JP2001226141A - 夾雑物含有積層泡ガラス及びその製造方法 - Google Patents

夾雑物含有積層泡ガラス及びその製造方法

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JP2001226141A JP2000039917A JP2000039917A JP2001226141A JP 2001226141 A JP2001226141 A JP 2001226141A JP 2000039917 A JP2000039917 A JP 2000039917A JP 2000039917 A JP2000039917 A JP 2000039917A JP 2001226141 A JP2001226141 A JP 2001226141A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物や自動車の解体時等に発生する夾雑物
を多く含む廃ガラスを有効利用して、建築用或いは各種
産業用断熱材等として有用な積層泡ガラスを提供する。 【解決手段】 夾雑物を含有する廃ガラスの破砕ないし
粉砕物を原料として製造された積層泡ガラスであって、
比較的大きな夾雑物5を含む泡ガラス層よりなる下層2
と、比較的小さな夾雑物を含むか或いは夾雑物を殆ど含
まない泡ガラス層よりなる表層4との積層構造とされた
積層泡ガラス1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物や自動車の
解体時等に発生する多夾雑物含有廃ガラスを原料として
製造された、建築用或いは各種産業用断熱材等として有
用な積層泡ガラスと、この積層泡ガラスを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】泡ガラスは、その多孔質により、断熱
性、吸音性等を有することから、住宅の内、外装材や壁
材等として多用されている。
【0003】従来の泡ガラスは、一般に表層の緻密層と
下層の多孔質層とで構成された積層構造とされ、例え
ば、次のようなものが提案されている。 特公平4−66821号公報 気孔率1〜30体積%の緻密質泡ガラスで島状模様を有
する表層と、気孔率70〜95体積%の多孔質泡ガラス
の下層との積層泡ガラス。 特公平6−99160号公報 緻密ガラス層の表層と、比重0.8〜1.8の発泡ガラ
ス層の中間層と、比重0.8未満の発泡ガラス層の下層
との積層泡ガラス。
【0004】ところで、ガラス製造工場、ガラス加工工
場の不良品や残留物、その他、住宅やビルなどの建築物
や廃棄自動車の解体工場などから発生する分別、分類の
困難な廃ガラス(クズガラス)の中には、ガラス以外
に、塩化ビニル、ポリエチレンなどの樹脂類や、アルミ
ニウム、鉄、銅、銀などの金属類、更には、木片、土砂
など多岐にわたる夾雑物が混入している。これらの夾雑
物の多くは展延性を有するため、ガラスと共に粉砕して
も粉体にはならず、大小の夾雑物としてガラス粉中に混
入したものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の泡ガラスは、原
料ガラス(カレット)の種類や純度に制限があり、不純
物を多く含むカレットを原料として用いることは困難で
ある。即ち、従来の泡ガラスは、層毎に均一な気泡を形
成する必要があるため、発泡状態の異なるものや発泡せ
ずに異物による空隙を形成するものなどが混入したカレ
ットを用いることはできない。
【0006】一方で、近年、資源の有効利用、廃棄物の
減量化の面から、前述の様々な夾雑物を含有する廃ガラ
スについても有効再利用することが強く望まれている
が、前述の如く、廃ガラス中の夾雑物は分別が非常に困
難であり、ガラスだけを取り出すためには多大な分別コ
ストがかかる。また、夾雑物は容易に粉砕することがで
きず、大小の夾雑物としてガラス粉中に残留する。この
ため、従来においては、このような夾雑物を含む廃ガラ
スを有効再利用する方法が確立されていないのが現状で
ある。
【0007】また、泡ガラスを建築物の基礎断熱や捨型
枠等として用いる場合、コンクリートの打設面に当接さ
れて施工されるが、この施工の際に、従来の泡ガラスは
裏面の凹凸が小さいために、セメントの食い込みが悪
く、コンクリート打設面との結合力が弱いという欠点も
あった。また、アルカリ骨材反応による結合力の低下の
問題もあった。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決し、建築
物や自動車の解体時等に発生する夾雑物を多く含む廃ガ
