JP2001213854A - シクロヘキサノンオキシムの製造方法 - Google Patents

シクロヘキサノンオキシムの製造方法

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JP2001213854A
JP2001213854A JP2000024891A JP2000024891A JP2001213854A JP 2001213854 A JP2001213854 A JP 2001213854A JP 2000024891 A JP2000024891 A JP 2000024891A JP 2000024891 A JP2000024891 A JP 2000024891A JP 2001213854 A JP2001213854 A JP 2001213854A
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reaction
catalyst
cyclohexanone oxime
cyclohexene
benzene
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Hiroo Ogawa
博生 小川
Sadataka Kanejima
節隆 金島
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 工程数が少なく、転化率・生産性が高く、エ
ネルギー消費が少く、穏和な反応条件で、操作・設備が
簡便なシクロヘキサノンオキシLの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ベンゼンを出発原料として、製造工程が
以下の1)〜3)の工程を含むことを特徴とする、シク
ロヘキサノンオキシムの製造方法。 1)ベンゼンを触媒(A)の存在下で部分水素化(A)
してシクロヘキセンを得る工程。 2)シクロヘキセンをニトロ化してニトロシクロヘキセ
ンを得る工程。 3)ニトロシクロヘキセンを触媒(B)の存在下で部分
水素化(B)してシクロヘキサノンオキシムを得る工
程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術的分野】本発明は、6−ナイロン等
の原料のε−カプロラクタムの前駆体である有用なシク
ロヘキサノンオキシムを製造する方法に関するものであ
る。更に詳しくはベンゼンを出発原料として部分水素
化、ニトロ化、部分水素化を順次行うことを特徴とする
シクロヘキサノンオキシムの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】シクロヘキサノンオキシムは、6−ナイ
ロン等の原料であるε−カプロラクタムの前駆体であ
り、非常に重要な基幹化学原料である。その工業的製造
方法としては、工業的に容易に得られるベンゼンを出発
原料とした後述のようないくつかの製造方法が採用され
ている。
【0003】工業的に最も広く行われている製造方法
は、ベンゼンを完全水素化してシクロヘキサンにしこれ
を空気酸化してシクロヘキサノールとシクロヘキサノン
の混合物を得、シクロヘキサノールはさらに脱水素して
シクロヘキサノンにした後、別途アンモニアを空気酸化
さらに水素化して製造したヒドロキシルアミン塩と反応
させてシクロヘキサノンオキシムを得るものである。
【0004】しかしながら、この方法では工程数が多
く、シクロヘキサンの空気酸化工程において、選択率を
向上させるために転化率を3〜10%程度に低く抑える
必要があるため生産性が低く、未反応シクロヘキサンの
リサイクルのために多量のエネルギーを必要とする上、
選択率も73〜83%程度とあまり高くない。かつ、カ
ルボン酸、エステル等の多量の副生成物が生成し、これ
を除去するためにアルカリによる処理が必要である等、
操作が煩雑である。転化率を12〜15%、選択率を9
0%程度に上げる方法も行われているが、ホウ酸等を大
量に使い、そのリサイクルが必要である等、さらに操作
が煩雑である。
【0005】さらに、反応温度が120〜160℃と高
い酸化反応であり、注意深い運転管理と、オイル中に酸
素含有ガスを吹き込むための特別な設備が必要であり、
詰まり、汚れ、材質の腐食等の問題もある。脱水素工程
においては、平衡規制のため、シクロヘキサノールの転
化率が70〜90%程度以下と限界があり、かつ原料の
シクロヘキサノールと生成物のシクロヘキサノンの沸点
が近いために、分離のためのエネルギーを多量に必要と
する。また、シクロヘキサノンのオキシム化剤であるヒ
ドロキシルアミンは、アンモニアを空気酸化して得たN
O、もしくはNO2、もしくは硝酸を、さらに触媒の存
在下、水素化して製造する必要があり、この触媒分離が
煩雑である。
【0006】またヒドロキシルアミン自身は安定性が低
いため、安定なヒドロキシルアミン塩、主に硫酸塩、リ
ン酸塩等を製造する必要があり、そのために、オキシム
化工程からヒドロキシルアミン製造工程に硫酸やリン酸
をリサイクルする必要があり、そのための分離操作が煩
