JP2001220899A - コンクリート構造物の補修方法及び表面被覆型枠 - Google Patents

コンクリート構造物の補修方法及び表面被覆型枠

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JP2001220899A
JP2001220899A JP2000028122A JP2000028122A JP2001220899A JP 2001220899 A JP2001220899 A JP 2001220899A JP 2000028122 A JP2000028122 A JP 2000028122A JP 2000028122 A JP2000028122 A JP 2000028122A JP 2001220899 A JP2001220899 A JP 2001220899A
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勝巳 樋野
Jun Nakamura
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Hideyo Honma
英世 本間
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澄行 松原
Ryotatsu Kawabata
亮達 川端
Hisashi Nanjo
尚志 南条
Norio Hirayama
紀夫 平山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄筋や金網を必要とせず、修復工程と表面保
護工程とを同時に行って工程の簡略化及び効率化を図る
と共に、補修後における耐用年数の長期化を図ること。 【解決手段】 コンクリート構造物の表面を被覆する第
1板状体と、第1板状体のコンクリート構造物側の面に
貼付された高強度繊維シートとを有する表面被覆型枠を
用いたコンクリート構造物の補修方法であって、劣化し
たコンクリートを撤去する撤去工程と、撤去工程により
露出した露出面と高強度繊維シートとが対向するように
表面被覆型枠をコンクリート構造物に取り付ける第1取
り付け工程と、露出面と表面被覆型枠との間に修復材を
注入する注入工程とを含む構成を採る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補修工程の簡略化
を図るコンクリート構造物の補修方法及び表面被覆型枠
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、劣化したコンクリートを補修する
方法が、例えば特開平8−260716号公報に開示さ
れている。この補修方法では、劣化したコンクリートを
除去し、鉄筋の錆取りをした後、新しく鉄筋を溶接して
支持基盤を格子状に形成する。この格子状鉄筋の上に金
網を貼付する。次に、金網とコンクリート欠落面との間
の空隙部分に発泡エポキシを注入するための注入孔とし
て、パイプを上下又は左右の2〜3個所に設ける。さら
にこの金網の上にモルタル又はコンクリートを塗り重ね
て所定断面の表面形状を整える。このような状態でモル
タル等を塗布すると金網の目に食い込み、自重で落下す
ることがなくなる。表面の鉄筋被り部分の補修材料が硬
化して強度発現後、注入孔を通して発泡エポキシを注入
し、修復した箇所の外側にFRPを貼り付ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
補修方法では、損傷・劣化部分の除去工程と、補強材・
型枠の設置及びコンクリート流し込み等の修復工程と、
仕上げとしての表面保護工程との3工程を必要としてお
り、作業が煩雑であった。特に、下水道や港湾等、コン
クリート構造物が環境条件の厳しい場所に設けられてい
る場合は、コンクリート補修作業の簡略化及び効率化が
望まれる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、鉄筋や金網を必要とせず、修復工程と表
面保護工程とを同時に行って工程の簡略化及び効率化を
図ると共に、補修後における耐用年数の長期化を図るこ
とができるコンクリート構造物の補修方法及び表面被覆
型枠を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のコンクリ
ート構造物の補修方法の発明は、コンクリート構造物の
