JP2001192645A - 半導体装置製造用の研磨用組成物 - Google Patents

半導体装置製造用の研磨用組成物

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JP2001192645A
JP2001192645A JP2000005413A JP2000005413A JP2001192645A JP 2001192645 A JP2001192645 A JP 2001192645A JP 2000005413 A JP2000005413 A JP 2000005413A JP 2000005413 A JP2000005413 A JP 2000005413A JP 2001192645 A JP2001192645 A JP 2001192645A
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polishing
cellulose
semiconductor device
composition
manufacturing
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JP2000005413A
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Hirobumi Ono
博文 小野
Yuji Matsue
雄二 松江
Naoharu Sawada
直治 沢田
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範なpH範囲で実施される傾向にある半導
体装置製造における超精密研磨工程において、研磨表面
の均一性、平坦性を高めることを可能にすると共に研磨
効率の良い研磨用組成物を提供すること、及び該研磨用
組成物を用いる半導体装置の製造方法を提供すること。 【解決手段】 研磨用砥粒およびこれを分散する水ある
いは水混和性化合物の水溶液と、さらに、平均重合度
(DP)が100以下で、セルロースI型結晶成分の分
率が0.1以下、セルロースII型結晶成分の分率が0.
4以下であり、かつ構成するセルロース粒子の平均粒径
が5μm以下であるセルロースを含有する研磨用組成
物、及び該研磨用組成物を用いて研磨する半導体装置の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
工程において使用するセルロースを含有する研磨用組成
物およびそれを用いて酸化膜等の基板あるいは金属面を
研磨する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化、多層化に伴い、
フォトリソグラフィーの焦点深度より発生する種々な問
題に対処するため、研磨技術の導入が提案され、多岐に
渡る研磨技術が採用されている。半導体装置の製造にお
いては、層間絶縁膜や低誘電率膜などの酸化膜基板をは
じめ、シリコンウェハー基板やアルミニウム、タングス
テン、銅などの配線材料などの表面均一化あるいは表面
平坦化を目的として各種研磨用スラリーが開発され、回
転型研磨装置などの研磨装置を用いて極めて微細な表面
研磨(超精密研磨)が実施されている。当然のことなが
ら、研磨用スラリーにおいては、対象とする研磨面の材
質に合わせて適切な研磨砥粒が選定され、この砥粒や研
磨によって生じる微小粒子(削りかす)などがスラリー
中で強く凝集することなく高い安定性を保持しているこ
とが要求される。
【0003】さらに、最近の研磨用スラリーの技術にお
いては、研磨砥粒による物理的研磨に加え、酸性下(H
22などの混入)あるいはアルカリ性下(アンモニア、
KOHなどの混入)で表面を化学的に変性させ研磨を助
長させる、いわゆる化学的物理研磨(CMP)の技術が
主流になっている。したがって、CMPの環境、すなわ
ち酸性下あるいはアルカリ性下において高い安定性を保
ち、しかもスラリー中での研磨砥粒の分散状態を適切に
コントロールすることが半導体装置作成のキーテクノロ
ジーの一つといえる。これにより最終的に研磨面の均一
性や平坦性をいかに高めるかが、まさに半導体装置の高
集積化や多層化などの課題に大きく関与している。
【0004】しかしながら、通常CMPスラリーに用い
られる1次粒子径が10nm〜数10nmの無機微粒子
を低pHあるいは高pHといった環境下で分散状態を安
定に保つことは容易ではなく、分散状態の安定性に優
れ、研磨効率が高く、かつ得られた研磨面の均一性およ
び平坦性を高め得る研磨用組成物を提供する技術は未だ
確立されているとは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決すること、すなわち、広範なpH範囲で実施
される傾向にある半導体装置製造における超精密研磨工
程において、研磨表面の均一性、平坦性を高めることを
可能にすると共に、研磨効率に優れた研磨用組成物を提
供すること、及び該研磨用組成物を用いる半導体装置の
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、半導体装
置製造時の超精密研磨工程で使用する、10nm〜10
0nmレベルの1次粒子径を有する研磨砥粒を分散安定
化させるために、WO99/28350に記載のセルロ
ース分散体を使用すると、これを使用しない研磨組成物
と比較して極めて均一性あるいは平坦性に優れた研磨表
面が得られると同時に、驚くべきことには研磨効率が非
常に高まることを見い出し、本発明に至った。
【0007】すなわち本発明は、(1) 平均一次粒子
径が100nm以下の研磨用砥粒およびこれを分散する
水もしくは水混和性化合物の水溶液と、さらに平均重合
度(DP)が100以下で、セルロースI型結晶成分の分
率が0.1以下、セルロースII型結晶成分の分率が0.
