JP2001183525A - 楕円偏光板の製造方法 - Google Patents

楕円偏光板の製造方法

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JP2001183525A
JP2001183525A JP36537899A JP36537899A JP2001183525A JP 2001183525 A JP2001183525 A JP 2001183525A JP 36537899 A JP36537899 A JP 36537899A JP 36537899 A JP36537899 A JP 36537899A JP 2001183525 A JP2001183525 A JP 2001183525A
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crystal polymer
polarizing plate
polymer layer
film
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Toshihiro Ichizuka
敏博 市塚
Hiroyasu Ishikawa
博康 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層構造が簡略化されながら剥離等の欠点のな
い液晶表示装置用に適する楕円偏光板の製造方法を提供
する。 【解決手段】 偏光素子と剥離可能な基板上に形成され
た液晶高分子層を粘接着層を介して連続的に貼合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置の表
示性能を高めるために使用される楕円偏光板の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄型軽量、低消費電力
という利点を有するが、例えばSTN型液晶表示装置に
おいては完全な白黒表示が達成されていない、TN型液
晶表示装置においては、視野角特性が不十分であるな
ど、表示性能の優れた液晶表示装置は未だ実現されてい
ないのが現状である。液晶表示装置の表示性能を改善す
るための手段はいくつか提案されているが、その一つに
液晶表示装置の偏光板と液晶セルの間に位相差フィルム
を配置する方法がある。この方法は、偏光板に位相差フ
ィルムを貼り合わせて楕円偏光板とするだけで、液晶表
示装置の製造工程を大幅に変更することなしに簡便に実
施できるという利点を有する。しかし、位相差フィルム
とそれを貼り合わせるための粘接着層の分だけ厚みが増
し、楕円偏光板の製造工程でロールに巻き取る際に、1
ロールあたりの巻き取り量が少なくなり生産性が悪くな
るという問題や、最終製品の液晶パネルの厚みが増すと
いう問題がある。
【0003】また、異種の複数の層から構成されるため
各層の熱や湿度による伸縮挙動の違いにより、偏光板と
位相差フィルムの界面が高温または高湿条件下で剥がれ
る等の不具合が生じる場合があった。従来、位相差フィ
ルムとしてはポリカーボネート等を一軸延伸配向させた
高分子フィルムを用いるものがほとんどであり、長尺フ
ィルム形態におけるそれらの配向軸は通常延伸方向すな
わちMD方向に限られている。一方、偏光板もポリビニ
ルアルコール等の一軸延伸フィルムを使用しているた
め、長尺フィルム形態における吸収軸は通常MD方向に
限られている。従って、偏光板と位相差フィルムを長尺
フィルム形態から連続的に貼り合わせて楕円偏光板を製
造する場合、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの配向軸
が平行の特殊な場合に限られていた。平行以外の軸配置
にするためには、長尺フィルムからシート状に切り出し
て貼り合わせる必要があり、工程が煩雑で生産性が悪い
という問題もあった。さらに、延伸配向させた位相差フ
ィルムでは、高分子の配向を自在にコントロールするこ
とが困難であり光学特性の自由度に制限があった。以上
のように、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの配向軸が
様々な軸配置を有し光学性能に優れた楕円偏光板への要
求に対して、十分に対応することができなかった。
【0004】特開平4−57017号公報および特開平
6−242317号公報においては、液晶性高分子を配
向固定化させた光学異方素子が提案されている。このよ
うな液晶性高分子を用いた場合、配向軸角度が任意に設
定できるため、長尺フィルム形態から連続的に貼り合わ
せて種々の楕円偏光板が製造可能である。しかし前述の
ように、楕円偏光板の厚みが増し、偏光板と光学異方素
子の界面が高温または高湿条件下で剥がれる等の不具合
