JP2001188778A - 電子校正システム - Google Patents

電子校正システム

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JP2001188778A
JP2001188778A JP37354099A JP37354099A JP2001188778A JP 2001188778 A JP2001188778 A JP 2001188778A JP 37354099 A JP37354099 A JP 37354099A JP 37354099 A JP37354099 A JP 37354099A JP 2001188778 A JP2001188778 A JP 2001188778A
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electronic
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JP37354099A
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Hidemichi Fukazawa
秀通 深澤
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PLANET COMPUTER KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 校正担当者との間でスムーズな連携をとりな
がら校正を進め、作業の進捗状況を把握できるようにす
る。 【解決手段】 校正管理者Aは、クライアントCaを用
い、校正対象となる原稿レイヤーLaを準備し、これに
校正レイヤーLbを付加して校正担当者Bに送信する。
校正担当者Bは、クライアントCb上でレイヤーLa,
Lbを重畳表示し、レイヤーLbに校正指示を書き込ん
だ後、このレイヤーLbのみをクライアントCaへ戻
す。校正担当者C,Dも同様に、それぞれ校正指示を書
き込んだレイヤーLc,Ldを戻す。校正管理者Aは、
戻されたレイヤーに基づいて原稿に訂正を行う。レイヤ
ーデータは、校正サーバSを介して送受され、送受の履
歴が蓄積され、作業の進捗状況がWebデータとして提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子校正システムに
関し、特に、印刷物を作成するための校正対象原稿をデ
ィスプレイの画面上に表示し、この画面上で校正作業を
行うことができ、その結果をネットワークを介して送受
することができる電子校正システムに関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆるDTP(Desk Top Publishing
)技術の普及により、印刷物の原稿は、コンピュータ
を用いた電子原稿という形態で作成されることが多くな
ってきている。この場合、校正用の原稿も、電子原稿と
いうデジタルデータの形態で配付されることが一般的で
あり、校正担当者は、校正対象となる電子原稿をディス
プレイの画面上に表示させ、この画面上で校正作業を行
うことになる。通常は、校正対象となる原稿の画像情報
を表示するための原稿レイヤーと、校正指示を書き込む
ための校正レイヤーとを別個に設け、これら両レイヤー
をディスプレイ画面上に重畳表示させて校正作業を行う
ことができる電子校正システムが利用されている。この
ようなシステムでは、校正担当者は、ディスプレイ画面
上に表示された原稿を見ながら、円、矩形、任意曲線な
どを用いて校正指示を書き込んだり、所定箇所にマーカ
を付加したりして、校正作業を進めることができる。す
なわち、校正担当者は、種々の注釈ツールを用いて、校
正レイヤーに対して書き込みを行うことになる。実際の
商用印刷物の場合、複数の校正担当者による校正が行わ
れるのが一般的であり、この場合、個々の校正担当者ご
とに専用の校正レイヤーを提供し、各担当者の責任の所
在を明らかにするようなことも行われている。たとえ
ば、特開平11−195033号公報には、各校正レイ
ヤーごとにパスワードを用いたロックをかけ、個々の校
正担当者の責任を明確にする技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】商用印刷物を作成する
一般的なケースでは、発注会社が製作会社に特定の印刷
物の作成を依頼し、これを請け負った製作会社が印刷原
稿の作成を行い、発注会社にこの原稿を戻して校正を依
頼する、という手順が採られる。ところが、通常は、発
注会社内の複数の担当者によってそれぞれ校正が行われ
ることが多く、製作会社側の校正管理者は、この複数の
校正担当者宛にそれぞれ校正依頼を行う必要がある。電
子原稿の場合、E−メールなどを利用して校正担当者宛
に校正用原稿を送付することが可能になってきている
が、校正担当者が複数存在する場合、各担当者への校正
依頼処理や、各担当者からの校正済み原稿の取り扱い処
理などは、非常に煩雑な作業にならざるを得ない。ま
た、1つの印刷物に関する校正作業の進捗状況などを把
握することも困難である。
【0004】そこで本発明は、校正担当者との間でスム
ーズな連携をとりながら校正作業を進めることができ、
また、校正作業の進捗状況を容易に把握することが可能
な電子校正システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、校正対象となる原稿をディスプレイの画面上に表
示し、この画面上で校正作業を行うことができる電子校
正システムにおいて、校正指示を書き込む作業を担当す
る校正担当者によって操作される校正作業用コンピュー
タと、校正担当者に対して校正依頼を行う校正管理者に
よって操作される校正管理用コンピュータと、をネット
ワークによって接続し、校正管理用コンピュータには、
少なくとも、原稿の画像情報からなる原稿レイヤーを準
備する原稿レイヤー準備機能と、校正指示を書き込んで
もらうための未記入校正レイヤーを追加する校正レイヤ
ー追加機能と、原稿レイヤーおよび未記入校正レイヤー
に関するデータをネットワークを介して校正作業用コン
ピュータに送信する送信機能と、校正作業用コンピュー
タからネットワークを介して送信されてきた記入済校正
レイヤーに関するデータを受信する受信機能と、原稿レ
イヤーと記入済校正レイヤーとを同一画面上に重畳表示
させる表示機能と、をもたせ、校正作業用コンピュータ
には、少なくとも、校正管理用コンピュータからネット
ワークを介して送信されてきた原稿レイヤーおよび未記
