JP2001189001A - 記録装置、磁気記録媒体および光記録媒体 - Google Patents

記録装置、磁気記録媒体および光記録媒体

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JP2001189001A
JP2001189001A JP37503199A JP37503199A JP2001189001A JP 2001189001 A JP2001189001 A JP 2001189001A JP 37503199 A JP37503199 A JP 37503199A JP 37503199 A JP37503199 A JP 37503199A JP 2001189001 A JP2001189001 A JP 2001189001A
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Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
Satoru Kikitsu
哲 喜々津
Kazuyuki Hikosaka
和志 彦坂
Hideo Ogiwara
英夫 荻原
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Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己組織化規則性媒体のドメイン構造に起因
するノイズの影響を解消した、記録媒体と記録装置を提
供する。 【解決手段】 複数の粒子が規則的に配列したドメイン
を複数有する記録媒体と、記録媒体の駆動手段と、記録
・再生手段とを具備した記録装置において、全ドメイン
中の80%以上のドメインが含まれるドメインサイズの
下限値をDdmin(μm)、データ帯域の下限をF
min(MHz)、前記記録媒体の線速度をV(m/s)
とおく時、2Fmin≧V/Ddminを満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録再生を
行う記録装置および記録媒体の高密度化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体とそれを搭載する記録装置は、
情報化社会において重要な役割を果たしており、今後も
その高密度化が期待されている。主な記録媒体と記録装
置としては、磁気的に情報の記録再生を行う磁気記録媒
体と磁気記録装置、および光学的に情報の記録再生を行
う光記録媒体と光学式記録装置が挙げられる。
【0003】磁気的に情報の記録再生を行う磁気記録媒
体とそれを搭載する磁気記録装置は、数10Gb/in
2以上の高記録密度化が可能なこと、数100Mbps
以上のデータ転送速度が実現可能であるという利点を有
する。このため、磁気ディスク装置の形態で、主にパー
ソナルコンピューター用データファイル、通信サーバ、
大型計算機用ファイルなどに、また磁気テープ装置の形
態で、個人向け、放送局向けの画像・音声ファイルなど
に幅広く普及している。今後もマルチメディア時代へ向
けて情報量の飛躍的増加が続く中で、さらなる高密度化
・高速転送化が期待されている。
【0004】固定型磁気ディスク装置(HDD)の面記
録密度は、過去5年以上に亘り平均年率で60%以上の
向上を示してきており、現在では製品レベルで既に10
Gb/in2を超えている。面密度の向上は、磁気抵抗
効果形再生ヘッドの採用、記録磁極材料の高飽和磁束密
度化、狭トラックヘッド加工技術の向上、磁気ヘッドの
狭ギャップ化、スライダーの小型化・高精度加工化、サ
ーボの高精度化、PRML,ECCなど変復調技術の改
良など、様々な要素技術の改革と改良に依っている。媒
体技術に着目すると、表面平滑化・平坦化によるヘッド
浮上量低下、磁性層の高保磁力化・薄膜化による磁化転
移幅の短縮、磁性粒子間の交換相互作用低減(孤立化)
と磁性粒子サイズ微細化による媒体ノイズ低減などの要
素技術の進展が進んでいる。
【0005】近年、媒体磁性粒子の孤立化が進んだ結
果、磁性粒子の熱擾乱問題が顕在化し、これが磁気記録
装置、特にHDDの記録密度限界を規定するという危機
感が出てきている。
【0006】記録密度の向上は、記録セルサイズの縮小
と、それに伴う媒体信号磁界の低下をもたらす。したが
って、システムが要求するS/Nを満足する上では、信
号量の低下に対応してノイズを低下させなければならな
い。媒体ノイズは主に磁化転移の揺らぎに起因してお
り、揺らぎ量は磁性粒子の磁化反転単位に比例する。し
たがって、媒体ノイズを低下する上では、磁性粒子間の
交換相互作用を断ち切って粒子を孤立化させ、さらに磁
性粒子サイズを微細化する必要がある。磁性粒子を孤立
化させた場合、粒子1つが持つ磁気的なエネルギーは、
粒子の磁気異方性エネルギー密度と粒子の体積との積で
与えられる。低ノイズ化の要求を満たすために粒子サイ
ズを微細化すると、粒子の持つ磁気エネルギーが著しく
低下する。磁気エネルギーが、磁気メモリーとしての動
作温度(通常室温付近)での熱エネルギーの100倍程
度以上有れば、熱擾乱耐性は十分にあると考えられる
