JP2001216620A - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録再生装置

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JP2001216620A
JP2001216620A JP2000022312A JP2000022312A JP2001216620A JP 2001216620 A JP2001216620 A JP 2001216620A JP 2000022312 A JP2000022312 A JP 2000022312A JP 2000022312 A JP2000022312 A JP 2000022312A JP 2001216620 A JP2001216620 A JP 2001216620A
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JP2000022312A
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English (en)
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Teruaki Takeuchi
輝明 竹内
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
Tetsuo Mizumura
哲夫 水村
Masaki Sekine
正樹 関根
Harumi Sakamoto
晴美 坂本
Tomoko Sotani
朋子 曽谷
Takeshi Konuma
剛 小沼
Norio Ota
憲雄 太田
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度記録に伴う磁気記録減磁を緩和する補
助層を設けながらも、再生感度の高いMR素子あるいは
GMR素子を用いた記録再生が可能な磁気記録媒体を提
供する。 【解決手段】 少なくとも基板と磁気記録層とを有する
磁気記録媒体において、基板と磁気記録層との間に補助
層を配設し、補助層のキュリー温度を磁気記録層のキュ
リー温度よりも50℃以上低くする。好ましくは、磁気
記録層及び補助層が共に面内磁化膜であり、補助層のキ
ュリー温度が100℃〜300℃の範囲内であり、前記
補助層のキュリー温度と前記磁気記録層のキュリー温度
との差が50℃〜350℃の範囲内である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度記録に好適な
磁気記録媒体及び磁気記録装置に関する。更に詳細に
は、本発明は光アシスト方式の高密度記録用磁気記録媒
体および記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報ネットワークの進展及びマルチメデ
ィアの普及に伴い、これを支える主要な情報記録装置で
ある磁気ディスク装置においては、装置の小型化、低価
格化の要求に伴い、高密度化が重要な課題である。
【0003】ところで、現在実用化されている磁気ディ
スク装置は、面内磁気記録方式を用いたものである。す
なわち、ディスク面と平行な方向に磁化しやすい磁性膜
を用い、面内方向の磁区を形成して記録を行うものであ
る。面内磁気記録において高密度記録を進めると、磁化
方向の異なる磁区の境界から生じる磁界が微小磁区の形
成を阻害する。すなわち、反磁界の増加により高密度記
録が困難となる。反磁界は、記録層の厚さを減少させる
と低下するため、記録密度を向上させるには、磁性膜厚
を減少させることが必須である。しかし、磁性膜が非常
に薄くなると、室温においても、磁化の熱揺らぎによ
り、時間の経過に伴い記録磁化が減少し、再生出力が低
下するという問題が生じる。
【0004】このような問題点を解決する技術として、
キーパー層を配置した記録媒体を用いた磁気記録方式が
特許第2704957号公報に開示されている。図9に
示すように、基板90の上面に磁気記録層92が配設さ
れ、この磁気記録層92の上面にキーパー層94が配設
されている。キーパー層94は軟磁性体からなる補助層
である。磁気記録層92が記録磁化状態にある時、キー
パー層94は軟磁性層であるため、磁気記録層92の磁
化反転領域からの漏洩磁界により、キーパー層94は磁
気記録層92と逆方向に磁化する。これにより磁気記録
層92に働く反磁界が減少するため、記録密度を増加し
ても反磁界の影響が緩和され、これに基づく減磁も緩和
される。
