JP2001189141A - 陰極線管およびその製造方法 - Google Patents
陰極線管およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2001189141A JP2001189141A JP36329999A JP36329999A JP2001189141A JP 2001189141 A JP2001189141 A JP 2001189141A JP 36329999 A JP36329999 A JP 36329999A JP 36329999 A JP36329999 A JP 36329999A JP 2001189141 A JP2001189141 A JP 2001189141A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cathode ray
- ray tube
- insulating
- resin
- funnel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ファンネル外面の導電層と偏向ヨークとを良
好に絶縁することにより安全性を高め、かつ十分なAE
F防止機能を備えた陰極線管を提供する。 【解決手段】 本発明の陰極線管においては、ファンネ
ル2の外表面において、偏向ヨーク8により包囲される
領域に、グラファイト等から成る導電膜9が形成され、
さらにこの導電膜9の上に、TiO2 、Al2 O3 およ
びPZT系セラミックス等の中から選ばれた1種または
2種以上の絶縁性の金属酸化物と、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂の中から
選ばれた1種または2種以上の熱硬化性樹脂とをそれぞ
れ含む絶縁膜10が形成されている。
好に絶縁することにより安全性を高め、かつ十分なAE
F防止機能を備えた陰極線管を提供する。 【解決手段】 本発明の陰極線管においては、ファンネ
ル2の外表面において、偏向ヨーク8により包囲される
領域に、グラファイト等から成る導電膜9が形成され、
さらにこの導電膜9の上に、TiO2 、Al2 O3 およ
びPZT系セラミックス等の中から選ばれた1種または
2種以上の絶縁性の金属酸化物と、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂の中から
選ばれた1種または2種以上の熱硬化性樹脂とをそれぞ
れ含む絶縁膜10が形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波(電場)の
漏洩が防止された陰極線管に係わり、特に水平偏向コイ
ルから輻射される電磁波の影響が防止された陰極線管に
関する。
漏洩が防止された陰極線管に係わり、特に水平偏向コイ
ルから輻射される電磁波の影響が防止された陰極線管に
関する。
【0002】また、前記した電磁波漏洩が防止された陰
極線管を効率的に製造する方法に関する。
極線管を効率的に製造する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】一般に、TVブラウン管やコンピュータ
ディスプレイ等に用いられるカラー陰極線管では、内部
の電子銃や偏向ヨーク付近から発生する電磁波(電場)
が外部に漏洩し、周辺の電子機器や人体に悪影響を与え
るおそれがある。そのため、このような漏洩電磁波(A
EF;Alternating electric field)を防止するため
に、あるいは帯電防止を目的として、フェースプレート
の前面パネル(フェースパネル)の外表面に形成される
反射防止膜の表面抵抗値を下げることが考えられてい
る。そして、低抵抗(導電性)の反射防止膜として、各
種の表面処理膜が開発されている。
ディスプレイ等に用いられるカラー陰極線管では、内部
の電子銃や偏向ヨーク付近から発生する電磁波(電場)
が外部に漏洩し、周辺の電子機器や人体に悪影響を与え
るおそれがある。そのため、このような漏洩電磁波(A
EF;Alternating electric field)を防止するため
に、あるいは帯電防止を目的として、フェースプレート
の前面パネル(フェースパネル)の外表面に形成される
反射防止膜の表面抵抗値を下げることが考えられてい
