JP2001214985A - 可溶栓用低温溶融合金、この合金を用いた可溶栓、および、この可溶栓を用いた冷凍装置 - Google Patents
可溶栓用低温溶融合金、この合金を用いた可溶栓、および、この可溶栓を用いた冷凍装置Info
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Abstract
が高く、さらに、低コストである次世代冷媒に対応した
可溶栓用低温溶融合金、この合金を用いた可溶栓、およ
び、この可溶栓を用いた冷凍装置を提供すること。 【解決手段】 R22、R32、R134a、R407
A、R407C、R407D、R407E、プロピレ
ン、ブタン、イソプレン、プロパン等の冷媒を封入した
冷凍装置用可溶栓の低温溶融合金を、Sn:4〜10w
t%、In:56〜63wt%、Bi:残部とする。ま
た、R404A、R407B、R143a、R410
A、R410B等の冷媒を封入した冷凍装置用可溶栓の
低温溶融合金を、Sn:5〜10wt%、In:56〜
63wt%、Bi:残部とし、さらに、液相線温度を7
1℃以下とする。
Description
置として用いられる可溶栓用低温溶融合金、この合金を
用いた可溶栓、および、この可溶栓を用いた冷凍装置に
関するものである。
則関係基準(通産省令)並びにJISB8204に基づ
いて、各社各様の動作設計が行われている。また、冷凍
装置に用いられる冷媒は、フロンが用いられており、従
来は特にCFC(Chloro Fluoro−Carbons)系冷媒が最
もよく使われてきた。ところが、このCFC系冷媒は、
成層圏において太陽光の紫外線により光分解して活性塩
素を生成し、この活性塩素によりオゾン層を破壊すると
いう問題があり、地球レベルでその使用に対する規制が
厳しくなってきた。このため、現在では、オゾン層の破
壊係数の小さいHCFC(Hydro、 Chloro、 Fluoro−C
arbons)系冷媒に代替されており、今後はオゾン破壊係
数ゼロのHFC(Hydro、Fluoro−Carbons)系冷媒や、
さらには、NH3やCO2などの自然冷媒に切り替わって
いくものと考えられている。
は、冷媒により冷凍装置の設計圧力および冷媒の臨界温
度が変るため、冷媒が切り換わった場合はその動作温度
を再設計する必要がある。なお、冷凍装置の設計圧力と
は、先に述べた関係基準に従うものであり、冷凍装置の
強さを確保するため、冷媒容器、配管などの内容を定め
る設計計算や使用材料、各部の構造を定めるときの判断
基準、さらには、製品完成後の耐圧試験、気密試験圧力
決定に際して基本となるもので、一定の型式に対し、冷
媒の選定と同時にほぼ一意的に決定されるものである。
要の多いR22(HCFC22)を使用冷媒として選定
した空気調和用冷凍装置の場合、その設計圧力は28k
gf/cm2(この圧力における冷媒の飽和温度は約6
4℃前後と推定)であり、このR22の臨界温度は約9
6℃である(なお、そのときの冷媒圧力は50.8kg
f/cm2である)。また、代替冷媒として現在有望視
されているHFC系冷媒R404a(HFC125、H
FC143およびHFC134aの混合冷媒)を選定し
た空気調和用冷凍装置の場合、その設計圧力は30kg
f/cm2(この圧力における冷媒の飽和温度は約62
℃であり、このR404aの臨界温度は約72℃である
(なお、そのときの冷媒圧力は37.6kgf/cm2
である)。
前記関係基準並びにJIS B8204により、以下の
ような条件が要求されている。 (1) 可溶栓(低圧部に用いるものを除く)の溶融温
度は75℃以下とする。 (2) 可溶栓の溶融温度が75℃を超え100℃以下
の場合、耐圧試験(一定温度における冷媒ガスの飽和圧
力に対する1.2倍以上の圧力を作用させる耐圧試験)
を実施し、このときの温度をもって溶融温度とすること
ができる。
「可溶栓の溶融温度は75℃以下とする」との原則的基
準が設けられていても、現状では、可溶栓に用いる栓部
