JP2018119281A - 薄型埋設型枠及び薄型埋設型枠の組立て方法 - Google Patents

薄型埋設型枠及び薄型埋設型枠の組立て方法 Download PDF

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義明 上垣
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【課題】従来の埋設型枠よりも薄型、軽量化を実現し、施工性及び耐久性に優れた薄型埋設型枠およびその組立て方法を提供する。【解決手段】鋼繊維を含有したモルタル材料によって成形された薄型埋設型枠10は、セパレータ2が緊結されるセパレータ固定部13と、薄型埋設型枠10内の打設コンクリートと付着するアンカー14dが緊結される埋込みアンカー固定部14と、セパレータ固定部13の薄型埋設型枠10の表面側に設けられ、外部支保工が撤去された後に当該セパレータ固定部13に緊結されることによって当該薄型埋設型枠10の表面と略面一となる平坦座金閉塞部材13dと、を備える。【選択図】図10

Description

本発明は、コンクリート構造物の表面に使用される薄型埋設型枠及び薄型埋設型枠の組立て方法に関する。
従来から、水路やダム、護岸、橋脚など、水流によるコンクリート構造物表面の磨耗が大きい場所や、塩害が厳しい環境において構築されるコンクリート構造物の表面には、高耐久性の埋設型枠が使用されていた。例えば特許文献1には、アラミド繊維を含有するとともに、現場打ちコンクリートとの付着力を確保するために、背面に突起部分を形成した埋設型枠用ボードの発明が記載されている。
このような従来の埋設型枠は、コンクリート打設時の側圧に対し、縦端太や横端太といった外部支保工を使用せず、埋設型枠に埋め込まれた金具をセパレータで緊結する内部支保工により、埋設型枠が支持・固定されていた。したがって、埋設型枠には多くの金具が埋め込まれ、さらに、埋め込まれる金具に対して、埋設型枠の表面から所定のかぶり厚さが必要となることから、埋設型枠自体の厚さが25〜60mmと厚いものとなっていた。また、従来の埋設型枠は相当の重量を有していることから、施工現場に搬入された後は、揚重機によって組み立てる必要があった。なお、図1には従来の埋設型枠による内部支保工による地組の態様が示されているが、埋設型枠に埋め込まれた多くの金具を緊結して、コンクリート打設時の側圧によって埋設型枠が崩壊することがないようにしっかりと固定することが必要不可欠であった。
特開2011−026848号公報
しかしながら、従来の埋設型枠は、上記したように、多くの金具を埋設型枠の製造時に埋め込む必要があるため、埋設型枠の製造には多くの時間が費やされる。さらに、内部支保工を前提とする従来の埋設型枠では、型枠内の鉄筋が支障となる中、多くのセパレータを緊結しなければならず、埋設型枠の組立て工程に多くの時間が必要となる。また、埋設型枠自体の厚さが25〜60mmと厚く、施工現場で切断・加工することは難しく、対象の構造物の寸法形状に合わせて、埋設型枠を工場生産にて製造しなければならない。
そこで、本願発明は、従来の埋設型枠がもつ上記種々の問題点に鑑み、従来の埋設型枠よりも施工性と耐久性に優れた、薄型埋設型枠及び薄型埋設型枠の組立て方法を提供することを目的とする。
(1)鋼繊維を含有したモルタル材料によって成形された薄型埋設型枠であって、セパレータが緊結されるセパレータ固定部と、前記薄型埋設型枠内の打設コンクリートと付着するアンカーが緊結される埋込みアンカー固定部と、前記セパレータ固定部の前記薄型埋設型枠の表面側に設けられ、外部支保工が撤去された後に当該セパレータ固定部に緊結されることによって当該薄型埋設型枠の表面と略面一となる平坦座金閉塞部材と、を備えることを特徴とする薄型埋設型枠。
(2)前記セパレータ固定部は、前記薄型埋設型枠の面積に対して2.4箇所/m以下で、当該薄型埋設型枠に備えられていることを特徴とする(1)に記載の薄型埋設型枠。
(3)前記埋込みアンカー固定部には、隣接する前記薄型埋設型枠を互いに連結する連結部材が取り付けられ得ることを特徴とする(1)または(2)に記載の薄型埋設型枠。
