JP2001215989A - ロボット聴覚システム - Google Patents

ロボット聴覚システム

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JP2001215989A
JP2001215989A JP2000022677A JP2000022677A JP2001215989A JP 2001215989 A JP2001215989 A JP 2001215989A JP 2000022677 A JP2000022677 A JP 2000022677A JP 2000022677 A JP2000022677 A JP 2000022677A JP 2001215989 A JP2001215989 A JP 2001215989A
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noise
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internal
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Application number
JP2000022677A
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English (en)
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Kazuhiro Nakadai
一博 中臺
Hiroshi Okuno
博 奥乃
Hiroaki Kitano
宏明 北野
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロボット内部で発生するノイズに影響される
ことなく、外部の目標からの音を集音して能動知覚を行
なうロボット聴覚システムを提供する。 【解決手段】 防音性の外装13の外側の両耳位置に設
けた一対の外部マイク16と、外装の内側に設けらたノ
イズ集音用の一対の内部マイク17と、外部マイクから
の音響信号から内部のノイズ発生源からのノイズ信号を
キャンセルするノイズ除去部23,24と、ノイズ除去
部からの左右の音響信号からそれぞれ周波数解析により
時間,周波数及びパワーに関する音響データDL,DR
を取り出すピッチ抽出部25,26と、ピッチ抽出部で
取り出した左右の音響データのピッチを伴う調波構造か
ら音の方向付けを行なう左右チャンネル対応部27と、
音の方向付け情報に基づいて、音響データから音源毎の
音響データに分離する音源分離部28とを含むように、
ロボット聴覚システム10を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はロボット、特に人
型または動物型ロボットにおける聴覚装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、このような人型または動物型ロボ
ットにおいては、視覚,聴覚の能動知覚が注目されてき
ている。能動知覚とは、ロボット視覚やロボット聴覚等
の知覚を担当する知覚装置を、知覚すべき目標に追従す
るように、これらの知覚装置を支持する例えば頭部を駆
動機構により姿勢制御するものである。
【0003】ここで、能動視覚に関しては、少なくとも
知覚装置であるカメラが、駆動機構による姿勢制御によ
ってその光軸方向が目標に向かって保持され、目標に対
して自動的にフォーカシングやズームイン,ズームアウ
ト等が行なわれることにより目標がカメラによって撮像
されるようになっており、種々の研究が行なわれてい
る。
【0004】これに対して、能動聴覚に関しては、少な
くとも知覚装置であるマイクが、駆動機構による姿勢制
御によって、その指向性が目標に向かって保持され、目
標からの音がマイクによって集音される。このとき、能
動聴覚の不利な点として、駆動機構が作動している間は
マイクが駆動機構の作動音を拾ってしまうため、目標か
らの音に比較的大きなノイズが混入してしまい、目標か
らの音を認識できなくなってしまうことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな駆動機構を停止させた状態での聴覚研究では、特に
目標が移動しているような場合、目標の移動に追従しな
がらの所謂能動聴覚を行なうことが困難であった。