【0005】しかし、特許第2704957号公報に開
示されたキーパー層94は重大な問題点を有することが
認められた。その問題点とは、キーパー層94に対し
て、現在のハードディスク装置で広く用いられている磁
気抵抗効果(MR)磁気ヘッドをそのまま用いることができ
ないということである。
【0006】前記のキーパー層94の役割から明らかな
ように、磁気記録層92に対しては、キーパー層94は
一種のシールドとなるため、記録時あるいは再生時には
このシールドを破る必要がある。そのために、磁気ヘッ
ド96に直流のバイアス電流を流し、磁気ヘッド96の
空隙直下の領域に直流磁界を印加し、この領域のキーパ
ー層94を磁気的に飽和させて実効的にシールドに窓を
開ける。磁気ヘッド96の再生素子としては、再生感度
の高い磁気抵抗効果(MR)素子あるいは巨大磁気抵抗効果
(GMR)素子を用いることが望ましい。しかし、これらの
素子は、それ自体、磁界印加機能を有していないため、
通常のMR素子あるいはGMR素子をそのまま用いて
も、前記キーパー層94を設けた磁気記録媒体の再生を
行うことはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高密度記録に伴う磁気記録減磁を緩和するキーパー
層を設けながらも、再生感度の高いMR素子あるいはG
MR素子を用いた再生が可能な、高密度の磁気記録再生
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題は、磁気記録層
が磁性を有する温度範囲内で、光ビーム照射等の方法で
温度を上昇させると磁性を失う特性を有する補助層を使
用し、このような特性を有する補助層を磁気記録層と基
板との間に配設することにより解決される。
【0009】本発明の磁気記録媒体を用いれば、記録あ
るいは再生動作において、収束した光ビームを照射して
記録媒体の温度を局所的に上昇させ、該当個所の補助層
の磁性を失わせることにより、MR素子あるいはGMR
素子をそのまま用いても、高密度な磁気記録と再生が可
能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の磁気記録媒体について具体的に説明する。図1は本発
明の磁気記録媒体の一例の概要断面図である。本発明の
磁気記録媒体10は基本的には、基板1と、その上面に
配設された補助層2と、この補助層2の上面に配設され
た磁気記録層4からなる。
【0011】基板1は光透過性の材料からなる非磁性基
板である。このような非磁性基板は例えば、ガラス、強
化ガラス、石英、又は合成樹脂類(例えば、アクリル樹
脂)などから構成されている。本発明の磁気記録媒体に
おける基板としては、光透過性の透明な石英、ガラス又
は強化ガラスが好ましい。基板の厚さ自体は用途に応じ
て適宜選択することができる。
【0012】基板1の上面には補助層2が配設されてい
る。本発明の磁気記録媒体においては、補助層2のキュ
リー温度は室温よりも高く、磁気記録層(下記で詳細に
説明する)のキュリー温度よりも十分に低くなければな
らない。補助層のキュリー温度は一般的に、100℃〜
300℃の範囲内であり、使用される磁気記録層のキュ
リー温度よりも50℃以上低いことが好ましい。補助層
のキュリー温度と磁気記録層のキュリー温度との差が5
0℃未満の場合、記録あるいは再生動作において、収束
した光を照射して記録媒体の温度を局所的に上昇させ、
該当個所の補助層の磁性のみを失わせることが困難とな
る。従って、本発明の磁気記録媒体では、補助層のキュ
リー温度と磁気記録層のキュリー温度との差が大きいほ
ど好ましいが、温度差の上限値は一般的に、350℃程
度である。これ以上の温度差があっても本発明の所期の
効果は飽和し、得るべきものはない。
【0013】補助層2の形成材料としては、キュリー温
度の調整が容易な非晶質材料を使用することが好まし
い。特に、補助層2は非晶質構造の磁性層であることが
好ましい。補助層2は、Fe、Co、Niの内の少なく
とも1種類の元素と、La、Ce、Pr、Nd、Pm、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、Y及びCuの内の少なくとも1種類の元素か
ら形成することが好ましい。この様な目的に適する非晶
質材料は例えば、ErFeCo、TmFeCo、YbF
eCo、LuFeCo、SmFeCo、EuFeCo、
NiCuなどである。これら以外の材料も使用できる。
これらの各元素の組成比を変化させることにより補助層
2のキュリー温度を調整することができる。従って、使