る。そして、低抵抗(導電性)の反射防止膜として、各
種の表面処理膜が開発されている。
【0004】例えば、特開昭 61-118932号公報、特開昭
61-118946号公報、特開昭 63-160140号公報などには、
フェースパネルの帯電防止を行なうための種々の表面処
理方法が開示されている。
61-118946号公報、特開昭 63-160140号公報などには、
フェースパネルの帯電防止を行なうための種々の表面処
理方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の表面処理方法では、表面抵抗値を下げることにも限界
があり、陰極線管の広角化、大画面化に伴い、フェース
パネルの表面抵抗値の低減だけではAEF防止を有効に
行なうことができなった。
の表面処理方法では、表面抵抗値を下げることにも限界
があり、陰極線管の広角化、大画面化に伴い、フェース
パネルの表面抵抗値の低減だけではAEF防止を有効に
行なうことができなった。
【0006】また、実公昭44-11922号公報には、AEF
防止のために、ファンネル部の偏向ヨークが装着される
部分の内面または外面に、グラファイトのような導電性
材料の塗布層を形成することが開示されている。
防止のために、ファンネル部の偏向ヨークが装着される
部分の内面または外面に、グラファイトのような導電性
材料の塗布層を形成することが開示されている。
【0007】しかし、このような従来の陰極線管では、
偏向ヨークと導電性材料の塗布層との間で電流のリーク
が生じやすいため、偏向ヨークが燃える等の危険性があ
った。また、ファンネル部外面の導電性塗布層の上に絶
縁層を配設することも開示されているが、絶縁層の機械
的強度が十分でないため、絶縁層が偏向ヨークによって
擦られ損傷を受けやすかった。
偏向ヨークと導電性材料の塗布層との間で電流のリーク
が生じやすいため、偏向ヨークが燃える等の危険性があ
った。また、ファンネル部外面の導電性塗布層の上に絶
縁層を配設することも開示されているが、絶縁層の機械
的強度が十分でないため、絶縁層が偏向ヨークによって
擦られ損傷を受けやすかった。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、ファンネル部外面の導電層と偏向ヨ
ークとを完全に絶縁することにより安全性を高め、なお
かつ十分なAEF防止機能を備えた陰極線管を提供する
ことを目的とする。
になされたもので、ファンネル部外面の導電層と偏向ヨ
ークとを完全に絶縁することにより安全性を高め、なお
かつ十分なAEF防止機能を備えた陰極線管を提供する
ことを目的とする。
【0009】また、そのように安全でかつ十分なAEF
防止機能を備えた陰極線管を製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
防止機能を備えた陰極線管を製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、透
光性のパネルと、前記パネルと一体に接合されたファン
ネルおよびネックと、前記パネルの内面に配設された蛍
光体スクリーンと、前記ネック内に配設された電子銃
と、前記ファンネルの外側に装着された偏向ヨークとを
備えた陰極線管において、前記ファンネル部の前記偏向
ヨークにより包囲される領域の外面に、導電膜を形成
し、かつこの導電膜の上に、1種または2種以上の絶縁
性の金属酸化物と1種または2種以上の有機バインダと
をそれぞれ含む絶縁膜を設けたことを特徴とする。
光性のパネルと、前記パネルと一体に接合されたファン
ネルおよびネックと、前記パネルの内面に配設された蛍
光体スクリーンと、前記ネック内に配設された電子銃
と、前記ファンネルの外側に装着された偏向ヨークとを
備えた陰極線管において、前記ファンネル部の前記偏向
ヨークにより包囲される領域の外面に、導電膜を形成
し、かつこの導電膜の上に、1種または2種以上の絶縁
性の金属酸化物と1種または2種以上の有機バインダと
をそれぞれ含む絶縁膜を設けたことを特徴とする。
【0011】また、本発明の陰極線管の製造方法は、陰
極線管のファンネル部の外面において、偏向ヨークによ
り包囲される領域に、導電膜を形成する工程と、前記導
電膜の上に、1種または2種以上の絶縁性の金属酸化物
と、1種または2種以上の有機バインダとをそれぞれ含