入校正レイヤーに関するデータを受信する受信機能と、
未記入校正レイヤーに対して校正指示を書き込むことに
より記入済校正レイヤーを作成する書込機能と、原稿レ
イヤーと記入済校正レイヤーとを同一画面上に重畳表示
させる表示機能と、記入済校正レイヤーに関するデータ
をネットワークを介して校正管理用コンピュータに送信
する送信機能と、をもたせるようにしたものである。
【0006】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る電子校正システムにおいて、複数の校正担
当者のそれぞれについて校正作業用コンピュータを設置
し、校正管理用コンピュータと複数台の校正作業用コン
ピュータとがネットワークによって接続されるように構
成し、校正管理用コンピュータにおける校正レイヤー追
加機能によって、個々の校正担当者ごとにそれぞれ別個
の校正レイヤーが追加されるようにしたものである。
【0007】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
の態様に係る電子校正システムにおいて、校正管理用コ
ンピュータが、第i番目の校正担当者に対する送信機能
を実行する際に、当該第i番目の校正担当者用に追加さ
れた未記入校正レイヤーを選択し、原稿レイヤーおよび
選択された未記入校正レイヤーに関する情報を送信する
ようにしたものである。
【0008】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第2
の態様に係る電子校正システムにおいて、校正管理用コ
ンピュータが、複数の校正担当者についての校正作業の
実行順位を設定する実行順位設定機能を有し、第i番目
の校正担当者からの記入済校正レイヤーに関するデータ
を受信したことを条件として、第(i+1)番目の校正
担当者に対する送信機能が実行されるようにし、かつ、
当該送信機能の実行時には、第(i+1)番目の校正担
当者用の未記入校正レイヤーに関するデータとともに、
第i番目以前の校正担当者用の記入済校正レイヤーに関
するデータが送信されるようにしたものである。
【0009】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第2
〜第4の態様に係る電子校正システムにおいて、校正管
理用コンピュータにおける校正レイヤー追加機能によっ
て、複数の校正レイヤーが追加された場合に、これら複
数の校正レイヤーに対して、校正指示内容の優先順位を
設定する優先順位設定機能を更にもたせるようにしたも
のである。
【0010】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1
〜第5の態様に係る電子校正システムにおいて、校正管
理用コンピュータおよび校正作業用コンピュータをクラ
イアントとする校正サーバを設置し、これらクライアン
トおよび校正サーバからなるネットワークシステムを用
いてデータの送信および受信を行うようにしたものであ
る。
【0011】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6
の態様に係る電子校正システムにおいて、校正サーバに
ファイルサーバとしての機能をもたせ、各クライアント
の送信機能および受信機能を、ファイル転送プロトコル
を用いた校正サーバに対するファイル転送処理により実
現するようにしたものである。
【0012】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第6
の態様に係る電子校正システムにおいて、校正サーバに
データベースサーバ機能をもたせ、各クライアント間で
送受されたデータを送受の履歴とともに校正サーバ内に
データベースとして保存し、要求があった場合に、この
データベースに保存されている内容をクライアントに提
供できるようにしたものである。
【0013】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第6
の態様に係る電子校正システムにおいて、校正サーバに
Webサーバとしての機能をもたせるとともに、各クラ
イアント間におけるデータの送受を監視して校正作業の
進み具合を示す進捗情報を作成する機能をもたせ、作成
した進捗情報をWebデータとして提供させるように
し、クライアントにWebブラウザの機能をもたせ、校
正サーバで作成された進捗情報の閲覧を行えるようにし
たものである。
【0014】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
1〜第9の態様に係る電子校正システムの構成要素とな
る校正管理用コンピュータ、校正作業用コンピュータ、
もしくは校正サーバとして、コンピュータを動作させる
ためのプログラムを、コンピュータ読取り可能な記録媒
体に記録して配付できるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。
【0016】§1.電子校正システムの基本構成 図1は、本発明の一実施形態に係る電子校正システムの
基本構成を示すブロック図である。ここでは、校正シス
テム提供会社X、製作会社Y、発注会社Zという3つの
事業体がこの校正システムを利用する例について述べ
る。製作会社Yは、種々の印刷物の製作を請け負うこと
を業とする会社であり、発注会社Zからの依頼に基づい
て印刷物の原稿を作成する仕事をする。製作会社Yが作
成した原稿は発注会社Zに送られ、この発注会社Zの校
正担当者の手によって校正される。製作会社Yは、この
校正結果に基づいて原稿を修正する作業を行い、最終原
稿を図示されていない印刷会社へと入稿し(製作会社Y
自身が印刷会社の場合は、自社の印刷工場へと入稿
し)、最終的なプロダクトとして得られた印刷物を発注
会社Zへ納入する。校正システム提供会社Xは、このよ
うな製作会社Yと発注会社Zとの間で行われる一連の校
正作業を円滑に行うことができる電子校正システム(本
発明に係るシステム)を提供することを業とする会社で
あり、自社の保有する校正サーバSの一部を、製作会社
Yと発注会社Zとの間の校正作業のために提供するとと
もに、これら各社に対して、当該電子校正システムの利
用に必要なソフトウエアを提供する。
【0017】なお、図1に示す実施形態は、比較的小規
模な製作会社Yの利用の便宜を図るのに適したシステム
であり、校正システム提供会社Xが、自社の保有する校
正サーバSの一部を、当該電子校正システムのために提
供している。しかしながら、製作会社Yあるいは発注会
社Zが、イントラネットなどで使用している自社保有の
