JP2001214704A - タービンブレード及びガスタービン部材 - Google Patents
タービンブレード及びガスタービン部材Info
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- F01D5/12—Blades
- F01D5/28—Selecting particular materials; Particular measures relating thereto; Measures against erosion or corrosion
- F01D5/288—Protective coatings for blades
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Plasma & Fusion (AREA)
- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温にさらされる部材の耐久性を向上させ
る。 【解決手段】 ガスタービンエンジン用のタービンブレ
ード（１０）は、超合金などの方向性凝固の金属製基材
によって構成されるとともに、エアフォイル（１２）、
根部（１４）、ブレードと根部との間に位置するプラッ
トフォーム（１６）を有する。このプラットフォーム
（１６）は、根部（１４）に隣接する下面（１８）を備
え、このプラットフォームの下面（１８）やネック部
（１９）などの腐食または応力腐食割れを生じやすいブ
レード部分に、白金などの貴金属を含むアルミナイドコ
ーティングが施される。このコーティングは、これらの
領域における腐食や応力腐食割れを防止する。
る。 【解決手段】 ガスタービンエンジン用のタービンブレ
ード（１０）は、超合金などの方向性凝固の金属製基材
によって構成されるとともに、エアフォイル（１２）、
根部（１４）、ブレードと根部との間に位置するプラッ
トフォーム（１６）を有する。このプラットフォーム
（１６）は、根部（１４）に隣接する下面（１８）を備
え、このプラットフォームの下面（１８）やネック部
（１９）などの腐食または応力腐食割れを生じやすいブ
レード部分に、白金などの貴金属を含むアルミナイドコ
ーティングが施される。このコーティングは、これらの
領域における腐食や応力腐食割れを防止する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、腐食防止の
ためのコーティングに関し、特に、このようなコーティ
ングを有する部材に関する。
ためのコーティングに関し、特に、このようなコーティ
ングを有する部材に関する。
【０００２】ここで開示している事柄は、本出願人が有
する、アレン、オルソン、シャー、セテルによる米国特
許出願第０９／４６７，５１６号、名称「耐食性コーテ
ィングを有する部材」、シャー、セテルによる第０９／
４６８，３８９号、名称「耐食性コーティングを有する
部材」、及びアレン、オルソン、シャー、セテルによる
第０９／４６７，２０２号、名称「部材に耐食性コーテ
ィングを施す方法及びコーティングされた部材」にも開
示されている。
する、アレン、オルソン、シャー、セテルによる米国特
許出願第０９／４６７，５１６号、名称「耐食性コーテ
ィングを有する部材」、シャー、セテルによる第０９／
４６８，３８９号、名称「耐食性コーティングを有する
部材」、及びアレン、オルソン、シャー、セテルによる
第０９／４６７，２０２号、名称「部材に耐食性コーテ
ィングを施す方法及びコーティングされた部材」にも開
示されている。
【０００３】
【従来の技術】ガスタービンエンジンは、燃料である化
学的ポテンシャルエネルギを熱エネルギに変換し、続い
て、航空機の推進、発電、流体のポンピングなどの機械
エネルギに変換するためのよく発達した機構である。ガ
スタービンエンジンの効率を向上させるために使用され
る主な方法の１つは、作動温度を上昇させることであ
る。近代型ガスタービンエンジンの最も熱い部分（即
ち、エンジンのタービンセクション内の一次ガス流路）
では、ニッケルまたはコバルトベースの合金から鋳造さ
れたタービンエアフォイル部材が、その融点より高いガ
ス温度にさらされる。これらの部材は、部材内のキャビ
ティを冷却空気が通過していることによって溶けないで
残っている。冷却空気は、このキャビティを循環して部
材の温度を減少させ、部材に設けられた孔を通って部材
から流出し、ここで一次流路内に含まれる熱いガスと混
ざる。しかし、冷却空気を供給すると、エンジン効率が
