JP2001192938A - 紡績装置及び紡績方法 - Google Patents

紡績装置及び紡績方法

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JP2001192938A
JP2001192938A JP2000005222A JP2000005222A JP2001192938A JP 2001192938 A JP2001192938 A JP 2001192938A JP 2000005222 A JP2000005222 A JP 2000005222A JP 2000005222 A JP2000005222 A JP 2000005222A JP 2001192938 A JP2001192938 A JP 2001192938A
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Japan
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guide shaft
hollow guide
fiber
fiber bundle
fibers
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Shigeki Mori
森  茂樹
Koji Ideno
宏二 出野
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平均繊維長が異なる異種の繊維を混合した混
合繊維束を使用する場合も含めて、中空ガイド軸体の先
端部とノズルブロックとの間の中空室からケーシングの
空間に排出される繊維が、異なる部材の固着面に引っ掛
かったり、或いは空間内の中空ガイド軸体の周囲にルー
プを形成することを確実に防止し、それによって中空室
から空間への繊維の排出を常時良好に維持する。 【解決手段】 繊維束導入孔29及び旋回ノズル32を
有するノズルブロック21と、糸通路39を有し、先端
部31がノズルブロック21内に挿入された中空ガイド
軸体22と、中空ガイド軸体22の先端部31の周囲に
形成された中空室41に連通する空気排出用空間43と
を有する紡績装置であって、繊維束Sとして、平均繊維
長が異なる異種の繊維を混合した混合繊維束を使用する
とともに、中空ガイド軸体22に、前記先端部31と一
体的にテーパ部35及び太径部36を形成し、空気排出
用空間43内に位置する太径部36の外周長を、混合繊
維束を構成する繊維束のうち最も長い平均繊維長より長
くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドラフト装置によ
ってドラフトされた無撚の短繊維束に旋回気流を作用さ
せ、該短繊維束を開繊しつつ撚り込んでリング糸に似た
実撚り状の紡績糸を形成する紡績装置及び紡績方法に関
し、特に、中空ガイド軸体先端部の周囲に繊維を巻き付
けつつ糸を形成する際に、中空ガイド軸体の周囲で繊維
がループを形成したり、引っ掛かったりするのを防止し
得るようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような紡績装置において、中空ガイ
ド軸体に対する繊維束の巻き付きによる不良パッケージ
の発生を防止する方法として、例えば特開平8−246
255号公報に記載されたものがある。この公報に記載
の紡績装置では、ノズルブロックと中空ガイド軸体との
間の中空室からケーシングの空間へと流出する空気を外
向けに偏向させることにより、中空室からの繊維が中空
ガイド軸体に近付かないように吹き飛ばし、それによっ
て繊維が中空ガイド軸体の周囲を旋回する時間を減少さ
せて中空ガイド軸体に巻き付きにくくしている。
【0003】前記公報には、中空室から空間へと流出す
る空気を外向けに偏向させる構造として、以下のような
例が記載されている。まず、第1の実施例として、中空
ガイド軸体の先端部と大径部との間に傾斜部を設け、ノ
ズルブロックの端と傾斜部とで形成される斜め吹き出し
部を設けたものが記載されている。この例では、斜め方