サーバを校正サーバSとして利用することができる場合
には、校正システム提供会社Xは、校正サーバを提供す
る必要はない。たとえば、比較的大規模な印刷会社など
が製作会社Yとなるような場合であれば、この印刷会社
自身が保有するサーバを校正サーバSとして利用するこ
とができる。
【0018】校正サーバSに対してクライアントとなる
端末装置が、製作会社Yおよび発注会社Zに設置されて
おり、これらがネットワークNを介して接続されてい
る。図示の例の場合、製作会社YにはクライアントCa
が、発注会社ZにはクライアントCb,Cc,Cdが設
置されている。これら各クライアントCa〜Cdは、汎
用のパソコンに、後述する各機能を実行させるための専
用アプリケーションプログラムをインストールすること
により実現することができる。各クライアントCa〜C
dは、校正サーバSに対してネットワークNを介して接
続できる機能を有している必要があるが、ネットワーク
Nとしてインターネットを用いるようにすれば、汎用パ
ソコンに備わっている一般的なインターネット接続機能
をそのまま利用することができる。もちろん、これらの
汎用パソコンには、本電子校正システムとは無関係な種
々のアプリケーションプログラムをインストールして併
用することもできる。
【0019】図示の例は、製作会社Y内の校正管理者A
が、一連の校正作業を統括管理する役目に任じられてお
り、発注会社Z内の3人の校正担当者B,C,Dによっ
てそれぞれ校正が行われる、というケースの場合のシス
テム構成例である。ここでは、説明の便宜上、校正担当
者B,C,Dは、発注会社Z内において、それぞれ企画
部門、生産部門、デザイン部門に所属しているものとす
る。この場合、クライアントCaは、製作会社Y内の校
正管理者Aによって操作され、クライアントCb,C
c,Cdは、発注会社Z内の校正担当者B,C,Dによ
って操作されることになる。もちろん、ここに示すシス
テム構成は一例であり、たとえば、校正担当者B,Cが
1台のクライアントを共用するようにしてもかまわな
い。
【0020】§2.基本的な校正作業 続いて、図1に示す電子校正システムを用いた基本的な
校正作業の手順を述べながら、各クライアントCa〜C
dおよび校正サーバSの備えている機能の説明を行う。
上述したように、この図1に示す実施形態は、発注会社
Z内の3人の校正担当者B,C,Dによって校正が行わ
れる場合の例を示しているが、ここでは、便宜上、ま
ず、校正担当者Bによる校正を行う場合の手順を、図2
の流れ図に基づいて説明する。この場合、発注会社Z内
のクライアントCbが校正作業用クライアントとなり、
製作会社Y内のクライアントCaが校正管理用クライア
ントとなる。校正作業用クライアントは、校正担当者B
によって操作され、校正指示を書き込む作業が実行され
る。一方、校正管理用クライアントは、校正管理者Aに
よって操作され、校正担当者Bに対して校正依頼を行う
作業が実行される。
【0021】まず、図2の流れ図のステップS1におい
て、原稿レイヤーを準備する処理が行われる。本発明に
係る電子校正システムでは、校正対象となる原稿をディ
スプレイの画面上に表示し、この画面上で校正作業が行
われることになるので、印刷物の原稿もデジタルデータ
からなる電子原稿として用意され、この原稿に対する校
正情報も、デジタルデータからなる電子校正情報として
作成される。しかも、原稿の情報は原稿レイヤー、校正
情報は校正レイヤーと、それぞれ別個のレイヤーの情報
として取り扱われる。ステップS1で行われる原稿レイ
ヤーの準備作業は、原稿の画像情報を、原稿レイヤー上
のデジタルデータとして用意する作業である。一般に、
DTPにおける原稿作成処理は、専用のページレイアウ
トソフトウエアを用いて行われ、原稿を構成する文字、
写真、イラストなどを含んだ画像情報(ページ情報)
は、使用したページレイアウトソフトウエアに固有のフ
ォーマットでファイル化される。ただ、最近では、文書
を配付する共通のフォーマットとして、米国アドビ社の
提唱するPDF(Portable Document Format)の形式が
普及してきており、本発明に係る電子校正システムで
は、原稿レイヤーおよび校正レイヤーとして、このPD
F形式の画像データを用いるようにしている。したがっ
て、このステップS1の処理は、任意のページレイアウ
トソフトウエアを用いて作成された原稿の画像情報を、
PDF形式のデータとして書き出す処理ということがで
きる。本発明に係る電子校正システムを構成するソフト
ウエアでは、こうして書き出されたPDF形式のデータ
を原稿レイヤーの情報として取り扱うことになる。
【0022】ここでは、発注会社Zが菓子メーカであ
り、この菓子メーカから、新製品の板チョコの外装パッ
ケージの印刷依頼が製作会社Yにあったという事例につ
いて、以下の説明を行うことにする。製作会社Yは、発
注会社Zの要望を考慮しながら、この板チョコの外装パ
ッケージのデザインを行い、印刷用の原稿を作成する。
このような原稿作成工程については、本発明の本旨では
ないため、ここでは詳しい説明は省略するが、通常は、
上述したように、専用のページレイアウトソフトウエア
を用いて画像情報が作成されることになる。この画像情
報は、PDF形式のデータとして書き出され、校正管理
用クライアントCaにおいて原稿レイヤーとして取り扱
われる。ここでは、校正管理者Aによって、図3に示す
ような原稿レイヤーLaが作成されたものとする。この
原稿レイヤーLaの上半分は、この板チョコの外装パッ
ケージの正面の印刷原稿を示し、下半分は背面の印刷原
稿を示している。
【0023】次に、校正管理者Aは、ステップS2にお
いて、未記入校正レイヤーを追加する処理を行う。すな
わち、図4に示すように、ステップS1で準備した原稿
レイヤーLaに、校正レイヤーLbが追加されることに
なる。この校正レイヤーLbは、校正担当者Bに校正指
示を書き込んでもらうためのレイヤーであり、この時点
では、校正指示は未記入の状態にある。なお、本発明に
おける「レイヤー」とは、一平面上に表現される画像情
報(文字、図形、写真など、印刷対象となる種々の情報
を含む)を意味するものであり、原稿レイヤーと校正レ
イヤーとは、各クライアントを校正するパソコンの表示
画面上で重畳表示されることになる。
【0024】続いて、校正管理者Aは、ステップS3に
おいて、原稿レイヤーLaおよび未記入校正レイヤーL
bを、校正担当者Bへ送信する処理を行う。すなわち、
校正管理用クライアントCa内に用意された原稿レイヤ
ーLaおよび未記入校正レイヤーLbが、ネットワーク
Nを介して、校正作業用クライアントCbへと送信され