む分散液を塗布し、絶縁性塗膜を形成する工程と、前記
絶縁性塗膜を加熱硬化しまたは焼成する工程とを備えた
ことを特徴とする。
極線管のファンネル部の外面において、偏向ヨークによ
り包囲される領域に、導電膜を形成する工程と、前記導
電膜の上に、1種または2種以上の絶縁性の金属酸化物
と、1種または2種以上の有機バインダとをそれぞれ含
む分散液を塗布し、絶縁性塗膜を形成する工程と、前記
絶縁性塗膜を加熱硬化しまたは焼成する工程とを備えた
ことを特徴とする。
【0012】本発明の陰極線管において、ファンネル部
の外面の偏向ヨークにより包囲される領域に形成される
導電膜としては、グラファイトやITO(酸化インジウ
ム−スズ)、ATO(酸化アンチモン−スズ)、鉄、ア
ルミニウム、鉄化合物のような導電性材料から成る薄膜
を挙げることができる。
の外面の偏向ヨークにより包囲される領域に形成される
導電膜としては、グラファイトやITO(酸化インジウ
ム−スズ)、ATO(酸化アンチモン−スズ)、鉄、ア
ルミニウム、鉄化合物のような導電性材料から成る薄膜
を挙げることができる。
【0013】また、本発明において、絶縁膜を構成する
金属酸化物としては、絶縁性の材料であれば特に種類は
限定されないが、長期的に安定で硬度が高い物質の使用
が望ましい。特に、TiO2 、Al2 O3 、およびPT
(PbTiO3 )系、PZ(PbZrO3 )系、PZT
(PbZrx Ti1-x O3 )系のセラミックスの中から
1種または2種以上の酸化物を選択して使用することが
好ましい。
金属酸化物としては、絶縁性の材料であれば特に種類は
限定されないが、長期的に安定で硬度が高い物質の使用
が望ましい。特に、TiO2 、Al2 O3 、およびPT
(PbTiO3 )系、PZ(PbZrO3 )系、PZT
(PbZrx Ti1-x O3 )系のセラミックスの中から
1種または2種以上の酸化物を選択して使用することが
好ましい。
【0014】さらに、有機バインダとしては、熱硬化性
樹脂の使用が好ましく、特に、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂の中から選ばれた
1種または2種以上の樹脂を使用することが望ましい。
樹脂の使用が好ましく、特に、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂の中から選ばれた
1種または2種以上の樹脂を使用することが望ましい。
【0015】金属酸化物と有機バインダの含有割合は、
絶縁膜の固形分全体に対して、それぞれ 1〜20%および
30〜50%の割合とすることが好ましい。
絶縁膜の固形分全体に対して、それぞれ 1〜20%および
30〜50%の割合とすることが好ましい。
【0016】金属酸化物の含有割合が 1%未満では、形
成される絶縁膜の絶縁性が不十分となり、反対に金属酸
化物の含有割合が20%を超える場合には、膜形成が困難
であるばかりでなく、絶縁膜が形成された場合も、膜の
剥がれが生じやすく好ましくない。また、有機バインダ
の含有割合が30%未満では、絶縁膜の接着強度が著しく
低下して膜形成が困難となり、反対に有機バインダの含
有割合が50%を超える場合には、絶縁膜の膜厚が厚くな
りすぎて、膜の一部に剥がれが生じやすく好ましくな
い。
成される絶縁膜の絶縁性が不十分となり、反対に金属酸
化物の含有割合が20%を超える場合には、膜形成が困難
であるばかりでなく、絶縁膜が形成された場合も、膜の
剥がれが生じやすく好ましくない。また、有機バインダ
の含有割合が30%未満では、絶縁膜の接着強度が著しく
低下して膜形成が困難となり、反対に有機バインダの含
有割合が50%を超える場合には、絶縁膜の膜厚が厚くな
りすぎて、膜の一部に剥がれが生じやすく好ましくな
い。
【0017】本発明において、このような絶縁膜を形成
するには、以下に示すウェット法(湿式法)を採ること
が望ましい。この方法では、まず陰極線管の偏向ヨーク
により包囲されるファンネル部の外面に、アルコールや
水等を溶媒とし、グラファイト等の導電性材料を含む分
散液を塗布し乾燥することにより、導電膜を形成した
後、この導電膜の上に、前記した絶縁性の金属酸化物の
1種または2種以上と、有機バインダの1種または2種