材の低温溶融合金の融点を、75℃以下であって、か
つ、前記冷凍装置の設計圧力における冷媒の飽和温度以
上に設計することは困難である。
して、12.5wt%(重量パーセント)の錫(S
n)、25wt%の鉛(Pb)、50wt%のビスマス
(Bi)、12.5wt%のカドミウム(Cd)を含有
する合金等の如く、有毒物質であるCdやPbを含有す
る合金を安易に選択する傾向があった。なお、この低温
溶融合金を用いた可溶栓の場合、融点が75℃近傍であ
るので、前述の「可溶栓の溶融温度が75℃を超え10
0℃以下の場合、耐圧試験(一定温度における冷媒ガス
の飽和圧力に対する1.2倍以上の圧力を作用させる耐
圧試験)を実施し、このときの温度をもって溶融温度と
することができる。」という基準項目にしたがわざるを
えないものを装備しているところが多い。
有害性は古くから知られており、その使用は廃棄も含め
て規制されている。また、最近Pbの有害性についても
問題になってきており、世界的にその使用についての規
制が検討されている。上記理由から、CdもPbも含有
しない可溶栓用低温溶融合金の開発が望まれている。
まない合金においては、その反応形態の詳細が未だ明確
になっていないため、使用する合金系によっては、低温
溶融相が出現して、通常の冷凍装置運転条件で軟化する
ものがあり、可溶栓に適用した場合に所定温度以下で誤
動作する虞がある。
と、75℃以上の融点を有する合金系を適用しなければ
ならなくなることも考えられるが、融点が75℃以上の
場合には、動作性低下が懸念される。さらに、75℃以
上の融点を有する合金を適用する際には、前述のごとき
耐圧試験を可溶栓に課す必要が生じるため、出荷前に可
溶栓の強度が低下してしまうという懸念があった。ま
た、これを回避しようとして強度を大きくすると、コス
ト高になるという問題もあった。
い合金の例として、錫(Sn)−インジウム(In)−
ビスマス(Bi)系合金の公知例がある。例えば、特開
平8−154093号公報には、電子部品を実装するた
めのはんだ材として、被接合材の耐熱温度以下の液相線
温度を有するSn−In−Bi系合金が開示されてい
る。しかし、この合金は、あくまでも電子部品とプリン
ト基板等との接合を考慮したものに過ぎない。
In、Biの有効含有量により固相線温度が大幅に変化
する可能性がある(発明者の知見によれば57℃〜86
℃程度と思われる)。したがって、このSn−In−B
i系合金をそのまま可溶栓に適用すると、誤動作を生じ
る等の不具合が懸念され、このSn−In−Bi系合金
をそのまま可溶栓に適用することはできないのが現状で
ある。
たもので、その目的とするところは、有害物質であるC
dやPbを含まず、信頼性が高く、さらに、低コストで
ある次世代冷媒に対応した可溶栓用低温溶融合金、この
合金を用いた可溶栓、および、この可溶栓を用いた冷凍
装置を提供することにある。
融合金は、R22、R32、R134a、R407A、
R407C、R407D、R407E、プロピレン、ブ
タン、イソプレン、プロパンの中から選ばれる少なくと
も一つの冷媒を封入した冷凍装置の可溶栓用低温溶融合
金であって、この低温溶融合金は、錫(Sn)−インジ
ウム(In)−ビスマス(Bi)系合金であり、その組
成比を、Sn:Xwt%、In:Ywt%、Bi:Zw
t%であるときに、X+Y+Z=100とし、かつ、4
≦X≦10、56≦Y≦63としたことを特徴とするも
のである。
R404a、R407B、R143A、R410A、R
410Bの中から選ばれる少なくとも一つの冷媒を封入
した冷凍装置の可溶栓用低温溶融合金であって、この低
温溶融合金は、錫(Sn)−インジウム(In)−ビス
マス(Bi)系合金であり、その組成比を、Sn:Xw
t%、In:Ywt%、Bi:Zwt%であるときに、
X+Y+Z=100とし、かつ、5≦X≦10、56≦
Y≦63とするとともに、その液相線温度を71℃以下
としたことを特徴とするものである。