4以下で、かつ構成するセルロース粒子の平均粒径が5
μm以下であるセルロースを含有することを特徴とする
半導体装置製造用の研磨用組成物、(2) 研磨用砥粒
が、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化マンガン、酸化ア
ルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化
鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、炭化ケイ素の中から選ばれ
る少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)の
半導体装置製造用の研磨用組成物、(3) セルロース
の含有量が0.1重量%以上5.0重量%以下であるこ
とを特徴とする上記(1)又は(2)の半導体装置製造
用の研磨用組成物、(4) pHが、pH≦4.5もし
くはpH≧9であることを特徴とする上記(1)、
(2)又は(3)の半導体装置製造用の研磨用組成物、
(5) 半導体装置の製造方法において、半導体装置製
造用無機材料を請求項1〜4のいずれかに記載の半導体
装置製造用の研磨用組成物を用いて研磨することを特徴
とする半導体装置の製造方法、(6) 半導体装置製造
用無機材料が二酸化珪素、タングステン、銅、アルミニ
ウム、アルミニウムと銅の合金、水晶、シリコンウェハ
ー、ガリウム/ヒ素ウェハーの中から選ばれた少なくと
も1種であることを特徴とする上記(5)の半導体装置
の製造方法、である。
【0008】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
でいう研磨用組成物とは、スラリー状の研磨剤(一般の
研磨用スラリー)から高粘性でペースト状あるいはワッ
クス状(半固形)の研磨剤に到る、研磨用砥粒とこれを
分散する水もしくは水混和性化合物の水溶液を主成分と
した研磨目的の組成物のすべてを意味する。以下、研磨
用砥粒を分散する水もしくは水混和性化合物の水溶液を
水性媒体という。また、本発明の研磨用組成物は、半導
体装置製造用の研磨用組成物であるが、ここでいう半導
体装置製造とは、半導体装置の基板として用いる各種ウ
ェハー類の製造、例えばシリコン単結晶のインゴットを
スライスし、シリコンウェハーを製造する工程に始ま
り、スライスしたウェハー類の表面研磨、ウェハーにリ
ソグラフィー処理を施し各種配線を敷いた集積回路表面
の研磨工程、これらを多層化処理した際の各段での酸化
膜等の表面研磨など一連の半導体装置の製造工程を意味
する。特に、多層化各段における表面研磨の工程におい
ては極めて平滑性と均一性に優れた表面研磨を実施でき
るものである。
【0009】本発明において用いるセルロースは、後述
する製造方法で得られる分散媒体に分散したセルロース
分散体、特に水分散体として供給することが好ましい。
該セルロース分散体は、好適な場合には、水溶性高分子
水溶液に匹敵するほどの透明性を持ち、セルロースが高
度に分散媒体に分散した状態となし得るものである。本
発明の組成物において必須成分として使用するセルロー
スの平均重合度(DP)、セルロースI及びセルロース
II型結晶成分の分率(χIおよびχII)、平均粒子径
は、下記手順で算出した。
【0010】セルロースI型結晶成分の分率(χI
は、セルロース分散体を乾燥して得られた乾燥セルロー
ス試料を粉状に粉砕し錠剤に成形し、線源CuKαで反
射法で得た広角X線回折図において、セルロースI型結
晶の(110)面ピークに帰属される2θ=15.0゜
における絶対ピーク強度h0と、この面間隔におけるベ
ースラインからのピーク強度h1から、下記(1)式に
よって求められる値を用いた。同様に、セルロースII型
結晶成分の分率(χII)は、乾燥セルロース試料を粉状
に粉砕し錠剤に成形し、線源CuKαで反射法で得た広
角X線回折図において、セルロースII型結晶の(11
0)面ピークに帰属される2θ=12.6゜における絶
対ピーク強度h0 *とこの面間隔におけるベースラインか
らのピーク強度h1 *から、下記(2)式によって求めら
れる値を用いた。 χI=h1/h0 (1) χII=h1 */h0 * (2) 図1に、χIおよびχIIを求める模式図を示す。なお、
セルロース試料は、減圧乾燥法等の手段で乾燥して、乾
燥セルロース試料とした。
【0011】本発明で規定する平均重合度(DP)は、
上述の乾燥セルロース試料をカドキセンに溶解した希薄
セルロース溶液の比粘度をウベローデ型粘度計で測定し
(25℃)、その極限粘度数[η]から下記粘度式(3)
および換算式(4)により算出した値を採用した。 [η]=3.85×10-2×MW0.76 (3) DP=MW/162 (4) 本発明において構成するセルロースの平均粒子径は、レ
ーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、レ
ーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920;下限
検出値は0.02μm)で測定して求められる平均粒子
径である。分散媒体中の粒子間の会合を可能な限り切断
した状態で粒子径を測定するために、次の工程で試料を
調製した。セルロース濃度が約0.5重量%になるよう
に分散体を水で希釈した後、回転速度15000rpm
以上の能力を持つブレンダーで10分間混合処理を行い
均一な分散液を作る。次いでこの分散液に超音波処理を
30分間施して得られた水分散試料を粒度分布測定装置
のセルに供給し、再び超音波処理(3分間)を行った
後、粒径分布を測定した。
【0012】本発明では、平均重合度(DP)が100
以下であり、セルロースI型結晶成分の分率が 0.1
以下で、セルロースII型結晶成分の分率が 0.4以下
であって、かつ構成するセルロースの平均粒径が5μm
以下である、低重合度で低結晶性のセルロースを用いる
ことに特徴がある。本発明においてセルロース分散体中
のセルロースは、平均重合度(DP)が100以下、好
ましくは50以下である。DPが100を超えると、分
散媒体に高度に分散したセルロース分散体を得ることが
難しい。本発明のセルロースは、水に不溶なセルロース
の分散体であり、DPは20以上である。
【0013】また、本発明のセルロースは、セルロース
I型結晶成分量(χI)が0.1以下、好ましくは0.
