JP2001216473A - 画像処理方法、画像処理装置及び記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置及び記録媒体

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JP2001216473A
JP2001216473A JP2000062694A JP2000062694A JP2001216473A JP 2001216473 A JP2001216473 A JP 2001216473A JP 2000062694 A JP2000062694 A JP 2000062694A JP 2000062694 A JP2000062694 A JP 2000062694A JP 2001216473 A JP2001216473 A JP 2001216473A
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Yoshiaki Nishio
佳晃 西尾
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Keyence Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状が類似した文字との判別が可能な文字照
合を行う画像処理方法、画像処理装置、及び記録媒体を
提供することを目的とする。 【解決手段】 ワーク1をカラーカメラ2によって撮影
し、画像処理装置3によって、撮影画像からワーク1に
印刷された文字を含む領域を抽出する。抽出した領域に
ついて、文字を含む専用辞書画像をテンプレート画像と
して用いたパターンマッチングを行い、前記領域に含ま
れる文字が、専用辞書画像に含まれる文字と一致するか
否かを判別する。この専用辞書画像の文字と形状が類似
した文字が存在する場合、この専用辞書画像と類似文字
を含む専用辞書画像との不一致部分を含む領域につい
て、抽出した領域と類似文字を含む専用辞書画像との部
分パターンマッチングを行い、抽出した領域の文字が、
類似文字と一致するか否かを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字を含む画像
と、文字を含むテンプレート画像とのパターンマッチン
グに基づいて、文字の照合を行う画像処理方法、その実
施に使用する画像処理装置、及びコンピュータを画像処
理装置として機能させるためのコンピュータプログラム
が記録されている記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】撮影された画像の中から文字を含んだ領
域を抽出し、テンプレート画像とのパターンマッチング
によって前記文字が該テンプレート画像に含まれる文字
であるか否かを判別することにより、文字照合を行う画
像処理装置が実用化されている。
【0003】このような画像処理装置は、様々な工業分
野にて既に利用されている。例えば、製品に印刷された
製造日付を検査する装置、また、混合製造ラインにおけ
る製品又はそれを梱包するパッケージに印刷された製造
番号により製品を識別する装置等に応用されている。
【0004】このような画像処理装置は、例えば、正規
化相関を用いたパターンマッチングを行って、得られた
類似度(相関値)と閾値とを比較し、類似度が閾値を越
える場合は、撮影された画像の文字がテンプレート画像
の文字と一致すると判断し、類似度が閾値を越えない場
合は、一致しないと判断して、文字照合を行うようにな
っている。
【0005】印刷、刻印等に使用される文字は、数字だ
けでも10文字必要であり、英字及び記号を含めた場合
には40文字程度が必要となる。このため、例えば製品
に印刷された文字列の各文字を認識する場合には、印刷
に使用されたフォント(字体)の複数の文字を各別に含
むテンプレート画像を必要とする。従って、文字認識を
行うフォントの数字、アルファベット文字、及び記号等
を各別に含む複数の専用辞書画像を有する専用辞書を用
意し、文字認識をおこなうときには、専用辞書の専用辞
書画像をテンプレート画像として使用するようになって
いる。
【0006】例えば、印刷された文字を撮影して、この
画像に含まれる文字の照合を行う場合、印刷の状態によ
って、文字の線幅が細いとき、太いとき、文字の一部が
欠落しているとき、又は汚れが付着しているとき等があ
る。このようなときには、撮影された画像の文字が専用
辞書画像の文字と一致している場合であっても、画像処
理装置によって一致していないと判断されることがあ
り、このような誤判断を防止するために、文字の一致を
判断するための閾値を誤判断が生じない程度に低く設定
していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如き
従来の画像処理装置では、閾値を低く設定することによ
って、処理対象とする画像に含まれる文字が、例えば
“8”である場合、この文字に類似した“3”,
“6”,“9”,及び“S”等の文字に一致すると判断
するという問題があった。
【0008】また、専用辞書画像を用意するために、文
字照合の対象とする製品の中から、必要な文字が印刷さ
れているもの(以下サンプルワークという)を選択し、
このサンプルワークを撮影し、撮影によって得られた画
像から文字が撮影されている領域を抽出してメモリに記
憶し、これを専用辞書画像としていた。従って、印刷に
使用されるフォントで表された必要な文字の専用辞書画
像を用意するために、所望のフォントで必要な文字が印
刷された多くのサンプルワークを揃える必要があり、専
用辞書画像を用意するための作業に多くの時間及び手間
を必要とするという問題があった。
【0009】また、サンプルワークを撮影した画像に
は、サンプルワークに付着した汚れ、文字のかすれ又は
滲み等も文字とともに撮影されている場合がある。この
撮影画像によって専用辞書画像を作成した場合、専用辞
書画像に汚れ、かすれ、又は滲み等が含まれることとな
り、文字照合の精度を低下させる原因となるという問題
があった。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、処理対象とする対象画像とのパターンマッチン
グに用いられる第1テンプレート画像の文字に、類似し
た文字が存在する場合、この類似した文字を含む第2テ
ンプレート画像を予め前記第1テンプレート画像に対応
付けて記憶させておき、この第2テンプレート画像と前
記第1テンプレート画像との一致しない部分について、
対象画像と第2テンプレート画像との部分パターンマッ
チングを行い、この部分パターンマッチングの結果に基
づいて対象画像と第1テンプレート画像との文字照合を
行うことによって、類似した文字との判別を行うことが
でき、従来に比して文字照合の精度を向上させることが
できる画像処理方法、画像処理装置、及びコンピュータ
を画像処理装置として機能させるためのコンピュータプ
ログラムが記録されている記録媒体を提供することを目
的とする。
【0011】本発明の他の目的は、対象画像と第1テン
プレート画像とのパターンマッチングによって得られる
