JP2006094735A - 抗アレルギー剤のスクリーニング法 - Google Patents

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【課題】 免疫細胞系にアレルゲンを作用させ、発生する活性酸素をルミノール発光等ではなく、電子スピン共鳴装置(ESR)により直接測定ことにより、即時型アレルギーの炎症を抑える作用をもつ抗アレルギー剤をスクリーニングする方法を提供する。
【解決手段】 免疫細胞を抗原刺激し発生する活性酸素を指標とすることを特徴とする抗アレルギー剤のスクリーニング法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗アレルギー剤のスクリーニング法に関するものである。
スギやダニに対するアレルギーの即時型アレルギーは、近年花粉症やアトピー性皮膚炎等の大きな問題となっている。即時型アレルギーはT細胞、B細胞、肥満細胞、好塩基球等の免疫系エフェクター細胞が抗原と抗原に対するIgE抗体により活性化され、ヒスタミン等のケミカルメディエーターを放出することにより発症すると考えられている。このため、抗アレルギー薬はステロイド剤や抗ヒスタミン剤などが治療に施されるが、副作用が強くアレルギー患者の状態を健全に保つことはできていない。例えばスギ花粉症等のアレルギーにより発症する鼻炎の治療薬として現在用いられているもののほとんどが抗ヒスタミン剤である。抗アレルギー薬は眠気を引き起こす等の副作用を有していることから、現在、副作用の無い食品、医薬品、医薬部外品等の抗アレルギー剤を見出すことが重要な課題となっている。そのため、多くの天然素材から簡便かつ精度よく、抗アレルギー活性を有する素材をスクリーニングできる方法が望まれていた。
一方、白血球から放出される活性酸素は、アレルギーの中で炎症に大きく関与することが知られているが、最近ではヒト白血球にダニ抗原を作用させると活性酸素が発生し、シグナル伝達のメディエーターとなることも報告されている(非特許文献1)。
また、ラットの好塩基球株化細胞に抗原としてジニトロフェニル(DNP-BSA)を加えた場合、アレルギー反応として生じるヒスタミン放出量が活性酸素消去剤であるジフェニレンヨードニウムによって抑えられること、およびその抗原抗体反応系に、ルミノールとペルオキシダーゼを反応させることで活性酸素発生、およびSOD(活性酸素消去酵素)でその抑制を確認、さらに、アレルギー患者の白血球画分にアレルゲンを作用させることによるルミノール発光の経時的増加が確かめられている(特許文献1)。従ってヒスタミンの放出と活性酸素発生が関連しているとし、活性酸素消去剤でヒスタミン放出抑制が可能であると報告されている。
しかしながら、特許文献1では、活性酸素を各々直接測定しているわけではなく、また抗酸化剤がアレルギー症状の改善に貢献するという直接的な証拠がない。また、この反応系ではルミノール発光にペルオキシダーゼを使用するため、ポリフェノールの様に酵素阻害活性を有する物質、あるいは自家蛍光を有する物質のアッセイには利用できない。
即時型アレルギーの診断には、血清中のヒスタミン量を測定する方法、および、免疫系エフェクター細胞の活性化が細胞表面に存在するIgEレセプターに抗原特異的IgE抗体が結合することにより起こることから、被験者の血清中の抗原特異的IgE抗体を検出する方法等が用いられている。しかし、血中ヒスタミン量はアレルギー症状が起きた時に引き起こされる現象であり、スクリーニング法とするためには、in vtroの系を作製する必要がある。一方、抗原特異的IgE抗体価については、この値が低くてもアレルギー症状が重い場合もあれば、抗体価が高くてもアレルギー症状を発症しない場合もあることが知られており、この指標も抗アレルギー剤のスクリーニング法として用いるには不十分である。
現在、即時型アレルギーの治療または症状緩和のために、抗ヒスタミン剤やステロイド剤が多く用いられるが、これらの医薬品には眠気や倦怠感さらには、肝機能の低下等の副作用をもたらすものが多いため、安全なアレルギー改善薬とは言えない。
特開2001−215224号公報 生化学、鈴木、69、p187-191、1997
本発明は、免疫細胞系にアレルゲンを作用させ、発生する活性酸素をルミノール発光等ではなく、電子スピン共鳴装置(ESR)により直接測定ことにより、即時型アレルギーの炎症を抑える作用をもつ抗アレルギー剤をスクリーニングする方法を提供するものである。
そこで、本発明の発明者らは上記の問題を解決するため、アレルギー症状の作用機序を明確にし、それに基づいた抗アレルギー剤のスクリーニング法を提供する。
すなわち、アレルギー患者の抹消血からT細胞、B細胞、好塩基球、好酸球などの免疫系エフェクター細胞が揃っている白血球画分に、該アレルギーのアレルゲン抗原を作用させることによりヒスタミンが放出されることを確認した。続いて同様の白血球画分系において活性酸素消去活性の高い物質やラット好塩基球細胞株系でヒスタミン放出抑制を確認した物質を存在させておいても、そのヒスタミン放出量および放出率が抑制されないことを確認した。これらの結果から、ヒトのアレルギー症状はラット好塩基球細胞株の培養細胞系ではモニターできないことが明らかとなった。
