JP2001219641A - 高光沢インクジェット記録用紙 - Google Patents

高光沢インクジェット記録用紙

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JP2001219641A
JP2001219641A JP2000029217A JP2000029217A JP2001219641A JP 2001219641 A JP2001219641 A JP 2001219641A JP 2000029217 A JP2000029217 A JP 2000029217A JP 2000029217 A JP2000029217 A JP 2000029217A JP 2001219641 A JP2001219641 A JP 2001219641A
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昭彦 関谷
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博之 安藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吸収性に優れ、鯵みが殆どなく鮮明な印
字が可能であり、退色抵抗性にきわめて優れ、しかも記
録紙表面の平滑性及び光沢性に優れ、さらにシリカを顔
料として用いる場合に比較してコストの低減も図る。 【解決手段】基紙上に顔料を主成分とするインク吸収プ
レコート層が設けられ、該インク吸収プレコート層上に
カチオン系吸放水性ウレタン樹脂からなるインク受容層
を順次積層したことを特徴したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高光沢インクジェ
ット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易であり、記録時の騒音が小さい利点があり、汎
用されている。
【0003】このためのインクジェット記録用紙に対し
ては、滲みがなくインク吸収性に優れる、紙面の平滑性
及び光沢に優れる、印字濃度が高い、印字耐水性が高い
などの要求がある。
【0004】一般的に高光沢インクジェット記録用紙
は、基紙に顔料及びバインダーを主成分とする塗工液
を、ブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコー
タ、バーコータ、グラビアコータ、ロッドブレードコー
タ、リップコータ、カーテンコータ、ダイコータなどを
用いて塗工することにより得られる。
【0005】ここに使用する顔料としては、非晶質シリ
カまたは合成シリカ、クレー、炭酸カルシウムなどが用
いられる。比表面積の大きいシリカを使用すれば、イン
クの吸収性が高くなる点で好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の高光沢
インクジェット記録用紙では、インクの吸収性が必ずし
も十分でなく、滲み防止の点でも満足できるものではな
い。
【0007】したがって、本発明の主たる課題は、イン
ク吸収性に優れ、滲みが殆どなく鮮明な印字が可能であ
り、退色抵抗性にきわめて優れ、しかも記録紙表面の平
滑性及び光沢性に優れ、さらにシリカを顔料として用い
る場合に比較してコストの低減も図ることができる、高
光沢インクジェット記録用紙を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基紙上に
顔料を主成分とするインク吸収プレコート層と、カチオ
ン系吸放水性ウレタン樹脂からなるインク受容層を順次
積層することで、優れたインク吸収性を示し、滲みが殆
どなく鮮明な印字が可能であり、しかも退色抵抗性にき
わめて優れることを知見した。また、かかる利点は顔料
中の軽質炭酸カルシウムの割合が大きいときに特に顕著
であるが、この種の塗工液を前述の塗布方式で塗布する
と、記録紙表面の平滑性及び光沢性が良好でないことも
知見された。上記課題を解決した本発明は、次記のとお
りである。
【0009】<請求項1記載の発明>基紙上に顔料を主
成分とするインク吸収プレコート層が設けられ、該イン
ク吸収プレコート層上に透明または半透明のカチオン系
吸放水性ウレタン樹脂からなるインク受容層を順次積層
したことを特徴とする高光沢インクジェット記録用紙。
【0010】(作用効果) A.一般のポリアクリル酸に代表される高吸水性樹脂と
は異なり、カチオン系吸放水性ウレタン樹脂は、自重の
50〜100%程度の吸水性を示し、吸水した水を経時