ることになる。ここに示す実施形態では、図1に示され
ているように、校正システム提供会社Xによって校正サ
ーバSが提供されている。この校正サーバSは、ファイ
ルサーバ、データベースサーバ、Webサーバとしての
機能をもっているが、このステップS3の処理は、校正
サーバSのファイルサーバとしての機能を利用して実行
される。すなわち、クライアントCaでは、送信対象と
なる原稿レイヤーLaおよび未記入校正レイヤーLbに
関するデータをファイルとして用意し、ファイル転送プ
ロトコル(FTP)を用いて校正サーバSに対してファ
イル転送を行う。この転送処理により、校正管理者Aか
ら校正担当者Bに対する校正依頼が行われたことにな
る。
【0025】以上、図2のステップS1〜S3は、校正
管理者Aが校正管理用クライアントCaを操作して行う
処理であり、別言すれば、校正管理用クライアントCa
には、このステップS1〜S3の処理を行う機能をもっ
たソフトウエアがインストールされていることになる
(後述するように、校正管理用クライアントCaにイン
ストールされるソフトウエアは、ステップS7,S8の
処理を行う機能も有している)。
【0026】一方、校正作業用クライアントCb(C
c,Cdも同様)には、図2のステップS4〜S6の処
理を行う機能をもったソフトウエアがインストールされ
ている。まず、校正担当者Bは、ステップS4におい
て、原稿レイヤーLaおよび未記入校正レイヤーLbの
受信処理を行う。前述したように、これらのデータはフ
ァイルとして校正サーバS内に格納されているので、こ
れをファイル転送プロトコル(FTP)を用いて校正作
業用クライアントCbに転送する作業を行えばよい。
【0027】続いて、校正担当者Bは、ステップS5に
おいて、実際の校正作業を実行する。すなわち、受信し
た校正レイヤーLbに対して、必要な校正指示を書き込
む作業を行う。このとき、原稿レイヤーLaと校正レイ
ヤーLbとは、クライアントCbを構成するパソコンの
画面上に重畳表示されるため、この校正指示の書き込み
作業は、画面上に表示された原稿に画面上で校正指示を
重ねて書き込む作業ということになる。図5は、このよ
うな校正作業を行った後のディスプレイ画面の表示態様
の一例を示す図である。太字で示された3か所が校正担
当者Bによって書き込まれた校正指示(文字列の移動お
よび差し替え)である。なお、この図5に示すような画
面表示は、原稿レイヤーLaと校正レイヤーLbとを重
畳表示させた結果であり、校正作業用クライアントCb
の内部では、これら両レイヤーはあくまでも別個のレイ
ヤーとして取り扱われている。すなわち、クライアント
Cbの内部では、図3に示すような画像情報からなる原
稿レイヤーLaと、図6に示すような画像情報からなる
校正レイヤーLbとが別々のレイヤーとして取り扱われ
ていることになり、校正担当者Bによって書き込まれる
校正指示の情報は、すべて図6に示す校正レイヤーLb
に取り込まれることになる。
【0028】このような校正指示を入力するツールとし
ては、種々の注釈ツールが知られている。たとえば、矩
形、円、楕円などの図形を描画するツールや、任意の自
由曲線を描くツール、任意の文字を入力するツールなど
が注釈ツールとして利用されている。PDF形式の文書
を取り扱う標準ソフトウエアとして利用されている米国
アドビ社の「Acrobat ver. 4.0」では、このような注釈
ツールを利用した校正指示入力機能が標準で備わってお
り、本実施形態では、この「Acrobat ver. 4.0」に備わ
っている校正指示入力機能をそのまま利用して、ステッ
プS5の校正作業が行えるようにしている。
【0029】こうして、校正担当者Bにより校正指示の
書き込みが行われると、未記入校正レイヤーLbは、図
6に示すような記入済校正レイヤーとなる。校正担当者
Bは、こうして校正作業を完了すると、この記入済校正
レイヤーLbを校正管理用クライアントCaに送信する
処理を行う。より具体的には、校正作業用クライアント
Cbは、校正担当者Bによる校正完了指示に応じて、記
入済校正レイヤーLbに関するデータをネットワークN
を介して校正管理用クライアントCaに送信する送信機
能を有しており、校正担当者Bが、ディスプレイ画面上
に表示されている「校正完了」ボタンをクリックして、
校正完了指示を与えると、記入済校正レイヤーLbのみ
が校正管理用クライアントCaに向けて自動的に送信さ
れることになる。このように、校正レイヤーLbのみを
単体で切り離して送信する機能は、効率的なデータ送信
を行う上で有益である。すなわち、校正結果は、図5に
示すように、原稿レイヤーLaと校正レイヤーLbとを
同一画面上に重畳表示させることによりはじめて意味を
もつことになるが、校正管理用クライアントCa内に
は、既に原稿レイヤーLaに関するデータは存在してい
るので、校正レイヤーLbのみを切り離して送信すれば
十分である。なお、この校正レイヤーLbの送信処理
も、校正サーバSを介して行われることになるので、校
正作業用クライアントCbは、校正レイヤーLbのデー
タを、ファイル転送プロトコルを用いて校正サーバSへ
転送する処理を行えばよい。
【0030】さて、製作会社Yに設置された校正管理用
クライアントCaは、発注会社Z内の校正作業用クライ
アントCbからネットワークNを介して送信されてきた
記入済校正レイヤーLbに関するデータを受信する受信
機能を有している。実際には、校正サーバS内に格納さ
れていたデータが、校正管理用クライアントCaに取り
込まれることになる。校正管理者Aは、この受信機能を
利用して、ステップS7において、記入済校正レイヤー
Lbの受信を行うことができる。このようにして受信し
た記入済校正レイヤーLbには、図6に示すような校正
指示のみしか記入されていないが、校正管理用クライア
ントCaには、原稿レイヤーLaと記入済校正レイヤー
Lbとを同一画面上に重畳表示させる表示機能が備わっ
ている。そこで、校正管理者Aは、この表示機能を利用
して、原稿レイヤーLaと記入済校正レイヤーLbとを
重畳表示させることにより、図5に示すような画像を得
ることができる。校正管理者Aは、このような画像から
校正作業者Bからの校正指示を理解し、原稿に対して必
要な訂正を加えることになる。図示の例の場合、図3に
示されているような原稿の内容が、図7に示すように訂
正されることになる。このような訂正作業は、原稿の作
成処理を行ったページレイアウトソフトウエアを用いて
実行されることになる。
【0031】以上で校正作業者Bによる第1回目の校正
が完了したことになる。第2回目の校正が必要な場合に