向の空気流により巻き付きを防止することを主眼として
おり、中空ガイド軸体における大径部の外周長について
の記載はない。
【0004】また、第2の実施例として、中空ガイド軸
体の先端部と大径部との間に段部を設け、ノズルブロッ
クの端と段部とによって形成される周方向吹き出し部を
設けたものが記載されている。この例では、中空ガイド
軸体の段部は、中心部の周囲にスリーブを固着して構成
されている。即ち、中心部を構成する部材とスリーブと
は別部材となっている。尚、第2の実施例については、
大径部を構成するスリーブの外周は繊維の長さより長く
なっており、繊維が巻き付く可能性が殆どない旨が記載
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1の実施例として記載された例では、上述したように、
中空ガイド軸体における大径部の外周長についての記載
はなく、たとえ斜め吹き出し部により外向き空気流を形
成したとしても、その大径部の周囲に繊維が巻き付いて
ループを形成する可能性は高くなっている。ケーシング
の空間において、中空ガイド軸体の周囲に繊維がループ
を形成すると、引き続いて中空室から排出されてきた繊
維がそのループに絡み付いて外部に排出されないという
事態が発生する。このような事態が発生すると、中空室
から空間への空気の流出が正常に行われず、中空室内の
正常な旋回流が阻害され、糸強力の弱い糸が生産される
こととなる。
【0006】また、第2の実施例として記載された例で
は、スリーブの外周は繊維の長さより長いので、繊維が
巻き付く可能性は殆どないと考えられるが、スリーブよ
りかなり径の小さい中心部を構成する部材とスリーブと
は別部材となっているので、それらの固着面(両者を接
着固定する場合その接着面)に形成される隙間に繊維が
引っ掛かる可能性がある。両者の隙間に繊維が引っ掛か
ると、第1の実施例の場合と同様に、引き続いて中空室
から排出されてきた繊維がその引っ掛かった繊維に絡み
付き、それが次第に成長して上記のような問題を発生す
ることになる。また、第2の実施例では、中空ガイド軸
体の段部によりノズルブロックの端と段部とによって周
方向に空気が吹き出すようにしたので、中空室から略中
空ガイド軸体の軸方向に流出してきた空気流が急激に方
向転換することとなり、空気流がスムーズにケーシング
の空間内に排出され難く、径の小さい中心部の周囲で繊
維がループを形成してしまう可能性がある。
【0007】さらに、第1及び第2の実施例とも、平均
繊維長が異なる異種の繊維を混合した混合スライバを使
用することについては記載されていない。従って、例え
ば、天然繊維である綿と、綿より平均繊維長が長いポリ
エステル(合成繊維)との混合スライバを使用する場
合、中空ガイド軸体の特定箇所における外周長さが、綿
の平均繊維長よりは長くても、ポリエステルの平均繊維
長より短い場合、ポリエステルの短繊維が中空ガイド軸
体の周囲に巻き付いたり引っ掛かったりして正常な紡績
糸を生成できないことがあった。
【0008】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、例えば、平均繊維長が異なる異種の繊維を混合した
混合繊維束を使用するような場合も含めて、繊維束から
分離し、中空ガイド軸体の先端部とノズルブロックとの
間の中空室からケーシングの空間に排出される繊維が、
異なる部材の固着面に引っ掛かったり、或いは空間内の
中空ガイド軸体の周囲にループを形成することを確実に
防止し、それによって中空室から空間への繊維の排出を
常時良好に維持することができる紡績装置及び紡績方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、繊維束導入孔及び空気噴射
ノズルを有するノズルブロックと、糸通路を有し、先端
部がノズルブロック内に挿入された中空ガイド軸体と、
中空ガイド軸体先端部の周囲に形成された中空室に連通
する空気排出用空間とを有する紡績装置であって、中空
ガイド軸体に、前記先端部と一体的に太径部を形成し、