雑である。さらに、オキシム化工程では平衡規制のた
め、反応を進行させるためにはpHを中性付近に保つ必
要があるが、その結果、硫安等の塩が副生する、もしく
は、リン酸等を用いた緩衝液を使用する必要がある等、
操作が煩雑である等が大きな課題として残っている。
【0007】この方法の改良法として、ベンゼンを部分
水素化して、シクロヘキセンとし、これを水和してシク
ロヘキサノールを得、脱水素してシクロヘキサノンを得
る方法が知られている。この方法は、前述の製造方法と
工程数は同等であるが、ベンゼンからシクロヘキサノン
までの、副生シクロヘキサンを含む選択率が高い。しか
しながら、水和工程のシクロヘキセンの転化率が10〜
20%程度と低く、生産性が低い上、未反応シクロヘキ
センのリサイクルのために多量のエネルギーを要する。
また、前述のシクロヘキサンの空気酸化反応では生成物
がシクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合物であ
るのに対し、生成物がすべてシクロヘキサノールである
ため、シクロヘキサノールの脱水素のための反応器が大
きくなる。
【0008】また、ベンゼンからフェノールを製造し、
これをPd触媒等で水素化して、シクロヘキサノンを得
る方法も工業的に行われているが、ベンゼンからフェノ
ールを製造する際に、アセトン等が副生する、または、
2O等の特殊なガスが必要である。一方、シクロヘキ
サノンを経由しない製造方法として、ベンゼンを完全水
素化して得たシクロヘキサンに、アンモニアを空気酸化
して得たNOとNO2の混合物を硫酸、次いで塩酸と反
応させることによって製造される塩化ニトロシルを反応
させてシクロヘキサノンオキシムを製造する方法が工業
化されている。この方法は前述の方法より工程数は少な
いが、オキシム製造反応に光が必要であり、そのための
電力が多量に必要である上、水銀ランプ等の設備の維持
管理が煩雑である。
【0009】さらに、ベンゼンを水素化して得たシクロ
ヘキサンに、硝酸を反応させることにより、ニトロシク
ロヘキサンを得、これを部分水素化してシクロヘキサノ
ンオキシムを製造する方法(米国特許第3255261
号、第2967200号)も知られている。これは工程
数は少ないが、硝酸を用いる酸化反応を150〜200
℃程度、3〜4MPa程度の高温、高圧で行う上、設備
の材質消耗が大きい等の問題を有する。
【0010】また、ニトロシクロヘキサンの選択率がシ
クロヘキサン基準、硝酸基準とも80%程度とあまり高
くない。さらに、シクロヘキサンの転化率が15〜25
%と低いため、生産性が低く、未反応シクロヘキサンの
リサイクル使用に多量のエネルギーを必要とする。ニト
ロシクロヘキサンの部分水素化によるシクロヘキサノン
オキシムの製造工程も選択率が80%程度とあまり高く
ない。以上の如く、ベンゼンを出発原料として、シクロ
ヘキサノンオキシムを製造する方法はプロセスが煩雑で
あり、工業的に実施する上で、より簡便でより効果的な
方法が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ベンゼンを
出発原料として、シクロヘキサノンオキシムを製造する
方法において、工業的に簡便な製造方法を提供すること
を目的とするものである。すなわち、工程数が少なく、
かつ各工程の転化率が高くて、生産性が高く、エネルギ
ー消費が少ない、さらに穏和な反応条件で、操作と設備
が簡便であり、その上ヒドロキシルアミン塩のような煩
雑な工程により製造される反応試剤を使用しない、プロ
セスを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意、検討を重ねた結果、ベンゼンを出発
原料として部分水素化、ニトロ化、部分水素化を順次行
うことにより、上記の課題を解決できることを見い出
し、本発明を完成させるに至った。 すなわち本発明
は、ベンゼンを出発原料として、シクロヘキサノンオキ
シムを製造する方法において、製造工程が以下の1)〜
3)の工程を含むことを特徴とするシクロヘキサノンオ
キシムの製造方法である。
【0013】1)ベンゼンを触媒(A)の存在下で部分
水素化(A)してシクロヘキセンを得る工程。 2)上記1)の工程で得られたシクロヘキセンをニトロ
化してニトロシクロヘキセンを得る工程。 3)上記2)の工程で得られたニトロシクロヘキセンを
触媒(B)の存在下で部分水素化(B)して、シクロヘ
キサノンオキシムを得る工程。
【0014】ここで、部分水素化(A)とは、形式的に
は、ベンゼンの3つの炭素−炭素2重結合のうち、2つ
のみを水素化してシクロヘキセンを得る反応を意味す
る。部分水素化(B)とは、形式的には、ニトロシクロ
ヘキセンの、1つの炭素−炭素2重結合の水素化、及
び、ニトロ基の2つのN−O、2重結合のうちの1つの
みを水素化して、ニトロソシクロヘキサンと水となり、
生成したニトロソシクロヘキサンが異性化して、シクロ
ヘキサノンオキシムになる反応を意味する。ベンゼンの
完全水素化とは、形式的には、ベンゼンの3つの炭素−
炭素2重結合をすべて水素化してシクロヘキサンを得る
