JP2001221114A - エンジンの吸気ダクト構造 - Google Patents

エンジンの吸気ダクト構造

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JP2001221114A
JP2001221114A JP2000027878A JP2000027878A JP2001221114A JP 2001221114 A JP2001221114 A JP 2001221114A JP 2000027878 A JP2000027878 A JP 2000027878A JP 2000027878 A JP2000027878 A JP 2000027878A JP 2001221114 A JP2001221114 A JP 2001221114A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアクリーナ側のダクトに連結される略水平な
合流部と、吸気マニホールドに略水平な合わせ面を介し
て連結される継手部と、これらの間で上流側から次第に
流路の面積を上方へ広げる拡張部と、その流路の向きを
下方へ滑らかに変化させる湾曲部と、その湾曲の内側と
外側に流路を分ける具合に継手部の合わせ面から流路に
沿って上方へ延びる仕切壁と、を備えるエンジンの吸気
ダクト構造において、搭載上の制限を変更することな
く、圧力損失や流れの剥離および途中から分岐される流
路に係る流量バランスについても、高い評価が得られる
と共に、既存のエアヒータを採用しても、ヒータエレメ
ントの破損や脱落の防止も図れるようにする。 【解決手段】湾曲部13の内側流路13aにこれを上方
へ引き延ばすように延長させることにより継手部11の
合わせ面と直交するストレートな流路部分15を形成。
流路の拡張部12に湾曲部13の内側流路13bへ緩や
かに立ち上がる傾斜部16を形成する。仕切壁14をス
トレートな流路部分15に相当する延長部を含めて湾曲
部13の内側流路13aに沿うように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエンジンの吸気ダ
クト構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの吸気ダクトとし
て、図9のように構成したものが知られている。1はエ
アクリーナ側のダクトに連結される略水平な合流部、2
は吸気マニホールドに連結される継手部であり、継手部
2の合わせ面は略水平に設定される。合流部1より継手
部2の合わせ面に至る中間部においては、流路の上方へ
の拡張部3および下方(継手部2の合わせ面)への湾曲
部4と、その湾曲部4の内側と外側に流路4a,4bを
分ける具合に継手部2の合わせ面から外側流路4bに沿
って延びる仕切壁5と、が設けられる。
【0003】内側流路4aは、継手部2の合わせ面から
湾曲部4に沿って立ち上がり、湾曲部4から拡張部3の
下側を介して略水平な合流部1へ略水平に延びるように
形成される。外側流路4bは、継手部2の合わせ面から
湾曲部4に沿って立ち上がり、湾曲部4から拡張部3の
上側を介して略水平な合流部1へ下り傾斜に延びるよう
に形成される。エアクリーナからの空気(エンジンの吸
入空気)は、合流部1を略水平に拡張部3へ流れ、その
一部は湾曲部4の内側流路4aから、残りは湾曲部4の
外側流路4bから、吸気マニホールドへ導かれるのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような吸気ダクト
においては、その継手部2と吸気マニホールドの継手部
との間にエアヒータを介装する場合、図10のような継
手部2の合わせ面に開口する流路4a,4bの隣接方向
へヒータエレメント6aが並列するものを採用すると、
ヒータエレメント6aに破損や脱落を生じやすいという
不具合があった。その原因は、合流部1から継手部2へ
至る流路を通してエアヒータ6へ導入される空気の流線
に対し、ヒータエレメント6aが直交する配置になり、
空気が斜めにエアヒータ6を通過する際にヒータエレメ
ント6a面を押す力(圧力)が発生し、ヒータエレメン
ト6aを振動させるため、その支持部の磨滅やこれに伴
う脱落が生じるものと考えられる。