空気排出用空間内に位置する太径部の外周長を、繊維束
導入孔に導入される繊維束の平均繊維長より長くしたこ
とを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、中空ガイド軸体の
先端部に旋回気流を作用させながら紡績糸を形成すると
ともに、その旋回気流を中空ガイド軸体の先端部から空
気排出用空間を介して排出するようにした紡績方法であ
って、平均繊維長が異なる異種の繊維が混合した混合繊
維束を供給し、中空ガイド軸体は、先端部より外径が大
きい太径部を有し、空気排出用空間に位置する太径部の
外周長を、混合繊維束を構成する異種の繊維のうち最も
長い平均繊維長より長くしたことを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、前記混合繊維束
は、天然繊維と、該天然繊維より平均繊維長が長い合成
繊維とを混合したものであり、前記太径部の外周長を、
合成繊維の平均繊維長より長くしたものとする。
【0012】請求項4記載の発明は、前記中空ガイド軸
体は、先端部から太径部に向けて外径が次第に拡径する
テーパ部を有しているものとする。
【0013】請求項1記載の発明では、紡績装置におい
て、ドラフト装置でドラフトされた繊維束(スライバ)
を繊維束導入孔から導入し、ノズルブロック内で空気噴
射ノズル(旋回ノズル)による旋回気流を繊維束に作用
させることで、中空ガイド軸体先端部の周囲に繊維を巻
き付けながら紡績が行われる。旋回ノズルからの旋回気
流は、中空ガイド軸体先端部の周囲に形成された中空室
から、それに連通する空気排出用空間を介して外部に排
出される。この空気流に乗って、繊維束を構成する繊維
のうち紡績されなかった一部の繊維が排出される。
【0014】本発明では、空気排出用空間内に位置する
中空ガイド軸体の太径部外周の長さを、供給される繊維
束の平均繊維長より長くしたので、紡績されなかった繊
維が、中空ガイド軸体の太径部の外周に一端と他端とが
接続した状態でループを形成してしまうのを確実に防止
できる。また、中空ガイド軸体の先端部と一体的に太径
部を形成したので、両部材を別部材で構成して固着した
場合のように、その固着面に繊維が引っ掛かるようなこ
とがない。
【0015】また、請求項2記載の発明では、平均繊維
長が異なる異種の繊維が混合した混合繊維束を供給し、
該繊維束に対して中空ガイド軸体の先端部において旋回
気流を作用させて紡績糸を形成する場合でも、中空ガイ
ド軸体は、先端部より外径が大きい太径部を有し、空気
排出用空間に位置する太径部の外周長を、混合繊維束を
構成する異種の繊維のうち最も長い平均繊維長より長く
したので、混合繊維束を構成する全ての繊維が中空ガイ
ド軸体に巻き付いたり引っ掛かったりすることがない。
【0016】請求項4記載の発明では、前記中空ガイド
軸体は、先端部から太径部に向けて外径が次第に拡径す
るテーパ部を有しているので、テーパ部に沿って空気排
出空間にスムーズな空気流が形成され、中空ガイド軸体
の周囲で発生するループや引っ掛かりをより確実に防止
できる。
【0017】
【実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面を用い
て説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実
施の形態に限定されるものではない。
【0018】まず、図1を用いて、本発明に係る紡績装
置を使用した紡績機の全体構成について説明する。紡績
機は、紡績中における繊維(糸)の上流側から下流側に
向かって、ドラフト装置1、紡績装置2、糸送り部材3
及び巻取装置4を備えている。糸送り部材3と巻取装置
4との間には、糸貯留装置5及び糸欠点検出装置6が配
置されている。糸貯留装置5は、パイプ状の吸引部材に
より構成され、糸継ぎ時(ピーシング時)に発生した糸
の弛みを吸収する。糸欠点検出装置6は、スラブ等の糸
欠点を検出するためのものであり、紡績中における走行
糸の太さに応じた信号を常時出力する。
【0019】ドラフト装置1は、ケンスCから引き出し