低下してしまう。
学的ポテンシャルエネルギを熱エネルギに変換し、続い
て、航空機の推進、発電、流体のポンピングなどの機械
エネルギに変換するためのよく発達した機構である。ガ
スタービンエンジンの効率を向上させるために使用され
る主な方法の１つは、作動温度を上昇させることであ
る。近代型ガスタービンエンジンの最も熱い部分（即
ち、エンジンのタービンセクション内の一次ガス流路）
では、ニッケルまたはコバルトベースの合金から鋳造さ
れたタービンエアフォイル部材が、その融点より高いガ
ス温度にさらされる。これらの部材は、部材内のキャビ
ティを冷却空気が通過していることによって溶けないで
残っている。冷却空気は、このキャビティを循環して部
材の温度を減少させ、部材に設けられた孔を通って部材
から流出し、ここで一次流路内に含まれる熱いガスと混
ざる。しかし、冷却空気を供給すると、エンジン効率が
低下してしまう。
【０００４】従って、ガスタービンのハードウェア用の
コーティングに関して多くの開発がなされてきた。歴史
上、これらのコーティングは、タービンガス流路にさら
される表面の耐酸化性や耐食性を向上させるために施さ
れてきた。最近では、要求される冷却空気の量を実質的
に減少することができるように、最も高いガス流路温度
にさらされる内部冷却部材に断熱コーティングが施され
ている。
コーティングに関して多くの開発がなされてきた。歴史
上、これらのコーティングは、タービンガス流路にさら
される表面の耐酸化性や耐食性を向上させるために施さ
れてきた。最近では、要求される冷却空気の量を実質的
に減少することができるように、最も高いガス流路温度
にさらされる内部冷却部材に断熱コーティングが施され
ている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】コーティングは、部材
に構造強度を与えることなく部材の重量を増加させると
ともに、疲労寿命を短くするおそれがあるので、コーテ
ィングの適用は、要求される耐久性を達成するのに必要
な部材部分に意図的に制限される。タービンブレードな
どの回転部材の場合には、コーティングによる重量の増
加によって、ブレードを引っ張る力がかなり増加し、こ
れにより、より強度の高い即ち重量の重いディスクが必
要となってしまう。従って、コーティングが絶対必要で
ある（一般に一次ガス流路面である）ブレード部分にコ
ーティングの適用を更に制限することが必要とされてい
る。
に構造強度を与えることなく部材の重量を増加させると
ともに、疲労寿命を短くするおそれがあるので、コーテ
ィングの適用は、要求される耐久性を達成するのに必要
な部材部分に意図的に制限される。タービンブレードな
どの回転部材の場合には、コーティングによる重量の増
加によって、ブレードを引っ張る力がかなり増加し、こ
れにより、より強度の高い即ち重量の重いディスクが必
要となってしまう。従って、コーティングが絶対必要で
ある（一般に一次ガス流路面である）ブレード部分にコ
ーティングの適用を更に制限することが必要とされてい
る。
【０００６】ガス流路温度が増加すると、タービン部材
やタービンの一次ガス流路に直接さらされていない部材
部分も運転中に比較的高い温度にさらされるおそれがあ
り、従って、これらの部分にも保護コーティングが必要
となり得る。例えば、（プラットフォームの下面、ブレ
ードのネック部、及び接続用の鋸歯状部分などのタービ
ンブレード部分である）ガス流路にさらされていないタ
ービンブレード部分は、運転中に１２００°Ｆ（約６４
９℃）以上の温度にさらされるおそれがある。これらの
ブレード位置は、図１Ａにおいて符号１８，１９によっ
て示されている。このようなブレード部分がさらされる
温度は、タービンの運転温度が増加するのに伴って増加
し続けると予想される。
やタービンの一次ガス流路に直接さらされていない部材
部分も運転中に比較的高い温度にさらされるおそれがあ
り、従って、これらの部分にも保護コーティングが必要
となり得る。例えば、（プラットフォームの下面、ブレ
ードのネック部、及び接続用の鋸歯状部分などのタービ
ンブレード部分である）ガス流路にさらされていないタ
ービンブレード部分は、運転中に１２００°Ｆ（約６４
９℃）以上の温度にさらされるおそれがある。これらの
ブレード位置は、図１Ａにおいて符号１８，１９によっ
て示されている。このようなブレード部分がさらされる
温度は、タービンの運転温度が増加するのに伴って増加
し続けると予想される。
【０００７】本発明は、部材の耐久性を向上させるため
