JP2001215224A - 免疫反応のアッセイ法、免疫学的判定法及びアッセイキット - Google Patents

免疫反応のアッセイ法、免疫学的判定法及びアッセイキット

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JP2001215224A JP2000325518A JP2000325518A JP2001215224A JP 2001215224 A JP2001215224 A JP 2001215224A JP 2000325518 A JP2000325518 A JP 2000325518A JP 2000325518 A JP2000325518 A JP 2000325518A JP 2001215224 A JP2001215224 A JP 2001215224A
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隆 松井
Kohei Yamashita
耕平 山下
Yoshihiro Suzuki
良弘 鈴木
Isao Ono
魁 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ迅速に免疫反応の有無及び強度を測
定することができる方法、免疫学的判定法及びアッセイ
キットを提供する。 【解決手段】 肥満細胞、好塩基球、好酸球、好中球、
T細胞、B細胞、単球又はマクロファージ等の免疫細胞
が関与する免疫反応の有無の検出又は強度を、これらの
免疫細胞が活性化される際に産生する活性酸素種の強度
によって測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免疫反応のアッセイ
法、アレルギー、感染症または自己免疫疾患の罹患、又
はワクチン抗原に対する免疫の成立を判定するための免
疫学的判定法及びアッセイキットに関する。本発明の方
法及びアッセイキットは、診断薬及び臨床検査等の分野
において有用である。
【0002】
【従来の技術】免疫反応は、生体の防御機構として重要
な役割を担っているが、過剰な、あるいは異常な免疫反
応は、アレルギーや自己免疫疾患などの原因ともなる。
これらの免疫疾患の診断において、原因抗原の同定が重
要である。抗原の同定は、抗原に対する抗体の検出によ
って行われることが多い。しかしながら、例えばT細胞
による細胞免疫反応のように、抗体が関与しない免疫反
応もあり、抗体の検出では診断できない場合もある。
【0003】アレルギーは、I型〜IV型の4つのタイプ
に分類される。I型(即時型)アレルギーは、肥満細胞
(マストセル)、好塩基球などのエフェクター細胞の活
性化と、それによるヒスタミン等の化学伝達物質の放出
により引き起こされる。エフェクター細胞は、それらの
細胞上に発現しているIgEレセプターに抗原(アレル
ゲン)特異的IgE抗体が結合し、このIgE分子間に
抗原がブリッジ状に結合することによって活性化され
る。このような機序により、I型アレルギーの診断はア
レルゲン特異的IgE抗体の検出によって行われてい
る。しかしながら、ときに高いIgE抗体価を持ちなが
ら臨床症状が軽い例や、IgE抗体価が低いにもかかわ
らず重い臨床症状を示す例が認められる。
【0004】II型アレルギーは、生体自身の細胞や組織
に結合した抗体が補体系を活性化することにより標的細
胞に障害を与えるものであり、III型アレルギーは、生
体内で生じた抗原−抗体複合体が組織細胞に沈着し、補
体系を活性化させるために惹起されるものであって、い
ずれも抗原に結合した抗体(主にIgG、IgM)が関
与している。
【0005】一方、IV型アレルギーは、抗原により感作
されたT細胞と抗原との反応によりサイトカインが放出
され、それによってマクロファージが活性化されて炎症
反応が引き起こされるものであり、抗体は関与しない。
【0006】上記のタイプのうち、I型〜III型アレル
ギーはいずれも抗原特異的な抗体が関与しているため、
その診断に抗体の検出が有効である。しかし、IV型アレ
ルギーは抗体が関与していないため、原因抗原の検出が
困難であり、現在のところ精度の良いイン・ビトロ検査
法は知られていない。また、イン・ビボ法では、負荷誘
発試験が有効であるが、症状の重い例では危険を伴う。
特に、薬剤アレルギーや金属アレルギー等は、II型、II