用される磁気記録層のキュリー温度が決定されたら、こ
の磁気記録層のキュリー温度に基づき、補助層形成材料
の組成を適宜選択して所望のキュリー温度に設定するこ
とができる。補助層2は多結晶構造の金属磁性層である
こともできる。
【0014】補助層2は例えば、スパッタ法あるいは真
空蒸着法といつた常用のベーパデポジション法により形
成することができる。このような薄膜形成方法の詳細は
当業者に公知である。本発明の補助層2は例えば、直流
マグネトロンスパッタ法により形成することが好まし
い。成膜される補助層2の膜厚は一般的に、10nm〜
100nmの範囲内である。補助層2の膜厚が10nm
未満の場合、高密度記録に伴う磁気記録減磁を緩和する
キーパー層としての機能を十分に果たすことができな
い。一方、補助層2の膜厚が100nm超の場合、収束
した光を照射して記録媒体の温度を局所的に上昇させて
も該当個所の補助層の熱応答性が低すぎて高密度記録に
伴う磁気記録減磁を緩和するキーパー層としての機能を
十分に果たすことができない。補助層2は10nm〜3
0nmの範囲内の膜厚を有することが好ましい。
【0015】磁気記録層4は通常に磁気記録媒体で使用
される磁性層と同様なものであるが、通常の磁気ヘッド
が適用できるという観点から、面内磁気異方性を有する
面内磁化膜であることが好ましい。従って、本発明の磁
気記録媒体における磁気記録層4の形成材料は、通常の
磁気記録媒体の磁性層形成に使用される強磁性体類と同
様な材料である。磁気記録層4は多結晶構造を有する金
属磁性層であることが好ましい。このような材料は例え
ば、Coを主体とし、Cr、Pt、Ta、Nb、Ti及
びSiからなる群から選択される少なくとも2種類の元
素を含有する合金類であることが好ましい。磁気記録層
4は例えば、多結晶構造を有するCo−Cr−Ptから
なる強磁性層であることが好ましい。
【0016】磁気記録層4の形成材料を選択する際、磁
気記録層4のキュリー温度を考慮して選択すべきであ
る。磁気記録層4のキュリー温度が低すぎると、補助層
2のキュリー温度との差が50℃未満となり、本発明の
所期の効果が得られない恐れがある。従って、磁気記録
層4の形成材料を選択する際、磁気記録層4のキュリー
温度が補助層2のキュリー温度よりも50℃以上、好ま
しくは100℃以上高くなるように、選択し、また必要
に応じて、選択された各元素の組成を調整することが好
ましい。
【0017】磁気記録層4の成膜方法は特に限定されな
い。常用の薄膜形成方法ならば全て使用できる。磁気記
録層4は、例えばスパッタ法あるいは真空蒸着法といつ
た常用のベーパデポジション法により製造することがで
きる。このような成膜方法の詳細は当業者に公知であ
る。別法として、磁気記録層4はパルスメッキ法によっ
ても形成することができる。磁気記録層4の膜厚は特に
限定されない。磁気記録層4の膜厚は一般的に、8nm
〜40nmの範囲内である。
【0018】図2は本発明の磁気記録媒体の別の例の概
要断面図である。図2に示された磁気記録媒体11は、
補助層2と磁気記録層4との間に中間層3を有し、更
に、磁気記録層4の上面に保護層5と潤滑層6を有す
る。
【0019】補助層2の上面の中間層3は、磁気記録層
4が面内磁気異方性を有するように、磁気記録層4の結
晶配向性を制御するために使用される。中間層3を使用
することにより、磁気記録層4のCoを高密度記録に適
した方向、例えば、(11.0)面に配向させることが
できる。しかし、中間層3の使用自体は本発明の必須要
件ではない。中間層3も例えば、スパッタ法あるいは真
空蒸着法といつた常用のベーパデポジション法により形
成することができる。中間層3の形成材料は例えば、C
r、CrTiなどである。中間層3は非磁性であること
が好ましい。中間層3の膜厚は特に限定されないが、一
般的に、5nm〜40nmの範囲内であることが好まし
い。中間層3の膜厚が5nm未満の場合、磁気記録層4
の結晶配向性を制御することが困難となる。一方、中間
層3の膜厚が40nm超の場合、結晶配向性制御効果が
飽和し、不経済となる。
【0020】保護層5は非磁性であり、例えばカーボン
膜、SiO2膜、SiN膜などの保護膜が使用される。
保護層5も例えば、スパッタ法あるいは真空蒸着法とい
つた常用のベーパデポジション法により形成することが
できる。
【0021】潤滑層6は例えば、当業者に公知の脂肪族
系,アミン系又はフッ素系潤滑剤を保護層5に塗布する
ことにより形成される。保護層5及び潤滑層6の膜厚は
特に限定されない。このような膜厚は当業者に公知であ
る。
