JP2001202888A - 廃ブラウン管解体装置及び廃ブラウン管解体方法 - Google Patents

廃ブラウン管解体装置及び廃ブラウン管解体方法

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JP2001202888A
JP2001202888A JP2000011958A JP2000011958A JP2001202888A JP 2001202888 A JP2001202888 A JP 2001202888A JP 2000011958 A JP2000011958 A JP 2000011958A JP 2000011958 A JP2000011958 A JP 2000011958A JP 2001202888 A JP2001202888 A JP 2001202888A
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waste
ray tube
cathode ray
heating
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JP2000011958A
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Tatsuo Horiuchi
辰男 堀内
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ARAKAWA SANGYO KK
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部の部品の分離ができるよう廃ブラウン管
を破砕せずに短時間に安価で使い易い実用的な構成を提
供する。 【解決手段】 廃ブラウン管1のフェース部11と中間
部13との接合部分に、通電発熱する加熱線21,22
を接触させて局所的に熱衝撃を与えた後、ガスを噴射し
て強制冷却することで接合部分から廃ブラウン管1を分
離して解体する。張力印加機構4,5がバネの弾性又は
空気圧により加熱線21,22に張力を与えるととも
に、発熱した際の加熱線21,22の伸びを伸び吸収部
431,531が吸収し、加熱線21,22の廃ブラウ
ン管1に対する接触が充分となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、廃棄されたブ
ラウン管(以下、廃ブラウン管という)を解体する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】使い古した家庭電気製品の廃棄処理につ
いては、従来は単純に破砕して一般廃棄物として埋立処
理されていた。しかし、埋立処理場を確保するのが難し
くなるのと同時に、埋立処理場の環境汚染などの困難な
問題に直面して、リサイクルが強く求められるようにな
ってきている。廃棄されたテレビ受像機や計測装置用の
モニタ等でも同様であり、単純に破砕して廃棄物として
処理するのではなく、リサイクルできるものはリサイク
ルに回せるよう処理することが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】テレビ受像機やモニタ
等をリサイクル可能に処理する場合、外観を成す箱の部
分と、箱の内部にある回路基板、電気部品、ブラウン管
等に分解した上で、リサイクル可能なもののみを取り出
すことになる。ここで、テレビ受像機やモニタの中で容
積及び重量とも最も大きい部分を占めているのがブラウ
ン管で、ブラウン管の解体及び分離処理は、テレビ受像
機の処理問題の中で大きなウェイトを占める。
【0004】ブラウン管は、大きなガラスの容器であ
り、容器のガラス自体及びその内部にリサイクル可能な
ものが存在している。従来、このようなブラウン管を破
砕せずに解体する安価で使い易い装置はなく、また、短
時間に解体する実用的な方法は提供されていなかった。
これらの点がブラウン管のリサイクルが進まない原因の
一つになっていた。
【0005】本願の発明は、かかる課題を解決するため
になされたものであり、廃ブラウン管を単に破砕するの
ではなく、内部の部品の分離ができるように解体する安
価で使い易い装置、及び、短時間に廃ブラウン管の解体
ができる実用的な方法を提供する技術的意義がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、二つ以上の部材を接
合して成る廃ブラウン管を解体する廃ブラウン管解体装
置であって、接合部分又はその付近に局所的に熱衝撃を
与えることにより接合部分又はその付近から分離して解
体する熱衝撃印加手段を有しており、この熱衝撃印加手
段は、通電によりジュール熱を発生する加熱線を前記接
合部分又はその付近に接触させて熱衝撃を与えるもので
あり、前記接合部分又はその付近に加熱線が充分に接触
するよう加熱線に張力を与える張力印加機構が設けられ
ているという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成にお
いて、前記張力印加機構は、バネの弾性又は空気圧によ
り張力を与えるものであるという構成を有する。また、
上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記
請求項1の構成において、前記ジュール熱が発生した際
の前記加熱線の伸びを吸収して張力を維持する伸び吸収
部が設けられているという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項
1、2又は3の構成において、前記加熱線は複数本設け
られており、それら加熱線は直列に接続されて通電され
るものであるという構成を有する。また、上記課題を解