一方、本発明者らは、当該ヒト白血球画分からさらに精製した好中球95%以上からなる顆粒球に、直接当該アレルギーに対するアレルゲンを作用させることにより、スーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルが発生することを発見した。すなわち、花粉症者の顆粒球にスギ抗原タンパク(SBP)を作用させるとスーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルが発生したが、健常者の顆粒球ではこの現象は起きなかった。また、この系に活性酸素消去活性の高い物質(抗酸化剤)を存在させると、スーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルの発生が抑制されることを確認した。さらに、この活性酸素消去活性の高い物質(抗酸化剤)を花粉症者の鼻腔に噴霧したところ、スギ花粉による鼻炎症状を緩和できることを見出した。
これらの結果より、顆粒球画分にアレルゲンを作用させ活性酸素をESRにより直接測定する方法が、新たな抗アレルギー剤のスクリーニング法になり得ることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 免疫細胞を抗原刺激し発生する活性酸素を指標とすることを特徴とする抗アレルギー剤のスクリーニング法。
(2) 前記免疫細胞が白血球画分である(1)に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
(3) 前記免疫細胞が顆粒球画分である(1)に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
(4) 前記免疫細胞が好中球、好塩基球、好酸球の少なくとも1つから選択される(1)に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
(5) 活性酸素がヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドアニオンの少なくとも1つから選択される(1)に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
(6) ヒドロキシラジカルあるいはスーパーオキサイドアニオンを電子スピン共鳴装置により測定することを特徴とする(5)に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
(7) 免疫細胞を抗原刺激する抗原がスギ抗原タンパク質あるいはスギ抗原である請求項1に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
本発明により、即時型アレルギーの炎症を抑える作用をもつ抗アレルギー剤を効率よくスクリーニングすることができる。
発明者らは上記の問題を解決するため、アレルギー症状の作用機序を明確にし、それに基づいた抗アレルギー剤のスクリーニング法を提供するものである。
すなわち、アレルギー患者の抹消血からT細胞、B細胞、好塩基球、好酸球などの免疫系エフェクター細胞が揃っている白血球画分に、該アレルギーのアレルゲン抗原を作用させることによりヒスタミンが放出されることを確認した。続いて同様の白血球画分系において活性酸素消去活性の高い物質やラット好塩基球細胞株系でヒスタミン放出抑制を確認した物質を存在させておいても、そのヒスタミン放出量および放出率が抑制されないことを確認した。これらの結果から、ヒトのアレルギー症状はラット好塩基球細胞株の培養細胞系ではモニターできないことが明らかとなった。
一方、本発明者らは、当該ヒト白血球画分からさらに精製した好中球95%以上からなる顆粒球に、直接当該アレルギーに対するアレルゲンを作用させることにより、スーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルが発生することを発見した。すなわち、花粉症者の顆粒球にスギ抗原タンパク(SBP)を作用させるとスーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルが発生したが、健常者の顆粒球ではこの現象は起きなかった。また、この系に活性酸素消去活性の高い物質(抗酸化剤)を存在させると、スーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルの発生が抑制されることを確認した。さらに、この活性酸素消去活性の高い物質(抗酸化剤)を花粉症者の鼻腔に噴霧したところ、スギ花粉による鼻炎症状を緩和できることを見出した。
これらの結果より、顆粒球画分にアレルゲンを作用させ活性酸素をESRにより直接測定する方法が、新たな抗アレルギー剤のスクリーニング法になり得ることを見出した。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、免疫細胞を抗原刺激し発生する活性酸素を指標とすることを特徴とする抗アレルギー剤のスクリーニング法に関するものである。
本発明において、指標とするとは、下記のことである。
