JP2001219004A - 超音波脱泡方法 - Google Patents

超音波脱泡方法

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JP2001219004A
JP2001219004A JP2000031271A JP2000031271A JP2001219004A JP 2001219004 A JP2001219004 A JP 2001219004A JP 2000031271 A JP2000031271 A JP 2000031271A JP 2000031271 A JP2000031271 A JP 2000031271A JP 2001219004 A JP2001219004 A JP 2001219004A
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deaerating
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Tsutomu Sawada
務 澤田
Masamichi Tsuchiya
正道 土屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体を塗布装置により支持体に塗布する工程に
おいて、塗布液の粘度が高粘度で単位時間当たりの脱泡
処理量が多い場合にあっても、塗布液中に含まれる気泡
を短時間で、効率的に脱泡、除去する超音波脱泡方法を
提供する。 【解決手段】塗布液に超音波を照射して、液中の気泡を
除去する超音波脱泡方法であって、大気圧下で脱泡する
超音波一次脱泡装置と加圧送液手段後に加圧下で処理す
る超音波二次脱泡装置を備え、前記超音波一次脱泡装置
には脱泡容器内の処理時間を液面制御で調節できる機能
を有し、連続して走行する支持体に塗布液を塗布した塗
布面を、塗布搬送ライン中の塗布故障検出装置で検出
し、前記超音波一次脱泡装置の液面制御にフィードバッ
クことを特徴とする超音波脱泡方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布液中の気泡を
除去する脱泡方法に関し、詳しくは超音波脱泡方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、支持体に各種液体を塗布するた
めに用いられる塗布液は、塗布工程前に行なわれる攪
拌、分散、送液等の操作によって気泡が生じやすく、気
泡を含んだままの塗布液を塗布装置に供給して支持体に
塗布、乾燥すると、塗布膜に泡筋、ピンホール等の泡故
障が発生し、均一で良好な塗布膜を形成することができ
ない。従って、前記塗布工程までに充分な脱泡処理を施
す必要があり、このような目的で使用される脱泡方法と
して超音波を利用した方法が公知であり、これまでに数
多くの脱泡方法および装置が提案されている。
【0003】例えば、特公昭57−6365号公報、特
開昭59−92003号公報、特公平4−31722号
公報、特公昭51−5295号公報、特公昭55−64
05号公報、特開昭63−178807号公報、特開平
5−92103号公報、特開平6−110151号公報
等等が知られており、一定の容積を持った脱泡容器に塗
布液を導いて超音波を照射することにより、塗布中に含
まれる気泡や超音波照射によって発生した気泡を浮上分
離させたり、0.3Kg/cm2以上の加圧下において微少な
気泡を塗布中に溶解させるものである。
【0004】写真感光材料塗布液のような各種添加剤を
含む塗布液は、液そのものが泡立ちやすく、かつ、気泡
を含みやすい性質を有している。近年、塗布方式の改良
に伴い塗布液は高粘度化し、また、生産性の向上により
単位時間当たりの脱泡処理量が増大する傾向にあること
から、前述のような単一の脱泡方法及び装置では塗布液
中の気泡を十分に除去できない状況にあった。
【0005】これに対して、超音波脱泡方法に他の脱泡
方法を組み合わせ複数の脱泡工程、装置からなる、例え
ば、特開平6−130547号公報、特開平8−318
102号公報、特開平11−262601号公報等に記
載された方法および装置が提案されている。特開平6−