【0005】図11は、合流部1から継手部2へ至る流
路について、流れ解析による流速ベクトルの計算結果を
表す。これによると、湾曲部4の外側流路4bからの空
気は、エアヒータ6を略垂直に通過するのに対し、湾曲
部4の内側流路4aからの空気は、エアヒータ6を斜め
に通過するのが確認され、湾曲部4の内側流路4aに面
するヒータエレメント6aに破損や脱落の発生が偏る傾
向も上記の推測と符合する。また、図11において、合
流部1から空気は、湾曲部4へ拡張部3をそのまま略水
平に流れ、その上側に流速ベクトルの極く小さい領域A
(不効率ゾーン)が生じること、仕切壁5へ略水平に流
れる空気が壁先端を乗り越える際の渦流により、仕切壁
5の先端裏側に流れの剥離(領域B)が生じること、も
伺える。
【0006】この発明は、このような所見に基づいてな
されたものであり、従前と同じ搭載上の制限内におい
て、圧力損失や流れの剥離および途中から分岐される流
路に係る流量バランスについても、高い評価が得られる
と共に、既存のエアヒータを採用しても、ヒータエレメ
ントの破損や脱落の防止も図れる、吸気ダクトの提供を
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、エアク
リーナ側のダクトに連結される略水平な合流部と、吸気
マニホールドに略水平な合わせ面を介して連結される継
手部と、これらの間で上流側から次第に流路の面積を上
方へ広げる拡張部と、その流路の向きを下方へ滑らかに
変化させる湾曲部と、その湾曲の内側と外側に流路を分
ける具合に継手部の合わせ面から流路に沿って上方へ延
びる仕切壁と、を備えるエンジンの吸気ダクト構造にお
いて、湾曲部の内側流路にこれを上方へ引き延ばすよう
に延長させることにより継手部の合わせ面と直交するス
トレートな流路部分を形成すると共に、流路の拡張部に
湾曲部の内側流路へ緩やかに立ち上がる傾斜部を形成す
る一方、仕切壁をストレートな流路部分に相当する延長
部を含めて湾曲部の内側流路に沿うように形成する。
【0008】第2の発明では、第1の発明において、傾
斜部と湾曲部の内側流路との間に略水平な流路部分を設
ける。
【0009】第3の発明では、第1の発明における湾曲
部の内側流路への傾斜部は、立ち上がり角度を3°〜1
7°に設定する。
【0010】
【発明の効果】第1の発明では、略水平な合流部を流れ
る空気(エンジンの吸入空気)は、傾斜部から湾曲部へ
入り、その内側流路と外側流路に分流され、継手部から
それぞれ吸気マニホールドへ導かれる。この場合、継手
部と湾曲部の内側流路との間に継手の合わせ面に直交す
るストレートな流路部分を備えるので、曲率半径の相対
的に小さい内側流路からの空気も、継手部の合わせ面を
垂直に通過するようになる。このため、ダクトと吸気マ
ニホールドとの接合部に既存のエアヒータを介装して
も、ヒータエレメントの破損や脱落の防止が図れる。湾
曲部の内側流路は、ストレートな流路部分の延長によ
り、その分だけ高さ位置がアップするが、略水平な合流
部へ傾斜部を介して滑らかに連なる流路を形成すること
ができる。また、傾斜部により拡張部の流れが上向きに
案内されるため、流路の面積を上方へ広げる拡張部に不
効率ゾーンが生じるのも抑制することができる。仕切壁
は、湾曲部の外側流路に沿うのでなく、ストレートな流
路部分に相当する延長部を含め、湾曲部の内側流路に沿
って形成されるので、傾斜部からの上向きの流れを曲率
半径の相対的に小さい内側流路へも抵抗なく円滑に案内
することができる。湾曲部の外側流路については、外形
に変化を生じないため、従前と同じ搭載上の制限内にお
いて、以上のような効果により、圧力損失や流れの剥離
および途中から分岐される流路に係る流量バランスにつ
いても、高い評価が得られるようになる。
【0011】第2の発明では、略水平な流路部分によ
り、仕切壁への流れの水平成分が増えるため、仕切壁で
圧力損失が大きくなるが、仕切壁の先端を略水平に向け
ることにより、湾曲部の外側流路を流れる空気は、仕切
壁に沿いやすくなり、流れの剥離を抑える効果が得られ
る。
【0012】第3の発明では、流路の面積を上方へ広げ
る拡張部において、傾斜部を3°〜17°に設定するこ
とにより、圧力損失が大きくなるのを抑えながら、湾曲