低温溶融合金を用いて製造されたものである。
用いて製造されたものである。
害物質を含まないSn−In−Bi系合金に注目して、
これを可溶栓に適用すべく鋭意研究を行った結果に基づ
くものであり、以下、本発明の実施の形態を、図および
表を参照しながら説明する。
示す。この可溶栓1は、Sn−In−Bi系低温溶融合
金からなる円筒状の栓部材2と、この栓部材2を中心部
に貫通状に取り付けた容器本体3とから成る。そして、
この可溶栓1は、冷媒を貯留する冷凍装置を構成する圧
力容器4の側壁にねじ込み式に取り付けられている。な
お、図1において、圧力容器4はその側壁のみが示され
ている。また、図1においては、図面における下方が圧
力容器4の外側である。
部材2を構成するSn−In−Bi系低温溶融合金の金
属組成比を、表1の配合組成欄に示すように変化させた
場合の低温溶融合金の固相線温度TSと液相線温度T
L、および、試験したサンプル可溶栓の動作性と非動作
性を測定した試験データである。
の低温溶融合金の固相線温度TSと液相線温度TLは、
示差熱分析結果から推定した。また、サンプル可溶栓に
ついての動作性および非動作性の試験準備としては、複
数のサンプル可溶栓および水温可変の水槽とを用意し
た。各サンプル可溶栓は、表1に示された各組成の低温
溶融合金を栓部材2とした可溶栓1を次のように加工し
たものである。すなわち、この各サンプル可溶栓は、可
溶栓1の圧力容器側1a(図1参照)に、圧力計および
減圧弁をサービスポートに備えた窒素ボンベを配管によ
り接続し、この圧力計の圧力目盛が42kgf/cm2
の圧力を指したところで前記配管を封じ切り、栓部材2
にこの圧力(42kgf/cm2)が作用する状態とし
たものである。また、水温可変の水槽は、幅約300m
m、長さ約500mm、高さ約25mmの大きさであっ
て、その内部の水温度を任意に可変としたものである。
作性の試験は次のようにして行った。動作性の試験につ
いては、上記のように準備したサンプル可溶栓を所定水
温に保った前記水槽に所定時間漬け、気泡が観察されれ
ば動作したものと判断し、気泡が観察されなければ動作
しなかったと判断した。そして、75℃以下の温度で動
作したときは合格の印として○、75℃以下の温度で動
作しなかったときは不合格の印として×とした。なお、
この試験における所定時間は、水温と可溶栓1の低温溶
融合金の温度とがバランスする最低時間であればよく、
本試験においては約30秒間とした。
ように準備したサンプル可溶栓を所定水温に保った水槽
に所定時間漬け、気泡が観察されれば動作したものと判
断し、気泡が観察されなければ動作しなかったと判断し
た。そして、水温64℃で動作しなければ合格の印とし
て○、64℃の温度で動作しなかったときは不合格の印
として×とした。なお、所定時間については、前記動作
試験における所定時間と同一とした。
ずつ用意し、1つのサンプル可溶栓につき上記動作性ま
たは非動作性の試験を何れか1回限り行い、窒素ガス圧
力が栓部材2に繰り返し作用することによる栓部材2の
強度への影響を回避した。また、栓部材に作用する圧力
を42kgf/cm2とした理由は、R404aの64
℃における飽和圧力が42kgf/cm2であり、ま
た、R22の64℃における飽和圧力が28kgf/c
m2であってR404aに比し低いことから、高い方の
R404aの飽和圧力に合わせて決定したのである。
プル可溶栓は、何れも合金の固相線温度以下および固液
共存領域では動作せず、液相線温度以上で動作してい
る。しかし、圧力を非常に大きくしたり、確認時間を長
くすれば固液共存領域でも動作する可能性がある。ま
た、はんだの粘度は液相線温度以下で急激に大きくなる
ことがあり、温度ヒューズにおいては使用はんだ材の液
相線温度で動作することがある。したがって、冷凍装置
用可溶栓の場合は、信頼性上少なくとも栓部材2を構成
する低温溶融合金の液相線温度は、冷凍装置に用いられ
る冷媒の臨界温度より低くする必要があると考えられ
る。