以上を、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化エチレン、トル
エン等の有機溶媒に分散させた分散液を、スプレイコー
ト、ロールコート、バーコート等の公知の方法により塗
布し乾燥して、絶縁性塗膜を形成する。次に、この絶縁
性塗膜を加熱し、乾燥硬化または焼成する。
するには、以下に示すウェット法(湿式法)を採ること
が望ましい。この方法では、まず陰極線管の偏向ヨーク
により包囲されるファンネル部の外面に、アルコールや
水等を溶媒とし、グラファイト等の導電性材料を含む分
散液を塗布し乾燥することにより、導電膜を形成した
後、この導電膜の上に、前記した絶縁性の金属酸化物の
1種または2種以上と、有機バインダの1種または2種
以上を、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化エチレン、トル
エン等の有機溶媒に分散させた分散液を、スプレイコー
ト、ロールコート、バーコート等の公知の方法により塗
布し乾燥して、絶縁性塗膜を形成する。次に、この絶縁
性塗膜を加熱し、乾燥硬化または焼成する。
【0018】本発明においては、AEF防止に有効な低
抵抗を有する導電膜の上に、硬度の高い絶縁膜が設けら
れているので、偏向ヨークによる摩擦や衝撃により、フ
ァンネル部が導電膜が損傷を受けることがなく、長期的
に安全性が確保される。
抵抗を有する導電膜の上に、硬度の高い絶縁膜が設けら
れているので、偏向ヨークによる摩擦や衝撃により、フ
ァンネル部が導電膜が損傷を受けることがなく、長期的
に安全性が確保される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施例であるカラー陰
極線管の構造を模式的に示す断面図である。
極線管の構造を模式的に示す断面図である。
【0021】実施例の陰極線管は、図に示すように、ガ
ラスパネルのような透光性のパネル(フェースパネル)
1と、このパネル1に一体に接合されたファンネル2お
よびネック3から成る外囲器を有し、パネル1の内面に
は、蛍光体スクリーン4が設けられている。蛍光体スク
リーン4は、ストライプ状、円形ドット状のような所定
の形状に配列・形成された青(B)、緑(G)、赤
(R)の各色の蛍光体層(図示を省略。)と、これらの
蛍光体層の間隙部を埋める光吸収層(ブラックマトリッ
クス)(図示を省略。)とから構成されている。なお、
青、緑、赤の各色の蛍光体層は、青色発光蛍光体である
(ZnS:Αg,Al)、緑色蛍光体である(ZnS:
Cu,Αl)、赤色蛍光体である(Y2 O2 S:Eu)
を、それぞれポリビニルアルコール(PVA)、重クロ
ム酸アンモニウム(ADC)、界面活性剤等とともに純
水中に混合分散させた各色の蛍光体スラリー(懸濁液)
を、通常の方法でパネルの内面に塗布・乾燥することに
より形成される。
ラスパネルのような透光性のパネル(フェースパネル)
1と、このパネル1に一体に接合されたファンネル2お
よびネック3から成る外囲器を有し、パネル1の内面に
は、蛍光体スクリーン4が設けられている。蛍光体スク
リーン4は、ストライプ状、円形ドット状のような所定
の形状に配列・形成された青(B)、緑(G)、赤
(R)の各色の蛍光体層(図示を省略。)と、これらの
蛍光体層の間隙部を埋める光吸収層(ブラックマトリッ
クス)(図示を省略。)とから構成されている。なお、
青、緑、赤の各色の蛍光体層は、青色発光蛍光体である
(ZnS:Αg,Al)、緑色蛍光体である(ZnS:
Cu,Αl)、赤色蛍光体である(Y2 O2 S:Eu)
を、それぞれポリビニルアルコール(PVA)、重クロ
ム酸アンモニウム(ADC)、界面活性剤等とともに純
水中に混合分散させた各色の蛍光体スラリー(懸濁液)
を、通常の方法でパネルの内面に塗布・乾燥することに
より形成される。
【0022】また、このような蛍光体スクリーン4に対
向してその内側には、多数の電子ビーム通過孔の形成さ
れたシャドウマスク5が配置されており、外囲器のネッ
ク3内には電子ビーム6aを放出する電子銃6が配設さ
れている。さらに、ファンネル2の内側には、電子銃6
から放出される電子ビーム6aを外部磁界から遮蔽する
インナーシールド7が配置され、ファンネル2の外側に
は、発生する磁界で電子ビーム6を偏向させる偏向ヨー
ク8が装着・配置されている。偏向ヨーク8は、図示を
