JP2001201117A - ダイナミックアイスによる冷凍方法及び装置 - Google Patents

ダイナミックアイスによる冷凍方法及び装置

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JP2001201117A
JP2001201117A JP2000008632A JP2000008632A JP2001201117A JP 2001201117 A JP2001201117 A JP 2001201117A JP 2000008632 A JP2000008632 A JP 2000008632A JP 2000008632 A JP2000008632 A JP 2000008632A JP 2001201117 A JP2001201117 A JP 2001201117A
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ice
heat
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dynamic ice
dynamic
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JP2000008632A
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English (en)
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Yoji Akitani
鷹二 秋谷
Takashi Nakane
堯 中根
Kosaku Nishida
耕作 西田
Takeshi Kamimura
岳 神村
Makoto Sano
誠 佐野
Hiroshi Sato
浩 佐藤
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Mayekawa Manufacturing Co
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Mayekawa Manufacturing Co
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次冷媒としてエタノール水溶液を用いてダ
イナミックアイスを生成して間接冷凍を行うようにし
て、製氷器と負荷側の間に蓄熱槽と循環路とを含む密閉
熱輸送経路を設け、その熱輸送経路の負圧による引火性
ガスの漏洩に対しても対処できる効率的熱輸送を可能と
したダイナミックアイスによる冷凍方法及び装置を提供
する。 【解決手段】 本発明のダイナミックアイスによる冷凍
装置は、製氷用一次冷媒を形成する冷凍装置10と、エ
タノール水溶液のダイナミックアイスを形成する製氷器
7と、密閉構造の蓄熱槽6と、負荷側のショーケース2
0と、前記製氷器7との間に蓄熱槽6を間に挟んで設け
た冷熱を輸送する第1の密閉循環路35と、第2の密閉
循環路36とにより、密閉熱輸送経路を構成し、その熱
輸送経路の負圧発生に対応すべく設けた不活性ガス送出
手段とより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイナミックアイス
による冷凍方法及び装置に関し、エタノールを水で希釈
したエタノール水溶液よりスラリー状に生成したダイナ
ミックアイスを二次冷媒として用いる、冷凍食品加工業
や低温流通産業に好適なダイナミックアイスによる冷凍
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一次冷媒としてのフロンは、不燃性であ
り、毒性も少なく、安定であるなどの優れた性質を有す
るので、フロンを中心とする一次冷媒による冷凍システ
ムが主流であったが、周知のようにフロンがオゾン層を
破壊することに起因する地球環境への悪影響からフロン
の使用の削減や廃止が国の内外で求められている。そこ
で、深夜電力を利用して夜間に蓄熱槽内に氷を蓄え、昼