が、100倍を切ると熱擾乱により情報が失われる可能
性が出てくる。以上が熱擾乱問題である。
【0007】熱擾乱問題を解決する目的で、単純に磁気
異方性の高い磁性材料を使うことはできない。なぜなら
ば磁気異方性を高くすると媒体の保磁力が大きくなり、
記録しにくくなるからである。記録ヘッド磁極材料をさ
らに高飽和磁束密度化するアプローチも考えられるが、
軟磁性膜材料の飽和磁束密度の増大は高々現行の2.5
倍程度が限界であり、記録磁極サイズが縮小して記録磁
界が低減することも考慮に入れると、単純に媒体に磁気
異方性の高い磁性材料を用いるのは実用的ではない。
【0008】熱擾乱問題を解決するための最有力候補が
規則性媒体である。従来より磁気記録媒体には、磁性結
晶粒子の集合体からなる薄膜、すなわち多粒子系磁性膜
が用いられている。しかし、多粒子系磁性膜では、粒径
分散が大きく、粒子の配列もランダムである。このため
多粒子ランダム媒体では、たとえ平均粒径が媒体ノイズ
と熱擾乱を両立する値に調整されていたとしても、平均
粒径より小さい粒子群はノイズの原因にはならないが熱
擾乱耐性に劣り、平均粒径よりも大きい粒子群は熱擾乱
耐性は高いがノイズの原因になる、という問題がある。
また、多粒子ランダム媒体では粒子充填率が低く媒体信
号が制限されるとともに、配列の不規則性に起因して磁
化転移部の揺らぎが大きい。規則化媒体は、これらの問
題を解決するために提案されたものであり、磁性粒子の
粒径分散を低減し、かつ配列を規則化している。このた
め、同一の平均粒子サイズで比較した場合、規則性媒体
は多粒子ランダム媒体よりも格段に記録密度の向上が期
待できる。
【0009】規則性磁気記録媒体の提案例としては、例
えばJ.Appl.Phys.76(10)6673,
1994を挙げることができる。これはSiウェファー
上にAuシード層とレジストをコートした試料を電子ビ
ーム(EB)直描露光し、現像して微小孔群を形成した
後、微小孔群中にNiをメッキ成長させて、直径35n
mのNiピラーアレーを100nm間隔で規則的に形成
したものである。しかしながらEB直描は研究室レベル
で1つの試料を作製する上では問題がないが、工業的に
磁気媒体を製造するプロセスとしてはコスト、生産性の
観点から不適切であることはいうまでもない。
【0010】低コストで作製できる規則性媒体は例えば
Jpn.J.Appl.Phys.30(2)282,
1991およびJ.Electrochem.Soc.
122(1)32,1975に提案されている。これら
は自己組織化したポーラスアルマイト中に磁性体をメッ
キ成長した例である。Alを陽極酸化すると、Al表面
の原子的な欠陥(転移など)を核として自己組織化した
ポーラスアルマイト群が成長する。このメカニズムは、
核に電流が集中して1つのポアを含むアルマイト柱が形
成されると、柱の周囲に規則的な電流密度の分布がで
き、この分布に起因して最初にできた柱の隣に新たな柱
が規則的に成長するというものである。核の分布は欠陥
の分布なので、規則的な配列のできる距離は、欠陥と欠
陥の間の距離に等しい。欠陥と欠陥の間の規則的に配列
した領域がドメインである。ドメイン内部では粒子配列
はほぼ完全に規則的だが、ドメイン間での規則性に相関
はない。ポーラスアルマイト以外に、ブロックコポリマ
ーを用いるなど、幾つかの自己組織化の手法が提案され
ているが、いずれもドメイン構造を呈する。
【0011】しかし、本発明者らの実験によれば、ドメ
イン構造を有する規則性磁気媒体に記録を行うと、ドメ
インに起因する周期的なノイズを発生することが明らか
になった。
【0012】一方、光学的に情報の記録再生を行う光記
録媒体と光学式記録装置は、記録密度、データ転送速
度、アクセス時間という指標では磁気記録装置に劣るも
のの、特有の非接触アクセス性から、媒体可搬、長寿命
という大きな利点がある。記録装置1台当りの記憶容量
は実質的に無限大でありかつ信頼性が極めて高い。用途
としては再生専用形を中心とするパッケージメディア、
記録再生用を中心とするバックアップファイル、アーカ
イバルファイルなどが挙げられる。光記録媒体のうち相
変化媒体は、光強度変調オーバライトが容易なこと、原
理的に反射率変化を検出して再生するのですでに普及し
ているCD−ROM、今後普及が期待されるDVD−R
OMとの再生互換が取り易い。したがって、相変化媒体
は今後光記録の主流になると見込まれている。相変化媒
体は多結晶中に非晶質のマークを形成することにより記
録を行う。このため、結晶粒径が大きいとマークエッジ
のノイズが問題となり、また結晶の粒径分散が大きいと
バックグラウンドノイズが問題となる。そこで、相変化
媒体も自己組織化プロセスで作製する試みがなされてい
る。自己組織的に作製した相変化媒体は、結晶粒径が制
御されかつ分散量が少ないため極めて低ノイズであり、
記録密度を高くする上で好適である。
【0013】しかし、本発明者らの実験によれば、ドメ
イン構造を有する規則性相変化媒体に記録を行った場合
にも、規則性磁気記録媒体の場合と同様に、ドメインに
起因する周期的なノイズを発生することが明らかになっ