表面を被覆する第1板状体と、第1板状体のコンクリー
ト構造物側の面に貼付された高強度繊維シートとを有す
る表面被覆型枠を用いたコンクリート構造物の補修方法
であって、劣化したコンクリートを撤去する撤去工程
と、撤去工程により露出した露出面と高強度繊維シート
とが対向するように表面被覆型枠をコンクリート構造物
に取り付ける第1取り付け工程と、露出面と表面被覆型
枠との間に修復材を注入する注入工程とを含む構成を採
る。
【0006】このように、高強度繊維シートを補強材と
して第1板状体に貼り付けてあるため、補強材としての
鉄筋や金網等を必要とせずにコンクリート構造物の補修
を行うことができる。また、第1板状体を表面保護材と
して用いることができるため、表面被覆型枠を取り付
け、露出面と表面被覆型枠との空隙に流動性の高いセメ
ントモルタルや樹脂モルタルなどの修復材を注入すれば
修復工程が終了し、型枠を取り外す手間を省くことがで
きる。従って、修復工程と保護工程とを同時に行うこと
ができ、補修工程の簡略化を図ることができる。また、
高強度繊維シートによって強度が得られるため、型枠の
軽量化を図ることができる。その結果、従来のように大
掛かりな支保工を必要とせず、仮設用アングルを表面被
覆型枠の幅方向に取り付けるだけで済むため、作業性の
向上を図ることができる。さらに、補修工程の簡略化に
よってコストの削減を図ることが可能となる。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載のコ
ンクリート構造物の補修方法において、表面被覆型枠
は、複数の第1板状体と、隣接する各第1板状体同士を
折り畳み可能に連結する連結手段とを備え、第1取り付
け工程前に表面被覆型枠を折り畳む折り畳み工程と、第
1取り付け工程前に折り畳まれた表面被覆型枠を展開す
る展開工程とを含む構成を採る。
【0008】この構成により、必要に応じて表面被覆型
枠を折り畳んで運搬し、補修現場付近において折り畳ま
れた表面被覆型枠を展開することができる。このため、
例えば、下水道のコンクリート壁の補修工事において、
マンホールから折り畳んだ表面被覆型枠を下水道に搬入
し、補修が必要なコンクリート壁の近くで展開し、作業
を行うことが可能となる。このように、スペースの限ら
れた場所においても、効率良く補修作業を行うことがで
きる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載のコ
ンクリート構造物の補修方法において、連結手段上に、
連結手段を被覆する第2板状体を取り付ける第2取り付
け工程を含む構成を採る。
【0010】この構成により、第2板状体によって連結
手段が被覆されるため、連結手段の表面が保護されると
共に、表面被覆型枠の表面を平滑化させることができ
る。これにより水流から受ける影響を極力小さくさせる
ことが可能となる。
【0011】請求項4記載の表面被覆型枠の発明は、コ
ンクリート構造物の表面を被覆する表面被覆型枠であっ
て、複数の第1板状体と、各第1板状体のコンクリート
構造物側の面に貼付された高強度繊維シートと、隣接す
る各第1板状体同士を折り畳み可能に連結する連結手段
とを備える構成を採る。
【0012】このように、高強度繊維シートを補強材と
して第1板状体に貼り付けてあるため、補強材としての
鉄筋や金網等を必要とせずにコンクリート構造物の補修
を行うことができる。また、第1板状体を表面保護材と
して用いることができるため、表面被覆型枠を取り付
け、露出面と表面被覆型枠との空隙に流動性の高いセメ
ントモルタルや、樹脂モルタルなどの修復材を注入すれ
ば修復工程が終了し、型枠を取り外す手間を省くことが
できる。従って、修復工程と保護工程とを同時に行うこ
とができ、補修工程の簡略化を図ることができる。ま
た、高強度繊維シートによって強度が得られるため、型
枠の軽量化を図ることができる。その結果、従来のよう
に大掛かりな支保工を必要とせず、仮設用アングルを表
面被覆型枠の幅方向に取り付けるだけで済むため、作業
性の向上を図ることができる。また、表面被覆型枠は折
り畳み可能であるため、必要に応じて表面被覆型枠を折
り畳んで運搬し、補修現場付近において折り畳まれた表
面被覆型枠を展開することができる。このため、例え
ば、下水道のコンクリート壁の補修工事において、マン
ホールから折り畳んだ表面被覆型枠を下水道に搬入し、
補修が必要なコンクリート壁の近くで展開し、作業を行