に熱いガス流に直接さらされていないタービンブレード
部分に耐食性コーティングを適用することを開示してい
る。
に熱いガス流に直接さらされていないタービンブレード
部分に耐食性コーティングを適用することを開示してい
る。
【０００８】本発明の他の目的は、熱いガス流に直接さ
らされていない部材部分における応力による腐食割れを
防止するために耐食性コーティングを提供することであ
る。
らされていない部材部分における応力による腐食割れを
防止するために耐食性コーティングを提供することであ
る。
【０００９】本発明のまた他の目的は、ブレードプラッ
トフォームの下側の領域におけるタービンブレードの応
力腐食割れを防止するためにこのようなコーティングを
提供することである。
トフォームの下側の領域におけるタービンブレードの応
力腐食割れを防止するためにこのようなコーティングを
提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の１つの形態で
は、改良された耐食性コーティングの適用によってガス
タービンエンジンの耐久性が向上する。通常、方向性凝
固のニッケルベース超合金から構成されるガスタービン
エンジン用のタービンブレードは、エアフォイル、根
部、及びブレードのエアフォイルと根部との間に位置す
るプラットフォームを含む。このプラットフォームは、
ブレードのネック部に隣接する下面を有し、ブレードの
ネック部は、ブレードの根部に隣接する。
は、改良された耐食性コーティングの適用によってガス
タービンエンジンの耐久性が向上する。通常、方向性凝
固のニッケルベース超合金から構成されるガスタービン
エンジン用のタービンブレードは、エアフォイル、根
部、及びブレードのエアフォイルと根部との間に位置す
るプラットフォームを含む。このプラットフォームは、
ブレードのネック部に隣接する下面を有し、ブレードの
ネック部は、ブレードの根部に隣接する。
【００１１】耐食性の白金アルミナイドコーティングが
プラットフォームの下面やブレードネックの部分に施さ
れる。腐食に対する保護を最大とするために、コーティ
ングは、約３０〜４５重量％の白金、残部実質的にアル
ミニウム及びニッケルを含むことが必要である。このコ
ーティングによって、遮蔽されてガス流路に直接さらさ
れていない部材領域に堆積する硫酸塩による腐食が防止
される。このコーティングの他の利点は、応力腐食割れ
が防止されることである。耐食性コーティングは、塩と
その下のニッケルベース合金部材との間のバリアとして
働き、腐食や応力腐食割れを防止する。
プラットフォームの下面やブレードネックの部分に施さ
れる。腐食に対する保護を最大とするために、コーティ
ングは、約３０〜４５重量％の白金、残部実質的にアル
ミニウム及びニッケルを含むことが必要である。このコ
ーティングによって、遮蔽されてガス流路に直接さらさ
れていない部材領域に堆積する硫酸塩による腐食が防止
される。このコーティングの他の利点は、応力腐食割れ
が防止されることである。耐食性コーティングは、塩と
その下のニッケルベース合金部材との間のバリアとして
働き、腐食や応力腐食割れを防止する。
【００１２】
【発明の実施の形態】図１Ａでは、超合金材料から構成
され、かつ本発明を含むタービンブレードが参照符号１
０として全体的に示されている。タービンブレード１０
は、エアフォイル１２，（回転可能なタービンディスク
にブレードを接続するために使用される）鋸歯状ブレー
ド根部１４、及びエアフォイル１２と鋸歯状根部１４と
の間に位置するプラットフォーム１６を含む。ブレード
のプラットフォームの下面１８と根部１４との間の領域
は、ネック部１９と呼ばれる。一般的に、タービンブレ
ード１０（及び他のガスタービンエンジン部材）は、例
えば、単結晶もしくは成長の方向に平行に配向された複
数の柱状晶を含む方向性凝固のニッケルベース合金によ
って構成されている。例示的な合金の一般的な組成を表
１に示した。柱状晶、単結晶、及び方向性凝固合金を開
示する米国特許には、米国特許第４，２０９，３４８
号、第４，６４３，７８２号、第４，７１９，０８０
号、第５，０６８，０８４号が含まれる。従来技術で周
知のように、運転中にエアフォイルの特定部分の上に冷
却空気が流れるようにするために、タービンブレード１
０の１つもしくはそれ以上の部分に冷却孔を設けること
ができる。
され、かつ本発明を含むタービンブレードが参照符号１
０として全体的に示されている。タービンブレード１０
は、エアフォイル１２，（回転可能なタービンディスク