類似度が第1閾値を越える場合には、対象画像の文字が
第1テンプレート画像の文字と一致すると判断し、第1
閾値よりも小さい第2閾値を越えない場合には、対象画
像の文字が第1テンプレート画像の文字と一致しないと
判断し、類似度が第1閾値と第2閾値との間にある場合
にだけ、第2テンプレート画像との部分パターンマッチ
ングを行うことによって、文字照合の処理時間の増大を
抑制することが期待できる画像処理方法及び画像処理装
置を提供することにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、対象画像と、所
定のフォントの文字を含む標準字体画像とを比較し、標
準字体画像を撮影された画像に合わせて変更するための
変更量を算出し、該変更量を用いて同一フォントの異な
る文字を夫々有する複数の標準字体画像の大きさ,縦横
比,及び文字の線幅を変更して第1テンプレート画像及
び第2テンプレート画像を作成することによって、多く
のサンプルワークを揃える必要がなく、第1テンプレー
ト画像及び第2テンプレート画像を用意する作業に必要
な時間及び手間を大幅に削減することができる画像処理
方法及び画像処理装置を提供することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、汚れ、かすれ、
及び滲み等を含まない標準字体画像の大きさ,縦横比,
及び線幅を変更して第1テンプレート画像及び第2テン
プレート画像を作成することにより、第1テンプレート
画像及び第2テンプレート画像に汚れ、かすれ、及び滲
み等が含まれることがなく、文字照合の精度の低下を防
止する画像処理方法及び画像処理装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る画像処理
方法は、文字を含んだ対象画像と、文字を含んだ第1テ
ンプレート画像とのパターンマッチングに基づいて、前
記対象画像に含まれる文字と、前記第1テンプレート画
像に含まれる文字との照合を行う画像処理方法におい
て、前記第1テンプレート画像と、該第1テンプレート
画像と異なる文字を含んだ第2テンプレート画像との一
致しない部分について、前記対象画像と前記第2テンプ
レート画像との部分パターンマッチングを行い、該部分
パターンマッチングの結果に基づいて前記対象画像に含
まれる文字が前記第1テンプレート画像に含まれる文字
と一致しているか否かを判別することを特徴とする。
【0015】第2発明に係る画像処理方法は、第1発明
に係る画像処理方法において、前記対象画像と前記第1
テンプレート画像とのパターンマッチングによって得ら
れた類似度が第1閾値を越える場合は前記文字が前記第
1テンプレート画像に含まれる文字と一致していると判
断し、前記類似度が前記第1閾値より小さい第2閾値を
越えない場合は前記文字が前記第1テンプレート画像に
含まれる文字と一致していないと判断し、前記第1閾値
及び第2閾値の間に前記類似度がある場合は前記部分パ
ターンマッチングを行うことを特徴とする。
【0016】第3発明に係る画像処理方法は、第1又は
第2発明に係る画像処理方法において、予めメモリにマ
スターフォント辞書を記憶しておき、前記対象画像から
文字が含まれる領域を抽出し、前記マスターフォント辞
書から、抽出した領域に含まれる文字と同じ標準字体画
像を選択し、抽出された文字領域と、前記マスターフォ
ント辞書から選択した標準字体画像とを比較し、かつ変
更量を算出し、算出した変更量を用いて前記マスターフ
ォント辞書を変更し前記第1及び第2テンプレート画像
を定めることを特徴とする。
【0017】第4発明に係る画像処理装置は、文字を含
んだ対象画像と、文字を含んだ第1テンプレート画像と
のパターンマッチングに基づいて、前記対象画像に含ま
れる文字と、前記第1テンプレート画像に含まれる文字
との照合を行う画像処理装置において、前記第1テンプ
レート画像と、該第1テンプレート画像と異なる文字を
含んだ第2テンプレート画像との一致しない部分につい
て、前記対象画像と前記第2テンプレート画像との部分
パターンマッチングを行う部分パターンマッチング手段
と、該部分パターンマッチング手段による部分パターン
マッチングの結果に基づいて前記対象画像に含まれる文
字が前記第1テンプレート画像に含まれる文字と一致し
ているか否かを判別する文字判別手段とを備えることを
特徴とする。
【0018】第5発明に係る画像処理装置は、第4発明
に係る画像処理装置において、前記対象画像と前記第1
テンプレート画像とのパターンマッチングによって得ら
れた類似度が第1閾値を越えるか否かを判別する第1判
別手段と、前記類似度が前記第1閾値より小さい第2閾
値を越えるか否かを判別する第2判別手段と、前記第1
判別手段によって前記類似度が前記第1閾値を越えると
判別された場合、前記文字が前記第1テンプレート画像
に含まれる文字と一致していると判断する第1判断手段
と、前記第2判別手段によって前記類似度が前記第2閾
値を越えないと判別された場合、前記文字が前記第1テ
ンプレート画像に含まれる文字と一致していないと判断
する第2判断手段と、前記第1判別手段によって前記類
似度が前記第1閾値を越えないと判別され、しかも前記
第2判別手段によって前記類似度が前記第2閾値を越え
ると判別された場合、前記部分パターンマッチング手段
による部分パターンマッチング、及び前記文字判別手段
による判別を行うべくなしてあることを特徴とする。
【0019】第6発明に係る画像処理装置は、第4又は
第5発明に係る画像処理装置において、予めメモリに記
憶しているマスターフォント辞書を記憶しておき、前記
対象画像から文字が含まれる領域を抽出する文字抽出手
段と、前記マスターフォント辞書から前記文字抽出手段
で抽出された文字と同じ標準字体画像を選択する文字画
像選択手段と、前記文字抽出手段で抽出された文字領域
と、前記文字画像選択手段で前記マスターフォント辞書
から選択された標準字体画像とを比較し、かつ変更量を
算出する比較・変更量算出手段と、前記比較・変更量算
出手段から求められた変更量を用いて前記マスターフォ
ント辞書を変更し前記第1及び第2テンプレート画像を
作成するテンプレート画像作成手段とを備えることを特
徴とする。
【0020】第7発明に係る記録媒体は、異なる文字を
各別に含んだ第1及び第2テンプレート画像を記憶して
ある記憶手段を備えるコンピュータに、文字を含んだ対
象画像と、前記記憶手段に記憶してある第1テンプレー
ト画像とのパターンマッチングに基づいて、前記対象画
像に含まれる文字と、前記第1テンプレート画像に含ま
れる文字との照合を行わせるプログラムが記録してある
コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、
コンピュータに、前記記憶手段に記憶してある第1及び
第2テンプレート画像の一致しない部分を検出させるプ
ログラムコード手段と、検出した一致しない部分につい
て、前記対象画像と前記第2テンプレート画像との部分
パターンマッチングを行わせるプログラムコード手段
と、該部分パターンマッチングの結果に基づいて前記対
象画像に含まれる文字が前記第1テンプレート画像に含