(4)鋼繊維を含有したモルタル材料によって成形された薄型埋設型枠の組立て方法であって、前記薄型埋設型枠が備えるセパレータ固定部に、セパレータを緊結するとともに、当該薄型埋設型枠が備える埋込みアンカー固定部に、当該薄型埋設型枠内の現場打ちコンクリートと付着するアンカーを緊結して当該薄型埋設型枠を建て込み、前記現場打ちコンクリートの打設後、外部支保工が撤去された前記セパレータ固定部に平坦座金閉塞部材を緊結し、当該平坦座金部材と前記薄型埋設型枠の表面とを略面一とすることを特徴とする薄型埋設型枠の組立て方法。
上記(1)、(4)の構成によれば、セパレータ固定部を介して薄型埋設型枠の表面側に外部支保工を設置することができるので、コンクリートの側圧による型枠のたわみを抑えることができ、埋設型枠の薄型、軽量化を図ることが可能である。さらに、薄型埋設型枠は、当該薄型埋設型枠の背面に打設されるコンクリートと付着する埋込みアンカー固定部を有しているので、外部支保工を撤去する際に、薄型埋設型枠が打設されたコンクリートから剥離することを防止することが可能である。また、外部支保工が撤去された後のセパレータ固定部には、平坦面を有する平坦座金閉塞部材が緊結されて薄型埋設型枠の表面と略面一となるので、特に水流の影響を受ける構造物等に対して好適に当該薄型埋設型枠を使用することができる。
上記(2)の構成によれば、従来、埋設型枠のセパレータ本数は6本/m以上であったところ、本発明の薄型埋設型枠は外部支保工を使用することによって、セパレータ本数を2.4本/m以下とすることができる。したがって、セパレータの設置作業を大幅に省力化することができ、工期短縮が可能である。
上記(3)の構成によれば、複数の薄型埋設型枠により建て込みを行う際に、薄型埋設型枠に設けられた埋込みアンカー固定部に連結部材を取り付けることにより、隣接する薄型埋設型枠を強固に連結することが可能である。また、埋込みアンカー固定部を利用し連結されるため、連結するための部材を新たに薄型埋設型枠に設ける必要が生じない。
従来の埋設型枠による内部支保工の模式断面図である。 (a)は薄型埋設型枠の正面図、(b)は薄型埋設型枠の側面図である。 (a)は薄型埋設型枠のセパレータ固定部の断面図、(b)は薄型埋設型枠の埋込みアンカー固定部の断面図である。 (a)は薄型埋設型枠の平面図、(b)は薄型埋設型枠の上端部周辺の背面図である。 本発明の薄型埋設型枠の組立てフローである。 (a)は薄型埋設型枠において、全ネジボルトが取り付けられた埋込みアンカー固定部の模式断面図、(b)は薄型埋設型枠の連結態様を示す模式断面図である。 薄型埋設型枠の連結態様(コーナー部)を示す模式断面図である。 (a)は薄型埋設型枠の建て込み時におけるセパレータ固定部の模式断面図、(b)は薄型埋設型枠のセパレータ固定部における外部支保工の設置態様を示す模式断面図である。 (a)は薄型埋設型枠の外部支保工の設置態様を示す平断面図、(b)は縦断面図である。 (a)は薄型埋設型枠の外部支保工撤去後のセパレータ固定部の閉塞処理態様を示す模式断面図、(b)は平坦座金閉塞部材の詳細図、(c)はセパレータ固定部への平坦座金閉塞部材設置後の模式断面図である。 (a)は既設構造物への薄型埋設型枠の設置態様を示す模式断面図、(b)は別実施例における薄型埋設型枠の連結態様を示す断面図である。 ※なお、図面中に寸法線とともに数値が記載されている箇所があるが、記載されている数値の単位は(mm)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の薄型埋設型枠とその組立て方法について説明する。
(従来の埋設型枠)
図1には、現場打ちコンクリート5の従来の埋設型枠1による地組態様が模式断面図で示されている。図1に示されているように、従来の埋設型枠1は内部支保工を前提として組み立てられているため、埋設型枠1を点で支持する埋込み金物3が、埋設型枠1の背面側に埋設され、それぞれの埋込み金物3にセパレータ2を取り付けて、当該セパレータ2を溶接部4で溶接して接合することによって埋設型枠1を支持・固定していた。しかし、上記埋込み金物3は、所定の厚みを有することから、当該埋込み金物3に所定のかぶり厚さを確保するために、従来の埋設型枠1の厚さTは25〜60mmと、通常の合板型枠と比較しても厚みの大きいものとなっていた。さらに、従来の埋設型枠1のセパレータ2のピッチLは300mm程度であったことから、鉄筋が配筋された型枠内において、多くのセパレータ2を配置して溶接する作業は、非常に作業性が悪く、相当の時間を要する作業であった。