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自己
組織化規則性媒体のドメイン構造に起因するノイズの影
響を解消した、記録媒体と記録装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の記録装置は、複
数の粒子が規則的に配列したドメインを複数有する記録
媒体と、この記録媒体の駆動手段と、前記記録媒体上で
データの記録もしくは再生を行う記録・再生手段とを具
備した記録装置において、全ドメイン中の80%以上の
ドメインが含まれるドメインサイズの下限値をDdmin
(μm)、データ帯域の下限をFmin(MHz)、前記
記録媒体の線速度をV(m/s)とおく時、下記式 2Fmin≧V/Ddmin (1) を満足することを特徴とする。
【0016】本発明の記録装置においては、全ドメイン
中の80%以上のドメインが含まれるドメインサイズの
上限値をDdmax(μm)、サーボサンプリング周波数
をFs(MHz)とおく時、下記式 Fs≦V/Ddmax (2) を満足することが好ましい。
【0017】ここで、式(1)および式(2)について
さらに詳しく説明する。磁気記録、光記録においては、
所定のデジタル信号系列を媒体面に形成することで記録
を実施する。記録するデジタル信号系列は変復調方式に
依存するが、基本的には記録システムのクロック周期T
を基準として信号系列が作成され、例えば光記録系のD
VD−RAMに用いられている8/16変調方式におい
ては、最短ビット長は3T、最長ビット長は11Tであ
る。全ての信号は、この3Tから11Tの間に含まれる
自然数×Tで表現される。式(1)のFminは、上記の
最長ビット長相当の周波数に対応し、1/Fminの時間
間隔に2つの最長ビットが存在することを意味する。一
方、右辺のV/Ddmaxは、最小ドメインに起因するノ
イズ周波数に相当するものである。発明の基本的考え
は、最長ビット1つよりも最小ドメイン長が長いことな
ので、この考えを周波数領域で記述すると、式(1)の
ようになる。Fminの係数2は、前記のように1/Fmin
の中に2つの最長ビットが含まれることを表している。
【0018】一方、式(2)ではFsの係数は1であ
る。これはサーボサンプリングは1/Fsの時間間隔で
1回行われるためであり、本発明の第2の基本的考え
は、最長ドメインがサンプリングの空間的間隔よりも短
く設定されていることなので、この考えを周波数帯域で
表すと式(2)のようになる。
【0019】ここで後述する式(3)において、Bmax
=V/2Fminなる関係式を適用すれば式(1)と等価
になり、式(4)において、Bs=V/Fsなる関係式
を適用すれば式(2)と等価になる。
【0020】本発明の記録装置は、多粒子系磁気記録媒
体を用いる磁気記録装置、または多結晶相変化媒体を用
いる光記録装置である。
【0021】本発明の磁気記録媒体は、複数の磁性粒子
が規則的に配列したドメインを複数有する磁気記録媒体
において、全ドメイン中の80%以上のドメインが含ま
れるドメインサイズの下限値をDdmin(μm)、磁化
転移間隔の最大値をBmax(μm)とおく時、下記式 Ddmin≧Bmax (3) を満足することを特徴とする。
【0022】本発明の磁気記録媒体においては、全ドメ
イン中の80%以上のドメインが含まれるドメインサイ
ズの上限値をDdmax(μm)、サーボデータ間隔をB
s(μm)とおく時、下記式 Bs≧Ddmax (4) を満足することが好ましい。
【0023】本発明の光記録媒体は、複数の結晶粒子が
規則的に配列したドメインを複数有する光記録媒体にお
いて、全ドメイン中の80%以上のドメインが含まれる
ドメインサイズの下限値をDdmin(μm)、マーク長
の最大値をBmax(μm)とおく時、下記式 Ddmin≧Bmax (3) を満足することを特徴とする。
【0024】本発明の光記録媒体においては、全ドメイ
ン中の80%以上のドメインが含まれるドメインサイズ
の上限値をDdmax(μm)、サーボデータ間隔をBs
(μm)とおく時、下記式 Bs≧Ddmax (4) を満足することが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。
【0026】本発明は自己組織化媒体のドメインサイズ
を所定の条件を満たすように調整することにより、ドメ
インに起因する周期的なノイズを解消しようとするもの
である。ドメイン構造を呈する自己組織化媒体は、ポー
ラスアルマイトやブロックコポリマーなどの自己組織化
プロセスを利用して形成することができる。そして、ド
メインサイズは自己組織化プロセスとそれに用いる基
板、及びプロセス条件によって制御できる。
【0027】本発明において用いられる記録媒体はドメ
イン構造を呈し、そのドメインサイズは最頻値を中心と
する分布を呈する。本発明において、ドメインサイズ分
布における全ドメイン中の80%以上のドメインが含ま
れるドメインサイズを指標としているのは、残りの20
%に含まれる小さいドメインまたは大きいドメインは存
在確率が低く、ノイズに及ぼす影響が小さいためであ
る。
【0028】本発明の記録装置を規定する(1)式の意