決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至
4のいずれかの構成において、前記加熱線のうち、前記
廃ブラウン管に接触している箇所にのみ電流が流れるよ
うにする給電線接続部が設けられているという構成を有
する。また、上記課題を解決するため、請求項6記載の
発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、
前記加熱線は、帯板状であるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、
前記請求項1乃至6いずれかの構成において、一回に使
用する長さの2倍以上の長さの前記加熱線を巻いたボビ
ンが設けられており、前記加熱線はこのボビンから引き
出されて順次使用されるものであるという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発
明は、二つ以上の部材を接合して成る廃ブラウン管を解
体する廃ブラウン管解体方法であって、接合部分又はそ
の付近を局所的に加熱した後、加熱された接合部分又は
その付近にガスを噴射して強制冷却することで熱衝撃を
強めて接合部分から廃ブラウン管を分離して解体すると
いう構成を有する。また、上記課題を解決するため、請
求項9記載の発明は、前記ガスの噴射位置は、廃ブラウ
ン管の角及び角の近傍であるという構成を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、一般的なブラウン管の外観概略
図である。図1に示すように、ブラウン管1は、画面を
成す方形のフェース部11と、回路基板に接続される部
分であるネック部12と、フェース部11とネック部1
2とをつなぐ漏斗状の中間部13とから成っている。フ
ェース部11とネック部12、及び、フェース部11と
中間部13とは、接着又は熔着等の方法により接合され
ている。
【0008】図2は、本願発明の第一の実施形態の廃ブ
ラウン管解体装置の概略構成を示す図であって下方から
見た平面図である。また、図3は、図2に示す装置の要
部の斜視図である。図2及び図3に示す廃ブラウン管解
体装置は、上記のように二つ又はそれ以上の部材を接合
して成る廃ブラウン管を解体する装置であって、廃ブラ
ウン管の接合部分又はその付近に局所的に熱衝撃を与え
ることにより接合部分又はその付近から分離して解体す
る熱衝撃印加手段を有している。
【0009】熱衝撃印加手段は、通電によりジュール熱
を発生する加熱線21,22を接合部分又はその付近に
接触させて熱衝撃を与えるものである。具体的には、熱
衝撃印加手段は、二本の加熱線21,22と、加熱線2
1,22を通電してジュール熱を発生させる加熱用電源
20と、加熱線21,22を保持した保持具31,32
とを備えている。また、接合部分又はその付近に加熱線
21,22が充分に接触するよう加熱線21,22に張
力を与える張力印加機構4,5と、張力の大きさを調節
する張力調節機構8,8が設けられている。
【0010】まず、図2及び図3を使用して、保持具3
1,32について説明する。図2に示すように、本実施
形態では、二つの保持具31,32が使用されている。
二つの保持具31,32は、本質的に同様の構成であ
る。図3には、一方の保持具31が示されている。図3
に示すように、保持具31は、保持具本体311と、保
持具本体311に設けられた二つの短い帯状の保持板3
12,313とから構成されている。
【0011】保持具本体311は、帯板をほぼL字状に
曲げたような形状の部材である。保持具本体311は、
そのL字の端部で保持板312,313を抱え込んだ状
態で保持している。保持具本体311を構成する帯板の
幅方向の両端はコ状を成すように下方に折り曲がった形
状である。このコ状に折り曲がった部分(以下、コ状
部)の間隔は、保持板312,313の幅よりも僅かに
大きくなっており、保持板312,313はこの部分に
挿入されることで保持されている。そして、保持板31
2,313はコ状部に保持された状態で長さ方向に滑動
可能となっている。
【0012】また、各保持板312,313には、図3
に示すように、長さ方向に長いスリット33が設けられ
ている。保持具本体311を貫通するようにして蝶ねじ
34が設けられている。蝶ねじ34は、保持板312,
313のスリット33に挿通されており、ナット35が
設けられている。ナット35及び蝶ねじ34によって保
持板312,313及び保持具本体311が締め付けら
れている。この締め付けによって、保持具本体311に
対して保持板312,313が長さ方向の任意の位置に
固定されるようになっている。
【0013】二つの保持板312,313は、長さが多
少異なっている。長い方の保持板312を第一保持板と
し、短い方の保持板313を第二保持板とする。第一第
二の保持板312,313は、長さが異なるのみで、構
造的にはほぼ同様である。図2及び図3に示すように、
保持板312,313の先端は内側(廃ブラウン管1が
位置する側)に折れ曲がっている。そして、この先端の
部分の下側には、各々二つの保持板ローラ351,35
2,361,362が設けられている。各々二つの保持
板ローラ351,352,361,362は、保持板3
12,313の幅方向に並んでいる。各保持板ローラ3
51,352,361,362は、垂直な軸の回りに回
転可能に設けられている。また、保持具本体311に
は、三つの本体ローラ371,372,373が設けら
れている。保持具本体311のL字に曲がった角の部分
には、内側に突出するようにして小さな取付片38が二
つ形成されている。三つのうちの二つの本体ローラ37
1,372は、垂直な軸の回りに回転可能な状態で取付
片38に取り付けられている。残りの一つの本体ローラ
373は、後述する張力調節機構8による張力調節のた