【0022】次に、図3〜図6を参照しながら、本発明
の磁気記録媒体における補助層2の作用機序と、その効
果を説明する。
【0023】図3は、本発明の磁気記録媒体の基板1側
から収束した光ビームを照射した状態を示す模式的説明
図である。符号34は光ビーム照射領域を示す。ビーム
の中央部付近の補助層2は加熱され高温領域となる。補
助層2は、磁気記録層4が磁性を有する温度範囲内で、
光ビーム照射などの方法で温度を上昇させると磁性を失
う特性を有する。本発明の磁気記録媒体における記録あ
るいは再生動作は、収束した光を照射して磁気記録媒体
の温度を局所的に上昇させた状態で磁気ヘッドを動作さ
せて行う。
【0024】記録動作において、図4に示すように、記
録ビット位置(図中の符号200で示される位置)に光
を照射して磁気記録媒体の温度を上昇させると、補助層
2は符号200で示される斜線を施した高温領域におい
て磁性を失う。このため、磁気記録媒体は、磁気記録層
4のみがある通常の磁気記録媒体と実効的に同様なもの
となる。したがって、符号221と224で示される部
材から成る磁気ヘッドの記録素子を用いて記録動作を行
なうと、記録ビット位置200において、それに対応し
た記録磁化状態が形成される(図中の白抜き矢印)。
【0025】次に、図5に示すように、上述の記録ビッ
ト位置202が光照射領域34から外れると、そこでの
温度が低下し、補助層2は磁性を有するようになる。そ
の際に、磁気記録層4の磁化反転領域すなわち磁化方向
の異なる領域の境界から生じる磁界により、補助層2の
磁化方向は磁気記録層4の磁化方向と逆方向になる。ビ
ット位置202以外のビット位置204においても同様
であり、補助層2の磁化方向は、磁気記録層4の磁化方
向と反対方向となる。
【0026】このように、磁気記録層4の磁化反転領域
の磁極と補助層2の磁化反転領域の磁極とが逆極性とな
るめ、反磁界が減少する。このため、高密度記録を行な
っても長期間経過後の減磁が抑制される。
【0027】前記情報保持状態においては、補助層2の
磁極が磁気記録層4の磁極を打ち消す配置になっている
ため、磁気記録層の磁化反転領域からの漏洩磁界は小さ
い。したがって、この状態で磁気ヘッドの再生素子を動
作させても、再生出力は小さい。このため、再生動作に
おいては、図6に示すように、再生すべきビット位置近
傍に光を照射し、補助層2の斜線部を非磁性化する。補
助層2が非磁性となると、磁気記録層4の磁化反転領域
の磁極から生じる漏洩磁界は、補助層2を設けない通常
の磁気記録媒体と同様に大きいため、この上を符号22
2、223及び224で示される部材から成るMRヘッ
ドが通過すると、通常の再生出力が得られる。
【0028】以上説明したように、本発明の磁気記録媒
体10においては、基板1と磁気記録層4との間に配設
された補助層2の働きにより記録状態の安定性が高く、
更に、MR磁気ヘッドあるいはGMR磁気ヘッドが利用
できるため、高い再生出力が得られる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の磁気記録媒体を
具体的に例証する。
【0030】実施例1 図2に示される構造を有する磁気記録媒体11を次のよ
うにして作製した。先ず、基板1として、直径2.5イ
ンチの強化ガラス基板を使用した。この基板上に直流マ
グネトロンスパッタ法で以下の層を順次形成した。ター
ゲットは6インチのもので、放電用のアルゴンガス圧を
1千分の3トールとし、1kWの電力を投入した。補助
層2には、キュリー温度の調整が容易な非晶質磁性材料
を用い、面内磁化のErFeCo層を膜厚8nmとし
て、基板を加熱せずに形成した。この補助層2のキュリ
ー温度は、組成を調整し、200℃に設定した。補助層
2から上の層は、いずれも基板温度を250℃として形
成した。中間層3は、膜厚30nmのCrTi層で、磁
気記録層4が面内磁気異方性を有するように磁気記録層
の結晶配向を制御する層である。中間層3上の磁気記録
層4は、多結晶構造のCoCrPt層であり、膜厚を1
2nmとした。この上の保護膜5は炭素の層で、膜厚5
nmとして形成した。潤滑層6としてフッ素系潤滑剤を
塗布した。
【0031】前記のようにして作製された磁気記録媒体
11の記録再生方式を図7を参照しながら説明する。
【0032】図7において、磁気ヘッド20は、セラミ
ックスから成るスライダ21と記録再生素子22から構
成され、支持バネ23で固定されている。磁気記録媒体
11の加熱は、レーザ光源31を用いて局所的に行な
う。すなわち、レーザ光源31から射出した光は、光フ