にブレードを接続するために使用される）鋸歯状ブレー
ド根部１４、及びエアフォイル１２と鋸歯状根部１４と
の間に位置するプラットフォーム１６を含む。ブレード
のプラットフォームの下面１８と根部１４との間の領域
は、ネック部１９と呼ばれる。一般的に、タービンブレ
ード１０（及び他のガスタービンエンジン部材）は、例
えば、単結晶もしくは成長の方向に平行に配向された複
数の柱状晶を含む方向性凝固のニッケルベース合金によ
って構成されている。例示的な合金の一般的な組成を表
１に示した。柱状晶、単結晶、及び方向性凝固合金を開
示する米国特許には、米国特許第４，２０９，３４８
号、第４，６４３，７８２号、第４，７１９，０８０
号、第５，０６８，０８４号が含まれる。従来技術で周
知のように、運転中にエアフォイルの特定部分の上に冷
却空気が流れるようにするために、タービンブレード１
０の１つもしくはそれ以上の部分に冷却孔を設けること
ができる。
【００１３】
【表１】
【００１４】タービン部材の高温腐食の原因である（硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マ
グネシウムなどの種々の混合物である）アルカリ硫酸塩
やアルカリ土類硫酸塩は、タービンガス流路の外側領域
に堆積するおそれがあることが発見された。これらの塩
は、海洋環境において流入空気とともに吸い込まれた
り、燃焼過程の結果として形成され得る。これらの塩に
よるブレードの腐食は、一般に（約１１００°Ｆ［約６
９３℃］である）塩の溶融温度よりも低い温度では非常
に限られている。しかし、タービンの運転温度が増加す
るにつれて、ガス流路から遮蔽されたブレード部分も硫
酸塩の溶融温度を超え、ブレードのネック部及びプラッ
トフォームの下面における腐食が促進されるおそれがあ
る。また、充分に高い応力レベルにおいて、これらの塩
が存在することによって、単結晶もしくは柱状晶構造を
有する方向性凝固のニッケルベースタービン合金の応力
腐食割れが起こり得る。このような材料の応力腐食割れ
は、新しく発見された現象である。
酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マ
グネシウムなどの種々の混合物である）アルカリ硫酸塩
やアルカリ土類硫酸塩は、タービンガス流路の外側領域
に堆積するおそれがあることが発見された。これらの塩
は、海洋環境において流入空気とともに吸い込まれた
り、燃焼過程の結果として形成され得る。これらの塩に
よるブレードの腐食は、一般に（約１１００°Ｆ［約６
９３℃］である）塩の溶融温度よりも低い温度では非常
に限られている。しかし、タービンの運転温度が増加す
るにつれて、ガス流路から遮蔽されたブレード部分も硫
酸塩の溶融温度を超え、ブレードのネック部及びプラッ
トフォームの下面における腐食が促進されるおそれがあ
る。また、充分に高い応力レベルにおいて、これらの塩
が存在することによって、単結晶もしくは柱状晶構造を
有する方向性凝固のニッケルベースタービン合金の応力
腐食割れが起こり得る。このような材料の応力腐食割れ
は、新しく発見された現象である。
【００１５】本発明の１つの形態では、アルミナイドコ
ーティングを含む耐食性貴金属（図１Ｂの符号２１）
が、タービンブレード１０のプラットフォームの下面１
８やネック部１９などの超合金基材２０の部分に施さ
れ、これらの位置におけるブレードの腐食または応力腐
食割れを防ぐ。このコーティングは、当業者に周知の単
相β−（Ｎｉ，Ｐｔ）Ａｌのミクロ構造を特徴とするこ
とが望ましい。本発明は、図１Ａでタービンブレードと
して示しているが、本発明は特定の部材に限定されるも
のではない。タービンの一次ガス流路から遮蔽され、か
つ比較的高い応力及び腐食条件にさらされている他の部
材に対しても本発明は有益であると思われる。
ーティングを含む耐食性貴金属（図１Ｂの符号２１）
が、タービンブレード１０のプラットフォームの下面１
８やネック部１９などの超合金基材２０の部分に施さ
れ、これらの位置におけるブレードの腐食または応力腐
食割れを防ぐ。このコーティングは、当業者に周知の単
相β−（Ｎｉ，Ｐｔ）Ａｌのミクロ構造を特徴とするこ
とが望ましい。本発明は、図１Ａでタービンブレードと
して示しているが、本発明は特定の部材に限定されるも
のではない。タービンの一次ガス流路から遮蔽され、か
つ比較的高い応力及び腐食条件にさらされている他の部
材に対しても本発明は有益であると思われる。
【００１６】本発明の実施例では、プラットフォームの