め、移動可能な状態で設けられている。
【0014】次に、廃ブラウン管1に熱を加える加熱線
21,22及び加熱線21,22に張力を与える張力印
加機構4,5について説明する。加熱線21,22に
は、本実施形態では、太さ1mm程度のニクロム線又は
カンタル線が使用されている。加熱線21,22として
は、帯板状のものを採用することも可能である。帯板状
の加熱線を採用すると、廃ブラウン管に対する接触面積
が大きくなるので、より効率よく熱衝撃を与えることが
できる。具体的には、厚さ0.6mm程度で幅3.2m
m程度のものが加熱線21,22として採用できる。
【0015】張力印加機構4,5は、加熱線21,22
が巻かれたボビン41,51と、ボビンの回転を止める
ストッパ42,52と、ボビン41,51から引き出さ
れた加熱線21,22の先端を固定する先端固定具4
3,53とから主に構成されている。張力印加機構4,
5は、二つの保持具31,32のそれぞれに設けられて
いるが、それらの構成は多少異なる。説明の都合上、一
方の保持具31を第一保持具とし、これに対して設けら
れた張力印加機構4を、第一張力印加機構とする。ま
た、他方の保持具32を第二保持具とし、これに対して
設けられた張力印加機構5を第二張力印加機構とする。
【0016】まず、第一保持具31に設けられた第一張
力印加機構4では、ボビン41は、図2に示すように、
第一保持板312の下方に設けられている。ボビン41
は、垂直な軸の回りに回転可能となっている。ストッパ
42は、小さなL字状の部材である。ボビン41の側面
には、ストッパ42の一端が引っかかる係止溝が数個
(例えば四つ)形成されている。ストッパ42は、その
中央付近に設けられた垂直な軸によって所定角度回転可
能に保持されている。ストッパ42は、不図示のバネに
よって先端がボビン41の係止溝に押し付けられるよう
力が加えられている。ストッパ42の先端が係止溝に押
し付けられることで、ボビン41は回転しないようにな
っている。尚、ボビン41から加熱線21を引き出す際
には、不図示のバネの弾性に逆らってストッパ42を係
止溝から離脱させ、ボビン41をフリーにする。
【0017】ボビン41から引き出された加熱線21
は、図2に示すように、保持板ローラ351,352,
361,362及び本体ローラ371,372,373
に張架されている。具体的に説明すると、ボビン41か
ら引き出された加熱線21は、第一保持板312の先端
に設けられた二つの保持板ローラ351,352に順次
張架され、第一保持板312の内側の縁に沿って延びた
後、三つの本体ローラ371,372,373に張架さ
れている。加熱線21は、図2に示すように、取付片3
8に取り付けられたうちの一方の本体ローラ371に張
架された後、可動軸374に支えられた本体ローラ37
3に張架され、取付片38に取り付けられた他方の本体
ローラ372に張架されている。加熱線21は、他方の
本体ローラ373から、第二保持板312の内側の縁に
沿って延びた後、第二保持板313の先端に設けられた
二つの保持板ローラ361,362に張架されている。
そして、加熱線21の先端は、電気的に絶縁されて先端
固定具43に固定されている。
【0018】第一張力印加機構4では、先端固定具43
は、第一加熱線21の伸びを吸収する伸び吸収部として
コイルスプリング431を備えた構成となっている。即
ち、先端固定具43は、第二保持板313の下面に設け
られた固定ピン432と、固定ピン432に一端が係止
されたコイルスプリング431とから成る構成である。
コイルスプリング431の他端に、加熱線21の先端が
接続されている。第二張力印加機構5は、ボビン51の
配置位置及び先端固定具53の構成が第一張力印加機構
4と異なる。第二張力印加機構5におけるボビン51
は、図2に示すように、短い第二保持板323の下方に
配置されている。ボビン51の構成は、第一張力印加機
構4と同様である。
【0019】また、第二張力印加機構5では、先端固定
具53は、伸び吸収部としてエアシリンダ531を備え
た構成となっている。即ち、第二張力印加機構5におけ
る先端固定具53は、エアシリンダ531と、エアシリ
ンダ531の出力軸の先端に設けられたフック532と
から主に構成されている。第二加熱線22の先端は、フ
ック532に引っかけられている。
【0020】次に、張力調節機構8の構成について、図
2、図3及び図4を使用して説明する。図4は、図2に
示す張力調節機構8の構成を説明する側面断面概略図で
ある。図4に示すように、本体ローラ373は、垂直な
姿勢の可動軸374の回りに回転可能に支持されてい
る。張力調節機構は8は、可動軸374を保持した軸保
持枠81と、軸保持枠81に出力軸が固定されたエアシ
リンダ82とから主に構成されている。保持枠81は、
図4に示すように、側面視がUの字を横に倒したような
形状である部材である。本体ローラ373は、保持枠8
1の上板部と下板部の間に位置している。本体ローラ3
73に挿通されて本体ローラ373を軸支する可動軸3
74は、その下端の部分で保持枠81の下板部に固定さ
れ、保持枠81の上板部を貫通して上方に延びている。
【0021】一方、保持具本体311の角部には、図3
に示すように斜めに長いスリット375が形成されてい
る。可動軸374の保持枠81から上方に延びる部分
は、このスリット375に挿通されている。可動軸37
4の上端部はスリット375から少し上方に突出してい
る。可動軸374は、上端より少し下方の位置に座金3
76を有している。座金376は、スリット375の幅
よりも大きく、スリット375の上側に位置してスリッ
ト375の縁に係止されている。
【0022】また、エアシリンダ82の出力軸は、保持
枠81の側面に固定されている。エアシリンダ82は、
スリット375の方向に出力軸を変位させることができ