ラスを有効利用して、建築用或いは各種産業用断熱材等
として有用な積層泡ガラスを提供することを目的とす
る。
【0009】本発明はまた、コンクリート打設面との接
合力の高い積層泡ガラスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の夾雑物含有積層
泡ガラスは、夾雑物を含有する廃ガラスの破砕ないし粉
砕物を原料として製造された積層泡ガラスであって、比
較的大きな夾雑物を含む泡ガラス層よりなる下層と、比
較的小さな夾雑物を含むか或いは夾雑物を殆ど含まない
泡ガラス層よりなる表層との積層構造とされたことを特
徴とする。
【0011】この積層泡ガラスは、夾雑物を含有する廃
ガラスを分別することなく、そのまま破砕ないし粉砕し
て製造されるため、分別コストを要することなく、廃ガ
ラスの有効再利用を図ることができ、廃棄物を減量化す
ることができる。
【0012】また、下層は、比較的大きな夾雑物を含む
泡ガラス層であり、下面の凹凸が大きいため、コンクリ
ート打設面への結合力が高い。
【0013】一方、表層は夾雑物を殆ど含まないか、微
細な夾雑物を少量含む層であるため、化粧材としての用
途にも適用可能である。
【0014】しかも、本発明の積層泡ガラスは、それ自
体が廃材とされた場合、再度必要に応じて発泡剤を混合
すると共に、破砕ないし粉砕して積層泡ガラスの原料と
して再利用することができ、資源の有効利用、廃棄物の
減量化に有効である。
【0015】本発明の夾雑物含有積層泡ガラスは、特
に、比較的大きな夾雑物を含む泡ガラス層よりなる下層
と、比較的小さな夾雑物を含む泡ガラス層よりなる中間
層と、夾雑物を殆ど含まないか微細な夾雑物を含む泡ガ
ラス層よりなる表層との積層構造とされていることが好
ましい。
【0016】このような夾雑物含有積層泡ガラスは、夾
雑物を含有する廃ガラスを破砕し、分級することにより
粗粒分と細粒分とに分別し、該粗粒分の層と該細粒分に
発泡剤を混合した層とを積層して得られた成型体を焼成
する本発明の夾雑物含有泡ガラスの製造方法により容易
に製造することができる。
【0017】この方法において、前記細粒分に発泡剤を
混合して粉砕後分級して発泡性細粒分と発泡性微細粒分
とに分別し、該発泡性細粒分の層を介して前記粗粒分の
層と該発泡性微細粒分の層とを積層して得られた成型体
を焼成することが好ましい。また、この場合において、
前記粗粒分の層を形成した後、この層上に前記発泡性微
細粒分を散布し、その後、発泡性細粒分の層を形成する
ことが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0019】図1は本発明の夾雑物含有積層泡ガラスの
実施の形態を示す模式的な断面図である。
【0020】図1の夾雑物含有積層泡ガラス1は、比較
的大きな夾雑物(大夾雑物)5を多く含む泡ガラス層よ
りなる下層2と、比較的小さな夾雑物(小夾雑物)6を
含む泡ガラス層よりなる中間層3と、夾雑物を殆ど含ま
ないか或いは微細な夾雑物(微細夾雑物)7を少量含む
泡ガラス層よりなる表層4との3層積層構造とされたも
のである。
【0021】このような夾雑物含有泡ガラス1は、例え
ば次のようにして製造することができる。
【0022】まず各種の廃ガラスを破砕機で破砕して分
級し、篩上の大夾雑物を含有する粗粒分を分取して下層
成型用原料とする。また、篩下の粒分に発泡剤を混合し
て粉砕した後分級し、篩上の細粒分と篩下の微細粒分と
に分ける。篩上の細粒分は小夾雑物を含有するものであ
り中間層成型用原料とする。篩下の微細粒分は夾雑物を
殆ど含有しないか或いは微細な夾雑物を少量含有するも
のであり、表層成型用原料及び層間散布用ガラス粉とす
る。
【0023】型に下層成型用原料を充填した後必要に応
じて層間散布用ガラス粉を散布し、更に中間層成型用原
料を充填した後必要に応じて層間散布用ガラス粉を散布
し、その後表層成型用原料を充填して成型体を得、これ
を焼成する。下層成型用原料中の夾雑物の大きさ(粒
径)は5〜30mm程度であることが好ましく、そのガ
ラス含有量は30〜80重量%であることが好ましい。
即ち、下層成型用原料中の夾雑物を5mmより小さく破
砕するには破砕コストが嵩み、30mmより大きいと成
型、焼結性が損なわれる。また、下層成型用原料のガラ
ス含有量が30重量%未満では焼結により十分な強度を
得ることができず、80重量%を超えるようなガラス含
有量の粒分を廃ガラスの破砕で得ることは困難である。
【0024】この下層成型用原料は、焼成により消失し
て空隙を形成するような夾雑物を含み、大夾雑物を多く
