JP2001211085A - 配線縮退故障を検出するためのeccコードメカニズム - Google Patents

配線縮退故障を検出するためのeccコードメカニズム

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JP2001211085A JP2000327211A JP2000327211A JP2001211085A JP 2001211085 A JP2001211085 A JP 2001211085A JP 2000327211 A JP2000327211 A JP 2000327211A JP 2000327211 A JP2000327211 A JP 2000327211A JP 2001211085 A JP2001211085 A JP 2001211085A
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  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】任意のECCコート゛を用いて使用することが可能な
配線縮退故障検出メカニス゛ムを提供する。 【解決手段】本発明のメカニス゛ムは、テ゛ータ部21及びテ゛ータ部の
ECCコート゛部22内の1(または0)の数を決定する。次に、
このカウントされた数23にECCコート゛24を付加する。テ゛ータ部、
そのECC、カウントされた数、及びそのECCが宛先に送信され
る。宛先で、メッセーシ゛が復号化され、受信したメッセーシ゛内の
1の数とカウントされた数が比較される。それらが一致しな
い場合は配線故障が通知される。このメカニス゛ムは、また、
0から1への遷移数が、1から0への遷移数と同じでない場
合、任意の数の故障を検出することができる。このメカニス
゛ムは、任意の伝送配線幅で動作するよう再構成すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、エラー訂
正コードに関し、より詳細には、配線故障、特に縮退故
障(stuck-at-fault)による配線故障を検出するエラー
訂正コードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術において、配線を介して伝送さ
れるデータは、エラーを生じやすい。すなわち、2進数
の1が歪んで2進数の0として現れ、またその逆の場合
もある。エラーは、データストリームの1ビットがエラ
ーとなるシングルビットエラーの場合もあり、データス
トリームの2ビットがエラーとなるダブルビットエラー
の場合もある。なお、典型的には、データは、1本の配
線ではなく1組の配線を介して伝送されるが、1本及び
複数本の配線伝送システムのいずれにおいても、エラー
が生じる可能性がある。さらに、データは、配線の数よ
りはるかに多いため、複数サイクルで送信され、たとえ
ば、16本の配線が4回のサイクルで64ビットを送信
する。したがって、複数サイクルでエラーが生じるおそ
れがある。システムの中には、データをパケット化す
る、すなわち、特定のサイズのデータパケットでデータ
を送出する、ものもある。したがって、異なるデータパ
ケットでエラーが生じる可能性がある。典型的なエラー
の原因の1つは、配線故障である。配線のショートまた
は断線により、故障信号が配線で送出され得る。これら
の故障は、2つのタイプのうちの一つに分類される。第
1のタイプは、配線が1縮退故障(stuck-at-one)または
0縮退故障(stuck-at-zero)である場合である。この場
合、入力に関係なく、配線は、1(1縮退故障の場合)
またはゼロ(0縮退故障の場合)のみを中継し、信号を
切り換えることはない。第2のタイプは、悪質な(malic
ious)故障である。このタイプの故障では、入力がどう
であれ配線の出力が切り替わっていく。たとえば、入力
がゼロの場合、配線出力は1またはゼロのいずれかとな
り、入力が1であっても、配線出力は1またはゼロのい
ずれかとなる。すなわち、配線の挙動は予測不能であ
る。さらに、配線故障が正しい結果を搬送することがあ
るため、エラーが隠されてしまう場合がある。
【0003】かかるエラーを検出するために、ECCコ
ードをデータとともに伝送する。巡回符号は、配線故障
を検出することができるECCコードの一種である。巡
回符号は、重要なコードのクラスである。これらのコー
ドのジェネレータ/パリティマトリクスは、行(row)の
周期的なシフトにより形成される。これらは、多数のラ
ンダムエラー、バイトエラーおよびバーストエラーを検
出/訂正するのに効率的な巡回符号である。巡回符号に
ついては、T.R.N., RaoおよびE. Fujiwaraによる「Erro
r Control Coding for Computer Systems」(Prentice