るよう設けられている。エアシリンダ82が駆動される
と、出力軸を介して保持枠81がスリット375の方向
に変位する。この結果、本体ローラ373もスリット3
75の方向に変位するようになっている。また、可動軸
374には、スライド377が設けられている。スライ
ド377は、可動軸の回りに回転可能に設けられた部材
であり、丁度スリット375の高さの位置に設けられて
いる。スライド377は、スリット375の周面に接触
している。エアシリンダ82の駆動によって本体ローラ
373が移動して変位する際、スライド377がスリッ
ト375内をスリット375の方向に沿って移動し、本
体ローラ373の移動をガイドする。
【0023】図2から解るように、本体ローラ373が
スリット375に沿って例えば外側に変位すると、ボビ
ン41の回転がストッパ42により止められて加熱線2
1が引き出されないようになっているので、加熱線21
を介して先端固定具43のコイルスプリング431が引
っ張られる状態となる。このため、加熱線21に与えら
れる張力が増す。逆に、本体ローラ373がスリット3
75に沿って内側に変位すると、コイルスプリング43
1が収縮するので、張力が弱まる。このようにして、本
体ローラ373の位置を調節し、加熱線21に与えられ
る張力を調節する。尚、本体ローラ373の位置の調節
は、エアシリンダ82に供給されるガスの圧力調節によ
り行われる。
【0024】次に、本実施形態の装置における加熱線2
1,22の通電回路について説明する。図5は、図2に
示す装置における加熱線21,22の通電回路を等価的
に示した概略図である。本実施形態では、図5に示すよ
うに、二つの加熱線21,22を直列に接続して通電し
ている。即ち、図2に示すように、第一張力印加機構4
により張力が印加される加熱線(以下、第一加熱線)2
1と、第二張力印加機構5により張力が印加される加熱
線(以下、第二加熱線)22とを接続する中間接続線6
1と、通電用電源20の一方の端子と第一加熱線21と
を接続する第一給電線62と、第二加熱線22と通電用
電源20の他方の端子とを接続する第二給電線63とが
設けられている。
【0025】給電の構造について、第一給電線62を例
にして図2及び図6を使用しながら説明する。図6は、
第一給電線62による給電の構造について説明する正面
図である。図2に示すように、第一給電線62は、第一
保持板312に設けられた二つの保持板ローラ351,
352のうちの内側に位置する保持板ローラ352に接
続されている。図5は、本実施形態における給電線接続
部の構成を示しており、第一給電線62が接続された保
持板ローラ(以下、第一給電点ローラ)352の構造を
示している。
【0026】図6に示すように、第一給電点ローラ35
2は、第一保持板312よりも上方に突出した軸353
のねじ切り部分にナット354が締め付けられることに
より第一保持板312に取り付けられている。そして、
第一給電線62の先端は、ワッシャ状になっており、軸
353を挿通させがらナット354の下側に位置し、ナ
ット354と第一保持板312との間に挟み込まれてい
る。
【0027】また、図6に示すように、第一給電点ロー
ラ352は、側面にV字状の溝が形成されて周方向36
0度延びている。第一加熱線21は、このV字状の溝に
落とし込まれるようにして第一給電点ローラ352に接
触している。V字状の溝の深さは、第一加熱線の太さ
(直径)よりも小さい。従って、第一加熱線21は、溝
に落とし込まれつつも第一給電点ローラ352の周面か
ら少し突出している。従って、廃ブラウン管1の表面に
第一加熱線21は充分に接触するようになっている。こ
の点は、他のローラ351,361,362,371,
372,373,324,325,326,327につ
いても同様である。また、第一給電点ローラ352は黄
銅等の金属製であり、軸353も金属製である。軸35
3と第一給電点ローラ352とは、電気的に接触してい
る。従って、第一給電線62は、ナット354、軸35
3及び第一給電点ローラ352を介して第一加熱線21
に短絡されている。尚、第一保持板312は、強化エポ
キシ樹脂やベークライト等の絶縁材で形成されている。
【0028】図2に示すように、中間接続線61は、第
一保持具31の第二保持板313の先端に設けられた二
個の保持板ローラ361,362のうちの内側の保持板
ローラ(以下、第一中間接続点ローラ)362と、第二
保持具32の第一保持板322の先端に設けられた二個
の保持板ローラ324,325のうちの内側の保持板ロ
ーラ(以下、第二中間接続点ローラ)325とを接続す
るようにして設けられている。第一第二中間接続点ロー
ラ362,325における接続構造は、図6に示す第一
給電点ローラ352の場合と同様である。
【0029】また、第二給電線22は、第二保持具32
の第二保持板323の先端に設けられた二個の保持板ロ
ーラ326,327のうちの内側の保持板ローラ(以
下、第二給電点ローラ)327と加熱用電源20の他方
の端子とを繋ぐようになっている。第二給電点ローラ3
27も同様に給電線接続部を構成しており、その接続構
造は、第一給電点ローラ352における構造と同様であ
る。
【0030】加熱用電源20としては、出力電流が20
A〜50A程度の間で可変である交流電源20が使用さ
れている。消費電力は、電流が流れる第一第二加熱線2
1,22の総延長によるが、加熱線1cm当たり5W/
cm〜10W/cm程度である。また、第一給電線62
の途中には、スイッチ回路7が設けられている。スイッ
チ回路7はタイマーにより第一第二加熱線21,22の
通電時間を制御できるようになっている。
【0031】次に、上記実施形態の廃ブラウン管解体装
置の使用方法について図2及び図7を使用しながら説明
する。図7は、第一の実施形態の廃ブラウン管解体装置