味は以下の通りである。ドメインサイズ分布において、
全ドメイン中の80%以上のドメインが含まれるドメイ
ンサイズの下限値をDdmin(μm)、データ帯域の下
限をFmin(MHz)、媒体の線速度をV(m/s)と
する。このときV/Ddminはドメインノイズの最高周
波数に相当する。この最高ドメインノイズ周波数よりも
2Fminを大きく設定すれば、データ帯域をドメインノ
イズ帯域よりも高い周波数領域に位置させることがで
き、データに対するドメインノイズの影響を回避するこ
とが可能となる。
【0029】ここでデータ帯域とは、磁気記録装置の場
合には、ユーザデータ帯域とサーボデータ帯域の両方を
意味する。通常、各セクターの冒頭部に記録されるサー
ボ情報の周波数は、サーボ情報の間の領域に記録される
ユーザデータ情報の周波数よりも低く設定されるので、
その場合にはFminはサーボデータの記録周波数の下限
に相当する。ただし、サーボデータにドメインノイズが
重畳しても安定してサーボを実施できる場合には、F
minとしてユーザデータ帯域の下限を用いてもよい。ま
た、光記録装置ではグルーブを利用した連続サーボが主
流であるので、ユーザデータ帯域の下限がFminに相当
する。
【0030】本発明の記録装置を規定する(2)式の意
味は以下の通りである。ドメインサイズ分布において、
全ドメイン中の80%以上のドメインが含まれるドメイ
ンサイズの上限値をDdmax(μm)、サーボサンプリ
ング周波数をFs(MHz)、媒体の線速度をV(m/
s)とする。このとき、V/Ddmaxはドメインノイズ
の最低周波数に相当する。この最低ドメインノイズ周波
数よりもFsを小さくすれば、サーボに対するドメイン
ノイズの影響を回避することが可能となる。
【0031】ここでサーボサンプリング周波数はサーボ
データが記録される間隔、すなわちセクター長に対応す
るものである。サンプルサーボを用いる光記録装置の場
合には、磁気記録装置と同様にサーボサンプリング周波
数が存在するので、上記(2)の条件式を適用できる。
【0032】本発明の磁気記録媒体または光記録媒体を
規定する(3)式、すなわちDdmi n≧Bmaxという関係
は、ドメインサイズが磁化転移間隔またはマーク長の最
大値より大きいことを意味し、データに対するドメイン
ノイズの影響を回避することが可能となる。
【0033】本発明の磁気記録媒体または光記録媒体を
規定する(4)式、すなわちBs≧Ddmaxという関係
は、ドメインサイズがサーボデータ間隔より小さいこと
を意味し、サーボに対するドメインノイズの影響を回避
することが可能となる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0035】(実施例1)図1は本発明に係る磁気記録
媒体の一例を示す断面図である。図1において、基板1
上に、シード層2、磁気記録層3、保護層4、および潤
滑層5が順次形成されている。シード層2から潤滑層5
までの薄膜は基板1の片面にだけ設けられていても両面
に設けられていてもよい。
【0036】図2は磁気記録層を上方から見込んだSE
M像の一例である。図2(a)は高倍率で観察した1つ
のドメイン中の磁性粒子の配列を示す図、図2(b)は
低倍率で観察した複数のドメイン中の磁性粒子の配列を
示す図、図2(c)は図2(b)中にドメイン境界を書
き込んだ図である。図2(a)〜(c)において、31
が磁性粒子、32がマトリックス、33がドメインを各
々示している。
【0037】本発明の磁気記録媒体は例えば以下の方法
で作製することができる。基板1(ガラス、Alなど)
上に例えばCr合金またはV合金からなるシード層2を
30〜200nmの厚さで形成する。シード層2の役割
はその上に設けられる磁性粒子の結晶性制御にある。シ
ード層2上にマトリックスとして例えばSiO2膜を5
〜50nmの厚さで形成する。シード層とSiO2層の
形成には例えばマグネトロンスパッタ法を適用すること
ができる。
【0038】その後、所定の組成に調整された例えばポ
リメチルメタアクリレート(PMMA)−ポリスチレン
(PS)のブロックコポリマーをスピンコートしアニー
ルする。PMMA分子間及びPS分子間には引力、PM
MA−PS間には斤力が作用するので、徐々にPMMA
はPMMAどうしで、PSはPSどうしで会合し、自己
組織的なパターンを形成する。例えばブロックコポリマ
ー中のPMMAの含有比を40mol%程度に調整する
と、粒径7〜20nm程度のPMMA球がPSマトリッ
クス中に規則的に配列した構造(海島構造)が得られ
る。このPMMA−PS自己組織化パターンに電子線を
照射して現像するとPMMAのみが選択的に除去され、
PSマトリックスからなるマスクがSiO2層上に形成
される。これを例えばCHF4系ガスを用いた反応性イ
オンエッチング(RIE)に供し、SiO2層にブロッ
クコポリマーの自己組織化パターンを転写し、SiO2
層に微細孔群を形成する。次に、SiO2層に形成され
た微細孔群中に例えばCo系磁性粒子を埋め込む。Co
系磁性粒子の形成にはスパッタ法またはメッキ法を用い
ることができる。スパッタ法の場合には形成可能な磁性
