JP2001225266A - 円筒形部品の直径の工程内検査装置 - Google Patents

円筒形部品の直径の工程内検査装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削盤による機械加工中にクランクシャフト
のクランクピンの直径を検査する装置であって、測定装
置及びこれと連携していて、検査対象のクランクピンが
軌道を描いて運動しているときにこのクランクピンに係
合でき、しかもクランクピンの軌道運動中に係合状態を
保つことができる基準装置を有する検査装置を提供す
る。 【解決手段】 検査装置は、Ｖ字形基準装置（20）と、
Ｖ字形基準装置の二等分線に沿って軸方向に運動できる
フィーラ（17）を含む測定装置と、砥石車送り台（１）
に取り付けられた支持体（５）に対して回転する第１の
アーム（９）及びＶ字形基準装置を支持した状態で第１
のアームに対して回転する第２のアーム（12）を備えた
支持装置とを有している。支持装置に結合されている制
限装置（70）が、基準装置の移動を砥石車（４）の輪郭
に実質的に平行な軌道に沿って案内し、クランクピン
（18）の軌道運動により検査中に生じる支持装置の移動
を妨害しない相互当接面を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥石車送り台を備
えた数値制御研削盤による機械加工中に幾何学的軸線の
回りに回転している円筒形部品の直径を検査する装置で
あって、検査対象の円筒形部品と協働する基準装置と、
基準装置と一緒に動くことができる測定装置と、砥石車
送り台に固定されるようになった支持要素、第１の回転
軸線の回りに回転するよう支持要素に結合された第１の
結合要素、及び基準装置を支持した状態で、第１の結合
要素に対して第１の回転軸線に平行な第２の回転軸線の
回りに回転するよう第１の結合要素に結合された第２の
結合要素を備えた、基準装置及び測定装置を支持する支
持装置と、基準装置と連携していて、円筒形部品上への
基準装置の配置状態を検査装置の検査状態に向かって案
内する案内機構と、休止位置から検査状態への検査装置
の自動移動を制御する制御装置とを有し、かかる移動
中、基準装置が支持要素に対して閉鎖運動を行うように
なっている検査装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】幾何学的軸線の回りに軌道を描いて回転
しているクランクピンの直径を検査する上記特徴を備え
た検査装置が、本出願人によって出願された国際公開公
報ＷＯ９７／１２７２４（これに対応した米国特許出願
は、米国特許第６，０６７，７２１号となっている）に
開示されている。
【０００３】具体的に説明すると、上記米国特許に記載
された実施形態によれば、検査装置は、検査対象として
のクランクピンに着座するＶ字形基準装置と、このＶ字
形基準装置、例えば適当な形状の表面を備えた要素と連
携していて、クランクピンに係合するようになった案内
手段とを有している。
【０００４】国際公開公報ＷＯ９７／１２７２４に示さ
れた実施形態は、優れた計測学的結果及び小さな慣性力
を保証し、本出願人によって製造された上記特徴を備え
る検査装置の性能水準は、際立って優れた品質と使用上
の信頼性を確立している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、場合に
よっては、検査対象のクランクピンとの正しい協働を保
証する適当な延長部を備えた表面を有する案内要素を含
む検査装置を取り付けるには工作機械上で利用できるス
ペースが限られているので問題が生じることがある。
【０００６】本発明の目的は、精度及び信頼性の観点か
ら上述の米国特許に記載された検査装置の場合と同一の
性能水準を保証すると共にこれら検査装置に関して小さ
なレイアウト寸法を提供し、工作機械による機械加工中
に回転状態のクランクピンの計測学的手法による検査を
行う装置、例えば軌道を描いて回転しているクランクピ
ンを研削する研削盤に設けられていて、工程内検査を行
う装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この課題は、案内機構
が、互いに係合して検査状態に向かう自動移動中、基準
装置の閉鎖運動を制限したり、検査対象の円筒形部品上