Hall, Englewood Cliffs, New Jersey 07632,ISBN 0-13
-28395-9)に詳細が記載されており、参照によりこれを
本明細書中に組み込む。巡回符号は、悪質な故障を検出
することを目的としており、従って、故障は、悪質な故
障であると推定する。巡回符号は後者を対象にしている
ため、縮体故障を検査する場合よりも多くのビットを必
要とし、必要なビット数は、設計者が残しておかなけれ
ばならないビット数より多いことがある。たとえば、3
2バイト(=256ビット)からなるデータメッセージ
を想定する。シングルビットエラー訂正およびダブルビ
ットエラー検出を可能にするために、10ビットが余分
に必要であり、シングルエラー訂正には9ビットが必要
となるが、これは、29が(256+9)より大きい2
のべき数のうち最も小さいベキ数であるからである。1
0番目のビットは、ダブルビットエラーを検出するため
に使用され、合計266ビットになる。したがって、シ
ングルエラー訂正およびダブルエラー検出を行うために
10ビットが必要になる。これら266ビットを10本
の配線で送る場合、6本の配線が27ビットを搬送し、
4本の配線が26ビットを搬送する。したがって、配線
故障が最大27ビットに影響を及ぼす。悪質な配線故障
を検出するために、27の追加ビットが必要となるが、
これについては、RaoおよびFujiwaraによる前記書籍に
ある、(γ度の)g(x)により生成された巡回符号
が、長さγ以下の任意のバーストを検出できるという定
理3.7を参照されたい。これにより、合計293ビッ
トで、配線故障に加えて2本の連続配線にわたる長さ2
7以下の任意のバーストを検出する。したがって、合計
37ビットがエラー検出に必要となる。これによるオー
バーヘッドは大きく、伝送用のシステム資源の多くの部
分が消費される。
【0004】37ビットは293ビットのわずか13%
にすぎないが、より高い割合のオーバヘッドは、エラー
検出、特にデータをブロックまたはパケットで伝送する
時に必要な余分なビットに起因することがある。たとえ
ば、1ブロックのデータが、10本の配線にわたる7サ
イクルのデータで構成され、1ブロックあたり合計70
ビットであるとする。このとき、256ビットでは4ブ
ロック(3.6ブロックを切り上げる)、293ビット
では5ブロック(4.1ブロックを切り上げる)がそれ
ぞれ必要となる。したがって、エラー検出には余分なブ
ロック、すなわち20%の余分なビットが必要になる。
【0005】データ伝送にオーバヘッドが生じることに
加え、巡回符号は、実施するのがより複雑である。受信
側でデコードすることは、巡回符号を実施するための多
くの異なる手段が存在するので複雑である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、大きなオ
ーバヘッドを生じず、かつ、実施が容易な配線縮退故障
を検出するエラー検出メカニズムが当該技術において必
要とされている。
【0007】
【課題を解決するための手段】これら及びその他の目
的、特徴および技術的利点は、エラー検出メカニズム
(エラー検出手段)を用いて配線縮退故障を検出するシ
ステムおよび方法により達成される。本メカニズムを用
いて、配線縮退故障検出が可能な既存のECCコードを
強化することが可能である。たとえば、既存のECCコ
ードは、データ伝送においてランダムなシングルエラー
やダブルエラー(SEC−DED)を検出できるが、一
方、本発明のメカニズムは、配線故障を検出し、その故
障した配線上を伝送されたデータのエラーを特定する。
本発明のメカニズムは、メッセージ用の既存のECCコ
ードを含む、メッセージ内の1(または0)の数を決定
して、この情報をそのメッセージに付加する。このカウ
ント値は、それ自体、メッセージに使用される同一のE
CCコードにより保護される。受信側でメッセージを復
号化(デコード)する場合、任意の配線障害による縮退
故障(縮退故障配線障害、配線縮退故障)が、付加され
た情報をメッセージの内容と比較することにより検出さ
れる。
【0008】本メカニズムは、配線縮退故障を検出する
ことに加え、復号後のデータ部分において、0から1へ
の遷移数が1から0への遷移数に等しくない場合、任意
の数の複数エラー検出することもできる。従来技術の巡
回符号に対する本発明のメカニズムの利点は、必要なチ
ェックビットの数が少なくて済むことと、実施が比較的
簡単であること、そして、必要な追加チェックビットの
数と配線故障検出をトレードオフできることである。本
発明のメカニズムは、コードワードが、配線故障が生じ
ている状態で複数サイクルにわたって伝送される際に生
じる複数エラーの検出に特に有用である。
【0009】本発明のメカニズムは、縮退故障および最
も悪質な配線故障を検出するものである。本発明のメカ
ニズムは、すべての悪質な配線故障を検出するものでは