06以下であり、セルロースII型結晶成分量(χII)が
0.4以下、好ましくは0.3以下の低結晶性であるこ
とが必要である。本発明のセルロースの結晶成分の分率
は(χc、即ちχIとχIIとの和)は殆ど零に近い値にま
ですることができる。χIが0.1を超える又はχII
0.4を超えるセルロースは、結晶性の向上に伴い表面
における水素結合フリーの水酸基密度が減少するため、
これを用いて調製する研磨用組成物中でのセルロース間
相互作用力,セルロース/研磨用砥粒間の相互作用力が
低下し、組成物中の砥粒の分散状態をコントロールする
能力が極端に低下するので本発明には含めない。
【0014】さらに、本発明は、セルロース分散体にお
いて構成するセルロースの平均粒子径が、上記測定法で
5μm以下、好ましくは2.5μm以下、更に好ましくは
1μm以下である。平均粒子径の下限は、本発明が規定
する測定法の検出下限値に近い0.02μm程度にする
ことができる。5μmを超えると、セルロースの表面積
が小さくなり、実質的に砥粒の分散状態をコントロール
する能力が失われる。
【0015】本発明で言うセルロースの平均粒子径と
は、実質的に本発明で原料として用いるセルロースと分
散媒体のみからなる分散体において、分散媒体中で等方
的に会合して分散しているセルロースの微小ゲル体を、
本発明の平均粒子径の測定法に準じて、超音波等の手段
で可能な限り微細に分散化させた時のセルロースが持つ
「広がり(直径)」の大きさを意味する。こうした取り
扱いが必要なことは、本発明のセルロースが分散媒体中
で存在する形態と、既存の微結晶セルロース(MCC)
や微小フィブリル化セルロース(MFC)等のセルロー
ス微粒子が懸濁液中で存在する形態とは明らかに異なる
ことを示している。
【0016】本発明のセルロース分散体中のセルロース
は、既存の微細化セルロース、例えばMCCやMFC等
とは異なり、光学顕微鏡による観察では粒子が明確には
確認できないほどに、高度に分散媒体中に分散した構造
を有する。更に、本発明のセルロースは、直径約0.0
1μm(10nm)の球状粒子が数珠状に連結した繊維
状の構造を有している。本発明の分散体中に含まれるセ
ルロースは、このような微細な構造体が無数に交絡して
網目状構造体を構成していて、ある有限の大きさで会合
してミクロゲルとして存在していると推定される。
【0017】このような本発明の分散媒体中のセルロー
スは、極めて会合性が高く、会合状態の切断度合いによ
って「広がり」の大きさが変化する。例えば、本発明の
分散体の平均粒子径は、長時間静置したままの試料を、
超音波処理を施さずに測定した場合には数百μm程度に
測定されることもあるのに対し、同じ分散体を本発明で
規定する平均粒子径測定法で測定すれば、平均粒子径は
5μm以下に測定される。このことは、粒径の小さなセ
ルロースが、本発明の組成物中で極めて高度に会合して
いる証左である。MCCやMFCの分散液では、通常、
例示したような極端な平均粒子径の変化は観察されな
い。
【0018】本発明の研磨用組成物においては、研磨用
砥粒が適度な分散状態を保ち、且つこの状態が安定であ
って、目視のレベルで離液のない均一な性状を有してお
り、砥粒の経時的な沈降もほとんど起こらず、温度環境
の変化に対しても粘度や砥粒の分散状態が安定に保持さ
れる。これは、研磨が行われる環境下において、セルロ
ースが本来持っている凝集性によって、砥粒を高濃度で
含有した適度な凝集構造(ただし柔らかな凝集)が形成
され、これが安定であることに起因する効果と推定され
る。これは、本発明で用いているセルロース分散体中の
セルロースが、極めて微小な粒子サイズと柔軟な粒子形
態(繊維状)を有するため極めて高い表面積を有するこ
と、さらに低結晶性であるため粒子表面の水素結合フリ
ーの水酸基密度が高く、多種な表面あるいは分散物(研
磨用砥粒など)に対して極めて高い親和性を有すること
が上述した研磨用組成物の安定性等に大きく寄与してい
ると推定される。
【0019】このような性質によって砥粒や削りかすな
どの微小粒子が強く凝集して研磨面に傷をつけることを
妨げるだけでなく、仮に凝集砥粒が形成されても水中で
比較的柔らかいセルロースがクッション材のように作用
し凝集砥粒による研磨面の傷つきを防止すると考えられ
る。このように2重の効果によって、極めて均一性ある
いは平坦性の高い研磨表面が得られると推定される。さ