放出するという性質を有しているため、インクを受理し
たとき、インク成分をインク受容層の表面部における樹
脂気孔間に残存させ、インク中の水分のみを気孔を通し
てインク吸収プレコート層、さらに基紙に浸透させる。
したがって、インクの吸収性に優れ、かつ鮮明な印字が
得られる。
【0011】<請求項2記載の発明>前記顔料が、比表
面積が50〜130g/m2の軽質炭酸カルシウムであ
り、インク吸収プレコート層中に70重量%以上含有さ
れ、前記軽質炭酸カルシウム100重量部に対して、バ
インダーを5〜50重量部含有することを特徴とする請
求項1記載の高光沢インクジェット記録用紙。
【0012】(作用効果) B.一般の軽質炭酸カルシウムの比表面積は0.5m2
/g〜10m2/g以下である。しかるに、本発明で使
用する軽質炭酸カルシウムの比表面積が50〜130m
2/gはきわめて高い。その結果、インク受容層の表面
部における樹脂気孔間を通り、インク吸収プレコート層
に浸透するインク中の水分の吸収性に極めて優れ、かつ
水分の拡散に伴う滲みも防止される。この効果を十分に
発揮させるためには、本発明に係る軽質炭酸カルシウム
が顔料中に70重量%以上含有させるのが好ましい。
【0013】C.本発明の軽質炭酸カルシウムは結着性
に優れるから、粉落ちのおそれからバインダーの使用量
が顔料100重量部に対して、5〜50重量部、望まし
くは20〜30重量部で足りる。その結果、バインダー
の使用量を過度とすることがなく、結果としてバインダ
ーに起因する退色の抵抗性が高くなる。
【0014】<請求項3記載の発明>前記インク吸収プ
レコート層を、キャストコーティング法により形成した
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高光
沢インクジェット記録用紙。
【0015】(作用効果)この発明においても、上記A
〜Cのほか次記の利点がもたらされる。
【0016】D.インク吸収プレコート層に多数の気孔
が形成されるために、通常の塗工方式では記録紙表面の
平滑性及び光沢性が良好でなくなる。そこで、本発明に
したがって、キャストコーティング法により塗工する
と、通常のコート紙と比較して、記録紙表面のより高い
平滑性及び光沢性が得られ、しかも低コストで得ること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、基紙上に顔料を主成分
とするインク吸収プレコート層を設けて、該インク吸収
プレコート層上にカチオン系吸放水性ウレタン樹脂から
なるインク受容層を順次積層したことを特徴とする高光
沢インクジェット記録用用紙である。
【0018】以下に、本発明について詳細に述べる。先
ず、本発明で使用するカチオン系吸放水性ウレタン樹脂
は水分散型樹脂であり、これらはウレタン結合を有する
骨格の両末端あるいは側鎖にアクリロイル基を有するウ
レタンアクリレートにつき、分子内に親水性基を導入し
たものであり、例えば下記の一般式に示すような構造式
を持つものである。
【0019】(CH2=CR1COO)n−R2−O−C
ONH−R3−NHCOO−R2−(OCOCR1CH2
mここで、R1はHまたはOH基、R2はアルコール残
基、R3はイソシアナート残基、nおよびmは2以上の
整数である。
【0020】上記のようなカチオン系吸放水性ウレタン
樹脂の製法は特に限定するものではないが、一般にポリ
イソシアネートとポリオールとを縮合させて得られる縮
合系重合体に、水酸基含有アクリレートを反応させて得
られる。
【0021】水酸基含有アクリレートとしては、例えば
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート等が挙げられる。また、ポリイソシ
アネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネー
ト,トリレンジイソシアネート,キシリレンジイソシア
ネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,リジンジイ
ソシアネート,4,4’−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート),メチルシクロヘキサン2,4
(2,6)ジイソシアネート1.3−(イソシアネート
メチル)シクロヘキサン,トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネート等が例示される。
【0022】ポリオールとしては、親水性基を含有する
ポリオールであり、ジオール,トリオールが一般的であ