なく、特に、ECC復号後に0から1への遷移数が1か
ら0への遷移数と等しい場合には、配線故障を検出しな
い。したがって、本発明は、データ伝送において、1ま
たは0の数を変化させる予測可能な故障、たとえば、配
線が0または1に固定される縮退故障、を検出すること
を主な目的とする。本発明のメカニズムは、データ伝送
において使用される配線数に応じてスケーリングするこ
とが可能である。
【0010】以上、以下の発明の詳細な説明をよりよく
理解できるように、本発明の特徴および技術的利点をか
なり広義に概説した。本発明の特許請求の範囲の主題を
構成する本発明の他の特徴および利点を以下で説明す
る。なお、開示された概念および特定の実施形態を、本
発明と同じ目的を実施するための他の構造を修正または
設計する基本として、容易に利用することができるとい
うことは当業者には明らかであろう。また、かかる等価
な構成が、特許請求の範囲に記載される本発明の思想お
よび範囲から逸脱しないことも当業者には理解されるは
ずである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明およびその利点をより十分
に理解できるようにするために、添付図面を参照して以
下に説明する。
【0012】本発明のエラー検出メカニズムは、図1に
示すようにメッセージを符号化する。本発明のメカニズ
ムにより、エラー訂正コード(ECC)(もしあれば)
が、実データに作用する(または、演算を施す)ことが
できる(11)。次に、本メカニズムは、データビット
および関連するECCチェックビット(もしあれば)
を、その「データ」として処理し、これを配線縮退故障
から保護する。本発明のメカニズムは、データ部分、す
なわち、実データおよびチェックビットにおける1の数
をカウントし(12)、この数をカウンタ値として記憶
する。本発明のメカニズムは、カウンタ値がデータ部分
と同一のECC方式により保護されるようにECCチェ
ックビットを追加する(13)ことによってカウンタ値
ビットを保護することができる。したがって、本発明の
メカニズムは、4つの部分、すなわち、図2に示すよう
に、実データ部21と、実データを保護するECCチェ
ックビット22と、実データとそのチェックビットにお
ける1の数を有するカウンタ値23と、データ部と同一
のECC能力でカウンタ値を保護するチェックビット2
4とから構成されるデータメッセージ20を形成する
(14)。したがって、伝送メッセージは、実データ、
実データECC、カウンタ値およびカウンタ値ECCで
符号化される。そしてメッセージは、伝送線または他の
伝送システムを介して目的地に伝送される。なお、シン
グルエラー訂正およびダブルエラー検出(SEC−DE
D)コードのECC能力に関して本発明を説明したが、
本発明は、パリティを含む任意のECCコードを用いて
動作することもできる。さらに、1の数をカウントする
ことに関して本発明を説明したが、本発明は、1をカウ
ントする代わりに0をカウントすることによって演算す
ることもできる。
【0013】メッセージの宛先に配置される本発明のメ
カニズムの第2の例は、図3に示すようにメッセージを
復号化する。復号時、メッセージは2つのサブメッセー
ジに分割される(31)。第1のサブメッセージは実デ
ータと実データECCからなり、第2のサブメッセージ
はカウンタ値とカウンタ値ECCからなる。第1および
第2のサブメッセージは、次に符号化に使用されたEC
Cメカニズムにしたがって別々に復号される(32)。
実データまたはカウンタ値のいずれかにシングルビット
エラーがあれば、これを検出してそれぞれのECCによ
り訂正する(33)。実データまたはカウンタ値のいず
れかにダブルエラーがあれば、それぞれのECCにより
これを検出する(33)。ダブルエラーが発見される
と、メッセージは破棄され、再送またはリトライ信号が
メッセージの送信元に送信される。SEC−DEDが完
了すると、配線故障を検出することができる。次に、本
発明のメカニズムは、復号化された実データと実データ
ECCにおける1の数をカウントする(34)。復号化
されたカウンタ値を、復号化された実データと実データ
ECCチェックビットにおいてカウントされた1の数と
比較(35)して、配線縮退故障が存在するか否かを判
定する(36)。このチェックにおいて、悪質な配線故
障を含む複数エラーが存在していれば、複数エラーが相
殺されない限り、これも検出される。なお、悪質な配線
故障では、故障した配線により伝送された値がランダム
に変更される。複数エラーの相殺は、0から1への遷移
数が1から0への遷移数と等しい場合に起こる。カウン
タ値が実データと実データECCにおける1の数と一致
しない場合、エラーが通知される(または、エラーフラ
グが立てられる)(37)。配線エラーが検出される
と、データは破損された(データに誤りがある)とみな
