JP2001206278A - 浮体式海洋構造物の接合構造 - Google Patents

浮体式海洋構造物の接合構造

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JP2001206278A
JP2001206278A JP2000230801A JP2000230801A JP2001206278A JP 2001206278 A JP2001206278 A JP 2001206278A JP 2000230801 A JP2000230801 A JP 2000230801A JP 2000230801 A JP2000230801 A JP 2000230801A JP 2001206278 A JP2001206278 A JP 2001206278A
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Seiichi Shimamune
誠一 島宗
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接に比べ接合作業が大幅に簡素化できると
ともに再び離脱させることも容易にでき、かつ、接合部
の応力を軽減できる浮体式海洋構造物の接合構造を提供
する。 【解決手段】 2つの浮体式海洋構造物7の接合構造に
おいて、一方の浮体式海洋構造物7の端と他方の浮体式
海洋構造物7の端とを少なくとも1つの弾性連結手段1
1で接合し、かつ、上記2つの構造物の間に垂直変位ダ
ンパー12を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浮体式海洋構造物の接
合方法に関し、詳しくは、分割建造された浮体式海洋構
造物を洋上で接合する方法に関する。
【0002】
【従来の発明】浮体式海洋構造物には、大きく分けてポ
ンツーン型とセミサブ型があるが、どちらも大型の構造
物を建造する場合は、造船所の施設で構造物全体を建造
できないので、造船所で建造された浮体式海洋構造物
(以下、浮体という)を洋上で接合して一体化する方法
が採られている。この場合の接合方法には、機械式接合
と溶接接合の2種類が考えられるが、現在のところ、機
械式接合には継手をボルト止めにするか又はヒンジ式に
するいわゆる「ピン接合」が考えられる程度で、浮体の
接合方法として技術的に確立された方式は無く、溶接を
前提として全体構造及び継手部の設計を行うという考え
方が主流である。しかし、図6(a)に示すような浮体
を洋上で溶接により接合する方法には、接合に時間とコ
ストがかかるといったことや、一旦接合したものは切り
離しが困難であること、水面10より下の部分の構造に
も溶接が必要となり(ポンツーン型のみ)相対的な品質
の低下又はそれを補うためのコストが上がるなどのよう
な問題点がある。これに対し、図6(b)に示すような
機械式継手の代表としてのピン接合には、浮体の弾性変
形により特定のピンに集中荷重が掛かる可能性があり、
それに見合う強度のピン及び補強は非現実的であるとい
う根本的な問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
問題点に鑑み、溶接に比べ接合作業が大幅に簡素化でき
るとともに再び離脱させることも容易にでき、かつ、接
合部の応力を軽減できる浮体式海洋構造物の接合方法を
開発すべく、鋭意検討を行った。その結果、本発明者ら
は、「継手部分に複数自由度の変位を許した機械式継
手」を浮体式海洋構造物の接合方法に用いることによっ
て、かかる問題点が解決されることを見出した。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造は、2つの浮
体式海洋構造物の接合構造において、一方の浮体式海洋
構造物の端と他方の浮体式海洋構造物の端とを少なくと
も1つの結合力の調整可能な弾性体連結手段で接合し、
かつ、上記2つの構造物の間に垂直変位に対し抵抗力を
発揮する装置(いわゆるダンパー)を有することを特徴
とする。また、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造