すなわち、免疫細胞を抗原刺激すると活性酸素が発生する。この抗原刺激時に抗アレルギー作用が期待される対象化合物を添加しておくか、あるいは予め免疫細胞を対象化合物で処理するなどして、抗原刺激による活性酸素発生量を観察する。対象化合物で処理しない場合と処理した場合を比較し、処理した場合の活性酸素発生量が低下していれば、対象化合物に抗アレルギー活性があることを知ることができる
本発明における免疫細胞とは、白血球画分、顆粒球画分または好中球、好塩基球、好酸球の少なくとも1つから選択されるものである。
血液の血球成分を大別すると、赤血球、白血球および血小板の三つとなる。白血球は、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球及び単球からなる。
抗凝固剤を入れた全血にデキストランを加え静置しておくと、赤血球と血小板が凝縮する。これらを沈降させて取り除いたものが白血球画分である。白血球画分を遠心分離機を用いて比重分画すると、リンパ球及び単核球を取り除いた顆粒球画分が得られる。顆粒球画分には、好中球、好塩基球及び好酸球が含まれ、その比率は好中球80〜100%、好塩基球0〜5%及び好酸球0〜15%程度である。
好中球は顆粒球画分の殆どを占め、細菌などの侵入物に対し、貪食作用や活性酸素の産生で対抗する。顕微鏡観察の際、中性染料でよく染色される。
好塩基球は顆粒球画分には僅かしか存在しないが、ヘパリンやヒスタミンを含む顆粒を持ち、炎症に関係する。顕微鏡観察の際、塩基性染料でよく染色される。
好酸球は寄生虫などの大きな侵入物に対し、貪食作用や顆粒中蛋白の放出で対抗する。顕微鏡観察の際、酸性染料でよく染色される。
これら顆粒球はアレルギー炎症を悪化させるメディエーター(ヒスタミン、顆粒タンパク、アラキドン酸代謝物、サイトカイン、platelet activating factor、スーパーオキシド等)を遊離することが知られており、スーパーオキシドに関しては、それ自体が細胞障害性をもつと同時に、他の因子と相乗的に細胞障害性を高めることが予想される。しかし、顆粒球が産生するスーパーオキシドを正確に測定した上でアレルギー反応との相関を調べた例はない。
本発明における活性酸素とは、ヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドアニオンの少なくとも1つから選択されるものである。
ヒドロキシラジカル(HO・)は、過酸化水素に紫外線を照射したり、過酸化水素と2価の鉄イオンとの反応(フェントン反応)により生成する。活性酸素の中で最も反応性の高いラジカルで反応特異性が低い。
スーパーオキサイドアニオン(O2・-)は、酸素分子が1電子還元されたもの。大気中にある酸素の酸化あるいは還元によって生成する活性酸素種のフリーラジカルで、酸素分子に1電子が付加されたものである。
本発明は、上記ヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドアニオンを電子スピン共鳴装置(ESR)により測定するものである。
電子スピン共鳴装置(ESR)とは対象物に磁場を与え、電子間のエネルギー遷移を作り出し、マイクロ波を対象物に照射して、活性酸素・フリーラジカルがもつ磁気的なエネルギーの共鳴吸収を測定するもの。電子スピン共鳴装置(ESR)は活性酸素・フリーラジカルの分子の濃度、電子状態、電子分布、反応性を実際に測り、分子の構造と活性酸素・フリーラジカル反応の両方にわたって調べることができる。
本発明は、免疫細胞を抗原刺激する抗原がスギ抗原タンパク質あるいはスギ抗原であることを特徴とするものである。
スギ花粉中のタンパク質は、花粉症患者に対し抗原として作用する。本発明中の実施例では、日本スギから抽出精製されたスギ抗原タンパク質(生化学工業社製)を抗原として使用している。
スギ花粉中、主要な抗原となるのはCry j1及びCry j2というタンパク質である。本発明の実施例で用いたスギ抗原タンパク質は、このCry j1及びCry j2のいずれも含む。
実施例
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
スギ花粉症患者12名と健常者12名の抹消血をヘパリン含有採血管に採取した。7mlは遠心分離(3000rpm、10分間)を行い、その血漿をスギ特異的IgE抗体量やサイトカイン量の測定に供した。スギ特異的IgE抗体量や各種サイトカイン量の測定は、三菱化学ビーシーエル株式会社(東京都)に委託した。その結果、血清中のスギ特異的IgE抗体の量が高い程、花粉症の症状が重い傾向があったが有意差は見出されなかった(図1)。
同じスギ花粉症患者と健常者の抹消血(33ml)に、1/5量相当の6%デキストラン含有生理食塩水を加え、撹拌後室温で1時間静置し、上層の白血球画分を回収した。白血球画分は遠心分離とタイロード液による縣濁を2回繰り返して洗浄し、該白血球縣濁液6mlを37℃10分間インキュベーション後、1μl/mlのスギ抗原タンパク質(生化学工業社製)を60μl加え、軽く撹拌し、37℃50分間インキュベーションした。遠心分離後、上清をヒスタミン測定に供し、沈殿はタイロード液で縣濁後、超音波で破砕し、遠心分離後の上清のヒスタミン量を測定した。ヒスタミン測定にはELISAを用い、430nmの吸光度を測定することにより、ヒスタミン濃度を定量した。その結果、本法により重度の花粉症者と健常者の間に優位な差が見出されることが明らかになった(図1)。