【0006】さらに、上述した駆動機構だけでなく、ロ
ボット内部で発生する各種動作音及び定常的に発生する
ノイズも聴覚装置としてのマイクが集音してしまうの
で、同様に完全な能動聴覚を得ることが困難であった。
【0007】この発明は、以上の点にかんがみて、駆動
機構等のロボット内部で発生するノイズに影響されるこ
となく、外部の目標からの音を集音して能動知覚を行な
うことができるようにした、ロボット聴覚システムを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、この発明に
よれば、内部にノイズ発生源を備えたロボットにおい
て、少なくともロボットの一部を覆う防音性の外装と、
上記外装の外側に設けられ主として外部の音を集音する
少なくとも一対の外部マイクと、上記外装の内側に設け
られ主として内部のノイズ発生源からのノイズを集音す
る少なくとも一対の内部マイクと、上記外部マイク及び
内部マイクからの左右の信号に基づいてそれぞれ外部マ
イクからの音響信号から内部のノイズ発生源からのノイ
ズ信号をキャンセルするノイズ除去部と、上記ノイズ除
去部からの左右の音響信号からそれぞれ周波数解析を行
なって、時間,周波数及びパワーに関する音響データ及
びピッチ情報を取り出すピッチ抽出部と、上記ピッチ抽
出部で取り出された左右の音響データ及びピッチ情報に
基づいて当該音響データが示すピッチを伴う調波構造か
ら音の方向付けを行なう左右チャンネル対応部と、上記
左右チャンネル対応部で取り出された音の方向付け情報
に基づいて上記音響データから音源毎の音響データに分
離する音源分離部と、を含んでいることを特徴とするロ
ボット聴覚システムにより、達成される。
【0009】また、上記目的は、この発明によれば、内
部に駆動機構等のノイズ発生源を備えた人型または動物
型のロボットにおいて、少なくともロボットの頭部を覆
う防音性の外装と、上記外装の外側にて両側の耳に対応
する両耳位置に設けられ主として外部の音を集音する少
なくとも一対の外部マイクと、上記外装の内側に設けら
れた主として内部のノイズ発生源からのノイズを集音す
る少なくとも一対の内部マイクと、上記外部マイク及び
内部マイクからの信号に基づいて外部マイクからの音響
信号から内部のノイズ発生源からのノイズ信号をキャン
セルするノイズ除去部と、上記ノイズ除去部からの左右
の音響信号からそれぞれ周波数解析を行なって時間,周
波数及びパワーに関する音響データ及びピッチ情報を取
り出すピッチ抽出部と、上記ピッチ抽出部で取り出され
た左右の音響データピッチ情報に基づいて当該音響デー
タのピッチを伴う調波構造から音の方向付けを行なう左
右チャンネル対応部と、上記左右チャンネル対応部で取
り出された音の方向付け情報に基づいて上記音響データ
から音源毎の音響データに分離する音源分離部と、を含
んでいることを特徴とするロボット聴覚システムによ
り、達成される。
【0010】この発明によるロボット聴覚装置は、好ま
しくは、さらに、ロボットが視覚,触覚等の知覚システ
ムを備えており、上記左右チャンネル対応部がこれらの
知覚システムからの情報を参照して音の方向付けを行な
う。
【0011】この発明によるロボット聴覚装置は、好ま
しくは、上記左右チャンネル対応部が上記知覚システム
に対して音の方向付けに関する情報を出力する。
【0012】上記構成によれば、外部マイクが主として
外部の目標からの音を集音し、内部マイクが主としてロ
ボット内部の駆動機構等のノイズ発生源からのノイズを
集音する。その際、外部マイクが集音した音響信号に
は、ロボット内部のノイズ発生源からのノイズ信号が混
入しているが、この混入したノイズ信号は、ノイズ除去
部における演算処理によって内部マイクが集音したノイ
ズ信号によりキャンセルされることにより著しく低減さ
れる。
【0013】そして、ノイズがキャンセルされた音響信
号から、ピッチ抽出部により周波数解析によって音響信
号を取り出して、この音響信号から左右チャンネル対応
部により音の方向付けを行なった後、この音の方向付け
に基づいて、音源分離部によって各音源毎の音響データ
に分離する。したがって、外部マイクからの音響信号
は、ノイズ除去部での演算処理によって、ロボット内部
の駆動機構等のノイズ発生源からのノイズが容易に著し
く低減されることにより、そのS/N比が大幅に改善さ
れるので、音源毎の音響データの分離をより一層良好に
行なうことができる。
【0014】さらに、ロボットが視覚,触覚等の知覚シ