た繊維束(スライバS)を所定のドラフト比でドラフト
するものであり、上流側から順に、バックローラ11、
サードローラ12、エプロンベルト13を有するセカン
ドローラ14、そして最も下流側にフロントローラ15
を有している。紡績装置2は、ドラフト装置1の下流側
に接近して配置され、ドラフトされた繊維束を実撚り状
の紡績糸Yに生成して排出するものである。糸送り部材
3は、積極駆動する駆動ローラ7とそれに接触して回転
する従動ローラ8とより成るニップローラであり、紡績
装置2から紡績糸Yを引き出すとともに巻取装置4側に
送り出すものである。巻取装置4は、積極駆動する巻取
ドラム9を有し、巻取りパッケージPは、巻取ドラム9
に接触回転しながら紡績糸Yを巻き取るようになってい
る。
【0020】次に、本発明の特徴部分である紡績装置2
について詳細に説明する。ドラフト装置によってドラフ
トされた無撚の繊維束は、紡績装置2において、旋回気
流の作用により繊維束を開繊しつつ撚り込んで実撚り状
の紡績糸に生成される。
【0021】紡績装置2は、ノズルブロック21と、中
空ガイド軸体22と、ガイド部材(ニードル)23と、
ケーシング24とを主要部分として構成されている。ノ
ズルブロック21は、繊維導入部材25と、本体26
と、圧空供給体28とより構成される。本体26のフロ
ントローラ15側先端に取り付けられた繊維導入部材2
5には、フロントローラ15から出た繊維束を導入する
繊維束導入孔29が設けられている。繊維束導入孔29
は、その入口がフロントローラ15に近接しているとと
もに、入口から出口にかけて所定角度ねじれを有してい
る。このねじれにより、後述するような糸形成過程にお
いて、繊維が円滑にらせん状の運動をすることができ
る。
【0022】本体26の内部には、繊維束導入孔29の
下流側に連続した孔30が設けられており、この孔30
に後述する中空ガイド軸体22の先端部31が挿入され
ている。また、本体26には、孔30に挿入された中空
ガイド軸体22の先端近傍に向かって圧空を噴射する空
気噴射ノズル32が設けられている。この空気噴射ノズ
ル32は、孔30の接線方向に向かって圧空を噴射する
旋回ノズルであり、中空ガイド軸体22の先端近傍に下
流側に向かう高速旋回流を発生させるものである。例え
ば、空気噴射ノズル32は、円周等配分の複数箇所(4
箇所)に形成することができる。
【0023】本体26に圧空供給体28を被せて、空気
噴射ノズル32に至る空気溜め33が形成されている。
この空気溜め33に、図示しない開閉弁を介して、図示
しない圧縮空気源が接続されている。また、本体26内
部の孔30には、中空ガイド軸体22の糸通路39と対
向するように、中心線に沿ってニードル状のガイド部材
23が突設されている。ガイド部材23は、繊維導入部
材25に装着され、ガイド部材23の下流側先端が空気
噴射ノズル32による旋回気流の始点付近に位置してい
る。
【0024】以上のように、繊維導入部材25と、本体
26と、圧空供給体28とより構成されるノズルブロッ
ク21は、ケーシング24の孔34に嵌め込まれてボル
ト止めされている。
【0025】次に、中空ガイド軸体22について詳細に
説明する。中空ガイド軸体22は、円錐状の先端部31
と、先端部31の下流側に続くテーパ部35と、テーパ
部の下流側に続き、先端部31より径が大きい円柱状の
太径部36と、太径部36の下流側に続き、太径部36
より径の小さい円柱部37とを備えている。円柱部37
の下流側には、下流側に向かって次第に拡径するラッパ
状の排出部材38が設けられている。中空ガイド軸体2
2の中心線上には、ガイド部材23と同軸となるように
糸通路39が設けられている。糸通路39は、糸排出側
(下流側)に向かって次第に拡径しており、その出口
が、糸排出側(下流側)に向かって次第に拡径する排出
部材38の通路40に連続している。
【0026】中空ガイド軸体22において、先端部3
1、テーパ部35、太径部36及び円柱部37は、全て
共通の部材により一体的に(接着剤による接着等を行う
ことなく)構成されている。従って、中空ガイド軸体2