含むため、発泡剤を添加することなく泡ガラス層を形成
することができるが、発泡剤の添加を否定するものでは
ない。
【0025】また、下層成型用原料を分別した後の篩下
の粒分に混合する発泡剤の添加量は、当該粒分の夾雑物
含有量や大きさ等によっても異なるが、該粒分に対して
通常、ドロマイトや炭酸カルシウム等の発泡剤の場合1
〜7重量%程度、好ましくは3〜5重量%程度とするの
が、得られる積層泡ガラスの比重、気孔率、強度等の面
から好ましい。
【0026】この篩下の粒分に発泡剤を混合して粉砕、
分級して得られる中間層成型用原料中の夾雑物の大きさ
(粒径)は1〜5mm程度であることが好ましく、その
ガラス含有量は80〜95重量%であることが好まし
い。即ち、焼結性等の面で中間層成型用原料中の夾雑物
を1mmより小さく粉砕する必要はなく、これより小さ
く粉砕するには粉砕コストが嵩み、一方、5mmより大
きいと成型、焼結性が損なわれる。また、中間層成型用
原料のガラス含有量が80重量%未満では焼結により十
分な強度を得ることができず、95重量%を超えるよう
なガラス含有量の粒分を廃ガラスの粉砕、分級で得るこ
とは困難である。
【0027】また、表層成型用原料はガラス含有量90
重量%以上でガラス粉の大きさ(粒径)は400μm以
下であることが好ましい。
【0028】なお、下層上に中間層を積層する際、及び
中間層上に表層を積層する際、表層成型用原料を層間散
布用ガラス粉として散布することにより、この層間散布
用ガラス粉が各層の夾雑物間に入り込み、強度向上効果
が得られ、好ましい。
【0029】下層成型用原料、中間層成型用原料及び表
層成型用原料を順次積層して得られた成型体の焼成条件
は、通常の泡ガラスの焼成条件でよく、3〜15℃/分
で昇温し、700〜850℃で5〜60分保持した後、
0.3〜2℃/分で降温すれば良い。
【0030】このようにして得られた焼結体は必要に応
じて切断加工されて製品とされる。
【0031】なお、図1に示すような3層積層泡ガラス
の場合、積層泡ガラスの総厚みに対する各層の割合には
特に制限はないが、強度や比重等の面から、下層の厚み
が積層泡ガラスの総厚みの30〜60%、中間層の厚み
が積層泡ガラスの総厚みの20〜50%、表層の厚みが
積層泡ガラスの総厚みの20〜50%とするのが好まし
い。また、下層を構成する泡ガラス中の泡(気泡)の径
は0.1〜7mm程度であり、泡の量は70〜95体積
%程度、中間層を構成する泡ガラス中の泡(気泡)の径
は0.1〜5mm程度であり、泡の量は85〜95体積
%程度、表層を構成する泡ガラス中の泡(気泡)の径は
0.1〜3mm程度であり、泡の量は70〜95体積%
程度であることが好ましい。
【0032】なお、図1に示す積層泡ガラス及び上記製
造方法は、本発明の実施の形態の一例であって、何ら本
発明を制限するものではない。
【0033】例えば、本発明の積層泡ガラスは、3層積
層構造に限らず、下層程大きな夾雑物を多く含有し、上
層程小さな夾雑物を少なく含有する4層以上の多層構造
であっても良い。また、2層構造であっても良い。
【0034】また、夾雑物を含有する層同士の間に夾雑
物を含有しない層を形成しても良い。
【0035】また、製造方法についても、前述の方法と
は逆に、型に表層成型用原料、層間散布用ガラス粉、中
間層成型用原料、層間散布用ガラス粉及び下層成型用原
料の順で充填しても良い。この場合には、表層が型面に
当接して成型されるため、表層面の平滑性が高く、一
方、下層の面は凹凸のより一層大きい積層泡ガラスが得
られる。この積層泡ガラスは、取り扱い性は若干劣る
が、コンクリート打設面に対する結合性に優れる。
【0036】また、成型用原料として、当該積層泡ガラ
スに必要に応じて発泡剤を混合して破砕ないし粉砕した
ものを用いても良い。
【0037】なお、本発明において原料とする夾雑物含
有廃ガラスは、ガラス製造工場、ガラス加工工場の不良
品や残留物、その他、住宅やビルなどの建築物や廃棄自
動車の解体工場などから発生する分別、分類の困難な廃
ガラスであって、次のようなものが挙げられ、これらの
1種又は2種以上を分別することなく、そのまま破砕な
いし粉砕して用いることができる。 ・複層ガラス、網入りガラス、合せガラス、導電性ガラ
ス、鏡、透明板ガラス、型ガラス ・ガラス短繊維、ガラス長繊維 ・ビンガラス ・結晶化ガラス、焼結ガラス また、このような廃ガラス中に含まれる夾雑物の材質は
例えば次のようなものである。 ・塩化ビニール、ブチルゴム、ポリエチレン ・アルミ、鉄、ステンレス、銅、銀及び金属酸化物 ・シリカゲル、ベントナイト、木片、土砂 なお、原料中に混合する発泡剤としては、特に制限はな