間の冷房に用いる氷蓄熱システムをはじめ、種々の分野
で二次冷媒を使用した間接冷凍システムへの移行が進ん
でいる。
【0003】冷凍食品加工業や低温流通産業で行われる
間接冷凍方式では、二次冷媒にエチレングリコール又は
プロピレングリコールなどを使用し、ブラインクーラー
ユニットで冷却された二次冷媒をショーケース、フリー
ザーなどの冷凍器に送り込み、前記冷凍器にて熱交換を
行って冷凍器内に収容されている食料品などを冷却する
ようになっていた。
【0004】さらに、防腐剤を含め全てを食品添加物の
成分とすることのできることから、食品の冷凍装置には
安心して使用できるエタノール水溶液を二次冷媒に用
い、これを氷結させてダイナミックアイスを生成して氷
蓄熱を行い、低温下における低粘度であることから搬送
動力の低減を図るとともに氷の潜熱によって冷房などに
利用するようにした氷蓄熱システムも考えられている
が、この場合には、エタノール系は密閉構造が必要であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、二次冷媒に
グリコール水溶液を用いた前述した従来のこの種の間接
冷凍システムでは、以下のような問題があった。すなわ
ち、グリコール水溶液は低温度における高粘度のため
に、熱負荷側への搬送動力負荷が大きく、大きな負荷冷
却搬送ポンプを必要とした。
【0006】また、エタノール水溶液を氷結させ、氷の
潜熱を利用して冷房などを行う場合には前記したように
エタノール系は密閉構造が必要とされ、その密閉構造の
ため、低温度になると圧力が低下して負圧を発生し、配
管に漏洩があった場合には配管外部の火気が内部に進入
して内部引火を引き起こす可能性があった。
【0007】即ち、エタノール系二次冷媒の使用により
搬送負荷の軽減を図ることができるが、その代わりにエ
タノール系の熱輸送には密閉構造の熱輸送システムを用
意するとともに、配管に漏洩が起き負圧発生時にはそれ
に対応する手段を必要とする。
【0008】本発明は、かかる従来の問題点を解決する
ためになされたもので、二次冷媒としてエタノール水溶
液を用いてスラリー状のダイナミックアイスを生成して
間接冷凍を行うようにして、従来のグリコール水溶液を
使用した場合の低温下において高粘度であることに起因
する大なる搬送動力のため大きな負荷冷却搬送ポンプを
必要とした問題の解決を目的としたものである。一方、
エタノール水溶液使用の場合は上記したように密閉構造
が必要とされ、そのため低温になると圧力が負圧になり
配管に漏洩があった場合には配管外部の火気が内部に進
入して内部引火を引き起こす問題があったが、この問題
解決のため、例えば窒素ガス等の不活性ガスによる圧力
をエタノール水溶液配管系に付与するとともに、冷熱源
と負荷との間を結ぶ冷熱供給路には密閉構造の熱輸送シ
ステムを採用し、配管外部の火気が内部に進入して事故
が生じるのを防止し、二次冷媒の搬送負荷の低減を図っ
たダイナミックアイスによる冷凍方法及び装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そして、請求項1記載の
ダイナミックアイスによる冷凍方法は、前述した技術的
課題を解決するために以下のように構成されている。即
ち、二次冷媒を用いて、製氷器で生成したダイナミック
アイスを介して負荷を冷却するダイナミックアイスによ
る冷凍方法において、製氷器より循環路を介して密閉構
造の蓄熱槽にダイナミックアイスを搬送し冷熱を蓄熱
し、該蓄熱槽に蓄熱した冷熱を循環路を介してダイナミ
ックアイスを負荷側に搬送して冷熱を供給させ、製氷器
より負荷側までの密閉熱輸送経路を形成させるととも
に、前記密閉熱輸送経路を二次冷媒の負圧発生に対応し
て窒素ガスまたは不活性ガスを加圧するようにしたこと
を特徴とする。
【0010】上記請求項1記載の発明により、製氷器よ
り負荷側への冷熱供給に際して、製氷器と負荷側の間に
製氷器により形成されたダイナミックアイスの冷熱を蓄
熱する蓄熱槽を別途設け、夜間電力の有効利用と電力負
荷の平衡化を図ったものである。また、製氷器より負荷