ステムを備えており、上記左右チャンネル対応部が、こ
れらの知覚システムからの情報を参照して音の方向付け
を行なう場合には、例えば視覚装置からの目標に関する
視覚情報に基づいて左右チャンネル対応部がより明確な
方向付けを行なうことができる。
【0015】上記左右チャンネル対応部が、上記知覚シ
ステムに対して音の方向付けに関する情報を出力する場
合には、例えば視覚装置に対して目標に関する聴覚によ
る方向付けの情報を出力するので、視覚装置がより一層
正確な方向付けを行なうことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいてこの発明を詳細に説明する。図1から図4はこの
発明によるロボット聴覚システムの一実施形態を備えた
実験用の人型ロボットの全体構成を示している。図1に
おいて、人型ロボット10は、4DOF(自由度)のロ
ボットとして構成されており、ベース11と、ベース1
1上にて一軸(垂直軸)周りに回動可能に支持された胴
体部12と、胴体部12上にて三軸方向(垂直軸,左右
方向の水平軸及び前後方向の水平軸)の周りに揺動可能
に支持された頭部13と、を含んでいる。
【0017】上記ベース11は固定配置されていてもよ
く、脚部として動作可能としてもよい。また、ベース1
1は移動可能な台車等の上に載置されていてもよい。
【0018】上記胴体部12は、ベース11に対して垂
直軸の周りに、図1にて矢印Aで示すように回動可能に
支持されており、図示しない駆動手段によって回転駆動
されると共に、図示の場合、防音性の外装によって覆わ
れている。
【0019】上記頭部13は胴体部12に対して連結部
材13aを介して支持されており、この連結部材13a
に対して前後方向の水平軸の周りに、図1にて矢印Bで
示すように揺動可能に、また左右方向の水平軸の周り
に、図2にて矢印Cで示すように揺動可能に支持されて
いると共に、上記連結部材13aが、胴体部12に対し
てさらに前後方向の水平軸の周りに、図1にて矢印Dで
示すように揺動可能に支持されており、それぞれ図示し
ない駆動手段によって各矢印A,B,C,D方向に回転
駆動される。
【0020】ここで、上記頭部13は、図3に示すよう
に全体が防音性の外装14により覆われていると共に、
前側にロボット視覚を担当する視覚装置としてのカメラ
15を、また両側にロボット聴覚を担当する聴覚装置と
しての一対の外部マイク16(16a,16b)を備え
ている。さらに、上記頭部13は、図3に示すように、
外装14の内側にて左右に離隔して配設された一対の内
部マイク17(17a,17b)を備えている。
【0021】上記外装14は、例えばウレタン樹脂等の
吸音性の合成樹脂から構成されており、頭部13の内部
をほぼ完全に密閉することにより、頭部13の内部の遮
音を行なうように構成されている。なお、胴体部12の
外装も、同様にして吸音性の合成樹脂から構成されてい
る。
【0022】上記カメラ15は公知の構成であって、例
えば所謂パン,チルト,ズームの3DOF(自由度)を
有する市販のカメラが適用されることができる。
【0023】上記外部マイク16は、それぞれ頭部13
の側面において、前方に向かって指向性を有するように
取り付けられている。ここで、外部マイク16の左右の
各外部マイク16a,16bは、それぞれ図1及び図2
に示すように、外装14の両側にて前方に向いた段部1
4a,14bにて内側に取り付けられ、段部14a,1
4bに設けられた貫通穴を通して前方の音を集音すると
共に、外装14の内部の音を拾わないように適宜の手段
により遮音されている。これにより外部マイク16a,
16bは、所謂バイノーラルマイクとして構成されてい
る。なお、外部マイク16a,16bの取付位置の近傍
において、外装14は人間の外耳形状に形成されていて
もよい。
【0024】上記内部マイク17は、それぞれ外装14
の内側において、上述した各外部マイク16a,16b
の近傍に、図示の場合には、前記カメラ15の両端付近
の上方に配設されている。なお、上記内部マイク17
は、外装14の内側に任意の位置に備えられていてもよ
い。
【0025】図4は、上記外部マイク16及び内部マイ
ク17を含む音響処理のための聴覚システムの電気的構
成を示している。図4において、聴覚システム20は、
各外部マイク16a,16b及び内部マイク17a,1
7bからの音響信号をそれぞれ増幅するアンプ21a,
21b,21c,21dと、これらの増幅信号をAD変