は、2つの浮体式海洋構造物の接合構造において、一方
の浮体式海洋構造物の端と他方の浮体式海洋構造物の端
とを上側に設けられた結合力の調整可能な弾性連結部材
及び下側に設けられた弾性連結部材で接合し、かつ、上
記2つの構造物の間に摺動面を有することを特徴とす
る。さらに、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造は、
2つの浮体式海洋構造物の接合構造において、一方の浮
体式海洋構造物の端と他方の浮体式海洋構造物の端とを
結合力の調整可能な弾性連結部材で接合し、かつ、上記
2つの構造物の端と端とが篏合構造であるとともに上記
篏合構造の凸部の上下両側、又は凹部の上下内側に設け
られた締付装置で上記篏合構造を締め付けることを特徴
とする。上記篏合構造の上下端部の表面には、弾性受圧
材を備えることができる。
【0005】本発明の浮体式海洋構造物の接合構造にお
いては、上記2つの浮体式海洋構造物の接合面を、接合
付近以外の一般部分の断面積より広い面積にすることが
できる。また、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造に
おいて、上記2つの浮体式海洋構造物の接合面を、中段
部分が高く上下の両端部が低くなるような曲面状にし、
かつ上記接合面に弾性変形材を備えることもできる。加
えて、本発明の接合構造は、一方の浮体式海洋構造物の
端と他方の浮体式海洋構造物の端とを結合力の調整可能
な弾性連結部材で接合し、かつ、該弾性連結部材の接合
部とは異なる位置で2つの構造物の間に摺動面を有する
ように組み合わせることも可能である。この組合せによ
れば、例えば弾性連結部材を上下方向にたすき掛け状に
接続し、かつ、上記摺動面を有する位置における2つの
構造物の端と端とを篏合構造とし、上記摺動面を該篏合
構造の凸部に設けることができる。さらに本発明の接合
構造は、上記篏合構造を傾斜凹凸構造とし、摺動面以外
の箇所に少なくとも2以上の緩衝材が設けられている態
様とすることも可能である。この場合も、弾性連結部材
の接合において、水面に対して平行な位置の連結金具に
接合する場合の他、上下方向にたすき掛け状に接続する
こともできる。
【0006】上記のような浮体式海洋建造物の接合構造
によれば、浮体全体としては機械式継手の長所である接
合、離脱が容易となる。また、継手部分は、結合力の調
整可能な弾性体で構成されているので、溶接に比べて低
い範囲で継手全体の剛性を調整することができ、浮体全
体の動特性を変化させられる。つまり、従来の設計手法
が浮体の動特性を一定として変位量ないし強度を設定し
ているのに対し、本発明では使用目的及び予想される外
力によって動特性を変化させることができることで、設
計の概念を一変することも可能となる。例えば、使用目
的が海上レジャーランドであるとすれば、平常時は継手
部分を強く拘束して継手部分にかかる施設・交通路など
に支障のない状態を維持し、一方、休業時あるいは荒天
時などは拘束を緩めて浮体全体にかかる荷重を低減する
ことで、全体強度を緩和する設計が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照にして、本
発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の接合構造
は、「継手部分に複数自由度の変位を許した機械式継
手」を用いて2つの浮体式海洋構造物を接合する構造で
ある。実施の形態その1 図1は、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造の一実施
の形態を示す模式図である。図1に示すように、浮体7
の接合線方向(以下、X軸方向という)に適当な間隔を
おいて複数の弾性結合手段11及び垂直変位ダンパ12
を組合せた構造で接続することにより、従来のピン接合
が継手部のX軸廻りの回転変位のみを許容しているのに
対し、本発明の接合構造はX軸廻りの回転変位の他に前
後方向(以下、Y軸方向という)及び上下方向(以下、
Z軸方向という)の変位を許容し、かつ弾性結合手段1
1の反力で変位に対し復元力を持たせている。ここで、
弾性結合手段11としては、特に限定されないが、例え