側への冷熱搬送動力削減のため低温下での粘性抵抗の低
いエタノール水溶液を二次冷媒として使用するため密閉
構造の蓄熱槽を間に挟んで密閉構造の潜熱輸送の循環路
を介在させて密閉熱輸送経路を形成させるとともに、前
記密閉熱輸送経路を流れる二次冷媒の負圧発生に対応す
る窒素ガスまたは不活性ガスを前記熱輸送経路に加圧送
出するシステムを形成し、ランニングコストが低く搬送
効率の高い冷凍方法を用意したもので、且つ潜熱利用に
より冷媒の輸送量の削減を図るべくダイナミックアイス
を使用したため、輸送配管の小径化を図ることができ省
スペース化を可能としたものである。
【0011】本発明におけるダイナミックアイスは、蓄
熱槽内に製氷用熱交換器を設けず、別の製氷器で製氷を
行うことにより生成されたスラリー状の氷、特に粒径が
50〜150μm程度の氷粒を水などと共存させたもの
が好ましい。熱負荷側は、冷凍サイクルによらない間接
冷凍方式によるものであり、ショーケースや、食品など
の物品に直接に接触して冷凍を行うフリーザーなどを例
示することができる。
【0012】なお、請求項1記載の二次冷媒はエタノー
ル水溶液であり、前記循環路は実質的に断熱された循環
路であることを特徴とするものである。
【0013】上記請求項2記載の発明により、本発明の
ダイナミックアイスによる冷凍方法は、二次冷媒にエタ
ノール水溶液の使用により搬送動力の低減を図ったもの
であり、二次冷媒搬送用の循環路は外部構造物に対し断
熱構造にあることは言うまでもない。
【0014】上記請求項1、請求項2記載の記載のダイ
ナミックアイスによる冷凍方法を使用した冷凍装置は、
二次冷媒を用いて、製氷器で生成したダイナミックアイ
スを使用して負荷を冷却するダイナミックアイスによる
冷凍装置において、前記製氷器よりダイナミックアイス
を搬送させて冷熱を蓄熱する密閉構造の蓄熱槽と、前記
ダイナミックアイスを搬送すべく蓄熱槽と製氷器との間
に設けた第1の密閉循環路と、前記ダイナミックアイス
を搬送させる蓄熱搬送手段と、蓄熱槽に蓄熱したダイナ
ミックアイスを搬送させて負荷側へ冷熱を供給すべく蓄
熱槽と負荷側との間に設けた第2の密閉循環路と、ダイ
ナミックアイスを負荷側へ搬送する負荷冷却搬送手段
と、より密閉熱輸送経路を構成し、上記密閉熱輸送経路
の二次冷媒側に所定の圧力を付与して負圧発生に対応す
る窒素ガス又は不活性ガス送出手段と、前記二次冷媒側
の圧力を検知する圧力センサの検知信号に基づいて前記
不活性ガス送出手段を作動させる作動手段と、を設けた
ことを特徴とする。
【0015】上記製氷器は冷凍サイクルによるもので、
一次冷媒としてフロンを用いずにアンモニアを用いるこ
とが望ましい。
【0016】上記第1、第2の密閉循環路においては、
製氷器より蓄熱槽への往路及び蓄熱槽より負荷側への往
路で所定IPFのダイナミックアイスを搬送し、復路で
は潜熱の付与により前記IPFが殆ど零になった低濃度
の二次冷媒液を還送するようにしたものである。且つ、
上記第1、第2の密閉循環路と蓄熱槽を含む密閉熱輸送
経路を密閉状に形成するとともに、負圧発生に対処する
不活性ガスの送出手段により、引火の危険を排除し二次
冷媒にエタノール水溶液の使用を可能としたものであ
る。
【0017】前記窒素ガス又は不活性ガス送出手段に
は、常温で不活性の窒素ガスを圧縮して封入した窒素ボ
ンベを使用し、該窒素ボンベのバルブを開閉するように
することが好ましい。もちろん、ヘリウムやネオン、ア
ルゴンなどを用いることができることは言うまでもな
い。
【0018】前記二次冷媒側の圧力を検知する圧力セン
サには、例えば薄い円板にかかる圧力差で生じる変形を
光の反射の変化で検出するようにしたダイヤフラム反射
形圧力センサをはじめ、ストレインゲージ、圧電素子そ
の他の適宜のものを採用することができる。また、圧力
センサの取付位置は蓄熱槽をはじめ、エタノールタンク
など、二次冷媒側の圧力を検知可能な場所であれば、設
置場所は特に限定されることはない。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
ダイナミックアイスによる冷凍装置の製氷器は、アンモ