り、ジオールとしてはネオペンチルグリコール,1,4
−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール等の通常
のグリコールの他に、ポリエチレングリコール,ポリプ
ロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコールに
代表されるポリエーテルグリコール、さらにポリエステ
ルポリオール,ポリエーテルポリオール等が挙げられ
る。
【0023】なお、本発明に使用するカチオン系吸放水
性ウレタン樹脂は、従来のポリアクリル酸に代表される
高吸水性樹脂に比較して種々の顔料と混和性が良く、従
来使用されている接着剤に比較して増粘性が少なく、か
つ顔料との強い接着性を示す。特に炭酸カルシウムやシ
リカ系の顔料を用いた時に、強い接着性が発揮される。
さらに、水溶性高分子やカチオン性ポリマー等の水性組
成物と相溶性が極めて良く、増粘性が少なくなる。
【0024】さらに、本発明で用いるカチオン系吸放水
性ウレタン樹脂の際だった特徴は、顔料を主成分とする
インク吸収プレコート層と併用したときに発揮される。
即ち、カチオン系吸放水性ウレタン樹脂がインク吸収に
乾燥に最適な気孔を有し、上記のインク吸収プレコート
層がインク中の水分吸収に最適な粒子間空隙と細孔構造
を有しているため、カチオン系吸放水性ウレタン樹脂と
のなじみが改善され結果的に強い接着強度が得られ、イ
ンク受容層の表面強度が改善される。
【0025】従来、顔料と接着剤を併用するインクジェ
ット記録用シートでは、水溶性高分子の接着剤、例えば
ポリビニルアルコール(以下PVAと記す),変性PV
A,ヒドロキシエチルセルロース,CMC,セルロース
誘導体,澱粉,カチオン澱粉等が使用されてきた。これ
ら水溶性高分子のみを接着剤として使用した場合は、本
発明のような表面強度が得られない。
【0026】また、通常の水性エマルジョン型高分子ラ
テックス、例えばSBR、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹
脂、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル重合体、ポリビニルブチラールを接着剤として使用し
た場合には、乾燥皮膜、即ちインク受容層は耐水性を有
するようになるが、反面、水性インクの吸収性が悪化し
たり、乾燥皮膜がラテックス特有の白化現象を起こした
りして解像能力が低下する難点がある。
【0027】本発明のカチオン系吸放水性ウレタン樹脂
をインクジェット記録用シートのインク受容層に使用す
ると、ラテックス特有の難点が解決され、従来のラテッ
クス系には見られない、極めて優れた耐水性改善効果と
水性インクの吸収性改善効果が発揮される。
【0028】本発明においては、顔料として比表面積が
50〜130m2/g、より好適には70〜90m2/g
の軽質炭酸カルシウムを用いる。
【0029】本発明においては、インク吸収プレコート
層中に顔料を含有させ、この顔料中に上記軽質炭酸カル
シウムを顔料として70重量%以上使用することが必要
であるが、特に合成シリカを用いない場合には、インク
の吸収性を向上させるために、90重量%以上使用する
ことが好ましい。
【0030】上記軽質炭酸カルシウムの含有量を増加さ
せるにつれて、ドットの濃度が高くなると共にシャープ
ネスも良好になり、真円性も良好となるので、この場合
には優れた記録画像を得ることができるが、70重量%
未満の含有量とした場合には、ドットの濃度が不充分と
なりオリジナルからの色の再現性に劣る場合が生じる。
【0031】本発明において、上記軽質炭酸カルシウム
と併用することができる顔料は、合成シリカが好適であ
る。合成シリカ、特に比表面積が150m2/g以上の
合成シリカを使用した場合、インク吸収性を良くするこ
とができる。しかし、その他の顔料をも用いることがで
き、通常の紙塗工に使用される顔料を適宜選択して用い
ることができる。この顔料としては、例えばカオリン、
クレー、タルク、通常の軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、サチ
ンホワイト等の無機顔料、プラスチックピグメント等の
有機顔料をも挙げることができる。有機顔料を用いる場
合には、その含有量を顔料中に6重量%以下とすること
が好ましい。かかる顔料をインク吸収プレコート層に含
有させることは、公知の方法により、当該顔料を塗液に
混合・分散させることにより容易に行うことができる。
【0032】本発明においては、顔料に基紙との結着性