部へ空気の流れを効率よく案内することができる。な
お、傾斜部は、10°程度が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1,図2は、第1実施形態とし
ての吸気ダクト20を表すものである。10はエアクリ
ーナ側のダクトに連結される略水平な合流部、11は吸
気マニホールドに略水平な合わせ面を介して連結される
継手部であり、継手部11の合わせ面は略水平に設定さ
れる。合流部10と継手部11との間には、上流側から
次第に流路の面積を上方へ広げる拡張部12と、その流
路の向きを下方へ滑らかに変化させる湾曲部13と、そ
の湾曲の内側と外側に流路13a,13bを分ける具合
に継手部11の合わせ面から流路に沿って上方へ延びる
仕切壁14と、が備えられる。
【0014】湾曲部13の内側流路13aについては、
これを上方へ引き延ばすように延長させることにより、
継手部11の合わせ面と直交するストレートな流路部分
15が形成される。流路の拡張部12は、略水平な合流
部10からの空気の流れを流路の拡張領域へ付勢するよ
う、湾曲部13の内側流路13aへ緩やかに立ち上がる
傾斜部16(たとえば、傾斜角度10°)が形成され
る。仕切壁14は、湾曲部13の内側流路13aに形成
のストレートな流路部分15に相当する延長部を含め、
内側流路13aに沿う具合に拡張部13へ向けて形成さ
れる。(a)は傾斜部16の立ち上がり点を表す。
【0015】湾曲部13の外側流路13bは、継手部1
1の合わせ面から湾曲部13に沿って立ち上がり、湾曲
部13から拡張部12の上側流路(主に拡張領域)を介
して略水平な合流部10へ下り傾斜に延びるように形成
される。また、湾曲部13の内側流路13aは、継手部
11の合わせ面からストレートな流路部分15を介して
湾曲部13へ立ち上がり、湾曲部13から拡張部12の
下側流路を傾斜部16に沿って略水平な合流部10へ延
びるように形成される。そして、エアクリーナからの空
気(エンジンの吸入空気)は、合流部10を略水平に拡
張部12へ流れ、その一部は湾曲部13の内側流路13
aから、残りは湾曲部13の外側流路13bから、吸気
マニホールドへ導かれるのである。
【0016】このような構成により、継手部11と湾曲
部13の内側流路13aとの間に継手部11の合わせ面
に直交するストレートな流路部分15を備えるので、曲
率半径の相対的に小さい内側流路13aからの空気につ
いても、継手部11の合わせ面を垂直に通過させること
ができる。このため、吸気ダクト20と吸気マニホール
ドとの接合部に既存のエアヒータ(図10、参照)を介
装しても、ヒータエレメントの破損や脱落の防止効果が
得られる。
【0017】湾曲部13の内側流路13aは、ストレー
トな流路部分15により、その分だけ高さ位置がアップ
するが、略水平な合流部10へ傾斜部16を介して滑ら
かに連なる流路を形成することができる。また、傾斜部
16により拡張部12の流れが上向きに案内されるた
め、流路の面積を上方へ広げる拡張部12に不効率ゾー
ンが生じるのも抑制することができる。仕切壁14は、
湾曲部13の外側流路13bに沿うのでなく、ストレー
トな流路部分15に相当する延長部を含め、湾曲部13
の内側流路13bに沿って形成されるので、傾斜部16
からの上向きの流れを曲率半径の相対的に小さい内側流
路13bへも抵抗なく円滑に案内することができる。湾
曲部13の外側流路13bについては、外形に変化を生
じないため、従前と同じ搭載上の制限内において、以上
のような作用効果により、圧力損失や流れの剥離および
途中から分岐される流路に係る流量バランスについて
も、高い評価が得られるようになる。
【0018】図3はこの吸気ダクト20と吸気マニホー
ルド30およびこれらの接合部に介装されるエアヒータ
40を含む流路の解析モデルを表すであり、従前(図1
1、参照)と同じ境界条件において、流れ解析により空
気の流速ベクトルとヒータエレメントに掛かる圧力(エ
レメント表裏の差圧)を計算した。図4は流速ベクトル
の計算結果を示すものであり、図5はヒータエレメント
40aに掛かる圧力の計算結果を従前の場合(現行)と
対比して表したものである。これらからも、既述の作用
効果が確認される。また、傾斜部16との関係から、仕