I型又はIV型アレルギーの機序による場合も多く、診断
が困難である。
【0007】また、感染症の診断においては、感染抗原
に対する抗体の検出が行われることが多い。しかしなが
ら、検出可能な量の抗体が産生されるまでには、感染か
ら数週間程度の期間を要するため、感染初期の診断は困
難である。
【0008】感染症の予防として行われるワクチン接種
の効果判定には、感染抗原に対する抗体の検出が行われ
る。しかしながら、感作T細胞による免疫反応のよう
に、抗体を介さない免疫反応も存在するため、抗体量が
必ずしも感染原に対する免疫反応の強さを反映するとは
いえない。
【0009】ところで、最近、細胞内酸化還元(レドッ
クス)環境が細胞のシグナル伝達に影響を与えること、
及び、T細胞のアポトーシスシグナルの過程において活
性酸素種が産生され、シグナル伝達のメディエータとし
て働くことがわかってきた(鈴木、生化学、69(3)、p18
7-191、1997)。しかしながら、活性化された免疫細胞
が産生する活性酸素種を、免疫反応の有無又は強度の指
標とし得ることは知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題の一つ
は、簡便かつ迅速に免疫反応の有無及び強度を測定する
ことができる方法を提供することである。また、本発明
の他の課題は、抗体の関与の有無に拘わらず、免疫反応
の有無及び強度を測定することができる方法を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、活性酸素種
産生抑制剤により、エフェクター細胞のヒスタミン遊離
が抑制されること、及び、エフェクター細胞の免疫反応
によって活性酸素種が産生されることを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明は、以下のとおり
である。
【0012】(1)免疫細胞が関与する免疫反応の有無
の検出又は強度の測定のための免疫反応のアッセイ法で
あって、活性化した免疫細胞が産生する活性酸素種を測
定することを特徴とする免疫反応のアッセイ法。 (2)免疫細胞が、肥満細胞、好塩基球、好酸球、好中
球、T細胞、B細胞、単球又はマクロファージの少なく
とも1つから選択される(1)の免疫反応のアッセイ
法。 (3)免疫細胞が、肥満細胞、好塩基球、好酸球、T細
胞又はB細胞であり、免疫細胞を抗原と反応させること
により活性化する(2)の免疫反応のアッセイ法。 (4)免疫細胞が肥満細胞又は好塩基球であり、免疫細
胞に前記抗原をIgE抗体を介して反応させることによ
り活性化する(3)の免疫反応のアッセイ法。 (5)免疫細胞が抗原で感作されたT細胞である(3)
の免疫反応のアッセイ法。
【0013】(6)抗原がアレルゲンである(4)の免
疫反応のアッセイ法。 (7)抗原が感染症抗原、自己抗原又はワクチン抗原か
ら選ばれる前記(1)〜(3)のいずれかの免疫反応の
アッセイ法。 (8)活性酸素種がスーパーオキシドアニオン、一重項
酸素又はヒドロキシルラジカルから選ばれる(1)〜
(7)のいずれかの免疫反応のアッセイ法。 (9)被検者の皮膚又は被検試料に抗原を投与し、発生
する活性酸素種を測定し、その活性酸素種の量を指標と
して免疫細胞による免疫反応が関与する疾患の罹患、又
はワクチン抗原に対する免疫の成立を判定することを特
徴とする免疫学的判定法。 (10)免疫細胞による免疫反応が関与する疾患の罹
患、又はワクチン抗原に対する免疫の成立を判定するた
めのアッセイキットであって、前記免疫細胞による免疫
反応に対応する抗原と、活性酸素種を検出するための試
薬とを含むアッセイキット。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアッセイ法は、免疫細胞が関与する免疫反応の
有無の検出又は強度の測定のための方法であって、活性
化した免疫細胞が産生する活性酸素種を測定することを
含む。
【0015】前記免疫細胞としては、免疫反応に関与す
る細胞であれば特に制限されず、具体的には肥満細胞、
好塩基球、好酸球、好中球、T細胞、B細胞、単球及び
マクロファージが挙げられる。本発明において免疫反応
とは、免疫細胞が抗原と直接又は間接的に相互作用する
ことによって惹起される反応をいう。
【0016】本発明の方法は、免疫細胞が関与する免疫
