JP2001205365A - アルミニウム合金板のヘミング加工方法 - Google Patents

アルミニウム合金板のヘミング加工方法

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JP2001205365A
JP2001205365A JP2000009052A JP2000009052A JP2001205365A JP 2001205365 A JP2001205365 A JP 2001205365A JP 2000009052 A JP2000009052 A JP 2000009052A JP 2000009052 A JP2000009052 A JP 2000009052A JP 2001205365 A JP2001205365 A JP 2001205365A
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hemming
flat
aluminum alloy
plate
alloy
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JP2000009052A
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Haruyuki Konishi
晴之 小西
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラットヘムの縁曲部に前記不良が生じる
ことがなく、また、形成されるフラットヘムの縁曲部の
形状精度や寸法精度が良い、高強度なAl合金板のフラッ
トヘム工程によるヘミング加工方法を提供することを目
的とする。 【解決手段】 耐力が130MPa以上のアルミニウム合金
板1 をヘミング加工するに際し、フラットヘミング加工
に先立つダウンフランジ加工において、ダイス3aの肩半
径RdをRd/tで0.8 以下 (但しt はアルミニウム合金板の
板厚) とするとともに、ポンチ4aの肩半径RpをRp/tで1.
0 以上とすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形成されるフラッ
トヘムの縁曲部に不良が生じず、また、寸法精度も良
い、高強度なアルミニウム合金板のヘミング加工方法
(以下、アルミニウムを単にAlと言う)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、排気ガス等による地球環境問題に
対して、自動車などの輸送機の車体の軽量化による燃費
の向上が追求されている。このため、これら輸送機の車
体に対し、従来から使用されている鋼材に代わって、板
材、形材、鍛造材などの各種Al合金展伸材 (以下、単に
Al合金材とも言う) の適用が増加しつつある。
【0003】Al合金は、鋼に比して、その比重が1/3 で
あること、優れたエネルギー吸収性を有する。このた
め、車体重量を増加させずに、安全基準への対応や車体
性能を向上させることが可能となる。中でも、高強度で
成形性に優れたAA乃至JIS 5000系や、成形性や焼付硬化
性に優れたAA乃至JIS 6000系および7000系 (以下、単に
5000系、6000系、7000系と言う) などのAl合金圧延板
が、自動車のドア、エンジンフード、トランクリッド等
の外板や内板等のパネル材等に採用されている。
【0004】これらのパネル材は、外板 (アウターパネ
ル) では、絞り工程やトリム工程等の成形加工後に、外
板の縁を折り曲げて (180 度折り返して) 、成形加工後
の内板 (インナーパネル) の縁との接合を行う、ヘミン
グ加工 (はぜ折り加工) が行われる。このヘミング加工
の概要を図1(a)〜(d) に示す。同図から分かる通り、ヘ
ミング加工は、基本的に、図1(a)のダウンフランジ工
程、図1(b)のプリヘム工程を経て、図1(c)のフラットヘ
ム工程か図1(d)のロープヘム工程の選択により行われ
る。
【0005】まず、図1(a)のダウンフランジ工程は、ダ
イス3aと板押さえ5aにより固定した、成形加工後の外板
1 の縁1aを、ポンチ4aにより、直角に近い角度まで折り
曲げる。
【0006】次に、図1(b)のプリヘム工程は、ダウンフ
ランジ工程後の外板1 を、同じく、ダイス3bと板押さえ
5bにより固定し、外板1 の縁1bを、ポンチ4bにより、更
に約45度まで内側に折り曲げる。
【0007】更に、図1(c)のフラットヘム工程や図1(d)
のロープヘム工程は、絞り工程やトリム工程等の成形加