粒子材料の選択の幅は広いが、SiO2孔以外の部分に
も膜が形成されるので平坦化処理が必要となる。メッキ
法を用いる場合には材料選択の幅は狭いが、電解メッキ
法によりシード層上にのみすなわち孔中にのみ磁性粒子
が成長するので特に平坦化処理の必要はない。ここでは
CoPtをスパッタ形成した後、SiO2の孔以外の部
分の上に形成されたCoPtをCMP法で除去(平坦
化)して、CoPt磁性粒子31とSiO2マトリック
ス32からなる磁気記録層3を作製した。磁気記録層3
上に通常のマグネトロンスパッタ法によりカーボン保護
層4を形成し、最後に潤滑層5をディップコートにより
形成して、図1および図2に示されるような本発明の磁
気記録媒体を得た。
【0039】ドメインサイズは自己組織化プロセス条件
に依存して変化する。本実施例に用いたブロックコポリ
マープロセスの場合、ドメインサイズは、塗布液のPM
MA−PSブロックコポリマーの濃度が高いほど、塗布
後のアニール温度が低いほど、アニール時間が短いほ
ど、小さくなる。また、ドメインサイズの分散は、コポ
リマー塗布時のスピンコータ回転数が早いほど、アニー
ル時の昇温速度が早いほど、大きくなる。本実施例で
は、自己組織化プロセス条件を変えて本発明の磁気記録
媒体と比較例の磁気記録媒体を幾つか形成した。
【0040】このようにして得た記録層のSEM像を観
察場所を変えながら複数撮影し、画像処理に供してドメ
インサイズ分布を求めた結果の一例を図3に示す。図3
には図2に示した本発明の磁気記録媒体が例示してあ
る。画像処理によるドメインサイズ分布の導出は例えば
以下の手法を行うことができる。まず磁性粒子が規則的
に配列している部分を選び、その部分の配列パターンを
読み込んで、規則的配列部に隣接する部分にあるべき粒
子の位置を予測させる。実際の粒子の位置と予測位置と
が粒径の±30%以内のズレ量で一致した場合及び粒径
自体も予測粒径と±30%以内のズレ量で一致した場合
は、その部分もドメイン内部と判定する。実際の粒子の
位置と予測位置とが粒径の±30%以上のズレを生じた
場合または粒径が予測粒径から±30%以上のズレを生
じた場合は、ドメイン境界と判定する。また、±30%
以内のズレ量であっても、さらに隣接する粒子が±30
%以上のズレ量をズレが積算する方向に生じていた場合
には、やはりドメイン境界と判定する。このようにして
ドメイン並びにドメイン境界を画像処理で決定する。そ
して、各ドメインの長径と短径を測長して平均値として
1つのドメインサイズを導出する。このドメインサイズ
分布から全ドメイン中のN%のドメインが含まれるドメ
イン範囲を特定することができる。例えば図3に例示す
るように、Nとして80を選んだ場合、全ドメイン中の
80%以上のドメインが含まれる最小ドメインサイズが
Ddmin、最大ドメインサイズがDdmaxと定義される。
図3では矢印で示したように、Ddmin=0.6μm、
Ddmax=1.45μmである。本発明の実施において
は、前記したように自己組織化プロセス条件を調整して
平均ドメインサイズの他に分布の分散量も制御し、実質
的にドメインノイズの影響がないN値の検討も行った。
【0041】表1に作製した磁気記録媒体の平均ドメイ
ンサイズとドメインサイズ分散をまとめて示す。表1に
は参考のため、磁性粒子の平均粒径と粒径分散も併記し
た。粒径分散は粒径分布の全半値幅で示し、ドメインサ
イズ分散はDdminとDdmaxで示した。Ddminmax
後のかっこ内の数字は、前記したNに相当する。
【0042】
【表1】
【0043】表1において、P1,P2,P3が本発明
の要件を満足するドメイン構造を有する規則性磁気記録
媒体、C1,C2,C3が本発明の要件を満たさないド
メイン構造を有する規則性磁気記録媒体、C4は比較の
ために作製した従来構造の多粒子ランダム媒体である。
C4の媒体は、記録磁性膜の形成に自己組織化プロセス
を用いずに、例えば単純な通常のマグネトロンスパッタ
法で得ることができる。これらのドメイン構造を有する
規則性磁気媒体を、データ部最低記録周波数(データ帯
域の下限)Fmin=20MHz、データ部最高記録周波
数(データ帯域の上限)Fmax=100MHz、サーボ
サンプリング周波数Fs=20kHzの磁気記録装置に
搭載して線速V=10m/sで記録再生動作を行った。
【0044】図4は本発明の効果を実証するために使用
した本発明の磁気記録装置の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。図4において、Iは入力信号、Oは出力
信号である。デジタル入力信号IにECC付加回路41
で誤り訂正コードを付加した後、変調回路42を通じ
て、本発明を特徴付けるFmin条件を満足するように信
号変調する。記録補正回路43を通じて予測可能な磁化
転移シフトを補正し、記録ヘッド44への信号電流を発
生する。記録ヘッド44は信号電流にしたがって記録磁
界を発生し、記録ヘッド44に対して移動する媒体45
に磁化転移パターンを形成する。磁化転移部から発生す
る媒体磁界は、再生ヘッド46により検知される。再生
ヘッド46は典型的にはスピンバルブタイプのGMR素