うことが可能となる。このように、スペースの限られた
場所においても、効率良く補修作業を行うことができ
る。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項4記載の表
面被覆型枠において、連結手段上に、連結手段を被覆す
る第2板状体を更に備える構成を採る。
【0014】この構成により、第2板状体によって連結
手段が被覆されるため、連結手段の表面が保護されると
共に、表面被覆型枠の表面を平滑化させることができ
る。これにより水流から受ける影響を極力小さくさせる
ことが可能となる。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項4又は請求
項5記載の表面被覆型枠において、第1板状体及び第2
板状体は、耐酸性FRPにより形成された構成を採る。
【0016】この構成により、耐酸性FRPによってコ
ンクリート表面を保護することができるため、躯体の耐
用年数の長期化を図ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
の実施の形態について説明する。なお、各図において同
一要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一
致していない。
【0018】図1は、本発明の一実施の形態に係るコン
クリート構造物の補修方法の工程を示すフローチャート
である。まず、現場調査を行う(ステップS1)。ここ
では、コンクリート構造物の劣化部分を検出し、劣化し
たコンクリートの断面寸法及び劣化部分の撤去厚を測定
する。次に、本実施の形態に係る表面被覆型枠を品質管
理された工場において製作する(ステップS2)。この
表面被覆型枠について、図2を参照して説明する。
【0019】図2(a)は、本実施の形態に係る表面被
覆型枠の平面図であり、図2(b)は同断面図である。
この平面図は表面被覆型枠1の表面側を示しており、表
面被覆型枠1の裏面側は、図示しないコンクリート構造
物と対向する。表面被覆型枠1は、表面側に第1板状体
としての耐酸性の第1FRPボード2を有する。この第
1FRPボード2には、図示しない三軸方向のガラス繊
維シートが布設してある。この第1FRPボード2の大
きさは、1枚につき、例えば長さ3000mm、幅30
0mm、厚さ12mmとする。なお、第1FRPボード
2の表面は、ビニール被膜処理を施すことによって、運
搬時の傷つきを防止することも可能である。
【0020】また、図2(b)に示すように、第1FR
Pボード2の裏面には、高強度繊維シートとしての2方
向アラミド繊維シート3が貼付されている。アラミド繊
維シート3は、芳香族ポリアミドを繊維化したもので、
強度が高くかつ軽量であるという特徴を有する。本実施
の形態では、例えば2方向アラミド繊維シートとして、
392.266[kN](40t)の引っ張り強度を有
するものを使用する。このアラミド繊維シート3は、第
1FRPボード2の連結手段としても機能する。すなわ
ち、本実施の形態では、第1FRPボード2を、所定の
間隔を置いて3枚並べ、裏面からアラミド繊維シート3
を貼付することによって、アラミド繊維シートの未含浸
部からなる連結部3aが3枚の第1FRPボード2を連
結する。これにより、3枚の第1FRPボード2を折り
畳むことが可能となる。この連結部3aの表面には、耐
酸性FRPにより形成された第2板状体としての第2F
RPボード4が取り付けられる。この第2FRPボード
4によって第1FRPボード2が存在しない連結部3a
の表面が保護される。
【0021】このように、本実施の形態に係る表面被覆
型枠は、必要に応じて表面被覆型枠を折り畳んで運搬
し、現場で折り畳まれた表面被覆型枠を展開することが
できる。このため、例えば、下水道のコンクリート壁の
補修工事において、マンホールから折り畳んだ表面被覆
型枠を下水道に搬入し、補修が必要なコンクリート壁の
近くで展開し、作業を行うことが可能となる。このよう
に、スペースの限られた場所においても、効率良く補修
作業を行うことができる。
【0022】第1FRPボード2の表面上には、修復材
を注入するため及びエアーを抜くための図示しない注入
孔が設けられ、第1FRPボード2及び第2FRPボー
ド4の表面上にはコンクリート構造物に表面被覆型枠1
を固定するためのボルト孔6がそれぞれ設けられてい
る。
【0023】この第1FRPボード2の設計条件として