される。別のシステムでは別のエラー回復メカニズムを
呼び出すことができる。配線エラーが検出されなかった
場合は、メッセージの伝送中に検出可能なエラーが発生
しなかった(38)ということになる。
【0014】たとえば、64ビットの実データを有する
メッセージパケットを転送する、17ビット幅、すなわ
ち17本の配線幅のチャンネルを考える。さらに、すべ
てのシングルエラーが訂正され、すべてのダブルエラー
が検出され、配線故障が検出されると想定する。SEC
−DEDコードでは、(72,64)ECCコードを形
成する8チェックビットが必要とされる。このコード
は、配線故障を検出する能力を有していないため、最大
5つのエラーを招く可能性がある。ここで、72ビット
は17本の配線上で送信されるため、少なくとも1本の
配線がメッセージの5ビットを搬送し、この配線が故障
すると、最大5つのエラーが発生することに留意された
い。実データと実データECCとを足すと72ビットで
あるので、実データと実データECCとを合わせて、合
計72個の1を有することがある。したがって、カウン
タ値は7ビット値になる。カウンタ値自体は、(12,
7)SEC−DED ECCコードを形成する5ビット
のECCにより保護される。このため、本発明のメカニ
ズムにより形成されるメッセージは84ビットであり、
このうち64ビットが実データである。メッセージは、
(84,64)コードとなる。符号化されたメッセージ
は、(チャンネルが17本の配線で構成されるため)チ
ャンネルを介して5サイクルにわたって伝送される。
【0015】カウンタ値は、実データと同一のECCで
保護されるため、メッセージ全体は、所望のECC(こ
の場合、SEC−DED)で保護されることが保証され
る。たとえば、カウンタ値がECCで保護されないとす
ると、カウンタ値のシングルビットエラーにより、実デ
ータに実データECCを加えたもの(以下ではこれを、
実データ+実データECCとも記載)に対する1の数に
不整合が生じる。この不整合により、誤った配線故障フ
ラグが発光される。さらに、配線エラーは、検出にかか
らないエラーパターンで発生する場合がある。たとえ
ば、3つのエラーが実データ+実データECCの72ビ
ットにあり、1つのエラーがカウンタ値にある、合計4
つのエラーをもたらす配線故障によるエラーパターンが
ある。(72,64)ECCは、3つのエラーの検出を
保証しないため、復号化されたビットパターンに2つま
たは4つのエラーが生じうる。カウンタ値のビットの1
つが変化すると、誤ったデータが伝送される可能性があ
る。また、配線故障に伴う他のエラーパターンが検出さ
れない可能性もある。このため、カウンタ値をいくつか
のECCで保護することで、これらの問題を防止する。
【0016】しかしながら、カウンタ値にカウンタ値E
CCを加えたもの(以下ではこれを、カウンタ値+カウ
ンタ値ECCとも記載)が同一配線上で2ビットを越え
ることはない。たとえば、伝送用に17本の配線があれ
ば、SEC−DED ECCの場合、カウンタ値+カウ
ンタ値ECCが34ビットを越えることはない。すなわ
ち、カウンタ値+カウンタ値ECCが、伝送チャンネル
の配線幅の2倍を越えることはない。この制限により、
配線故障によるカウンタ値のエラーは、ECCにより確
実に検出される。このため、カウンタ値の任意のシング
ルエラーは訂正され、カウンタ値の任意のダブルエラー
は、それが、偶発故障または配線故障によるものであっ
ても、検出することができる。したがって、カウンタ値
は、シングルエラー訂正、ダブルエラー検出および配線
故障検出により保護される。なお、この制限は、使用さ
れるECCのタイプが、メッセージのサイズならびに検
出可能なエラー数にも影響を及ぼすため、使用されるE
CCのタイプによって異なる。たとえば、シングルエラ
ー検出(SED)ECCを使用する場合、シングルエラ
ーのみが検出可能であるため、カウンタ値とカウンタ値
ECCを加えたものが配線サイズを超えることはない
が、ECCのサイズは、SEDのビット数がSEC−D
EDより少ないことから小さくなる。実データ上で使用
されるECCがパリティビットの場合、カウンタ(値)
自体およびパリティビットが配線故障に対して保護され
るとすれば、パリティビットによりカウンタ値を保護す
るだけで十分である。一般に、カウンタ値とカウンタ値
ECCを足したもののサイズは、チャンネルのサイズ
に、ECCにより検出可能なエラー数を掛けたもののサ
イズより大きくはない。なお、異なるタイプのECCを
使用することもできる。たとえば、SEC−DED E
CC、SED ECCまたはダブルエラー訂正―トリプ
ルエラー検出ECCコード、あるいはその他任意のタイ
プのECCコードによりデータを保護するこができる。
【0017】しかしながら、本発明のエラー検出メカニ
ズムは、カウンタ値とカウンタ値ECCの合計が上記の