下面１８，１９に施されたコーティングは、約１１〜６
５重量％、より望ましくは約３０〜５５重量％、最も望
ましくは３０〜４５重量％の白金を含み、残部が実質的
にアルミニウムとニッケルである、白金アルミナイドコ
ーティングであることが望ましい。この組成は、例え
ば、コーティングの総厚の外側の２０％よりも浅い、コ
ーティングの表面に近い位置で測定される。驚くこと
に、最も好適な白金の割合よりも少ないまたは多い量の
白金を含む白金アルミナイドコーティングは、腐食に対
して所望の程度の保護を提供することができない。アル
ミナイドコーティングに含まれるものとして他の貴金
属、特にパラジウムとロジウムを使用することもでき
る。現在白金が最も望ましいが、ここでは、上記の他の
材料も含まれる。コーティングは、耐酸化性または耐食
性を更に向上させるために、イットリウム、ハフニウ
ム、ケイ素などの他の成分を含むこともできる。コーテ
ィングは、種々の処理によって施すことができるが、こ
こでは、白金層をめっきによって施し、続いて、めっき
した白金層を覆うとともにこれと拡散させるためにパッ
クを使用しない（ｏｕｔ−ｏｆ−ｐａｃｋ）アルミニウ
ム処理を行った。白金は、スパッタリングや他の適切な
処理によって施すこともでき、アルミニウムは、パック
内（ｉｎ−ｐａｃｋ）処理または蒸着などの他の適切な
処理によって施すこともできる。パックを使用しないア
ルミニウム処理は、一般に、タービンブレードなどの部
材の内部流路をコーティングするためにも使用されてお
り、エアフォイルの表面などのタービンの一次ガス流路
にさらされる面をコーティングするためにも用いられて
いる。
下面１８，１９に施されたコーティングは、約１１〜６
５重量％、より望ましくは約３０〜５５重量％、最も望
ましくは３０〜４５重量％の白金を含み、残部が実質的
にアルミニウムとニッケルである、白金アルミナイドコ
ーティングであることが望ましい。この組成は、例え
ば、コーティングの総厚の外側の２０％よりも浅い、コ
ーティングの表面に近い位置で測定される。驚くこと
に、最も好適な白金の割合よりも少ないまたは多い量の
白金を含む白金アルミナイドコーティングは、腐食に対
して所望の程度の保護を提供することができない。アル
ミナイドコーティングに含まれるものとして他の貴金
属、特にパラジウムとロジウムを使用することもでき
る。現在白金が最も望ましいが、ここでは、上記の他の
材料も含まれる。コーティングは、耐酸化性または耐食
性を更に向上させるために、イットリウム、ハフニウ
ム、ケイ素などの他の成分を含むこともできる。コーテ
ィングは、種々の処理によって施すことができるが、こ
こでは、白金層をめっきによって施し、続いて、めっき
した白金層を覆うとともにこれと拡散させるためにパッ
クを使用しない（ｏｕｔ−ｏｆ−ｐａｃｋ）アルミニウ
ム処理を行った。白金は、スパッタリングや他の適切な
処理によって施すこともでき、アルミニウムは、パック
内（ｉｎ−ｐａｃｋ）処理または蒸着などの他の適切な
処理によって施すこともできる。パックを使用しないア
ルミニウム処理は、一般に、タービンブレードなどの部
材の内部流路をコーティングするためにも使用されてお
り、エアフォイルの表面などのタービンの一次ガス流路
にさらされる面をコーティングするためにも用いられて
いる。
【００１７】実施例として、本発明によってタービンブ
レードをコーティングした。ブレードは、１０Ｃｏ，５
Ｃｒ，５．６５Ａｌ，１．９Ｍｏ，８．７Ｔａ，５．９
Ｗ，３Ｒｅ，０．１Ｈｆ，残部Ｎｉ（単位は重量％）の
公称組成を有するニッケルベースの超合金によって構成
されたものを使用した。ブレードのネック部を含むプラ
ットフォームの下面は、約１６５〜１８０°Ｆ（約７４
〜８２℃）に保った六塩化白金酸（ｈｅｘａｃｈｌｏｒ
ｏｐｌａｔａｎｉｃ ａｃｉｄ）のめっき浴にこの面を
浸すことによって白金をめっきした。ブレード根部の部
分は、一般的にはめっきされず、めっきが望まれないこ
れらの及び他の部分にはマスクを施すことができる。め
っき時間は、めっき溶液の濃度及び施されるめっき層の
厚さによって異なる。本発明の目的では、約０．１５〜
０．３ミルの厚さを有するめっき層が良好に使用された
が、実質的に厚いまたは薄い層を使用することもでき
る。
レードをコーティングした。ブレードは、１０Ｃｏ，５
Ｃｒ，５．６５Ａｌ，１．９Ｍｏ，８．７Ｔａ，５．９
Ｗ，３Ｒｅ，０．１Ｈｆ，残部Ｎｉ（単位は重量％）の
公称組成を有するニッケルベースの超合金によって構成