は、例えば、下記のように決めることができる。まず、
修復材が49033.25Pa(0.5kgf/c
2)の注入圧で注入されること、及び注入モルタルの
自重を考慮し、第1FRPボード2のたわみ量は、最大
で5mmを目標とする。また、第1FRPボード2の裏
面側、すなわち、コンクリート構造物に対向する側に貼
付されるアラミド繊維シートによる強度を加味する。次
に、アンカーボルトピッチは、第1FRPボード2の長
手方向に対しては500mmピッチとする。ガラス繊維
強化材は、4軸組布をベースに設計する。
【0024】耐酸性能の設計条件としては、第1FRP
ボード2の表層に用いるガラス繊維は、耐酸ガラスを用
いる。積層樹脂は、耐酸性を考慮した不飽和ポリエステ
ルと、ビニルエステルとの2水準とする。なお、第2F
RPボード4の設計条件は、上記第1FRPボード2の
設計条件に準ずるものとする。
【0025】表面被覆型枠1の成形手法としては、本実
施の形態では、ハンドレイアップによる製作とするが、
機械成形によることも可能である。
【0026】このように、高強度繊維シートを補強材と
して第1板状体に貼り付けてあるため、補強材としての
鉄筋や金網等を必要とせずにコンクリート構造物の補修
を行うことができる。また、第1板状体を表面保護材と
して用いることができるため、表面被覆型枠を取り付
け、露出面と表面被覆型枠との空隙に流動性の高いセメ
ントモルタルや樹脂モルタルなどの修復材を注入すれば
修復工程が終了し、型枠を取り外す手間を省くことがで
きる。従って、修復工程と保護工程とを同時に行うこと
ができ、補修工程の簡略化を図ることができる。また、
高強度繊維シートによって強度が得られるため、型枠の
軽量化を図ることができる。その結果、従来のように大
掛かりな支保工を必要とせず、仮設用アングルを表面被
覆型枠の幅方向に取り付けるだけで済むため、作業性の
向上を図ることができる。さらに、補修工程の簡略化に
よってコストの削減を図ることが可能となる。
【0027】また、耐酸性FRPによってコンクリート
表面を保護することができるため、躯体の耐用年数の長
期化を図ることが可能となる。
【0028】次に、ステップS2における表面被覆型枠
の製作の後、若しくはその製作と共に、コンクリート構
造物において検出した劣化コンクリートを撤去する撤去
工程が行われる(ステップS3)。撤去工程では、超高
圧水によって「はつり作業」を行う。水圧は、例えば、
196.133[MPa](2000kgf/cm2
に設定する。次に、ステップS2において製作した表面
被覆型枠を折り畳んで現場に搬入する(ステップS
4)。本実施の形態に係る表面被覆型枠は、上述の通り
折り畳み可能であるため、例えば下水道のコンクリート
壁面を補修するような場合、マンホール等の狭い入口か
らでも搬入が可能である。すなわち、通常、マンホール
は直径600mmであるのに対し、第1FRPボード2
は幅が上記のように350mmとされているため、表面
被覆型枠を折り畳むことによってマンホールから下水道
へ搬入することが可能となる。
【0029】次に、補修現場において、折り畳まれた表
面被覆型枠を展開し、劣化したコンクリートが除去され
て露出した露出面上にこの表面被覆型枠を取り付ける
(ステップS5)。すなわち、表面被覆型枠における連
結部3aをコンクリートアンカーグリップによって固定
し、水中硬化型のエポキシ樹脂グラウト材を含浸させ
る。含浸後、連結部3a上に第2FRPボード4を用い
て仮固定する。この状態を、図3乃至図5を参照して説
明する。
【0030】図3は、本実施の形態に係る表面被覆型枠
を撤去工程によって露出した露出面上に取り付けた状態
を示す断面図である。また、図4は、図3における1−
1線によって表面被覆型枠を切断した断面図であり、図
5は、図3における2−2線によって表面被覆型枠を切
断した断面図である。コンクリートアンカーグリップ8
がコンクリート構造物の露出面9上に設けられている。
第2FRPボード4に設けられたボルト孔6を介してボ
ルト10がコンクリートアンカーグリップ8にねじ込ま
れている。これにより、表面被覆型枠1は、露出面9上
に固定される。また、仮設用アングル11がボルト12
及びナット13によって第1FRPボード2に固定され
ている。また、アラミド繊維シート3上には、修復材の
付着性を向上させるため、細骨材14が散布されてい
る。この表面被覆型枠1の取付け時には、アラミド繊維
シート3と露出面9との間には空隙部15が存在する。