らに、セルロースが酸化ケイ素や各種金属などの研磨の
対象素材に対し、高い親和性を有するため、研磨用組成
物中で軟凝集により多数の研磨用砥粒を抱え込んだセル
ロースのミクロゲルが研磨工程において研磨対象面に対
し選択的に相互作用し、この効果によって研磨用砥粒は
セルロースを含まない場合と比べて研磨面近傍に、より
効率的に局在化して、研磨効率の向上につながるものと
推定される。
【0020】すなわち、本発明のセルロースは、超精密
研磨において単純に砥粒の分散性を高めるだけでなく、
適度な凝集状態を作る(凝集コントロール)と共に、膨
潤性があり砥粒に比べて低い弾性率を有する低結晶性の
セルロースが水中に適度に分散しているため、これがク
ッション材のような役割を果たす(以下ではこのような
効果を仮にクッション効果と呼ぶ。)ことで、砥粒の高
次凝集物により研磨表面を傷つけることを防止し、しか
も研磨効率を高めていると考えられる。
【0021】本発明の研磨用組成物の必須成分である研
磨用砥粒は、目的に応じて、全組成物重量に対し1重量
%〜30重量%の範囲で含有することが望ましい。1重
量%未満では研磨速度が著しく低下してしまい、逆に3
0重量%を超えるて含まれていると分散性のコントロー
ルが困難になると同時に粘度が高くなりすぎて取り扱い
が困難になり、望ましくない。研磨性能に優れ、かつ安
定性に優れた組成物を提供することができることから、
より望ましくは2重量%〜20重量%、さらに望ましく
は5重量%〜18重量%である。
【0022】本発明の研磨用組成物において、研磨用の
砥粒は半導体装置に求められる表面の均一性、平滑性を
考慮に入れると、研磨対象の材質に適応した硬度の粒子
であり、しかも1次粒子の平均粒径が100nm以下、
望ましくは50nm以下、さらに望ましくは25nm以
下である粒子を使用する。また、1次粒子の平均粒径が
5nmを下回る無機粒子の製造は現実的には極めて困難
であることから、使用する1次粒子の平均粒径は5nm
以上である。ここで、研磨用砥粒の1次粒子とは、透過
型電子顕微鏡写真で確認される最小の粒子単位を意味
し、平均粒径とは、粒子の粒径分布において分布の最大
値をとる粒径、すなわちモード径を意味するものとす
る。1次粒子の平均粒径が100nmを超える粒径のも
のでは、十分な表面均一性、表面平坦性を得ることが難
しい。特に研磨用砥粒として、フュームドシリカやコロ
イダルシリカのような酸化ケイ素をはじめ、酸化セリウ
ム、酸化マンガン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、
炭化ケイ素の微粒子の中から選ばれる少なくとも1種の
ものを用いると極めて理想的な研磨を実施することがで
きる。
【0023】次に、本発明の研磨用組成物における研磨
砥粒の分散媒としては、水あるいは水混和性化合物の水
溶液を使用する。使用する水は、イオン交換処理のよう
な脱イオン処理を施し、さらに各種脱ハロゲン化物処理
や蒸留を施すことなどにより純度を高めた、いわゆる超
純水を用いるのが望ましい。次に、ここで使用する水混
和性化合物としては、例えば、エタノール、n−プロパ
ノール、iso−プロパノール、エチレングリコール、
グリセリンのような水溶性アルコール類、メチルセロソ
ルブなどのセロソルブ類、メチルエチルケトンなどのケ
トン類、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレング
リコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、アラビアゴム、ポリアクリルアミドなどの水溶性高
分子類、アルキルビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、ナ
フタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などの界面活性
剤、リグニンスルホン酸やその塩、ポリアクリル酸やそ
の塩、カルボキシメチルセルロースやその塩などの有機
ポリアニオン系化合物、さらにはエチレンジアミン四酢
酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジ
ヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸塩、ジエチレ