また、安全性の高い抗酸化剤として、プロアントシアニジン類50%以上含有するリンゴ由来のポリフェノール(アサヒビール社製:登録商標「アップルフェノン」)を白血球画分に加え、同様にスギ抗原タンパク質で刺激し、放出されたヒスタミンを測定したところ、抗酸化剤の影響は全く見られなかった(図2)。
顆粒球(好中球)画分は、抹消血からのデキストラン沈降した白血球画分5mlを、6mlフィコール液(アマシャム社、Ficoll-Paque PLUS)入り遠心管に重層し、1500rpm、45分間、4℃で遠心分離し、上清を除去した。沈殿に0.2%のNaCl溶液を5ml加え、45秒間スポイトを用いて沈殿を縣濁し、顆粒球に混入した赤血球を溶血させた。続いて1.6%NaCl溶液を加え、撹拌して浸透圧を生理食塩水状態へ戻した。もう一度この溶血操作を繰り返し、顆粒球(好中球)画分を得た。
得られた顆粒球画分(1000,000細胞/ml)100μlに、スギ抗原タンパク質を0.2μg/mlとなるように加え、発生するスーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルを、電子スピン共鳴装置(ESR:日本電子社製)により測定した。その結果、本法により軽度の花粉症者と健常者との間においても優位な差が認められることが明らかとなった(図1、3)。
そこで、抗酸化剤として活性酸素消去活性の高いリンゴポリフェノールを、10μg/mlとなるように加え、同様にスギ抗原タンパク質により発生するスーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルを測定したところ、白血球画分からのヒスタミン放出の結果と異なり、抗酸化剤はスーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルの両方とも抑制した(図4)。
活性酸素消去能を有するリンゴポリフェノールを含む点鼻薬を表1の組成で調製し、花粉症患者による点鼻薬使用試験を行った。花粉飛散時期(3月)に、花粉症の症状が現れた患者7名に、一週間、点鼻薬を随時使用させ、使用前後での花粉症による鼻炎症状の程度をアンケートにより調査した。その結果、7名中6名に顕著な鼻炎改善効果が認められた(図5)。効果のなかった1名は慢性的な鼻炎を発症しており、ステロイド系薬剤を服用するものであった。従って、本発明すなわち活性酸素消去能による鼻炎改善薬は、花粉症等のアレルギー鼻炎の初期症状に効果を発揮するものである。
本発明の抗アレルギー剤のスクリーニング法は、従来の抗ヒスタミン剤の様な副作用がほとんどなく、抗アレルギー効果を示す抗アレルギー剤を効率的にスクリーニングできるので、通年性鼻炎および/または花粉症の症状を改善する抗アレルギー剤の開発に極めて有用である。
図1は、血漿中スギIgE抗体、白血球をスギ抗原刺激した場合のヒスタミン放出率および顆粒球を抗原刺激した場合の活性酸素発生量と花粉症症状との関係を示すグラフ。 図2は、白血球をスギ抗原刺激した場合のヒスタミン放出に及ぼすアップルフェノン(AP)の影響を示すグラフ。 図3は、花粉症者および健常者の顆粒球にスギ抗原刺激した場合の活性酸素発生量を示すグラフ。 図4は、顆粒球にスギ抗原刺激することにより発生する活性酸素に対する抗酸化剤の効果を示すグラフ。 図5は、抗酸化剤配合点鼻薬を使用した花粉症者のアンケート結果を示すグラフ。

Claims (7)

  1. 免疫細胞を抗原刺激し発生する活性酸素を指標とすることを特徴とする抗アレルギー剤のスクリーニング法。
  2. 前記免疫細胞が白血球画分である請求項1に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
  3. 前記免疫細胞が顆粒球画分である請求項1に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
  4. 前記免疫細胞が好中球、好塩基球、好酸球の少なくとも1つから選択される請求項1に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
  5. 活性酸素がヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドアニオンの少なくとも1つから選択される請求項1に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
  6. ヒドロキシラジカルあるいはスーパーオキサイドアニオンを電子スピン共鳴装置により測定することを特徴とする請求項5に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。
  7. 免疫細胞を抗原刺激する抗原がスギ抗原タンパク質あるいはスギ抗原である請求項1に記載の抗アレルギー剤のスクリーニング法。

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