JP2001193654A - ダイアフラムポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイアフラムポンプにおいては、作動油が圧
力調整弁を押しあけて循環するするため抵抗が大きく、
長時間運転を続けると作動油の温度が上昇してダイアフ
ラムも加熱され、中心扞が軟化して装着されたコイルば
ねの弾拡力により伸びを生じてそのコイルばねの弾拡力
が低下し、ダイアフラムを戻す力が小さくなってダイア
フラムポンプの吐出量が低下するという課題があった。 【解決手段】 中心扞を前記ダイアフラムより熱による
伸びの小さい材料によって形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダイアフラムの一
面に突設した中心扞にコイルばねを装着してダイアフラ
ムを油圧室側に付勢し、プランジャの前進運動によりタ
ンクから汲み上げた作動油を油圧室に圧送してダイアフ
ラムをコイルばねの弾力に抗して被圧送液室側に変形さ
せることにより被圧送液を吐出し、プランジャの後退に
よりダイアフラムを油圧室側に変形させて油圧室内の作
動油を圧力調整弁を介してタンクに還流するようにした
ダイアフラムポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、このようなダイアフラムポンプに
おいては、ダイアフラムが主としてナイロン等の耐久性
に優れた合成樹脂により中心扞と一体に形成されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなダイアフラムポンプにおいては、作動油が圧力調整
弁を押しあけて循環するため抵抗が大きく、長時間運転
を続けると作動油の温度が上昇してダイアフラムも加熱
される。

【０００４】すると中心扞が軟化して装着されたコイル
ばねの弾拡力により伸びを生じてそのコイルばねの弾拡
力が低下し、ダイアフラムを戻す力が小さくなってダイ
アフラムポンプの吐出量が低下し、特に、被圧送液の粘
度が高い場合には温度上昇が著しく、短時間でダイアフ
ラムポンプの性能が低下するという課題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段、作用及び効果】このよう
な課題を解決するための手段として、請求項１の発明
は、中心扞を前記ダイアフラムより熱による伸びの変化
の小さい材料によって形成したから、作動油の温度が上
昇しても中心扞の伸びが小さく、ダイアフラムポンプの
性能の低下が小さい。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て、ダイアフラムが合成樹脂製であって中心扞が金属製
であるから中心扞の伸びはほとんど生じない。

【０００７】請求項３の発明は、請求項１または２の発
明において、中心扞がダイアフラムにビスの締め付けに
より固定されているから中心扞とダイアフラムが強固に
結合される。

【０００８】請求項４の発明は、請求項２の発明におい
て、中心扞がダイアフラムに鋳包みにより結合されてい
るから大量生産に適する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。なお、本発明はダイアフラ
ムポンプの内、特に、ダイアフラムと中心扞の構造に特
徴を持つものであって、ダイアフラムポンプ全体の構造
は周知のものであるので、その作動の説明をもって構造
の説明に変える。

【００１０】図示しない原動機の駆動により偏心ローラ
ー１が、図１に示すように、最上方位置に達するとプラ
ンジャ２が上死点に達することにより油圧室４内に作動
油ａが圧送されて、被圧送液室５の容積が減少し、被圧
送液ｂは被圧送液室５内から押し出され、図１に示すよ
うに、逆止弁６を押しあけて吐出口７から吐出される。

【００１１】このとき、ダイアフラム３との間で油圧室
４を構成するダイアフラム受け８の下面とダイアフラム
３の下面中央に突設された中心扞９の下部に螺着された
ナット１１の間に装着されたコイルばね１０が最も圧縮
される。

【００１２】次に、偏心ローラー１が図２に示すよう
に、最下方位置に達するとプランジャ８が下死点に達す
ることによりコイルばね１０の弾力によりダイアフラム
３がダイアフラム受け８に達するまで下がって油圧室４
内の作動油ａが圧力調整弁１２を押し開いてタンク１３
内に戻るとともに、逆止め弁１４が開いて被圧送室５内
に被圧送液ｂが流入する。

【００１３】上記の運動が繰り返されることにより、塗
料などの被圧送液ｂが間欠的に圧送されるのであるが、
作動油ａは圧力調整弁１２を押し開いて循環するため抵
抗により温度が次第に上昇し、特に、被圧送液ｂの粘度
が高い場合には温度上昇が著しい。

【００１４】このため、ダイアフラム３の中心扞９が従
来のように合成樹脂によりダイアフラム３と一体に形成
されていると、温度上昇により伸びて、ダイアフラム３
を戻す力が小さくなり、吐出量が次第に減少して吐出不
能になるおそれがあり、これを回避するには長時間の連
続運転を避ける必要があった。

【００１５】そこで、本実施の形態においては、図３に
拡大して示すように、中心扞９をダイアフラム３とは別
体の鋼などの金属製として、上端の拡径部１５をダイア
フラム３の中心に埋め込み、ビス１６を締め付けること
によりダイアフラム３に固定し、Ｏリング１７でシール
する。

【００１６】金属は一般に合成樹脂より熱による伸びの
変化が著しく小さいから、作動油の温度が上昇しても中
心扞９はほとんど伸びを生じることがなく、ダイアフラ
ムポンプを長時間連続運転してもポンプとしての性能は
低下しない。

【００１７】中心扞９は、その上端を金型内に収めてダ
イアフラム３を射出成形することにより鋳包んで結合す
るようにしてもよく、この方法は大量生産に適する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の被圧送液体の吐出状態
を示す断面図である。

【図２】その作動油の戻り状態を示す断面図である。

【図３】ダイアフラムと中心扞の結合状態を示す一部切
欠拡大断面図である。

【符号の説明】

３：ダイアフラム ９：中心扞 １６：ビス

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダイアフラムの一面に突設した中心扞に
   コイルばねを装着して前記ダイアフラムを油圧室側に付
   勢し、プランジャの前進によりタンクから汲み上げた作
   動油を前記油圧室に圧送して前記ダイアフラムを前記コ
   イルばねの弾力に抗して被圧送液室側に変形させること
   により被圧送液を吐出し、前記プランジャの後退により
   前記ダイアフラムを前記油圧室側に変形させて前記油圧
   室内の作動油を圧力調整弁を介して前記タンクに還流す
   るようにしたダイアフラムポンプにおいて、前記中心扞
   を前記ダイアフラムより熱による伸びの変化の小さい材
   料によって形成したことを特徴とするダイアフラムポン
   プ。
2. 【請求項２】 前記ダイアフラムが合成樹脂製であって
   前記中心扞が金属製であることを特徴とする請求項１に
   記載のダイアフラムポンプ。
3. 【請求項３】 前記中心扞が前記ダイアフラムにビスの
   締め付けにより固定されていることを特徴とする請求項
   １または２に記載のダイアフラムポンプ。
4. 【請求項４】 前記中心扞が前記ダイアフラムに鋳包み
   により結合されていることを特徴とする請求項２に記載
   のダイアフラムポンプ。