反応の研究において有用なツールとなり得る。また、臨
床的診断の手段として、免疫細胞による免疫反応が関与
する疾患、又はワクチン抗原に対する免疫の成立の判定
等に利用され得る。具体的には、例えば、被検者の皮膚
又は血球に抗原を投与し、発生する活性酸素種を測定
し、その活性酸素種の量を指標として、免疫反応が関与
する疾患の罹患、又はワクチン抗原に対する免疫の成立
を判定することができる。
【0017】前記免疫反応が関与する疾患としては、喘
息、じん麻疹、アレルギー性鼻炎、花粉症、薬剤アレル
ギー、金属アレルギー等のアレルギー;全身性エリトマ
トーデス、慢性関節リウマチ、同種移植片拒絶、自己免
疫性溶血性貧血、橋本病、パセドウ病等の自己免疫疾
患;糸球体腎炎、脊髄炎、脳炎等の、細菌、真菌又はウ
イルスの感染による感染症等が挙げられる。
【0018】また、ワクチンとしては、種痘、狂犬病、
ジフテリア、百日咳、黄熱病、コレラ、結核BCG、ポ
リオ、日本脳炎、インフルエンザ、麻疹、風疹、ムンプ
ス、A型肝炎、B型肝炎、水痘、肺炎球菌など、従来使
用されているワクチンに加えて、サイトメガロウイル
ス、単純ヘルペス、RSウイルス、ロタウイルス、成人T
細胞白血病、AIDS(後天性免疫不全症候群)、マラリ
ア、腎症候熱、髄膜炎、C型肝炎等、開発中又は将来開
発される疾患に対するワクチンが含まれる。
【0019】疾患の罹患又はワクチン抗原に対する免疫
の成立の判定に用いる被検試料としては、免疫細胞を含
む組織、例えば血液、病理組織等が挙げられる。血液
は、ヘパリンやEDTA(エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム)などの抗凝固剤を添加することが望ましい。さ
らに好ましくは、赤球血球を取り除くとよい。赤血球の
除去には、血液細胞分離用の密度勾配溶液を用いるとよ
い。また、血液細胞分離用の密度勾配溶液を用いて目的
の免疫細胞を分離してもよい。血液細胞分離用の密度勾
配溶液は、市販のものを用いればよく、例えばオプティ
プレップ(ライフテックオリエンタル社)が挙げられ
る。血液細胞を分離する場合は、得られた細胞をPBS
(リン酸緩衝生理塩溶液)等の緩衝生理塩溶液、細胞培
養用培地、又は被検者の血清等に懸濁する。病理組織を
用いる場合は、これを細切し、PBS等の緩衝生理塩溶
液、細胞培養用培地、又は被検者の血清等に懸濁する。
【0020】被検対象が、I型アレルギーの場合には、
上記のようにして調製した被検試料に対応する抗原(ア
レルゲン)を加えると、該抗原に特異的なIgEが免疫
細胞上のFcレセプターに結合しており、これに前記抗
原が結合する。そして前記免疫細胞が活性化されて免疫
反応が惹起され、活性酸素種が産生される。したがっ
て、この活性酸素種を検出することにより、免疫反応を
検出することができる。また、活性酸素種の量を測定す
ることにより、免疫反応の強度を測定することができ
る。一方、試料に加えた抗原が疾患に対応していない場
合には、免疫反応が惹起されないため、活性酸素種は産
生されない。
【0021】被検対象が、IV型アレルギーのように感作
T細胞が関与する場合には、被検試料に抗原を加える
と、抗原が抗原提示細胞に取り込まれ、抗原提示細胞上
の主要組織適合性抗原複合体(MHC)を介して、抗原感
作T細胞に抗原を提示することで免疫反応が惹起され、
活性酸素が産生される。この場合には、試料にはT細胞
とともに抗原提示細胞となるB細胞や単球が含まれるこ
とが必要である。
【0022】また、II型、III型アレルギーの場合に
は、被検試料にアレルゲンを加えると、アレルゲンと該
アレルゲン特異抗体が結合し、このアレルゲン−抗体複
合体を認識した免疫細胞が活性化することによって免疫
反応が惹起され、活性酸素種が産生される。
【0023】他の疾患の罹患の判定、又はワクチン抗原
に対する免疫の成立の判定の場合も、上記のいずれかと
同様であり、抗原として感染症抗原、自己抗原又はワク
チン抗原を用いる。
【0024】前記活性酸素種としては、スーパーオキシ
ドアニオン、一重項酸素又はヒドロキシルラジカルが挙
げられる。活性酸素種を測定する方法としては、例え
ば、活性酸素種の酸化により発光する性質のある物質
(活性酸素増感剤、例えばルミノール、ルシフェリン、
ルシゲニン等)を添加し、この活性酸素増感剤の発光強