130547号公報に記載の方法は、所定の脱泡容器に
塗布液を導き、一旦、塗布液を減圧化において気泡を浮
上除去し、次いで同一の脱泡容器内を加圧しながら超音
波照射を併用して気泡を塗布液中に溶解するものであ
る。この方法によればある程度の脱泡能力はあるもの
の、同一容器で複数の工程を経るために、脱泡処理に長
時間を要し、また、装置が大型になるという問題があっ
た。
【0006】また、特開平8−318102号公報及び
特開平11−262601号公報に記載されている方法
は、遠心分離装置や減圧装置を用いる一次脱泡プロセス
と加圧した塗布液に超音波を照射する脱泡プロセスとで
構成される。この方法においてもある程度の脱泡能力は
あるものの、遠心分離装置や減圧装置ではバッチ処理を
余儀なくされるために生産効率が低く、特に、減圧操作
によって塗布液中の水分が多量に蒸発してしまい、塗布
液濃度のばらつきが生じる問題があった。また、遠心分
離装置や減圧装置で所定の脱泡能力を得るには大規模な
設備になるばかりでなく、装置の構造が複雑なために装
置内の洗浄性に劣る等の問題があった。前記遠心分離装
置や減圧装置においては、バッチ処理で設置する形態と
は別に、塗布液の送液ライン中に連続脱泡処理ができる
ように配備することが可能であるが、所定の脱泡能力を
得るには、大規模な装置を用いなければならない問題も
あった。
【0007】一方、脱泡処理を行いながら塗布液中の気
泡除去の程度を検出する手段が、特開平3−15710
3号公報及び特開平4−94704号公報に提案されて
いる。特開平3−157103号公報は、塗布液を塗布
装置に供給する経路中に設けた超音波脱泡器の前後に超
音波式の気泡検出器を取り付け、検出器でとらえた気泡
量に応じて超音波脱泡槽に照射する超音波出力をコント
ロールするものである。この方法によれば、100μm
クラス以上の比較的大きな気泡は検出することが可能で
あっても、現実的に支持体に塗布液を塗布した塗布膜中
の微細で散発的に発生する泡故障を検出することは不可
能であり、また、当発明は、超音波を過度に照射するこ
とで発生する脱泡容器のエロージョン(浸食)を回避す
ることが本来の目的であった。
【0008】また、特開平4−94704号公報に記載
されている方法は、貯留タンクの塗布液に超音波を発信
し、発信した超音波の減衰量を測定することで塗布液中
の気泡量を求め、減圧及び超音波脱泡の強度を変化させ
て気泡を除去するものであるが、超音波の減衰量に影響
する気泡は大きく多量な領域にあり、この方法において
も塗布膜中の微細な泡故障を抑制することは困難であっ
た。要約すれば、支持体に塗布液を塗布した塗布膜中の
微細で散発的に発生する泡故障を、脱泡装置の気泡除去
操作に有効に反映する手段がいまだ確立されていなかっ
たのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、写真感光材料塗布液のような液体を塗布装置により
支持体に塗布する工程において、塗布液中に含まれる気
泡によって発生する泡故障を防止し、均一で良好な塗布
膜を形成するための脱泡処理方法を提供することにあ
り、特に塗布液が高粘度で、単位時間当たりの脱泡処理
量が多い場合であっても、コンパクトな装置で塗布液中
の気泡を短時間で効率的に脱泡、除去し、塗布液中の水
分濃度を変化させない脱泡方法を提供することにある。
【0010】さらに、本発明の目的は、支持体に塗布液
を塗布した塗布膜中の泡故障を、塗布前工程である超音
波脱泡装置において適時、適切に除去する超音波脱泡方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 1.気泡を含む液体に超音波を照射して、前記液体から
気泡を除去する超音波脱泡方法であって、液体を蓄える
貯留タンクから塗布装置の間に加圧送液手段を設けた送
液経路中に、前記貯留タンクと前記加圧送液手段との間
に大気圧下で液体を処理する超音波一次脱泡装置と、該
加圧送液手段と前記塗布装置との間に加圧下で液体を処
理する超音波二次脱泡装置を備えたことを特徴とする超
音波脱泡方法。 2.前記超音波一次脱泡装置の液体の脱泡処理時間を調
節するために、超音波一次脱泡装置内の液面制御を行う