ントリアミン五酢酸塩、ポリエチレンテトラミン六酢酸
塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩、グルコン酸塩な
どのキレート形成化合物、アルギン酸ナトリウム、炭酸
水素カリウムなどの殺菌作用を有する化合物などを挙げ
ることができるがこれに限定されるものではない。
【0024】これらの水混和性化合物の添加量は、本発
明の組成物の特徴の一つである組成物性状の均一性が保
持される添加量の範囲で自由に決めることができる。例
えば、エタノールを使用する場合には組成物の全重量に
対し、1重量%〜40重量%の範囲にあれば多くのケー
スで均一性を保持することができる。本発明の研磨用組
成物は、上述したセルロースを該組成物の全重量に対し
て、0.1〜5重量%含有することが好ましい。該範囲
内であると、均一な性状の研磨用組成物を提供できると
同時に、極めて精密な表面研磨を実施することができ
る。
【0025】該セルロースの含有量は、研磨の方法等に
応じて最適含有範囲が異なる。例えば、汎用の研磨方
法、すなわち、柔軟な多孔質パッド(例えばウレタン製
やポリフッ化ビニリデン製)を用い、回転型CMP装置
を使用する場合には、好ましくは、0.1〜2重量%、
さらに好ましくは0.2〜1.5重量%の範囲であると
研磨用組成物としてより適正な粘度、性能を示すが、こ
れらは当然のことながら構成成分の組成や内容に大きく
依存するので、基本的には0.1〜5重量%の範囲内で
使用目的や系に応じて適正な組成を決定する。これに対
し、後述するような、同じ回転型CMP装置を用いる研
磨でありながら、研磨面の平滑性を高めるために硬質パ
ッドを使用するようなケースでは、前述した、セルロー
ス粒子によるクッション効果を高める意味で、セルロー
ス含有量を、1〜5重量%の範囲に調製することが好ま
しい。該範囲であると好適な研磨が可能となる。
【0026】ただし、このような場合には、場合によっ
ては組成物が高粘度となりペースト状または半固形状に
なるため、図2に示した装置のようにギアポンプによる
研磨用組成物の輸送および研磨面中央部からの組成物供
給などといった工夫が必要となる。供給された組成物は
セルロース分散体の特徴であるチキソトロピー性により
低粘度化し、研磨用組成物として効率の高い研磨を実現
する。濃度範囲の上限である5重量%を越えて本発明の
セルロースを含有した組成物は、粘度が高くなってしま
いハンドリングに不具合が生じてしまう。また0.1重
量%未満のセルロース含有量では、砥粒の分散状態をコ
ントロールする機能が低下し、好適な表面研磨を達成で
きなくなる。
【0027】さらに、本発明における研磨組成物は、p
H≦4.5あるいは9≦pHのpH範囲、さらに望まし
くは、2.5≦pH≦4あるいは9.5≦pH≦11の
pH範囲にあると、CMP研磨で通常提案されている、
化学的作用による研磨促進効果を著しく高めることがで
き、より好適な表面研磨を達成することができる。この
場合に、pHを調節する酸または酸化剤、エッジング剤
として、例えば過酸化水素水、過塩素酸銅、フッ化水素
酸、塩酸、硫酸、硝酸、有機酸などを研磨用組成物中に
配合する。また、アルカリ領域にpHを調節する場合に
は、塩基として例えばアンモニア水、アミン類、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セリウム、テトラ
エチルアンモニウムヒドロキシドなどを研磨用組成物中
に配合する。
【0028】更に、本発明の研磨用組成物には上述した
目的の各種化合物以外にも種々な添加成分を加えること
ができる。例えば、研磨用組成物においてクッション効
果を高めるためには、MCCやMFCなどの汎用のセル
ロースを加えることも場合によっては有効である。これ
らのセルロースは、本発明で必須成分として使用する低
結晶セルロース微粒子とは異なり、粒径サイズが1μm
以上であるため分散を高める効果は低いが、添加するこ
とによる粘性向上の効果が低いため、粘度を上げずに研
磨用組成物におけるセルロース含有量を上げることがで
き、これによってクッション効果を高めることができ
る。その他、ラテックス系粒子のように比較的柔らかい
有機ポリマー系の微粒子もこの代用となり得る。また、
先に記載した、組成物中での砥粒などの分散状態(柔ら