の使用方法について説明した正面図である。
【0032】本実施形態の廃ブラウン管解体装置を使用
する場合、図2に示すように第一第二保持具31,32
を向かい合わせ、その内部に廃ブラウン管1を配置す
る。また、第二張力印加機構5の先端固定具53を構成
するエアシリンダ531には、極低圧のガスを供給して
おく。従って、第二加熱線22には弱い張力が与えられ
ている状態とする。そして、第一第二保持具31,32
を廃ブラウン管1の側面に係止させる。この際、図7に
示すように、加熱線21,22が廃ブラウン管1の中間
部13とフェース部11との接合部分又はその付近に接
触するように第一第二保持具31,32(図7中不図
示)を位置させるようにする。中間部13からフェース
部11にかけて断面積が大きくなっているから、第一第
二保持具31,2は、廃ブラウン管1の側面に係止され
る。この際、第一第二保持具31,32の各保持板31
2,313,322,323を固定した蝶ねじ34をゆ
るめ、各保持板312,313,322,323の長さ
方向の位置を調節する。尚、「接合部分又はその付近」
の「その付近」とは、局所的な加熱により分離が可能な
近さという意味である。
【0033】また、廃ブラウン管1に対する第一第二保
持具31,32の係止を確実にするには、スライド機構
とエアシリンダ又はパルスモータを組み合わせた機構に
より第一第二保持具31,32を廃ブラウン管1の側面
に押し付けてもよい。具体的には、保持具本体311に
対して保持板312,313が相対的にスライド移動さ
せるエアシリンダ又はパルスモータを設け、一対の保持
具31,32の内部空間の大きさを調節する。あるいは
また、第一第二保持具31,32の各保持板312,3
13,322,323を内側に(廃ブラウン管1の側面
に向けて)押し出すよう作用するスプリング等を設けて
もよい。また、廃ブラウン管1と加熱線21,22の位
置を図7に示すようにするのに、廃ブラウン管1を自動
的に昇降させる機構を使用してもよい。例えば、圧縮空
気等により昇降する昇降ステージの上に廃ブラウン管1
を載せる。昇降ステージを制御して、廃ブラウン管1の
高さを調節し、図7に示すような位置関係とする。
【0034】このようにして第一第二保持具31,32
を廃ブラウン管1の側面に係止させた後、第二張力印加
機構5の先端固定具53のエアシリンダ531にガスを
供給し、第二加熱線22を引っ張るように出力軸を移動
させる。この結果、第二加熱線22に適切な張力が与え
られる。尚、第一加熱線21に対してはコイルスプリン
グ431により予め適切な張力が与えられている。
【0035】加熱用電源20を動作させて出力電圧を適
正な値に調整し、スイッチ回路7を動作させ、第一第二
加熱線21,22に所定時間電流を流す。通電時間は、
電力にもよるが、例えば15〜60秒程度である。通電
は、一回又は二回程度行われる。この通電により、第一
第二加熱線21,22に発生したジュール熱が廃ブラウ
ン管1に与えられ、廃ブラウン管1が急激に加熱され
る。通電が遮断され、廃ブラウン管1の温度が低下する
過程で、局所的な大きな熱応力によりフェース部11と
中間部13とが分離する。
【0036】尚、上記分離の際、通電により第一第二加
熱線21,22に伸びが生じるが、この伸びは伸び吸収
部としてのコイルスプリング431やエアシリンダ53
1によって吸収される。従って、伸びにかかわらず、第
一第二加熱線21,22には張力が与えられる。このよ
うにして廃ブラウン管1を解体した後、蛍光塗料の剥離
等の所要の作業を行って、リサイクル可能なものと不可
能なものに分け、リサイクル不可能なものは廃棄する。
【0037】上記構成及び動作に係る本実施形態の装置
は、以下のような技術的意義を有する。まず、廃ブラウ
ン管1を破砕せずに解体できるので、リサイクル可能な
ものを取り出す後処理が容易である。また、加熱線2
1,22により局所的に熱衝撃を与えて接合部分から分
離するので、装置の構造がシンプルである。また、加熱
線21,22に張力を与える張力印加機構4,5に加え
て加熱線21,22の伸びを吸収する伸び吸収部が設け
られているので、廃ブラウン管1に対する加熱線21,
22の接触が充分になり、かつ、通電の際に廃ブラウン
管1から加熱線21,22が離間してしまうことがな
い。従って、この点で加熱線21,22の接触が充分で
確実になり、加熱線21,22で発生する熱が廃ブラウ
ン管1に効率良く伝えられ、確実で迅速な解体が行え
る。
【0038】尚、ガス供給量を調節することにより加熱
線22を引っ張る力を自在に変えられるので、コイルス
プリング431よりエアシリンダ531の方が優れてい
る。従って、二つの張力印加機構4,5双方においてエ
アシリンダを使用してもよい。但し、コイルスプリング
431の一端を固定した固定ピン432の位置を変えら
れるようにすると、コイルスプリング431でも張力を
調整できる。従って、二つの張力印加機構4,5双方に
おいてコイルスプリングを使用してもよい。また、エア
シリンダではなく、液体シリンダなどの他の流体圧シリ
ンダを用いてもよく、モータ等の駆動源を用いてもよ
い。
【0039】また、複数本の加熱線21,22が直列に
接続されて通電される点は、それらが並列に接続される
場合に比べ、より確実に分離ができる技術的意義があ
る。即ち、加熱線21,22の僅かな長さの違いから抵
抗が各加熱線21,22で僅かに異なってしまうことが
ある。この場合、これらの加熱線21,22が並列に接
続されて通電されると、加熱線21,22毎に発熱量が
異なってしまい、廃ブラウン管1に対する加熱のバラン
スが悪くなってしまう。この結果、充分に加熱されない
部分が生じて分離が確実にできない恐れも生じる。一
方、本実施形態のように直列に接続すると、発熱量が一
定になるので、このような問題は生じない。