を付与し、インク吸収プレコート層を均一に形成するた
めに塗工液にバインダーを添加する。上記バインダーの
例としては、酸化でんぷん、エステル化デンプン等のデ
ンプン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアル
コール及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タン
パク、スチレンマレイン酸樹脂及びその誘導体、スチレ
ン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレートブタジ
エン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、ア
クリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又
は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテック
ス、酢酸ビニル系エマルジョン又はこれらの二種以上の
混合物等を挙げることができる。
【0033】使用されるバインダーの量は、顔料100
重量部に対して5〜50重量部、より好適には20〜3
8重量部である。また、塗工液には、必要に応じて、顔
料分散剤、保水剤、増粘剤、削泡剤、離型剤、防腐剤、
着色顔料、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤
等を添加することができる。
【0034】本発明においては、記録画像の耐水性を向
上させるために、インク受容層にカチオン性高分子を含
有させることが好ましい。このようなカチオン性高分子
電解質は、使用されるインク中の水溶性直接顔料や酸性
染料分子中の−SO4Na基、−SO4H基、−NH4
等と反応して水に不溶な塩を形成し、インク中の染料が
水に溶解するのを防止して記録画像の耐水性を向上させ
る。
【0035】上記のカチオン性高分子電解質としては、
例えば、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハ
ライド、ボリジアクリルジメチルアンモニウムハライ
ド、ポリジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸
塩、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミドホルマリン
縮合物、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、
ポリビニルピリジニウムハライド、ポリエチレンイミン
第4級アンモニウム塩類、ポリアミン等を挙げることが
できる。
【0036】以上のようにして調製された塗工液の塗工
量は、基紙の片面当たり固形分換算で5〜50g/m2
とするが、特に10〜30g/m2とすることが好まし
い。また、顔料は3〜30g/m2とすることが好まし
い。
【0037】本発明においては、キャストコーティング
法によりインク吸収プレコート層を基紙に設ける。この
キャストコーティング法は、通常のキャストコーティン
グ紙を製造する方法と同様の方法である。すなわち、本
発明においては、基紙表面に設けられた湿潤状態のイン
ク受容層に鏡面加工された円筒外面を有する加熱された
ドラムを圧接させて紙表面を光沢状に仕上げるウエット
キャストコーティング法、基紙表面に設けられた湿潤状
態のインク受容層をゲル状態にした後、鏡面加工された
円筒外面を有する加熱されたドラムを圧接させて紙表面
を光沢状に仕上げるゲル化キャストコーティング法、及
び基紙表面に設けられた湿潤状態のインク受容層をー旦
乾燥させた後、再湿潤液を塗布することによって可塑化
させられた塗工層に、鏡面加工された円筒外面を有する
加熱されたドラムを圧接させて紙表面を光沢状に仕上げ
るリウエットキャストコーティング法の何れかの方法に
よって塗工層を設ける。
【0038】塗工量としては、乾燥膜厚で0.5〜50
μmとすることができる。より高光沢のインクジェット
記録用紙を得るため、本発明に係る、カチオン系吸放水
性ウレタン樹脂を前記と同様のキャストコーティング法
により塗工してよい。
【0039】本発明に使用する基紙は、特に限定される
ものではなく、通常高光沢インクジェット記録用紙に使
用される木材パルプを主体とした中性紙、再生紙等、公
知の紙を適宜選択して使用することができる。
【0040】再生紙は、同一坪量の比較で不透明性が高
く、裏抜け防止に優れているため特に好ましい。
【0041】顔料として合成シリカを併用する場合、粘
