JP2001187702A - チビサクラコガネ誘引剤 - Google Patents
チビサクラコガネ誘引剤Info
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Abstract
率よく誘引捕獲することにより、チビサクラコガネに対
する高感度で効率的な発生調査手段を提供するととも
に、安全且つ環境保全的な防除手段を提供すること 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (ここで、R1が低級アルコキシ基のとき、R2は水酸
基、低級アルコキシ基、低級アルケニルオキシ基、低級
アルコキシカルボニル基、低級アシル基を示し、R1が
アミノ基のとき、R2は水酸基、低級アルコキシ基、低
級アシル基を示す。)で示される化合物を1又は2以上
含んでなるチビサクラコガネ誘引剤。
Description
成虫に対し、優れた誘引性を示す誘引剤に関するもので
ある。
nfeldti Ohaus)は、幼虫が芝草など植物の根部を食害
する重要害虫である。この害虫の成虫は夜行性で且つ、
活発に飛翔移動するため、また幼虫は土壌中に生息する
ため、いずれについても殺虫剤を直接に接触処理するこ
とが難しく、薬剤による防除はきわめて困難である。す
なわち、従来からこの虫の防除には、幼虫を対象にした
ダイアジノン・MEP乳剤などの土壌灌注や、DEP粉剤・ダ
イアジノン粒剤などの土壌混和が用いられているが、こ
れらの薬剤は残効性が少なく防除効果を維持することが
困難であり、また土壌深くまで薬剤を浸透させるために
散布量も多くなることから環境上の問題が生じやすい。
なる誘引剤を用いた防除方法が研究されるようになり、
これまでに例えば、チビサクラコガネの誘引物質として
オイゲノール(eugenol)やゲラニオール(geraniol)(植
物防疫第38巻第9号9〜12ページ)や、性フェロモ
ンである2−E−ノネノール(2-(E)-nonenol、特許26
11174)の誘引効果が明らかにされており、これを
誘引剤として利用したトラップはすでに発生調査などで
利用されている。しかしながら、オイゲノールやゲラニ
オールを誘引剤として利用した場合、雌成虫に対して誘
引性が低く、その誘引効果は防除手段として利用するた
めには充分と言えるものではなかった。また、性フェロ
モンを誘引剤として利用した場合では、誘引効果は高い
ものの雄のみしか捕獲することができず、実際に大量捕
殺によって駆除を可能にするような、雌雄両者を効率よ
く捕獲できる誘引剤は開発されていなかった。
背景のもとになされたものであり、その目的とするとこ
ろは、チビサクラコガネの雌雄両成虫を特異的に効率よ
く誘引捕獲することにより、チビサクラコガネに対する
高感度で効率的な発生調査手段を提供するとともに、安
全且つ環境保全的な防除手段を提供することである。
を解決すべく、チビサクラコガネ雌雄両成虫に対して高
い誘引効果を持つ物質の検索を鋭意行った結果、新たに
極めて誘引効果の高い化合物群を見出した。本発明は、
かかる知見に基づいてなされたものである。即ち、本発
明は、一般式(I)
き、R2は水酸基、低級アルコキシ基、低級アルケニル
オキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル基
を示し、R1がアミノ基のとき、R2は水酸基、低級ア
ルコキシ基、低級アシル基を示す。)で示される化合物
を1又は2以上を含んでなるチビサクラコガネ誘引剤で
ある。
本発明のチビサクラコガネ誘引剤は、以下の一般式(I)
で示される化合物を含んでなるものである。
R2は水酸基、低級アルコキシ基、低級アルケニルオキ
シ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル基を示
し、R1がアミノ基のとき、R2は水酸基、低級アルコ
キシ基、低級アシル基を示す。「低級アルコキシ基」と
は、炭素数1〜4のアルコキシ基をいい、具体的には、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−
ブトキシ基、tert−ブトキシ基などを挙げることが
でき、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、i−プロポキシ基を挙げることができ、さら
に好ましくは、メトキシ基、n−プロポキシ基を挙げる
ことができ、その中でも特に好ましくはメトキシ基であ
る。
2〜4のアルケニルオキシ基をいい、具体的には、エテ
ニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニ
ルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキ
シ基、イソブテニルオキシ基などを挙げることができ、
好ましくはエテニルオキシ基、1−プロペニルオキシ
基、2−プロペニルオキシ基を挙げることができ、さら
に好ましくは、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニ
ルオキシ基を挙げることができる。なお、上記置換基の
場合は、シス位又はトランス位の構造式を有する場合も
あり、その場合、純粋なシス又はトランスの構造式のみ
の化合物、そのラセミ体の化合物、あるいはそられの組
合せ及び比率が任意である混合物が存在し、本発明は、
それらのいかなるものからなる化合物も包含する。
素数2〜5のアルコキシカルボニル基をいい、具体的に
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n
−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル
基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニ
ル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブト
キシカルボニル基などを挙げることができ、好ましく
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n