切壁14への流速ベクトルを均一化できることも分か
る。
【0019】図6は第2実施形態としての吸気ダクト2
1を表すものであり、傾斜部の立ち上がり点(a)の位
置が湾曲部13へ近づけられ、これに伴って内側流路1
3a湾曲角度が調整される。それ以外の点については、
第1実施形態の吸気ダクト20と同じ構成になる。第1
実施形態の場合と同様の解析モデルを作成し、同じ流れ
解析を行ったところ、図示しないが、図4,図5と同様
の計算結果が得られた。
【0020】図7は第3実施形態としての吸気ダクト2
2を表すものであり、湾曲部13の内側流路13aへの
傾斜部16が短縮され、湾曲部13との間に略水平な流
路部分17が形成される。これに伴って内側流路13a
の湾曲角度が調整されるが、それ以外の点については、
第1実施形態の吸気ダクト20と同じ構成になる。これ
についても、第1実施形態の場合と同様の解析モデルを
作成し、同じ流れ解析を行ったところ、図示しないが、
図4,図5と同様の計算結果が得られた。
【0021】なお、図8は従前(図9)の吸気ダクト
(現行)を交えて、第1実施形態の吸気ダクト20(タ
イプB)と、第2実施形態の吸気ダクト21(タイプ
A)と、第3実施形態の吸気ダクト22(タイプC)
と、に係る流れ解析の結果を比較し、ヒータエレメント
に掛かる圧力、吸気マニホールドの出口(図3のと
)の流量バランス、圧力損失および流れの状態(流速
ベクトル、剥離の発生)、の各項目について、評価した
結果を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を表す吸気ダクトの斜
視図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく解析モデル図である。
【図4】同じく流速ベクトルの計算結果図である。
【図5】同じくヒータエレメントに掛かる圧力の計算結
果図である。
【図6】第2実施形態を表す吸気ダクトの側面図であ
る。
【図7】第3実施形態を表す吸気ダクトの側面図であ
る。
【図8】各吸気ダクトの評価表である。
【図9】従前の吸気ダクトを表す側面図である。
【図10】エアヒータの斜視図である。
【図11】従前の流速ベクトルの計算結果図である。
【符号の説明】
10 合流部 11 継手部 12 拡張部 13 湾曲部 14 仕切壁 15 ストレートな流路部分 16 傾斜部 17 略水平な流路部分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアクリーナ側のダクトに連結される略水
    平な合流部と、吸気マニホールドに略水平な合わせ面を
    介して連結される継手部と、これらの間で上流側から次
    第に流路の面積を上方へ広げる拡張部と、その流路の向
    きを下方へ滑らかに変化させる湾曲部と、その湾曲の内
    側と外側に流路を分ける具合に継手部の合わせ面から流
    路に沿って上方へ延びる仕切壁と、を備えるエンジンの
    吸気ダクト構造において、湾曲部の内側流路にこれを上
    方へ引き延ばすように延長させることにより継手部の合
    わせ面と直交するストレートな流路部分を形成すると共
    に、流路の拡張部に湾曲部の内側流路へ緩やかに立ち上
    がる傾斜部を形成する一方、仕切壁をストレートな流路
    部分に相当する延長部を含めて湾曲部の内側流路に沿う
    ように形成したことを特徴とするエンジンの吸気ダクト
    構造。
  2. 【請求項2】傾斜部と湾曲部の内側流路との間に略水平
    な流路部分を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    吸気ダクト構造。
  3. 【請求項3】湾曲部の内側流路への傾斜部は、立ち上が
    り角度を3°〜17°に設定したことを特徴とするエン
    ジンの吸気ダクト構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100928595B1 (ko) * 2007-12-28 2009-11-26 삼성중공업 주식회사 덕트의 배기구조

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