制限を上回る状況に適応できるように再構成可能であ
る。たとえば、上述の(72,64)コードを用い、チ
ャンネルを17ビット幅ではなく5ビット幅にする。カ
ウンタ値およびカウンタ値ECCのサブメッセージは依
然として合計12ビットであり、(12,7)コードが
形成される。このため、サブメッセージの2ビットが、
3番目のサイクルで伝送される(すなわち、最初の2サ
イクルで10ビットが送信される)。3ビットが少なく
とも1本の配線で送信されると、SEC−DED EC
Cは、カウンタ値の精度を保証することができない。
【0018】第1の解決策は、各カウンタ値それぞれが
ECCチェックビットを有する複数のカウンタ値を使用
することである。たとえば、ECCがSEC−DEDの
場合、カウンタ値およびカウンタ値ECCチェックビッ
トが配線幅の2倍より大きいときは、第1のカウンタ値
とそのECCチェックビットにおける1の数をカウント
することによって第2のカウンタ値が形成される。第2
のカウンタ値は、ECCチェックビットを添付される。
このプロセスは、最後のカウンタ値とそのECCチェッ
クビットが配線幅の2倍より小さくなるまで再帰的(rec
ursively)に続行される。第1のカウンタ値は(log
k)ビットを有する。ここで、kは情報ビットの数であ
る。第2のカウンタ値は、必要であれば、(log(log
k))ビットを有する。図5は、上記例による第1の解
決策を示したものであり、SEC−DED ECCビッ
トを含む、72個のデータビット51、d0…d71と、
SEC−DED ECCビットを含む12個の第1のカ
ウンタ値ビット52、C0…C11と、を含むデータパケ
ットメッセージ50が形成されている。この例では第2
のカウンタ値が必要とされる。第2のカウンタ値は、第
1のカウンタ値における1の数を保持するものであり、
12ビットコードにおける1の数を保持するために4ビ
ット幅である必要がある。4ビットの第2のカウンタ値
を保護するために、4ビットのECCが必要とされる。
これにより、(8,4)SEC−DEDコード53、す
なわちAC0…AC7が形成される。これらの8ビット
は、2サイクルで5本の配線上を伝送可能である。第2
のカウンタ値および第2のカウンタ値ECCを3サイク
ルより少ないサイクルで伝送可能であるため、第3のカ
ウンタは必要ではない。なお、このコードは、第3のサ
ブメッセージを形成し、他の2つのサブメッセージとは
別々に復号化される。したがって、合計20ビットのカ
ウンタ値およびカウンタ値ECCが実データおよび実デ
ータECCに添付される。
【0019】第2の解決策は、カウンタ値を追加せず
に、第1のカウンタ値ECCの選択されたビットを別々
に保護するものである。カウンタ値の該ビットは、EC
C後に、任意のグループにおける合計ビット数がチャン
ネル幅の2倍を超えないように別々のグループで符号化
される。すなわち、カウンタ値の該ビットは複数のEC
Cコードに分割される。図6は、この例による第2の解
決策を示すものであって、SEC−DED ECCビッ
トを含む、72個のデータビット61、d0…d7 1と、
SEC−DED ECCビットを含む10個の第1のカ
ウンタ値ビット62、C0…C9と、を含むデータパケッ
トメッセージ60が形成されている。第1の解決策の場
合、カウンタ値とECC52を足したものが12ビット
幅であったが、この例では、コードの全サイズを最大1
0ビットとすることができる。7ビットのカウンタ値の
5ビットは、5ビットのECCにより保護可能であり、
このため、(10,5)SEC−DED ECCコード
62が形成される。なお、10ビットは2サイクルで伝
送されるため、この(10,5)コードで十分である。
カウンタ値の残りの2ビットは、4ビットのECCで保
護され、このため(6,2)コード63が形成される。
したがって、本解決策により、合計16ビットのカウン
タ値およびカウンタ値ECCが実データおよび実データ
ECCに添付されることになる。なお、この例では、第
2の解決策は、第1の解決策より良好な結果をもたらす
が、値が異なると結果も異なる。いずれの解決策におい
ても、カウンタ値は保護される。
【0020】以下に別の例を挙げる。64ビットが5本
の配線を用いて伝送され、所望のエラー検出により、配
線縮退故障に加えて、任意のシングルエラーも検出する
場合を考える。この場合、シングルエラー検出メカニズ
ムは、65ビット(データに64ビット+パリティビッ
トに1ビット)を必要とする。図7は、第1の解決策に
おける、例として64ビットであるメッセージデータパ
ケット70を示しており、このパケットは、64個のデ
ータビット71、d0…d63と、データビット71に対
するパリティビットPd72とを含む。このため、65
ビットが5本の配線で伝送されることにより、7ビット
幅のカウンタビット、すなわちC0〜C673が必要とさ