が生じる場合があった。特開平8−278491号公報
には剥離可能な基板上に転写された液晶高分子層につい
て記述されている。この方法によって層構成を簡略化で
き総膜厚も薄くできる可能性があるが、光学性能、品質
および高温、高湿条件下での耐久性に優れた楕円偏光板
が得られない場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、楕円
偏光板の層構造を簡略化することによって、厚みが抑え
られ、高温、高湿条件下においても剥がれなどの不具合
が生じることがなく、さらには位相差フィルムの光学軸
角度を偏光板の吸収軸に対して任意に設定して、長尺フ
ィルム形態から連続的にかつ、液晶高分子層に損傷を与
えないで貼り合わせが可能な楕円偏光板の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、偏光素子と剥離可能な基板上に形成された液晶高分
子層を粘接着層を介して貼り合わせられることを特徴と
する楕円偏光板の製造方法にある。本発明の第2は、剥
離可能な基板上に形成された液晶高分子層の表面が透光
性オーバーコート層で保護されている上記の方法にあ
る。本発明の第3は、透光性オーバーコート層がアクリ
ル系樹脂からなることを特徴とする上記の方法にある。
本発明の第4は、液晶高分子層が光学的に正の一軸性を
示す液晶分子からなることを特徴とする上記の方法にあ
る。本発明の第5は、液晶高分子層の両側表面のいずれ
か一方の表面付近における液晶高分子の配向方向が、M
D方向と平行でないことを特徴とする上記の方法にあ
る。本発明の第6は、剥離可能な基板上に形成された液
晶高分子層が長尺フィルム形態であり貼り合わせが連続
的に行われることを特徴とする上記の方法にある。本発
明の第7は、液晶セルの少なくとも片側の面に上記のい
ずれかに記載の方法で製造された楕円偏光板が配置され
ていることを特徴とする液晶表示装置にある。
【0007】本発明では、再剥離可能な基板上に担持さ
れた液晶高分子層を偏光素子に転写することによって楕
円偏光板を製造する。支持フィルム上に液晶高分子層が
形成された光学異方素子を偏光板に貼り合わせるよりも
楕円偏光板を構成する層数を減らすことができる。その
結果として、熱あるいは湿度による各層の収縮ひずみの
影響が小さくなり、貼り合わせた界面での剥がれ等の不
具合をなくすことが可能となる。ただし、液晶高分子層
をそのままの形で損傷なく偏光素子に転写することは難
しい。本発明では、液晶高分子層の表面に透光性オーバ
ーコート層(保護層)を設けることでその問題点を解決
し、全体として、前記した本発明の目的を効果的に達成
することが可能となった。
【0008】本発明の好ましい実施態様について、以下
に詳しく説明する。本発明の楕円偏光板に使用される光
学異方素子の液晶高分子層は、例えば、配向処理基板上
で配向させた液晶高分子をガラス転移温度(Tg)以下
に冷却し、配向を固定化することによって得られる。そ
のような液晶高分子としては、溶融時に液晶性を示すサ
ーモトロピック液晶ポリマーが用いられる。使用される
サーモトロピック液晶ポリマーは、溶融状態(液晶状
態)からTg以下に冷却しても液晶相の分子配列状態が
保持されることが必要である。
【0009】液晶高分子の溶融時の液晶相は、スメクチ
ック、ネマチック、ねじれネマチック、コレステリック
などのいずれの分子配列構造であってもよく、配向基板
付近及び空気界面付近ではそれぞれホモジニアス配向及
びホメオトロピック配向状態であり、液晶高分子の平均
のダイレクターがフィルムの法線方向から傾斜している
いわゆるハイブリッド配向であってもよい。
【0010】液晶高分子としては、例えばポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミ
ドなどの主鎖にメソゲンを有する液晶ポリマー、あるい
はポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネ
ート、ポリシロキサンなどの側鎖にメソゲンを有する液
晶ポリマーなどを例示することができる。ポリエステル
としてはオルソ置換芳香族単位を構成成分として含むポ
リマーが最も好ましいが、オルソ置換芳香族単位の代わ
りにかさ高い置換基を有する芳香族単位を構成成分とし
て含むポリマーも使用することができる。液晶高分子鎖
中に光学活性な単位を導入するか、光学活性な化合物を
ブレンドすることによって、ねじれネマチック配向させ
ることができる。
【0011】またオリゴマーや低分子化合物であって
も、架橋性基の導入あるいは適宜な架橋剤のブレンドに
よって、液晶状態あるいは液晶転移温度以下に冷却して
配向固定化された状態で、熱架橋あるいは光架橋等の手
段により高分子化できるものも液晶高分子に含まれる。