反応を意味する。
【0015】また、ここで、ニトロシクロヘキセンは、
1−ニトロシクロヘキセン、3−ニトロシクロヘキセ
ン、4−ニトロシクロヘキセンから成る群の少なくとも
1種である。また、以下に用いる周期律表とは、197
0年のIUPAC命名法に基づいたものを指す。
【0016】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の1)の工程のベンゼンを部分水素化(A)してシク
ロヘキセンを得る方法としては、触媒(これを触媒
(A)とする)として、周期律表の第VIII族の金属
触媒を用いる方法が挙げられる。好ましくは、ルテニウ
ム触媒であり、ニッケル、コバルト、クロム、チタンま
たはジルコニウムの酸化物に担持した触媒を用い、アル
コールまたはエステルを添加剤として用いる方法、銅、
銀、コバルト、またはカリウムを含有する触媒と水及び
リン酸塩化合物を使用する方法、ルテニウム触媒並びに
周期律表のIA族金属、IIA族金属、及びマンガン、
より選ばれた少なくとも1種の陽イオンの塩を含む中性
または酸性水溶液の存在下に反応する方法、ルテニウム
及びロジウムの少なくとも1種を主成分とする固体触媒
を周期表IA族金属、IIA族金属、マンガン、鉄、及
び亜鉛よりなる群から選ばれた少なくとも1種の陽イオ
ンの塩を含む水溶液で予め処理したものを用い、水の存
在下に反応する方法、ルテニウム触媒を用い、酸化亜鉛
及び水酸化亜鉛の少なくとも1種を反応系に活性化成分
として添加して反応する方法、水及び少なくとも1種の
亜鉛化合物の存在下に、20nm以下の平均結晶子径を
有する金属ルテニウム結晶子及び/またはその凝集した
粒子を使用する方法、触媒担体として細孔半径2〜10
000nmの全細孔容量が0.3〜10cc/gであ
り、かつ細孔半径2〜20nmの細孔容量の全細孔容量
に対する割合が、5%以下である酸化物を使用する方
法、ジルコニアで修飾したシリカ担体にルテニウムを担
持した触媒等を用いることができる。
【0017】最も好ましくは、特公平2−16736記
載の水及び少なくとも1種の水溶性亜鉛化合物の共存
下、酸性条件下、水素化触媒が予め亜鉛化合物を含有し
たルテニウム化合物を還元することによって得られる、
亜鉛をルテニウムに対し0.1〜50重量%含有する2
0nm以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを含
む非担持型触媒を用いる方法、特公平3−5371記載
の、水の存在下、20nm以下の平均結晶子径を有する
金属ルテニウムを主成分とする水素化触媒粒子を用い、
該触媒粒子とは別に、酸化ジルコニアもしくは酸化ハフ
ニウムの少なくとも1種を添加し、さらに、少なくとも
1種の固体塩基性硫酸亜鉛の共存下、中性または酸性の
条件下に反応させる方法等を用いることができる。ここ
で言う、平均結晶子径とは、一般的方法、すなわち、X
線回折法によって得られる回折線巾の拡がりから、Sc
herrerの式により算出されるものである。具体的
には、CuKα線をX線源として用いた場合は、回折線
(2θ)で44度付近に極大を持つ回折線の拡がりから
算出されるものである。
【0018】また、固体塩基性硫酸亜鉛とは、ZnSO
4・mZnO・nH2Oもしくは、ZnSO4・mZn
(OH)2 (ここで、m、nはそれぞれ0.5≦m≦
4、0≦n≦8なる数を表す)、さらには、Zn(l+1)
(OH)2l・SO4(ここで、lは1≦l≦4なる整数
を表す)などの一般式で表し得る化合物であって、具体
的には、ZnSO4・0.5ZnO、ZnSO4・ZnO
・H2O(ZnSO4・Zn(OH)2)または、Zn
2(OH)2SO4、ZnSO4・3ZnO、ZnSO4
3ZnO・3H2O(ZnSO4・3Zn(OH)2)、
ZnSO4・3ZnO・6H 2O、ZnSO4・3ZnO
・7H2O、ZnSO4・3ZnO・8H2O、ZnSO4
・4ZnO・4H2O(ZnSO4・4Zn(OH)2
などがあり、成著(例えば、無機化学全書、VIII−
1、500頁、丸善)にも多く見られる化合物群であ
る。
【0019】より具体的には、該触媒粒子、酸化ジルコ
ニアもしくは酸化ハフニウムの少なくとも1種、少なく
とも1種の固体塩基性硫酸亜鉛等を加えた水相とベンゼ
ン相を水素加圧下に攪拌混合すれば良い。なお、該触媒
粒子、酸化ジルコニアもしくは酸化ハフニウムの少なく
とも1種、少なくとも1種の固体塩基性硫酸亜鉛等の水
相への加え方に特に制限はなく、どのような順序で加え
てもよい。また、反応後に触媒を沈降分離もしくはろ過
分離等によって分離して、再使用することもできる。さ
らに、反応後、有機相のみを除去して、新たにベンゼン
相を仕込み、再び反応を行うこともできる。
【0020】本反応は、通常、液相懸濁法にて連続的ま
たは回分的に行われるが、固定床式でも行うことができ
る。反応条件は使用する触媒や添加物の種類や量によっ
て適宜選択されるが、通常、水素圧力は1〜20MP
a、好ましくは1〜10MPaの範囲であり、反応温度
は10〜250℃、好ましくは100〜200℃の範囲