く、石灰石粉、炭酸カルシウム、ドロマイト、カーボ
ン、炭化珪素等の通常の泡ガラスの製造に用いられるも
のを使用することができる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0039】実施例1 複層ガラス加工工場から発生した不良品ガラスを収集
し、板ガラス工場にリサイクルされる部分を分別し、残
りの塩化ビニル製グレチャンやアルミスペーサーなどを
含む多夾雑物含有廃ガラスを多軸のギヤーからなる破砕
機にかけ、その後目開き25mmの篩機で分級した。篩
上分は収量5〜20重量%で大部分は夾雑物からなって
いた。その構成比をみると重量比で、ブチルゴム40
%、塩化ビニル20%、ガラス20%、アルミニウム1
0%、乾燥材等10%であり、大きさは(粒径)10〜
50mm程度であった。この大夾雑物含有ガラス粉を下
層成型用原料とした。
【0040】また、篩下分には、発泡剤としてドロマイ
ト4%を添加して、ボールミルで粉砕した。粉砕条件
は、ミル内容積100L、アルミナボール(直径40m
m)90g、被砕物量30kg、回転数35rpmで3
時間であった。その後、目開き356μmの篩機にて分
級し、篩下分のガラス粉を表層成型用原料及び層間散布
用ガラス粉とした。このガラス粉は微小の夾雑物を含有
し、灰色を呈していた。一方、篩上分は収量1〜10重
量%で大きさ(粒径)1〜10mm程度の夾雑物含有ガ
ラスで、その構成比は重量比でブチルゴム50%、ガラ
ス30%、塩化ビニル10%、アルミニウム10%であ
った。この小夾雑物含有ガラス粉を中間層成型用原料と
した。
【0041】次に、ムライト・コージェライト系耐火板
(厚み8mm)を準備し、その上に離型材として平均粒
径70μmのアルミナを散布した。原料充填は、まず、
下層成型用原料として大夾雑物含有ガラス粉1.5kg
/mを充填し、その上に層間散布用ガラス粉3kg/
を散布した。このガラス粉は夾雑物間に入り込む形
で充填された。次に、中層成型用原料として小夾雑物含
有ガラス粉0.75kg/mを充填し、その上に再び
層間散布用ガラス粉2.25kg/mを散布した。こ
のガラス粉も同様に夾雑物間に入り込んだ。最後に、表
層成型用原料としての上記ガラス粉7.5kg/m
散布し、表面を軽くパイプで均した。
【0042】このようにして成型された成型体をローラ
ーハースキルンに入れ、5℃/分の昇温速度で750℃
まで上げ、750℃で30分保持した後、0.6℃/分
の降温速度で冷却した。
【0043】得られた積層泡ガラスは、嵩比重0.3、
熱伝導率0.052kcal/m・hr・℃の灰色の断
熱体であった。この積層泡ガラスを切断して断面を観る
と、アルミニウム片と樹脂類の焼成残渣(灰分)及び泡
ガラス以外の空隙があったが、全体として泡ガラスに包
含されていた。最下層にあたる裏面は凹凸が大きかっ
た。この積層泡ガラスの表層、中間層及び下層の厚みは
概ね30mm,15mm,23mmで全体の厚さは68
mmであった。また、下層を構成する泡ガラス中の泡
(気泡)の径は0.5〜7mm程度であり、泡の量は9
2体積%、中間層を構成する泡ガラス中の泡(気泡)の
径は0.5〜3mm程度であり、泡の量は92体積%、
表層を構成する泡ガラス中の泡(気泡)の径は0.1〜
2mm程度であり、泡の量は90体積%であった。
【0044】この積層泡ガラスを基礎断熱材として使用
する場合を考え、コンクリートとの接着試験(JIS
A1613)を実施した。その結果、剥離試験での剥離
強度は4.7kgf/cmであり、通常の夾雑物を含
まない裏面のフラットな泡ガラスの剥離強度2.3kg
f/cmの約2倍の剥離強度が得られた。これは、裏
面の凹凸によるコンクリートのクサビ効果とアルミニウ
ム片の補強効果によるものと推定される。
【0045】実施例2 実施例1で得られた積層泡ガラスを粉砕、分級して泡ガ
ラス粉末を得、この泡ガラス粉末20重量%に、自動車
解体時に発生するシュレッダーダストの廃ガラス(重量
比でガラス分90%、アクリル樹脂7%、銅線等3%含
有)75重量%及び発泡剤としてドロマイト粉5重量%
を加えて粉砕し、目開き356μmの篩下のガラス粉末
を得た。
【0046】このガラス粉を、実施例1で得られた最下
層成型用原料(ブチルゴム40%、塩化ビニル20%、
ガラス20%、アルミニウム10%、乾燥材等10%、
大きさ10〜50mm)を実施例1と同様に離型材を散
布した耐火板上に1.5kg/m充填した上に、6k
g/m散布し、最後に、上記自動車シュレッダーダス