かな凝集構造)をコントロールするために微量の塩を添
加することも場合によっては有効である。しかし、この
場合には、LiやNaなどのアルカリ金属やハロゲン、
イオウなどを含まないものがより好ましい。このよう
に、目的や系に応じて研磨用組成物の性能を低下させな
い程度に各種の添加化合物を加えても構わない。
【0029】次に、上記研磨用組成物を用いる半導体装
置製造工程における無機材料の研磨方法について説明す
る。ここで、研磨方法は、上記研磨用組成物を用いて行
う研磨方法の全てを意味する。例えば、研磨用組成物と
パッドを用いる回転方式の精密平面ポリッシング装置
(回転型CMP装置)およびその改良方式、縦型リニア
ベルト研磨装置(M&L,1999年12月号,p12
6)などを挙げることができるがこれらに限定されな
い。半導体装置における研磨対象と研磨装置(研磨方
式)に合わせて本発明の適当な研磨用組成物を選び、研
磨を行う。例えば、回転型CMP装置を用いる場合に
は、パッドに研磨用組成物が溜まるように溝加工を施し
たり、定盤から半導体装置が飛び出さない程度の回転速
度(およそ100rpm以下)とする、あるいは半導体
基盤に傷がつかないように基盤にかける圧力を9.8×
104Pa以上9.8×105Pa以下とするなどの工夫
があると好適な研磨が実施できる。
【0030】研磨終了後の半導体基盤は、流水中で良く
洗浄後、スピンドライヤー等を用いて半導体基盤上に付
着した水滴を払い落としてから乾燥させることが望まし
い。このようにして平坦化されたSiO2絶縁膜の上
に、第2層目の金属配線を形成し、その配線間および配
線上に再度SiO2絶縁膜を形成、その後再び本発明の
研磨を実施する。この工程を所定数繰り返すことによ
り、所定の層数の半導体装置を製造する。
【0031】また、最近では、ウェハーの表面形状に追
随した均一性を重視した研磨から、均一性と共に平坦性
を追求する研磨へと技術がシフトし、これに伴って従来
型の柔軟な多孔質パッドを用いた研磨から硬質パッドを
用いる研磨へと変化しつつある(Semiconduc
tor World,1999年11月号,p29)。
従来の柔軟な多孔質パッドを用いた研磨ならば、研磨砥
粒の凝集粒子が形成されてもパッドの弾性によるクッシ
ョン効果により表面の微細な傷の発生を防止し、研磨精
度を低下するのを防ぐことができた。
【0032】しかし、硬質パッドではこのようなパッド
によるクッション効果が低減されるため、研磨精度を高
めるために何らかの工夫が必要となる。本発明の研磨用
組成物中には組成物中にクッション効果を有するセルロ
ースが含有されるため、以上のような問題を解決するこ
とができる。セルロースによるクッション効果を高める
ためには、組成物中のセルロース濃度を1重量%以上に
設定することが望ましいが、本発明の研磨用組成物では
セルロース濃度を高めると極めて高い粘度を示すように
なる。そこで、例えば図2に示したような研磨装置を用
い、高粘度の研磨用組成物を研磨面の中央部より供給
し、硬質パッドにより回転式の研磨を行うと好適な研磨
を実施できる。硬質パッドを使用する際の工夫として、
研磨用組成物のクッション効果を高めるためにMCCな
どの比較的増粘効果の低いセルロースや、各種ラテック
ス粒子を添加することも場合によっては有効であるが、
本発明における研磨用砥粒とのサイズの差を考慮する
と、添加するクッション材は可能な限り小さな粒子(例
えば平均粒径で1μm以下の)であることが好ましい。
【0033】本発明の研磨用組成物は、セルロース分散
体の特徴であるチキソトロピー性によりパッドの下では
低粘度化し、遠心力によって均等に分散し、高精度に平
坦な表面研磨を実施することができるのである。この際
に、摩擦による発熱に対しても本発明の組成物は安定し
た粘性を示すので、研磨を行う面での均一な組成物の分
散を可能にする。このことも均一で、且つ平坦な研磨面
を得ることができる理由の一つと推定される。さらに本
発明においては、研磨対象である無機材料が、二酸化ケ
イ素、タングステン、銅、アルミニウム、アルミニウム
/銅合金、水晶、シリコンウェハー、ガリウム/ヒ素ウ
ェハーの中から選ばれる少なくとも1種の材料である場
合に極めて効率が高く、研磨表面の均一性や平坦性の高
い研磨を実施することができる。
【0034】また、研磨対象である材料の種類に応じて
適当な硬度を有する研磨用砥粒の選定および組成物中の