また、従来の埋設型枠1は、所定の強度、品質を確保する観点から、埋設型枠1の製造時に蒸気養生を必要としていたので、工場生産が前提となっており、施工現場での製造は不可能であった。また、厚さTが25mm、縦寸法1800mm、横寸法900mmの従来の埋設型枠1の場合、その重さは100kgを超える重さとなることから、埋設型枠1の建て込みには揚重機を利用した作業が必須であり、さらに、厚さが大きいことから、施工現場における埋設型枠1の切断・加工は極めて困難であり、実際上不可能であった。
(本発明の薄型埋設型枠の構成材料)
本発明に係る薄型埋設型枠10を製造するにあたり、本発明の実施例では以下のような構成材料によって薄型埋設型枠10を製造している。
薄型埋設型枠10は、ポルトランドセメントと、ポゾラン材と、無機粉体とを少なくとも含有する特殊粉体材料と、粒径5mm以下の専用骨材、専用鋼繊維、専用高性能減水剤ならびに水から構成された特殊モルタル材料により製造されている。この特殊モルタル材料は、超高強度鋼繊維を含むことで、従来の超高強度繊維補強コンクリートと同等以上の強度特性を発揮するとともに、現場での打設、養生が可能であるので、施工規模や施工条件の制約を大きく受けることなく使用できる材料である。さらに、この特殊モルタル材料は、優れた流動性や充填性を備え、薄肉断面の成形が可能であることから、本発明の薄型埋設型枠10の製造に好適に使用することができる。
以下に上記特殊モルタル材料の配合等について説明する。特殊モルタル材料に配合される専用鋼繊維は、直径0.16〜0.22mm、長さ13〜20mm、引張強度2000N/mm以上のものを使用することが好ましい。なお、鋼繊維の材質として高強度ビニロン繊維やステンレス製の繊維などを使用することも可能である。また、粒径5mm以下の専用骨材については、特殊モルタル材料が必要な強度を得ることができ、硬化後に有害な膨張や収縮が起こらないようにする観点から、所定の品質を満足する骨材を使用している。また、専用高性能減水剤は、要求されるコンシステンシーが得られるように、環境条件等を考慮してその使用量を適切にコントロールする必要がある。なお、表1には、特殊モルタル材料の標準配合が、表2には、特殊モルタル材の要求性能が示されている。
Figure 2018119281
Figure 2018119281
(薄型埋設型枠の態様)
図2(a)には、本発明の実施例における薄型埋設型枠10の正面図が示され、図2(b)には、図2(a)におけるAA断面図が示されている。本発明の実施例における標準的な薄型埋設型枠10の形状・寸法は、1.82m×0.91m、厚さ16mmの長方形の板状となっている。また、薄型埋設型枠10を2段以上積み上げて建て込むことを想定し、当該薄型埋設型枠10の上端部と下端部には、80mm×40mmの肉厚部11が形成され、当該肉厚部11には後述する吊り用インサート15及びガイドコーン16が設けられている。(図4等参照)また、肉厚部11と薄肉壁部12との境目は、1cm幅程度のテーパーが形成され、さらに、薄型埋設型枠10の各角部は、角欠けが生じ難くなるように3mm程度の面取りが施されている。なお、当該薄型埋設型枠10を2段以上積み上げて建て込むことがない場合は、上記肉厚部11を必ずしも設ける必要はない。
図2(a)に示されているように、薄型埋設型枠10には、4箇所のセパレータ固定部13と、6箇所の埋込みアンカー固定部14が設けられている。従来の埋設型枠1のセパレータ本数は6本/m以上であったが、本発明の薄型埋設型枠10は、外部支保工を使用することによって、セパレータ本数を2.4本/mにすることが可能となっており、セパレータ2の設置作業を大幅に省力化している。しかし一方で、セパレータ2の本数を減らすことによって、現場打ちコンクリートの強度が十分に発現しないうちに外部支保工を外した場合、付着強度の弱い箇所において、薄型埋設型枠10の剥離や反りが発生する可能性がある。そこで、本発明の実施例では、薄型埋設型枠10の外周に埋込みアンカー固定部14が設けられている。埋込みアンカー固定部14には、図6(a)に示されているように、薄型埋設型枠10の製造時に埋め込まれたアンカー用座付き高ナット14aに、全ネジアンカーボルト14bを取り付け、薄型埋設型枠10の背面に当該全ネジアンカーボルト14bを突出させることで、現場打ちコンクリートと薄型埋設型枠10との付着強度の増強を図って、上記したような薄型埋設型枠10の剥離や反りの発生を抑制している。