【0031】このように、第2FRPボード4によって
連結部3aが被覆されるため、連結部3aの表面が保護
されると共に、表面被覆型枠1の表面を平滑化させるこ
とができる。これにより水流から受ける影響を極力小さ
くさせることが可能となる。
【0032】表面被覆型枠の取り付けが終わると、水中
硬化型エポキシ樹脂シール材によってボード端部をシー
リングし(ステップS6)、図示しない注入孔から修復
材としてのセメント系無収縮モルタルを注入する(ステ
ップS7)。空隙部15に修復材が充填されると、所定
の強度が得られるまで24時間以上養生する(ステップ
S8)。
【0033】このように、ボルト10及び12、仮設用
アングル11を用いて表面被覆型枠の取り付けができる
ため、表面被覆型枠1の取り付け時及び修復材の注入時
に、従来のように大掛かりな支保工を必要とせず、補修
工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0034】次に、ボルト10及び12を撤去し、ステ
ンレス製又はプラスチック製の皿ボルト17及び18を
取り付ける(ステップS9)。このように、皿ボルト1
7及び18を用いることによって表面被覆型枠の表面の
凹凸を無くし、平面に近い状態とすることができるた
め、例えば水流による欠損等を回避することが可能とな
る。なお、皿ボルト17及び18は、耐酸性を有する材
料で形成されていればよく、その材料がステンレスやプ
ラスチックに限定されるものではない。
【0035】最後に、表面のビニール被膜が施されてい
る場合は、これを撤去して完成となる(ステップS1
0)。図6は、本実施の形態において、補修が完成した
時の状態を示す図である。表面被覆型枠1と露出面9と
の空隙は修復材16によって満たされている。また、皿
ボルト17及び18が用いられているため、表面被覆型
枠1の表面には凹凸が無い。
【0036】このように、本実施の形態に係る表面被覆
型枠には強度の高いアラミド繊維を補強材として板状体
に貼り付けてあるため、補強材としての鉄筋や金網等を
必要とせずにコンクリート構造物の補修を行うことがで
きる。また、板状体を表面保護材として用いることがで
きるため、表面被覆型枠を取り付け、露出面と表面被覆
型枠との空隙に修復材を注入すれば修復工程が終了し、
型枠を取り外す手間を省くことができる。従って、修復
工程と保護工程とを同時に行うことができ、補修工程の
簡略化を図ることができる。また、アラミド繊維によっ
て強度が得られるため、型枠の軽量化を図ることができ
る。その結果、従来のように大掛かりな支保工を必要と
せず、仮設用アングルを表面被覆型枠の幅方向に取り付
けるだけで済むため、作業性の向上を図ることができ
る。さらに、補修工程の簡略化によってコストの削減を
図ることが可能となる。
【0037】以上、本実施の形態では、FRPボードの
補強材としてアラミド繊維シートが貼付された表面被覆
型枠を例にとって説明したが、本発明に係る高強度繊維
シートは、アラミド繊維シートに限定されるものではな
い。すなわち、アラミド繊維の強度に相当する強度を備
える他の材料、例えば、炭素繊維、ビニロン、鉄(ラ
ス)金網等を用いることも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、コンク
リート構造物の表面を被覆する第1板状体と、第1板状
体のコンクリート構造物側の面に貼付された高強度繊維
シートとを有する表面被覆型枠を用いたコンクリート構
造物の補修方法であって、劣化したコンクリートを撤去
する撤去工程と、撤去工程により露出した露出面と高強
度繊維シートとが対向するように表面被覆型枠をコンク
リート構造物に取り付ける第1取り付け工程と、露出面
と表面被覆型枠との間に修復材を注入する注入工程とを
含む構成を採る。このように、高強度繊維シートを補強
材として第1板状体に貼り付けてあるため、補強材とし
ての鉄筋や金網等を必要とせずにコンクリート構造物の
補修を行うことができる。また、第1板状体を表面保護
材として用いることができるため、表面被覆型枠を取り
付け、露出面と表面被覆型枠との空隙に流動性の高いセ
メントモルタルや樹脂モルタルなどの修復材を注入すれ
ば修復工程が終了し、型枠を取り外す手間を省くことが
できる。従って、修復工程と保護工程とを同時に行うこ
とができ、補修工程の簡略化を図ることができる。ま
た、高強度繊維シートによって強度が得られるため、型
