して、OSV通路52への油圧供給を停止す
る。これにより、ストッパ解除用圧力室47内の油圧が
低下し、コイルばね44によって付勢されてストッパピ
ン41の先端部41aが進角側圧力室26内に突出し
て、ストッパ機構が作動される。
【0063】こうしてストッパ機構が作動した後、EC
U54はOCV53を制御して、遅角側オイル通路50
に対して油圧を供給し、ベーンロータ17を遅角方向に
相対回動させる。このときストッパ機構が作動されてい
るため、ベーンロータ17は、上記ロック位相まで相対
回動されたところで係止される。
【0064】その後、オイルポンプ32の作動停止によ
り、遅角側オイル通路50に対する油圧供給が停止する
のに伴い、遅角側圧力室25に接続されたロック解除用
圧力室37内の油圧も徐々に低下する。その結果、リン
グ部材34はコイルばね35によって基端側に移動す
る。このときのベーンロータ17はストッパ機構によっ
てロック位相に保持されているため、突起18bと凹部
34aとが係止されて、ロック機構が作動する。
【0065】以上説明した本実施形態の内燃機関のバル
ブタイミング制御装置によれば、以下の効果を得られる
ようになる。 (1)本実施形態では、ハウジング14に対してベーン
ロータ17を相対回動させるための油圧供給を行う第1
の油圧供給系に加え、ストッパ機構の作動にかかる油圧
制御のための油圧供給を行う第2の油圧供給系を別途に
設けるようにしている。そのため、ベーンロータ17の
相対回動位相とストッパ機構の作動/作動解除とを、他
方の制御状態に拘わらずそれぞれ独立して制御可能とな
り、ストッパ機構の作動/作動解除をベーンロータ17
の回動動作に同期させて行うことができるようになる。
したがって、ベーンロータ17の相対回動をストッパ機
構によってロック位相に規制し、ロック機構を確実に作
動させることができるようになる。そして、ひいては、
中間領域でのバルブタイミングの固定を確実に行うこと
ができるようになる。
【0066】(2)本実施形態では、ストッパ機構の作
動によって、ベーンロータ17のロック位相よりも遅角
方向への相対回動を規制するとともに、ベーンロータ1
7を遅角方向に相対回動させるための遅角側圧力室25
への油圧供給によってロック機構の作動が解除されるよ
うに構成している。そのため、ストッパ機構によってベ
ーンロータ17の位相をロック位相に保持した状態で、
ロック機構の作動を解除することができ、回動方向への
不適切な力の作用を受けずに突起18bと凹部34aと
の係止を解除することができる。したがって、ロック機
構の作動の解除性を向上することができるようになる。
なお、上記のようにストッパ機構の作動及びその作動解
除は、独自の油圧供給系(第2の油圧供給系)によって
行われるため、ロック機構の作動が解除されるまで、ス
トッパ機構の作動を確実に保持しておくことができる。
【0067】(3)本実施形態では、ストッパ機構の作
動を解除するためのOSV55によるOSV通路52へ
の油圧供給によって、ロック機構の作動も解除されるよ
うに構成されている。そのため、ストッパ機構と共にロ
ック機構も同時に作動解除することができるため、機関
運転中のバルブタイミング制御が行われている期間、こ
れらストッパ機構及びロック機構の作動をより容易に解
除しておくことができる。
【0068】(4)本実施形態では、ストッパピン41
の先端部41aが、ベーン21の周方向側壁及び突状部
23の周方向側壁の双方と当接することで、ハウジング
14に対するベーンロータ17の相対回動をロック位相
に一時的に規制するよう構成されている。そのため、ベ
ーンロータ17の相対回動の規制に際し、ベーン21の
押圧を突状部23へと伝達して、ストッパピン41の先
端部41aには、せん断等の不適切な力が作用しない構
造とすることができる。したがって、ストッパピン41
の信頼性を向上できるようになる。また、その結果、ス
トッパピン41の要求強度の増大が抑えられるようにな
り、ストッパ機構の小型化が容易ともなる。
【0069】(5)本実施形態では、ストッパピン41
は、進角側圧力室26内に突出した状態で、周方向、す
なわちベーンロータ17の回動方向に移動可能に配設さ
れている。そのため、ギア13とハウジング14との組
み付けのずれを吸収することが可能となる。ちなみに、
上記のように、ストッパピン41の先端部41aがベー
ン21と突状部23との間に挟み込まれ、それらの周方
向側壁と当接することで、ハウジング14の相対回動を
規制する構成であるため、ストッパピン41の周方向へ
の移動が許容されていても、ストッパ機構としての機能
は、支障なく発揮することが可能である。
【0070】(6)本実施形態では、内燃機関の始動に
あたりストッパ機構の作動解除に際して、OCV53か
らの油圧供給によって、遅角側及び進角側圧力室25、
26内の油圧でベーンロータ17の位相を保持し、スト