は、今度は、図7に示すような訂正後の画像情報を含む
原稿レイヤーを、ステップS1で準備する原稿レイヤー
として用い、図2の流れ図の手順を繰り返し実行すれば
よい。
【0032】§3.複数人による校正作業 さて、§2では、校正担当者Bのみによって校正が行わ
れる基本的な校正作業の手順を示したが、実際の商用印
刷の場合、複数の校正担当者による校正が行われるのが
一般的である。この場合、複数の校正担当者のそれぞれ
について校正作業用クライアントを設置するのが好まし
い(物理的に同一のパソコンを、複数の校正担当者用の
兼用クライアントとして用いてもかまわない)。図1に
示す例は、発注会社Zの企画部門に所属する校正担当者
B、生産部門に所属する校正担当者C、デザイン部門に
所属する校正担当者Dの3人によって校正が行われる例
であり、各校正作業用クライアントCb,Cc,Cd
が、校正管理用クライアントCaにネットワークNによ
って接続されている。このように、複数の校正担当者が
存在する場合、校正管理用クライアントCaにおける校
正レイヤー追加機能によって、個々の校正担当者ごとに
それぞれ別個の校正レイヤーを追加するようにする。こ
れは、各校正担当者の責任の所在を明らかにする上で重
要である。
【0033】このように複数人による校正作業を行う場
合、一般に「ショットガンフロー」と呼ばれている校正
作業の進め方と、「シリアルワークフロー」と呼ばれて
いる校正作業の進め方とが知られている。前者は、複数
の校正担当者が同時に校正作業を進行し、校正管理者が
これらを統括管理する方法である。これに対し、後者
は、複数の校正担当者について校正作業の実行順位を決
めておき、順番に校正指示を書き込んでゆく方法であ
る。前者の方法は、校正管理者の負担は増えるが、一人
の校正担当者の校正作業が遅延しても他の校正担当者の
校正作業に影響が及ぶことはない。これに対して、後者
の方法は、校正管理者の負担は軽減されるが、一人の校
正担当者の校正作業の遅延が、後の順番の校正担当者に
影響し、いわゆる「ボトルネック」が生じるという問題
がある。このように、それぞれ一長一短のある方法であ
るが、本発明に係る電子校正システムは、このいずれの
方法にも適用可能である。
【0034】まず、「ショットガンフロー」と呼ばれて
いる進め方を採った場合について、本発明に係る電子校
正システムにおける作業手順を説明しよう。この場合、
各校正担当者ごとに、図2に示す手順をパラレルに実行
すればよい。まず、ステップS1で原稿レイヤーを準備
し、ステップS2で未記入校正レイヤーを追加すること
になるが、このとき、各校正担当者ごとに別個の校正レ
イヤーを追加すればよい。具体的には、図8に示すよう
に、原稿レイヤーLaに対して、3枚の未記入校正レイ
ヤーLb,Lc,Ldが追加されることになる。これら
の未記入校正レイヤーLb,Lc,Ldは、それぞれ校
正担当者B,C,Dについての校正レイヤーである。続
いて、ステップS3において、原稿レイヤーおよび未記
入校正レイヤーの送信が行われるが、このとき、第i番
目の校正担当者に対する送信を行う際に、当該第i番目
の校正担当者用に追加された未記入校正レイヤーを選択
し、原稿レイヤーおよび選択された未記入校正レイヤー
に関する情報を送信する処理を行うようにする。上述の
例の場合、校正作業用クライアントCbに対しては、原
稿レイヤーLaと未記入校正レイヤーLbに関するデー
タのみが選択的に送信され、校正作業用クライアントC
cに対しては、原稿レイヤーLaと未記入校正レイヤー
Lcに関するデータのみが選択的に送信され、校正作業
用クライアントCdに対しては、原稿レイヤーLaと未
記入校正レイヤーLdに関するデータのみが選択的に送
信されることになる。
【0035】一方、これらのデータを受信した各校正担
当者の処理は、§2で述べた手順と全く同じである。す
なわち、ステップS4において、原稿レイヤーと未記入
校正レイヤー(自分専用のもの)を受信し、ステップS
5における校正作業によって、校正レイヤーへの書き込
みを行い、ステップS6において記入済校正レイヤーを
送信する。ここでは、たとえば、企画部門の校正担当者
Bによって、図5に示すような校正指示が記入されたも
のとしよう。この場合、この校正担当者Bからは図6に
示すような記入済校正レイヤーLbが送信されてくるこ
とになる。また、生産部門の校正担当者Cが、図9に示
すような校正指示を記入したとすれば、図10に示すよ
うな記入済校正レイヤーLcが送信されてくることにな
り、デザイン部門の校正担当者Dが、図11に示すよう
な校正指示を記入したとすれば、図12に示すような記
入済校正レイヤーLdが送信されてくることになる。
【0036】続いて、校正管理者Aは、ステップS7に
おいて、記入済校正レイヤーの受信を行うが、このと
き、各校正管理者B,C,Dから、それぞれ図6,図1
0,図12に示すような記入済校正レイヤーLb,L
c,Ldを受信することになる。校正管理用クライアン
トCaには、任意のレイヤーを選択的に重畳表示させる
表示機能があるので、この機能を利用すれば、図5,図
9,図11に示すような各校正担当者ごとの校正指示を
画面に表示させることもできるし、これらをすべて同一
画面に重ねて表示させることもできる。
【0037】次に、「シリアルワークフロー」と呼ばれ
ている進め方を採った場合について、本発明に係る電子
校正システムにおける作業手順を説明しよう。この場
合、校正管理者Aは、まず、複数の校正担当者について
の校正作業の実行順位を決める必要がある。ここでは、
たとえば、校正担当者B→C→Dの順に校正作業を実行
する旨が決められたものとしよう。校正管理用クライア
ントCaには、複数の校正担当者についての校正作業の
実行順位を設定する実行順位設定機能を有しており、校
正管理者Aは、この機能を利用して、予め上記実行順位
をクライアントCaに設定する作業を行っておくことに
なる。その後は、図2に示す手順を各校正担当者の数だ
け繰り返し実行すればよい。
【0038】すなわち、まず、第1番目の校正担当者B
に対して、図2に示す手順を実行する。この場合、ステ
ップS2では、校正担当者B専用の校正レイヤーLbが
追加される。また、ステップS4〜S6の作業は、校正
担当者Bが校正作業用クライアントCbを用いて実行す
ることになり、ステップS7では、記入済校正レイヤー
Lbが受信されることになる。こうして、校正担当者B
による校正作業が完了したら、続いて、第2番目の校正
担当者Cによる校正作業が実行される。まず、ステップ
S2で、校正担当者C専用の校正レイヤーLcが追加さ
れ、校正担当者CによってステップS4〜S6の作業が