枠の軽量化を図ることができる。その結果、従来のよう
に大掛かりな支保工を必要とせず、仮設用アングルを表
面被覆型枠の幅方向に取り付けるだけで済むため、作業
性の向上を図ることができる。さらに、補修工程の簡略
化によってコストの削減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコンクリート構造
物の補修方法の工程を示すフローチャートである。
【図2】(a) 上記実施の形態に係る表面被覆型枠の
平面図である。 (b) 上記実施の形態に係る表面被覆型枠の断面図で
ある。
【図3】上記実施の形態に係る表面被覆型枠を撤去工程
によって露出した露出面上に取り付けた状態を示す断面
図である。
【図4】図3における1−1線によって表面被覆型枠を
切断した断面図である。
【図5】図3における2−2線によって表面被覆型枠を
切断した断面図である。
【図6】上記実施の形態において、補修が完成した時の
状態を示す図である。
【符号の説明】
1…表面被覆型枠、2…第1FRPボード、3…アラミ
ド繊維シート、3a…連結部、4…第2FRPボード、
6…ボルト孔、8…コンクリートアンカーグリップ、9
…露出面、10…ボルト、11…仮設用アングル、12
…ボルト、13…ナット、14…細骨材、16…修復
材、17…皿ボルト、18…皿ボルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597082197 株式会社ニットーボー・エフアールピー研 究所 福島県郡山市富久山町福原字塩島1番地 (72)発明者 山賀 勝治 埼玉県所沢市大字山口698−1 (72)発明者 樋野 勝巳 東京都多摩市落合5−8−17−205 (72)発明者 中村 準 東京都日野市神明3−9−302 (72)発明者 本間 英世 千葉県市川市南行徳1−3−15−101 (72)発明者 松原 澄行 三重県桑名市松ノ木6−8−6 (72)発明者 川端 亮達 東京都目黒区南2−6−10−203 (72)発明者 南条 尚志 東京都北区志茂5−28−2 (72)発明者 平山 紀夫 福島県郡山市名倉32−1 Fターム(参考) 2E176 AA05 BB24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物の表面を被覆する第
    1板状体と、前記第1板状体の前記コンクリート構造物
    側の面に貼付された高強度繊維シートとを有する表面被
    覆型枠を用いたコンクリート構造物の補修方法であっ
    て、 劣化したコンクリートを撤去する撤去工程と、 前記撤去工程により露出した露出面と前記高強度繊維シ
    ートとが対向するように前記表面被覆型枠を前記コンク
    リート構造物に取り付ける第1取り付け工程と、 前記露出面と前記表面被覆型枠との間に修復材を注入す
    る注入工程とを含むことを特徴とするコンクリート構造
    物の補修方法。
  2. 【請求項2】 前記表面被覆型枠は、複数の前記第1板
    状体と、隣接する各第1板状体同士を折り畳み可能に連
    結する連結手段とを備え、 前記第1取り付け工程前に前記表面被覆型枠を折り畳む
    折り畳み工程と、 前記第1取り付け工程前に前記折り畳まれた前記表面被
    覆型枠を展開する展開工程とを含むことを特徴とする請
    求項1記載のコンクリート構造物の補修方法。
  3. 【請求項3】 前記連結手段上に、前記連結手段を被覆
    する第2板状体を取り付ける第2取り付け工程を含むこ
    とを特徴とする請求項2記載のコンクリート構造物の補
    修方法。
  4. 【請求項4】 コンクリート構造物の表面を被覆する表
    面被覆型枠であって、 複数の第1板状体と、 前記各第1板状体の前記コンクリート構造物側の面に貼
    付された高強度繊維シートと、 前記隣接する各第1板状体同士を折り畳み可能に連結す
    る連結手段とを備えることを特徴とする表面被覆型枠。
  5. 【請求項5】 前記連結手段上に、前記連結手段を被覆
    する第2板状体を更に備えることを特徴とする請求項4
    記載の表面被覆型枠。
  6. 【請求項6】 前記第1板状体及び第2板状体は、耐酸
    性FRPにより形成されたことを特徴とする請求項4又
    は請求項5記載の表面被覆型枠。
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