まれる文字と一致しているか否かを判別させるプログラ
ムコード手段とを有するプログラムが記録してあること
を特徴とする。
【0021】第1発明、第4発明、及び第7発明による
場合は、処理対象とする対象画像とのパターンマッチン
グに用いられる第1テンプレート画像の文字に、形状が
類似した文字が存在する場合、例えば、類似した文字が
存在することを示す情報を予め記憶しておき、対象画像
と第1テンプレート画像とのパターンマッチングを行う
ときに、前記情報を読み出すことによって、第1テンプ
レート画像の文字に形状が類似した文字が存在すること
を検出し、この類似した文字を含む第2テンプレート画
像と第1テンプレート画像との一致しない部分につい
て、対象画像と第2テンプレート画像との部分パターン
マッチングを行う。この部分パターンマッチングの結果
によって、対象画像の文字が第1テンプレート画像の文
字と一致するのか、又は第2テンプレート画像の文字と
一致するのかを判別でき、従来に比して文字照合の精度
を向上させることができる。
【0022】また、パターンマッチングは、相互相関を
用いるものに限ったものではなく、他のアルゴリズムに
よるものであってもよいことはいうまでもない。
【0023】第2発明及び第5発明による場合は、対象
画像と第1テンプレート画像とのパターンマッチングに
よって得られる類似度が第1閾値を越える場合には、対
象画像の文字が第1テンプレート画像の文字と一致する
と判断し、第1閾値よりも小さい第2閾値を越えない場
合には、対象画像の文字が第1テンプレート画像の文字
と一致しないと判断することによって、類似度が第1閾
値と第2閾値との間にある場合にだけ、つまり、明らか
に対象画像の文字が第1テンプレート画像の文字と一致
しているか、又は一致していない場合を除いて、第2テ
ンプレート画像との部分パターンマッチングを行えばよ
く、文字照合の処理時間の増大を抑制することが期待で
きる。
【0024】第3発明及び第6発明による場合は、対象
画像から文字を含む領域を抽出し、抽出した領域と複数
のうちの1つのフォントで表された前記文字を含む標準
字体画像とを比較し、標準字体画像を前記文字を含んだ
1つの画像に合わせて変更するための変更量を算出し、
該変更量を用いて同一フォントの異なる文字を夫々含む
複数の標準字体画像を有するマスターフォント辞書を変
更することによって、第1テンプレート画像及び第2テ
ンプレート画像を作成する。
【0025】図14は、テンプレート画像の作成手順の
概要を説明する図である。例えば、対象画像に“3”が
含まれている場合、“3”を含む領域、例えば“3”の
外接矩形を対象画像から抽出し、複数のフォントf1,
f2,f3,…で表された“3”の標準字体画像のうち
から、フォントf2の標準字体画像の大きさ、縦横比、
及び線幅を、対象画像の“3”の大きさ、縦横比、及び
線幅に合わせて変更する。この変更によって得られる変
更量に基づいて、フォントf2の“3”だけでなく、フ
ォントf2のマスターフォント辞書の全ての標準字体画
像の大きさ、縦横比、及び線幅も変更し、テンプレート
画像(専用辞書画像)とする。
【0026】従って、“3”だけ、又は“3”を含む複
数の文字のサンプルワークを揃えるだけで、この他のテ
ンプレート画像を作成することができる。このため、多
くのサンプルワークを揃える必要がなく、第1テンプレ
ート画像及び第2テンプレート画像を用意する作業に必
要な時間及び手間を大幅に削減することができる。
【0027】また、汚れ、かすれ、又は滲み等を含まな
い標準字体画像の大きさ、縦横比、及び線幅を変更し、
該標準字体画像に含まれる文字の形状を対象画像の文字
の形状に類似させることによって第1テンプレート画像
及び第2テンプレート画像を作成するため、第1テンプ
レート画像及び第2テンプレート画像には汚れ、かす
れ、及び滲み等が含まれず、文字照合の精度の低下を防
止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る画像
処理装置の実施の形態の要部の構成を示すブロック図で
ある。
【0029】図1において、1は撮影対象となるワーク
である。ワーク1は、ベルトコンベヤによって搬送され
ている。該ベルトコンベヤの側方には、カラーカメラ2
が設けられており、ワーク1が撮影されるようになって
いる。カラーカメラ2は、撮影した原画像のアナログの
R値,G値,及びB値を接続された画像処理装置3に与
える。
【0030】画像処理装置3は、A/D変換器等を用い
てなる画像入力部31、演算処理を行なうCPU32、
本発明のプログラムが記録されているCD−ROM又は
フレキシブルディスク等の可搬型記録媒体6から本発明
に係る画像処理装置のプログラムを読み取るCD−RO
Mドライブ又はフレキシブルディスクドライブ等からな
る外部記憶装置35、CPU32から与えられる情報及
び外部記憶装置35により読み取った本発明のプログラ
ムを格納するメモリ34、D/A変換器等を用いてなる
画像出力部33、及び外部と通信を行うための通信イン
タフェース36を備えてなる。
【0031】画像処理装置3は、通信インタフェース3
6により通信ネットワーク70に接続されている。この
通信ネットワーク70はルータ等の接続装置71により
インターネット等の外部ネットワーク回線72に接続さ
れている。
【0032】本発明に係る画像処理装置のプログラムは
可搬型記録媒体6から読み取る以外にも、外部ネットワ
ーク回線72を介して外部サーバコンピュータ73に接
続し、外部サーバコンピュータ73に内蔵された前記プ
ログラムを記録してある記録媒体74から画像処理装置
3へ前記プログラムをダウンロードすることによりメモ
リ34に格納することによって、画像処理装置3は後述
する本発明の画像処理装置における処理手順を実行する
ことができる。
【0033】なお、上述した通信ネットワーク70にお
ける通信は、有線による通信以外に、電波及び赤外線等
の手段を用いた無線通信でもよい。
【0034】画像処理装置3は、カラーカメラ2で撮影
された撮影領域のアナログの撮影画像データを、画素毎
にR値,G値,及びB値の各値に分解して、画像入力部
31に与える。画像入力部31は、与えられたアナログ
のR値,G値,及びB値をディジタルのR値,G値,及
びB値(以下、単にR値,G値,及びB値という)に変
換してCPU32に与えるようになっている。CPU3
2は、与えられた画素毎のR値,G値,及びB値をメモ
リ34に格納するとともに、このR値,G値,及びB値
を画像出力部33に与える。画像出力部33は、与えら
れたR値,G値,及びB値を再びアナログのR値,G
値,及びB値に変換し、表示装置5に撮影領域の原画像
を出力して画面表示させるようになっている。
【0035】図2は、ワーク1を撮影したときの原画像
2aを示す模式図である。図2に示す如く、ワーク1の
側面には、黄色地に黒で日付が印刷されている。この日
付が正しい日付であるか否かを判別するために、テンプ
レート画像(専用辞書画像)を用いたパターンマッチン
グによる文字照合が画像処理装置3によって行われる。
【0036】このような文字照合を行う前に、前処理と