ば、チェーン、バネ、ゴムチューブ、ワイヤーあるいは
これらを組合せたラバーチェーンなどを用いることがで
き、これらを予め緊張させておく程度を加減することよ
り継手の強さの調整をすることができる。また、垂直変
位ダンパ12としては、特に限定されないが、例えば、
摩擦力を得るための圧着部材や、圧力逃がし弁のついた
油圧ジャッキなどを用いることができる。ここでダンパ
ーとは、ブレーキにはなるが復元力はないものをいう。
これにより、本発明の接合方法は、溶接に比べて接合作
業を大幅に簡素化することができる。また、再び浮体を
離脱させることも容易となる。さらに、継手部分が荷重
に応じて変位するので応力が軽減される。また、接続に
使用する弾性結合手段11の強さを加減することによ
り、許容変位量の調整が可能となり、異常時の応力の低
減などを図ることができる。
【0008】実施の形態その2 図2は、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造における
別の実施の形態を説明する模式図であり、(a)は接合
前を、(b)は接合後を示している。図2(a)に示す
ように、接合しようとする2つの浮体8の接合面の上部
および下部に、適当な間隔をおいて引寄せ装置1と弾性
連結部材2と連結金物3とからなる一連の連結機構を設
ける。ここで、引寄せ装置1としては、例えば、ウォー
ムギヤジャッキ、油圧ジャッキなどを用いることができ
る。また、弾性連結部材2としては、特に限定されない
が、例えば、チェーン、バネ、ゴムチューブ、ワイヤー
あるいはこれらを組合せたラバーチェーンなどを用いる
ことができる。また、両浮体8の同じ接合面の中段部
に、適当な間隔をおいて互いに向き合う形で、表面が平
坦な凸部8aをそれぞれ設ける。この凸部8aの表面
は、弾性受圧摺動板4をそれぞれ備えている。弾性受圧
摺動板4としては、摩擦係数の高いものであれば特に限
定されるものではないが、耐摩耗性で摩擦力が高いもの
が好ましく、例えば、硬質ゴム、硬質木材、高分子化合
物などを用いることができる。
【0009】このような構成の浮体式海洋構造物におい
ては、図2(b)のように、両浮体8を、上記引寄せ装
置1と弾性連結部材2と連結金物3とからなる一連の連
結機構によって弾性的に接合することができる。ここ
で、弾性的に結合とは、外力に起因する荷重に対し、相
対変位又は変形を生じるが同時に復元力が働き、荷重が
解き放たれた時点で元の状態に戻る性質を有する結合状
態をいう。また、上記凸部8aの表面同士が、上記連結
構造の牽引力により弾性受圧摺動板4を介して圧着状態
となるため、この面が摺動する際に働く摩擦力によっ
て、動揺の抑止効果を得ることができる。上記の効果の
組合せにより、両浮体8は、両者を連結又は接触させて
いる弾性連結部材2の弾性変形範囲内で、前後(Y軸方
向)上下(Z軸方向)の相対変位、及びX軸廻りの回転
変位を許容し、かつ、弾性連結部材2の反力でこれらの
変位に対し復元力を持つこととなる(接合部全体で見れ
ば、Y軸及びZ軸廻りの回転変位も許容している)。こ
の結果、浮体全体としては、機械式継手の長所である接
合、離脱の容易さを有し、かつ、継手の剛性を(一般的
には、溶接による継手に比べて低い範囲で)調整するこ
とにより、浮体全体の動特性を変化させることができ
る。
【0010】実施の形態その3 図3は、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造における
もうひとつの実施の形態を説明する模式図であり、
(a)は接合前を、(b)は接合後を示している。図3
(a)に示すように、接合しようとする2つの浮体9に
おいて、接合面の中段の高さ(水面10より上部)に、
適当な間隔をおいて引寄せ装置1と弾性連結部材2と連
結金物3とからなる一連の連結機構を設ける。また、両
浮体9の接合面に、適当な間隔をおいて意図的に余裕
(隙間)をもたして篏合させることを前提とした凸部9
aと凹部9bとを備えた凹凸構造を設ける。この凹部9
bの上部及び下部には、弾性受圧材5と締付装置6とを
それぞれ備えている。ここで、弾性受圧材5としては、
特に限定されるものではないが、特に大きな弾性変形を