2の外周面上には、繊維が引っ掛かるような固着部分
(接着部分)は存在しない。
【0027】上述したように、中空ガイド軸体22の先
端部31は、ノズルブロック21の孔30に下流側から
挿入されており、中空ガイド軸体22とノズルブロック
21との間に旋回気流が通過するための中空室41が形
成されている。即ち、空気噴射ノズル32から噴射され
た旋回気流は、中空ガイド軸体22の先端部31外周面
に沿って、中空室41内を下流側に向かって通過する。
【0028】中空ガイド軸体22は、ガイド軸体支持部
材42に固着されている。ガイド軸体支持部材42は、
図示しない駆動源により、ケーシング24に対して接近
離反自在となっている。ケーシング24から支持部材4
2を離反させた状態において、中空ガイド軸体22の先
端部31周辺の清掃等を行うことができる。通常の紡績
中は、ガイド軸体支持部材42がケーシング24に接近
し、両者が係合した状態となり、ガイド部材23の下流
端と略一致する位置まで、中空ガイド軸体22の先端
(上流端)がノズルブロック21の孔30内に挿入され
る。尚、ピーシング動作時に、ノズルブロック21から
中空ガイド軸体22を離反させることにより、中空ガイ
ド軸体22及び/又は繊維束導入孔29に種糸を逆通し
させることができる。
【0029】中空ガイド軸体22は、円柱部37が挿入
されてガイド軸体支持部材42に固着されている。即
ち、中空ガイド軸体22の太径部36は、ガイド軸体支
持部材42の上流側面45に当接した状態となってい
る。この太径部36とガイド軸体支持部材42の上流側
面45との当接により、支持部材42に対する中空ガイ
ド軸体22の位置が正確に規定され、支持部材42がケ
ーシング24に対して高速で頻繁に接近離反動作を繰り
返しても、ケーシング24に対する支持部材の位置がず
れ難く、常に、紡績中におけるノズルブロック21(ガ
イド部材23)と中空ガイド軸体22との位置関係を一
定に維持して良好な紡績が行える。
【0030】以上のように、中空ガイド軸体22の太径
部36は、ケーシング24とガイド軸体支持部材42と
により囲まれる空気排出用空間43内に位置している。
この太径部36の外径rは、その外周長さ(軸方向に直
交する面内での外周長さ)が、繊維束Sを構成する繊維
の平均繊維長より長くなるように規定されている。例え
ば、供給する繊維束Sとして綿100%のスライバを使
用し、その平均繊維長が約30mmの場合、太径部36
の外径rは、平均繊維長を円周率πで割った約30/π
より大きくすればよい。
【0031】また、ドラフト装置1に供給する繊維束と
して、繊維長の異なる複数種類の繊維を混ぜた混合スラ
イバを使用する場合、太径部36の外周長は、最も平均
繊維長が長い繊維がループを形成しないような長さとす
る。即ち、綿等の天然繊維とポリエステル等の合成繊維
の混合スライバを使用する場合、天然繊維の平均繊維長
は原産地等により異なり、合成繊維としては、天然繊維
の平均繊維長より長くなるように等長カットされたもの
を使用する。一般的に、綿の平均繊維長は約30mm前
後であるので、繊維長が約32mm又は約38mmのポ
リエステルを使用する。従って、太径部36の径rは、
平均繊維長が長い方の合成繊維がループを形成しないよ
うな長さとして、32/π〜16mmに設定するのが好
ましい。
【0032】ケーシング24は、一端が開口する空気排
出用空間43を有しており、中空室41から吐き出され
た空気は、この空気排出用空間43を経て外部に排出さ
れる。空間43には、図示しない吸引パイプが接続され
ており、紡績中に常時繊維の一部が空間43から外部に
排出される。尚、空間43に接続された吸引パイプ内に
は、図示しないブロアによる吸引力が常時発生するよう
になっている。そして、ケーシング24の一端の孔34
にノズルブロック21が固着され、他端の孔44にガイ
ド軸体支持部材42(中空ガイド軸体22)が摺動可能
に取り付けられる。
【0033】以上のように構成される紡績装置2による
作用を以下に説明する。ドラフト装置1のフロントロー
ラ15から送り出された繊維束(スライバ)Sは、空気