ことを特徴とする前記1項に記載の超音波脱泡方法。 3.連続して走行する支持体に塗布液を塗布し、次いで
塗布搬送ライン中に設けた塗布故障検出装置の検出信号
を前記超音波一次脱泡装置の液面制御にフィードバック
し、該超音波一次脱泡装置内で塗布液が滞留する時間を
調節することを特徴とする前記2項に記載の超音波脱泡
方法によって達成された。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる超音波脱泡
方法の実施形態について、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明による超音波脱泡方法の一例を示す概略
図である。
【0013】貯留タンク11に蓄えられた塗布液(被脱
泡液)13は、バルブ15を介して超音波一次脱泡装置
17に供給される。超音波一次脱泡装置17で所定の脱
泡処理が施された塗布液は、加圧送液手段である送液ポ
ンプ19により超音波二次脱泡装置21に連続して送液
され、脱泡が完了した塗布液は塗布装置27に供給され
る。超音波二次脱泡装置21の出口側には、圧力指示計
23とコントロールバルブ25が取り付けてあり、超音
波二次脱泡装置の内圧を調節することができる。
【0014】一般に、超音波の照射により液体中に含ま
れている空気は気泡化し、発生した気泡はやがて成長、
群集して浮上するか、または、気泡は超音波照射により
液体中に溶解するかの2つの代表的なプロセスを持つこ
とが知られている。気泡が析出し成長するか、または溶
解するかのどちらのプロセスに移行するかは、通常、気
泡の大きさと液体に加えられた圧力等によって決まり、
液体に加えられる圧力が高く気泡が微細な場合には気泡
は溶解し、逆に圧力が低ければ気泡は析出、成長し、比
較的大きな気泡は浮上する。また、超音波脱泡方法にお
いては、液体中に気泡が多く含まれると超音波照射波の
伝播力が弱まり、有効な脱泡効果が得られないことも知
られている。
【0015】従って、本発明の特徴は、貯留タンクの塗
布液をまず超音波一次脱泡装置に導き、大気圧下で超音
波照射を行い比較的大きな気泡として成長、浮上させて
大部分の気泡を除去し、次いで、超音波一次脱泡装置で
除去しきれなかった微細でわずかな気泡を、送液ポンプ
により加圧送液した超音波二次脱泡装置で完全に除去す
ることにあり、超音波脱泡方法の脱泡プロセスを合理的
に効率よく活用するものである。
【0016】本発明による超音波脱泡方法を、図2を用
いてさらに詳しく説明する。図2は本発明の特徴の一つ
である超音波一次脱泡装置の概略を示すもので、管軸を
上下方向に保持した円形の管体31の外面に超音波振動
子33を管中心に向けて周方向に配置してある。貯留タ
ンク11からバルブ15を経て供給された塗布液は、管
体31の内側に装着した脱泡管35の供給口37から供
給ノズル39を経て脱泡管35中に導かれ脱泡処理が施
される。脱泡管35の下部には排出口41が設けられ、
脱泡処理した塗布液を連続して排出することができる。
管体31と脱泡管35との間には、温度調節水を流入口
43から循環させて脱泡管35内の塗布液を温調してい
る。さらに、脱泡管35には液面検出器45が装着され
ており、脱泡管35内の塗布液の液面を検出している。
【0017】超音波一次脱泡装置17において、貯留タ
ンクの塗布液はバルブ15を介して供給されるが、この
時、被脱泡液に適切な脱泡処理を施すために、脱泡管3
5内の液面レベルを所定位置に維持できるよう、液面検
出器45によって液面レベルを検出しながらバルブ15
の開度をコントロールする。脱泡管35内の液面レベル
位置の設定は、供給した塗布液の気泡の混入状況、気泡
の除去程度、および粘度等の塗布液の性状によって決定
され、脱泡処理する塗布液の脱泡管35内での滞留時間
で表すことができる。前記滞留時間は、塗布液の状況、
目的とする脱泡程度によって変動するが、通常、15秒
から30分の範囲が一般的である。
【0018】本発明による超音波一次脱泡装置の脱泡管
は、前述したように塗布液が適切な滞留時間で処理でき
る容量の大きさであればよく、また、形状については図
2で示したように、管体内径に対して管軸が上下方向に