省略するが、ヨークコア上に配置された垂直コイルと、
この垂直コイルに絶縁層を介して巻装された水平コイル
とから構成される。
向してその内側には、多数の電子ビーム通過孔の形成さ
れたシャドウマスク5が配置されており、外囲器のネッ
ク3内には電子ビーム6aを放出する電子銃6が配設さ
れている。さらに、ファンネル2の内側には、電子銃6
から放出される電子ビーム6aを外部磁界から遮蔽する
インナーシールド7が配置され、ファンネル2の外側に
は、発生する磁界で電子ビーム6を偏向させる偏向ヨー
ク8が装着・配置されている。偏向ヨーク8は、図示を
省略するが、ヨークコア上に配置された垂直コイルと、
この垂直コイルに絶縁層を介して巻装された水平コイル
とから構成される。
【0023】そして、このような陰極線管のファンネル
2の外表面において、偏向ヨーク8により包囲される領
域Aに、図2に拡大して示すように、グラファイトから
成る導電膜9が形成され、さらにこの導電膜9の上に、
TiO2 、Al2 O3 およびPT系、PZ系、PZT系
セラミックスの中から選ばれた1種または2種以上の絶
縁性の金属酸化物と、メラミン樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂およびウレタン樹脂の中からから選ばれた
1種または2種以上の熱硬化性樹脂とをそれぞれ含む絶
縁膜10が形成されている。
2の外表面において、偏向ヨーク8により包囲される領
域Aに、図2に拡大して示すように、グラファイトから
成る導電膜9が形成され、さらにこの導電膜9の上に、
TiO2 、Al2 O3 およびPT系、PZ系、PZT系
セラミックスの中から選ばれた1種または2種以上の絶
縁性の金属酸化物と、メラミン樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂およびウレタン樹脂の中からから選ばれた
1種または2種以上の熱硬化性樹脂とをそれぞれ含む絶
縁膜10が形成されている。
【0024】このように構成される実施例の陰極線管で
は、偏向ヨーク8により包囲されるファンネル2の外表
面に、AEF防止に有効な低い抵抗値を有する導電膜9
が設けられ、その上に、前記した絶縁性の金属酸化物と
熱硬化性樹脂とをそれぞれ含む硬度の高い絶縁膜10が
配設されているので、偏向ヨーク8による摩擦や衝撃に
より、絶縁膜10が損傷を受けることがなく、長期的に
亘って偏向ヨーク8と導電膜9との間のリークが防止さ
れ、安全性が確保される。
は、偏向ヨーク8により包囲されるファンネル2の外表
面に、AEF防止に有効な低い抵抗値を有する導電膜9
が設けられ、その上に、前記した絶縁性の金属酸化物と
熱硬化性樹脂とをそれぞれ含む硬度の高い絶縁膜10が
配設されているので、偏向ヨーク8による摩擦や衝撃に
より、絶縁膜10が損傷を受けることがなく、長期的に
亘って偏向ヨーク8と導電膜9との間のリークが防止さ
れ、安全性が確保される。
【0025】次に、具体的に実施例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。
らに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。
【0026】実施例1〜5 まず、絶縁膜を形成するための絶縁性塗布液として、絶
縁性の金属酸化物であるTiO2 またはAl2 O3 の各
微粒子と、有機バインダであるウレタン樹脂またはエポ
キシ樹脂とを、それぞれ表1に示す割合で酢酸ブチル中
に含有させた絶縁性分散液を調製した。また、グラファ
イトを水中に10%の割合で分散させ、導電性分散液を調
製した。
縁性の金属酸化物であるTiO2 またはAl2 O3 の各
微粒子と、有機バインダであるウレタン樹脂またはエポ
キシ樹脂とを、それぞれ表1に示す割合で酢酸ブチル中
に含有させた絶縁性分散液を調製した。また、グラファ
イトを水中に10%の割合で分散させ、導電性分散液を調
製した。
【0027】次に、組立て終了後の陰極線管のファンネ
ルの外表面を、アルコールにより脱脂した後、このファ
ンネル部の偏向ヨークにより包囲される部分に、前記し
たグラファイトの分散液を塗布した後乾燥させ、約0.01
〜 0.1μm の厚さの導電性塗膜を形成した。
ルの外表面を、アルコールにより脱脂した後、このファ