換によりデジタル音響信号SOL,SOR,SIL,S
IRに変換するADコンバータ22a,22b,22
c,22dと、これらのデジタル音響信号が入力される
左右のノイズ除去回路23,24と、ノイズ除去回路2
3,24からのデジタル音響信号SR,SLが入力され
るピッチ抽出部25,26と、ピッチ抽出部25,26
からの音響データが入力される左右チャンネル対応部2
7と、左右チャンネル対応部27からのデータが入力さ
れる音源分離部28と、から構成されている。
【0026】上記ADコンバータ22a乃至22dは、
例えば量子化ビット数16または24で、48kHzサ
ンプリングした信号を取り出すように構成されている。
そして、左側の外部マイク16aからのデジタル音響信
号SOL及び左側の内部マイク17aからのデジタル音
響信号SILは、ノイズ除去回路23に入力され、また
右側の外部マイク16bからのデジタル音響信号SOR
及び左側の内部マイク17bからのデジタル音響信号S
IRは、ノイズ除去回路24に入力される。
【0027】これらのノイズ除去回路23,24は同一
の構成であり、それぞれ外部マイク16からの音響信号
から内部マイク17のノイズ信号によりノイズキャンセ
ルするように構成されている。
【0028】即ち、ノイズ除去回路23は、外部マイク
16aからのデジタル音響信号SOLを、内部マイク1
7aが集音したロボット内部のノイズ発生源からのノイ
ズ信号SILに基づいて、例えば最も簡便には、外部マ
イク16aからのデジタル音響信号SOLから、内部マ
イク17aからの音響信号SILを減算する等の適宜の
演算処理によるノイズキャンセル処理によって、外部マ
イク16aからの音響信号SOLに混入したロボット内
部の各駆動機構等のノイズ発生源からのノイズを除去し
て、左の音響信号SLを生成する。
【0029】また、ノイズ除去回路24は、外部マイク
16bからのデジタル音響信号SORを、内部マイク1
7bが集音したロボット内部のノイズ発生源からのノイ
ズ信号SIRに基づいて、例えば最も簡便には、外部マ
イク16bからのデジタル音響信号SORから、内部マ
イク17bからの音響信号SIRを減算する等の適宜の
演算処理によるノイズキャンセル処理によって、外部マ
イク16bからの音響信号SIRに混入したロボット内
部の各駆動機構等のノイズ発生源からのノイズを除去し
て、右の音響信号SRを生成する。
【0030】上記ピッチ抽出部25,26は同一の構成
であり、ノイズ除去回路23,24からの左右の音響信
号SL,SRをそれぞれ周波数解析して、時間,周波数
及びパワーの三軸から成る音響データ、並びにピッチ情
報を取り出すように構成されている。即ち、ピッチ抽出
部25は、ノイズ除去回路23からの左の音響信号SL
を周波数解析することにより、時間とパワーから成る二
軸の音響信号SLから時間,周波数及びパワーの三軸か
ら成るスペクトログラムと呼ばれる左の音響データDL
を取り出す。
【0031】また、ピッチ抽出部26も同様にして、ノ
イズ除去回路24からの右の音響信号SRを周波数解析
することにより、時間とパワーから成る二軸の音響信号
SRから時間,周波数及びパワーの三軸から成る右の音
響データDR、ピッチ情報を取り出す。
【0032】ここで、上記周波数解析は、例えば20m
秒の窓長で、7.5m秒づつずらしながら、FFT(高
速フーリエ変換)を行なうことにより行なわれる。な
お、このような周波数解析は、FFTに限らず一般的な
種々の方法で行なわれるようにしてもよい。このように
して得られた音響データDLにおいては、音声や音楽に
おける各音は、スペクトログラム上にてピークの時間方
向への連なりとして示されると共に、一般的に調波構造
を有しており、整数倍の周波数値に規則的にピークを有
するようになっている。
【0033】上記左右チャンネル対応部27は、左右の
ピッチ抽出部25,26からの音響データDL,DRに
てそれぞれピークにより示される調波構造のピッチ情報
に関してその位相差,時間差等に基づいて、同じ音から
派生するピッチを左右チャンネルで対応付けることによ
り音の方向付けを行なう。
【0034】図示の場合、左右チャンネル対応部27
は、聴覚システム20以外にロボット10に備えられた
図示しない他の知覚システム30から目標に関する情
報、具体的には例えば視覚システムによる目標の位置,
方向,形状,移動の有無等に関する情報や、触覚システ
ムによる目標の柔軟度,振動の有無,触感等の情報が入