して各文字の専用辞書画像を含む専用辞書を作成する。
オペレータは、ワーク1と同じ品種のサンプルワーク1
aを前記ベルトコンベヤ上に配置し、サンプルワーク1
aをカラーカメラ2によって撮影し、画像処理装置3に
専用辞書の作成を指示する。
【0037】図3,4,5,6,7は、テンプレート画
像作成処理を示すフローチャートである。サンプルワー
ク1aに印刷されている日付を表す文字列が作業者によ
って入力され、該文字列をメモリ34に格納する(ステ
ップS101)。次に、撮影によって得られた原画像2
aの各画素に対応するR値,G値,及びB値を取込んで
メモリ34に格納する(ステップS102)。原画像2
aの左上にある画素を処理対象画素とし(ステップS1
03)、処理対象画素のR値,G値,及びB値をメモリ
34から取込む(ステップS104)。そして、処理対
象画素のR値,G値,及びB値を各値に対して設定され
た閾値TB1と比較する(ステップS105)。
【0038】R値,G値,及びB値の全ての値が閾値T
B1の範囲内である場合には、比較した画素が抽出対象
となる画素と同一色であると判断し、画素の輝度を0と
する(ステップS106)。一方、R値,G値,又はB
値の内の少なくとも1つの値が閾値TB1の範囲外であ
る場合には、比較した画素が非抽出画素であると判断
し、画素の輝度を1とする(ステップS107)。例え
ば、この場合は日付を抽出するように、黒色を抽出する
ための閾値が予め設定されている。
【0039】対象画像の連続性、すなわち文字列もしく
は文字であることを確認するために、画像の水平及び垂
直方向に次の画素が存在するか否かを調べる(ステップ
S108)。上記の処理を行っていない前記次の画素が
存在する場合(つまりまだ文字を抽出できていない状
態)、水平方向の隣接画素、又は垂直方向の隣接走査線
の先頭画素を処理対象画素とし(ステップS109)、
ステップS104にフローを戻す。
【0040】また、ステップS107において、次の処
理すべき画素が存在しない場合(文字を抽出できた状
態)、画像から各文字の外接矩形の領域を抽出する(ス
テップS110)。
【0041】図8は、異なる複数のマスターフォント辞
書を示すものであり、個々の辞書は、各フォントによっ
て表された数字、文字及び記号から構成され、個々の数
字、文字及び記号は標準字体画像として予め記憶されて
いる。本実施例では、タイプF1,F2,ならびにF3
の異なるフォントからなる3つの辞書が準備されてい
る。また、F1,F2,ならびにF3の辞書内では、個
々の標準字体画像は、1つの数字、文字または記号の外
接矩形の二値化画像として存在し、その種類は、例えば
0〜9の数字、A〜Zのアルファベット文字並びに
「#」,「$」,「.」,及び「%」等の記号等であ
る。これらのマスターフォント辞書F1,F2ならびに
F3辞書は、メモリ34に予め記憶されており、下記の
専用辞書作成段階においては、F1,F2ならびにF3
の全ての辞書に記憶されている特定の数字、文字ならび
に記号が必要に応じて順次読み出され、活用されるよう
になっている。従って本実施例ではマスターフォント辞
書F1を、最初の処理を行う辞書として選択する(ステ
ップS111)。
【0042】次いで、抽出された領域のうち、画像中左
端の領域を処理対象領域として選択し(ステップS11
2)、入力された文字列のうち、画像中左端に位置す
る、先頭の文字を処理対象文字として選択する。具体的
には、処理対象領域の画像には、99.12.01とい
う、数字と記号からなる文字列の中から、左端に位置す
る、“9”を処理対象文字として選択する(ステップS
113)。
【0043】次に、処理対象文字と比較を行う為に、処
理対象文字として選択された文字と同様の文字をマスタ
ーフォント辞書の中から選択する(ステップS11
4)。具体的には、上記ステップS111にて、複数の
マスターフォント辞書F1,F2ならびにF3の中から
まず、最初の処理を行う辞書としてF1が選択されてい
るので、ここでは、マスターフォント辞書F1の中か
ら、処理対象文字として選択された“9”と同数字であ
る標準字体画像の“9”を選択する。処理対象文字を含
む処理対象領域の画素数、縦横比、及び輝度が0の画素
の割合を求め(ステップS115)、同様に選択した標
準字体画像の画素数、縦横比、及び輝度が0の画素の割
合を求める(ステップS116)。
【0044】先ず一番左の文字「9」の処理対象領域の
画素数、縦横比と一致するように、前記標準字体画像の
「9」の画素数、縦横比を変更する(ステップS11
7)。図9は、標準字体画像の画素数、縦横比の変更処
理を示す模式図である。図9に示すように、単純に縦横
比を変更するのであっては、縦長になるように比率を変
更した場合に縦の線幅の方が横の線幅に比べて細くな
る。従って、前記縦横比を変更した標準字体画像の文字
線幅を一定になるように変更を加える(ステップS11
8)。
【0045】次に、上記で標準字体画像の「9」の輝度
が0である画素の矩形内の領域に対する割合と、前記処
理対象領域の輝度が0である画素の割合を一致させるよ
うに、標準字体画像を膨張または収縮処理を行う。その
ようにすることで、処理対象文字に近い線幅にすること
ができる(ステップS119)。次いで、前述したステ
ップによる変更によって得られた、マスターフォント辞
書F1の“9”を有する標準字体画像からの第1の変更
画像と処理対象文字として選択された“9”を含む前記
処理対象領域との相互相関値RM1を演算する(ステッ
プS120)。言い換えれば、ここでは、外接矩形の二
値化画像である前記変更画像と前記処理対象領域の画像
との類似度である相互相関値RM1を、完全一致した相
互相関値RM1を例えば100として演算する。演算さ
れた相互相関値RM1と、その時の前記第1の変更画像
の前記標準字体画像からの画素数、縦横比、及び線幅の
各変更量をメモリ34に格納する(ステップS12
1)。
【0046】残りの「9」「.」「1」「2」「.」
「0」「1」に対して、上記のステップS114乃至ス
テップS121と同様の処理を行う。ここでは日付けを
表わす文字列中で、処理対象文字が列中で最端の文字で
あるか否かを判別し(ステップS122)、最端の文字
でない場合は処理対象領域の右隣の領域を新たな処理対
象領域として選択し(ステップS123)、処理対象文
字の次の文字を新たな処理対象文字として選択して(ス
テップS124)ステップS114に戻る。
【0047】ステップS122において、処理対象文字
が前記文字列中で最後の文字であると判断された場合
(つまり日付け文字「9」「9」「.」「1」
「2」「.」「0」「1」をすべて処理した)、予め定
められ、メモリ34に記憶されている閾値TM1と、上
述した各処理対象文字に対して算出された相互相関値R
M1とを比較し、この閾値TM1より小さい相互相関値
RM1を有する処理対象文字を選定し、この閾値TM1
より小さい相互相関値RM1を有する処理対象文字を、
後述する各処理対象文字に対して算出された画素数、縦
横比、および線幅からなる上記第1の変更量の平均値演
算から除外する(ステップS125)。具体的には、例