度調整及び高い画像濃度を得るために、塗工液中にアル
ミニウム基を有するカチオン剤を含有させることが望ま
しい。
【0042】このアルミニウム基を有するカチオン剤と
しては、有機アルミニウム化合物、アルミニウムの無機
塩、アルミニウム酸化物、水酸化アルミニウム等のアル
ミニウム化合物等、あるいは上記例示の顔料の表面に上
記化合物を電気的もしくはその他の方法により吸着させ
たり、表面の水酸基と反応させる処理したものを用いる
ことができる。
【0043】有機アルミニウム化合物は、従来公知のい
ずれの有機アルミニウム化合物でもよいが、好ましいも
のとしては、アルミニウムアルコレート化合物、アルミ
ニウムキレート化合物、環状アルミニウムオリゴマ一等
のアルミニウム化合物であり、塩基性炭酸マグネシウム
の表面に存在する吸着成分や表面官能基との反応性を有
するものである。
【0044】この有機アルミニウム化合物の好ましい具
体例としては、例えば、アルミニウムエチレート、アル
ミニウムイソプロビレート、モノsec−テトキシアルミ
ニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレ
ート等のアルミニウムアルコレート化合物:エチルアセ
トアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミ
ニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルア
セトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アル
ミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセト
アセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネ
ート)等のアルミニウムキレート化合物:環状アルミニ
ウムオキサイドイソプロピレート、環状アルミニウムオ
キサイドステアレート等の環状アルミニウムオリゴマー
等が挙げられる。この他にもアルミニウムのステアリン
酸塩やラウリン酸塩等を使用してもよい。
【0045】アルミニウムの無機塩としては、その塩化
物、硫酸化物、硝酸化物、アンモニウム塩、酢酸塩、炭
酸塩、硝酸塩などの他に、アルミン酸ナトリウム、アル
ミン酸カリウム等のアルミン酸塩やミョウバン等の複塩
等が挙げられ、これらは又結晶水を有するものであって
もよい。
【0046】アルミニウム酸化物とは、工業的には天然
鉱物であるボーキサイトを熱苛性ソーダ処理して得られ
る水酸化アルミニウムあるいは金属アルミニウムペレッ
トを純水中で火花放電させて得られた水酸化アルミニウ
ム等を焼成して得られ、その製造方法自体は従来公知の
ものであり、種々の結晶系(α形、γ形、σ形、η形、
θ形)を有するものや種々の粒子径、高密度、比表面積
を有するものが市販されており、本発明ではこれらの全
てのアルミナを含む。
【0047】
【実施例】(実施例1)原料パルプとしてフリーネス
(CSF)370mlのLBKP85部(以下、「部」
とは重量部を意味し、「%」とは重量%を意味す
る。)、フリーネス(CSF)440mlのNBKP1
5部を混抄して得た、米坪80g/m 2の基紙に、次の
インク吸収プレコート層塗工液をエアーナイフコータに
よりインク受容層塗工量8g/m2となるように塗工乾
燥し、更にエアーナイフコータにより、カチオン系吸放
水性樹脂を塗工、直ちに湿潤状態のインク受容層を鏡面
加工され80℃に加熱された円筒外面を有するドラムに
圧接させて紙表面を光沢状に仕上げるウエットキャスト
コーティング法により受容層を形成した。
【0048】インク吸収プレコート層塗工液としては、
顔料として軽質炭酸カルシウム(BET比表面積80m
2/g、品名:ジェットコート30)70部、及び合成非
晶質シリカ(ミズカシールP−78A:水澤化学社製)
30部、バインダーとしてポリビニルアルコール(r−
1130:クラレ社製、固型分濃度10%)400部、
に対して、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1
001:住友化学工業社製、固型分濃度30%)を10
部、及びアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソ
プロピレート(アルミキレートM:川研ファインケミカ
ル社製)を固形分で4部添加したものを使用した。
【0049】カチオン系吸放水性ウレタン樹脂として
は、UPM−212HN(一方社油脂工業製)を使用し