許容するものが好ましく、例えば、ゴムや、バネなどを
用いることができる。締付装置6としては、例えば、エ
アジャッキ、ウォームギヤジャッキ、油圧ジャッキなど
とリンク機能を組み合わせたものを用いることができ
る。さらに、本実施の形態では、必要に応じて、図3
(a)に示すように、凹凸構造の上下端部の表面に、弾
性受圧摺動板4を設けることができる。
【0011】このような構成の浮体式海洋構造物におい
ては、図3(b)のように、両浮体9を、上記引寄せ装
置1と弾性連結部材2と連結金物3とからなる一連の連
結機構によって弾性的に接合することができる。また、
上記凹凸構造は、篏合した後、篏合部の上下に配置した
弾性受圧材5および締付装置6を操作して上下の隙間を
調節することにより、上下(Z軸方向)の相対動揺を抑
止する役割を果たすことができる。また、凹凸構造の上
下端部の表面は平坦で、この平面同士は、上記連結構造
の牽引力により、弾性受圧摺動板4を介して圧着状態と
なるため、この面が摺動する際に働く摩擦力によって動
揺の抑止効果を得ることができる。さらに、この圧着部
はX軸廻りの回転動揺に対しては上下どちらかがさらに
圧縮状態になり、その反力と中段の接合構造に働く張力
との偶力で、これらの回転変位に対して復元力を持つこ
ととなる。この結果、図3に示した接合構造によれば、
図2で示した接合構造で得られる効果を全て維持した上
に、水面10下の部分の接合構造を無くすことによって
水中作業を回避するなどの効果も得ることができる。こ
のように接合工事が水上作業のみとなることにより、接
合離脱が一段と容易になる。また、上下(Z軸方向)の
相対動揺の反力は、主に両浮体9に組み込まれた凹凸構
造部で受けるため、より大きい外力に耐えることができ
る。
【0012】実施の形態その4 図4は、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造におい
て、接合面についての実施の形態を説明する模式図であ
り、(a)は接合前を、(b)は接合後を示している。
図4(a)に示すように、接合しようとする2つの浮体
13の接合面が、浮体13の接合付近以外の一般部分の
断面積より広い面積になるような接合構造を設ける。こ
こで、上記一般部分の断面積を1とした場合、上記接合
構造の接合面の面積は1以上であれば良く、特に1.2
〜1.5が好ましい。2.0以上の場合、中段部分が水
面下になりメリット相殺となるので好ましくない。ま
た、上記接合構造以外の接合機構は、前述した実施の形
態の構造を適宜用いることができる。このような構成の
浮体式海洋構造物においては、図4(b)のように、両
浮体13を、前述の連結構造など(図省略)によって接
合することができる。これにより、前述の継手(図省
略)に働く荷重のうち、最も大きな要素となると考えら
れる接合線方向(X軸)廻りの曲げモーメントにより生
じる各部の応力を軽減することができる。
【0013】例えば、両浮体13が篏合した後、X軸廻
りの回転動揺に対して、図2(b)の場合では上下の引
寄せ装置に働く張力と圧着部に働く圧縮力との組み合わ
せによる偶力が働くが、図4(b)の場合は接合面が浮
体13の断面よりも大きくしてあるので、この偶力の距
離が長くなり、したがって各部に働く応力を低減するこ
とができる。また、図3(b)の場合では中段の接続装
置に働く引張力と上下どちらかに働く圧縮力との偶力が
発生するが、図4(b)の場合はやはり距離が長くなる
ので各部に働く応力を低減することができる。この結
果、図4に示した接合構造を用いることによって、図2
や図3で示した効果を全て維持した上に、各部に働く応
力を低減することになるので、より大きい外力に耐える
ことが可能となる。
【0014】実施の形態その5 図5は、本発明の実施の形態において、接合面を曲面状
に形成した場合の模式図であり、(a)は接合前を、
(b)は接合後を示している。前述してきた浮体式海洋
構造物は、特に浮体が鋼製の場合、日照の影響により上
甲板と底部とで温度差が生じ、浮体が面外方向に湾曲す
ることがある。そうすると図2や図3の場合では、圧着
又は摺動面が上又は下の端部のみで接触する状態とな
り、面接触できなくなるという問題が発生する。この問