への基準装置の配置に続き互いに離れるようになってい
る少なくとも一対の当接面を備えた制限装置を有するこ
とを特徴とする上述した形式の検査装置を提供すること
によって解決される。
【０００８】本発明の利点は、制限装置が設けられてい
るので、検査装置が不用意な操作により検査位置に向か
って移動した場合でも基準装置が砥石車に衝突しないよ
うになっており、しかも工作台上にはクランクピンが存
在しないということにある。
【０００９】次に、本発明の内容を好ましい実施形態を
本発明を限定するのではなく例示として示す添付の図面
を参照して詳細に説明する。
【００１０】
【好ましい実施形態の説明】図１〜図５を参照すると、
クランクシャフトを研削するための計算機数値制御（Ｃ
ＮＣ）研削盤の砥石車送り台１は、研削盤４の回転軸線
３を定めるスピンドル又は主軸２を支持している。砥石
車送り台１は、第１の回転結合要素９を予荷重が加えら
れた軸受（図示せず）付きの回転ピン６によって支持す
る支持要素５を含む支持装置を支持している。ピン６
は、砥石車４の回転軸線３及びクランクシャフトの回転
軸線８に平行な第１の回転軸線７を定めている。結合要
素９は、回転軸線３，８に平行な第２の回転軸線１１を
定める予荷重が加えられた軸受（図示せず）付き回転ピ
ン１０によって第２の回転結合要素１２を支持してい
る。結合要素１２の自由端部には案内ケーシング１５が
結合されており、この案内ケーシングの中で、検査しよ
うとするクランクピン１８の表面に接触するフィーラ１
７を備えた伝動ロッド１６が並進運動できるようになっ
ている。ロッド１６の移動又は変位量は、以下に説明す
るように測定装置によって検出される。案内ケーシング
１５の下方端部には支持ブロック１９が固定されてお
り、この支持ブロックは、ピン６，１０によって得られ
る回転動作により検査対象のクランクピン１８の表面に
係合するようになったＶ字形の基準装置２０を支持して
いる。伝動ロッド１６は、Ｖ字形基準装置２０の二等分
線に沿って運動できる。
【００１１】図５に示す釣合せばね２１、より詳細に
は、ねじりコイルばねが、支持要素５と第１の回転要素
９との間に設けられている。実質的に円筒形の延長部を
備えたばね２１は、ピン６の周りに配置されており、そ
の互いに反対側の端部は、それぞれ支持要素５及び第１
の回転結合要素９に一体のピン１３，１４に結合されて
いる。ばね２１は、第１の結合要素９を支持要素５に対
して時計回りの方向に（図１〜図３に関して）回転さ
せ、検査装置の重量を検査状態で釣り合わせる傾向を持
つ力を及ぼす。これについては、以下に説明する。
【００１２】以下の詳細な説明で分かるように基準装置
２０を案内してこれをクランクピン１８に係合させる役
目を果たす案内機構が、砥石車送り台１と第２の結合要
素１２との間に設けられていて、ピン６，１０によって
定められた回転軸線７，１１回りの第１の結合要素９及
び第２の結合要素１２の回転中、これらの運動を制限す
ると共に案内する制限装置７０を有している。
【００１３】制限装置７０は、ねじ７２によって第１の
結合要素９に固定されると共にこの第１の結合要素９に
平行に配置された管状要素７１及び管状要素７１の内部
に収容されると共に管状要素７１の内部に配置された２
つのブッシュ７４，７５（図３に示されている）によっ
て軸方向の並進運動を行うよう案内される剛性の細長い
要素又はステム７３を含む支承案内要素を有している。
内部当接面６８，６９が、ステム７３と管状要素７１と
の間の軸方向並進運動全体を制限し、応力が外部から働
いていない場合、圧縮ばね６７が表面６８，６９を互い
に当接状態に保つ。ステム７３の端部は、実質的に平ら
であって且つステム７３の軸線に対して垂直な第１の機
械的当接面７６及び第２の機械的当接面７７（図２及び
図３に示されている）を有している。さらに、制限装置
７０は、支持要素５に（及び結果的に砥石車送り台１
に）調節可能な態様で結合されたピン７８を含む第１の
基準当接要素及び第２の結合要素１２に（及び結果的に
基準装置２０に）調節可能な態様で結合されたピン７９
を含む第２の基準当接要素を有している。ピン７８，７
９は、凸状の、特に球形の当接面を備えている。本発明
の別の実施形態では、互いに異なる幾何学的形状の当接
面７６，７７，７８，７９を用いてもよい。
【００１４】戻し閉鎖ばね２６が、ブロック２２，２４