力されることにより、上述した音源からの音の方向付け
がより一層明確に行なわれるように構成されている。
【0035】上記音源分離部28は、公知の構成によ
り、左右チャンネル対応部27からの方向付けの情報及
び音響データDL,DRが入力されることにより、例え
ばディクションパスフィルタを使用する等の手法によっ
て、方向付けの情報に基づいて音響データDL,DRか
ら音源を同定すると共に、各音源毎に音響データを分離
するように構成されている。
【0036】本発明実施形態による人型ロボット10は
以上のように構成されており、外部マイク16a,16
bが集音しようとする目標からの音は、以下のようにし
て集音され、ノイズキャンセルされることにより音源に
知覚される。先ず、外部マイク16a,16bが、主と
して目標からの外部の音を集音してそれぞれアナログ音
響信号を出力する。ここで、外部マイク16a,16b
はロボット内部からのノイズも集音するが、外装14自
体が頭部13の内部を密閉しており、また外部マイク1
6a,16bが頭部13の内部に対して遮音されている
ことにより、混入するノイズが比較的低いレベルに抑え
られている。
【0037】これに対して、内部マイク17a,17b
は、主としてロボット内部からのノイズ、例えば前述し
た各駆動機構の作動音や冷却ファンの作動音等のノイズ
発生源からのノイズを集音する。ここで、内部マイク1
7a,17bは外部からの音も集音するが、外装14が
内部を密閉していることから、そのレベルは比較的低く
抑えられている。
【0038】このようにして集音された外部マイク16
a,16bからのアナログ音響信号及び内部マイク17
a,17bからのアナログ音響信号は、それぞれアンプ
21a乃至21dにより増幅された後、ADコンバータ
22a乃至22dによりデジタル音響信号SOL,SO
R,SIL,SIRにAD変換されて、ノイズ除去回路
23及び24に入力される。
【0039】ノイズ除去回路23,24は、それぞれ外
部マイク16a,16bからの音響信号SOL,SOR
から内部マイク17a,17bからの音響信号SIL,
SIRを減算する等の演算処理を行なうことにより、外
部マイク16a,16bからの音響信号SOL,SOR
から、ロボット内部のノイズ発生源からのノイズ信号を
除去することにより、それぞれノイズを除去した真の音
響信号SL,SRを外部に出力する。
【0040】そして、ピッチ抽出部25,26が、それ
ぞれ音響信号SL,SRに基づいて周波数解析により音
響データDL,DRを生成する。ここで、音響データ
は、例えば図5に示すようなスペクトログラムとして示
される。図5の音響データにおいて、横軸を時刻t
(秒)、縦軸を周波数(Hz)とし、濃度をパワーとし
て、例えば時刻t1から時刻t2まで断続的に連なった
周波数成分が示されている。この周波数成分は、図示の
場合、1000Hz,2000Hz,3000Hz,・
・・のピークの連なりを有しており、整数倍であること
から、これらの周波数成分が唯一つの音を表わし、ある
いはそれぞれ一つの音を表わすものと解され得るが、同
時刻に開始し且つ同時刻に終了していることから、唯一
つの音の調波構造を示していると判断される。従って、
ピッチ抽出部25,26は、最も低い周波数である基本
周波数1000Hzをピッチとする。
【0041】このようにして、ピッチ抽出部25,26
は、音響信号SL,SRに含まれる全ての音に関して当
該音に関するピッチを抽出し、このピッチに対応する当
該音の調波構造,開始時t1,終了時t2と共に、音響
データDL,DR,ピッチ情報として左右チャンネル対
応部27に出力する。
【0042】続いて、左右チャンネル対応部27が、こ
れらの音響データDL,DRに基づいて音源毎の音の方
向付けを行なう。この場合、左右チャンネル対応部27
は、例えば各ピッチ抽出部25,26で抽出された音響
データDL,DRに基づいて、左右のチャンネルの調波
構造を比較して最も近いピッチを対応付ける。その際、
左右のチャンネルのピッチを一対一で比較するだけでな
く、一方のチャンネルの複数のピッチを他方のチャンネ
ルの一つのピッチと比較する等により、より正確な対応
付けを行なうことが好ましい。そして、左右チャンネル
対応部27は、対応付けられたピッチの位相を比較する
ことにより音源の方向を容易に演算して方向付けること
ができる。
【0043】これにより、音源分離部28が、左右チャ
ンネル対応部27からの音の方向付け情報に基づいて、