である。また、反応時間は、目的とするベンゼンの転化
率やシクロヘキセンの選択率の実質的な目標値を定め、
適宜選択すればよいが、通常、1秒〜100時間、好ま
しくは1分〜10時間である。
【0021】分離は、蒸留、抽出、固液分離、洗浄等、
それ自体公知の方法によって行うことができる。本発明
の2)の工程のシクロヘキセンのニトロ化を行い、ニト
ロシクロヘキセンを得る方法としては、ニトロ化試剤と
反応させる方法が挙げられる。本発明のニトロ化とは、
シクロヘキセンの水素原子(−H)の1つを、ニトロ基
(−NO2)に置換した形のニトロシクロヘキセンを得
る反応を意味する。
【0022】ニトロ化試剤としては、NO、NO2、N2
3、N24、N25等の窒素酸化物、硝酸、発煙硝
酸、亜硝酸、亜硝酸メチル等の亜硝酸エステル、硝酸メ
チル等の硝酸エステル、NaNO2等の亜硝酸塩、Na
NO3等の硝酸塩、塩化ニトロシル、ニトロイル酢酸等
のNOまたはNO2誘導体から成る群から選ばれた少な
くとも1種を用いることができる。好ましくは、NO、
NO2、N24、硝酸から成る群から選ばれる少なくと
も1種。さらに好ましくは、NO、NO2、N24から
選ばれた少なくとも1種。最も好ましくは、NO2、及
び/またはN24である。これらのニトロ化試剤は、単
独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0023】この反応は、無触媒、または触媒の存在下
に行うことができる。該触媒としては、Pd、Ru等の
周期律表の第VIII族金属を含むもの、Co、また
は、Feを含む触媒、セリウム塩、2,2,6,6−テ
トラメチル−1−ピペリジニロキシラジカル、N−ヒド
ロキシフタルイミド等のシクロヘキセンに作用してシク
ロヘキセニルラジカル等のラジカルを生成させるもの、
ゼオライト触媒、特にプロトン型のゼオライト触媒、酸
性イオン交換樹脂等が挙げられる。
【0024】本反応は、液相下でも、気相下でも行うこ
とができる。また、本反応は、連続式に行っても、回分
式に行っても良い。この反応は、溶媒の非存在下、また
は、溶媒の存在下に行うことができる。該溶媒として
は、ニトロ化試剤の種類によって適宜選択すれば良い
が、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族飽和
炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、四
塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素、ジブチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、
プロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類、ピリジン、トリエチルアミン等の有機アミン類、酢
酸、プロピオン酸等のカルボン酸類、メタノール、エチ
レングリコール等のアルコール類、酢酸エチル等のエス
テル類、水等を用いることができる。
【0025】溶媒はこれらを単独で用いても、混合して
用いても良い。ベンゼン、及びシクロヘキサンを溶媒に
用いる場合は、本工程の原料として、上記の1)の工程
の部分水素化(A)の反応液、すなわち、ベンゼン/シ
クロヘキセン/シクロヘキサン混合物をそのまま、もし
くは、シクロヘキサン、またはベンゼンを分離した後、
用いることができるため、1)の工程の分離操作を軽減
することができる。
【0026】また、本シクロヘキセンとニトロ化試剤の
反応は、ゼオライト、シリカ、アルミナ、酸性イオン交
換樹脂等の酸性物質、炭酸カリウム、トリエチルアミ
ン、塩基性イオン交換樹脂等の塩基性物質等の添加剤の
存在下に行うこともできる。使用するニトロ化試剤のシ
クロヘキセンに対するモル比は、ニトロ化試剤により適
宜選ぶ必要があるが、通常、0.1〜20倍モル、好ま
しくは、0.5〜10倍モル。最も好ましくは、1〜5
倍モルである。
【0027】反応温度は、ニトロ化試剤により適宜選ぶ
必要があるが、通常、−100〜200℃、好ましくは
−30〜150℃、最も好ましくは、0〜100℃であ
る。反応時間は、目標とするシクロヘキセンの転化率に
よって適宜選択すればよいが、通常、1秒〜100時
間、好ましくは、1分〜10時間である。また、ニトロ
化試剤の種類、または反応条件によっては、ニトロシク
ロヘキセンの他に、ニトロシクロヘキサノール、亜硝酸
ニトロシクロへキシルエステル、硝酸ニトロシクロへキ
シルエステル、ジニトロシクロヘキサン等の副生成物が
生成する。ここで、ニトロシクロヘキサノールは、2−
ニトロシクロヘキサノール、及び/または、3−ニトロ
シクロヘキサノールである。
【0028】亜硝酸ニトロシクロヘキシルは、亜硝酸2
−ニトロシクロヘキシルエステル、及び/または、亜硝
酸3−ニトロシクロヘキシルエステルである。硝酸ニト
ロシクロへキシルエステルは、硝酸2−ニトロシクロへ
キシルエステル、及び/または、硝酸3−ニトロシクロ
へキシルエステルである。ジニトロシクロヘキサンは、