との間に結合されており、これらブロック２２，２４は
それぞれ、回転ピン１０の近くで第１の回転結合要素９
及び第２の回転結合要素１２に固定されている。調節可
能なポジティブストップ要素３３がこれ又、ブロック２
２に結合されており、このポジティブストップ要素３３
は、ばね２６によってブロック２４の当接面に押し付け
られて、第１の結合要素９と第２の結合要素１２との間
の角度位置及びこれと関連した往復回転移動量を制限す
る装置を構成するようになっている。
【００１５】固定状態の別の当接要素３５が、支持要素
５に剛結されており、管状要素７１の外面と協働して軸
線７回りの第１の結合要素９の回転運動を反時計回りの
方向（図１〜図３に関して）に制限するようになってい
る。
【００１６】検査対象のクランクシャフトはクランクシ
ャフトの幾何学的主軸線と一致した回転軸線８を定める
スピンドルと心押し台（図示せず）との間でワークテー
ブル２３上に置かれる。その結果、クランクピン１８
は、軸線８回りの軌道運動を行う。符号１８′は、クラ
ンクピンの到達する上方位置を示し、符号１８″は、ク
ランクピンの下方位置を示している。クランクピン１８
は円軌道を描いて軸線８の回りに偏心的に回転するが、
砥石車送り台１に対するピンの軌道を実質的に、破線で
示す共に符号２５で示した円弧によって表すことができ
る。かくして、基準装置２０がクランクピン１８上に載
っているとき、基準装置は、クランクピンと同様の軌道
を描き、上から下へ、そして下から上へ且つクランクピ
ン１８の軌道運動の毎分回転数に等しい毎分約数十回転
の周期数で往復運動を行う。このようになるのは、最新
式の数値制御研削盤においては、クランクピンが軌道運
動の状態で回転している間、砥石車を研削されるべき表
面と接触状態に保つようクランクピンに「追従」するこ
とによりクランクピンを機械加工する砥石車の送り台１
で検査装置を支持しているからである。明らかなことと
して、横断方向「追従」動作に加えて、加工素材の取出
しのための送り動作がある。かくして、検査装置を構成
する要素の移動又は変位の際の慣性力は比較的小さく、
これは計測学的性能、摩耗の制限及び検査装置の信頼性
に有利であることが分かる。
【００１７】図４及び図５に部分的に詳細に示された制
御装置が、例えば油圧式の複動形シリンダ２８を有して
いる。シリンダ２８は、砥石車送り台１によって支持さ
れており、このシリンダは、一端がシリンダ２８のピス
トンに結合され、他端が回転ピン２７によって可動要
素、具体的にはレバー３０の中間部分に結合された可動
要素、特にロッド２９を有し、レバー３０は、一端が回
転ピン６によって支持要素５に結合されている。シリン
ダ２８を作動させてピストンを移動させ、ロッド２９を
左側に（図４に関して）引っ込めると、レバー３０はピ
ン６の周りに反時計回りの方向に（図４に関して）回転
し、レバー３０の自由端部は、第１の結合要素９に固定
された引っ掛け要素又はピン３２に接触し、それにより
第１の結合要素９を反時計回りの方向（図４参照）に回
転させ、検査装置が図１に示す休止位置に移動するよう
にする。この移動中、ブロック２４の当接面は、ばね２
６によって押圧されてポジティブストップ要素３３に接
触し、かくして、２つの結合要素９，１２のなす角度の
最小値を定める。休止位置への検査装置の引っ込みは、
検査装置の測定信号によりクランクピン１８が所要の
（直径方向）寸法に達したことが検出されると、研削盤
の数値制御装置によって制御されるのが通例である。し
かる後、クランクシャフトの他の部分の機械加工が行わ
れ、或いは、クランクシャフトの機械加工が完了した場
合、工作物が手作業で又は自動的に取り出され、未加工
の工作物がワークテーブル２３上に置かれる。
【００１８】新たなクランクピンを機械加工する必要が
ある場合、通常はワークテーブル２３を移動させること
により（単一の砥石車を有する研削盤の場合）このクラ
ンクピンを砥石車４の前に配置し、検査装置が検査状態
に移動する。これは、研削盤の数値制御装置によってシ
リンダ２８を制御してロッド２９を右側に（図４に関し
て）移動させるようにすることによって得られる。かく
して、レバー３０の自由端部（これは、図４では回転ピ
ン６の回りに時計回りの方向に回転する）は、検査装置
の構成部品の比重量に起因して結合要素９，１２の回転
により引っ掛けピン及び支持ブロック１９から外れてク