題の解決策として、図5(a)に示すように、図2や図
3の接合構造の圧着又は摺動面を予め予想される浮体の
湾曲に合わせた緩やかな曲面で形成する。つまり、浮体
の中段部分が高く上下の両端部が低くなるような曲面状
の構造を設ける。ここで、上記曲面状の曲がりぐあいの
程度は、浮体の湾曲に合わせた緩やかな曲面であれば特
に限定されない。また、上記圧着又は摺動面には、弾性
変形材14を設置する。ここで、弾性変形材14として
は、特に限定されるものではないが、ある程度の弾性変
形を許容するものが好ましく、例えば、硬質ゴム、硬質
木材、高分子化合物などを用いることができる。このよ
うな構成の浮体式海洋構造物においては、図5(b)の
ように、温度変形に関わらず、圧着又は摺動に寄与する
面積を一定に確保することができる。この図5に示した
接合構造は、図2又は図3に用いることによって、図2
や図3で示した効果を全て維持した上に、上記効果を得
ることができる。また、図4に示した構造と併用するこ
ともできる。
【0015】実施の形態その6 図7は、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造の実施の
形態として、連結方法の態様の1つに本発明の特徴とな
る構成要素を組み合わせた形態を示す。本実施の形態で
は、浮体15の接合面に適当な間隔をおいて弾性連結部
材2を、接合断面上の取り付け位置に対して、たすき掛
け状(×状)に接続することで、両浮体を弾性的に連結
することを特徴としている。図7では、最も単純な形態
を示しているが、他の実施の形態と同様に、弾性連結部
材2に引寄せ装置1を設置し、結合力を調整できるよう
にすることも可能である。また、本実施の形態は、接合
しようとする双方の浮体の接合面であって、上記弾性連
結部材2とは異なる位置の断面に、適当な間隔をおいて
図7(b)の構造を配置する。この(b)の構造体は、
意図的に余裕を持たせて篏合させることを前提とした凹
凸構造である。浮体15同士が接触する部分は、実施の
形態その2と同様に高さ方向の中央部とし、接触表面に
は実施の形態その5と同様に、日照による変形および回
転動揺を吸収する緩やかな曲面を有する弾性受圧摺動板
4が設けられている。なお、日照による変形および回転
動揺を吸収する機能は、受圧摺動板16と弾性緩衝材1
7との組合せによっても実施可能である。
【0016】上記接合構造は、×状に接続された弾性連
結部材2がXYZ方向の相対動揺、特にZ方向の動揺お
よびY方向の引き離し力に抵抗する役割を果たす一方、
X軸廻りの回転動揺には殆ど抵抗しないという特徴を有
する。また、凸構造の端部表面の緩やかな曲面をなす弾
性受圧材摺動板4、あるいは受圧摺動板16と弾性緩衝
材17との組合せは、浮体同士がいかなる動揺モード若
しくは温度変形の状態にあっても、上記連結装置の牽引
力により凹部の平面と部分的圧着状態となり、Y方向の
圧縮力に抗するとともに、この面が摺動する際に作用す
る摩擦力が主にZ軸方向の動揺抑制効果を促す。さら
に、このような意図的に余裕(隙間)を持たせて篏合さ
せることを前提とした凹凸構造は、上記相対動揺の許容
限度としてのストッパーの役割を果たす。本実施の形態
の特徴は、回転変位に対して浮力以外の復元力を殆ど生
じないので、接合部に実施の形態3,4に比べ大きな変
位(折れの変形)を生じるが、接合部にかかる荷重は低
減され、対波浪性能が向上する。よって本実施の形態
は、連結された浮体の使用目的が接合部の連続性を特に
重視していない場合などに適している。また、本実施の
形態は、弾性連結部材2の下端部を予め浮体に接続して
おくことにより、現場での接合工程が浮体上の作業工程
のみとなり、洋上での接合離脱が非常に容易になるの
で、より実用性が増すことになる。
【0017】実施の形態その7 図8は、本発明の浮体式海洋構造物の接合構造の実施の
形態として、実施の形態その3と同様に、接合面に適当
な間隔をおいて意図的に余裕をもたして篏合させること
を前提とした凹凸構造を設ける。その際、嵌合部の上下
面に傾斜をつけることにより傾斜凹凸構造18a,b間
の水平方向の距離が変化すると、垂直方向の隙間距離も
同様に変化することを特徴とする接合構造を用いる。こ