ンネル部の偏向ヨークにより包囲される部分に、前記し
たグラファイトの分散液を塗布した後乾燥させ、約0.01
〜 0.1μm の厚さの導電性塗膜を形成した。
【0028】次いで、この導電性塗膜の上に、前記した
絶縁性塗布液を、ローラーコート法により塗布し乾燥し
た後、 250℃の温度で 5分間加熱して硬化させ、約0.01
〜 0.1μm の厚さの絶縁膜を形成した。
絶縁性塗布液を、ローラーコート法により塗布し乾燥し
た後、 250℃の温度で 5分間加熱して硬化させ、約0.01
〜 0.1μm の厚さの絶縁膜を形成した。
【0029】また比較例として、金属酸化物と有機バイ
ンダとを表1に示す割合で含有させた絶縁性塗布液を調
製し、この絶縁性塗布液を、実施例と同様に導電性塗膜
上に塗布し加熱硬化させて、絶縁膜を形成した。
ンダとを表1に示す割合で含有させた絶縁性塗布液を調
製し、この絶縁性塗布液を、実施例と同様に導電性塗膜
上に塗布し加熱硬化させて、絶縁膜を形成した。
【0030】次いで、実施例1〜5および比較例1〜8
でそれぞれ得られた陰極線管について、強制環境試験を
行なった。強制環境試験では、陰極線管を40℃90%の耐
湿炉内に20日間放置した後、偏向ヨークと導電膜との間
でリークが起きるかどうかを調べた。
でそれぞれ得られた陰極線管について、強制環境試験を
行なった。強制環境試験では、陰極線管を40℃90%の耐
湿炉内に20日間放置した後、偏向ヨークと導電膜との間
でリークが起きるかどうかを調べた。
【0031】また、絶縁膜のスクラッチ強度および消し
ゴム強度(アブレーション強度)をそれぞれ測定した。
消しゴム強度の測定では、消しゴムに 9.8×104 Pa の
圧力をかけて 100回往復させたとき、膜の表面に肉眼で
わかるような跡が全く付かないものを○、通常の光では
跡がわからないが、強い光で跡がわかるものを×と判定
した。さらに、スクラッチ強度は、ロックウェル硬度H
RC 60 試験針を用いて、垂直方向に約19.6Nの加重を
加えて引っ掻き、キズの有無を調べた。これらの測定結
果を、表1下欄に示す。
ゴム強度(アブレーション強度)をそれぞれ測定した。
消しゴム強度の測定では、消しゴムに 9.8×104 Pa の
圧力をかけて 100回往復させたとき、膜の表面に肉眼で
わかるような跡が全く付かないものを○、通常の光では
跡がわからないが、強い光で跡がわかるものを×と判定
した。さらに、スクラッチ強度は、ロックウェル硬度H
RC 60 試験針を用いて、垂直方向に約19.6Nの加重を
加えて引っ掻き、キズの有無を調べた。これらの測定結
果を、表1下欄に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、実施例1〜5に
おいて、ファンネルの外表面の導電膜上に形成された絶
縁膜は、十分な膜強度を有しているうえに、環境試験で
も偏向ヨークと導電膜との間でリークが起きることがな
く、長期的に安定した絶縁性を有している。これに対し
て、比較例1〜8で得られた絶縁膜は、金属酸化物と有
機バインダのうちの一方の成分のみが含まれか、あるい
は両方の成分が適切な割合で含有されていないので、膜
強度と長期的な絶縁安定性がともに悪くなっており、実
用に供することが難しい。
おいて、ファンネルの外表面の導電膜上に形成された絶
縁膜は、十分な膜強度を有しているうえに、環境試験で
も偏向ヨークと導電膜との間でリークが起きることがな
く、長期的に安定した絶縁性を有している。これに対し
て、比較例1〜8で得られた絶縁膜は、金属酸化物と有
機バインダのうちの一方の成分のみが含まれか、あるい
は両方の成分が適切な割合で含有されていないので、膜
強度と長期的な絶縁安定性がともに悪くなっており、実
用に供することが難しい。
【0034】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
によれば、ファンネルの外面に形成された導電膜によ
り、偏向コイルから輻射される電磁波の影響が有効に防
止されており、しかもこの導電膜と偏向ヨークとの間が
完全にかつ長期的に安定して絶縁され、偏向ヨークが燃
える等の危険性のない陰極線管を実現することができ
る。
によれば、ファンネルの外面に形成された導電膜によ
り、偏向コイルから輻射される電磁波の影響が有効に防