ランクピン１８に近づき、他方、このクランクピンはそ
の軌道に従って運動している。より詳細に説明すると、
第１の移動段階では、結合要素９，１２は、回転軸線６
の回りに一体的に回転する。というのは、ばね２６がポ
ジティブストップ要素３３をブロック２４の表面に当接
した状態に維持しているからである。この段階では、管
状要素７１内のステム７３の位置は、圧縮ばね６７のス
ラストにより互いに押し付けられる内側当接面６８，６
９の当接状態によって定められる。特定の範囲において
最初から最後まで回転した後、そして支持ブロック１９
及び基準装置２０が支持要素５に対して閉鎖運動を行っ
て軌道運動を行っているピン１８及び砥石車４の両方に
近づいている間、ステム７３の第１の機械的当接面７６
はピン７８に当たり、そしてもう少し移動させると、Ｖ
字形基準装置２０の表面はクランクピン１８に係合する
が、少し移動させても係合が得られない場合がある。こ
の第１の段階では、クランクピン１８上の基準装置２０
の完全な着座に加え、ポジティブストップ要素３３は、
ブロック２４の表面から離脱し、重力及び検査装置の要
素に加わる重力と反対の向きのクランクピン１８のスラ
ストによって生じる結合要素９，１２の移動により、検
査段階中、クランクピン１８と基準装置２０との間の適
正な協働関係が維持される。検査装置の寸法形状及び構
造は、例えば基準装置２０のＶという文字の各辺が重力
に起因して約１kgの力をクランクピン１８に及ぼすよう
設計されたものであるのがよい。
【００１９】これに反し、もし上述の閉鎖運動の間及び
ステム７３の第１の機械的当接面７６とピン７８との接
触が生じた後でＶ字形基準装置２０の表面がクランクピ
ン１８に係合しなければ（場合によっては、検査装置
は、第１の移動段階中、Ｖ字形基準装置２０がクランク
ピン１８に接触できないような寸法形状のものであ
る）、もう少し移動させるとステム７３の第２の端面７
７がピン７９に当たる。この時点では（図２）、第２の
移動段階において、ポジティブストップ要素３３はブロ
ック２４の表面から離脱し、そして第１の結合要素９が
引き続き軸線７の回りに回転している間、第２の結合要
素１２は第２の回転軸線１１の回りに第１の結合要素９
に対して回転し、支持ブロック１９は砥石車４の輪郭に
実質的に平行な軌道に沿って移動する。この移動は、こ
の第２の移動段階では、平らな端面７６，７７と当接ピ
ン７８，７９とのそれぞれの接触点（これらの接触点の
位置は、表面７６，７７上での当接ピン７８，７９の摺
動の結果として変化する）は、軸線７，１１に平行な瞬
間回転軸線を定める。換言すると、第１の結合要素９、
第２の結合要素１２、支持要素５及びステム７３は、２
つの回転軸線と他の２つの回転軸線との離隔距離が移動
中に僅かに変化するような実質的に平行四辺形の形をし
た構造をつくる。この移動中、Ｖ字形基準装置２０は、
クランクピン１８に向かって案内され、その軌道のどの
箇所でもクランクピン１８に接触できる。
【００２０】検査装置の寸法は、クランクピン１８とＶ
字形基準装置２０との接触により、ステム７３の端部７
６，７７及び当接ピン７８，７９によって定められる機
械的当接面の２つの対のうち一方が互いに即座に離れる
ようなものである。図２は、ステム７３の平らな端面７
６，７７の両方がそれぞれ対応関係にある当接ピン７
８，７９に接触した状態を示すと共にクランクピン１８
がその移動中に達する上方位置１８′に対するＶ字形基
準装置２０の位置を示している。明らかなこととして、
クランクピン１８は先ず最初に砥石車４から見て遠くに
位置したＶの辺に当たり、支持ブロック１９の回転が制
限されているので、基準装置２０はその位置をクランク
ピン１８上に順応させ（図２に関して反時計回りの方向
に）、この回転によりステム７３の平らな端面７７とピ
ン７９が互いに離れる。それゆえ、重力及び検査装置の
要素に作用する重力と逆方向のクランクピン１８のスラ
ストによって生じる結合要素９，１２の移動により、検
査段階中、クランクピン１８と基準装置２０との間の適
正な協働関係を上述したように維持することが可能であ
る。かくして制限装置７０は、検査段階中、結合要素
９，１２の自由移動を妨害しない。
【００２１】かくして、制限装置７０を設けたことによ
り、検査すべきクランクピン１８に向かうＶ字形基準装
置２０の案内された状態での移動を達成することがで