噴射ノズル32からの圧空噴射によって発生する吸引力
により、繊維束導入孔29から中空室41に向かって吸
い込まれる。繊維束Sを構成する繊維は、ニードル状の
ガイド部材23の周囲に沿って、中空ガイド軸体22の
糸通路39内に送られる。その際、円錐状の先端部31
の先端付近において、空気噴射ノズル32による旋回気
流の作用により、繊維束から繊維が分離されて拡がり、
各繊維がらせん状に巻き込まれながら糸通路39内に引
き込まれる。
【0034】即ち、繊維束Sを構成する繊維において、
全ての繊維前端は、ガイド部材23の周囲から、糸に形
成されつつある繊維束に引かれて中空ガイド軸体22内
に導かれる。また、繊維束Sを構成する繊維の後端側
は、旋回気流により、各繊維に充分に分離した状態で中
空ガイド軸体22の先端入口から反転し、糸に形成され
つつある繊維束の周囲に螺旋状に巻き付きながら中空ガ
イド軸体22内に導かれる。以上のように、繊維を中空
ガイド軸体22の先端で開繊し、その後端を反転させ
て、中空ガイド軸体22の先端部31の周囲に螺旋状に
巻き付けながら紡績糸Yを生成する。
【0035】この糸形成過程において、ニードル状のガ
イド部材23は、撚りの伝播を阻止するとともに、中心
繊維束(芯繊維)の役割を一時的に果たすという機能を
有する。以上のような構成において、ガイド部材23の
作用により、無撚りの芯繊維束の形成を阻止して、事実
上巻付繊維のみから成る実撚り状の紡績糸Yを生成する
ことができる。また、ガイド部材23の作用により、旋
回気流により掛けられた仮撚りのフロントローラ15方
向への伝播を阻止するので、フロントローラ15から送
り出された繊維束Sが仮撚りによって撚り込まれること
がない。
【0036】本実施の形態では、中空ガイド軸体22の
太径部36の外周が、繊維束Sを構成する繊維の平均繊
維長より長くなっているので、中空ガイド軸体22の回
りで繊維が手をつないで絡み付くのを防止できる。ま
た、先端部31から下流側に連続してテーパ部35及び
太径部36が形成されているので、中空室41から排出
された繊維は、中空ガイド軸体22の外周面に引っ掛か
ることなく、テーパ部35に沿った滑らかな空気流に沿
って滞留することなく排出される。従って、常時旋回空
気流及びそれに伴う繊維の円滑な排出が行え、旋回気流
の乱れにより強度の弱い糸が生成されたり、空気排出用
空間43が繊維で埋め尽くされたりするという事態を防
止できる。
【0037】上記例において、38mmに等長カットし
たポリエステルと平均繊維長が約30mmである綿との
混合繊維束を供給して紡績を行う場合、中空ガイド軸体
22の太径部36の直径rは、繊維長の長い方のポリエ
ステルがループを形成しないように約12mm(38/
πmm)以上とすればよい。ポリエステル65%、綿3
5%の混合スライバを用いて、紡績速度395m/分、
糸番手Ne27の条件で実験したところ、太径部r=1
4mmとした場合には、r=9mm(外周がポリエステ
ルの繊維長より短い)とした場合に比べて、他の部分よ
り極端に強力の弱い弱糸の発生率が大幅(8倍以上)に
減少することが確かめられた。このような例の場合、繊
維長の短い綿繊維が繊維長の長いポリエステル繊維の間
に挟み込まれるとともに、ポリエステル繊維の周囲に綿
繊維が巻き付いた構造の実撚状の紡績糸Yが生成され
る。
【0038】尚、空気排出用空間43には、中空ガイド
軸体22(太径部36)とガイド軸体支持部材42との
固着部分が存在するが、テーパ部35によって外側に向
かう空気流が形成されるとともに、その固着部分の径は
平均繊維長より長くなっているので、中空室41から排
出された繊維がその固着部分に引っ掛かるようなことは
ない。
【0039】以上、本実施の形態について説明したが、
中空ガイド軸体22の形態等は説明した例に限定される
ものではなく、例えば、糸通路39の途中に補助ノズル
を設け、補助ノズルから糸通路39内に圧縮空気を噴射
することで、糸通路39内に入口から出口に向かう空気
流を発生させるようにしてもよい。この場合、中空ガイ
ド軸体22の糸通路39は糸排出側に向けて次第に拡径