1,2−ジニトロシクロヘキサン、及び/または/1,
3−ジニトロシクロヘキサンである。
【0029】これらの副生成物に、酸性または塩基性の
物質を接触させて反応させることにより、ニトロシクロ
ヘキセンを得ることができる。該反応は、シクロヘキセ
ンとニトロ化試剤との反応後に、ニトロシクロヘキセン
を分離せずにそのまま行っても、ニトロシクロヘキセン
を分離してから行っても良い。また、シクロヘキセンと
ニトロ化試剤との反応と同時に行うこともできる。また
該反応は、1段階で行っても良いし、2段階以上で行っ
ても良い。
【0030】酸性の物質としては、ゼオライト、酸性ア
ルミナ、シリカ等の金属酸化物、複合酸化物、硫酸、ヘ
テロポリ酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有
機スルホン酸、酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。塩
基性の物質としては、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等
のアルカリ塩、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム等
のアルカリ、塩基性アルミナ等の金属酸化物、トリエチ
ルアミン、ピリジン等の有機アミン類、塩基性イオン交
換樹脂等が挙げられる。また、使用する酸性または塩基
性物質の量は、ニトロシクロヘキセンに変換する副生成
物のモル量の0.0001〜1000倍モル、好ましく
は、0.001〜500倍モル、最も好ましくは、0.
001〜100倍モルである。
【0031】本ニトロシクロヘキセンへの変換反応も、
シクロヘキセンとニトロ化試剤との反応と同様に、溶媒
の非存在下、または溶媒の存在下に行うことができ、該
溶媒としては、シクロヘキセンとニトロ化試剤の反応と
同様のものを用いても良いし、異なる溶媒を用いても良
い。反応温度は、使用する酸性または塩基性の物質の種
類により、適宜選択すればよいが、通常、−30〜20
0℃、好ましくは、0〜150℃である。反応時間は、
通常、1秒〜100時間、好ましくは、1分〜10時間
である。
【0032】分離は蒸留、抽出、洗浄、固液分離等、そ
れ自体公知の方法によって行うことができる。本発明の
3)の工程の、ニトロシクロヘキセンを触媒(これを触
媒(B)とする)の存在下、部分水素化(B)して、シ
クロヘキサノンオキシムを得る方法としては、1段階で
水素化反応を行う方法と、2段階で水素化反応を行う方
法が挙げられる。ここで言う1段階の反応とは、触媒
(B)を用いて反応を行い、直接、シクロヘキサノンオ
キシムを得ることを意味する。2段階の反応とは、触媒
(B)を用いた反応でニトロシクロヘキサンを得た後、
さらに、該触媒(B)と同じ、または異なる触媒を用い
て反応を行い、シクロヘキサノンオキシムを得ることを
意味する。
【0033】本部分水素化反応(B)は、固定床、また
は懸濁床で連続式、または回分式に行うことができる。
また、液相下でも気相下でも行うことができるが、好ま
しくは、液相下での反応を用いることができる。この部
分水素化反応は、溶媒の非存在下、または溶媒の存在下
に行うことができる。該溶媒としては、特に規定はない
が、水、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、四
塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等
のハロゲン化炭化水素、ジブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エ
タノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、ギ
酸、酢酸、シュウ酸等のカルボン酸類、トリエチルアミ
ン、ピリジン、シクロへキシルアミン、エチレンジアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン類、
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、酢酸エチル、ギ酸メチル等のエ
ステル類等を用いることができる。これら溶媒は、単独
で用いても、混合して用いても良い。また、部分水素化
(B)の2段階の反応は、前段の部分水素化と後段の部
分水素化から成り、前段の部分水素化と後段の部分水素
化で同じ溶媒を用いても良いし、異なる溶媒を用いても
良い。
【0034】触媒(B)のうち、1段階で部分水素化を
行う場合の触媒としては、種々の金属触媒、金属酸化物
触媒、好ましくはNi、Pd、Pd−Pb、Pd−B
i、Pt等を含む触媒を用いることができる。無担体で
も良いし、触媒担体として、活性炭、アセチレンブラッ
ク、アルミナ、シリカ、シリカ/アルミナ、ゼオライ
ト、ジルコニア、チタニア、ケイソウ土、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム等を用いることもできる。さらに、