工後の内板2 の縁をプリヘム工程後の外板1 の折り曲げ
部に収容 (挿入) する。そして、外板1 および内板2 と
を、板押さえ (図示せず) とダイス3c、3dにより固定す
るとともに、外板1 の縁1c、1dを、ポンチ4c、4dによ
り、更に180 度の角度まで内側に折り曲げフラットヘム
を形成する。このようにして、内板2 の縁と、外板1 の
フラットヘム部(180 度折り曲げ部) とが接触して、両
者が端部同士において接合されるとともに密着される。
【0008】この内、図1(d)のロープヘム工程は、図1
(c)のフラットヘム工程に比較して、ヘム縁曲部(折り
曲げ部) の形状が、円弧状に膨らんだ、ロープ状の形状
を有しており、シャープ乃至フラットなヘム形状ではな
く、外観性も良くない。また、外板と内板との接触面積
が少なく接合性や密着性に欠ける等の問題もある。この
ため、特に、自動車部品などにおいては、ヘミング加工
の最終工程を図1(c)のフラットヘム工程により行うこと
が通常となっている。
【0009】一方、自動車のドア、エンジンフード、ト
ランクリッド等の外板や内板等のパネル材等に採用され
るAl合金板材は、これらパネル材の軽量化のための薄肉
化により、6000系Al合金のT4処理材など、耐力が130MPa
以上の、より高強度なAl合金板がパネル材用に使用され
るようになっている。
【0010】しかし、これら高強度Al合金板では、必然
的に曲げ加工性が低下し、ヘミング加工性も低くなる。
このため、特に、ヘミング加工の内の特に厳しい曲げ加
工である、前記フラットヘム工程において、形成される
フラットヘム (折り曲げ部)の縁曲部A には、図2(a)に
示すような、程度順に、肌荒れX 、微小な割れY 、比較
的大きな割れZ 等の不良が生じ、部品への適用ができな
くなることが多い。
【0011】このため、特公昭63-2690 号公報などで
は、このような高強度なAl合金板の、前記図1(a)のダウ
ンフランジ工程において、形成されるフランジコーナー
部の曲げ半径Rd (ダイスの肩半径) を大きくし、より具
体的には、Al合金板の板厚との関係で、曲げ半径Rdを0.
8t〜1.8t (但しt はAl合金板の板厚) として、前記不良
の発生を防止することが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】確かに、この従来技術
の方法により、ダイスの肩半径Rdを大きくすると、前記
フラットヘム工程における不良の発生を防止することが
可能となる。即ち、フラットヘム (折り曲げ部) の縁曲
部の表面性状に優れ、外板と内板との接合性や密着性も
良好なヘミング加工が可能となる。
【0013】しかし、本発明者らの知見によれば、ダウ
ンフランジ工程において、ダイスの肩半径Rdを大きくす
ると、最終的なフランジの曲げ線位置が、第1 の工程で
あるダウンフランジ工程のみで決まらず、後の工程でも
変化する。この結果、フランジ部の形状がばらつくとい
う別の問題を生じる。即ち、第1 の工程のダウンフラン
ジ工程でシャープな曲げ線が形成されない状態で、次の
プリヘム工程やフラットヘム工程に移ると、その際の位
置決めのばらつきによって、以降の曲げ変形が微妙に変
化するために、最終的なフランジの曲げ線位置が、各部
品毎に異なる結果を招く。
【0014】したがって、ダイスの肩半径Rdを大きくす
ると、フラットヘム工程において、図2(b)に示すよう
に、フラットヘムの縁曲部A の本来の設計上の外径線乃
至外形線a1に対し、実際の加工後の外形線a2が、図2(b)
の様に、Δa だけ短く (小さく) なる、或いは逆に長す
ぎたりする、ばらつきが顕著となる。このため、自動車
のドア、エンジンフード、トランクリッド等に使用され
る場合、形状精度や寸法精度が出ないという問題を生じ
る。
【0015】このため、高強度なAl合金板の、フラット
ヘム工程による、ヘミング加工においては、ダウンフラ
ンジ工程において形成されるダイスの肩半径Rdを小さく
すると、フラットヘムの縁曲部に、前記図2(a)で示した
ような不良が生じる、という問題を生じていたものであ
る。
【0016】したがって、本発明の目的は、フラットヘ
ムの縁曲部に前記不良が生じることがなく、また、形成
されるフラットヘムの縁曲部の形状精度や寸法精度が良
い、高強度なAl合金板の、フラットヘム工程による、ヘ
ミング加工方法を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明ヘミング加工方法の要旨は、耐力が130MPa以
上のアルミニウム合金板をヘミング加工するに際し、フ