き、この移動により、適正な検査状態におけるＶ字形基
準装置２０とクランクピン１８の動的係合が保証され
る。シリンダ２８によって制御された自動移動の或る時
点でだけ且つ必要な場合にのみ（換言すると、その間に
Ｖ字形基準装置２０とクランクピン１８との適正な係合
が生じていなければ）動作を開始する制限装置７０は、
基準装置２０の閉鎖運動を制限し、この閉鎖運動中、基
準装置２０は砥石車４に近づき、砥石車４の輪郭に実質
的に平行な軌道に沿ってその移動を案内する。かかる軌
道に沿って案内される形での移動は、Ｖ字形基準装置２
０とクランクピン１８との適正な協働関係が達成される
まで行われる。
【００２２】かくして、間違いにより、クランクシャフ
ト７４がワークテーブル２３上の検査位置に配置されて
おらず、基準装置２０が着座すべきクランクピン１８を
見いださない場合であっても、制限装置７０は、基準装
置２０が砥石車４に衝突して想像できるような悪い結果
を生じさせることがないようにする。他方、上述したよ
うに、対をなす機械的当接面７７，７９の表面が適当な
時点において互いに離れるので、制限装置７０は、検査
段階中、結合要素９，１２の自由移動をなんら制限せ
ず、それにより、その検査段階中、Ｖ字形基準装置２０
（及び、これに結合された測定装置の構成部品）と検査
対象の軌道運動を行っているクランクピン１８との間の
適正な協働関係が保証される。
【００２３】場合によっては、ロッド２９の前方移動を
制御して支持ブロック１９の接近運動を、軌道２５に近
いがクランクピン１８の上方位置１８′から僅かに離れ
た位置に一致したところで一時的に停止させるのがよ
い。次に、クランクピン１８がその上方位置１８′に近
づいているときに研削盤の数値制御装置によってロッド
２９の完全伸長動作を制御してクランクピン１８が実質
的にかかる上方位置１８′で基準装置２０に動的に係合
するようにする。このような動作の進行の仕方により、
互いに係合する部品（基準装置２０とクランクピン１
８）の相対速度を低くすることができ、したがってこれ
らの衝突が非常に穏やかになる。
【００２４】明らかに、シリンダ２８を作動させて上述
したようにロッド２９を引っ込めることにより制御され
る休止位置に向かう検査装置の移動段階であっても、こ
の移動段階は、検査状態に向かう移動の場合と同様、２
つの段階を含むのがよい。
【００２５】より詳細に説明すると、Ｖ字形基準装置２
０とピン１８の表面との離脱が生じる位置に応じて、こ
の離脱及びその後の反時計回りの方向における（図１〜
図３で見て）第２の結合要素１２の回転に続き、ピン７
９がステム７３の端面７７に接触し（ステム７３の他方
の端部７６はすでに当接ピン７８に当接した状態にある
−図３参照）、休止位置に向かう案内状態の移動段階が
行われ、軸線７回り（図１〜図３で見て時計回りの方
向）の回転を続けることにより、ついには、ピン７８，
７９の凸状表面相互間の距離がステム７３の距離よりも
大きくなり、第１の表面７７とピン７９が互いに外れ、
しかる後、表面７６とピン７８が互いに外れるようにな
る。第１の対をなす機械的当接面（７７，７９）の表面
が互いに離れる結果として、ばね２６により回転要素
９，１２相互間の閉鎖が生じるが、これは、ポジティブ
ストップ要素３３とブロック２４の表面との接触によっ
て制限される。
【００２６】検査状態では、クランクピン１８と基準装
置２０との協働関係は、上述したように、重力により生
じる構成部品の移動によって維持される。支持ブロック
１９を下降させると伸びが増大するばね２１の作用は、
クランクピン１８の移動に続く検査装置の運動部品の慣
性に起因する力と部分的且つ動的に釣り合う。かかる手
法では、例えば下方位置１８″に対応して基準装置２０
とクランクピン１８との間の大きな過剰応力を避けるこ
とが可能であり、かかる過剰応力は、基準装置２０のＶ
という形状を変形させがちである。他方、検査装置の上
昇運動中（かかる上昇運動は、上方位置１８′に向かう
クランクピンの回転に起因する）、ばね２１の引張作用
が減少するので、上方位置１８′に対応してＶ字形基準
装置２０とクランクピン１８との間の係合を解除する傾
向のある慣性力を正しく釣り合わせることができる。ば
ね２１は、上述したようにただ重力により互いに協働す
る基準装置２０とクランクピン１８との間には、ばね１
２によっては圧力が生じないことは理解されるべきであ