されたものを使用した。ブレードのネック部を含むプラ
ットフォームの下面は、約１６５〜１８０°Ｆ（約７４
〜８２℃）に保った六塩化白金酸（ｈｅｘａｃｈｌｏｒ
ｏｐｌａｔａｎｉｃ ａｃｉｄ）のめっき浴にこの面を
浸すことによって白金をめっきした。ブレード根部の部
分は、一般的にはめっきされず、めっきが望まれないこ
れらの及び他の部分にはマスクを施すことができる。め
っき時間は、めっき溶液の濃度及び施されるめっき層の
厚さによって異なる。本発明の目的では、約０．１５〜
０．３ミルの厚さを有するめっき層が良好に使用された
が、実質的に厚いまたは薄い層を使用することもでき
る。
【００１８】ブレードの必要な部分を白金でめっきした
後、めっき部分を含む部材の所望の部分にアルミナイド
層を施すために、部材にアルミニウム処理を行った。白
金アルミナイドコーティングを形成するための部材のア
ルミニウム処理は、共に本出願人が有し、ベンデン等に
付与された米国特許第４，１３２，８１６号、及び第
４，１４８，２７５号に開示されているように実施し
た。このようなアルミニウム処理は、エアフォイルの外
側面及び内側面のコーティングの際にも使用されてい
る。他の処理及び装置を使用して同様の結果を得ること
もできる。
後、めっき部分を含む部材の所望の部分にアルミナイド
層を施すために、部材にアルミニウム処理を行った。白
金アルミナイドコーティングを形成するための部材のア
ルミニウム処理は、共に本出願人が有し、ベンデン等に
付与された米国特許第４，１３２，８１６号、及び第
４，１４８，２７５号に開示されているように実施し
た。このようなアルミニウム処理は、エアフォイルの外
側面及び内側面のコーティングの際にも使用されてい
る。他の処理及び装置を使用して同様の結果を得ること
もできる。
【００１９】貴金属で改良したアルミナイドコーティン
グは、約０．００５センチ（１２５μｍ）の最大厚さま
でブレードのプラットフォームの下面及びネック部に施
され、耐食性または応力腐食割れ耐性を提供する。得ら
れる最終的なコーティング厚さは、初期の貴金属めっき
層の厚さ、アルミニウム処理の温度及び時間、コーティ
ング後の拡散熱処理などによって決まってくる。タービ
ンブレードなどの回転する用途では、コーティング厚さ
は、コーティングされるべき領域を完全に覆うととも
に、一般的なブレード耐用期間に亘って保護を提供する
ために必要な腐食寿命を達成するように充分である必要
がある。コーティングの最大許容厚さは、コーティング
に関連する疲労によって制限され得る。従って、回転部
材の最終的なコーティング厚さは、望ましくは、約０．
００５センチ（５ミル）よりも薄く、かつ０．００１セ
ンチ（１ミル）よりも厚く、更に望ましくは、約０．０
０３センチ（３ミル）よりも薄い。
グは、約０．００５センチ（１２５μｍ）の最大厚さま
でブレードのプラットフォームの下面及びネック部に施
され、耐食性または応力腐食割れ耐性を提供する。得ら
れる最終的なコーティング厚さは、初期の貴金属めっき
層の厚さ、アルミニウム処理の温度及び時間、コーティ
ング後の拡散熱処理などによって決まってくる。タービ
ンブレードなどの回転する用途では、コーティング厚さ
は、コーティングされるべき領域を完全に覆うととも
に、一般的なブレード耐用期間に亘って保護を提供する
ために必要な腐食寿命を達成するように充分である必要
がある。コーティングの最大許容厚さは、コーティング
に関連する疲労によって制限され得る。従って、回転部
材の最終的なコーティング厚さは、望ましくは、約０．
００５センチ（５ミル）よりも薄く、かつ０．００１セ
ンチ（１ミル）よりも厚く、更に望ましくは、約０．０
０３センチ（３ミル）よりも薄い。
【００２０】図２は、本発明に開示したコーティングの
適用によって得られた腐食寿命の向上を示している。最
も所望の範囲の白金の含有量を有するコーティングされ
たブレードに対して、硫酸塩及びＳＯ2が存在する状態
において１３５０°Ｆ（約７３２℃）の温度で腐食試験
を行ったところ、コーティングされていないブレードに
比べて腐食寿命が２〜４倍の向上した。同様のコーティ
ングを試験片に施した場合には、応力腐食割れも防止さ
れることが示された。
適用によって得られた腐食寿命の向上を示している。最
も所望の範囲の白金の含有量を有するコーティングされ
たブレードに対して、硫酸塩及びＳＯ2が存在する状態
において１３５０°Ｆ（約７３２℃）の温度で腐食試験
を行ったところ、コーティングされていないブレードに
比べて腐食寿命が２〜４倍の向上した。同様のコーティ