【0040】 また、電流は、第一第二給電線62,6
3に接続されている第一第二給電点ローラ352,32
7により中間接続線61を通って、加熱線21,22に
供給されるので、廃ブラウン管1に接触している箇所に
のみ電流が流れるようになっている。そのため、加熱線
21,22の部分的な過熱を防ぐことができ、熱酸化が
抑制されて加熱線21,22の寿命を長くすることがで
きる。即ち、大気圧中でニクロム線等を通電加熱すると
熱酸化し易い。本実施形態では、加熱線21,22のう
ち、給電点ローラ352,327、本体ローラ371,
372,373及び接続点ローラ362,325の間の
部分でのみ電流が流れる。この部分は、廃ブラウン管1
に接触している部分であり、大気に接触している面積が
少ない。従って、通電加熱しても熱酸化される度合いは
少なく、熱酸化が抑制されている。このため、加熱線2
1,22の寿命を長くすることができる。さらに、ボビ
ン41,51から加熱線21,22を引き出して加熱線
を使用するので、摩耗などにより寿命が来た加熱線2
1,22を新しくする作業が容易にできる。尚、ボビン
41,51に当初巻かれている加熱線21,22の長さ
は、一回に使用する長さの2倍以上でないと意味がな
い。
【0041】次に、本願発明の第二の実施形態の廃ブラ
ウン管解体装置について説明する。図8は、本願発明の
第二の実施形態の廃ブラウン管解体装置の主要部概略構
成を示す平面図である。図8では、第一加熱線21及び
これを架設したローラ351,352,361,362
等のみが示されている。
【0042】この図8に要部が示された実施形態は、以
下の点が前述した実施形態と異なっている。まず、図8
に示す実施形態では、本体ローラは使用されていない。
保持具本体(図8中不図示)の角の部分には、コイルス
プリング83が設けられている。コイルスプリング83
の先端はフック状になっており、加熱線21にひっ掛け
られている。コイルスプリング83の後端は、保持具本
体に設けられた固定具84によって電気絶縁状態で固定
されている。これら以外の点では、前述した実施形態と
同様である。この図8に示す実施形態は、前述した実施
形態では、二つの本体ローラ371,372の間の部分
で加熱線21,22が廃ブラウン管1の側面に接触せ
ず、加熱が不充分になる恐れがあることを考慮したもの
である。図8に示す実施形態では、加熱線21をコイル
スプリング83で引っ張っているだけなので、廃ブラウ
ウン管(図7中不図示)の角の部分に加熱線21が充分
に接触し、加熱が充分に行われる。尚、他方の保持具
(図8中不図示)も同様に構成されている。
【0043】次に、本願発明の第三の実施形態の廃ブラ
ウン管解体装置について説明する。図9は、本願発明の
第三の実施形態の廃ブラウン管解体装置の概略構成を示
す平面図である。この第三の実施形態は、第一第二保持
具31,32の構成が前述した各実施形態と大きく異な
っている。第一第二保持具31,32は、図9に示すよ
うに、平面視がL字状の形状の板状であり、互いに向か
い合わせて配置されている。
【0044】第一保持具31は、二本の加熱線(以下、
第一第二加熱線)23,24を保持している。第一の保
持具31の両端には、内側に向けて突出する凸部が設け
られている。第一第二加熱線23,24は、一端がこの
凸部に固定され、第一保持具31の縁に沿って延びてい
る。第一第二加熱線23,24の他端は、第一保持具3
1の角の部分に設けられた給電点ローラ355,356
を介して、張力印加機構を構成するエアシリンダ533
の出力軸に固定されている。
【0045】一方、第二保持具32は、一本の加熱線
(以下、第三加熱線)25を保持している。第二保持具
32の両端部にも、内側に向けて突出する凸部があり、
第三給電線25の両端が凸部に固定されている。また、
第二保持具32の角の部分には、張力印加機構を構成す
るコイルスプリング433が設けられいる。第三加熱線
23は、第二保持具32の内側の縁に沿って延び、第二
保持具32の角の部分でコイルスプリング433に引っ
掛けられて引っ張られている。また、第三加熱線25の
両端は、別のコイルスプリング434を介して凸部に固
定されている。
【0046】また、第一保持具31は固定であるが、第
二保持具32は可動となっている。即ち、第二保持具に
は、XY移動機構9が付設されている。XY移動機構9
は、第二保持具32のL字に延びる方向をXY方向とし
て第二保持具32を移動させるようになっている。第二
保持具32は、アーム320によって保持されている。
アーム320は、不図示の機構によりX方向駆動軸91
に沿って移動するようになっている。また、X方向駆動
軸91は、不図示の機構によりY方向駆動軸92に沿っ
て移動する。これらXY方向の移動により、アーム32
0とともに第二保持具32が一体に移動するようになっ
ている。尚、第二保持具32は、第一保持具31より少
し上側に位置している。従って、第二保持具32は、第
一保持具31より少し上側の位置でXY方向に移動す
る。
【0047】次に、この第三の実施形態における加熱線
23,24,25への給電のための構成について説明す
る。まず、給電点ローラ355,356には、それぞれ
給電線64,65が設けられている。この給電線64,
65は、図9中不図示の加熱用電源に接続されている。
尚、給電点ローラ355,356の構造は、前述した第
一の実施形態のものと同様である。
【0048】また、第一加熱線23及び第二加熱線24
は、遊動通電具66を介して第三加熱線25に電気的に
接続されている。図10は、図9に示す実施形態におけ
る遊動通電具66の構成を説明する図であり、(1)が
側面図、(2)が(1)のA−A断面平面図である。
【0049】遊動通電具66は、水平な姿勢のベース部
661と、ベース部661から上方に突出した一対の柱