図3(a)には、薄型埋設型枠10におけるセパレータ固定部13の断面図が、図3(b)には、薄型埋設型枠10における埋込みアンカー固定部14の断面図が示されている。薄型埋設型枠10の薄肉壁部12には、セパレータ固定部13として、直径16mmの貫通孔13aと、薄型埋設型枠10の正面側に深さ3mm、直径41mmの円形凹み13bが形成されている。また、薄型埋設型枠10の薄肉壁部12には、埋込みアンカー固定部14として、薄型埋設型枠10の製造時に埋め込まれる、厚さ3mm、直径41mmの円形の座面を有するアンカー用座付き高ナット14aが設けられている。
なお、本発明の実施例では、アンカー用座付き高ナット14aは、ステンレス製(SUS304)のナット(呼び径M12)で構成されているが、材質やナットの寸法はこれに限定されるものではなく、使用環境等に応じて変更することが可能である。また、セパレータ固定部13の貫通孔13aの寸法形状は、上記したものに限られるものではなく、セパレータ2の寸法形状等に応じて変更が可能である。
図4(a)には、薄型埋設型枠10の上面図が、図4(b)には、薄型埋設型枠10の上端部周辺の背面図が示されている。図4(a)、(b)に示されているように、薄型埋設型枠10の上端部の肉厚部11中央には、薄型埋設型枠10を揚重機等で吊り上げる際に利用する吊り用インサート15と、薄型埋設型枠10の上端部の肉厚部11両側端部付近には、ガイドコーン16が設けられている。本発明の実施例においては、吊り用インサート15に呼び径M12を採用している。また、ガイドコーン16は、深さ40mmで、直径13mmから26mmまで拡径する円錐形状に形成されており、2段以上で薄型埋設型枠10を建て込む際に、正確に前後左右の位置合わせができるように構成されている。なお、吊り用インサート15やガイドコーン16の寸法形状や数量は、上記したものに限られるものではなく、必要に応じて変更が可能である。
また、薄型埋設型枠10の背面は、現場打ちコンクリートとの一体化を図るため、薄型埋設型枠10の製造段階において、所定の養生時間を経て、目粗し処理が施されている。目粗し処理の方法としては、薄型埋設型枠10の背面の特殊モルタル材料表面に、高圧水を吹き付ける等して、特殊モルタル材料の表面に骨材が突出して現われる程度まで目粗し処理を行うとよい。なお、現場打ちのコンクリートとの付着強度を確保する観点から、凹凸形状の型枠に特殊モルタル材料を打設し、薄型埋設型枠10の背面に凹凸面を形成するようにして、現場打ちのコンクリートとの付着強度を確保するようにしてもよい。
(薄型埋設型枠の組立て)
図5には、本発明の薄型埋設型枠10の組立てフローが示されており、以下、当該フローに従って、薄型埋設型枠10の組み立て方法を説明する。
[埋込みアンカー固定部及びセパレータ固定部の処理(S100)]
現場打ち又は工場生産された薄型埋設型枠10が施工現場に搬入された後、当該薄型埋設型枠10を建て込む前に、埋込みアンカー固定部14のアンカー用座付き高ナット14aに全ネジアンカーボルト14b(長さ53mm、ステンレス製、呼び径M12を使用)を図6(a)に示されているように取り付ける。併せて、セパレータ固定部13には、図8(a)に示されているように、ねじ切りワッシャ23(直径40mm、厚さ3mm、呼び径W3/8を使用)に全ネジボルト22(長さ170mm、呼び径W3/8を使用)を挿通させるとともに、薄型埋設型枠10背面のセパ固定用座付き高ナット13c(直径40mm、厚さ3mm、長さ30mm、ステンレス製、呼び径W3/8を使用)と緊結して、薄型埋設型枠10をしっかりと挟み込んでいる。なお、本発明の実施例では、上記括弧内に記載された材質、寸法形状の各部材を使用しているが、これに限定されるものではなく、適宜変更しても良い。但し、耐久性等を考慮し、現場打ちコンクリート内および薄型埋設型枠10内に供用後において存置される部材は、ステンレス製とすることが好ましい。
[薄型埋設型枠の建て込み(S110)]