〜9のSn−In−Bi合金、すなわち、Snが4〜1
0wt%、Inが56〜63wt%とし、残部をBiと
した組成比のSn−In−Bi合金を栓部材2とした可
溶栓1は、栓部材2を構成する低温溶融合金の固相線温
度が、冷凍装置の設計圧力におけるR22冷媒の飽和温
度64℃より高く、前述の関係基準に定められた溶融温
度75℃(この温度はR22冷媒の臨界温度約96℃よ
り低い)以下で動作することが分かった。
In−Bi合金を栓部材2として用いた可溶栓1は、R
22冷媒を用いた冷凍装置用可溶栓として適用すること
ができることは勿論であるが、R22の場合と同様に、
冷凍装置の設計圧力における飽和温度が64℃以下であ
って、臨界温度が75℃を越えるような冷媒、すなわ
ち、R32、R134a、R407A、R407C、R
407D、R407E、プロピレン、ブタン、イソプレ
ン、プロパン、または、これらの何れかを混合した冷媒
を封入した冷凍装置の可溶栓における栓部材として適用
できる。図2は、Sn−In−Bi合金の状態図に上記
組成範囲を示したものである。
04aが有力視されているが、このR404aを封入し
た冷凍装置用可溶栓の場合は、可溶栓の設計温度におけ
る冷媒の飽和温度が62℃であり、臨界温度が約72℃
である。したがって、この場合の可溶栓1の栓部材2に
用いる低温溶融合金は、前述の動作性および非動作性に
合格するもののうち、固相線温度が62℃を超え、液相
線温度が71℃以下であるものとなる。前述の実施例1
〜9のうち、実施例5〜9は、R404aを封入した冷
凍装置用可溶栓に適用できることが分かる。しかし、実
施例1〜4については、液相線温度が71℃を超えてい
るため、R404aを封入した冷凍装置用可溶栓には適
用できない。
置用可溶栓への適用をさらに厳密にに確認するために行
った試験であり、Snを4wt%としてIn量を変化さ
せ、残部をBiとした低温溶融合金を試作し、示差熱分
析により液相線温度を同定したものである。
きは、Sn−In−Bi系低温溶融合金では液相線温度
の最低が72℃であることが明確となった。したがっ
て、R404aを封入した冷凍装置用可溶栓の栓部材と
して適用できるSn−In−Bi系低温溶融合金は、S
nが5〜10wt%、Inが56〜63wt%とし、残
部をBiとした組成比とすることが好ましいといえる。
温度を有する冷媒として、冷凍装置の設計圧力における
飽和温度が64℃以下であり、臨界温度を71℃〜75
℃と広げた場合には、R404a、R407B、R14
3a、R410A、R410B、または、これら冷媒の
混合冷媒を掲げることができる。
封入した冷凍装置用可溶栓1は、前述の動作性および非
動作性に合格するものであって、栓部材2を構成する低
温溶融合金の液相線温度が71℃以下であることが必要
となる。したがって、この冷凍装置用可溶栓1は、前述
の表1および表2の結果から、実施例5〜9のサンプル
可溶栓のように、Snが5〜10wt%、Inが56〜
63wt%、残部をBiとした組成比を有し、かつ、液
相線温度が71℃以下であるようなSn−In−Bi系
低温溶融合金を栓部材2としたものでよいことが分か
る。
−In−Bi系合金であり、その組成比を、Sn:Xw
t%、In:Ywt%、Bi:Zwt%としたときに、
X+Y+Z=100とし、かつ、4≦X≦10、56≦
Y≦63としたものであり、R22、R32、R134
a、R407A、R407C、R407D、R407
E、プロピレン、ブタン、イソプレン、プロパン等の代
替冷媒を封入した冷凍装置用可溶栓に適用でき、そのコ
スト軽減、信頼性の向上に寄与できる。
Sn−In−Bi系合金であり、その組成比を、Sn:
Xwt%、In:Ywt%、Bi:Zwt%としたとき
に、X+Y+Z=100とし、かつ、5≦X≦10、5
6≦Y≦63とするとともに、液相線温度を71℃以下
としたもので、R404a、R407B、R143a、
R410A、R410B等の代替冷媒を封入した冷凍装
置用可溶栓に適用でき、そのコスト軽減、信頼性の向上