ングを試験片に施した場合には、応力腐食割れも防止さ
れることが示された。
【００２１】本発明は、タービンブレードなどの応力腐
食割れが生じる得る部材の修理や改修で使用することも
できる。場合によっては、ブレードの外側面に亘ってア
ルミナイドコーティングが施されていることもある。プ
ラットフォームの下面や応力腐食割れを生じる得る部分
上のアルミナイドコーティングは、酸によるストリッピ
ングまたは他の適切な処理によって剥がされ、その後に
上述のように貴金属層がめっきされる。続いて、上述の
アルミニウム処理が実行される。または、コーティング
面にアルミナイド層が存在しても、必要に応じて存在す
る層を洗浄した後に、この層の上に直接貴金属層をめっ
きすることもできる。
食割れが生じる得る部材の修理や改修で使用することも
できる。場合によっては、ブレードの外側面に亘ってア
ルミナイドコーティングが施されていることもある。プ
ラットフォームの下面や応力腐食割れを生じる得る部分
上のアルミナイドコーティングは、酸によるストリッピ
ングまたは他の適切な処理によって剥がされ、その後に
上述のように貴金属層がめっきされる。続いて、上述の
アルミニウム処理が実行される。または、コーティング
面にアルミナイド層が存在しても、必要に応じて存在す
る層を洗浄した後に、この層の上に直接貴金属層をめっ
きすることもできる。
【００２２】本発明は、従来技術をかなり改善する。現
場の経験から、これらの領域にコーティングを含まない
ブレードは、運転中に重大な腐食被害を受けるおそれが
ある。タービンブレードのプラットフォームの下面など
の高温にさらされる部材の選択された部分に、所望の組
成を有するアルミナイドコーティングを含む貴金属を使
用することによって、運転中における優れた腐食保護及
び応力腐食保護が提供される。
場の経験から、これらの領域にコーティングを含まない
ブレードは、運転中に重大な腐食被害を受けるおそれが
ある。タービンブレードのプラットフォームの下面など
の高温にさらされる部材の選択された部分に、所望の組
成を有するアルミナイドコーティングを含む貴金属を使
用することによって、運転中における優れた腐食保護及
び応力腐食保護が提供される。
【００２３】本発明を詳細に説明してきたが、本発明の
趣旨及び請求項の範囲から逸脱することなく、種々の変
更及び代用を行うことができる。例えば、修理中などに
存在するアルミナイド層の上に白金をめっきし、続い
て、めっき層にアルミニウム処理を行うことができる。
従って、本発明は実施例によって説明したものであり、
限定的なものではない。
趣旨及び請求項の範囲から逸脱することなく、種々の変
更及び代用を行うことができる。例えば、修理中などに
存在するアルミナイド層の上に白金をめっきし、続い
て、めっき層にアルミニウム処理を行うことができる。
従って、本発明は実施例によって説明したものであり、
限定的なものではない。
【図１】図１Ａは、本発明に係る超合金部材の説明図で
あり、図１Ｂは、図１Ａの部材に施したコーティングの
説明図である。
あり、図１Ｂは、図１Ａの部材に施したコーティングの
説明図である。
【図２】本発明の白金アルミナイドコーティングによっ
て得られる腐食寿命の向上を示すグラフである。
て得られる腐食寿命の向上を示すグラフである。
１０…タービンブレード １２…エアフォイル １４…鋸歯状根部 １６…プラットフォーム １８…プラットフォームの下面 １９…ネック部
フロントページの続き (72)発明者 ウォルター イー．オルソン アメリカ合衆国，コネチカット，ヴァーノ ン，ウィンディング ブルック トレイル 46
Claims (18)
- 【請求項１】 エアフォイルと、根部と、ブレードと該
根部との間に位置するプラットフォームと、を定める超
合金基材を含むタービンブレードであって、前記プラッ
トフォームは、前記根部に隣接する下面を備えており、
該プラットフォームの下面と前記ブレードのネック部と
に貴金属を含むアルミナイドの耐食性コーティングが施
されていることを特徴とするタービンブレード。 - 【請求項２】 前記アルミナイドコーティングは、白金
アルミナイドコーティングであることを特徴とする請求
項１記載のタービンブレード。 - 【請求項３】 前記コーティングは、白金約１１〜６０
重量％、残部実質的にアルミニウムとニッケルを含んで
いることを特徴とする請求項１記載のタービンブレー
ド。 - 【請求項４】 前記コーティングは、白金約２２〜５５
重量％、残部実質的にアルミニウムとニッケルを含んで