ァイバ32で集光レンズ33に導かれ、磁気記録媒体1
1の基板1を透過して磁気記録層4の所定の領域に集光
される。光ファイバ以外のレーザ光導波手段(例えば、
ミラー)も使用できる。
【0033】上記のような配置構成における磁気ヘッド
の記録再生素子位置と光が集光された領域との関係を図
8に示す。これは、磁気ヘッドの底部を基板1側から見
たものである。図8において、符号222の部材は再生
用の磁気抵抗効果(MR)素子であり、MR素子222を挟
むシールド223および224と共に再生素子を構成す
る。符号221は記録用磁極を示し、シールド224と
共に記録素子を形成する。すなわち、この実施例で使用
する磁気ヘッドは誘導型記録素子とMR方式の再生素子
を複合した磁気ヘッドであり、ハードディスク装置で現
在一般的に用いられているものである。レーザ光の集光
領域は円形の領域34であり、その大きさは磁気ヘッド
の記録用磁極の幅、MR素子の幅およびシールドを含む
各磁極間の間隔に比べ大きい。
【0034】以上の構成において、記録は以下のように
行なった。磁気記録媒体11の基板1表面への集光によ
り、磁気記録媒体11上で光照射領域34に対向する領
域の温度が約250℃に上昇する。補助層2のキュリー
温度は200℃であるため、この温度上昇により、前記
の図4に示すように、補助層2は光照射領域直下では非
磁性となり、この領域では磁気的には補助層2が存在し
ないのと等価である。この状態で、記録用磁極221と
シールド224で構成される記録素子により磁気記録媒
体11に磁界を印加することにより磁気記録層4への記
録動作を行なった。
【0035】光照射を止めるか、または上記記録された
領域が光照射領域を外れると、温度が室温近傍にまで低
下するので、補助層2は磁性を有し面内磁化層となる。
この面内磁化層は、磁気記録層4の磁化反転領域から発
生する漏洩磁界により、前記の図5における光照射領域
からはずれた領域で見られるように、磁気記録層4の磁
化方向と逆方向となる。このような磁化配置により、磁
気記録層4の反磁界が低下するため、記録の安定性が向
上される。
【0036】再生動作においては、磁気記録媒体11の
基板1の表面に光を集光し、局所的に温度を上昇させ
る。これにより磁気記録媒体11上で光照射領域34に
相当する領域の温度が約250℃に上昇する。補助層2
のキュリー温度は200℃であるため、この温度上昇に
より、前記の図6に示すように、補助層2は光照射領域
直下では非磁性となり、この領域では磁気的には補助層
が存在しないのと等価である。この状態で、MR素子2
22を挟むシールド223及び224で構成される記録
素子を用いて再生を行った。すなわち、磁性が消失した
補助層2の直上の磁気記録層4における磁化反転の境界
から生じる漏洩磁界をMR素子222により検出した。
ここでは、MR素子を用いたが、GMR素子を用いれ
ば、さらに高い検出感度が得られる。
【0037】上記実施例で作製された磁気記録媒体11
の記録再生特性を測定した結果、線記録密度250kFCI
で記録した場合の100時間後の再生出力の減衰量は2
%であった。比較のために、補助層2を設けない磁気記
録媒体に対して測定したところ、250kFCI記録におけ
る100時間後の減衰量は4%であり、本発明における
補助層2の使用効果が確認できた。
【0038】上記実施例においては、補助層2の形成材
料としてErFeCoを用いたが、補助層として、Tm
FeCo、YbFeCo、LuFeCo、SmFeC
o、EuFeCo、NiCuなども同様に使用すること
ができる。また、レーザ光以外の加熱手段も使用でき
る。
【0039】実施例2 補助層2の形成材料としてNiCuを使用したこと及び
補助層2の膜厚を50nmとしたこと以外は、前記の実
施例1と同様にして、図2に示される構造を有する磁気
記録媒体11を作製した。NiCuの組成に関しては、
キュリー温度が200℃となるように組成比を選んだ。
したがって、室温では十分大きな磁化を有するが、キュ
リー温度である200℃を超えると磁性を失う。
【0040】本実施例で作製された磁気記録媒体11の
記録再生特性を、前記実施例1で述べた方法と同様の方
法で測定した。その結果、線記録密度250kFCIで記録
した場合の100時間後の再生出力の減衰量は1%であ
った。すなわち、再生出力の減衰量は、前記実施例1に
おける減衰量よりも小さく、特性が良好である。その理
由は、補助層2の室温での透磁率が前記実施例1よりも
大きいことに基づき、磁気記録層4の磁化反転領域から
の磁束が効率的に補助層2を通り、磁気記録層4の反磁