しているので、補助ノズルからの圧空噴射により、糸通
路39の入口近傍に通路内に向かう吸引流を発生させる
ことができる。紡績の開始時、空気噴射ノズル32及び
補助ノズルの両ノズルから圧空噴射を行うことにより、
繊維束導入孔29から供給した繊維束Sを糸状として紡
績装置2から排出し、その紡出側糸を捕捉して糸継ぎ装
置に導いて巻取側の糸と糸継ぎすることができる。
【0040】このように糸出し紡績時に作動する補助ノ
ズルを設けることで、種糸を紡績装置2の糸排出側から
逆通しするピーシングを行うことなく糸継ぎすることが
できる。尚、空気噴射ノズル32と逆方向の旋回気流を
発生させる補助ノズルを設けた場合、無撚りの芯繊維束
の周囲に間隔をおいて巻付繊維が存在する結束紡績糸を
生成することができる。しかしながら、補助ノズルとし
ては、空気噴射ノズル32との相互作用により紡績装置
2の糸排出側から糸状として排出できれば、必ずしも空
気噴射ノズル32と逆方向の旋回気流を発生させるもの
には限定されない。
【0041】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
以下のような効果を奏する。本発明によれば、中空ガイ
ド軸体の周囲に繊維がループを形成したり引っ掛かった
りするのを防止し、空気噴射ノズルから空気排出用空間
を経て外部に排出される円滑な空気流を維持して、強力
の弱い弱糸の発生率を大幅に減少させ、常に良好な実撚
り紡績を行うことができる。中空ガイド軸体にテーパ部
を設けることで、テーパ部に沿って円滑な空気流が形成
され、中空ガイド軸体に対する繊維の引っ掛かりや巻き
付きをより確実に防止し、繊維が延びた状態で確実に排
出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る紡績機の全体構成を示す斜
視図である。
【図2】紡績装置を示す断面図である。
【符号の説明】
C…ケンス、S…繊維束(スライバ)、P…巻取りパッ
ケージ、Y…紡績糸、1…ドラフト装置、2…紡績装
置、21…ノズルブロック、22…中空ガイド軸体、2
9…繊維束導入孔、31…先端部、32…空気噴射ノズ
ル、35…テーパ部、36…太径部、39…糸通路、4
1…中空室、43…空気排出用空間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維束導入孔及び空気噴射ノズルを有す
    るノズルブロックと、糸通路を有し、先端部がノズルブ
    ロック内に挿入された中空ガイド軸体と、中空ガイド軸
    体先端部の周囲に形成された中空室に連通する空気排出
    用空間とを有する紡績装置であって、中空ガイド軸体
    に、前記先端部と一体的に太径部を形成し、空気排出用
    空間内に位置する太径部の外周長を、繊維束導入孔に導
    入される繊維束の平均繊維長より長くしたことを特徴と
    する紡績装置。
  2. 【請求項2】 中空ガイド軸体の先端部に旋回気流を作
    用させながら紡績糸を形成するとともに、その旋回気流
    を中空ガイド軸体の先端部から空気排出用空間を介して
    排出するようにした紡績方法であって、平均繊維長が異
    なる異種の繊維が混合した混合繊維束を供給し、中空ガ
    イド軸体は、先端部より外径が大きい太径部を有し、空
    気排出用空間に位置する太径部の外周長を、混合繊維束
    を構成する異種の繊維のうち最も長い平均繊維長より長
    くしたことを特徴とする紡績方法。
  3. 【請求項3】 前記混合繊維束は、天然繊維と、該天然
    繊維より平均繊維長が長い合成繊維とを混合したもので
    あり、前記太径部の外周長を、合成繊維の平均繊維長よ
    り長くした請求項2記載の紡績方法。
  4. 【請求項4】 前記中空ガイド軸体は、先端部から太径
    部に向けて外径が次第に拡径するテーパ部を有している
    請求項2又は3記載の紡績方法。
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