に寄与できる。
融合金を栓部材として用いているので、前述の代替冷媒
を封入した冷凍装置に対し、安価、かつ、高信頼性の可
溶栓を供給することができる。
栓を備えているので、前述の代替冷媒を封入した冷凍装
置において、カドミウム、鉛を取り除いた環境に優し
い、信頼性の高い冷凍装置を供給することができる。
囲を示す状態図。
器、TS 固相線温度、TL 液相線温度。
1)
要の多いR22(HCFC22)を使用冷媒として選定
した空気調和用冷凍装置の場合、その設計圧力は28k
gf/cm2(この圧力における冷媒の飽和温度は約6
4℃前後と推定)であり、このR22の臨界温度は約9
6℃である(なお、そのときの冷媒圧力は50.8kg
f/cm2である)。また、代替冷媒として現在有望視
されているHFC系冷媒R404A(HFC125、H
FC143およびHFC134aの混合冷媒)を選定し
た空気調和用冷凍装置の場合、その設計圧力は30kg
f/cm2(この圧力における冷媒の飽和温度は約62
℃であり、このR404Aの臨界温度は約72℃である
(なお、そのときの冷媒圧力は37.6kgf/cm2
である)。
R404A、R407B、R143a、R410A、R
410Bの中から選ばれる少なくとも一つの冷媒を封入
した冷凍装置の可溶栓用低温溶融合金であって、この低
温溶融合金は、錫(Sn)−インジウム(In)−ビス
マス(Bi)系合金であり、その組成比を、Sn:Xw
t%、In:Ywt%、Bi:Zwt%であるときに、
X+Y+Z=100とし、かつ、5≦X≦10、56≦
Y≦63とするとともに、その液相線温度を71℃以下
としたことを特徴とするものである。
ように準備したサンプル可溶栓を所定水温に保った水槽
に所定時間漬け、気泡が観察されれば動作したものと判
断し、気泡が観察されなければ動作しなかったと判断し
た。そして、水温64℃で動作しなければ合格の印とし
て○、64℃の温度で動作したときは不合格の印として
×とした。なお、所定時間については、前記動作試験に
おける所定時間と同一とした。
ずつ用意し、1つのサンプル可溶栓につき上記動作性ま
たは非動作性の試験を何れか1回限り行い、窒素ガス圧
力が栓部材2に繰り返し作用することによる栓部材2の
強度への影響を回避した。また、栓部材に作用する圧力
を42kgf/cm2とした理由は、R404Aの64
℃における飽和圧力が42kgf/cm2であり、ま
た、R22の64℃における飽和圧力が28kgf/c
m2であってR404Aに比し低いことから、高い方の
R404Aの飽和圧力に合わせて決定したのである。
04Aが有力視されているが、このR404Aを封入し
た冷凍装置用可溶栓の場合は、可溶栓の設計温度におけ
る冷媒の飽和温度が62℃であり、臨界温度が約72℃
である。したがって、この場合の可溶栓1の栓部材2に
用いる低温溶融合金は、前述の動作性および非動作性に
合格するもののうち、固相線温度が62℃を超え、液相
線温度が71℃以下であるものとなる。前述の実施例1
〜9のうち、実施例5〜9は、R404Aを封入した冷
凍装置用可溶栓に適用できることが分かる。しかし、実
施例1〜4については、液相線温度が71℃を超えてい
るため、R404Aを封入した冷凍装置用可溶栓には適
用できない。
置用可溶栓への適用をさらに厳密にに確認するために行
った試験であり、Snを4wt%としてIn量を変化さ
せ、残部をBiとした低温溶融合金を試作し、示差熱分
析により液相線温度を同定したものである。
きは、Sn−In−Bi系低温溶融合金では液相線温度
の最低が72℃であることが明確となった。したがっ
て、R404Aを封入した冷凍装置用可溶栓の栓部材と
して適用できるSn−In−Bi系低温溶融合金は、S
nが5〜10wt%、Inが56〜63wt%とし、残
部をBiとした組成比とすることが好ましいといえる。
温度を有する冷媒として、冷凍装置の設計圧力における
飽和温度が64℃以下であり、臨界温度を71℃〜75