成分組成の決定を行う必要がある。例えば、対象材料が
二酸化ケイ素等の各種酸化膜の場合にはフュームドシリ
カやコロイダルシリカなどの微粒子シリカ、酸化セリウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化マンガンなどの砥粒を、タ
ングステンの場合にはアルミナやシリカ系の砥粒を、ア
ルミニウム系や銅系材料の場合にはアルミナ、シリカ系
あるいは酸化ジルコニウムの砥粒をそれぞれ用いると好
適な研磨が可能となるが、必ずしもこれらの組み合わせ
に限定されるわけではない。
【0035】さらに、銅デュアルダマシン構造(柔らか
い銅配線の周辺に銅原子が拡散するのを防ぐためタンタ
ルでカバーリングするようなケース)の研磨においてい
わゆるディシングが起こり、柔らかい銅材の中央部がへ
こんでしまうような現象も、本発明の研磨により防止す
ることが可能である。例えば図2に示したような硬質パ
ッドを用い、クッション材であるセルロースを比較的高
濃度で含んだ研磨用組成物を適用することにより、極め
てディシングの少ない研磨が可能となる。
【0036】本発明の研磨用組成物における必須成分で
あるセルロースは、次に示すようにまずセルロースの分
散体として調製する。セルロースを50重量%以上溶解
させる能力のある鉱酸(例えば硫酸水溶液)にセルロー
スを溶解させて、かかる溶液を水中に再沈させて得られ
るセルロース凝集体の酸分散液を加温し、固相で50〜
100℃の温度範囲で加水分解処理を施す。反応時間は
温度に応じて異なるが、約5分〜180分の範囲にある
ことが望ましい。この工程により得られた分散液を濾
過,水洗を繰り返すことにより精製する。この間に希薄
なアンモニア水のようなアルカリ水溶液などにより中和
を行っても構わない。ただし、その際にも中和後、さら
に水洗し、中和によって生じる中和塩を洗い流すのが好
ましい。
【0037】こうして得られたpHの値が2以上、好ま
しくは4以上のゲル状物をそのまま、あるいはエタノー
ルなどの有機溶媒と混合あるいは置換した後、微細化処
理を施すことによりセルロースの水分散体あるいは有機
溶媒への分散体を調製する。この際の微細化処理として
は超高圧ホモジナイザーやビーズミルあるいは超音波処
理などの適用が有効である。最後の微細化処理は必要に
応じて複数回行っても構わない。この際の原料セルロー
スとしては木材パルプや綿等の天然セルロースが好適に
使用できるが再生セルロースであっても構わない。
【0038】本発明の研磨用組成物は、上記製法で得た
セルロースの分散体と研磨用研砥粒および各種添加剤を
水などの分散媒体中に混入し分散処理を行って製造す
る。分散処理は、通常の撹拌機による分散処理の他にホ
モジナイザー、超音波分散機、ビーズミル、遊星ボール
ミル、超高圧ホモジナイザー、振動ミル等を用いること
ができる。また、分散後の組成物中の大きな凝集粒子を
分級により除去することにより、より分散性の高い組成
物を提供できるが、この際の分級方法としては、沈降分
離法、液体サイクロン、フィルター濾過等を挙げること
ができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例により詳細
に説明する。 <原料セルロースの調製>木材パルプを65重量%硫酸
へパルプ含率4重量%となるように−5℃で溶解させ、
このセルロース/硫酸溶液1に対し重量比で2.7相当
の水中へセルロース/硫酸溶液を強撹拌下で注ぎ、セル
ロースを析出させた。得られたフレーク状のセルロース
分散液を80℃で40分間加水分解した後、濾過、水洗
を繰り替えしてペースト状のセルロース微粒子の水分散
体を得た。ただし、水洗工程の後半3回は、超純水によ
る水洗とした。得られたゲル状物中のセルロース濃度は
6.0重量%であった。次いでこのゲル状物を超純水で
希釈してセルロース濃度4.0重量%とした後、ブレン
ダーで15,000rpmの回転速度で5分間混合し
た。次いでこの希釈液を超高圧ホモジナイザー(Mic
rofluidizerM−110EH型,みづほ工業
(株)製)にて操作圧力1,750kg/cm2で4回
処理して透明性の高いゲル状のセルロース分散体を得
た。前述の方法で評価したセルロースの平均粒子径は
0.24μm、セルロース粒子のセルロースI型結晶成
分およびセルロースII型成分の分率は、それぞれ、0.