界を弱める効果が大きいためと推定される。
【0041】本発明の磁気記録再生装置はフレキシブル
ディスク装置であることもできるが、高密度記録及び高
速記録再生の観点からハードディスク装置として使用す
ることが好ましい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板と磁気記録層との間に補助層を設けることにより、
高密度記録を行った場合においても記録状態の安定性を
向上させることができる。また、再生感度の高い磁気抵
抗効果(MR)素子を用いた再生が可能となり、高密度の磁
気記録再生が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例の概要断面図であ
る。
【図2】本発明の磁気記録媒体の別の例の概要断面図で
ある。
【図3】図1に示された磁気記録媒体の基板側から光を
照射した状態を示す模式的説明図である。
【図4】図1に示された磁気記録媒体の基板側から光を
照射した状態で磁気ヘッドにより磁気記録する概念を示
す模式的説明図である。
【図5】図1に示された磁気記録媒体の基板側から光を
照射した状態で磁気ヘッドにより磁気記録する概念を示
す別の模式的説明図である。
【図6】図1に示された磁気記録媒体の基板側から光を
照射した状態で磁気ヘッドにより磁気再生する概念を示
す模式的説明図である。
【図7】本発明の実施例1で得られた磁気記録媒体を記
録再生するための機構を示す概念的構成図である。
【図8】本発明の磁気記録媒体の記録再生に使用される
磁気ヘッド底部の構造を示す平面図である。
【図9】特許第2704975号公報に記載された磁気
記録方式を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 基板 2 補助層 3 中間層 4 磁気記録層 5 保護層 6 潤滑層 10 本発明による磁気記録媒体 11 本発明による別の磁気記録媒体 20 磁気ヘッド 21 スライダ 22 記録再生素子 23 支持バネ 31 レーザ光源 32 光ファイバ 33 集光レンズ 34 光照射領域 200 補助層内の高温領域 202 記録ビット位置 204 記録ビット位置 221 記録用磁極 222 MR素子 223 シールド 224 シールド
フロントページの続き (72)発明者 稲葉 信幸 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 若林 康一郎 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 水村 哲夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 関根 正樹 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 坂本 晴美 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 曽谷 朋子 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 小沼 剛 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 太田 憲雄 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 BB08 CB07 DA03 5D075 AA03 CC07 CC39 CD06 5D091 AA10 CC05 CC30 DD03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、基板と磁気記録層とを有す
    る磁気記録媒体において、 前記基板と前記磁気記録層との間に補助層が配設されて
    おり、前記補助層のキュリー温度が前記磁気記録層のキ
    ュリー温度よりも50℃以上低いことを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁気記録層及び前記補助層が共に面
    内磁化膜であり、前記補助層のキュリー温度が100℃
    〜130℃の範囲内であり、前記補助層のキュリー温度
    と前記磁気記録層のキュリー温度との差が50℃〜35
    0℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記補助層と前記磁気記録層との間に非