た。
【0050】(他の実施例、比較例及び参考例)実施例
1で使用した軽質炭酸カルシウム、バインダー、及び合
成非晶質シリカの配合量を変更するとともに、顔料とし
て他の軽質炭酸カルシウム(TP−121、奥多摩工業
社製)を使用して各種高光沢インクジェット記録用紙例
を得た。さらに、アルミニウム基を有するカチオン剤と
してのアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプ
ロピレートを添加しない場合についても検討した。ま
た、スーパーキヤレンダー処理したものについても検討
した。
【0051】<評価方法>実施例、比較例で得られた高
光沢インクジェット記録用紙の記録濃度、インク吸収
性、光沢性、滲みは以下に示す方法で評価した。結果を
表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】註: ※1…軽質炭酸カルシウム(TP−
121、奥多摩工業社製)を使用 ※2…ウエットキャストコーティング法を採ることな
く、スーパーキャレンダー処理 ※3…カチオン系吸放水性ウレタン樹脂に代えて、ポリ
アクリル酸系高吸水性樹脂を使用。
【0054】[記録濃度]:キヤノンフルカラープリン
タBJF600を温度20℃、湿度20%条件下で使用
して4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)の
べタ記録(大きさ3.0cm×3.0cm)を行ない、
印字後30分経過後のインク浸透が安定した状態で記録
部分をマクベス濃度計(RD915)にて記録濃度を測
定した。表には4色の測定値の合計を示し、3.3以上
を良とした。
【0055】[インク吸収性]:イエロー、マゼンタ、
シアンの各単色を印宇し、印字直後から5秒毎にプリン
トした印字面に上質紙を貼合せ、インクが上質紙に転写
するかどうかを観察する。(○:10秒未満、△:10
〜30秒未満、×:30秒以上)インクが乾燥するまで
の時間が10秒未満のものはインク吸収性に優れる。 [印字部の光沢感(照り感)]:印字部の光沢感は印字
部に対して20°の横角度から目視し、以下のように4
段評価した。◎:銀塩方式のカラー写真と同レベルの照
り感がある。○:カラー写真よりは劣るが、高い照り感
がある。△:塗工紙印刷品並。×:一般PPC並。
【0056】「滲み」:キヤノンフルカラープリンタB
JF600を温度20℃、湿度20%条件下で使用して
3原色(シアン、マゼンタ、イエローの各インク)の重
ね色でつくる赤、緑、紫をそれぞれ交互にべタ記録(大
きさ3.0cm×3.0cm)を連続して記録し、印字
後30分経過後のインク浸透が安定した状態で隣接する
インクジェットインクが互いにもしくは片側に滲みだし
を生じた度合を評価した。評価A−インクのにじみは全
く無い。評価B−インクのにじみが若干見られる。評価
C−インクのにじみがはっきりとある。 <考察> ・比表面積が50〜130m2/gである軽質炭酸カル
シウムの使用とー般軽質炭酸カルシウムの使用との対比 比表面積が50〜130m2/gである軽質炭酸カルシ
ウムは、合成非晶質シリカに匹敵する比表面積と、炭酸
カルシウムがカチオン性を有していることにより、イン
ク(アニオン)の定着性の向上をもたらす。比表面積が
小さい炭酸カルシウムは、インクジェットインクの染料
に対する吸着力が不足し、インクジェットインク中の水
分と共に染料もインクインク受容層表面から深く浸透す
るために、染料の濃度が低くなり精細な画像が得られな
い。使用により、光沢感は出るものの、インクジェット
インクの吸収性、乾燥性には劣る。また、乾燥不良、イ
ンクの定着に問題が生じる。 ・比表面積が50〜130m2/gである軽質炭酸カル
シウムの使用量を、70重量%以上とする、特に90重
量%以上含有させることの理由 インクジェットインクの十分な吸収性と、インク受容層
面でのセット性を得るためには、多孔性で微粒子の2次
凝集状であることが好ましい。比表面積が50〜130
2/gである軽質炭酸カルシウムを使用すると、高い
インクの受容性を示す。その使用量が70重量%未満で
は、塗工液調整時の分散性、安定性が劣る問題が生じ、
操業性が極めて悪化する。特に塗料調整における安定性
が得られたのが90重量%以上である。 ・顔料100重量部に対して、バインダーを5〜50重
量部含有させる理由は、顔料の粉落ち防止を図るととも
に、高いインクの受容性を確保するためである。すなわ
ち、バインダーの成膜性により、多すぎると、多孔性表
面の形成を阻害し、少なすぎると顔料の定着が悪くな