また、ディスコチック液晶化合物であっても問題なく使
用することができる。液晶高分子は通常、光学的に正ま
たは負の一軸性を示すものが用いられる。それらの光学
特性は、光学異方素子に要求される機能によって適宜選
択されるが、ねじれネマチック配向した液晶高分子層の
場合は、正の一軸性を示す液晶高分子が好適に用いられ
る。
【0012】液晶高分子のTgは、配向固定化後の配向
安定性に影響を及ぼすため、室温以上であることが好ま
しく、さらに50℃以上であることが好ましい。Tg
は、液晶高分子に用いられるモノマーの種類、モノマー
比、重合条件等によって調節できるが、前記のような架
橋手段によっても調節が可能である。
【0013】液晶高分子を配向させるための配向基板と
しては、例えばポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂などの熱硬化性樹脂、ナイロンなどのポリアミド;
ポリエーテルイミド;ポリエーテルケトン;ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK);ポリケトン;ポリエー
テルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリフ
ェニレンオキサイド;ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリア
セタール;ポリカーボネート;ポリ(メタ)アクリレー
ト;ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂で例示さ
れる高分子フィルムを使用することができる。また、高
分子フィルムの表面に前記例示の他の樹脂からなる有機
薄膜を形成してもよい。前記高分子フィルムは、ラビン
グ処理などの配向処理が施されて配向基板に供せられ
る。
【0014】上記のように、配向基板上に液晶高分子を
配向させるには通常ラビング処理が施される。以下、ラ
ビング処理について、長尺フィルム形態で楕円偏光板を
作製する場合で説明する。ラビング処理は、長尺の配向
基板のMD方向に対して所定の任意の角度で行うことが
できる。MD方向に対するラビング方向の角度は、楕円
偏光板の機能に応じて適宜設定されるが、色補償板とし
ての機能が要求される場合は、通常、MD方向に対して
斜め方向にラビングされるのが好ましい。斜め方向の角
度としては、−45度〜+45度の範囲が好ましい。
【0015】ラビング処理は任意の方法で行うことがで
きるが、例えば、長尺フィルムをMD方向に搬送するス
テージ上に、長尺フィルムのMD方向に対して任意の角
度でラビングロールを配置し、該フィルムをMD方向に
搬送しながら該ラビングロールを回転させ、該フィルム
表面をラビング処理する。ラビングロールとステージの
移動方向が成す角度は自在に調整し得る機構であり、ラ
ビングロールの表面には、適宜のラビング布材が貼付し
てある。
【0016】次に、液晶高分子を配向基板のラビング処
理面に接触させて液晶高分子層を形成する方法として
は、例えば、液晶高分子を適宜の溶剤に溶解させ塗布・
乾燥させる方法、あるいは、Tダイなどにより直接液晶
高分子を溶融押し出しする方法などが挙げられる。膜厚
の均一性などの点からは、溶液塗布して乾燥する方法が
適当である。液晶高分子溶液の塗布方法としては、特に
限定されず、例えばダイコート法、スロットダイコート
法、スライドダイコート法、ロールコート法、バーコー
ト法、浸漬引き上げ法などを採用することができる。
【0017】塗布後、適宜な乾燥方法により溶剤を除去
して未配向の液晶高分子層が形成される。次いで、所定
温度で所定時間加熱して液晶高分子を配向させた後、T
g以下に冷却することにより配向が固定化された液晶高
分子層を形成することができる。液晶高分子層の膜厚
は、楕円偏光板の機能が発揮される範囲であれば特に制
限はなく、約0.05μm〜100μm、好ましくは約
0.1μm〜30μmが適当である。以上のようにして
液晶高分子層は製造されるが、特開平6−242317
号公報、特開平10−339813号公報等に記載され
ている公知の方法により製造することができる。
【0018】配向基板フィルム上に形成された液晶高分
子層は次に剥離可能な基板に転写される。この方法は、
適宜の接着剤により液晶高分子層を剥離可能な基板に移
行させる方法である。この接着剤層としては、光学的に
等方なものであり、硬化後に液晶高分子層と剥離可能な
基板両方に接着力を有し、かつ、液晶高分子層側に別の
基板を貼合した場合、貼合後においても剥離可能な基板
を剥離することができれば特に限定されない。かかる接
着剤としては光硬化型、電子線硬化型、熱硬化型の接着
剤を挙げることができるが、なかでも光硬化型アクリル
系接着剤が好ましい。硬化した後の接着剤層は、液晶高