ニアの凝縮器とアンモニアガス圧縮用のコンプレッサと
が一体にパッケージされたコンデンシングユニットに接
続されており、該コンデンシングユニットは、凝縮器収
容室とコンプレッサ収容室に区分され、配管系からの漏
洩アンモニアを凝縮器の冷却水に接触溶解可能に構成す
るとともに、該接触溶解により生成されたアンモニア水
の回収手段を設けたことを特徴としたものである。
【0020】一次冷媒にアンモニアを用いる場合に、毒
性のあるアンモニアの漏洩に対しては、アンモニアの水
に対する大きな溶解度を利用し、かつ凝縮器に使用する
冷却水をアンモニアの溶解用に利用してアンモニアを除
去することにより対処するものである。
【0021】上記のようにして、本発明のダイナミック
アイスによる冷凍方法及び装置によると、二次冷媒とし
てのエタノール水溶液よりなるダイナミックアイスを蓄
熱槽へ第1の密閉循環路を介して搬送し、蓄熱したダイ
ナミックアイスを蓄熱槽より負荷側へ第2の密閉循環路
を介して搬送し、負荷側での冷熱付与により低濃度とな
った二次冷媒液を前記循環路を介して負荷側より蓄熱槽
を経由製氷器へ還流させるようにしたものである。そし
て、上記蓄熱槽、第1、第2の密閉循環路を含む密閉熱
輸送経路におけるエタノール水溶液側の圧力が所定値以
下になったときには、窒素ガス又は不活性ガスによりエ
タノール水溶液側を加圧して、配管外部から内部への火
気の進入を防止するようにしてある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のダイナミックアイ
スによる冷凍方法及び装置を図面に示される実施形態に
ついて更に詳細に説明する。ただし、この実施の形態に
記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対
的配置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明
の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明
例にすぎない。図1には本発明に係るダイナミックアイ
スによる冷凍装置Aの一実施形態の概略が例示され、図
2にはアンモニアを一次冷媒に用いるコンデンシングユ
ニットの一例の概略構成を示す図である。
【0023】図1に示すように、本発明のダイナミック
アイスによる冷凍装置は、冷凍用アンモニアガスを形成
する冷凍装置10と、該冷凍装置に結合してダイナミッ
クアイスを形成する製氷器7と、密閉構造の蓄熱槽6
と、負荷側のショーケース20と、前記製氷器7と蓄熱
槽6との間を結び製氷器7より蓄熱槽6へ冷熱を搬送す
る第1の密閉循環路35と、蓄熱槽6とショーケース2
0との間を結び蓄熱槽6よりショーケース20へ冷熱を
搬送する第2の密閉循環路36とより構成する。そし
て、上記第1、第2の密閉循環路35、36と蓄熱槽6
とにより密閉熱輸送経路を構成する。
【0024】上記製氷器7は、内蔵するエタノール水溶
液よりなる二次冷媒を冷凍装置10により形成されたア
ンモニア冷媒を介して所定IPFのダイナミックアイス
を形成する。即ち、製氷器7は一次冷媒である上記アン
モニア冷媒の冷凍サイクルにより作動するものであり、
その一端が上記冷凍サイクルを形成する冷凍装置10の
配管路11に設けられた膨張弁8と接続していて、アン
モニア冷媒が膨張弁8によって減圧されて供給されるよ
うになっている。また、製氷器7の他端は配管路12に
接続されたアンモニアガス圧縮用のコンプレッサ13に
接続するとともに、アンモニアの凝縮器14に接続して
いる。
【0025】上記第1の密閉循環路35は、前記製氷器
7により形成された所定IPFのダイナミックアイスを
蓄熱槽6へ搬送する配管路17と、蓄熱槽6で負荷側よ
り還流貯留されているエタノール水溶液を製氷器7へ還
流させる配管路16と、蓄熱搬送手段を形成する製氷器
7への製氷器還流ポンプ5とより構成する。
【0026】上記第2の密閉循環路36は、前記蓄熱槽
6より蓄熱されている所定IPFのダイナミックアイス