音響データDL,DRから音源毎の音に関する音響デー
タを抽出して、音源毎の音に分離する。かくして、聴覚
システム20は音源毎の音の分離によって音響認識を行
ない、能動聴覚を行なうことができる。
【0044】このようにして、本発明実施形態による人
型ロボット10によれば、ノイズ除去回路23,24に
より、外部マイク16a,16bからの音響信号SO
L,SORから、内部マイク17a,17bからの音響
信号SIL,SIRに基づいてノイズキャンセルを行な
うことにより、各駆動機構によって外部マイク16a,
16bの指向性の方向を目標に向けながら、S/N比の
良好な音響信号を得て、各音源からの音を分離してより
正確な音声認識を行なうことができる。
【0045】従って、例えば目標が移動している場合で
あっても、各駆動機構によって外部マイク16a,16
bの指向性の方向を常に目標に対して追従させながら、
目標の音響認識を行なうことができる。このとき、左右
チャンネル対応部27が、例えば他の知覚システム30
として視覚システムからの視覚による目標の方向付け情
報を参照して、音の方向付けを行なうことによりより正
確な音の方向付けを行なうことができる。
【0046】また、他の知覚システム30として、視覚
システムが使用される場合、左右チャンネル対応部27
が視覚システムに対して音の方向付け情報を出力するよ
うにしてもよい。この場合、視覚システムが画像認識に
より目標の方向付けを行なう際に、聴覚システム20の
音に関する方向付け情報を参照することによって、例え
ば目標が移動して障害物の裏に隠れてしまった場合で
も、目標からの音を参照して、目標の方向付けをより一
層正確に行なうことができる。
【0047】上述した実施形態において、人型ロボット
10は、4DOF(自由度)を有するように構成されて
いるが、これに限らず、任意の動作を行なうように構成
されたロボットに本発明によるロボット聴覚システムを
組み込むことも可能である。また、上述した実施形態に
おいては、本発明によるロボット聴覚システムを人型ロ
ボット10に組み込んだ場合について説明したが、これ
に限らず、犬型等の各種動物型ロボットや、その他の形
式のロボットに組み込むことも可能であることは明らか
である。さらに、上述した実施形態において、内部マイ
ク17は一対のマイク17a,17bから構成されてい
るが、二対以上のマイクから構成されていてもよい。さ
らにまた、上述した実施形態においては、外部マイク1
6は、一対のマイク16a,16bから構成されている
が、二対以上のマイクから構成されていてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
外部マイクが主として外部の目標からの音を集音し、内
部マイクが主としてロボット内部の駆動機構等のノイズ
発生源からのノイズを集音する。その際、外部マイクが
集音した音響信号には、ロボット内部のノイズ発生源か
らのノイズ信号が混入しているが、この混入したノイズ
信号は、ノイズ除去部における演算処理によって内部マ
イクが集音したノイズ信号にてキャンセルされることに
より著しく低減される。そして、ノイズがキャンセルさ
れた音響信号から、ピッチ抽出部により周波数解析によ
って音響信号を取り出して、この音響信号から左右チャ
ンネル対応部により音の方向付けを行なった後、この音
の方向付けに基づいて、音源分離部によって各音源毎の
音響データに分離する。したがって、外部マイクからの
音響信号は、ノイズ除去部での演算処理によってロボッ
ト内部の駆動機構等のノイズ発生源からのノイズが容易
に著しく低減されて、そのS/N比が大幅に改善される
ので、音源毎の音響データの分離をより一層良好に行な
うことができる。したがって、本発明によれば、駆動機
構等のロボット内部で発生するノイズに影響されること
なく、外部の目標からの音を集音して能動知覚を行なう
ことができるようにした、極めて優れたロボット聴覚シ
ステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロボット聴覚装置の第一の実施
形態を組み込んだ人型ロボットの外観を示す正面図であ
る。
【図2】図1の人型ロボットの側面図である。
【図3】図1の人型ロボットにおける頭部の構成を示す
概略拡大図である。
【図4】図1の人型ロボットにおけるロボット聴覚シス
テムの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4のロボット聴覚システムにおけるピッチ抽