えば、閾値TM1を“70”とし、上記日付け文字
「9」「9」「.」「1」「2」「.」「0」「1」に
対する相互相関値RM1が、順次“90”、“90”、
“80”、“85”、“87”、“82”、“75”、
“60”であった場合、相互相関値RM1が閾値TM1
より低い“60”である、「1」は、後述する変更量の
平均値演算から除外する。これは、処理対象文字の
「1」が、文字の擦れ、インク過多等による文字変形ま
たは撮像時の外乱の影響等の理由により、相互相関値R
M1が異常に低いと判断し、この異常値を後述の平均値
算出に影響させないために行う。前記相互相関値RM1
が前記閾値TM1より小さい文字数が文字列中に半数以
上であるか否かを判断し(ステップS126)、半数以
上であった場合、該標準字体を持つマスターフォント辞
書F1はこの専用辞書作成に適していないと判断する
(ステップS127)。なお、最終的にはこのマスター
フォント辞書F1は専用辞書作成に不適当だった旨をオ
ペレータに知らせても良い。次に、未選択のマスターフ
ォント辞書があるか否かを判別する(ステップS12
8)。未選択のマスターフォント辞書がある場合は、次
のマスターフォント辞書を選択し(ステップS12
9)、ステップS112へフローを戻す。未選択のマス
ターフォント辞書がない場合は、ステップS148へフ
ローを移す。
【0048】ステップS126において、前記相互相関
値RM1が前記閾値TM1より小さい文字数が文字列中
半数未満である場合、ステップS125において除外対
象とされたものを除いた前記変更量から、各々演算して
平均値を求める。画素数に於いては、例えば一つ目の
「9」が最大値を示す、「2」が最小値を示す場合、そ
れらを除外した他の画素数をもって平均値を算出する
(ステップS130)。また同様に縦横比においても、
例えば二つ目の「9」が最大値を示し、「2」が最小値
を示す場合、それらを除外した他の縦横比をもって平均
値を算出する(ステップS131)。文字列中半数以上
が含まれ、変更量の範囲が一番狭くなる条件を求め、そ
の範囲に含まれる変更量の平均値を算出する(ステップ
S132)。そして、求めた各々の変更量の平均値によ
って処理対象字体に対応する、マスターフォント辞書F
1の中で、選択されている標準字体画像(具体的には、
「9」「9」「.」「1」「2」「.」「0」)に対し
て、処理対象字体との比較により既に設定されている変
更量である、画素数、縦横比、および線幅を、ステップ
S132で求めた各々の変更量の平均値によって変更し
(ステップS133)、この変更量の変更に基づいて、
再度得られた第2の各変更画像と処理対象文字として選
択された前記各処理対象領域との相互相関値RM2を演
算する(ステップS134)。
【0049】なお、単純に全ての画素数の変更量の平均
値、全ての縦横比の変更量の平均値、及び全ての線幅の
変更量の平均値を夫々求める構成であってもよい。
【0050】前記各相互相関値RM2が、予めメモリ3
4に格納された閾値TM1より高い閾値TM2を越える
か否か判別する(ステップS135)。上記選択された
全ての標準字体画像に対応した全ての第2の変更画像の
相互相関値RM2が、該閾値TM2を越える場合、上記
選択された全ての標準字体画像を有するマスターフォン
ト辞書は、該処理対象字体のテンプレート画像作成に適
していると判断し(ステップS136)、前記第2の変
更量の平均値をメモリ34に格納する(ステップS13
7)。次に、未選択のマスターフォント辞書があるか否
かを判別する(ステップS138)。未選択のマスター
フォント辞書がある場合は、次のマスターフォント辞書
を選択し(ステップS139)、ステップS112へフ
ローを戻す。未選択のマスターフォント辞書がない場合
は、ステップS148へフローを移す。
【0051】上記ステップS135において、少なくと
も1つの第2の変更画像に対する相互相関値RM2が前
記閾値TM2を越えない場合、その標準字体画像に対し
て上記ステップS117、S118、及びS119で算
出済みのその標準字体画像の各変更量と、前記ステップ
S130、S131、及びS132で求められた各変更
量との平均値を求める(ステップS140)。入力され
た文字列に含まれる文字であって、ステップS125に
おいて平均値演算から除外されていない文字に対して、
その求まった平均の変更量を各々の標準字体画像に適応
し、画素数、縦横比、及び線幅を夫々変更する(ステッ
プS141)。該変更によって得られた各変更標準字体
画像とこれに対応する前記領域との相互相関値を夫々演
算する(ステップS142)。ステップS135と同様
に、前記各相互相関値が、予めメモリ34に格納された
閾値TM1より高い閾値TM2を越えるか否か判別する
(ステップS143)。該閾値TM2を越える該マスタ
ーフォント辞書は該処理対象字体のテンプレート画像作
成に適していると判断し(ステップS144)、前記変
更量の平均値をメモリ34に格納する(ステップS14
5)。ステップS143で全相互相関値を越えないと判
断したマスターフォント辞書は、テンプレート画像の作
成に不適として除く(ステップS146)。次に、未選
択のマスターフォント辞書があるか否かを判別し(ステ
ップS147)、無い場合は相互相関値が最大の標準字
体画像、言い換えればそのマスターフォント辞書を選択
する。具体的には、全てのマスターフォント辞書F1,
F2ならびにF3に対して上記処理が完了した場合は、
各マスターフォント辞書に対して最終的な値として求め
られた、相互相関値RM1,RM2の中から、最も高い
相互相関値を持つマスターフォント辞書を選択する(ス
テップS148)。この全ての辞書の中で最も高い相互
相関値及びその相互相関値の算出ベースとなった変更量
の平均値をメモリ34に格納するとともに(ステップS
149)、この最も高い相互相関値を持つマスターフォ
ント辞書から専用辞書を生成するために、このマスター
フォント辞書が保有する全ての標準字体画像に対して、
最も高い相互相関値を得た変更量を用いて変更画像を作
成し(ステップS150)、これを専用辞書としてテン
プレート画像としてメモリ34に格納し、処理を終了す
る。ステップS147で他のマスターフォント辞書があ
る場合、次のマスターフォント辞書を選択し(ステップ
S151)、ステップS112へフローを戻して、以上
のステップS112乃至S146の工程を繰り返し、複
数の標準字体画像に対して行う。
【0052】このようにして得られた夫々の専用辞書画
像に対して、専用辞書画像に含まれる文字に形状が類似
している文字が存在する場合には、形状が類似している
文字を示す類似文字情報を専用辞書画像に対応付けて予
めメモリ34に記憶しておき、また、この専用辞書画像
と、前記文字に形状が類似している文字を含む専用辞書
画像とを重ね合わせ、差異の存在する部分を検出し、こ
の部分を含む領域の他の領域をマスクするマスク画像
を、専用辞書画像に対応付けて予めメモリ34に記憶し
ておく。
【0053】図10は、マスク画像作成の一例を示す模
式図である。“8”には、“3”,“6”,“9”,
“S”等の形状が類似している文字が存在する。そこ
で、形状が類似している文字として“3”,“6”,