を負荷側のショーケース20へ搬送し潜熱を負荷側に与
える配管路22と、負荷冷却搬送ポンプ3と、前記ショ
ーケース20で潜熱を負荷側に付与してIPFが零の低
濃度のエタノール水溶液を蓄熱槽6へ還流させる配管路
21とより構成する。
【0027】上記蓄熱槽6は密閉構造よりなり、外部に
付設した圧力センサ25と制御弁23と窒素ボンベ30
とよりなり、そして前記圧力センサ25により蓄熱槽6
内の負圧を検出して前記制御弁を23を作動させ窒素ボ
ンベ30より窒素ガスを加圧送出して前記蓄熱槽6内の
圧力を所定圧力に維持する構成にしてある。上記構成に
より前記蓄熱槽6と該蓄熱槽6を挟む第1、第2の密閉
循環路35、36よりなる冷熱輸送経路における、負圧
発生に対応して窒素ガスよりなる不活性ガスが蓄熱槽6
に送出される。このために、エタノールの引火性による
事故のおそれを皆無とすることができる。
【0028】なお、前記一次冷媒により冷凍サイクルを
形成する冷凍装置10は、図2に詳細に示すように、凝
縮器14とコンプレッサ13とが一体にパッケージされ
たコンデンシングユニット15を備え、該コンデンシン
グユニット15は、上方に位置する凝縮器収容室26と
下方に位置するコンプレッサ収容室27に区分され、配
管系からの漏洩アンモニアを凝縮器14の冷却水19の
噴霧ノズル31よりの噴霧に接触溶解可能に構成すると
ともに、該接触溶解により生成されたアンモニア水の回
収手段である冷却水タンク28を設けてある。そして、
上記凝縮器収容室26とコンプレッサ収容室27の境界
が気密状に構成され、両収容室を結ぶ誘導路24を通じ
て二点鎖線で示す漏洩アンモニアガスGを押込ファン2
9の負圧で凝縮器収容室26まで吸引し、その後は押込
圧で上昇させる。その間、漏洩アンモニアガスGは冷却
水噴霧ノズル31よりの噴霧状冷却水に接触溶解され
て、アンモニア水を形成して、下方の冷却水タンク28
に降下して貯留されるようにしてある。従って一次冷媒
にアンモニアを使用しても、漏洩アンモニアによる毒性
や可燃性からもたらされる重大な障害や爆発事故などの
おそれは回避されるようにしてある。
【0029】この実施の形態によれば、二次冷媒に用い
られるエタノール水溶液は製氷器7でダイナミックアイ
スに生成され、配管路16と配管路17とよりなる第1
の密閉循環路35と前記配管路16に設けた製氷器還流
ポンプ5とを介しての前記ダイナミックアイスの搬送に
より、冷熱は密閉構造の蓄熱槽6に蓄熱される。また、
蓄熱槽6に蓄熱された冷熱は第2の密閉循環路36によ
り負荷側であるショーケース20へ供給するようにして
ある。なお、上記第1、第2の密閉循環路35、36を
形成する配管路16、17、21、22は断熱構造にし
てある。
【0030】即ち、蓄熱槽6は配管路16と17よりな
る第1の密閉循環路35により製氷器7と接続してい
て、配管路16に設けられた製氷器還流ポンプ5によ
り、蓄熱槽6から製氷器7へのエタノール水溶液の復路
を形成し、前記製氷器内において所定IPFのダイナミ
ックアイスを生成させ、該生成されたダイナミックアイ
スを蓄熱槽6へ搬送させるようになっている。
【0031】さらに、蓄熱槽6は配管路21と負荷冷却
搬送ポンプ3を設けた配管路22とにより形成された第
2の密閉循環路36を介して、負荷側であるショーケー
ス20に接続している。なお、本実施の形態においては
ショーケース20は40台接続されていて、該負荷冷却
搬送ポンプ3によりダイナミックアイスを熱負荷側のシ
ョーケース20に搬送し、該ショーケース20で行われ
るダイナミックアイスの潜熱による冷却により温められ
たIPFが殆ど零のエタノール水溶液を蓄熱槽6に還流
させるようになっている。
【0032】次に、本発明のダイナミックアイスによる
冷凍方法の一実施形態につき説明する。水にエタノール
を希釈して得られたエタノール水溶液は、初期濃度が3
8重量%、凍結点が−27.0℃であり、製氷器7にお
いてスラリー状に製氷されてダイナミックアイスに生成
される。該ダイナミックアイスは、−34.5℃、氷充
填率(IPF)20%であり、負荷冷却搬送ポンプ3に