子からなり、媒体磁界による検知膜の磁化回転により電
気抵抗が変化して出力電圧変化として信号を再生する。
再生信号のうちユーザデータ信号は等価回路47を通じ
て波形等価され、典型的にはビタビ符号からなる復号回
路48を通過し、復調回路49でデジタル信号系列に復
調される。最後に誤り訂正回路50により誤り訂正され
て出力信号を得る。
【0045】また、再生信号のうちサーボデータ信号
は、サンプルホールド回路51を通じてサンプリングさ
れる。サーボサンプリング周波数Fsは本発明の規定す
る条件式にしたがって設定される。サンプリングされた
信号はコントローラ52を通じてサスペンション54に
取付けられたボイスコイルモータの駆動信号を発生し、
VCMドライバー53を駆動する。ドライバー53によ
りVCMが駆動して磁気ヘッドを媒体上の所定のトラッ
クに保持する。
【0046】上記の磁気記録装置において、本発明に関
わるFmin,Fs,Vは例えば各々、20MHz,20
kHz、及び10m/sに設定することができる。その
ような設定をして、周波数をパラメータに単一周波数の
記録信号を試験的に媒体に記録し、再生信号の規格化媒
体ノイズNm/S0を評価用に取付けたスペクトラムア
ナライザー55を用いて測定した。ここで規格化媒体ノ
イズは、各記録周波数で得られたrms媒体ノイズNm
を孤立波の再生出力S0で除したもので、記録トラック
幅1μm当りに規格化したものである。
【0047】図5は表1に示した磁気媒体を対象に調べ
た規格化媒体ノイズの周波数依存性を示す図である。各
データ曲線に引出し線で示した媒体符号は表1と同一で
ある。
【0048】図5から以下のようなことがわかる。図5
で規則性媒体P1〜P3,C1〜C3と従来技術の媒体
C4の差異に着目すると、従来媒体C4は全周波数領域
に亘り規則性媒体よりもノイズレベルが高く、特にデー
タ帯域でノイズレベルが高いため高密度記録に適さない
ことが明らかである。一方、規則性媒体P1〜P3,C
1〜C3は全周波数帯、特に高周波のデータ帯域でノイ
ズレベルが低く、粒径分散を小さく調整しかつドメイン
内部の粒子配列を規則化した効果が顕著に顕れている。
ただし、ドメインサイズに対応する周波数帯では規則性
媒体のノイズレベルはスパイク状に上昇し、従来媒体C
4と同等のレベルになっている。
【0049】ノイズが上昇している周波数帯域は、表1
に示した各ドメインサイズのDdmi n(80)からDd
max(80)までの領域であり、Ddmin(>80),D
max(>80)の帯域ではノイズ上昇は僅かである。
Ddmin(80)とDdmax(80)の領域がFmin
満、Fs以上であれば、通常の信号処理によってデータ
信号にもサーボ信号にもドメインノイズの影響は実質的
にはない。したがって、本発明の媒体P1〜P3は本発
明の磁気記録装置の動作条件のFmin,Fs,Vとの組
合せにおいて実質的に全帯域で極めて低ノイズの動作が
可能となる。一方、本発明の磁気媒体P1〜P3と同じ
く規則性媒体ではあるが、本発明の規定条件から外れる
C1〜C3は、データ帯域またはサーボサンプリング周
波数においてドメインノイズが顕著に発生するので、デ
ータ信号品質、サーボ品質を損ねる。
【0050】また、確認のために線速Vを変えたとこ
ろ、線速を速くするとドメインノイズ周波数は高周波側
にシフトし、遅くすると低周波数にシフトした。したが
って本発明の磁気記録媒体は本発明の磁気記録装置の動
作条件との関連で効果を発現するものであることが確認
された。
【0051】(実施例2)図6は本発明に係る相変化記
録媒体の一例を示す断面図である。図6において、基板
61上に、第1干渉層62、相変化記録層63、第2干
渉層64、反射層65が順次形成されている。基板とし
てはトラッキンググルーブの設けられたポリカーボネー
ト(PC)またはPMMAが代表的である。干渉層とし
てはZnS−SiO2,Ta25,Si34,AlNな
ど誘電体の中から広く選ぶことができる。記録層として
はGeSbTe,AgInSbTeが代表的である。反
射層としてはAl合金、Ag合金、Auなどが代表的で
ある。相変化記録層の微細構造は図2に示した磁気記録
媒体と同様であり、例えばGeSbTe結晶粒子がSi
2マトリックス中に規則的に配列した構造を呈する。
【0052】本発明の相変化記録媒体は例えば以下のよ
うに形成することができる。基板61上に第1干渉層6
2としてZnS−SiO2をスパッタし、相変化記録層
63のマトリックス材料であるSiO2をスパッタした
後、スパッタ装置から取出す。次に、ポーラスアルマイ
トの自己組織化プロセスによって形成したPtマスクを
SiO2上に配置し、イオンビームミリングまたはCH
3系RIEに供してSiO2をエッチング加工する。G
eSbTeをスパッタしてSiO2中に形成された孔中
に埋め込み、表面をCMP法またはイオンポリッシング
法で平滑化する。その後、第2干渉層64としてZnS
−SiO2、反射層65としてAl合金膜をスパッタ形
成する。必要に応じて、Al膜上に樹脂の保護コートを
施すか、対向基板を貼り合せる。
【0053】上記の製造方法において用いたPtマスク
は、自己組織化ポーラスアルマイトの作製、レジストネ