十分長い管体を用いることが好ましい。これは、脱泡管
の上部から供給された塗布液中の気泡を、脱泡管上部の
液中で脱泡浮上処理を速やかに完了させるのに効率的で
あることがその理由である。また、供給ノズル39は脱
泡管の上部に固着してもよいが、好ましくは周知の技術
を用いて上下方向にスライドさせる機構を設けてもよ
い。さらに好ましくは、上下方向に自動的に可動する機
構を備え、液面検出器45の検出信号に応じて供給ノズ
ルの排出口を脱泡管中の液面近くに自動追随させること
で、きわめて効率的な脱泡効果を得ることができる。
尚、管体の筒形状は円形、多角形等いかなる形状のもの
を用いることができる。
【0019】本発明による液面検出器は、多点検出フロ
ート式液面計、圧力式レベル計、静電容量式レベル計、
マイクロ波非接触式レベル計等の一般的な連続計測式液
面計を用いることができ、ロードセル等の荷重を測定す
る手段を用いてもよい。また、超音波一次脱泡装置の上
部に付設するバルブは、単純な開閉動作のものよりも、
脱泡管からの排出量に応じた流量をコントロールできる
バルブを用いることが好ましい。
【0020】本発明による超音波二次脱泡装置は、送液
ポンプにより連続して0.3Kg/cm2 以上の加圧下
で塗布液を送液し、塗布液中の微少な気泡を溶解消滅さ
せるものであればよく、例えば、特開昭59−9200
3号公報等に提案されているような管体からなる脱泡容
器を用いることができる。
【0021】本発明において、超音波一次および二次脱
泡装置に照射する超音波発信周波数は、10KHz以上
500KHz以下の周波数を用いることができ、塗布液
に与える超音波エネルギーは、0.05から100W/
cm2 、好ましくは0.1から10W/cm2 の範囲を
用いることができる。また、本発明における超音波振動
子としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸
バリウム等の成分からなる圧電振動子に防水処理を施し
たものを好適に用いることができる。
【0022】次に、塗布搬送ライン中に設けた塗布故障
検出装置の検出信号を超音波一次脱泡装置の液面制御に
フィードバックさせ、塗布膜中の泡故障を抑制する超音
波脱泡方法について説明する。
【0023】本発明による塗布故障検出装置と超音波一
次脱泡装置を連携させた超音波脱泡方法は、連続して走
行する支持体上に塗布された塗布膜中の泡故障を、リア
ルタイムに抑制することが特徴であり、超音波一次脱泡
装置の液面制御に塗布故障検出装置からの泡故障検出信
号をフィードバックさせることにより実現したものであ
る。塗布膜中の泡故障を検出する塗布故障検出装置は、
塗布面にレーザー検査光を照射しその反射光または透過
光の変化を検知する、例えば特開昭62−95527号
公報等に開示された、いわゆるレーザー光走査検査方式
や、支持体の幅方向に均一な光を照射する光ファイバ照
明装置、ライン型照明装置を用いて塗布面の状況をCC
Dカメラで捉え、画像処理を行うアナログまたはディジ
タル画像処理検査方式等の検出装置を用いることができ
る。
【0024】図3を用いてさらに詳細に説明する。図3
は、本発明による塗布故障検出装置と超音波一次脱泡装
置を連携させた超音波脱泡方法の一例を示す概略図で、
塗布故障検出装置51で検出した塗布膜中の、泡、異
物、塗布筋、塗布ムラ等の各種塗布故障は、故障判定装
置53にて、あらかじめ故障パターン毎に類別化してあ
る情報から泡故障として識別される。泡故障の情報は液
面コントローラー55に送信され、超音波一次脱泡装置
17の液面検出器45の検出信号とバルブ15の開度を
追随させて超音波一次脱泡装置の脱泡管液面レベルを、
塗布液中の気泡を充分に除去するのに最適な滞留時間と
なるように所望の位置に制御する。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明の超音波脱泡方法
を具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定され
るものではない。
【0026】図3は、本発明による脱泡効果を確認する
ためのフローを示すものである。貯留タンク11内の塗