る。
【００２７】結合要素９，１２は、幾何学的軸線がクラ
ンクシャフトの回転軸線８及び砥石車４の回転軸線３に
対して横方向平面内に位置する基本的に直線状のアーム
である。しかしながら、クランクシャフト３４が部分的
に示された図５に示すように、結合要素１２は、研削盤
の各種要素及び各種装置との妨害関係の発生を避けるた
めに、長手方向に延びる部分３６，３７及び互いに異な
る横方向平面内に互いにずれた部分を有している。
【００２８】図６及び図７は、検査装置の測定装置につ
いてかなりの細部を示している。図６には、従来通り、
中央部分に潤滑用穴３８を備えたクランクピン１８が示
されている。Ｖ字形基準装置２０とクランクピン１８の
表面との間の最も適当な往復動位置を確保する目的で、
管状案内ケーシング１５は、クランクピン１８の中間横
断面に関して対称に配置されている。フィーラ１７は、
潤滑用穴３８を妨害しないようにする目的で、伝動ロッ
ド１６の横方向部分４０を用いることによりピン１８の
中間横断面に関してずれている。
【００２９】基準位置に対する伝動ロッド１６の軸方向
移動は、管状ケーシング１５に固定された測定変換器、
例えば、固定巻線及び伝動ロッド１６と一緒に動くこと
ができる可動要素、即ちロッド４２に結合された強磁性
体コア４３を備えたＬＶＤＴ又はＨＢＴタイプ（図面に
は示されていないが公知である）の変換器４１によって
検出される。また、図７に示すように、伝動ロッド１６
の軸方向移動は、ケーシング１５とロッド１６との間に
配置された２つのブッシュ４４，４５によって案内され
る。ねじり力に対して剛性を示し、互いに反対側の端部
がそれぞれロッド１６とケーシング１５に固定された金
属製ベロー４６が、ロッド１６をケーシング１５に対し
て回転させないようにする（かくして、フィーラ１７が
不適当な位置を取らないようにする）と共にケーシング
１５の下端部を密封する二重の機能を果たす。
【００３０】支持ブロック１９は、スロット５１を挿通
した対をなすねじ５０によって案内ケーシング１５に固
定され、この支持ブロックは、２つのバー５４，５５が
固定された傾斜面を有する２つの要素５２，５３から成
る基準装置２０を支持している。フィーラ１７の休止位
置は、ねじ５０及びスロット５１によって調節できる。
【００３１】上述の検査装置のうち１つに、フィーラ、
これと関連した伝動ロッド及び機械加工されるべきクラ
ンクピンの直径及び他の寸法及び（又は）幾何学的特徴
又は形状に関する特徴を更に検出する測定変換器を設け
ることが可能である。
【００３２】Ｖ字形基準装置２０に代え、これとは別の
形式の基準装置を用いてもよい。
【００３３】複数のクランクピンを同時に機械加工する
多数の砥石車を備えた研削盤では、これとちょうど同数
の検査装置を使用できることは明らかである。さらに、
例えば制限装置の構造に関する限り、例えば、支持要素
５（又は、第２の結合要素１２）にヒンジ止めされると
共に第１の結合要素９に関して制限された回転を行うよ
う拘束されていて、第２の結合要素１２と一体であって
（又は、支持要素５に結合され）上述のように検査装置
の第１の移動段階から第２の移動段階への切り替えを行
う適当な要素を備えた機械的当接面を構成するための自
由端部を備えた細長い要素を有し、第２の移動段階中に
基準装置の移動を案内することができる本発明の検査装
置の他の設計変更例を想到できる。
【００３４】本発明の検査装置の案内手段の他の考えら
れる実施形態としては、休止位置から検査状態への検査
装置の移動中、基準装置（２０）の移動を制限すると共
に案内するために互いに協働するが、クランクピンの検
査段階中、結合要素（９，１２）の移動を妨害しない少
なくとも２つの機械的な基準当接要素を備えた制限装置
が挙げられる。
【００３５】他には、制御装置及び（又は）釣合せばね
２１の構造及び配置状態の設計変更が挙げられる。一例
として、ばね２１に代えて、検査装置の相互回転部品相
互間に正しく配置される圧縮又は引張ばねを用いてもよ
く、或いは、ばね２１を取り除いてもよい。ばね２１を
取り除いた場合、釣合わせ作用を発揮するために、制限
装置７０における圧縮ばね６７の特徴を正しく選択する
のがよい。事実、検査状態では、当接表面７７とピン７
９が互いに離れている間、表面７６はばね６７によって
ピン７８に当接状態に維持される。その結果、検査中、