塩酸等の酸、またはトリエチルアミン、ピリジン等の有
機アミン類等の塩基を添加することが望ましい。添加す
る酸、及び塩基は、固体、または触媒担体の形でも構わ
ない。
【0035】反応温度は、触媒の種類によって適宜選択
すれば良いが、通常、−30℃〜200℃、好ましく
は、0〜150℃、最も好ましくは、10〜100℃で
ある。水素圧力は、通常、0.01〜10MPa、好ま
しくは、0.1〜5MPaである。反応時間は、通常、
1秒〜100時間、好ましくは、1分〜10時間であ
る。
【0036】また、触媒(B)のうち、2段階の反応を
行う場合の前段の部分水素化の触媒としては、種々の金
属触媒、金属酸化物触媒が用いられ、好ましくは、N
i、Pd、Pt、Ru、Cu、Co、Fe、Rh、Cr
を含む触媒を用いることができる。触媒は無担体でも良
いし、触媒担体として、活性炭、アセチレンブラック、
アルミナ、シリカ、シリカ/アルミナ、ゼオライト、チ
タニア、ケイソウ土、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等
を用いることもできる。反応温度は、−30〜200
℃、好ましくは0〜150℃、最も好ましくは10〜1
00℃である。水素圧力は、通常0.01〜10MP
a、好ましくは、0.1〜5MPaである。反応時間
は、通常、1秒〜100時間、好ましくは、1分〜10
時間である。
【0037】前段の部分水素化により、ニトロシクロヘ
キサンとシクロヘキサノンオキシムを主とする生成混合
物が得られる。前段の部分水素化反応の後、シクロヘキ
サノンオキシムを分離せずにそのまま後段の部分水素化
を行っても良いし、シクロヘキサノンオキシムを分離し
てから後段の部分水素化を行っても良い。後段の部分水
素化の触媒としては、種々の金属触媒、金属酸化物触
媒、金属塩触媒を用いることができる。好ましくは、P
d−Pb、Pd−Bi、Pt、Ni、Cu、Zn、A
g、Cr、Cu−Zn−Ag、Ag−Zn−Cr等を含
む金属触媒、または複合酸化物触媒、CuCl等の金属
塩化物等を用いることができる。これらの触媒は、無担
体でも良いし、触媒担体として、活性炭、アセチレンブ
ラック、アルミナ、シリカ、シリカ/アルミナ、ゼオラ
イト、ジルコニア、チタニア、ケイソウ土、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム等を用いることもできる。また、反
応液に可溶な触媒は、均一系触媒として用いることがで
きる。
【0038】後段の部分水素化の反応温度は、触媒の種
類によって適宜選択すればよいが、通常、−30℃〜2
50℃、好ましくは、0〜220℃、最も好ましくは、
30〜200℃である。反応圧力は、通常、0.01〜
15MPa、好ましくは、0.05〜10MPa、最も
好ましくは、0.1〜5MPaである。反応時間は、通
常、1秒〜100時間、好ましくは、1分〜10時間で
ある。分離は蒸留、抽出、洗浄、固液分離等、それ自体
公知の方法によって行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に
限定されるものではない。
【0040】
【実施例1】1)の工程 Ru(OH)3 を水中において加圧水素により還元して
得た金属ルテニウム触媒(平均粒子径5nm)0.5
g、ZrO2粉末(平均粒径0.35μ)2.5g、塩
基性硫酸亜鉛ZnSO4・Zn(OH)2を亜鉛として3
0mg及びZnSO4・7H2Oの18%水溶液280m
Lを、チタン製の内容積1Lのオートクレーブに仕込
み、攪拌下水素で置換して150℃まで昇温後、ベンゼ
ン122.4gを圧入し、全圧5.1MPaで高速攪拌
下に反応させた。30分後、この反応液を抜き出し、ガ
スクロマトグラフィーにより油相の組成を分析した。ベ
ンゼンの転化率は45.6%、シクロヘキセンの選択率
は83.1%であった。副生成物は、シクロヘキサンで
あった。この油相の反応混合物を蒸留装置で、N,N−
ジメチルアセトアミドを溶剤として、抽出蒸留を行い、
純度99%のシクロヘキセンを得た。
【0041】2)の工程 内容積0.5Lのステンレス製オートクレーブに、1)
の工程で得られたシクロヘキセン30.2g(0.36
8mol)、ベンゼン溶媒154mLを仕込み、窒素置
換後、NO2を51.8g(1.13mol)導入し、
30℃で2時間、攪拌下に反応させた。さらに該反応液
に、トリエチルアミンを234g(2.32mol)を
加えて、さらに10〜20℃で1時間反応させた。溶媒
と過剰のトリエチルアミン等を蒸留で除去した生成物
に、1,2−ジクロロエタン溶媒302mL、酸性活性
アルミナ37.0gを加え、90℃で30分反応させ
た。生成物の組成をガスクロマトグラフィーにより分析
した。シクロヘキセンの転化率は99.7%、ニトロシ
クロヘキセンの選択率は、88.1%であった。活性ア
ルミナをろ過で除去した後、蒸留を行うことにより、純
度98%のニトロシクロヘキセンを得た。
【0042】3)の工程 内容積0.5Lステンレス製オートクレーブに、2)の
工程で得られたニトロシクロヘキセン25.8g(0.