ガパターン作製、ネガパターン中へのPtメッキ成長の
順で実施した。自己組織化ポーラスアルマイトは、4N
または5Nグレードの高純度Alを鏡面研磨し、過塩素
酸化学研磨または水酸化ナトリウム溶液中アルカリ研磨
した後に中和し、数%〜10数%の陽極酸化溶液中に浸
漬し、Pt,Cなどを負極にしてAlに正の電圧を印加
して所定の時間陽極酸化することで形成することができ
る。陽極酸化に用いられる溶液としては、蓚酸、燐酸、
硫酸、クロム酸及びそれらの混酸の水溶液である。陽極
酸化により、Al表面に連続膜状のAl 23バリア層、
その上に微小孔と微小孔の周囲を連結するポーラスAl
23が規則的に配列する(自己組織化)。自己組織化ポ
ーラスアルマイトの形成機構は、陽極酸化溶液にAlと
Al23の両方が溶解することに起因する。すなわちA
lを酸化液に浸漬して電圧を印加するとAl表面が溶解
しながらAl23を形成するが、形成されたAl23
一部も溶解する。溶解部には電界が集中して電流密度が
増加しAl23の溶解をさらに促進するため微小孔を形
成する。これと同時に、孔周囲に溶解した余剰のAlま
たはAl23が供給されてAl23壁の成長を促進す
る。Al23の局部溶解はAlまたは表面に残存する自
然酸化Alの欠陥部で選択的に発生するが、局部溶解が
発生し始めるとその極く近傍に余剰AlまたはAl23
を供給して壁を成長し電界は弱まる。この電界が弱まっ
た部分の隣は全電界強度を保持するため、電界の強い部
分が形成されて孔を形成する。陽極酸化初期の段階では
ランダムに分布する欠陥部から微小孔の形成が開始され
るが、孔が形成されることによってその周りに周期的か
つ規則的な電界の空間分布が生じるため、自己組織的に
微小孔が規則的な配列をなすものと考えられる。
【0054】この方法では、バリア層とAl板の界面に
単位セルに対応する凹面が形成される点が1つの特徴で
ある。このためポーラスアルマイトを1回成長させた後
に、比較的高濃度の燐酸、クロム酸でポーラスアルマイ
トを除去し、規則的に配列した凹面を有するAlを得た
後、再度陽極酸化を施すと、凹面部境界の突起部が前述
した欠陥部の役割を果たすので、1回目の陽極酸化より
もさらに規則性のよいポーラスアルマイトの自己組織パ
ターンを得ることができる。
【0055】ポーラスアルマイトの成長速度は陽極酸化
条件に依存するが典型的には数〜100nm/minで
あり、主に陽極酸化電圧によって制御可能である。ま
た、孔の深さは陽極酸化時間で調整することができる。
微小孔サイズと間隔及び本発明に関連するドメインサイ
ズとドメインサイズ分布は陽極酸化に使用する酸の種
類、陽極酸化電圧、陽極酸化バス温度に依存する。
【0056】次に、得られたポーラスアルマイトにレジ
ストを埋め込んでネガパターンを形成し、ポーラスアル
マイトを除去した後、Ptをネガパターン中にメッキ成
長させてレプリカを形成する。レプリカの材料として
は、Pt以外にもSiC,SiO2,a−C:Hなどの
CVD成長材料を用いてもよい。レプリカを形成する方
法は、ポーラスアルマイト自体をマスクとして用いる場
合に比べて、マスクの耐エッチング性、機械強度を向上
する上で好ましい。なお、ポーラスアルマイトパターン
自体をそのままマスクとして用いる場合でも、メタルリ
ング内にポーラスアルマイトのハニカムパターンを配置
してマスクを作製すると、マスクの機械強度、ハンドリ
ング性が著しく向上する。
【0057】本実施例では、Ptレプリカ成長時にレジ
ストパターンをCuリングの開口部に配置し、Cuリン
グ上に連続的にPtを成長させ、Cuリング開口部では
レジストパターン通りのハニカム状にPtを成長させて
マスクを形成した。得られたマスクの開口形状は、ポー
ラスアルマイトパターンと1nm以内の誤差で一致し
た。
【0058】このようにして得られたPtマスクを記録
層のSiO2マトリックス層の上に配置してイオンミリ
ングを行い、Ptマスクの貫通孔を通じてSiO2膜に
ドメイン構造を有する自己組織化パターンを形成した。
その後の作製手法は前記の通りである。ポーラスアルマ
イトを形成する際の条件を変えて、本発明の光記録媒体
および比較例の光記録媒体を試作した。得られた各光記
録媒体のドメインサイズ分布を実施例1と同様の手法で
調べた。結果を表2にまとめて示す。
【0059】
【表2】
【0060】表2において、P4とC5はドメイン構造
を有する規則性媒体であるが、P4は本発明の条件を満
足する媒体、C5は本発明の条件を満足しない媒体であ
る。C6は従来のランダムな結晶粒子の集合体からなる
媒体である。C6の媒体の記録層は従来技術にしたがっ
て通常のマグネトロンスパッタ法にて形成した。記録層
中のGeSbTe粒子濃度を合せるため、従来技術によ
る記録層の成膜はGeSbTeとSiO2を同時スパッ
タし、GeSbTeの含有比を本発明の規則性媒体と同
じレベルになるように調整した。表2において、Dd
min,Ddmaxはドメインサイズ分布において全ドメイン
中の80%以上のドメインが属する部分の最小値と最大
値である。
【0061】本発明及び比較例の光記録媒体を、線速度
6m/sで、最長記録マーク長(11Tマーク)が3.