布液13は、バルブ15を介して超音波一次脱泡装置1
7に供給される。超音波一次脱泡装置17には、内径2
30mmΦ、上下長さ1500mm、最大容量60Lの
脱泡管を備え、発信周波数40KHzで出力500Wの超
音波を照射した。超音波一次脱泡装置17で所定の脱泡
処理が施された塗布液は、ポンプ19により超音波二次
脱泡装置21に送液され、次いで、塗布部27に供給さ
れる。調製タンク11内とバルブ15の間には気液混合
装置59が取り付けてあり、大きさ20〜500μmの
気泡を、塗布液に10〜50ml/minの範囲で混入
させることができる。また、超音波二次脱泡装置21の
二次側には圧力指示計23とコントロールバルブ25が
取り付けてあり、超音波二次脱泡装置21の内圧を調節
することができる。尚、超音波二次脱泡装置21には、
内径115mmΦ、上下長さ1000mm、容量10L
の脱泡管を装備し、内圧0.5〜0.8kg/cm2
条件で、発信周波数40KHz、出力500Wの超音波を
照射した。
【0027】一方、塗布故障検出装置51には、図示し
ない5mW強度を有するHe−Neレーザー光をスキャ
ン速度2000rpmのスピナーを通して塗布面に照射
し、塗布面からの乱反射光を受光するフォトマル61を
付設したものを使用した。この装置により脱泡能力を評
価しようとするものである。
【0028】塗布液には、濃度8%のゼラチン溶液に着
色剤としてカーボンブラック分散物(大日本インキ
(株)製SD−9020)適量と界面活性剤としてジ−
2−エチルヘキシルスルフォ琥珀酸ナトリウム5%溶液
をゼラチン溶液全量に対して1%添加し、増粘剤(ポリ
スチレンスルホン酸Na)を加えて粘度を60C.P.に調
整したものを用いた。
【0029】前述した条件で、本発明による脱泡処理を
行った。まず、調製タンクで40℃に保温した塗布液に
10ml/minの気泡を連続して混入させながら、流
量コントロールバルブを介して超音波一次脱泡装置に供
給した。この時、超音波一次脱泡装置内の液量が30L
となるように液面制御し、引き続き、超音波二次脱泡装
置に送液し、順次塗布装置27に供給して200m/m
inの速度で走行する1000mm幅の支持体に、塗布
量が50g/m2 となるように塗布した。10分間20
00m塗布する間を連続して塗布故障検出装置で泡故障
を検出したが、故障判定装置で識別した泡故障の発生は
全くなかった。
【0030】次いで、連続して混入させる気泡の量を5
0ml/minに増量し、超音波一次脱泡装置内の塗布
液量を前記同様30L一定のままとなるように液面制御
して、泡故障の発生程度を確認したが、2000m塗布
中に7個の泡故障を検出したため、液面制御コントロー
ラーを作動させて超音波一次脱泡装置の脱泡管液面レベ
ルを制御させた。脱泡管の液面レベルが40Lに上昇し
た時点で泡故障は大きく減少し、液面レベルが45Lで
泡故障の発生がなくなったため超音波一次脱泡装置内の
液量は45Lの一定量で自動的に制御した。
【0031】一方、従来の脱泡方法についても、本発明
と同様の塗布液を用いて脱泡処理を施し、支持体上に塗
布した塗布膜中の泡故障を、本発明で用いた塗布故障検
出装置で評価した。
【0032】従来方法の一つとして、一次脱泡プロセス
に塗布液を連続的に処理する薄膜流延減圧装置を用い、
送液ポンプ後の二次プロセスに本発明同様加圧下で液体
を処理する超音波脱泡装置を用いた方法によれば、前記
薄膜流延減圧装置に供給する塗布液に気泡を50ml/
min連続して混入させた場合には、泡故障を発生させ
ないためには薄膜流延減圧装置は内容積が800L以上
の大きな装置が必要であり、また、減圧操作によって有
効な有機系液体成分が添加量の15〜30%の範囲で蒸
発減量してしまい、支持体に塗布した製品の品質にバラ
ツキが発生した。さらに、減圧装置内の構造が複雑なた
めに、通常の流水等による洗浄では塗布液を完全に洗い
流すことができず、分解洗浄が必要であった。
【0033】さらに、従来方法の一つとして、送液ポン
プの後に脱泡管の容量が10Lの超音波脱泡装置を複数
備え、加圧下で前記同様の塗布液を用いて脱泡処理を行
った。前記の超音波脱泡装置に供給する塗布液に気泡を