実行され、ステップS7では記入済校正レイヤーLcが
受信されることになる。最後に、第3番目の校正担当者
Dによる校正作業が同じようにして実行される。まず、
ステップS2で、校正担当者D専用の校正レイヤーLd
が追加され、校正担当者DによってステップS4〜S6
の作業が実行され、ステップS7では記入済校正レイヤ
ーLdが受信されることになる。
【0039】このような「シリアルワークフロー」型の
作業を円滑に行えるようにするためには、校正管理用ク
ライアントCaに以下のような特別な機能をもたせてお
くと便利である。第1の機能は、第i番目の校正担当者
からの記入済校正レイヤーに関するデータを受信したこ
とを条件として、第(i+1)番目の校正担当者に対す
る送信機能が実行されるようにする機能である。たとえ
ば、上述の例の場合、校正担当者Bからの記入済校正レ
イヤーLbが受信されるまでは、校正担当者C,Dに対
する送信機能は実行されないことになる。これは、校正
管理者Aが誤って上記条件外の送信を実行しようとした
場合には、エラーメッセージなどを表示して、当該送信
命令を拒絶するような仕組みにしておけばよい。
【0040】第2の機能は、第(i+1)番目の校正担
当者に対する送信機能を実行するときには、第(i+
1)番目の校正担当者用の未記入校正レイヤーに関する
データとともに、第i番目以前の校正担当者用の記入済
校正レイヤーに関するデータを送信する機能である。た
とえば、上述の例の場合、校正担当者Bからの記入済校
正レイヤーLbが受信され、続いて、校正担当者Cへの
送信を行う際に、原稿レイヤーLaと、校正担当者C専
用の未記入校正レイヤーLcの他に、記入済校正レイヤ
ーLbが送信されることになる。別言すれば、ステップ
S3では、原稿レイヤーLaと未記入校正レイヤーLc
だけでなく、更に、記入済校正レイヤーLbの送信が実
行されることになる。これに応じて、ステップS4で
は、これらのすべてのレイヤーが受信されることにな
る。校正作業用クライアントCcに、これらすべてのレ
イヤーを重畳表示させる機能をもたせておけば、校正担
当者Cは、画面上に図5に示すような表示をさせた状態
で、校正作業を行うことができる。すなわち、校正担当
者Bの校正指示を見ながら、自分自身の校正指示をこれ
に書き加えるという形で校正作業を進めることができ
る。
【0041】全く同様に、校正作業用クライアントCd
に対しては、原稿レイヤーLa,記入済校正レイヤーL
b,Lc,未記入校正レイヤーLdが送信されることに
なり、校正担当者Dは、校正担当者B,Cの校正指示を
見ながら、自分自身の校正指示をこれに書き加えるとい
う形で校正作業を進めることができる。もちろん、各校
正作業用クライアントCb,Cc,Cdから校正管理用
クライアントCaへ送信するデータは、それぞれ記入済
校正レイヤーLb,Lc,Ldのみのデータで足りる。
【0042】また、「シリアルワークフロー」型の作業
を行う別な手法として、第i番目の校正担当者による校
正が完了したら、原稿レイヤーと、第i番目以前の校正
担当者が記入した校正レイヤーとを、第i番目の校正担
当者から第(i+1)番目の校正担当者へ、直接転送す
る(校正管理者へ戻すことなしに転送する)方法を採る
ことも可能である。このような方法を採ると、図1の例
において、校正管理者Aから校正担当者Bへのデータ転
送が行われた後、校正担当者Bから校正担当者Cへのデ
ータ転送が行われ、校正担当者Cから校正管理者Aへの
データ転送が行われることになる。この場合、校正管理
者Aが、原稿レイヤーLaに、予め3人分の未記入校正
レイヤーLb,Lc,Ldを追加して送信するようにし
てもよいが、各校正作業用クライアントCb,Cc,C
d側にも未記入校正レイヤーを追加する機能を設けてお
けば、各校正担当者が自己の校正作業に必要な校正レイ
ヤーを作業前に追加する処理を行うことができる。
【0043】なお、このように複数の校正担当者によっ
てそれぞれ校正作業が行われる場合、各校正担当者の校
正指示内容に優先順位を決めておいた方が好ましい。特
に、前述した「ショットガンフロー」型の作業を行った
場合、同一の対象に対して、複数の校正担当者が異なる
校正指示を書き込んでしまうことが起こり得る。この場
合、校正管理者Aが原稿を訂正する際に、どの校正指示
内容を尊重して訂正を行えばよいかを容易に認識できた
方がよい。そこで、校正管理用クライアントCaにおけ
る校正レイヤー追加機能によって、複数の校正レイヤー
が追加された場合には、これら複数の校正レイヤーに対
して、校正指示内容の優先順位を設定する優先順位設定
機能をもたせておけば、たとえば、ステップS8の重畳
表示を行う際に、優先順位の高いレイヤーから、赤→黄
→緑といったような色別表示を行ってこれを区別するこ
とも可能になる。
【0044】§4.校正サーバの付加機能 上述したように、図1に示す実施形態では、校正サーバ
Sがファイルサーバとしての機能を有しており、この機
能を利用して、校正管理用クライアントCaおよび校正
作業用クライアントCb,Cc,Cdが相互にデータ転
送を行うことができる。このシステムでは、校正サーバ
Sに、更にデータベースサーバ機能およびWebサーバ
機能をもたせ、クライアントに対して付加的なサービス
を提供できるようにしている。
【0045】まず、データベースサーバ機能により、各
クライアント間で送受されたデータが、送受の履歴とと
もに校正サーバS内にデータベースとして保存されるよ
うにしている。たとえば、§3で述べた例の場合、原稿
レイヤーLaおよび校正レイヤーLb,Lc,Ldに関
するデータは、いずれも校正サーバSを介して送受され
ることになるので、これら各レイヤーに関するデータ
は、すべて校正サーバS内のデータベースに格納され
る。このとき、送受の履歴もデータベース内に格納され
るため、個々のデータが、どのクライアントからどのク
ライアントに、いつ転送されたか、という情報がデータ
ベースとして保存されることになる。このようにしてデ
ータベースに保存されている内容は、クライアントから
の要求に応じて提供される(実用上は、パスワードなど
の要求により、特定のアクセス権を有するクライアント
のみに提供されるようにするのが好ましい)。
【0046】一般に、商用印刷の校正作業では、各校正
担当者の責任の所在を明らかにしておくことが重要であ
る。上述のデータベースサーバ機能を利用すれば、どの
校正担当者が、いつ、どのような校正指示を与えたか、
という情報がすべて校正サーバS内に保存されているこ
とになるため、必要なときにはいつでも、このような情
報を確認することができる。