より44.4l/minの流速で40台のショーケース
20に搬送される。この際、二次冷媒としてのエタノー
ル水溶液は低温度においてきわめて低粘度のために製氷
器7より蓄熱槽6を経由して熱負荷側のショーケース2
0への搬送はきわめて小さな搬送動力で行うことができ
る。
【0033】ダイナミックアイスはショーケース20内
で熱交換を行って庫内を冷却して−27.0℃、氷充填
率(IPF)0%に温められてエタノール水溶液となっ
て蓄熱槽6に還流する。前記温められたエタノール水溶
液は蓄熱層6から再び製氷器7に送られてダイナミック
アイスに生成される。ショーケース20内では、庫内の
空気が−15.5℃から−26.0℃まで冷却され、庫
内温度が−23.0℃に保たれる。なお、ショーケース
40台の交換熱量は1000kcal/h×40であ
る。なお、製氷器7を備える一次冷媒による冷凍装置1
0は、夜間電力を使用することにより、きわめて低コス
トの製氷が可能になる。
【0034】さらに、二次冷媒側の圧力が所定の値以下
になると圧力センサ25から操作弁23へ検知信号が送
られて窒素ボンベ30を開き、窒素ボンベ30から窒素
ガスが二次冷媒側である蓄熱槽6に送出される。このた
めに、エタノールの引火性による事故のおそれはない。
【0035】前記一次冷媒による冷凍装置10のコンデ
ンシングユニット15内では、凝縮器収容室26とコン
プレッサ収容室27の境界が気密状に構成され、両収容
室を結ぶ誘導路24を通じて二点鎖線で示す漏洩アンモ
ニアガスGを押込ファン29の負圧で凝縮器収容室26
まで吸引し、その後は押込圧で上昇させる。その間、漏
洩アンモニアガスGは冷却水撒布ノズル31よりの噴霧
状冷却水に接触溶解されて、アンモニア水を形成して、
下方の冷却水タンク28に降下して貯留される。従って
一次冷媒にアンモニアを使用しても、漏洩アンモニアに
よる毒性や可燃性からもたらされる重大な障害や爆発事
故などのおそれは回避される。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイナミ
ックアイスによる冷凍方法及び装置によれば、二次冷媒
にエタノール水溶液を用いてダイナミックアイスを生成
し、該ダイナミックアイスにより熱負荷側を冷却するの
で、 a)エタノール水溶液は従来の二次冷媒に比して低温度
における粘度が低く、熱負荷側への搬送動力が少なくて
済み、ランニングコストが低減される。 b)ダイナミックアイスの潜熱を利用するために、従来
のブラインの顕熱の利用による場合に比して冷媒の輸送
量が大幅に減少するため輸送配管も小型化され省スペー
スになる。 c)冷媒の輸送動力が少なくて済み、しかも冷媒の輸送
量も減少するので、負荷冷却搬送ポンプは比較的小型で
よく、省スペースが可能になる。 d)製氷器より負荷側への冷熱供給に際して、密閉構造
の蓄熱槽を間に挟んで第1、第2の密閉循環路を介在さ
せて密閉熱輸送経路を形成させ、且つ前記密閉熱輸送経
路を流れる二次冷媒の負圧発生に対応する窒素ガスまた
は不活性ガスを加圧システムの使用と相俟って、前記二
次冷媒に搬送効率の高いエタノール水溶液の使用を可能
にしてある。即ち、上記不活性ガスの加圧システムによ
り、 e)可燃性の二次冷媒であるエタノール水溶液に対する
内部引火などのおそれがなく安全が確保される。また、
一次冷媒を用いる冷凍装置に、コンデシングユニットを
設けたので、 f)アンモニアの毒性や可燃性から生じる障害を除去す
ることができ、ひいてはフロンの使用を少なくすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるダイナミックアイス
による冷凍装置の概略説明図である。
【図2】アンモニアを一次冷媒に用いるコンデンシング
ユニットの一例の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