08μmの相変化記録試験に供した。この試験条件で、
mi nは0.975MHzに相当する。表2からわかる
ように、P4は本発明の条件を満足し、C5は規則性媒
体だが本発明の条件は満足しない。C6は不規則ランダ
ム媒体なのでドメイン構造は有しておらず、結晶粒子の
サイズと配列はいたるところでランダムである。
【0062】これらの光記録媒体について、記録周波数
(マーク長)を変えながら記録した後、CNRを調べた
結果を図7に示す。従来の不規則ランダム媒体では、8
/12変調の11Tから3T(マーク長:0.84μ
m、3.57MHz相当)の範囲において、CNR値は
58dB(11T)、57dB(5T)、52dB(3
T)であった。また、規則性媒体であるが本発明の条件
から外れているC5の媒体では、60dB(11T)、
53dB(3T)と優れたCNRが得られたが、マーク
長がドメイン平均サイズとほぼ等しい5Tマーク付近に
おいてドメインに起因するノイズの影響によりCNRが
57dBと従来の不規則ランダム媒体のレベルに低下し
た。一方、本発明の条件を満足する規則性媒体P4で
は、CNR値は62dB(11T),55dB(3T)
かつ中間のマーク長領域でもノイズ上昇は皆無であり、
本発明の効果が検証された。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、媒
体ノイズが著しく低くかつ低価格な自己組織化・規則性
媒体におけるドメインノイズの問題を解決することがで
きるので、規則性媒体が有している本来の高密度記録能
力を発現することができ、磁気記録および相変化光記録
の高密度化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の一例を示す断面
図。
【図2】本発明の磁気記録媒体の微細構造を示す図。
【図3】本発明の磁気記録媒体のドメインサイズ分布を
示す図。
【図4】本発明の磁気記録装置の構成を示すブロック
図。
【図5】本発明に係る磁気記録媒体及び磁気記録装置の
規格化媒体ノイズの周波数依存性を示す図。
【図6】本発明に係る光記録媒体の一例を示す断面図。
【図7】本発明に係る光記録媒体における記録マーク長
とCNRとの関係を示す図。
【符号の説明】
1…基板 2…シード層 3…磁性層 4…保護層 5…潤滑層 31…磁性粒子 32…マトリックス 33…ドメイン 41…誤り訂正付加回路 42…変調回路 43…記録補正回路 44…記録ヘッド 45…媒体 46…再生ヘッド 47…等価回路 48…復号回路 49…復調回路 50…誤り訂正回路 51…サンプルホールド回路 52…コントローラ 53…VCMドライバー 54…サスペンション 55…スペクトラムアナライザー 61…基板 62…第1干渉層 63…相変化記録層 64…第2干渉層 65…反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 彦坂 和志 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 荻原 英夫 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 Fターム(参考) 5D006 BA08 FA09 5D029 JB47 JC09 5D090 BB16 CC01 DD01 FF11 5D091 AA01 AA08 CC05 CC11 CC18 HH20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の粒子が規則的に配列したドメイン
    を複数有する記録媒体と、この記録媒体の駆動手段と、
    前記記録媒体上でデータの記録もしくは再生を行う記録
    ・再生手段とを具備した記録装置において、全ドメイン
    中の80%以上のドメインが含まれるドメインサイズの
    下限値をDdmin(μm)、データ帯域の下限をF
    min(MHz)、前記記録媒体の線速度をV(m/s)
    とおく時、下記式 2Fmin≧V/Ddmin を満足することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 全ドメイン中の80%以上のドメインが
    含まれるドメインサイズの上限値をDdmax(μm)、
    サーボサンプリング周波数をFs(MHz)とおく時、
    下記式 Fs≦V/Ddmax を満足することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体が多粒子系磁気記録媒体で
    あり、磁気的にデータの記録もしくは再生を行うことを
    特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録媒体が多結晶相変化媒体であ
    り、光学的にデータの記録もしくは再生を行うことを特
    徴とする請求項1または2記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 複数の磁性粒子が規則的に配列したドメ
    インを複数有する磁気記録媒体において、全ドメイン中
    の80%以上のドメインが含まれるドメインサイズの下
    限値をDdmin(μm)、磁化転移間隔の最大値をBmax
    (μm)とおく時、下記式 Ddmin≧Bmax を満足することを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 全ドメイン中の80%以上のドメインが
    含まれるドメインサイズの上限値をDdmax(μm)、
    サーボデータ間隔をBs(μm)とおく時、下記式 Bs≧Ddmax を満足することを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 複数の結晶粒子が規則的に配列したドメ
    インを複数有する光記録媒体において、全ドメイン中の
    80%以上のドメインが含まれるドメインサイズの下限
    値をDdmin(μm)、マーク長の最大値をBmax(μ
    m)とおく時、下記式 Ddmin≧Bmax を満足することを特徴とする光記録媒体。
  8. 【請求項8】 全ドメイン中の80%以上のドメインが
    含まれるドメインサイズの上限値をDdmax(μm)、
    サーボデータ間隔をBs(μm)とおく時、下記式 Bs≧Ddmax を満足することを特徴とする請求項7記載の光記録媒
    体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7023634B2 (en) 2001-09-28 2006-04-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Data channel for processing user data and servo data in a disk drive adopting perpendicular magnetic recording system

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