【0047】なお、校正サーバS内にデータベースとし
て保存された情報は、校正作業の進み具合を確認するた
めに利用することも可能である。そこで、このシステム
では、校正サーバSにWebサーバ機能を付加し、校正
作業の進み具合を示す進捗情報を作成してこれをWeb
データとして提供できるようにしている。これまで述べ
た実施形態では、発注会社Zが菓子メーカであり、新製
品の板チョコの外装パッケージの印刷原稿を校正する例
について説明したが、実際には、発注会社Zから様々な
外装パッケージの印刷依頼が同時進行の形でなされるの
が一般的であり、また、製作会社Yは、発注会社Z以外
の発注会社からの印刷依頼も受けるのが一般的である。
このような実情を考慮すると、個々のプロダクト(この
例の場合、特定の菓子の外装パッケージ)についての校
正作業の進捗状況が確認できると非常に便利である。
【0048】校正作業の進捗情報を具体的にどのような
形態で提示するか、という点は、個々のシステムの運用
状況に即して適宜決めるべき問題であるが、ここではい
くつかの例を示しておく。図13に示す例は、同一の発
注会社Zについてのプロダクトごとに、進捗情報を表形
式で提示した例である。各プロダクトごとに、重要度、
プロダクト名、校正開始日、校正期限、校正作業の進行
状況、校正回数などが一覧表示されている。これらの情
報の一部は、校正管理者Aが校正管理用クライアントC
aから入力すべき情報であるが、校正管理者Aが何ら入
力を行うことなしに、校正サーバSが自動的に取得でき
る情報もある。校正サーバSは、各クライアント間にお
けるデータの送受を監視することができるので、たとえ
ば、特定のプロダクトについての原稿レイヤーおよび校
正レイヤーが、校正管理者から校正担当者に転送された
日を校正開始日として自動認識したり、全校正担当者か
ら記入済校正レイヤーが校正管理者のもとに戻された時
点で校正完了と自動認識したりすることができる。図1
4に示す例は、特定のプロダクトについての詳細な進捗
情報の提示例である。この例では、「チョコレート『雪
の粒』」なるプロダクトについて、3人の校正担当者の
氏名、部門、進捗状況が表形式で示されている。
【0049】校正サーバSのWebサーバ機能によっ
て、図13あるいは図14に示すような表示画面を作成
し、これをWebデータ(たとえば、HTML形式のデ
ータ)として提供し、各クライアントにWebブラウザ
の機能をもたせておけば、これらの進捗情報を各クライ
アントにおいて閲覧することが可能になる。実用上は、
進捗情報を提示する各画面ごとにリンクを張るように
し、たとえば、図13に示す表示画面上で「チョコレー
ト『雪の粒』」なるプロダクト名をクリックすると、図
14に示すような詳細表示が現れるようにするのが好ま
しい。もちろん、ここに示す表示例以外にも種々の形態
で進捗情報の提示を行うことができ、たとえば、画面上
にカレンダーを表示し、このカレンダー上の各日程欄に
種々の進捗情報を表示させるようなことも可能である。
【0050】以上、本発明を図示する実施形態に基づい
て説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるもの
ではなく、この他にも種々の形態で実施可能である。実
用上は、図1に示す各クライアントCa〜Cdは、汎用
のパソコンを利用して構成されるのが一般的であり、本
発明に係るシステムに必要な機能は、このパソコン用の
ソフトウエアおよび校正サーバS用のソフトウエアとし
て提供されることになる。前述したように、校正レイヤ
ーに校正指示を書き込む機能をもったソフトウエアとし
ては、米アドビ社の「Acrobat ver. 4.0」などが既に市
販されており、本発明のシステムは、このような市販の
ソフトウエアに、本発明の動作に必要なソフトウエアを
プラグインの形式で追加することによっても実現可能で
ある。
【0051】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る電子校正シス
テムによれば、校正担当者との間でスムーズな連携をと
りながら校正作業を進めることができ、また、校正作業
の進捗状況を容易に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子校正システムの
基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電子校正システムを用いた基本的な
校正作業の手順を示す流れ図である。
【図3】本発明に係る電子校正システムによる校正対象
となる原稿の画像情報をもった原稿レイヤーLaの画面
表示図である。
【図4】原稿レイヤーLaと校正レイヤーLbとの関係
を示す概念図である。
【図5】図3に示す原稿レイヤーLaに重ねられた校正
レイヤーLbに対して校正指示を書き込む作業を示す画
面表示図である。
【図6】図5に示す画面表示が得られているときの校正
レイヤーLb単体の構成図である。
【図7】図5に示す校正指示に基づいて訂正が行われた
後の原稿を示す図である。
【図8】原稿レイヤーLaと、3枚の校正レイヤーL
b,Lc,Ldとの関係を示す概念図である。
【図9】図3に示す原稿レイヤーLaに重ねられた校正
レイヤーLcに対して校正指示を書き込む作業を示す画
面表示図である。
【図10】図9に示す画面表示が得られているときの校
正レイヤーLc単体の構成図である。
【図11】図3に示す原稿レイヤーLaに重ねられた校
正レイヤーLdに対して校正指示を書き込む作業を示す
画面表示図である。
【図12】図11に示す画面表示が得られているときの
校正レイヤーLd単体の構成図である。
【図13】本発明に係るシステムにおいてWebデータ
として提供される校正作業の進捗情報の一例を示す図で
ある。
【図14】本発明に係るシステムにおいてWebデータ
として提供される校正作業の進捗情報の別な一例を示す
図である。
【符号の説明】
A…校正管理者 B,C,D…校正担当者 Ca…校正管理用クライアントコンピュータ Cb,Cc,Cd…校正作業用クライアントコンピュー
タ La…原稿レイヤー Lb,Lc,Ld…校正レイヤー S…校正サーバコンピュータ X…校正システム提供会社 Y…製作会社 Z…発注会社

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 校正対象となる原稿をディスプレイの画
    面上に表示し、この画面上で校正作業を行うことができ
    る電子校正システムであって、 校正指示を書き込む作業を担当する校正担当者によって
    操作される校正作業用コンピュータと、前記校正担当者