度を測定する方法が挙げられる。発光強度の測定方法
は、一般に市販されているルミノメーターを用いればよ
く、例えばLumat LB 9507(BERTHOL
D社)が挙げられる。
【0025】上記のようにして、抗原の添加等によって
免疫反応を惹起したときに測定される発光強度を、免疫
反応を惹起しないときの発光強度と比較することによっ
て、免疫反応の有無又は強度を測定することができる。
【0026】また本発明の方法は、被検者の皮膚を用い
て、イン・ビトロで行うこともできる。例えば、活性酸
素増感剤と抗原をろ紙、スポンジ等にしみ込ませ、これ
を被検者の皮膚に貼付する。1〜10分後これを剥がし、
PBS等の緩衝液に入れてすばやく抽出し、この抽出液
の発光強度をルミノメーターで測定する。抗原を添加し
ない条件で同様の実験を行い発光強度を測定する。ま
た、ろ紙、スポンジ等を皮膚より剥がした後、X線フィ
ルムと接触させ、該X線フィルムを発光で感光させるこ
とで、発光強度を測ることもできる。抗原添加の有無で
の発光強度差により、該抗原による免疫細胞の活性化の
有無及び強さを判断することができる。
【0027】本発明の方法を実施するために必要な試薬
を、キットとして提供することもできる。そのようなキ
ットは、例えば、免疫細胞による免疫反応に対応する抗
原と、活性酸素種を検出するための試薬を含む。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0029】<1>RBL−2H3細胞のヒスタミン遊
離に対する活性酸素種産生阻害剤の効果 ラット好塩基球由来の細胞株RBL−2H3を、1μg
/mLの抗ジニトロフェニル(DNP)IgE抗体(シ
グマ社製)を含む10%FCS−DMEM(10%ウシ
胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル最少培地)に、
2×105個/mLの濃度に懸濁した。24穴培養プレ
ートにそれぞれ1穴あたり1mL添加し、37℃、5%
CO2で一晩培養した。培地を除去し、細胞をPBSで
洗浄し、各種濃度の活性酸素種産生抑制剤であるジフェ
ニレンヨードニウム(DPI、BioMol社)を含む
20mM HEPES−DMEM(20mM HEPES
を含むDMEM培地)を1穴あたり180μL添加し
た。37℃、5% CO2で30分培養後、10μg/m
LのDNP−BSA(DNP結合ウシ血清アルブミン
(Calbiochem-Novabiochem社から入手)を含む20mM
HEPES−DMEMを、1穴あたり20μL添加し
た。さらに、37℃、5% CO2で30分培養後、培養
上清を回収し、ヒスタミン量を市販のELISAキット
(ICN社製)にて測定した。
【0030】非刺激条件下でのヒスタミン遊離量を自然
遊離量(N)とし、細胞を1穴あたり200μLの0.
05% Triton X−100を加えて溶解して得
た細胞溶解液のヒスタミン量を細胞含有総ヒスタミン量
(T)とし、抗原(DNP)による刺激条件下でのヒス
タミン量を(S)として、総ヒスタミンに対する検体の
ヒスタミン遊離の割合(%)を次式により算出した。結
果を表1に示す。
【0031】
【数1】 ヒスタミン遊離(%)=((S−N)÷(T−N))×100
【0032】
【表1】
【0033】上記の結果から、活性酸素種産生抑制剤D
PIにより、RBL−2H3細胞のヒスタミン遊離が抑
制されたことがわかる。
【0034】<2>RBL−2H3細胞のIgE抗体と
抗原刺激による活性酸素種の産生RBL−2H3細胞
を、10cm培養シャーレ(コーニング社)で80%コ
ンフルエント状態まで培養した。さらに、抗DNP I
gE抗体を1μg/mLになるように添加し、37℃、
5% CO2で一晩培養した。培地を除去し、細胞を0.
5mM EDTA PBSで洗浄後、細胞剥離用Tryp
sin−EDTA溶液(ライフテック オリエンタル
社)をシャーレ一枚あたり3mL添加した。37℃で5
分培養して細胞をシャーレから剥離した後、FCSを
0.5mL添加してトリプシンの反応を停止させ、細胞
をプラスチック遠沈管に回収した。
【0035】前記細胞をPBSで洗浄し、ハンクス液
(HBSS、ライフテック オリエンタル社)に107
個/mLの濃度に懸濁した。プラスチック試験管(75
×12mm、SARSTEDT社)に細胞懸濁液を0.