203mol)、水240mL、0.5重量%Ni−A
23ペレット触媒30.2gを仕込み、水素で置換し
て、全圧2.1MPa、40℃で攪拌下、4時間反応さ
せた。反応液からろ過により触媒を除去し、これに5重
量%Pd−アセチレンブラック触媒0.26g、及び酢
酸鉛(II)・3水和物0.35gを加えた後、水素で
置換して、全圧3.0MPa、150℃で30分反応さ
せた。生成物の組成をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ニトロシクロヘキセンの転化率は98.8%、シク
ロヘキサノンオキシムの選択率は85.6%であった。
反応液からヘプタンを用いた抽出により、生成物を分離
した後、蒸留によって、ヘプタンと、シクロへキサノン
等の副生成物を除去することにより、純度97%のシク
ロヘキサノンオキシムを得た。
【0043】
【比較例1】ベンゼンの部分水素化(A)は、実施例1
の工程1)と同様の方法で行った後、得られたシクロヘ
キセンから、水和、脱水素、オキシム化を順次行い、シ
クロヘキサノンオキシムを得る実験を行った。 シクロヘキセンを水和してシクロヘキサノールを得る工
程:内容積2Lのガラス製オートクレーブに、水688
gと、H−ZSM−5ゼオライト触媒255gを仕込
み、窒素0.5MPaの加圧下にて、攪拌しながら12
0℃に昇温後、実施例1の工程1)と同様の方法で得ら
れたシクロヘキセン519g(6.33mol)を圧入
し、1時間反応させた。攪拌停止後、直ちに油水2相に
分離し、ガスクロマトグラフィーにより、油相の組成を
分析した。シクロヘキセンの転化率は、12.6%、シ
クロヘキサノールの選択率は、99.7%であった。こ
の油相の反応混合物を蒸留装置で蒸留し、シクロヘキサ
ノールを得た。
【0044】シクロヘキサノールを脱水素してシクロヘ
キサノンを得る工程:内径30mmのステンレス製管状
反応器に、Cu−Cr系酸化物粒状触媒490mLを充
填し、水素/窒素混合ガスにより触媒の還元処理を行っ
た後、入口及び出口温度を265℃に保って、0.12
MPaの圧力下、前工程で得られたシクロヘキサノール
を予熱気化させ、5.0g/時間(0.05mol/時
間)の速度で供給し、12時間反応させた。1時間毎に
反応液を回収し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
シクロヘキサノールの転化率は71.2%、シクロヘキ
サノンの選択率は97.3%であった。反応液を蒸留し
て、シクロヘキサノールを分離することにより、シクロ
ヘキサノンを得た。
【0045】シクロヘキサノンをオキシム化してシクロ
ヘキサノンオキシムを得る工程:内容積0.3Lガラス
製攪拌槽に、37重量%ヒドロキシルアミン硫酸塩水溶
液137.4gを仕込み、90℃に保って、前工程で得
られたシクロヘキサノン29.7g(0.303mo
l)と、反応液のpHが4.0になるように、アンモニ
ア水を同時に添加し、30分間反応させた後、反応液の
組成をガスクロマトグラフィーで分析した。シクロヘキ
サノンの転化率は95.7%、シクロヘキサノンオキシ
ムの選択率は99.3%であった。反応液を静置して油
相を採取することにより、硫安等の副生成物を分離し、
さらに油相を蒸留してシクロヘキサノン等を除去し、シ
クロヘキサノンオキシムを得た。
【0046】
【比較例2】ベンゼンを完全水素化して得られたシクロ
ヘキサンから、ニトロ化、部分水素化を順次行い、シク
ロヘキサノンオキシムを得る実験を行った。シクロヘキ
サンをニトロ化してニトロシクロヘキサンを得る工程:
内容積0.5Lのステンレス製オートクレーブに、シク
ロヘキサン196.3g(2.34mol)を仕込み、
60重量%硝酸73.2gを15分間で注入し、200
℃、3.5MPaで反応させた。硝酸注入終了後、油水
分離し、油相の組成をガスクロマトグラフィーで分析し
た。シクロヘキサンの転化率は、28.4%、ニトロシ
クロヘキサンの選択率は、78.8%であった。油相を
蒸留することにより、ニトロシクロヘキサンを得た。
【0047】ニトロシクロヘキサンを部分水素化しシク
ロヘキサノンオキシムを得る工程:内容積0.5Lのス
テンレス製オートクレーブに、前工程で得られたニトロ
シクロヘキサン26.3g(0.204mol)、水2
40mL、5重量%Pd−アセチレンブラック触媒0.