連続して50ml/min混入させた場合には、従来方
法の超音波脱泡装置を数個直列に装備しても泡故障を除
去することは困難であり、特に大きな気泡の発生が目立
った。
【0034】以上の説明からも明らかなように、本発明
による超音波脱泡方法は従来の方法に比べてコンパクト
な装置で高い脱泡能力を示し、高粘度液においても優れ
た脱泡効果が得られることがわかる。
【0035】
【発明の効果】上述のように、本発明による超音波脱泡
方法は、塗布液中の大きな気泡を超音波一次脱泡装置で
除去し、引き続いて脱泡処理する超音波二次脱泡装置に
負荷をかけることなく微細な気泡を効率的に除去するこ
とが可能であり、超音波照射による気泡の成長、浮上プ
ロセスと溶解消滅プロセスと言う脱泡挙動を有効に、か
つ巧みに活用することで、気泡を含みやすく高粘度の塗
布液において、かつ、単位時間当たりの脱泡処理量が増
大しても、塗布膜に泡故障のない均一で良好な塗布膜を
形成することができた。
【0036】さらに、本発明による超音波脱泡方法は、
支持体上に塗布した塗布膜中に散発的に発生する微細な
泡故障に対して、塗布故障検出装置と超音波一次脱泡装
置とを連携させて、塗布液中の気泡を充分に除去するの
に最適な滞留時間を設定することにより、塗布膜中の泡
故障をリアルタイムに抑制することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波脱泡方法の一例を示す概略
図。
【図2】本発明による超音波一次脱泡装置の一例を示す
概略図。
【図3】本発明による塗布故障検出装置と超音波一次脱
泡装置を連携させた超音波脱泡方法の一例を示す概略
図。
【符号の説明】
11 貯留タンク 15 バルブ 17 超音波一次脱泡装置 19 送液ポンプ 21 超音波二次脱泡装置 35 脱泡管 45 液面検出器 51 塗布故障検出装置 53 故障判定装置 55 液面コントローラー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気泡を含む液体に超音波を照射して、前
    記液体から気泡を除去する超音波脱泡方法であって、液
    体を蓄える貯留タンクから塗布装置の間に加圧送液手段
    を設けた送液経路中に、前記貯留タンクと前記加圧送液
    手段との間に大気圧下で液体を処理する超音波一次脱泡
    装置と、該加圧送液手段と前記塗布装置との間に加圧下
    で液体を処理する超音波二次脱泡装置を備えたことを特
    徴とする超音波脱泡方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波一次脱泡装置の液体の脱泡処
    理時間を調節するために、超音波一次脱泡装置内の液面
    制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波脱
    泡方法。
  3. 【請求項3】 連続して走行する支持体に塗布液を塗布
    し、次いで塗布搬送ライン中に設けた塗布故障検出装置
    の検出信号を前記超音波一次脱泡装置の液面制御にフィ
    ードバックし、該超音波一次脱泡装置内で塗布液が滞留
    する時間を調節することを特徴とする請求項2に記載の
    超音波脱泡方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6884281B2 (en) * 2000-09-01 2005-04-26 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method and apparatus for preparation and deaeration of coating liquid
CN102776580A (zh) * 2012-07-26 2012-11-14 浙江开创环保科技有限公司 一种管道在线式脱泡装置及脱泡工艺
CN107716231A (zh) * 2017-10-18 2018-02-23 浙江万宝龙胶粘制品有限公司 不干胶的热熔进料装置

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