−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル
基を挙げることができ、さらに好ましくは、メトキシカ
ルボニル基、n−プロポキシカルボニル基を挙げること
ができる。
シル基をいい、具体的には、ホルミル基、アセチル基、
プロピオニル基、n−ブチリル基、i−ブチリル基など
を挙げることができ、好ましくは、ホルミル基、アセチ
ル基、プロピオニル基を挙げることができ、さらに好ま
しくは、ホルミル基、アセチル基を挙げることができ
る。
シ−2−メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼ
ン、1−エトキシ−2−メトキシベンゼン、1−メトキ
シ−2−プロポキシベンゼン、1−メトキシ−2−(2
−プロペニルオキシ)ベンゼン、1−アミノ−2−メト
キシベンゼン、2’−アミノアセトフェノン、2−メト
キシ安息香酸メチル、2−メトキシ安息香酸エチル、さ
らに好ましくは1,2−ジメトキシベンゼン、1−メト
キシ−2−(2−プロペニルオキシ)ベンゼン、1−ア
ミノ−2−メトキシベンゼン、2’−アミノアセトフェ
ノン、2−メトキシ安息香酸メチルなどを例示すること
ができる。その中でも特に好ましくは、1,2−ジメト
キシベンゼン、1−メトキシ−2−(2−プロペニルオ
キシ)ベンゼン、2’−アミノアセトフェノン等を例示
することができる。一般式(I)で示される化合物は、
香料素材や試薬として安価に入手可能であるか、あるい
はそれらの試薬から常法によって容易に合成することが
可能な物質である。
化合物を用いて通常誘引剤の調製に際し適用されている
製剤化技術を利用して行うことができる。例えば、これ
らの化合物をそのまま、或いはエーテル、エタノール等
の適切な溶媒の溶液とした後に、この溶液を適当な担
体、例えば、各種合成高分子体、ゴム等の担体に吸着さ
せたり、綿、不織布、紙、あるいはガラス繊維などの繊
維等に含浸させたり、さらに適当な高分子材料の成形物
に封入するなど、使用態様に応じた適切な形状の材料あ
るいは器具を用いて、実用的な形態の製剤とすることが
できる。一般式(I)で示される化合物は、単独で使用
してもよく、2種以上の化合物を任意に組み合わせて使
用してもよい。さらに、本発明の誘引剤と性フェロモン
とを組み合わせて使用することにより、性フェロモン単
独の場合に比べ、より高い誘引効果を得ることができ
る。有効成分の含有量は使用環境に応じて適宜定めるこ
とができるが、通常製剤あたり有効成分量を0.1gか
ら5g添加することが好ましい。また、この誘引剤に
は、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニ
ソール、α−トコフェノール等の適当な抗酸化剤を適量
加えてもよい。本発明の誘引剤は水盤式、滑落式、粘着
式等の任意の形態の捕虫器の誘引源として利用すること
が可能であるほか、接触毒作用を有するダイアジノン等
の殺虫剤を塗布した木片、樹脂片等に含浸させ、誘引捕
殺に利用することも可能である。次に実施例を示し、本
発明についてさらに具体的に説明する。
シベンゼン、1−エトキシ−2−ハイドロキシベンゼ
ン、1,2−ジメトキシベンゼン、1−エトキシ−2−
メトキシベンゼン、1−メトキシ−2−プロポキシベン
ゼン、1−メトキシ−2−(2−プロペニルオキシ)ベ
ンゼン、1−アミノ−2−メトキシベンゼン、1−アミ
ノ−2−エトキシベンゼン、2’−アミノアセトフェノ
ン、2−メトキシ安息香酸メチル、2−メトキシ安息香
酸エチルの11化合物について、各1gを4gのポリエ
チレン・酢酸ビニル共重合体ペレットに含浸・吸着さ
せ、これをプラスチックボトルに詰めて11種の誘引剤
とした。誘引剤を乾式の滑落式トラップ(商品名:ウイ
ンズパック、日本たばこ産業株式会社製)に装着し、新
潟県中頸城郡の洋芝ナーサリーに高さ30cm、10m
間隔で設置した。なお対照として、同様に調製したオイ
ゲノール(0.5g)とゲラニオール(0.5g)混合
製剤トラップと、誘引剤なしのトラップを同様に設置し
た。試験は、平成11年7月1日〜5日に実施した。毎
日捕虫数を調査し、その際トラップ位置のローテーショ
ンを行った。5日間の総捕虫数の結果を雌雄別に表1に
示した。
ン、1−アミノ−2−メトキシベンゼン各1g、また両
化合物0.5gずつの混合物を、それぞれ4gのポリエ
チレン・酢酸ビニル共重合体ペレットに含浸・吸着さ
せ、これをプラスチックボトルに詰めて3種の誘引剤と
した。さらにチビサクラコガネの性フェロモン(2−
(E)−ノネノール)5mg製剤を組み合わせ、乾式の滑
落式トラップ(商品名:ウインズパック、日本たばこ産
業株式会社製)に装着し、新潟県中頸城郡の洋芝ナーサ
リーに高さ30cm、10m間隔で設置した。なお対照
として、同様に調製したオイゲノール(0.5g)とゲ
ラニオール(0.5g)混合製剤と性フェロモン剤を組
み合わせたトラップ、性フェロモン剤のみのトラップ、
誘引剤なしのトラップを同様に設置した。試験は、平成
11年7月6日〜10日に実施した。毎日捕虫数を調査
し、その際トラップ位置のローテーションを行った。5
日間の総捕虫数の結果を雌雄別に表2に示した。
かなように、本発明に係わる誘引剤は、チビサクラコガ
ネ雌雄両成虫に対し高い誘引性を示すことが明らかにな
った。また、一般式(I)で示される化合物と性フェロ
モンとを併用すると、各々単独で用いた場合に比べて、
誘引作用が著しく高められ、雌雄いずれに対してもその
捕虫数の増加効果が認められた。
チビサクラコガネを効率よく捕獲することができ、その
利用によって、発生調査において、より高感度で効率的
に調査を行うことが可能となる。また、本発明の誘引剤
を大量捕殺用トラップの誘引源とする事によって、従来
の農薬による防除が困難であったチビサクラコガネの安
全且つ環境保全的な防除が可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (ここで、R1が低級アルコキシ基のとき、R2は水酸
基、低級アルコキシ基、低級アルケニルオキシ基、低級