“9”,“S”が存在することを示す類似文字情報を
“8”を含む専用辞書画像T1に対応付けてメモリ34
に記憶しておく。また、専用辞書画像T1と、これと同
一フォントの“3”を含む専用辞書画像T2とを重ね合
わせたとき、差異が存在する領域Pを検出することがで
きる。この領域Pの他の領域をマスクするマスク画像M
を、専用辞書画像T1に対応付けてメモリ34に記憶す
る。また、“6”,“9”,及び“S”についても同様
にマスク画像を作成し、記憶しておく。
【0054】このような専用辞書画像及びマスク画像を
用いて、以下に説明するように文字照合を行う。図1
1,12,13は、本発明に係る画像処理装置における
文字照合の処理手順を示すフローチャートである。ま
ず、撮影によって得られた原画像2aの各画素に対応す
るR値,G値,及びB値を取込んでメモリ34に格納す
る(ステップS201)。原画像2aの左上隅にある画
素を処理対象画素とし(ステップS202)、処理対象
画素のR値,G値,及びB値をメモリ34から取込む
(ステップS203)。そして、処理対象画素のR値,
G値,及びB値を各値に対して設定された閾値TB2と
比較する(ステップS204)。
【0055】R値,G値,及びB値の全ての値が閾値T
B2の範囲内である場合には、比較した画素が抽出対象
となる画素と同一色であると判断し、画素の輝度を0と
する(ステップS205)。一方、R値,G値,又はB
値の内の少なくとも1つの値が閾値TB2の範囲外であ
る場合には、比較した画素が非抽出画素であると判断
し、画素の輝度を1とする(ステップS206)。例え
ば、この場合は日付を抽出するように、黒色を抽出する
ための閾値が予め設定されている。
【0056】画像の水平及び垂直方向に次の画素が存在
するか否かを調べ(ステップS207)、以上の処理を
行っていない画素が次に存在する場合、水平方向の隣接
画素、又は垂直方向の隣接走査線の先頭画素を処理対象
画素とし(ステップS208)、ステップS03に処理
を戻す。
【0057】また、ステップS207において、次の画
素が存在しない場合、画像から各文字の外接矩形の領域
を抽出する(ステップS209)。
【0058】次いで、抽出された領域のうち、画像中左
端の領域を処理対象領域として選択し(ステップS21
0)、オペレータによって予め指定された文字列のうち
先頭の文字を処理対象文字として選択する(ステップS
211)。
【0059】次に、予めオペレータに指定された専用辞
書の中から処理対象文字を含んだ専用辞書画像を選択し
(ステップS212)、処理対象領域と専用辞書画像と
の相互相関値RP1を演算する(ステップS213)。
【0060】得られた相関値RP1が予めメモリ34に
記憶されている閾値TP1(第1閾値)を越えるか否か
を判別し(ステップS214)、越える場合、処理対象
領域の文字は処理対象文字に一致すると判断する(ステ
ップS215)。次に、処理対象文字が最後の文字であ
るか否かを判別し(ステップS216)、最後の文字で
ない場合は、現在の処理対象領域の右隣の領域を新たな
処理対象領域として選択し(ステップS217)、現在
の処理対象文字の次の文字を新たな処理対象文字として
選択して(ステップS218)ステップS212に戻
る。
【0061】ステップS214において、相関値RP1
が閾値TP1を越えない場合、この相関値RP1が閾値
TP1より小さい閾値TP2(第2閾値)を越えるか否
かを判別し(ステップS219)、越えない場合、処理
対象領域の文字は処理対象文字に一致しないと判断し
(ステップS220)、ステップS216に処理を移
す。
【0062】一方、ステップS219において、相関値
RP1が閾値TP2を越えない場合、前述した類似文字
情報をメモリ34から読み出すことによって、処理対象
文字に形状が類似している文字が存在するか否かを判別
し(ステップS221)、存在しない場合、ステップS
220に処理を移し、存在する場合、類似文字のうちの
1つを選択し(ステップS222)、選択された類似文
字を含む専用辞書画像と処理対象領域との前述したマス
ク画像によってマスクされない領域だけについての相互
相関値RP2を演算する(部分パターンマッチング)
(ステップS223)。
【0063】部分パターンマッチングによって得られた
相関値RP2が、予めメモリ34に記憶された閾値TP
3を越えるか否かを判別し(ステップ224)、越える
場合、ステップS220に処理を移し、越えない場合、
未選択の類似文字が残っているか否かを判別し(ステッ
プS225)、残っている場合、新たに類似文字を選択
し(ステップS226)、ステップS223に処理を移
す。また、ステップS225において、未選択の類似文
字が残っていない場合、ステップS215に処理を移
す。
【0064】ステップS216において、処理対象文字
が前記文字列中で最後の文字である場合、処理を終了す
る。
【0065】なお、類似文字情報を予めメモリ34に記
憶しておき、この類似文字情報を読み出すことによっ
て、処理対象文字に形状が類似した文字が存在するか否
かを判別する構成としたが、例えば、処理対象文字を含
む専用辞書画像と、その他の文字を含む専用辞書画像と
のパターンマッチングを行い、このときの類似度が所定
値以上である場合には、これらに含まれる文字の形状が
類似しているとして、処理対象文字に形状が類似した文
字が存在するか否かを判別する構成としてもよい。
【0066】また、マスク画像Mを予めメモリ34に記
憶しておき、このマスク画像Mがマスクしていない領域
についての相互相関値RP2を演算することで、部分パ
ターンマッチングを行う構成としたが、例えば、処理対
象文字を含む専用辞書画像と類似文字を含む専用辞書画
像との一致しない部分を検出し、この部分を含む領域
を、類似文字を含む専用辞書画像と、処理対象領域とか
ら抽出し、抽出した夫々の領域について、相互相関値を
演算する等して部分パターンマッチングを行う構成とし
てもよい。
【0067】また、マスターフォント辞書に含まれる標
準字体画像を変更して専用辞書画像を作成し、これを用
いてパターンマッチングを行なう構成としたが、予め専
用辞書画像を記憶させておき、これを用いてパターンマ
ッチングを行なう構成としてもよい。
【0068】また、色抽出のパラメータであるR値,G
値,及びB値の3つの値を夫々に対応する閾値と比較す
る構成としたが、本発明に係る画像処理装置において
は、これに限定するものではなく、例えば、R値,G
値,及びB値にR−G値,B−G値,R−B値の差分値
を加えて4つ〜6つのパラメータとする構成とすること
もでき、また、R値,G値,及びB値に代わる色抽出の
パラメータとして、R値,G値,及びB値に基づいてH
(色相),S(彩度),I(明度)にHSI変換して、
これらの値を用いるか、又はこれらの値に加えてH値,
S値,及びI値の差分値を用いる構成とすることもでき
るのはいうまでもない。
【0069】また、撮影された画像から文字の部分を抽
出するために、カラー画像から二値化を行う構成とした
が、R値,G値,B値,R−G値,R−B値,及びG−
B値のうちの少なくとも1つに基づいてモノクロームの