の傾斜凹凸構造18a,bの間には、緩衝材19(例え
ばゴムフェンダー)を各面に設置し、凹凸構造18a,
bが外力によリ接近した場合には個々に反力を発生す
る。本実施の形態では上記接合構造に、実施の形態その
6と同様な接合面に適当な間隔をおいて弾性連結部材2
を接合断面に対して、平行に×状に接続することで両浮
体を弾性的に連結する方法とを組み合わせているが、こ
のような組合せは変更することも可能である。
【0018】上記接合構造は、弾性連結部材2の締付力
を、締め付け装置1を用いて調整することにより、上記
接合構造の剛性すなわちXYZ方向の相対動揺に抵抗する
力をより幅広く調整できるという特徴を有する。また、
凸構造の端部表面の受圧摺動16とフェンダー17との
組合せは、浮体同士がいかなる動揺モードもしくは温度
変形の状態にあっても、上記連結装置の牽引力により凹
部の平面と部分的圧着状態となり、Y方向の圧縮カに抗
するとともに、この面が摺動する際に作用する摩擦力が
主にZ軸方向の抑止効果を促す。本実施形態の特徴は、
接合部分が上下動揺・回転動揺に対して他の実施の形態
に比べて剛性を強くすることができるので、連結された
浮体の使用目的が車両の通行など接合部の連続性を重視
する場合に適している。また、本実施の形態は実施の形
態その6と同様に、洋上での接合離脱が非常に容易にな
り、実用性が増すという特徴がある。本発明の浮体式海
洋建造物の接合構造は、超大型浮体式海洋建造物(メガ
フロート)以外にも、大型ケーソン防波堤などの大型建
造物の洋上接合に利用することにより、各実施の形態に
記載した効果と同様の効果を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】上記の記載から明らかなように、本発明
の浮体式海洋建造物の接合構造によれば、浮体全体とし
ては機械式継手の長所である接合・離脱の容易さを一層
実用化している。さらに、接合構造の継手部分は、強さ
を調節できる弾性体で構成されているので、溶接に比べ
て低い範囲で継手全体の剛性を調整することが可能とな
り、浮体全体の動特性を変化させることができる。これ
は、従来の設計手法が浮体の動特性を一定として変位量
ないし強度を設定しているのに対し、使用目的及び予想
される外力によって動特性を変化させることができるこ
とで、設計の概念を一変することも可能となる。例え
ば、使用目的が海上レジャーランドであるとすれば、平
常時は継手部分を強く拘束して継手部分にかかる施設・
交通路などに支障のない状態を維持し、一方、休業時あ
るいは荒天時(事実上休業となると仮定)などは拘束を
緩めて浮体全体にかかる荷重を低減することで、全体強
度を緩和する設計が可能となる。
【0020】また、本発明による接合構造の継手部分を
部分的に取り入れることによって、従来の溶接一体型の
大型浮体が浮体全体を一様な連続体として強度の設計を
する必要があるのに対し、本発明に係る機械式継手を例
えば超大型浮体(例えば飛行場)の外周部に付く浮体
(ユニット)の接合構造部に適用すれば、波浪外力の多
くをこの外周部のユニットの接合構造部で吸収して、主
要な設備のあるであろう超大型浮体の中心部(例えば滑
走路)の波浪応答を低減させるというような全体設計も
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合構造の一実施の形態を説明する模
式図である。
【図2】本発明の別の実施の形態を説明する模式図であ
り、(a)は接合前を、(b)は接合後を表す。
【図3】本発明のもうひとつの実施の形態を説明する模
式図であり、(a)は接合前を、(b)は接合後を表
す。
【図4】本発明の実施の形態において、かかる接合面を
広くした場合の模式図であり、(a)は接合前を、
(b)は接合後を表す。
【図5】本発明の実施の形態において、かかる接合面を
曲面状に形成した場合の模式図であり、(a)は接合前
を、(b)は接合後を表す。
【図6】従来の浮体式海洋構造物の接合構造を説明する
模式図であり、(a)は溶接接合を、(b)はピン接合
を表す。
【図7】本発明の他の実施の形態における接合面を説明
する模式図であり、(a)は弾性連結部材を配置した接