ばね６７はスラストを支持要素５（ピン７８及びステム
７３を介して）と第１の結合要素９（管状要素７１を介
して）との間に及ぼす。圧縮ばね６７によって及ぼされ
るスラストは、重力の作用と逆であり、基準装置２０の
移動中変化し、ばね２１に関して上述したように、検査
装置の移動部品の慣性に起因する力の一部と動的に釣り
合う。
【００３６】さらに、例えば国際出願公開ＷＯ９７／１
２７２４に記載されているように追加の案内要素を基準
装置２０に結合することが想到できる。
【００３７】本発明の装置は、軌道運動を行っているク
ランクピンの検査に特に適しているが、一般に、円筒形
部品を、その軸線回り又はその軸線の平行な軸線回りに
回転中に検査するために利用できることは明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】クランクシャフトの研削盤の砥石車送り台上に
設置された測定装置を休止位置で示す側面図である。
【図２】図１の装置を休止位置とは異なる作動位置で示
す部分断面拡大側面図である。
【図３】図１の装置を別の作動位置で示す部分断面拡大
側面図である。
【図４】図３に示す装置の幾つかの構成部品に関する図
５のＩＶ−ＩＶ線矢視断面部分側面図である。
【図５】研削盤の砥石車送り台上に設置された図３の装
置の部分正面図である。
【図６】クランクピン内に設けられた潤滑用穴の作用を
妨害しないでクランクピンの直径の比較測定を行う本発
明の検査装置の測定装置の細部を示す図である。
【図７】本装置の測定システムの部分断面図である。
【符号の説明】
１ 砥石車送り台 ２ スピンドル ４ 砥石車 ５ 支持体 ６，１０ 回転ピン ９，１２ 結合要素又はアーム １５ 案内ケーシング １６ 伝動ロッド １７ フィーラ １８ クランクピン ２０ Ｖ字形基準装置 ３４ クランクシャフト ７０ 制限装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】砥石車送り台（１）を備えた数値制御研削
    盤による機械加工中に幾何学的軸線の回りに回転してい
    る円筒形部品（18）の直径を検査する装置であって、検
    査対象の円筒形部品（18）と協働する基準装置（20）
    と、基準装置（20）と一緒に動くことができる測定装置
    （41）と、砥石車送り台（１）に固定されるようになっ
    た支持要素（５）、第１の回転軸線（７）の回りに回転
    するよう支持要素（５）に結合された第１の結合要素
    （９）及び基準装置（20）を支持した状態で第１の結合
    要素に対して第１の回転軸線（８）に平行な第２の回転
    軸線（11）の回りに回転するよう第１の結合要素（９）
    に結合されている第２の結合要素（12）を備えた、基準
    装置（20）及び測定装置（41）を支持する支持装置と、
    基準装置と連携していて、円筒形部品（18）上への基準
    装置の配置状態を検査装置の検査状態に向かって案内す
    る案内機構と、休止位置から検査状態への検査装置の自
    動移動を制御する制御装置（28,30 ）とを有し、かかる
    自動移動中、基準装置（20）が支持要素（５）に対して
    閉鎖運動を行うようになっている検査装置において、案
    内機構は、互いに係合して検査状態に向かう前記自動移
    動中、基準装置（20）の閉鎖運動を制限したり、検査対
    象の円筒形部品（18）上への基準装置（20）の前記配置
    に続き互いに離れるようになっている少なくとも一対の
    当接面（76,78; 77,79）を備えた制限装置（70）を有し
    ていることを特徴とする検査装置。
  2. 【請求項２】前記制限装置（70）は、一端部に前記少な
    くとも一対の当接面のうち機械的当接面（76,77 ）を備
    えた細長い剛性の要素（73）を有し、細長い剛性の要素
    （73）は、前記第１の結合要素（９）に実質的に平行な
    方向に沿って配置され、且つ支持要素（５）に対して回
    転自在に設けられていることを特徴とする請求項１記載
    の検査装置。
  3. 【請求項３】制限装置（70）は、第１の結合要素（９）
    に結合されていて、細長い剛性要素（73）を支持した状
    態で案内する支持案内要素（71）を有していることを特