    に対して校正依頼を行う校正管理者によって操作される
    校正管理用コンピュータと、をネットワークによって接
    続し、 前記校正管理用コンピュータには、少なくとも、原稿の
    画像情報からなる原稿レイヤーを準備する原稿レイヤー
    準備機能と、校正指示を書き込んでもらうための未記入
    校正レイヤーを追加する校正レイヤー追加機能と、前記
    原稿レイヤーおよび前記未記入校正レイヤーに関するデ
    ータを前記ネットワークを介して前記校正作業用コンピ
    ュータに送信する送信機能と、前記校正作業用コンピュ
    ータから前記ネットワークを介して送信されてきた記入
    済校正レイヤーに関するデータを受信する受信機能と、
    前記原稿レイヤーと前記記入済校正レイヤーとを同一画
    面上に重畳表示させる表示機能と、をもたせ、 前記校正作業用コンピュータには、少なくとも、前記校
    正管理用コンピュータから前記ネットワークを介して送
    信されてきた前記原稿レイヤーおよび前記未記入校正レ
    イヤーに関するデータを受信する受信機能と、前記未記
    入校正レイヤーに対して校正指示を書き込むことにより
    記入済校正レイヤーを作成する書込機能と、前記原稿レ
    イヤーと前記記入済校正レイヤーとを同一画面上に重畳
    表示させる表示機能と、前記記入済校正レイヤーに関す
    るデータを前記ネットワークを介して前記校正管理用コ
    ンピュータに送信する送信機能と、をもたせたことを特
    徴とする電子校正システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子校正システムにお
    いて、 複数の校正担当者のそれぞれについて校正作業用コンピ
    ュータを設置し、校正管理用コンピュータと複数台の校
    正作業用コンピュータとがネットワークによって接続さ
    れるように構成し、 校正管理用コンピュータにおける校正レイヤー追加機能
    によって、個々の校正担当者ごとにそれぞれ別個の校正
    レイヤーが追加されるようにしたことを特徴とする電子
    校正システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電子校正システムにお
    いて、 校正管理用コンピュータが、第i番目の校正担当者に対
    する送信機能を実行する際に、当該第i番目の校正担当
    者用に追加された未記入校正レイヤーを選択し、原稿レ
    イヤーおよび選択された未記入校正レイヤーに関する情
    報を送信することを特徴とする電子校正システム。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の電子校正システムにお
    いて、 校正管理用コンピュータが、複数の校正担当者について
    の校正作業の実行順位を設定する実行順位設定機能を有
    し、第i番目の校正担当者からの記入済校正レイヤーに
    関するデータを受信したことを条件として、第(i+
    1)番目の校正担当者に対する送信機能が実行されるよ
    うにし、かつ、前記送信機能の実行時には、第(i+
    1)番目の校正担当者用の未記入校正レイヤーに関する
    データとともに、第i番目以前の校正担当者用の記入済
    校正レイヤーに関するデータが送信されるようにしたこ
    とを特徴とする電子校正システム。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の電子校
    正システムにおいて、 校正管理用コンピュータにおける校正レイヤー追加機能
    によって、複数の校正レイヤーが追加された場合に、こ
    れら複数の校正レイヤーに対して、校正指示内容の優先
    順位を設定する優先順位設定機能を更にもたせたことを
    特徴とする電子校正システム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子校
    正システムにおいて、 校正管理用コンピュータおよび校正作業用コンピュータ
    をクライアントとする校正サーバを設置し、これらクラ
    イアントおよび校正サーバからなるネットワークシステ
    ムを用いてデータの送信および受信を行うようにしたこ
    とを特徴とする電子校正システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子校正システムにお
    いて、 校正サーバにファイルサーバとしての機能をもたせ、各
    クライアントの送信機能および受信機能を、ファイル転
    送プロトコルを用いた校正サーバに対するファイル転送
    処理により実現することを特徴とする電子校正システ
    ム。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の電子校正システムにお
    いて、 校正サーバにデータベースサーバ機能をもたせ、各クラ
    イアント間で送受されたデータを送受の履歴とともに校
    正サーバ内にデータベースとして保存し、要求があった
    場合に、前記データベースに保存されている内容をクラ
    イアントに提供できるようにしたことを特徴とする電子
    校正システム。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の電子校正システムにお
    いて、 校正サーバにWebサーバとしての機能をもたせるとと
    もに、各クライアント間におけるデータの送受を監視し
    て校正作業の進み具合を示す進捗情報を作成する機能を
    もたせ、作成した進捗情報をWebデータとして提供さ
    せるようにし、 クライアントにWebブラウザの機能をもたせ、前記進
    捗情報の閲覧を行えるようにしたことを特徴とする電子
    校正システム。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    校正システムの構成要素となる校正管理用コンピュー
    タ、校正作業用コンピュータ、もしくは校正サーバとし
    て、コンピュータを動作させるためのプログラムを記録
    したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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