れる。これらの7ビットのカウンタビットは、別のパリ
ティビットであるPC74により保護され、従って8ビ
ットが必要となる。これらの8ビットは配線故障を受け
やすい(1本の配線を2回通過するビットもある)た
め、4ビット幅、すなわちAC0〜AC375の第2のカ
ウンタが必要であり、パリティPAC76がこのカウン
タビットを合計5ビットで保護する。5本の配線がある
ため、さらに多くのカウンタは必要ない。第2の解決策
は、7ビットカウンタの4ビットを取り、パリティがこ
れを保護するものである(図8)。残りの3ビットはパ
リティを別に保護するためのものである。図8は、第2
の解決策において、例として64データビットを有する
メッセージデータパケット80を示しており、このパケ
ットは、64個のデータビット81、d0…d63と、デ
ータビット81に対するパリティビットPd82とを含
む。このため、65ビットが5本の配線で伝送されるこ
とにより、7ビットの幅を有するカウンタが必要とされ
る。第2の解決策は、最大サイズが5ビットとなるよう
に、5本の配線でカウンタ(値)を複数部分に分割す
る。1つのパリティビットが保護用に必要とされるた
め、カウンタ(値)は最大4ビットのセグメントに分割
される。このため、カウンタ(値)の4ビットC0〜C3
83がパリティビットPCL84により保護され、カウ
ンタ(値)の3ビットC4〜C6がパリティビットPCH
85により保護される。なお、カウンタ(値)は下位4
ビットと上位3ビットにセグメント化されるものとして
図示されているが、他の分割も可能である。配線(縮
退)故障検出によってシングルエラーがカバーされるた
め、パリティビットはシングルエラーを検出するために
は不要である。しかしながら、それらは、配線故障検出
がすべてのタイプのECC(たとえば、SEC−DE
D)をカバーし得ないため一例として使用される。
【0021】第3の解決策は、カウンタ値のサイズを縮
小する、すなわち、幅がより小さいカウンタ値を使用す
ることである。カウンタ値が小さいと、サブメッセージ
が小さくなる。さらに、カウンタ値が小さいと、保護に
必要なECCビットが少なくなり、この結果サブメッセ
ージが小さくなる。上述の例において、チャンネルが1
7ビット幅であって、64ビットの実データと8ビット
のECCチェックビットを有するメッセージパケット9
0を転送し、図9に示すような(72,64)コードを
形成する場合を考える。なお、72ビットは17の配線
上を5サイクルで送信されるため、少なくとも1本の配
線が5ビットのメッセージを搬送し、この配線が故障ま
たは縮退故障した場合は、5つのエラーが発生する。従
って、配線縮退故障は、−5(すなわち、配線は0に固
定されているが、実際の値は1である場合)乃至+5
(すなわち、配線は1に固定されているが、実際の値は
0である場合)だけカウンタ(値)に影響を及ぼすにす
ぎない。したがって、幅4ビットのカウンタ(値)は、
10の幅を許容できるため、この幅のカウンタ(値)で
十分である。このため、カウンタ値を保護するために、
前述の実施形態で必要される(12,7)コードではな
く、(8,4)SEC−DED ECCコード92、す
なわち、C0〜C7が必要とされる。一般に、カウンタ値
は、全コードワードを伝送するサイクル数の2倍の対数
(底2)の上限である幅を有する必要がある。したがっ
て、本例では、16を法とする(モジュロ16)1の数
がカウントされる。これは、1を加え、モジュロ演算を
行うことにより実行されるが、カウント中は、全幅を有
することになるが、送信中は、余分な上部ビットを切り
離すことが可能である。第3の解決策は好ましい実施形
態である。
【0022】なお、設計者は、(チェックビットの数に
換算して)検出とオーバヘッドとをトレードオフするこ
とにより、信頼性を低くした場合に必要とされるビット
数よりカウンタ値ビットを少なくすることを決定するこ
ともできる。すなわち、カウンタビットの数を、配線縮
退故障検出を行うのに必要な数より少なくすることがで
きるが、その場合は、配線縮退故障検出を保証すること
はできない。
【0023】また、カウンタ値および実データビット
は、チェックビットに不足がある場合、ともにECCに
より保護され得る(または、結合して保護されるECC
になり得る)。しかしながら、これは、配線故障または
縮退故障に対する完全なカバレージを提供するものでは
ない。たとえば、簡単なパリティ保護がなされたデータ
およびカウンタ(値)があり、該データにおいて1ビッ
トを変化させ、かつカウンタ(値)(最下位ビット)に
おいて1ビットを変化させる配線故障が発生したとす
る。パリティは、エラーを検出せず、カウンタ(値)も
また検出しない。従って、上記例では、カウンタ(値)
に4ビットが、データに64ビットが必要とされる。こ
れらの68ビットを保護するために、8ビットのECC