27g、及び酢酸鉛(II)・3水和物0.36gを加
えた後、水素で置換して、全圧3.0MPa、150℃
で30分反応させた。生成物の組成をガスクロマトグラ
フィーで分析した。ニトロシクロヘキサンの転化率は9
8.2%、シクロヘキサノンオキシムの選択率は79.
8%であった。反応液からヘプタンを用いた抽出によ
り、生成物を分離した後、蒸留によって、ヘプタンと、
シクロヘキサノン等の副生成物を除去することにより、
シクロヘキサノンオキシムを得た。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、簡便な方法でベ
ンゼンを出発原料としてシクロヘキサノンオキシムを製
造することができる。すなわち、比較例1の、ベンゼン
から部分水素化(A)、水和、脱水素、オキシム化を順
次行う方法、または、ベンゼンの完全水素化、空気酸
化、脱水素、オキシム化を順次行う、工業的に最も広く
行われている方法に比べ、工程数が少なく、比較例1の
方法のシクロヘキセンの水和、シクロヘキサノールの脱
水素、または、工業的に最も広く行われている方法のシ
クロヘキサンの空気酸化等の工程に比較して、シクロヘ
キセンのニトロ化、ニトロシクロヘキセンの部分水素化
(B)の工程は転化率が高くて、生産性が高く、エネル
ギー消費を少なくできるという効果を有する。さらに、
ヒドロキシルアミンのような煩雑な工程で製造される反
応試剤ではなく、NO、NO2、硝酸等の簡便に製造で
きる反応試剤を用いることができる。また、比較例2の
ベンゼンの完全水素化、ニトロ化、部分水素化、液相下
の転位を順次行う方法と比べ、工程数は同じであるが、
ニトロ化の転化率が高くて、生産性が高く、エネルギー
消費が少なくできる上、選択率が高く、廃棄物が少な
い。さらに、ニトロ化の反応条件が穏和であるため、操
作と設備が簡便にできるという効果を有する。また、ニ
トロシクロヘキセンの部分水素化(B)は、ニトロシク
ロヘキセンから一部、直接シクロヘキサノンオキシムに
水素化されるため、ニトロシクロヘキサンの部分水素化
に比べ、選択率が高くできる等の利点がある。これらの
効果を有する本製造方法は、工業的に実施する上で極め
て有利である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼンを出発原料として、シクロヘキ
    サノンオキシムを得る方法において、製造工程が以下の
    1)〜3)の工程を含むことを特徴とする、シクロヘキ
    サノンオキシムの製造方法。 1)ベンゼンを触媒(A)の存在下で部分水素化(A)
    してシクロヘキセンを得る工程。 2)上記1)の工程で得られたシクロヘキセンをニトロ
    化してニトロシクロヘキセンを得る工程。 3)上記2)の工程で得られたニトロシクロヘキセンを
    触媒(B)の存在下で部分水素化(B)してシクロヘキ
    サノンオキシムを得る工程。
  2. 【請求項2】 該部分水素化(A)を行う触媒(A)
    が、20nm以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウ
    ムを主成分とする触媒粒子であり、かつ、該触媒粒子と
    は別に、酸化ジルコニウムもしくは酸化ハフニウムの少
    なくとも1種を添加し、さらに少なくとも1種の固体塩
    基性硫酸亜鉛の共存下、中性または酸性の条件下に反応
    を行うことを特徴とする、請求項1記載のシクロヘキサ
    ノンオキシムの製造方法。
  3. 【請求項3】 該ニトロ化のニトロ化試剤が、NO、N
    2、N24、硝酸から成る群から選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする、請求項1〜2記載のシク
    ロヘキサノンオキシムの製造方法。
  4. 【請求項4】 該ニトロ化が、シクロヘキセンとニトロ
    化試剤との反応の後に、さらに酸性、または/及び、塩
    基性の物質と接触させることを特徴とする、請求項1〜
    3記載のシクロヘキサノンオキシムの製造方法。
  5. 【請求項5】 該部分水素化(B)が、1段階の反応で
    あることを特徴とする、請求項1〜4記載のシクロヘキ
    サノンオキシムの製造方法。
  6. 【請求項6】 該部分水素化(B)が、2段階の反応で
    あることを特徴とする、請求項1〜4記載のシクロヘキ
    サノンオキシムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007116112A1 (es) * 2006-04-12 2007-10-18 Consejo Superior De Investigaciones Científicas Procedimiento para la preparación de oximas utilizando catalizadores de oro

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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