1mLとり、10mMルミノール(シグマ社)を0.1
mL、50U/mL西洋ワサビペルオキシダーゼ(HR
P、シグマ社)を25μL添加した。試験管をルミノメ
ータ(Lumat LB9507、BERTHOLD
社)にセットして発光を検出し、続いて10μg/mL
DNP−BSAを25μL添加して、発光を検出し
た。さらに50U/mL スーパーオキシドディスムタ
ーゼ(SOD、シグマ社)を25μL添加し、発光を検
出した。結果を図1に示す。
【0036】図1に示す通り、抗原(DNP)の添加に
より発光が増加し、SODの添加によって発光が消失し
たことから、RBL−2H3細胞がIgE抗体と抗原の
刺激によって活性酸素種を産生したことは明らかであ
る。
【0037】<3>アレルギー患者末梢血白血球のアレ
ルゲン刺激による活性酸素種の産生ダニアレルギー患者
の肘静脈よりヘパリン含有真空採血管(VECUTAI
NER、Becton Dickinson社)を用い
て末梢血を採取した。室温にて30分静置後、血液の2
5%量の5%デキストランを加え攪拌した。室温にて9
0分静置後、上層の白血球画分を分取し、これを400
×g、15分遠心分離した。上清を捨て、沈殿の細胞に
当初の血液の50%量のハンクス液(HBSS、ライフ
テック オリエンタル社)を加え懸濁した。プラスチッ
ク試験管(75×12mm、SARSTEDT社)に細
胞懸濁液を50μLとり、5mMルシゲニン(シグマ
社)を50μL、ハンクス液(HBSS、ライフテック
オリエンタル社)を100μL添加した。試験管をル
ミノメータ(Lumat LB9507、BERTHO
LD社)にセットして発光を検出し、続いてダニ抗原
(Dermatophagoides pterony
ssinus由来、GREER社)タンパク質濃度5μ
g/mLを50μL添加して、発光を検出した。結果を
図2に示す。図2に示す通りアレルゲンの添加によって
アレルギー患者末梢血白血球から活性酸素種が産生され
ることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法又はキットを用いることに
より、免疫反応を簡便かつ迅速に測定することができ
る。また、本発明により、簡便かつ迅速に、免疫細胞に
よる免疫反応が関与する疾患の罹患、又はワクチン抗原
に対する免疫の成立を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 RBL−2H3細胞の活性化による活性酸素
種の産生を示す図。横軸は時間を、縦軸は発光強度(RL
U:Relative Light Unit、1 RLU=10フォトン)を示す。
【図2】 アレルギー患者白血球のアレルゲン刺激によ
る活性酸素種の産生を示す図である。横軸は時間を、縦
軸は発光強度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/84 G01N 33/84 Z (72)発明者 小野 魁 東京都小平市学園西町3−1−26 Fターム(参考) 2G045 AA25 CA12 CA15 CA16 CA17 CA18 CA19 CA20 CB09 DB30 FB03 FB14 GC15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫細胞が関与する免疫反応の有無の検
    出又は強度の測定のための免疫反応のアッセイ法であっ
    て、活性化した免疫細胞が産生する活性酸素種を測定す
    ることを特徴とする免疫反応のアッセイ法。
  2. 【請求項2】 免疫細胞が、肥満細胞、好塩基球、好酸
    球、好中球、T細胞、B細胞、単球又はマクロファージ
    の少なくとも1つから選択される請求項1に記載の免疫
    反応のアッセイ法。
  3. 【請求項3】 免疫細胞が、肥満細胞、好塩基球、好酸
    球、T細胞又はB細胞であり、免疫細胞を抗原と反応さ
    せることにより活性化する請求項2記載の免疫反応のア
    ッセイ法。
  4. 【請求項4】 免疫細胞が肥満細胞又は好塩基球であ
    り、免疫細胞に前記抗原をIgE抗体を介して反応させ
    ることにより活性化する請求項3記載の免疫反応のアッ
    セイ法。
  5. 【請求項5】 免疫細胞が抗原で感作されたT細胞であ
    る請求項3記載の免疫反応のアッセイ法。
  6. 【請求項6】 抗原がアレルゲンである請求項4記載の
    免疫反応のアッセイ法。
  7. 【請求項7】 抗原が感染症抗原、自己抗原又はワクチ
    ン抗原から選ばれる請求項1〜3のいずれか一項に記載
    の免疫反応のアッセイ法。
  8. 【請求項8】 活性酸素種がスーパーオキシドアニオ
    ン、一重項酸素又はヒドロキシルラジカルから選ばれる
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の免疫反応のアッセ
    イ法。
  9. 【請求項9】 被検者の皮膚又は被検試料に抗原を投与
    し、発生する活性酸素種を測定し、その活性酸素種の量
    を指標として免疫細胞による免疫反応が関与する疾患の
    罹患、又はワクチン抗原に対する免疫の成立を判定する
    ことを特徴とする免疫学的判定法。
  10. 【請求項10】 免疫細胞による免疫反応が関与する疾
    患の罹患、又はワクチン抗原に対する免疫の成立を判定
    するためのアッセイキットであって、前記免疫細胞によ
    る免疫反応に対応する抗原と、活性酸素種を検出するた
    めの試薬とを含むアッセイキット。
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