データが必要とされるため、(76,68)SEC−D
ED ECCコードが形成される。
【0024】さらに、単一の配線故障を検出することが
できるが、0から1への遷移数が1から0への遷移数と
等しい場合には、複数の配線故障を検出できない場合が
ある。このため、複数の配線故障のいくつかについては
検出することができるが、すべての配線故障を検出でき
るわけではない。
【0025】さらに、本発明は、複数の配線を含む任意
のデータ伝送環境においても動作可能であり、たとえ
ば、LAN、WANまたはインターネットを介して接続
された2つのコンピュータ間でECCが使用される。ま
た、本発明は、コンピュータシステム内部の、たとえ
ば、RAMとCPU間のデータ伝送にも使用可能であ
る。これは、特にマルチプロセッサシステムについてい
える。
【0026】図4は、本発明に使用されるように構成さ
れたコンピュータシステム400を示す。データビット
を送信するために使用される配線は、バス402、また
は405と406を結合するバス、あるいはネットワー
ク412である。システム400において、中央処理装
置(CPU)401は、バス402に結合される。さら
に、バス402は、ランダムアクセスメモリ(RAM)
403、読み取り専用メモリ(ROM)404、入出力
(I/O)カード405、通信カード411、ユーザイ
ンターフェースカード408およびディスプレイカード
409に結合される。RAM403およびROM404
は、当該技術において周知のように、ユーザとシステム
データとプログラムとを保持する。I/Oカード405
は、ハードドライブ406等の記憶装置をコンピュータ
システムに接続する。通信カード411は、コンピュー
タシステムをローカルネットワーク、広域ネットワーク
またはインターネットネットワーク412に結合するよ
う構成されている。ユーザインターフェースカード40
8は、キーボード413、ポインティングデバイス40
7等のユーザ入力装置をコンピュータシステム400に
結合する。最後に、ディスプレイカード409は、CP
U401により駆動されて、表示装置410の表示を制
御する。CPU401は、HP PA−8200等の任
意の汎用CPUとすることができる。しかしながら、本
発明は、CPU401が、本明細書において説明したよ
うな本発明の動作をサポートする限り、CPU401の
アーキテクチャにより制限されるものではない。なお、
エラーコード(EC)という用語は、訂正および/また
は検出を意味する。
【0027】本発明およびその利点を詳細に説明してき
たが、特許請求の範囲により規定される本発明の思想お
よび範囲から逸脱することなく、本明細書で説明した事
項について種々の変更、置換および修正を行うことがで
きることが理解されよう。以下においては、本発明の種
々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を
示す。 1.データメッセージの伝送中に配線故障を検出するた
めの方法であって、前記データメッセージ(20)は、
データ部(21)と、前記データ部に関連づけられた第
1のエラーコード(EC)部(22)とからなり、前記
データ部および前記第1のEC部に存在する特定ビット
の数を表すカウンタ値(23)を決定するステップ(1
2)であって、前記特定ビットが、2進数の1と2進数
のゼロからなるグループから選択される、ステップと、
前記カウンタ値に関連づけられる第2のEC部(24)
を形成するステップ(13)と、前記カウンタ値および
前記第2のEC部を用いて前記データメッセージを符号
化するステップ(14)と、前記データメッセージの伝
送中に、配線故障によるエラーが前記データ部に存在す
るか否かを判定するために、受信体が、前記符号化され
たカウンタ値を使用するステップからなる、方法。 2.前記第1のEC部(22)および前記第2のEC部
(24)が、シングルエラー訂正コードおよびダブルエ
ラー検出コードである、上項1の方法。 3.前記第1のEC部(22)および前記第2のEC部
(24)が、シングルエラー検出コードである、上項1
の方法。 4.前記使用するステップが、前記メッセージ(20)
を、前記データ部(21)及び前記第1のEC部(2
2)からなる第1のサブメッセージと、前記カウンタ値
(23)及び前記第2のEC部(24)からなる第2の
サブメッセージとを有する、少なくとも2つのサブメッ
セージに分割するステップ(31)と、前記第1及び第
2のサブメッセージを復号化するステップ(32)と、
前記第1のサブメッセージに存在する特定ビットの数を
表す別のカウンタ値を決定するステップ(34)と、前
記別のカウンタ値と前記第2のサブメッセージのカウン
タ値を比較するステップ(35)と、前記比較ステップ
が、前記別のカウンタ値が前記第2のサブメッセージの
カウンタ値と異なることを示す場合に、エラーを通知す