3 負荷冷却搬送ポンプ 5 製氷器還流ポンプ 6 蓄熱槽 7 製氷器 10 一次冷媒による冷凍装置 13 コンプレッサ 14 凝縮器 15 コンデンシングユニット 20 ショーケース 25 圧力センサ 26 凝縮器収容室 27 コンプレッサ収容室 28 回収手段(冷却水タンク) 30 窒素ガス又は不活性ガス送出手段(窒素ボンベ) 35 第1の密閉循環路 36 第2の密閉循環路 A ダイナミックアイスによる冷凍装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000148357 株式会社前川製作所 東京都江東区牡丹2丁目13番1号 (74)上記3名の代理人 100083024 弁理士 高橋 昌久 (外1名) (72)発明者 秋谷 鷹二 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 中根 堯 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 西田 耕作 東京都江東区牡丹2丁目13番1号 株式会 社前川製作所内 (72)発明者 神村 岳 東京都江東区牡丹2丁目13番1号 株式会 社前川製作所内 (72)発明者 佐野 誠 東京都江東区牡丹2丁目13番1号 株式会 社前川製作所内 (72)発明者 佐藤 浩 東京都江東区牡丹2丁目13番1号 株式会 社前川製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次冷媒を用いて、製氷器で生成したダ
    イナミックアイスを介して負荷を冷却するダイナミック
    アイスによる冷凍方法において、 製氷器より循環路を介して密閉構造の蓄熱槽にダイナミ
    ックアイスを搬送し冷熱を蓄熱し、該蓄熱槽に蓄熱した
    冷熱を循環路を介してダイナミックアイスを負荷側に搬
    送して冷熱を供給させ、製氷器より負荷側までの密閉熱
    輸送経路を形成させるとともに、 前記密閉熱輸送経路を二次冷媒の負圧発生に対応して窒
    素ガスまたは不活性ガスを加圧するようにしたことを特
    徴とするダイナミックアイスによる冷凍方法。
  2. 【請求項2】 前記二次冷媒がエタノール水溶液であ
    り、前記循環路が実質的に断熱された循環路であること
    を特徴とする請求項1記載のダイナミックアイスによる
    冷凍方法。
  3. 【請求項3】 二次冷媒を用いて、製氷器で生成したダ
    イナミックアイスを使用して負荷を冷却するダイナミッ
    クアイスによる冷凍装置において、 前記製氷器よりダイナミックアイスを搬送させて冷熱を
    蓄熱する密閉構造の蓄熱槽と、前記ダイナミックアイス
    を搬送すべく蓄熱槽と製氷器との間に設けた第1の密閉
    循環路と、前記ダイナミックアイスを搬送させる蓄熱搬
    送手段と、 蓄熱槽に蓄熱したダイナミックアイスを搬送させて負荷
    側へ冷熱を供給すべく蓄熱槽と負荷側との間に設けた第
    2の密閉循環路と、ダイナミックアイスを負荷側へ搬送
    する負荷冷却搬送手段と、より密閉熱輸送経路を構成
    し、 上記密閉熱輸送経路の二次冷媒側に所定の圧力を付与し
    て負圧発生に対応する窒素ガス又は不活性ガス送出手段
    と、前記二次冷媒側の圧力を検知する圧力センサの検知
    信号に基づいて前記不活性ガス送出手段を作動させる作
    動手段と、を設けたことを特徴とするダイナミックアイ
    スによる冷凍装置。
  4. 【請求項4】 前記製氷器は、アンモニアの凝縮器とア
    ンモニアガス圧縮用のコンプレッサとが一体にパッケー
    ジされたコンデンシングユニットに接続されており、該
    コンデンシングユニットは、凝縮器収容室とコンプレッ
    サ収容室に区分され、配管系からの漏洩アンモニアを凝
    縮器の冷却水に接触溶解可能に構成するとともに、該接
    触溶解により生成されたアンモニア水の回収手段を設け
    たことを特徴とする請求項3に記載のダイナミックアイ
    スによる冷凍装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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