℃と広げた場合には、R404A、R407B、R14
3a、R410A、R410B、または、これら冷媒の
混合冷媒を掲げることができる。
Sn−In−Bi系合金であり、その組成比を、Sn:
Xwt%、In:Ywt%、Bi:Zwt%としたとき
に、X+Y+Z=100とし、かつ、5≦X≦10、5
6≦Y≦63とするとともに、液相線温度を71℃以下
としたもので、R404A、R407B、R143a、
R410A、R410B等の代替冷媒を封入した冷凍装
置用可溶栓に適用でき、そのコスト軽減、信頼性の向上
に寄与できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 R22、R32、R134a、R407
A、R407C、R407D、R407E、プロピレ
ン、ブタン、イソプレン、プロパンの中から選ばれる少
なくとも一つの冷媒を封入した冷凍装置の可溶栓用低温
溶融合金であって、 この低温溶融合金は、錫(Sn)−インジウム(In)
−ビスマス(Bi)系合金であり、 その組成比を、Sn:Xwt%、In:Ywt%、B
i:Zwt%であるときに、X+Y+Z=100とし、
かつ、4≦X≦10、56≦Y≦63としたことを特徴
とする可溶栓用低温溶融合金。 - 【請求項2】 R404a、R407B、R143A、
R410A、R410Bの中から選ばれる少なくとも一
つの冷媒を封入した冷凍装置の可溶栓用低温溶融合金で
あって、 この低温溶融合金は、錫(Sn)−インジウム(In)
−ビスマス(Bi)系合金であり、 その組成比を、Sn:Xwt%、In:Ywt%、B
i:Zwt%であるときに、X+Y+Z=100とし、
かつ、5≦X≦10、56≦Y≦63とするとともに、 その液相線温度を71℃以下としたことを特徴とする可
溶栓用低温溶融合金。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の可溶栓用低温
溶融合金を用いたことを特徴とする可溶栓。 - 【請求項4】 請求項3に記載の可溶栓を用いたことを
特徴とする冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000022686A JP3630400B2 (ja) | 2000-01-31 | 2000-01-31 | 可溶栓用低温溶融合金、この合金を用いた可溶栓、および、この可溶栓を用いた冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000022686A JP3630400B2 (ja) | 2000-01-31 | 2000-01-31 | 可溶栓用低温溶融合金、この合金を用いた可溶栓、および、この可溶栓を用いた冷凍装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001214985A true JP2001214985A (ja) | 2001-08-10 |
JP3630400B2 JP3630400B2 (ja) | 2005-03-16 |
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ID=18548960
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000022686A Expired - Lifetime JP3630400B2 (ja) | 2000-01-31 | 2000-01-31 | 可溶栓用低温溶融合金、この合金を用いた可溶栓、および、この可溶栓を用いた冷凍装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3630400B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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