ッパピン41にはベーンからの押圧が作用しないように
している。したがって、ストッパピン41の先端部41
aを進角側圧力室26内から円滑に退避することがで
き、ストッパ機構の作動解除性を高めることができるよ
うになる。
【0071】(7)本実施形態では、ロック機構を構成
するリング部材34やワッシャ18を、ベーンロータ1
7のボス20内に配設するようにしている。したがっ
て、従来の技術として掲げた図8の装置のような、ベー
ンに配設されたロックピンを備えるロック機構を採用し
た場合に比べ、ギアの内部等にスペース的な余裕ができ
るため、上記のようなストッパ機構や油圧供給構造を備
えるバルブタイミング制御装置の実現が容易ともなる。
【0072】以上説明した本実施形態の内燃機関のバル
ブタイミング制御装置は、次のように変更することもで
きる。 ・上記実施形態におけるベーンロータ17のベーン2
1、或いはハウジング14の突状部23及び溝部24の
数は、任意に変更してもよい。
【0073】・上記実施形態では、リング部材34等を
用いることで、ベーンロータ17のボス20内にロック
機構を配設する構成としているが、例えば図7に示す従
来の装置のようなベーンに配設されたロックピンを備え
るロック機構を採用するなど、ロック機構の構成を任意
に変更してもよい。要は、上記中間領域内に設定された
ロック位相において両回転体の相対回動を禁止すること
のできるロック機構を備えるバルブタイミング制御装置
であれば、上記実施形態の油圧供給系やストッパ機構の
構成を適用することで、上記(1)〜(6)と同様、或
いはそれに準じたの効果を得ることができる。
【0074】・上記実施形態では、ストッパ機構の解除
に際して、遅角側及び進角側圧力室25、26内の油圧
によってベーンロータ17を上記ロック位相に保持する
ことで、ストッパピン41の退避にあたって、ベーン2
1からの押圧が加わらないようにして、ストッパ機構の
解除性を向上している。ただし、ストッパ機構の解除時
に、ベーンロータ17を上記ロック位相よりも進角方向
に移動させ、ストッパピン41の先端部41aからベー
ン21を離間させておけば、ベーン21の押圧によるス
トッパ機構の解除不全を防止することはできる。ちなみ
に上記実施形態では、上記ロック位相が内燃機関の始動
に適した位相に設定されており、機関始動時に行われる
ストッパ機構の解除にあたり、ベーンロータ17の位相
をそのロック位相に保持しておくことがより好ましい。
【0075】・上記実施形態では、ストッパ機構は、先
端部41aがベーン21の周方向側壁及び突状部23の
周方向側壁の双方と当接することで、ハウジング14に
対するベーンロータ17の相対回動をロック位相に一時
的に規制するとともに、回動方向に移動可能に配設され
たストッパピン41を備える構成としている。ただし、
こうしたストッパピン41を備える構成以外のストッパ
機構であっても、両回転体の相対回動を上記ロック位相
において一時的に規制可能なストッパ機構を備えるバル
ブタイミング制御装置であれば、上記実施形態と同様或
いはそれに準じた油圧供給系の構成を採用することで、
上記(1)〜(3)の効果を得ることはできる。
【0076】・上記実施形態では、遅角側オイル通路5
0への油圧供給、及びOSV通路52への油圧供給のい
ずれによっても、ロック機構が作動解除される構成とし
ているが、ロック機構の作動解除のための油圧供給経路
の構成は、これに限らず任意に変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態についてそのカムシャフト
先端部の側部断面構造を示す断面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面構造を示す断面
図。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面構造を示す断面
図。
【図4】ロック機構を構成するリング部材及びワッシャ
の分解斜視図。
【図5】ストッパピンが配設された収容穴部分の拡大断
面図。
【図6】バルブタイミング制御装置の油圧回路構成を示
す略図。
【図7】従来の内燃機関のバルブタイミング制御装置の
正面断面構造を示す断面図。
【符号の説明】
9…可変バルブタイミング機構(VVT機構)、10…
カムシャフト、13…ギア、14…ハウジング、15…
カバー、17…ベーンロータ、18…ワッシャ、19…
スペーサ、21…ベーン、24…溝部、25…遅角側圧
力室、26…進角側圧力室、32…オイルポンプ、34
…リング部材、36,37…ロック解除用圧力室、41
…ストッパピン、47…ストッパ解除用圧力室、50…
遅角側オイル通路、51…進角側オイル通路、52…O
SV通路、53…オイルコントロールバルブ(OC
V)、54…電子制御装置(ECU)、55…オイルス