続いて、薄型埋設型枠10の建て込みを行う。本発明の薄型埋設型枠10は厚さが薄く、軽量であるため、人力による建て込みが可能である。また、薄型埋設型枠10の上端部には、前述したように、吊り用インサート15が設けられているので、必要に応じて揚重機を用いて建て込みを行うことも可能である。また、複数の薄型埋設型枠10を水平方向に建て込む場合、埋込みアンカー固定部14を利用して、隣り合う薄型埋設型枠10同士を強固に連結することが可能である。例えば、図6(b)には、水平方向に隣り合う薄型埋設型枠10の連結態様が示されており、それぞれの薄型埋設型枠10の埋込みアンカー固定部14に連結部材17(厚さ5mm、幅40mm、ステンレス製、L型鋼板を使用)が取り付けられ、当該連結部材17が連結ボルト18(ステンレス製、呼び径M12を使用)によって連結固定されている。また、本発明の実施例では、鉛直目地接合部19に耐水性、耐候性に優れるゴム(クロロプレンゴム等)を挟み込んで、薄型埋設型枠10同士が接合されているので、鉛直目地接合部19からのブリーディング水等の漏出や、供用後の白華現象の発生を抑制することが可能である。
また、図7には、薄型埋設型枠10を90度に突き合わせ、連結部材17a(厚さ5mm、幅40mm、ステンレス製、L型鋼板を使用)によって連結したコーナー部の連結態様が示されている。
[セパレータ設置及び外部支保工の設置(S120)]
続いて、図8(b)に示されているように、薄型埋設型枠10背面のセパ固定用座付き高ナット13cにセパレータ2を緊結し、現場打ちコンクリートの必要な断面寸法が確保されるよう、当該セパレータ2を溶接等により固定する。併せて、薄型埋設型枠10の正面部に所定の間隔で縦端20を当てて、当該縦端20が所定の間隔で配置した横端21によって押し当てられるようにして外部支保工の設置を行う。なお、横端21は全ネジボルト22を挟み込むように設置され、横端固定金具24が締付けナット25によって締付けられることによって、しっかりと縦端20及び横端21が薄型埋設型枠10を支持・固定している。
また、図9(a)には、本発明の実施例における、薄型埋設型枠10の地組平断面図が、図9(b)には、図9(a)のセパレータ固定部における、薄型埋設型枠10の地組縦断面図が示されている。外部支保工の設置を行う際、薄型埋設型枠10の正面部には、現場打ちコンクリートの打設時に生じる側圧に耐え得るように、所定間隔に縦端20が配置されるとともに、当該縦端20が薄型埋設型枠10をしっかり支持するように、セパレータ固定部13で緊結された横端21が所定間隔で配置されている。なお、縦端20および横端21の設置間隔や、その形状寸法等は、現場打ちコンクリートの流動性や打設速度、薄型埋設型枠10の強度に大きく依存するので、適宜、許容される曲げ応力やたわみ量に応じて選定されることが好ましい。
[現場打ちコンクリートの打設(S130)]
薄型埋設型枠10の支保工の設置が終わると、薄型埋設型枠10内に現場打ちコンクリートが打設される。
[外部支保工の撤去及びセパレータ固定部への座付きボルトの設置(S140)]
現場打ちコンクリート5の打設後、所定の期間の養生を経て、外部支保工の撤去が行われる。すなわち、縦端20および横端21が撤去されるとともに、図10(a)に示されているように、セパレータ固定部13に取り付けられた、ねじ切りワッシャ23および全ネジボルト22が併せて撤去される。その後、セパ固定用座付き高ナット13c内、及び貫通孔13a内の余剰空間13fに、耐水性、耐候性に優れるエポキシ樹脂系の接着剤が充填され、図10(b)に示されているような、直径40mm、厚さ3mmのステンレス製の座金部を有する平坦座金閉塞部材13dが、セパ固定用座付き高ナット13cに緊結される。これにより、薄型埋設型枠10の表面は図10(c)に示されるような平滑な仕上がり面となり、さらに、エポキシ樹脂系の接着剤により止水性が向上することから、特に水流や塩害の影響を受けるような環境条件に対して、極めて耐久的な構造物が提供されることになる。
(その他の実施形態)
[既設構造物の表面補修]
また、本発明の薄型埋設型枠10は上記した実施例に限られるものではなく、薄型埋設型枠10を使用し、以下のように既設構造物の表面を補修するこが可能である。