多値画像へ変換し、モノクローム画像を用いたパターン
マッチングにより文字照合を行う構成としてもよい。
【0070】以上の如き構成により、処理対象文字に形
状が類似した文字が存在する場合、この類似した文字を
含む専用辞書画像と処理対象文字を含む専用辞書画像と
の一致しない部分について、撮影画像の処理対象領域と
類似した文字を含む専用辞書画像との部分パターンマッ
チングを行う。この部分パターンマッチングの結果によ
って、処理対象領域の文字が処理対象文字と一致するの
か、又は類似した文字と一致するのかを判別でき、従来
に比して文字照合の精度を向上させることができる。
【0071】また、撮影画像の処理対象領域と処理対象
文字を含む専用辞書画像とのパターンマッチングによっ
て得られる類似度(相関値RP1)が第1閾値(閾値T
P1)を越える場合には、処理対象領域の文字が処理対
象文字と一致すると判断し、第1閾値よりも小さい第2
閾値(閾値TP2)を越えない場合には、処理対象領域
の文字が処理対象文字と一致しないと判断することによ
って、類似度が第1閾値と第2閾値との間にある場合に
だけ、部分パターンマッチングを行えばよく、文字照合
の処理時間の増大を抑制することが期待できる。
【0072】また、サンプルワーク1aを撮影すること
によって得られた画像の文字列に含まれる各文字に合わ
せて、前記各文字を含む標準字体画像の画素数及び縦横
比並びに文字の線幅を変更し、この変更量によって必要
な全ての文字の標準字体画像の画素数,縦横比,及び線
幅を変更することによって専用辞書画像を作成する。こ
のため、サンプルワーク1aに印刷された文字だけで全
文字分の専用辞書画像を作成することができ、多くのサ
ンプルワークを揃える必要がなく、専用辞書画像を用意
する作業に必要な時間及び手間を大幅に削減することが
できる。
【0073】また、予め用意してある標準字体画像に
は、汚れ、かすれ、又は滲み等が含まれておらず、この
標準字体画像を加工することによって専用辞書画像を作
成するため、専用辞書画像にも汚れ、かすれ、又は滲み
等が含まれず、文字照合の精度の低下を防止することが
できる。
【0074】
【発明の効果】以上詳述した如く、処理対象とする対象
画像とのパターンマッチングに用いられる第1テンプレ
ート画像の文字に、類似した文字が存在する場合、この
類似した文字を含む第2テンプレート画像と前記第1テ
ンプレート画像との一致しない部分について、対象画像
と第2テンプレート画像との部分パターンマッチングを
行う。この部分パターンマッチングの結果によって、対
象画像の文字が第1テンプレート画像の文字と一致する
のか、又は第2テンプレート画像の文字と一致するのか
を判別でき、従来に比して文字照合の精度を向上させる
ことができる。
【0075】第2発明及び第5発明による場合は、対象
画像と第1テンプレート画像とのパターンマッチングに
よって得られる類似度が第1閾値を越える場合には、対
象画像の文字が第1テンプレート画像の文字と一致する
と判断し、第1閾値よりも小さい第2閾値を越えない場
合には、対象画像の文字が第1テンプレート画像の文字
と一致しないと判断することによって、類似度が第1閾
値と第2閾値との間にある場合にだけ、つまり、明らか
に対象画像の文字が第1テンプレート画像の文字と一致
しているか、又は一致していない場合を除いて、第2テ
ンプレート画像との部分パターンマッチングを行えばよ
く、文字照合の処理時間の増大を抑制することが期待で
きる。
【0076】第3発明及び第6発明による場合は、対象
画像から文字を含む領域を抽出し、抽出した領域と複数
のうちの1つのフォントで表された前記文字を含む標準
字体画像とを比較し、標準字体画像を前記文字を含んだ
1つの画像に合わせて変更するための変更量を算出し、
該変更量を用いて同一フォントの異なる文字を夫々有す
る複数の標準字体画像の、例えば画像の大きさ及び縦横
比、並びに文字の線幅等を変更することによって、第1
テンプレート画像及び第2テンプレート画像を作成す
る。このため、多くのサンプルワークを揃える必要がな
く、第1テンプレート画像及び第2テンプレート画像を
用意する作業に必要な時間及び手間を大幅に削減するこ
とができる。
【0077】また、汚れ、かすれ、又は滲み等を含まな
い標準字体画像の大きさ、縦横比、及び線幅を変更し、
該標準字体画像に含まれる文字の形状を対象画像の文字
の形状に類似させることによって第1テンプレート画像
及び第2テンプレート画像を作成するため、第1テンプ
レート画像及び第2テンプレート画像には汚れ、かす
れ、及び滲み等が含まれず、文字照合の精度の低下を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の実施の形態の要部
の構成を示すブロック図である。
【図2】ワークを撮影したときの原画像を示す模式図で
ある。
【図3】本発明に係る画像処理装置のテンプレート画像
を作成する処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】本発明に係る画像処理装置のテンプレート画像
を作成する処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】本発明に係る画像処理装置のテンプレート画像
を作成する処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明に係る画像処理装置のテンプレート画像
を作成する処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図7】本発明に係る画像処理装置のテンプレート画像
を作成する処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図8】標準字体画像を示す模式図である。
【図9】標準字体画像の画素数,縦横比の変更処理を示
す模式図である。
【図10】マスク画像作成の一例を示す模式図である。
【図11】本発明に係る画像処理装置における文字照合
の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る画像処理装置における文字照合
の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る画像処理装置における文字照合
の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】テンプレート画像の作成手順の概要を説明す
る図である。
【符号の説明】
1 ワーク 2 カラーカメラ 2a 原画像 3 画像処理装置 5 表示装置 6 可搬型記録媒体 31 画像入力部 32 CPU 33 画像出力部 34 メモリ 35 外部記憶装置 36 通信インタフェース 70 通信ネットワーク 71 接続装置 72 外部ネットワーク回線 73 外部サーバコンピュータ 74 記録媒体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文字を含んだ対象画像と、文字を含んだ
    第1テンプレート画像とのパターンマッチングに基づい