    磁性の中間層が更に配設されていることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記磁気記録層が多結晶構造の金属磁性
    層であり、前記補助層が非晶質構造の磁性層であること
    を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 前記磁気記録層がCoを主体とし、C
    r、Pt、Ta、Nb、Ti及びSiからなる群から選
    択される少なくとも2種類の元素を含有する合金の強磁
    性層であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記
    載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記補助層がFe、Co、Niの内の少
    なくとも1種類の元素と、La、Ce、Pr、Nd、P
    m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
    m、Yb、Lu、Y及びCuの内の少なくとも1種類の
    元素とを含有することを特徴とする請求項1〜4の何れ
    かに記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記磁気記録層及び前記補助層が何れも
    多結晶構造の金属磁性層であることを特徴とする請求項
    1〜3の何れかに記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記磁気記録層がCoを主体とし、C
    r、Pt、Ta、Nb、Ti及びSiからなる群から選
    択される少なくとも2種類の元素を含有する合金の強磁
    性層であることを特徴とする請求項7に記載の磁気記録
    媒体。
  9. 【請求項9】 前記補助層がFe、Co、Niの内の少
    なくとも1種類の元素と、La、Ce、Pr、Nd、P
    m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
    m、Yb、Lu、Y及びCuの内の少なくとも1種類の
    元素とを含有することを特徴とする請求項7に記載の磁
    気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記基板が光透過性材料から構成され
    ていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の
    磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 磁気ヘッドと、該磁気ヘッドに対峙し
    て配置された光照射手段とからなり、前記磁気ヘッドと
    前記光照射手段との間に磁気記録媒体が配置され、前記
    磁気記録媒体の基板側から前記光照射手段により局所的
    に光を照射して該磁気記録媒体の光照射部分の温度を上
    昇させ、その照射時間内に前記磁気ヘッドを動作させ
    て、前記磁気記録媒体の磁気記録層に対する記録または
    再生動作を行うことを特徴とする磁気記録再生装置。
  12. 【請求項12】 前記光照射手段は、レーザ光源と、レ
    ーザ光導波手段と、集光レンズとからなり、前記磁気ヘ
    ッドはMR磁気ヘッド又はGMR磁気ヘッドであること
    を特徴とする請求項11に記載の磁気記録再生装置。
  13. 【請求項13】 ハードディスク装置であることを特徴
    とする請求項11または12に記載の磁気記録再生装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003003352A1 (fr) * 2001-06-28 2003-01-09 Fujitsu Limited Procede et appareil d'enregistrement magnetique et support d'enregistrement magnetique destine a etre utilise dans ledit appareil
US7604879B2 (en) 2006-07-31 2009-10-20 Fujitsu Limited Perpendicular magnetic recording medium and magnetic storage apparatus

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