ラットヘミング加工に先立つダウンフランジ加工におい
て、ダイスの肩半径 (形成されるフランジコーナー部の
曲げ半径)Rd をRd/tで0.8 以下 (但しt はアルミニウム
合金板の板厚)とするとともに、ポンチの肩半径RpをRp/
tで1.0 以上とすることである。
【0018】請求項1 において、ダウンフランジ加工に
おけるダイスの肩半径Rd(mm)を、Al合金板厚t(mm) との
比Rd/tで0.8 以下とすることにより、フラットヘムの縁
曲部の形状精度や寸法精度を向上させることが可能とな
る。また、ポンチの肩半径Rp(mm)を、Al合金板厚t(mm)
との比Rp/tで1.0 以上とすることにより、フラットヘム
の縁曲部の肌荒れX 、微小な割れY 、比較的大きな割れ
Z 等の不良の発生を防止することが可能となる。
【0019】また、請求項2 のように、耐力が130MPa以
上のAl合金板として、5000系、6000系、7000系から選択
される規格Al合金を対象とすることにより、本発明の効
果がより発揮されるとともに、これらのAl合金は前記高
強度で、絞り等の成形性にも優れたAl合金板が製造しや
すい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
つき、図面を用いて説明する。
【0021】本発明ヘミング加工方法では、ダウンフラ
ンジ工程における、ダイスの肩半径Rd (フランジコーナ
ー部の曲げ半径でもある) を、Al合金板厚t との比Rd/t
で、0.8 以下とするとともに、ポンチの肩半径Rpを、Al
合金板厚t との比Rp/tで、1.0 以上とする以外は、前記
図1(a)〜(d) で説明した、フラットヘム工程を含む従来
のヘミング加工と、工程および各工程の条件も、基本的
には同じである。
【0022】即ち、まず、ヘミング加工における、図1
(a)のダウンフランジ工程は、絞り工程やトリム工程等
の成形加工後の外板1 をダイス3aと板押さえ5aにより固
定し、外板1 の縁1aを、ポンチ4aにより、直角に近い角
度まで折り曲げる。
【0023】次に、図1(b)のプリヘム工程は、ダウンフ
ランジ工程後の外板1 を、同じく、ダイス3bと板押さえ
5bにより固定し、外板1 の縁1bを、ポンチ4bにより、更
に約45度の角度まで内側に折り曲げる。
【0024】更に、図1(c)のフラットヘム工程は、絞り
工程やトリム工程等の成形加工後の内板2 の縁をプリヘ
ム工程後の外板1 の折り曲げ部に挿入する。そして、外
板1および内板2 とを、板押さえ( 図示せず) とダイス3
cにより固定するとともに、外板1 の縁1cを、ポンチ4c
により、更に180 度の角度まで内側に折り曲げフラット
ヘム部を形成する。このようにして、内板2 の縁と、外
板1 のフラットヘム部とが接触して、両者が端部同士に
おいて接合されるとともに密着される。
【0025】したがって、本発明は、従来のヘミング加
工工程および条件を大きく変えずに、前記二つの効果の
達成が可能であるという利点も有する。
【0026】(ダイスの肩半径Rd)まず、本発明では、ダ
ウンフランジ加工におけるフラットヘムの縁曲部の形状
精度や寸法精度を向上させるために、図1(a)に示すダイ
スの肩半径Rd (mm) を、Al合金板厚t(mm) との比Rd/tで
0.8 以下とする。ダイスの肩半径RdがRd/tで0.8を越え
て大きくなった場合、前記特公昭63-2690 号公報などの
ように、特に、5000系、6000系、7000系から選択され、
耐力が130MPa以上の高強度のAl合金板のフラットヘム工
程において、図2(b)に示したように、フラットヘムの縁
曲部A の本来の設計上の外径線乃至外形線a1に対し、実
際の加工後の外形線a2が、図2(b)の様に、Δa だけ短く
なる、或いは逆に長すぎたりして、形状精度や寸法精度
が出ない。
【0027】一方、ダイスの肩半径Rdを、あまり小さく
し過ぎると、フラットヘムの縁曲部の肌荒れX 、微小な
割れY 、比較的大きな割れZ 等の不良が発生しやすくな
る。したがって、ダイスの肩半径Rd/tの下限は、この観
点より決定される。より具体的に、5000系、6000系、70
00系から選択されるAl合金で、耐力が130MPa以上のAl合
金板の場合、この下限のRd/tは、0.5 であることが好ま
しい。
【0028】(ポンチの肩半径Rp)次に、本発明において
は、ダイスの肩半径Rdを0.8t以下とすることを前提に、
ポンチの肩半径Rp(mm)を、Al合金板厚t(mm) との比Rp/t
で1.0 以上とする。これによって、ダイスの肩半径Rdを