部662と、ベース部661上に回転可能に支持された
一対のローラ663とから構成されている。ベース部6
61は、ほぼ円盤状である。一対の柱部662は平面視
が45度の扇形を成すような形状であり、ベース部66
1の中心軸を挟んで軸対称の位置に設けられている。一
対のローラ663は、垂直な軸の周りに回転従動するよ
うに設けられている。一対のローラ663は、一対の柱
部662の間に位置し、同じく中心軸を挟んで軸対称の
位置に設けられている。尚、図10(1)に示す通り、
ローラ663は、上端部が膨らんだ形状となっている。
【0050】上記遊動通電具66による通電構造につい
て、第一加熱線23と第三加熱線25を例にして説明す
る。図9に示すように第一加熱線23と第三加熱線25
は直角に交差するが、図10(1)に示すように第一加
熱線23が下、第三加熱線25が上になっている。図1
0から解る通り、第一加熱線23及び第三加熱線25
は、柱部662の平坦な側面とローラ663との間に挟
み込まれている。上側の第三加熱線25は、ローラ66
3の膨らんだ上部の下側に位置し、それより上側には飛
び出さないようになっている。
【0051】ベース部661、柱部662及びローラ
は、黄銅等の金属製である。第一加熱線23と第三加熱
線25とが直接接触することによる導通ととともに、ベ
ース部661、柱部662及びローラ663を介した導
通が確保される。つまり、第一加熱線23及び第三加熱
線25は、柱部662とローラ663との間に挟み込ま
れて良好に接触しているので、第一加熱線23と第三加
熱線25とが万が一離間しても、柱部662やローラ6
63等を介して導通が確保される。
【0052】前述したXY移動機構9が動作すると、そ
の移動方向に応じて、一対のローラ663のいずれかが
従動して回転する。例えば、X方向に移動すると、第一
加熱線23は移動せず、第三加熱線25のみがその長さ
方向に移動する。このため、第三加熱線25を挟み込ん
でいるローラ663が従動して回転する。
【0053】上記説明から解る通り、この第三の実施形
態の構成は、大きさや縦横比の異なる廃ブラウン管を解
体処理するのに非常に適した構成となっている。即ち、
大きさや縦横比の異なる廃ブラウン管を解体処理する場
合、XY移動機構9を操作して、第一第二保持具31,
32が成す内側の空間の大きさをその廃ブラウン管に適
合するように調節する。
【0054】次に、本願発明の廃ブラウン管解体方法の
実施形態について説明する。前述したように、廃ブラウ
ン管の接合部分からの分離は、熱衝撃を与えた後の自然
冷却の過程で生じる。本実施形態の方法は、分離解体を
効率よく行うため、加熱後に廃ブラウン管を強制冷却す
ることを特徴としている。強制冷却は、ガスの噴射によ
り行われる。図11は、実施形態の廃ブラウン管解体方
法について説明する斜視図であり、このガス噴射による
強制冷却の工程について示している。
【0055】図11に示す通り、本実施形態の方法で
は、廃ブラウン管の角の部分を望む位置にそれぞれガス
ノズル900を配置し、接合部分又はその付近にガス噴
射を行うようにする。ガスノズル900は、圧縮空気を
冷却ガスとして噴射するものであり、不図示の開閉弁を
介して不図示のコンプレッサにつながっている。ガスノ
ズル900は、ガス噴射口が三つ横に並んで設けられて
いる。各ガス噴射口の直径は1mm程度である。尚、図
11中の点線は、廃ブラウン管解体装置において加熱線
を接触させる位置を示している。
【0056】前述した実施形態の廃ブラウン管解体装置
を用いて接合部分又はその付近に熱衝撃を与えた後、図
12に示すようにガスを噴射して急激に強制冷却し、更
に熱衝撃を強くする。この結果、熱応力がさらに大きく
なり、廃ブラウン管はより短い時間で接合部分から分離
する。尚、ガスが噴射される位置は、廃ブラウン管の丁
度角の部分と、角の部分から少し離れた両側の位置であ
るとすることが好ましい。この理由は、角の部分は形状
的に変化しており、このような場所をピンポイント的に
冷却すると、熱応力をより大きくできるからである。
【0057】加熱と冷却のタイミングについて、図12
を用いてさらに詳しく説明する。図12は、実施形態の
廃ブラウン管解体方法について説明するタイミングチャ
ートである。図12中、(1)は廃ブラウン管解体装置
の加熱線への通電のオンオフ、(2)はガス噴射のオン
オフをそれぞれ示している。図12に示すように、加熱
線への通電がオフになった後、0.5〜3秒程度のタイ
ムラグの後、ガス噴射を行う。二回目の通電の後も、同
様である。尚、一回のガス噴射の時間は、5〜10秒程
度で良い。
【0058】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1又は
2記載の発明によれば、廃ブラウン管を破砕せずに解体
できるので、リサイクル可能なものを取り出す後処理が
容易である。また、加熱線が加熱線により局所的に熱衝
撃を与えて接合部分から分離するので、装置の構造がシ
ンプルである。さらに、加熱線に張力を与える張力印加
機構が設けられているので、廃ブラウン管に対する加熱
線の接触が充分になり、確実にまた迅速に解体が行え
る。また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加
え、加熱線の伸びを吸収する伸び吸収部が設けられてい
るので、通電の際に廃ブラウン管から加熱線が離間して
しまうことがない。従って、この点で加熱線の接触がさ
らに充分で確実になり、さらに確実で迅速な解体が行え
る。また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加
え、複数本の加熱線が直列に接続されて通電されるの
で、より確実に分離ができるまた、請求項5記載の発明
によれば、上記効果に加え、加熱線のうち廃ブラウン管