止されており、しかもこの導電膜と偏向ヨークとの間が
完全にかつ長期的に安定して絶縁され、偏向ヨークが燃
える等の危険性のない陰極線管を実現することができ
る。
【図1】本発明の一実施例であるカラー陰極線管の概略
構成を示す断面図。
構成を示す断面図。
【図2】実施例の陰極線管において、ファンネルの偏向
ヨークにより包囲される領域の構造を示す拡大断面図。
ヨークにより包囲される領域の構造を示す拡大断面図。
1………パネル 2………ファンネル 4………蛍光体スクリーン 5………シャドウマスク 6………電子銃 8………偏向ヨーク 9………導電膜 10………絶縁膜
Claims (7)
- 【請求項1】 透光性のパネルと、前記パネルと一体に
接合されたファンネルおよびネックと、前記パネルの内
面に配設された蛍光体スクリーンと、前記ネック内に配
設された電子銃と、前記ファンネルの外側に装着された
偏向ヨークとを備えた陰極線管において、 前記ファンネル部の前記偏向ヨークにより包囲される領
域の外面に、導電膜を形成し、かつこの導電膜の上に、
1種または2種以上の絶縁性の金属酸化物と1種または
2種以上の有機バインダとをそれぞれ含む絶縁膜を設け
たことを特徴とする陰極線管。 - 【請求項2】 前記金属酸化物が、TiO2 、Al2 O
3 、PT(PbTiO3 )系セラミックス、PZ(Pb
ZrO3 )系セラミックスおよびPZT(PbZrx T
i1-x O3 )系セラミックスの中から選ばれた1種また
は2種以上の酸化物であることを特徴とする請求項1記
載の陰極線管。 - 【請求項3】 前記有機バインダが、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂の中か
ら選ばれた1種または2種以上の熱硬化性樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1記載の陰極線管。 - 【請求項4】 前記絶縁膜中の前記金属酸化物の含有割
合が、 1〜20%(質量%を示す。以下同じ。)であり、
前記有機バインダの含有割合が30〜50%であることを特
徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の陰極線
管。 - 【請求項5】 陰極線管のファンネル部の外面におい
て、偏向ヨークにより包囲される領域に、導電膜を形成
する工程と、 前記導電膜の上に、1種または2種以上の絶縁性の金属
酸化物と、1種または2種以上の有機バインダとをそれ
ぞれ含む分散液を塗布し、絶縁性塗膜を形成する工程
と、 前記絶縁性塗膜を加熱硬化しまたは焼成する工程とを備
えたことを特徴とする陰極線管の製造方法。 - 【請求項6】 前記金属酸化物が、TiO2 、Al2 O
3 、PT(PbTiO3 )系セラミックス、PZ(Pb
ZrO3 )系セラミックスおよびPZT(PbZrx T
i1-x O3 )系セラミックスの中から選ばれた1種また
は2種以上の酸化物であることを特徴とする請求項5記
載の陰極線管の製造方法。 - 【請求項7】 前記有機バインダが、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂の中か
ら選ばれた1種または2種以上の熱硬化性樹脂であるこ
とを特徴とする請求項5記載の陰極線管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36329999A JP2001189141A (ja) | 1999-10-18 | 1999-12-21 | 陰極線管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-295921 | 1999-10-18 | ||
JP29592199 | 1999-10-18 | ||
JP36329999A JP2001189141A (ja) | 1999-10-18 | 1999-12-21 | 陰極線管およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001189141A true JP2001189141A (ja) | 2001-07-10 |
Family