小さくしても、フラットヘムの縁曲部の肌荒れ、微小な
割れ、比較的大きな割れ等の不良の発生を防止しつつ、
フラットヘムの縁曲部の形状精度や寸法精度が向上する
ことが可能となる。
【0029】ダウンフランジ加工におけるポンチの肩半
径RpがRp/tで1.0 未満の場合、前記特公昭63-2690 号公
報などのように、特に、AA乃至JIS 5000系、6000系、70
00系から選択され、耐力が130MPa以上の高強度のAl合金
板のフラットヘム工程において、フラットヘムの縁曲部
に、前記図2(a)で示したような、割れ等の不良が生じ
る。
【0030】(適用Al合金)本発明で用いるAl合金自体
は、前記した通り、耐力が130MPa以上の高強度の、AA乃
至JIS 5000系、6000系、7000系等のAl合金が好適に用い
られる。この中でも、特に、6000系(Al-Mg-Si 系)Al 合
金が、合金元素が少なく、リサイクル性に優れる点で好
ましい。しかし、AA乃至JIS 5000系、6000系、7000系等
のAl合金規格に主要 (規格) 成分が適合するものであれ
ば、他の耐食性などの特性を高めるために、他の合金元
素が添加されたなどのAl合金が適宜使用可能である。
【0031】(Al合金板の製造)また、本発明に係るAl合
金板の製造自体は、鋳造、均質化熱処理、熱間圧延、必
要により中間焼鈍、冷間圧延、また、調質熱処理等を主
要工程とする、常法により製造される。この内、前記70
00系 (Al-Zn-Mg系) Al合金や6000系(Al-Mg-Si系)Al 合
金を、圧延後に溶体化処理および焼入れ処理したT4等の
調質処理材が、成形性の点からも好ましい。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。まず、AA
6016 Al合金規格組成のAl合金板を作成した。Al合金板
の作成は、50mm鋳塊を、DC鋳造法により溶製後、550 ℃
×4 時間の均質化熱処理を施し、480 ℃以下の温度で厚
さ5mm まで熱間圧延した。この熱間圧延板を、昇温速度
40℃/hr で500 ℃×30秒の条件で、連続熱処理炉におい
て焼鈍処理を行い、その後、厚さ1.0mm まで冷間圧延し
た。この冷延板を、更に連続熱処理炉において、550 ℃
で数秒保持する溶体化処理を行った後、直ちに水冷によ
る焼入れを行うT4調質処理を行って、Al合金板を作成し
た。焼入れの際の冷却速度は600 ℃/ 分とし、焼入れ終
了温度 (焼入れ温度) は80℃とし、焼入れ後にこの温度
で1 時間保持した。
【0033】このAl合金板の機械的な特性は、引張強さ
228MPa、耐力138MPa、伸び28% であった。
【0034】このAl合金板からヘミング加工試験用の短
冊状供試板 (ブランク) を複数枚切り出し、このブラン
クに対し、ヘミング加工に先立ち、まず、ドアの外板の
絞りとトリム工程等の成形加工を模擬して、5%の歪みを
予め与えた。そして、ブランクのフラットヘム加工 (18
0 度折り曲げ) 代、即ち、図2(c)に示したフランジ長さ
l0 (ヘミング加工後の外板ブランクの、内側に折り曲げ
られた端部から折り曲げ部の端部までの距離) を12mmと
して、以下のヘミング加工を行った。
【0035】(ダウンフランジ工程)その後、ヘミング加
工における、図1(a)に示したダウンフランジ工程によっ
て、歪みを予め与えたブランク (外板) の縁を、90度の
角度となるまで折り曲げた。この際、表1 に示すよう
に、ダイスの肩半径Rdとポンチの肩半径Rpを種々変化さ
せて加工を行った。
【0036】次に、図1(b)に示したプリヘム工程によっ
て、ブランクの縁を更に45度の角度まで内側に折り曲げ
た。
【0037】その後、同じく前記Al合金板から切り出
し、ドアの内板を模擬したブランク (内板) の縁を、前
記ブランク (外板) の折り曲げ部に挿入して、図1(c)に
示したフラットヘム工程によって、180 度の角度まで内
側に折り曲げ、フラットヘムを設けた。
【0038】そして、フラットヘムの縁曲部の、肌荒
れ、微小な割れ、大きな割れの発生状態を目視観察し
た。評価は、肌荒れ、微小な割れ、大きな割れの発生
がない平滑な表面状態を○、肌荒れが生じているもの
の、微小な割れや大きな割れの発生がない表面状態を
△、微小な割れや大きな割れが複数乃至多数生じてい
る表面状態を×として評価した。これらの結果を表1 に
示す。
【0039】また、フラットヘムの縁曲部の、図2(c)に
示したフランジ長さl を加工試験片毎に測定して、母数