に接触している箇所にのみ電流が流れるようになってい
るので、加熱線の熱酸化が抑制される。また、請求項6
記載の発明によれば、上記効果に加え、加熱線が帯板状
であるので、廃ブラウン管に対する接触面積が大きくで
き、加熱効率を上げることができる。このため、分離解
体をより効率良く行うことができる。また、請求項7記
載の発明によれば、上記効果に加え、ボビンから加熱線
を引き出して加熱線を使用するので、摩耗などにより寿
命が来た加熱線を新しくする作業が容易にできる。ま
た、請求項8記載の発明によれば、廃ブラウン管に熱衝
撃を与えた後にガス噴射により強制冷却するので、熱応
力が大きくなり、より短時間に廃ブラウン管が分離す
る。このため、分離解体をより効率良く行えるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なブラウン管の外観概略図である。
【図2】第一の本実施形態の廃ブラウン管解体装置の概
略構成を示す平面図である。
【図3】図2に示す装置の要部の斜視図でである。
【図4】図2に示す張力調節機構8の構成を説明する側
面断面概略図である。
【図5】図2に示す装置における加熱線21,22の通
電回路を等価的に示した概略図である。
【図6】第一給電線62による給電の構造について説明
する正面図である。
【図7】第一の実施形態の廃ブラウン管解体装置の使用
方法について説明した正面図である。
【図8】第二の実施形態の廃ブラウン管解体装置の主要
部概略構成を示す平面図である。
【図9】第三の実施形態の廃ブラウン管解体装置の概略
構成を示す平面図である。
【図10】図9に示す実施形態における遊動通電具66
の構成を説明する図であり、(1)が側面図、(2)が
(1)のA−A断面平面図である。
【図11】実施形態の廃ブラウン管解体方法について説
明する斜視図である。
【図12】実施形態の廃ブラウン管解体方法について説
明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 廃ブラウン管 11 フェース部 12 ネック部 13 中間部 20 加熱用電源 21 第一加熱線 22 第二加熱線 31 第一保持具 32 第二保持具 4 第一張力印加機構 431 伸び吸収部としてのコイルスプリング 5 第二張力印加機構 531 伸び吸収部としてのエアシリンダ 61 中間接続線 62 第一給電線 63 第二給電線 7 スイッチ回路 9 XY移動機構 900 ガスノズル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つ以上の部材を接合して成る廃ブラウ
    ン管を解体する廃ブラウン管解体装置であって、接合部
    分又はその付近に局所的に熱衝撃を与えることにより接
    合部分又はその付近から分離して解体する熱衝撃印加手
    段を有しており、この熱衝撃印加手段は、通電によりジ
    ュール熱を発生する加熱線を前記接合部分又はその付近
    に接触させて熱衝撃を与えるものであり、前記接合部分
    又はその付近に加熱線が充分に接触するよう加熱線に張
    力を与える張力印加機構が設けられていることを特徴と
    する廃ブラウン管解体装置。
  2. 【請求項2】 前記張力印加機構は、バネの弾性又は空
    気圧により張力を与えるものであることを特徴とする請
    求項1記載の廃ブラウン管解体装置。
  3. 【請求項3】 前記ジュール熱が発生した際の前記加熱
    線の伸びを吸収して張力を維持する伸び吸収部が設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の廃ブラウン管
    解体装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱線は複数本設けられており、そ
    れら加熱線は直列に接続されて通電されるものであるこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3記載の廃ブラウン管
    解体装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱線のうち、前記廃ブラウン管に
    接触している箇所にのみ電流が流れるようにする給電線
    接続部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
    4いずれかに記載の廃ブラウン管解体装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱線は、帯板状であることを特徴
    とする請求項1乃至5いずれかに記載の廃ブラウン管解
    体装置。
  7. 【請求項7】 一回に使用する長さの2倍以上の長さの
    前記加熱線を巻いたボビンが設けられており、前記加熱
    線はこのボビンから引き出されて順次使用されるもので
    あることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の
    廃ブラウン管解体装置。
  8. 【請求項8】 二つ以上の部材を接合して成る廃ブラウ
    ン管を解体する廃ブラウン管解体方法であって、接合部
    分又はその付近を局所的に加熱した後、加熱された接合
    部分又はその付近にガスを噴射して強制冷却することで
    熱衝撃を強めて接合部分から廃ブラウン管を分離して解
    体することを特徴とする廃ブラウン管解体方法。
  9. 【請求項9】 前記ガスの噴射位置は、廃ブラウン管の
    角及び角の近傍であることを特徴とする請求項8記載の
    廃ブラウン管解体方法。
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