合部を、(b)は弾性受圧摺動板を配置した接合部を表
す。
【図8】本発明の他の実施の形態における接合面を説明
する模式図であり、(a)は弾性連結部材を配置した接
合部を、(b)は傾斜凹凸構造に弾性受圧摺動板を配置
した接合部を表す。
【符号の説明】
1 引寄せ装置 2 弾性連結部材 3 連結金物 4 弾性受圧摺動板 5 弾性受圧材 6 締付装置 7、8、9、13、15、18 浮体 8a 凸部 9a 篏合構造の凸部 9b 篏合構造の凹部 10 水面 11 弾性結合手段 12 垂直変位ダンパ 14 弾性変形材 16 受圧摺動板 17 弾性緩衝材 19 緩衝材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの浮体式海洋構造物の接合構造にお
    いて、一方の浮体式海洋構造物の端と他方の浮体式海洋
    構造物の端とを少なくとも1つの弾性体連結手段で接合
    し、かつ、上記2つの構造物の間に垂直変位ダンパを有
    することを特徴とする浮体式海洋構造物の接合構造。
  2. 【請求項2】 2つの浮体式海洋構造物の接合構造にお
    いて、一方の浮体式海洋構造物の端と他方の浮体式海洋
    構造物の端とを上側に設けられた弾性連結部材及び下側
    に設けられた弾性連結部材で接合し、かつ、上記2つの
    構造物の間に摺動面を有することを特徴とする浮体式海
    洋構造物の接合構造。
  3. 【請求項3】 2つの浮体式海洋構造物の接合構造にお
    いて、一方の浮体式海洋構造物の端と他方の浮体式海洋
    構造物の端とを弾性連結部材で接合し、かつ、上記2つ
    の構造物の端と端とが篏合構造であるとともに上記篏合
    構造の凸部の上下両側、又は凹部の上下内側に設けられ
    た締付装置で上記篏合構造を締め付け又は弛緩すること
    を特徴とする浮体式海洋構造物の接合構造。
  4. 【請求項4】 上記篏合構造の上下端部の表面に弾性受
    圧材を備えたことを特徴とする請求項3に記載の浮体式
    海洋構造物の接合構造。
  5. 【請求項5】 上記2つの浮体式海洋構造物の接合面
    は、接合付近以外の一般部分の断面積より広い面積を有
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    浮体式海洋構造物の接合構造。
  6. 【請求項6】 上記2つの浮体式海洋構造物の接合面
    は、中段部分が高く上下の両端部が低くなるような曲面
    状であり、かつ上記接合面に弾性変形材を備えたことを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の浮体式海洋
    構造物の接合構造。
  7. 【請求項7】 2つの浮体式海洋構造物の接合構造にお
    いて、一方の浮体式海洋構造物の端と他方の浮体式海洋
    構造物の端とを弾性連結部材で接合し、かつ、該弾性連
    結部材の接合部とは異なる位置で2つの構造物の間に摺
    動面を有することを特徴とする浮体式海洋構造物の接合
    構造。
  8. 【請求項8】 上記摺動面を有する位置における2つの
    構造物の端と端とが篏合構造であるとともに、上記摺動
    面が篏合構造の凸部に設けられていることを特徴とする
    請求項7記載の浮体式海洋構造物の接合構造。
  9. 【請求項9】 上記篏合構造が傾斜凹凸構造からなるも
    のであって、摺動面以外の箇所に少なくとも2以上の緩
    衝材が設けられていることを特徴とする請求項8記載の
    浮体式海洋構造物の接合構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013084979A1 (ja) * 2011-12-07 2013-06-13 Nakamura Takuju 浮体構造物連結システム及びこれを用いた係留システム
JP2017505264A (ja) * 2014-01-14 2017-02-16 アレクサンドル アレクサンドロヴィッチ ノヴィコフ 浮島

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