アルコキシカルボニル基、低級アシル基を示し、R1が
アミノ基のとき、R2は水酸基、低級アルコキシ基、低
級アシル基を示す。)で示される化合物を1又は2以上
含んでなるチビサクラコガネ誘引剤。 - 【請求項2】 1−ハイドロキシ−2−メトキシベンゼ
ン、1,2−ジメトキシベンゼン、1−エトキシ−2−
メトキシベンゼン、1−メトキシ−2−プロポキシベン
ゼン、1−メトキシ−2−(2−プロペニルオキシ)ベ
ンゼン、1−アミノ−2−メトキシベンゼン、2’−ア
ミノアセトフェノン、2−メトキシ安息香酸メチル、2
−メトキシ安息香酸エチルから選ばれる化合物を1又は
2以上含んでなる請求項1記載のチビサクラコガネ誘引
剤。 - 【請求項3】 1−ハイドロキシ−2−メトキシベンゼ
ン、1,2−ジメトキシベンゼン、1−エトキシ−2−
メトキシベンゼン、1−メトキシ−2−プロポキシベン
ゼン、1−メトキシ−2−(2−プロペニルオキシ)ベ
ンゼン、2’−アミノアセトフェノンから選ばれる化合
物を1又は2以上含んでなる請求項1記載のチビサクラ
コガネ誘引剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP37515099A JP4365967B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | チビサクラコガネ誘引剤 |
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---|---|---|---|
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JP4365967B2 JP4365967B2 (ja) | 2009-11-18 |
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ID=18505059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37515099A Expired - Fee Related JP4365967B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | チビサクラコガネ誘引剤 |
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---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100160451A1 (en) * | 2008-11-19 | 2010-06-24 | Simon Fraser University | METHODS AND COMPOSITIONS FOR CONTROL OF CABBAGE LOOPER, Trichoplusia ni |
US20100297059A1 (en) * | 2008-11-19 | 2010-11-25 | Simon Fraser University | Methods and compositions for control of gypsy moths, lymanria dispar |
US20130045178A1 (en) * | 2008-11-19 | 2013-02-21 | Erika Plettner | METHODS AND COMPOSITIONS FOR CONTROL OF GYPSY MOTH, Lymantria dispar |
US9125406B2 (en) | 2008-11-19 | 2015-09-08 | Simon Fraser University | Methods and compositions for control of cabbage looper, trichoplusia ni |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP37515099A patent/JP4365967B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
US20100160451A1 (en) * | 2008-11-19 | 2010-06-24 | Simon Fraser University | METHODS AND COMPOSITIONS FOR CONTROL OF CABBAGE LOOPER, Trichoplusia ni |
US20100297059A1 (en) * | 2008-11-19 | 2010-11-25 | Simon Fraser University | Methods and compositions for control of gypsy moths, lymanria dispar |
US20130045178A1 (en) * | 2008-11-19 | 2013-02-21 | Erika Plettner | METHODS AND COMPOSITIONS FOR CONTROL OF GYPSY MOTH, Lymantria dispar |
US9125406B2 (en) | 2008-11-19 | 2015-09-08 | Simon Fraser University | Methods and compositions for control of cabbage looper, trichoplusia ni |
US9497963B2 (en) * | 2008-11-19 | 2016-11-22 | Simon Fraser University | Methods and compositions for control of gypsy moth, Lymantria dispar |
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---|---|
JP4365967B2 (ja) | 2009-11-18 |
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