    て、前記対象画像に含まれる文字と、前記第1テンプレ
    ート画像に含まれる文字との照合を行う画像処理方法に
    おいて、 前記第1テンプレート画像と、該第1テンプレート画像
    と異なる文字を含んだ第2テンプレート画像との一致し
    ない部分について、前記対象画像と前記第2テンプレー
    ト画像との部分パターンマッチングを行い、該部分パタ
    ーンマッチングの結果に基づいて前記対象画像に含まれ
    る文字が前記第1テンプレート画像に含まれる文字と一
    致しているか否かを判別することを特徴とする画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記対象画像と前記第1テンプレート画
    像とのパターンマッチングによって得られた類似度が第
    1閾値を越える場合は前記文字が前記第1テンプレート
    画像に含まれる文字と一致していると判断し、前記類似
    度が前記第1閾値より小さい第2閾値を越えない場合は
    前記文字が前記第1テンプレート画像に含まれる文字と
    一致していないと判断し、前記第1閾値及び第2閾値の
    間に前記類似度がある場合は前記部分パターンマッチン
    グを行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理方
    法。
  3. 【請求項3】 予めメモリにマスターフォント辞書を記
    憶しておき、前記対象画像から文字が含まれる領域を抽
    出し、前記マスターフォント辞書から、抽出した領域に
    含まれる文字と同じ標準字体画像を選択し、抽出された
    文字領域と、前記マスターフォント辞書から選択した標
    準字体画像とを比較し、かつ変更量を算出し、算出した
    変更量を用いて前記マスターフォント辞書を変更し前記
    第1及び第2テンプレート画像を定めることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】 文字を含んだ対象画像と、文字を含んだ
    第1テンプレート画像とのパターンマッチングに基づい
    て、前記対象画像に含まれる文字と、前記第1テンプレ
    ート画像に含まれる文字との照合を行う画像処理装置に
    おいて、 前記第1テンプレート画像と、該第1テンプレート画像
    と異なる文字を含んだ第2テンプレート画像との一致し
    ない部分について、前記対象画像と前記第2テンプレー
    ト画像との部分パターンマッチングを行う部分パターン
    マッチング手段と、該部分パターンマッチング手段によ
    る部分パターンマッチングの結果に基づいて前記対象画
    像に含まれる文字が前記第1テンプレート画像に含まれ
    る文字と一致しているか否かを判別する文字判別手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記対象画像と前記第1テンプレート画
    像とのパターンマッチングによって得られた類似度が第
    1閾値を越えるか否かを判別する第1判別手段と、前記
    類似度が前記第1閾値より小さい第2閾値を越えるか否
    かを判別する第2判別手段と、前記第1判別手段によっ
    て前記類似度が前記第1閾値を越えると判別された場
    合、前記文字が前記第1テンプレート画像に含まれる文
    字と一致していると判断する第1判断手段と、前記第2
    判別手段によって前記類似度が前記第2閾値を越えない
    と判別された場合、前記文字が前記第1テンプレート画
    像に含まれる文字と一致していないと判断する第2判断
    手段と、前記第1判別手段によって前記類似度が前記第
    1閾値を越えないと判別され、しかも前記第2判別手段
    によって前記類似度が前記第2閾値を越えると判別され
    た場合、前記部分パターンマッチング手段による部分パ
    ターンマッチング、及び前記文字判別手段による判別を
    行うべくなしてあることを特徴とする請求項4記載の画
    像処理装置。
  6. 【請求項6】 予めメモリにマスターフォント辞書を記
    憶しておき、前記対象画像から文字が含まれる領域を抽
    出する文字抽出手段と、前記マスターフォント辞書から
    前記文字抽出手段で抽出された文字と同じ標準字体画像
    を選択する文字画像選択手段と、前記文字抽出手段で抽
    出された文字領域と、前記文字画像選択手段で前記マス
    ターフォント辞書から選択された標準字体画像とを比較
    し、かつ変更量を算出する比較・変更量算出手段と、前
    記比較・変更量算出手段から求められた変更量を用いて
    前記マスターフォント辞書を変更し前記第1及び第2テ
    ンプレート画像を作成するテンプレート画像作成手段と
    を備えることを特徴とする請求項4又は5記載の画像処
    理装置。
  7. 【請求項7】 異なる文字を各別に含んだ第1及び第2
    テンプレート画像を記憶してある記憶手段を備えるコン
    ピュータに、文字を含んだ対象画像と、前記記憶手段に
    記憶してある第1テンプレート画像とのパターンマッチ
    ングに基づいて、前記対象画像に含まれる文字と、前記
    第1テンプレート画像に含まれる文字との照合を行わせ
    るプログラムが記録してあるコンピュータでの読み取り
    が可能な記録媒体において、 コンピュータに、前記記憶手段に記憶してある第1及び
    第2テンプレート画像の一致しない部分を検出させるプ
    ログラムコード手段と、検出した一致しない部分につい
    て、前記対象画像と前記第2テンプレート画像との部分
    パターンマッチングを行わせるプログラムコード手段
    と、該部分パターンマッチングの結果に基づいて前記対
    象画像に含まれる文字が前記第1テンプレート画像に含
    まれる文字と一致しているか否かを判別させるプログラ
    ムコード手段とを有するプログラムが記録してあること
    を特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒
    体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011112398A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 N Tech:Kk 画像形成状態検査方法、画像形成状態検査装置及び画像形成状態検査用プログラム
JP2012032885A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Fujitsu Ltd 文字認識装置、文字認識プログラム及び文字認識方法
JP2016224602A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 株式会社デンソーウェーブ 情報読取装置

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