ID=26560468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36329999A Withdrawn JP2001189141A (ja) | 1999-10-18 | 1999-12-21 | 陰極線管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001189141A (ja) |
-
1999
- 1999-12-21 JP JP36329999A patent/JP2001189141A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100659062B1 (ko) | 형광체 페이스트 조성물 및 이를 이용한 평판 디스플레이장치의 제조 방법 | |
JPH08505734A (ja) | Crt用のグレア防止/静電防止被覆 | |
JP2001101984A (ja) | カラー陰極線管 | |
EP1803692B1 (en) | Green sheet for barrier ribs of plasma display panel | |
EP1780181B1 (en) | A paste composition, and a green sheet, for forming a dielectric layer, and a method for forming a dielectric layer of plasma display panel | |
KR20020090091A (ko) | 균일하게 광을 흡수하는 씨알티 디스플레이 스크린에사용하기 위한 카본 블랙 코팅 | |
JP2001189141A (ja) | 陰極線管およびその製造方法 | |
JP2000206307A (ja) | 機能性フィルム及びこれを採用する陰極線管 | |
JP2607575B2 (ja) | 陰極線管 | |
JP3408493B2 (ja) | 蛍光体とその製造方法、ならびにそれを用いたカラー表示装置 | |
JP2009064561A (ja) | 導電性黒色ペースト組成物及び該組成物を用いたバス電極の製造方法 | |
US20020163292A1 (en) | Viewing screen for a display device and method for the fabrication thereof | |
US9688571B2 (en) | Method of fabricating light extraction substrate for organic light emitting device | |
US5879762A (en) | Method for forming electromagnetic wave-shielding film on a panel used in a cathode ray tube | |
KR19980014731A (ko) | Crt용 대전방지 코팅 | |
KR20000029597A (ko) | 칼라필터층을구비한칼라디스플레이장치 | |
US6570317B1 (en) | Cathode-ray tube and method for manufacturing the same | |
US6456000B1 (en) | Cathode ray tube with ITO layer and conductive ground strip | |
JP3397680B2 (ja) | 導電性反射防止膜の製造方法と陰極線管の製造方法 | |
JP2009211062A (ja) | ディスプレイパネル | |
KR100239479B1 (ko) | 칼라 음극선관의 대전방지막 및 반사방지막 형성방법 | |
KR20040068382A (ko) | 칼라 음극선관 | |
TWI229364B (en) | Phosphor screen with metal back and image display | |
GB2338911A (en) | Conductive adhesive tape and CRT employing the same | |
KR20010048489A (ko) | 화상 표시장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070306 |