    徴とする請求項２記載の検査装置。
  4. 【請求項４】制限装置（70）は、支持要素（５）及び前
    記少なくとも一対の当接面のうち他方の当接面及び第２
    の対をなす当接面のうち一方の当接面を備えた第２の結
    合要素（12）に剛結されている当接要素（78;79 ）を有
    し、細長い剛性要素（73）は、第１の端府と反対側の端
    部に前記第２の対をなす当接面のうち他方の当接面（7
    6;77 ）を備えていることを特徴とする請求項２又は３
    記載の検査装置。
  5. 【請求項５】前記少なくとも一対の当接面及び前記第２
    の対をなす当接面は、実質的に平らな面（76;77 ）及び
    凸状の面を含むことを特徴とする請求項４記載の検査装
    置。
  6. 【請求項６】軌道回転運動中のクランクピン（18）を検
    査する請求項１〜５のうち何れか一に記載の検査装置で
    あって、基準装置（20）は、実質的に重力により検査対
    象のクランクピン（18）との接触状態を維持するように
    なっており、検査装置は、支持装置に連結されていて、
    重力の作用とは逆のスラストを基準装置（20）に及ぼす
    ようになった釣合せばね（21）を有していることを特徴
    とする検査装置。
  7. 【請求項７】前記釣合せばね（21）は、検査装置の移動
    中に動的に変化する引張作用を基準装置（20）に及ぼす
    ために前記支持要素（５）と前記結合要素（９）との間
    に配置されていることを特徴とする請求項６記載の検査
    装置。
  8. 【請求項８】制御装置（28,30 ）は、検査状態から休止
    位置への検査装置の自動移動をも制御するようになって
    おり、前記制御装置は、第１の結合要素（９）に連結さ
    れた引っ掛け要素（32）と、前記引っ掛け要素（32）と
    協働して検査装置を休止位置に運んでそこに保つように
    なった可動要素（29,30 ）とを有していることを特徴と
    する請求項１〜７のうち何れか一に記載の検査装置。
  9. 【請求項９】前記制御装置は、複動形シリンダ（28）を
    含むことを特徴とする請求項８記載の検査装置。
  10. 【請求項１０】第２の結合要素（12）と第１の結合要素
    （９）の相互結合手段は、前記第１の結合要素に対する
    第２の結合要素の回転移動を制限する装置（33）及び閉
    鎖ばね（26）を含むことを特徴とする請求項１〜９のう
    ち何れか一に記載の検査装置。
  11. 【請求項１１】前記基準装置（20）は、実質的にＶ字形
    タイプのものであることを特徴とする請求項１〜１０の
    うち何れか一に記載の検査装置。
  12. 【請求項１２】測定装置は、検査対象の部品（18）の表
    面に当たるようになったフィーラ（17）及びフィーラ
    （17）を支持していて、実質的にＶ字形基準装置（20）
    の二等分線に沿って運動可能な伝動ロッド（16）を含む
    ことを特徴とする請求項１１記載の検査装置。
  13. 【請求項１３】前記測定装置は、第２の結合要素（12）
    に固定された案内ケーシング（15）を更に含み、伝動ロ
    ッド（16）は、案内ケーシング（15）内で軸方向に動く
    ことができ、フィーラ（17）は、円筒形部品（18）に接
    触できるよう前記伝動ロッド（16）の一端部に偏心的に
    固定されており、前記測定装置は、案内ケーシング（1
    5）に固定されていて、伝動ロッド（16）の他端部と協
    働する可動要素（42）を備えた測定変換器（41）と、案
    内ケーシング（15）に対する伝動ロッド（16）の回転移
    動を阻止する装置（46）とを更に含むことを特徴とする
    請求項１２記載の検査装置。
  14. 【請求項１４】案内ケーシング（15）に対する伝動ロッ
    ド（16）の回転移動を阻止する装置（46）は、互いに反
    対側の端がそれぞれ伝動ロッド（16）及び案内ケーシン
    グ（15）に固定された金属製ベロー（46）から成ること
    を特徴とする請求項１３記載の検査装置。
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