イッチングバルブ(OSV)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三瓶 和久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G018 BA33 CA20 DA52 DA71 EA02 EA21 EA31 EA32 GA02 GA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関出力軸に駆動連結された第1の回転体
    と、その第1の回転体と互いに同一の軸心を有して相対
    回動可能に配設されて、カムシャフトに駆動連結された
    第2の回転体と、流体圧供給に基づき前記第1及び第2
    の回転体を相対回動させて、前記機関出力軸に対する前
    記カムシャフトの回転位相を許容範囲内で可変設定する
    とともに、前記許容範囲の両端の限界位相を除いた中間
    領域内の所定位相に設定されたロック位相において、前
    記第1及び第2の回転体の相対回動を禁止可能となるロ
    ック機構と、流体圧制御に基づき作動して、前記第1及
    び第2の回転体の相対回動を前記ロック位相において一
    時的に規制可能となるストッパ機構とを備える内燃機関
    のバルブタイミング制御装置において、前記第1及び第
    2の回転体の相対回動にかかる流体圧を供給する第1の
    流体圧供給系に加え、その第1の流体圧供給系による流
    体圧の供給態様に拘わらず、前記ストッパ機構の作動に
    かかる流体圧制御のための流体圧を供給することのでき
    る第2の流体圧供給系を更に設けることを特徴とする内
    燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】前記ストッパ機構は、その作動に応じて、
    前記ロック位相よりも所定回動方向への前記第1及び第
    2の回転体の相対回動を禁止するように構成されてな
    り、更に前記ロック機構は、少なくとも前記ストッパ機
    構によって禁止される所定回動方向側への相対回動にか
    かる前記第1の流体圧供給系の流体圧供給に応じて、前
    記相対回動の禁止を解除するように構成されてなる請求
    項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】前記ロック機構は、少なくとも前記ストッ
    パ機構の作動解除にかかる前記第2の流体圧供給系の流
    体圧制御に応じて、前記相対回動の禁止を解除するよう
    に構成されてなる請求項1または2に記載の内燃機関の
    バルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の回転体のいずれか一方
    の回転体は、内部に設けられた周方向に延びる溝部を有
    し、他方の回転体は、前記溝部内に周方向に移動可能に
    挿入されてその溝部を2つの圧力室とに区画するベーン
    を有してなり、前記第1の流体圧供給系は、前記圧力室
    に対して油圧を供給するように構成されるとともに、前
    記ストッパ機構は、前記第1及び第2の回転体のいずれ
    かに設けられて、軸方向への移動に応じて前記圧力室内
    に突出、及び同圧力室内から退避可能なストッパピンを
    備え、同ストッパピンが前記圧力室内に突出した状態
    で、前記ベーンの周方向側壁及び前記溝部の周方向側壁
    の双方と当接することで、前記第1及び第2の回転体の
    相対回動を前記ロック位相に一時的に規制するよう構成
    されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の
    バルブタイミング制御装置。
  5. 【請求項5】前記ストッパピンは、前記圧力室内に突出
    した状態において、前記第1及び第2の回転体の回動方
    向に移動可能に配設されてなる請求項4に記載の内燃機
    関のバルブタイミング制御装置。
  6. 【請求項6】前記第1の油圧供給系は、前記ストッパ機
    構の作動を解除するに際して、前記第1及び第2の相対
    回動によって前記ベーンを前記ストッパピンから離間さ
    せた状態とするように前記圧力室への油圧供給を行う請
    求項4または5に記載の内燃機関のバルブタイミング制
    御装置。
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US9995186B2 (en) 2014-09-29 2018-06-12 Hyundai Motor Company Method and system for releasing catching of locking pin

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