り、粉落ちなどの問題が生じる。 ・合成シリカは、インク吸収性、乾燥性に優れ、顔料の
不透明性による印字裏抜け防止効果を発揮する。合成シ
リカを過度に含有させると、光沢の発現を阻害する。ま
た、炭酸カルシウムは、インクジェットインクの定着
性、発色性や光沢の発現性に優れているものの、インク
乾燥性に劣り高速印刷時に問題が生じる場合があるため
に、これを合成シリカに含有させることで補償すること
も意図している。合成シリカの含有量を30重量%未満
とするのは、インクの発色性、光沢の維持を確保するた
めである。 ・アルミニウム基を有するカチオン剤を含有させると、
インクの定着性、塗工液調整時の分散安定性効果が極め
て高くなる。 ・キャストコーティング法と他のコーティング法との対
比 従来の塗工及び乾燥方法で製造したインクジエット用塗
工紙は、塗工面の平滑性、光沢が低く、ドットのエッジ
が不明瞭のものが主であった。このことはインクの吸収
速度と吸収量とを高めるためにインクジエット記録用塗
工液中に顔料成分として無定形シリカや徴粉ケイ酸など
を配合することに起因している。またこれらの欠点を改
善するためにキヤレンダー,スーパーキヤレンダーなど
で処理を行なうと、塗工層の多孔構造が潰されてインク
の吸収速度と吸収量の低下を招いてしまう。さらに、従
来の塗工及び乾燥方法でインクジエット記録用用紙を製
造すると、基紙よりも浸水伸度が高くなり、多色記録時
にシワや波打ちなどの変形が生じ易く、寸法安定性の点
で満足なものが得られないのが実情である。すなわち、
従来の方法では塗工工程で基紙が伸長し、乾燥工程で急
激に収縮するので、紙層内に不均一な歪が発生し、これ
が寸法安定性不良の要因となっている。このため従来の
方法では多色高画質のインクジエット記録用紙に使用す
る基紙は浸水伸度の非常に小さいものを選択して用いな
ければ寸法安定性の点で不満足のものになってしまう。
この点に関しては、特公平6−94229号公報に記載
の内容が参照される。
【0057】これに対して、本発明のキャストコーティ
ング法によれば、かかる問題をー挙に解決できる。
【0058】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、インク
吸収性に優れ、滲みが殆どなく鮮明な印字が可能であ
り、退色抵抗性にきわめて優れ、しかも記録紙表面の平
滑性及び光沢性に優れ、さらにシリカを顔料として用い
る場合に比較してコストの低減も図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 彰 愛媛県伊予三島市紙屋町5番1号 大王製 紙株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 EA13 EA24 FC06 2H086 BA16 BA33 BA36 BA45 4D075 AE03 CA35 CB04 DB18 EA06 EB38 EC01 EC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙上に顔料を主成分とするインク吸収プ
    レコート層が設けられ、該インク吸収プレコート層上に
    透明または半透明のカチオン系吸放水性ウレタン樹脂か
    らなるインク受容層を順次積層したことを特徴とする高
    光沢インクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】前記顔料が、比表面積が50〜130m2
    /gの軽質炭酸カルシウムであり、インク吸収プレコー
    ト層中に70重量%以上含有され、前記軽質炭酸カルシ
    ウム100重量部に対して、バインダーを5〜50重量
    部含有することを特徴とする請求項1記載の高光沢イン
    クジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】前記インク吸収プレコート層を、キャスト
    コーティング法により形成したことを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の高光沢インクジェット記録用
    紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016182818A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 トッパン・フォームズ株式会社 記録シート

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