出部により取り出された音響データ、ピッチ情報の一例
を示すグラフである。
【符号の説明】
10 人型ロボット 11 ベース 12 胴体部 13 頭部 13a 連結部材 14 外装 15 カメラ(ロボット視覚) 16,16a,16b 外部マイク 17,17a,17b 内部マイク 20 ロボット聴覚システム 21a,21b,21c,21d アンプ 22a,22b,22c,22d ADコンバータ 23,24 ノイズ除去回路 25,26 ピッチ抽出部 27 左右チャンネル対応部 28 音源分離部 30 他の知覚システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G10L 11/04 G10L 3/00 C 15/28 511 15/00 551H H04R 3/00 320 9/00 F Fターム(参考) 3F059 AA00 BB06 DA05 DC00 DD04 DE01 DE08 3F060 AA00 BA07 BA10 CA14 GD11 HA30 5D015 DD00 EE05 KK01 5D020 BB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にノイズ発生源を備えたロボットに
    おいて、 少なくともロボットの一部を覆う防音性の外装と、 上記外装の外側に設けられ、主として外部の音を集音す
    る少なくとも一対の外部マイクと、 上記外装の内側に設けられ、主として内部のノイズ発生
    源からのノイズを集音する少なくとも一対の内部マイク
    と、 上記外部マイク及び内部マイクからの左右の信号に基づ
    いて、それぞれ外部マイクからの音響信号から内部のノ
    イズ発生源からのノイズ信号をキャンセルするノイズ除
    去部と、 上記ノイズ除去部からの左右の音響信号からそれぞれ周
    波数解析を行なって、時間,周波数及びパワーに関する
    音響データ及びピッチ情報を取り出すピッチ抽出部と、 上記ピッチ抽出部で取り出された左右の音響データ及び
    ピッチ情報に基づいて、当該音響データが示すピッチを
    伴う調波構造から音の方向付けを行なう左右チャンネル
    対応部と、 上記左右チャンネル対応部で取り出された音の方向付け
    情報に基づいて、上記音響データから音源毎の音響デー
    タに分離する音源分離部と、を含んでいることを特徴と
    する、ロボット聴覚システム。
  2. 【請求項2】 内部に駆動機構等のノイズ発生源を備え
    た人型または動物型のロボットにおいて、 少なくともロボットの頭部を覆う防音性の外装と、 上記外装の外側にて両側の耳に対応する両耳位置に設け
    られ、主として外部の音を集音する少なくとも一対の外
    部マイクと、 上記外装の内側に設けられた、主として内部のノイズ発
    生源からのノイズを集音する少なくとも一対の内部マイ
    クと、 上記外部マイク及び内部マイクからの信号に基づいて外
    部マイクからの音響信号から内部のノイズ発生源からの
    ノイズ信号をキャンセルするノイズ除去部と、 上記ノイズ除去部からの左右の音響信号からそれぞれ周
    波数解析を行なって、時間,周波数及びパワーに関する
    音響データ及びピッチ情報を取り出すピッチ抽出部と、 上記ピッチ抽出部で取り出された左右の音響データ及び
    ピッチ情報に基づいて、当該音響データのピッチを伴う
    調波構造から音の方向付けを行なう左右チャンネル対応
    部と、 上記左右チャンネル対応部で取り出された音の方向付け
    情報に基づいて、上記音響データから音源毎の音響デー
    タに分離する音源分離部と、を含んでいることを特徴と
    する、ロボット聴覚システム。
  3. 【請求項3】 さらに、ロボットが視覚,触覚等の知覚
    システムを備えており、前記左右チャンネル対応部が、
    これらの知覚システムからの情報を参照して音の方向付
    けを行なうことを特徴とする、請求項1または2による
    ロボット聴覚装置。
  4. 【請求項4】 前記左右チャンネル対応部が、前記知覚
    システムに対して音の方向付けに関する情報を出力する
    ことを特徴とする、請求項4によるロボット聴覚装置。
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