03および0.16であった。このセルロース微粒子の
透明な水分散体をJ0とする。
【0040】
【実施例1及び比較例1】以上の工程により調製したセ
ルロースの水分散体J0を研磨用組成物に用いた場合と
用いない場合とでシリコン基板上に形成させた熱酸化膜
(絶縁層)に対する研磨性能評価を実施した。 <研磨用組成物の調製>研磨用組成物は、以下の組成を
有する2種類の混合物をまず調製し、遊星ボールミル
(フリッチェ(株)製、P−5型)を用いて各々300
0rpmにて15分間分散処理を施すことによって白色
のスラリーを得た。 (組成物1) フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AERO
SIL130,1次粒子の平均粒径:約16nm);
15wt% セルロース(J0として供給); 1.5wt% グリセリン; 2.5wt% アンモニア(pH調製剤); 適量加え、スラリーのp
Hを10.5に調製 残余; 超純水 (組成物2) フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AERO
SIL130); 15wt% グリセリン; 2.5wt% アンモニア(pH調製剤); 適量加え、スラリーのp
Hを10.5に調製 残余; 超純水 組成物1をJ1とし、実施例1とし、組成物2をH1と
し、比較例1とする。J1はH1よりも粘性の高いスラ
リーであった。
【0041】<絶縁層の形成>予めIC回路を形成させ
てその上にアルミニウム配線をパターニング済みの8イ
ンチサイズ(=20.32cm)のSiウエハーをスピ
ンコータにセットし、テトラメトキシシラン(16モ
ル)及びメチルトリメトキシシラン(4モル)をイソプ
ロピルアルコール中で水及び硝酸を添加することにより
加水分解して得られた塗布液20mlをウエハー上に塗
布して、2,500rpmで30秒間回転後、250℃
のホットプレートで1分間乾燥した。 このウエハーを
加熱炉中にセットし、450℃で30分間焼成すること
により、絶縁層を形成させた。 <半導体装置の研磨および研磨面の評価>保持する基板
取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記絶
縁層を形成させたSiウエハーをセットし、多孔質ウレ
タン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可
能なモータ等を取り付けてある)定盤上にSiウエハー
面を下にしてホルダーを載せ、さらにその上に10Kg
の重しを載せた。定盤上に上記J1あるいはH1スラリ
ーを滴下しながら、上盤を60rpmで4分間回転さ
せ、絶縁膜を研磨した。研磨後、Siウエハーをホルダ
ーから外して、流水中で良く洗浄後、過酸化水素と硝酸
を1:1に混合した液を入れたビーカの中に浸し、この
ビーカを超音波洗浄機中にセットして10分間洗浄し
た。
【0042】この後、ビーカ中から Siウエハーを取
りだし、スピンドライヤで水滴を除去後、120℃の乾
燥機で10分間乾燥させた。自動エリプソメータを用い
て研磨前後の膜厚変化を測定した結果、J1スラリーを
用いた研磨により約4000Åの絶縁層が削られ、Si
ウエハー全面に渡って極めて均一の厚みになっているこ
とが分った。H1スラリーを用いた場合には、約300
0Åの絶縁層が削られ、Siウエハー全面に渡ってJ1
スラリーを用いた際よりは厚みにばらつきが観察され
た。このことから、研磨の効率は、H1スラリーを用い
た場合に比べてJ1スラリーを用いた場合の方が高く、
かつ得られた研磨面の平坦性もJ1を用いた場合の明確
な優位性が確認された。
【0043】次に、Siウエハーをカットし、その断面
をSEMにて観察した結果、J1スラリーを用いて得ら
れた研磨断面は、幅0.1μmで深さ1.0μmの配線
間の溝部分にも空洞等の欠陥が全く見られず、十分な埋
め込み性を示すことが分った。これに対し、H1スラリ
ーを用いた際の研磨断面は、上記配線間の溝部分に若干
の空洞が確認され、これを多層構造にした際の構造上の
欠陥と成り得ることが懸念された。J1スラリーを用い
た研磨において、この工程を6回繰り返して6層配線を
形成させたが、その断面のSEM観察から、各層におい
てSi基板全面に渡りその表面の段差が全く認められ
ず、配線パターンも極めて精度良く切れていることが分
った。
【0044】
【発明の効果】本発明の研磨用組成物を用いることによ
って、半導体装置製造における研磨表面の極めて高い均
一性および平坦性を実現できると共に研磨効率も高める
ことができ、産業上、大いに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】広角X線回折図におけるセルロースI型結晶成
分の分率χIおよびII型結晶成分の分率χIIの求め方の
説明図である。
【図2】本発明の研磨用組成物を用い、硬質パッドを使
用するのに適切な半導体装置研磨用のCMP装置の模式
図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均一次粒子径が100nm以下の研磨
    用砥粒およびこれを分散する水もしくは水混和性化合物
    の水溶液と、さらに平均重合度(DP)が100以下で、
    セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下、セルロー
    スII型結晶成分の分率が0.4以下で、かつ構成するセ
    ルロース粒子の平均粒径が5μm以下であるセルロース
    を含有することを特徴とする半導体装置製造用の研磨用
    組成物。
  2. 【請求項2】 研磨用砥粒が、酸化ケイ素、酸化セリウ
    ム、酸化マンガン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
    ム、酸化チタニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、
    炭化ケイ素の中から選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1記載の半導体装置製造用の研磨用
    組成物。
  3. 【請求項3】 セルロースの含有量が0.1重量%以上
    5.0重量%以下であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の半導体装置製造用の研磨用組成物。
  4. 【請求項4】 pHが、pH≦4.5もしくはpH≧9
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の半導
    体装置製造用の研磨用組成物。
  5. 【請求項5】 半導体装置の製造方法において、半導体
    装置製造用無機材料を請求項1〜4のいずれかに記載の
    半導体装置製造用の研磨用組成物を用いて研磨すること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 半導体装置製造用無機材料が二酸化珪
    素、タングステン、銅、アルミニウム、アルミニウムと
    銅の合金、水晶、シリコンウェハー、ガリウム/ヒ素ウ
    ェハーの中から選ばれた少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
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