いることを特徴とする請求項１記載のタービンブレー
ド。 - 【請求項５】 前記コーティングは、白金約３０〜４５
重量％、残部実質的にアルミニウムとニッケルを含んで
いることを特徴とする請求項１記載のタービンブレー
ド。 - 【請求項６】 前記コーティングは、約０．００５セン
チより薄い公称厚さを有していることを特徴とする請求
項１記載のタービンブレード。 - 【請求項７】 更に、現存するアルミナイドコーティン
グの上に施された白金アルミナイド層を含んでいること
を特徴とする請求項１記載のタービンブレード。 - 【請求項８】 前記基材が方向性凝固のニッケルベース
合金によって構成されていることを特徴とする請求項１
記載のタービンブレード。 - 【請求項９】 前記基材が柱状晶のニッケルベース合金
を含んでいることを特徴とする請求項１記載のタービン
ブレード。 - 【請求項１０】 前記基材が単結晶のニッケルベース合
金を含んでいることを特徴とする請求項１記載のタービ
ンブレード。 - 【請求項１１】 一次ガス流路の温度が１０００℃を超
える環境で動作する超合金製ガスタービン部材であっ
て、この部材は、熱いガス流路に直接さらされる第１の
露出部分と、前記熱いガス流路に直接さらされないよう
に遮蔽された第２の遮蔽部分と、該露出部分と該遮蔽部
分との間の第３の部分と、を含み、この第３の部分に白
金アルミナイドの耐食性コーティングが施されているこ
とを特徴とするガスタービン部材。 - 【請求項１２】 前記部材は、タービンブレードを含
み、前記第１の部分は、エアフォイルであり、前記第２
の部分は、根部であり、前記第３の部分は、プラットフ
ォームであり、前記プラットフォームの下面に白金アル
ミナイドの耐食性コーティングが施されていることを特
徴とする請求項１１に記載のガスタービン部材。 - 【請求項１３】 前記部材は、方向性凝固の超合金材料
から構成されていることを特徴とする請求項１１に記載
のガスタービン部材。 - 【請求項１４】 前記コーティングは、約０．００５セ
ンチより薄い公称厚さを有していることを特徴とする請
求項１１に記載のガスタービン部材。 - 【請求項１５】 前記コーティングは、変動する量のハ
フニウム、ケイ素、及び／またはイットリウムを含んで
いることを特徴とする請求項１１に記載のガスタービン
部材。 - 【請求項１６】 前記部材の少なくとも一部に、前記エ
アフォイル面に施されたコーティングとは異なる組成の
コーティングが施されていることを特徴とする請求項１
記載のタービンブレード。 - 【請求項１７】 前記エアフォイルの少なくとも一部
が、拡散アルミナイドによってコーティングされてお
り、前記プラットフォームの下面が、貴金属を含むアル
ミナイドによってコーティングされていることを特徴と
する請求項１記載のタービンブレード。 - 【請求項１８】 前記コーティングが、更に、イットリ
ウム、ハフニウム、及び／またはシリコンを含んでいる
ことを特徴とする請求項１記載のタービンブレード。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US09/467517 | 1999-12-20 | ||
| US09/467,517 US6435835B1 (en) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | Article having corrosion resistant coating |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001214704A true JP2001214704A (ja) | 2001-08-10 |
Family
ID=23856023
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000386529A Pending JP2001214704A (ja) | 1999-12-20 | 2000-12-20 | タービンブレード及びガスタービン部材 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (2) | US6435835B1 (ja) |
| JP (1) | JP2001214704A (ja) |
| SG (1) | SG93902A1 (ja) |
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