トの廃ガラス96重量%と発泡剤4重量%の粉砕分級粉
(356μm以下)を7.5kg/m散布し、表面を
軽くパイプで均した。
【0047】このようにして成型された成型体を実施例
1と同様に焼成した。
【0048】得られた積層泡ガラスは、嵩比重0.2
5、熱伝導率0.044kcal/m・hr・℃の灰色
の断熱体であった。この積層泡ガラスの表層、中間層及
び下層の厚みは概ね37mm,20mm,3mmで全体
の厚さは60mmであった。また、下層を構成する泡ガ
ラス中の泡(気泡)の径は0.5〜7mm程度であり、
泡の量は80体積%、中間層を構成する泡ガラス中の泡
(気泡)の径は0.5〜5mm程度であり、泡の量は8
8体積%、表層を構成する泡ガラス中の泡(気泡)の径
は0.1〜2mm程度であり、泡の量は92体積%であ
った。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、 建築物や自動車の解体時等に発生する夾雑物を多く
含む廃ガラスを分別することなく、そのまま破砕ないし
粉砕して安価に製造することができる。
【0050】 より、分別コストをかけることな
く、廃ガラスの有効再利用が可能となり廃棄物の減量化
を図れる。
【0051】 下層に含有される大きな夾雑物によ
り、下面に大きな凹凸が形成されるため、この凹凸でコ
ンクリート打設面と高い結合強度を得ることができる。
【0052】 下層に含有される夾雑物による補強効
果によっても上記結合強度が高められる。
【0053】 表層は、夾雑物を殆ど含まないか或い
は微細な夾雑物を少量含むのみであるので化粧材として
も適用可能である。
【0054】 当該積層泡ガラス自体が廃材とされた
際には、これを同様に積層泡ガラスの原料として有効利
用することができる。といった優れた効果を有する夾雑
物含有積層泡ガラスが提供される。
【0055】このような本発明の夾雑物含有積層泡ガラ
スは、その多孔質を利用して、建築物の基礎断熱材及び
外装断熱材(いずれもコンクリート捨型枠材兼用可能)
として、また、建築物の化粧断熱材として、更には冷凍
機や冷凍室、保冷タンクの保冷用断熱材、その他吸音材
等として工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の夾雑物含有積層泡ガラスの実施の形態
を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 夾雑物含有積層泡ガラス 2 下層 3 中間層 4 表層 5 大夾雑物 6 小夾雑物 7 微細夾雑物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夾雑物を含有する廃ガラスの破砕ないし
    粉砕物を原料として製造された積層泡ガラスであって、 比較的大きな夾雑物を含む泡ガラス層よりなる下層と、
    比較的小さな夾雑物を含むか或いは夾雑物を殆ど含まな
    い泡ガラス層よりなる表層との積層構造とされた夾雑物
    含有積層泡ガラス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、比較的大きな夾雑物
    を含む泡ガラス層よりなる下層と、比較的小さな夾雑物
    を含む泡ガラス層よりなる中間層と、夾雑物を殆ど含ま
    ないか微細な夾雑物を含む泡ガラス層よりなる表層との
    積層構造とされた夾雑物含有積層泡ガラス。
  3. 【請求項3】 夾雑物を含有する廃ガラスを破砕し、分
    級することにより粗粒分と細粒分とに分別し、該粗粒分
    の層と、該細粒分に発泡剤を混合した層とを積層して得
    られた成型体を焼成する夾雑物含有積層泡ガラスの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の方法において、前記細粒分に
    発泡剤を混合して粉砕後、分級して発泡性細粒分と発泡
    性微細粒分とに分別し、該発泡性細粒分の層を介して前
    記粗粒分の層と該発泡性微細粒分の層とを積層して得ら
    れた成型体を焼成することを特徴とする夾雑物含有泡ガ
    ラスの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の方法において、前記粗粒分の
    層を形成した後、この層上に前記発泡性微細粒分を散布
    し、その後、発泡性細粒分の層を形成することを特徴と
    する夾雑物含有泡ガラスの製造方法。
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