5 の試験結果より、前記設計フランジ長さl0 (12mm) と
の標準偏差 (μm)を求めて、寸法精度を評価した。これ
らの測定結果を表1 に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1 から明らかな通り、ダウンフランジ工
程において、ダイスの肩半径RdをRd/tで0.8 以下とする
とともに、ポンチの肩半径RpをRp/tで1.0 以上とした発
明例No.1〜5 は、ダイスの肩半径Rdを小さくしても、発
明例No.5を除いて、フラットヘムの縁曲部の表面状態に
優れる。また、フラットヘムの縁曲部の外形線の寸法誤
差も発明例No.4を除いて30μm 以下と少なく、寸法精度
が向上していることが分かる。
【0042】これに対し、ダウンフランジ工程において
形成されるダイスの肩半径Rdか、ポンチの肩半径Rpのい
ずれかの要件が、本発明範囲を外れた比較例No.6〜8
は、フラットヘムの縁曲部の表面状態か、フラットヘム
の縁曲部の外形線の寸法精度のいずれかが、発明例に比
して、著しく劣っている。なお、比較例No.8はフラット
ヘムの縁曲部の割れが著しく、外形線の寸法も測定でき
なかった。
【0043】なお、ダウンフランジ工程において形成さ
れるダイスの肩半径Rdが比較的大きい発明例No.4と、ポ
ンチの肩半径Rpが比較的小さい発明例No.5は、他の発明
例No.1〜3 に比して、発明例No.4はフラットヘムの縁曲
部の外形線の寸法精度が他の発明例に比して比較的低
く、発明例No.4はフラットヘムの縁曲部の表面状態が他
の発明例に比して比較的劣っていることも分かる。
【0044】以上の結果から、本発明における、フラッ
トヘミング加工に先立つダウンフランジ加工における、
ダイスの肩半径Rdと、ポンチの肩半径Rpとの規定の臨界
的な意義が分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、フラットヘミング加工
条件を大幅に変更することなく、形成されるフラットヘ
ムの縁曲部に不良が生じることがなく、また、フラット
ヘムの縁曲部の形状精度や寸法精度が良い、高強度なAl
合金板のヘミング加工方法を提供することができる。こ
のため自動車などの輸送機用に、Al合金材の用途を大き
く拡大するものであり、工業的な価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ヘミング加工の概要を示す説明図であ
る。
【図2】フラットヘム工程において発生する、フラット
ヘムの縁曲部の種々の不良を示す説明図である。
【符号の説明】
1:外板 (Al合金ブランク) 、2:内板 (Al合金ブランク)
、3:ダイス、4:ポンチ、5:板押さえ、A:フラットヘム
の縁曲部、a1: 設計上外形線、a2: 実際の外形線、Δa:
寸法誤差、X:肌荒れ、Y:微小な割れ、Z:大きな割れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 21/10 C22C 21/10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐力が130MPa以上のアルミニウム合金板
    をヘミング加工するに際し、フラットヘミング加工に先
    立つダウンフランジ加工において、ダイスの肩半径Rdを
    Rd/tで0.8 以下 (但しt はアルミニウム合金板の板厚)
    とするとともに、ポンチの肩半径RpをRp/tで1.0 以上と
    することを特徴とするアルミニウム合金板のヘミング加
    工方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム合金板として、AA乃至
    JIS 5000系、6000系、7000系から選択される規格アルミ
    ニウム合金を用いる請求項1に記載のアルミニウム合金
    板のヘミング加工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003090949A1 (en) * 2002-04-26 2003-11-06 Valiant Corporation Method for hemming
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KR101255257B1 (ko) 2012-10-09 2013-04-19 박종원 인식표 제조장치

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