るステップ(37)からなる、上項1の方法。 5.前記使用するステップが、前記第1のEC部(2
2)によって前記第1のサブメッセージにおけるエラー
を検出するステップと、前記第2のEC部(24)によ
って前記第2のサブメッセージにおけるエラーを検出す
るステップをさらに含み、エラー検出する前記ステップ
が、別のカウンタ値を決定する前記ステップに先立って
行われる、上項4の方法。 6.前記カウンタ値(23)と前記第2のEC部(2
4)のサイズが、前記メッセージの伝送時に使用される
伝送経路の幅と比較して、前記第2のEC部により保護
可能なサイズより大きく、先行するカウンタ値および先
行するのEC部に存在する特定ビットの数を表す次のカ
ウンタ値を生成するステップと、前記次のカウンタ値と
関連づけられた次のEC部を形成するステップと、前記
次のカウンタ値と前記次のEC部のサイズが、前記伝送
経路の幅と比較して、前記次のEC部により保護可能な
サイズ程度(または、サイズ以下)になるまで、前記生
成するステップと形成するステップを繰り返すステップ
からさらになる、上項1の方法。 7.前記カウンタ値(23)および前記第2のEC部
(24)のサイズが、前記メッセージの伝送時に使用さ
れる伝送経路の幅と比較して、前記第2のEC部により
保護可能なサイズより大きく、前記カウンタ値を複数の
カウンタ値部分に分割するステップと、複数のEC部を
形成するステップであって、各EC部が、前記複数のカ
ウンタ値部分の特定の1つと関連づけられる、ステップ
からさらになる上項1の方法であって、前記各カウンタ
値部分およびそれに関連づけられたEC部のサイズが、
前記伝送経路の幅と比較して、前記関連づけられたEC
部により保護可能なサイズ程度(または、サイズ以下)
である、方法。 8.高次ビットを除去することにより前記カウンタ値
(23)を切り捨てるステップであって、これにより、
残りのビットが、前記データ部(21)および前記第1
のEC部(22)を伝送するのに必要なサイクル数の2
倍を示すのに十分な幅となるようにする、ステップをさ
らに含み、前記切り捨てるステップが、前記第2のEC
部(24)を形成する前記ステップに先立って行われ
る、上項1の方法。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、大きなオーバヘッドを
生じず、かつ、実施が容易な、配線縮退故障を検出する
エラー検出メカニズムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メッセージを符号化する本発明のメカニズムの
フロー図を示す。
【図2】図1により符号化されたメッセージを示す。
【図3】図2のメッセージを復号化する本発明のメカニ
ズムのフロー図を示す。
【図4】図1および図3の本発明を実施するよう構成さ
れたコンピュータシステムのブロック図を示す。
【図5】図1の本発明の1実施態様によって形成される
図2のデータメッセージの例を示す。
【図6】図1の本発明の、図5とは異なる実施態様によ
って形成される図2のデータメッセージの例を示す。
【図7】図1の本発明の、図5及び6とは異なる実施態
様によって形成される図2のデータメッセージの例を示
す。
【図8】図1の本発明の、図5、6及び7とは異なる実
施態様によって形成される図2のデータメッセージの例
を示す。
【図9】図1の本発明の、図5、6、7及び8とは異な
る実施態様によって形成される図2のデータメッセージ
の例を示す。
【符号の説明】
20 データメッセージ 21 実データ部 22 ECCチェックビット(第1のEC部) 23 カウンタ値 24 ECCチェックビット(第2のEC部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】データメッセージの伝送中に配線故障を検
    出するための方法であって、前記データメッセージ(2
    0)は、データ部(21)と、前記データ部に関連づけ
    られた第1のエラーコード(EC)部(22)とからな
    り、 前記データ部および前記第1のEC部に存在する特定ビ
    ットの数を表すカウンタ値(23)を決定するステップ
    (12)であって、前記特定ビットが、2進数の1と2
    進数のゼロからなるグループから選択される、ステップ
    と、 前記カウンタ値に関連づけられる第2のEC部(24)
    を形成するステップ(13)と、 前記カウンタ値および前記第2のEC部を用いて前記デ
    ータメッセージを符号化するステップ(14)と、 前記データメッセージの伝送中に、配線故障によるエラ
    ーが前記データ部に存在するか否かを判定するために、
    受信体が、前記符号化されたカウンタ値を使用するステ
    ップからなる、方法。
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