本発明の薄型埋設型枠10を使用して既設構造物6の表面を補修する場合、図11(a)に示されているように、既設構造物6の劣化部を斫り取り、既設構造物6にアンカー7が設置される。そして、アンカー7にセパレータの代わりとなる全ネジボルト8が取り付けられる。薄型埋設型枠10を組み立てる際は、セパ固定用座付き高ナット13cと上記全ネジボルト8とが緊結され、図8(b)に示されているように、外部支保工が設置される。その後、既設構造物6と薄型埋設型枠10との隙間に流動性のある材料(無収縮モルタル等)が充填され、所定の養生期間を経て外部支保工が撤去される。外部支保工の撤去後は、図11(a)に示されているように、セパ固定用座付き高ナット13c内及び貫通孔13a内の余剰空間にエポキシ樹脂系の接着剤が充填され、平坦座金閉塞部材13dが緊結される。
[薄型埋設型枠の重ね継手構造]
複数の薄型埋設型枠10を連結して建て込みを行う場合に、図11(b)に示されているような重ね継手構造により、薄型埋設型枠10を水平方向又は鉛直方向に連結することが可能である。図11(b)に示された図にもとづいて説明すると、まず、先に建て込む薄型埋設型枠10aの背面に予め裏当て材9をエポキシ系の樹脂接着剤9aにより接着固定しておく。その後、連結する薄型埋設型枠10bを建て込む際に、裏当て材9にエポキシ樹脂系の接着剤9bを塗布して接着固定させる。また、鉛直目地接合部19に耐水性、耐候性に優れるゴム(クロロプレンゴム等)を挟み込んで薄型埋設型枠10を接合すれば、鉛直目地接合部19からのブリーディング水等の漏出や、供用後の白華現象の発生を抑制することが可能である。なお、鉛直目地接合部19に限らず、水平目地接合部に上記のような構成を適用することも可能である。また、裏当て材9は、セメント系のボードの他、亜鉛メッキ鉄板など、必要な強度と耐久性を備えた材料を使用することができる。
(効果)
上記したように、本発明の薄型埋設型枠は、従来の埋設型枠では困難であった薄型、軽量化を実現するとともに、セパレータ本数を従来よりも大幅に減少させて、組立て作業の大幅な省力化を実現している。さらに、セパレータ固定部の表面処理において、ステンレス製の平坦座金閉塞部材を取り付けることにより、薄型埋設型枠の表面を平滑に且つ高耐久に仕上げることにより、環境条件の厳しい、水路やダム、護岸、橋脚等の構造物に対して好適に使用することが可能である。
以上、本発明の実施形態について図面にもとづいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な材質、寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
2 セパレータ
10 薄型埋設型枠
13 セパレータ固定部
13d 平坦座金閉塞部材
14 埋込みアンカー固定部
14b 全ネジアンカーボルト
17 連結部材

Claims (4)

  1. 鋼繊維を含有したモルタル材料によって成形された薄型埋設型枠であって、
    セパレータが緊結されるセパレータ固定部と、
    前記薄型埋設型枠内の打設コンクリートと付着するアンカーが緊結される埋込みアンカー固定部と、
    前記セパレータ固定部の前記薄型埋設型枠の表面側に設けられ、外部支保工が撤去された後に当該セパレータ固定部に緊結されることによって当該薄型埋設型枠の表面と略面一となる平坦座金閉塞部材と、
    を備えることを特徴とする薄型埋設型枠。
  2. 前記セパレータ固定部は、前記薄型埋設型枠の面積に対して2.4箇所/m以下で、当該薄型埋設型枠に備えられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の薄型埋設型枠。
  3. 前記埋込みアンカー固定部には、隣接する前記薄型埋設型枠を互いに連結する連結部材が取り付けられ得る
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の薄型埋設型枠。
  4. 鋼繊維を含有したモルタル材料によって成形された薄型埋設型枠の組立て方法であって、
    前記薄型埋設型枠が備えるセパレータ固定部に、セパレータを緊結するとともに、当該薄型埋設型枠が備える埋込みアンカー固定部に、当該薄型埋設型枠内の現場打ちコンクリートと付着するアンカーを緊結して当該薄型埋設型枠を建て込み、
    前記現場打ちコンクリートの打設後、外部支保工が撤去された前記セパレータ固定部に平坦座金閉塞部材を緊結し、当該平坦座金閉塞部材と前記薄型埋設型枠の表面とを略面一とする
    ことを特徴とする薄型埋設型枠の組立て方法。
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