分子層を保護するためのオーバーコート層としても機能
する。
【0019】本発明において用いられる剥離可能な基板
としては、剥離性を有し、自己支持性を具備する基板で
あれば特に限定されないが、通常、プラスチックフィル
ムが用いられる。本発明でいう剥離性とは、接着剤を介
し液晶性高分子層と基板を接着した状態において、適度
な接着力を保持しており、かつ、基板を剥離しようとす
る際には硬化した接着剤層と基板との界面で剥離できる
ことをいう。本発明で用いられる剥離可能な基板フィル
ムとしては、接着剤(硬化後)との界面での剥離強度
(180°剥離試験、剥離速度30cm/分)の値とし
て、通常0.5〜80N/25mm、好ましくは2〜5
0N/25mmの剥離強度のものが挙げられる。剥離可
能な基板として好適なプラスチックフィルムとしては、
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、4−メチ
ルペンテン−1樹脂等のオレフィン系樹脂、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルスルホン、ポリケトンサルファイド、
ポリスルホン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレー
ト、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリビニルア
ルコール、セルロース系プラスチックス等が挙げられ
る。
【0020】これらのプラスチックフィルムそれ自身を
用いてもよいし、適度な剥離性を持たせるためにこれら
のプラスチックフィルムの表面に、シリコーンをコート
したもの、有機薄膜または無機薄膜を形成したもの、化
学的処理を施したもの、コロナ放電処理などのような物
理的処理を施したものを用いることができる。本発明で
は、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネートおよびこ
れらのフィルム表面をシリコーン処理またはコロナ放電
処理したプラスチックフィルムが、接着剤と適度な接着
性および剥離性を兼ね備えていることから望ましい。以
上のようにして液晶高分子層は剥離可能な基板上に転写
されるが、特開平8−278491号公報等に記載され
た方法により実施することができる。
【0021】偏光素子と剥離可能な基板上に形成され、
表面が透光性オーバーコート層で保護された液晶高分子
層とは、アクリル系、SBR系、あるいはシリコン系に
よって代表される粘着剤または接着剤によって貼り合わ
され、本発明の楕円偏光板が得られる。液晶高分子層の
表面を保護するために、光硬化型、電子線硬化型または
熱硬化型のアクリル系樹脂からなる透光性オーバーコー
ト層が設けられる。透光性オーバーコート層を設けるこ
となく楕円偏光板の製造に供すれば、液晶高分子層が損
傷を受け、光学性能および品質に優れた楕円偏光板が得
られないことがある。液晶高分子層が架橋等による方法
で形成されている場合は、透光性オーバーコート層を設
ける必要がない場合もある。偏光素子はその両面を三酢
酸セルロースフィルムで保護された形態で供給されても
よいし、偏光素子と液晶高分子層を直接貼り合わせた後
に、剥離可能な基板フィルムを取り除き、しかる後に三
酢酸セルロースフィルムで偏光素子側および液晶高分子
層側の両側を保護してもよい。いずれの場合でも偏光素
子と貼合後の適宜な時点で剥離可能な基板フィルムは除
かれ楕円偏光板とすることができる。偏光素子として
は、延伸したPVAフィルムなどの基材に沃素や2色性
色素などの偏光要素を吸着させたものが一般的に用いら
れる。
【0022】上記の偏光素子および剥離可能な基板上に
形成された液晶高分子層は、長尺フィルム形態でそれぞ
れMD方向に揃えた状態で、連続的に重ね合わせて積層
することができるが、液晶高分子層は長尺フィルム形態
でも任意の方向に配向角度を設定できるため、偏光素子
の吸収軸(MD方向)と液晶高分子層の両側表面付近の
どちらか一方における配向軸を所定の角度で積層するこ
とができる。本発明の楕円偏光板を液晶セルに配置する
場合には、楕円偏光板の液晶高分子層を偏光素子層と液
晶セルの間に配置することが必要である。本発明におけ
る楕円偏光板は、いわゆる円偏光板や直線偏光板といわ
れるものも含まれる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。 液晶高分子溶液の調製1: (I)式で示した混合ポリマー(ベースポリマーの対数
粘度=0.21、Tg=60℃、光学活性ポリマーの対
数粘度=0.18)を含む20wt%のN−メチルピロリ
ドン溶液を調製した。
【0024】
【化1】
【0025】液晶高分子溶液の調製2: (II) 式で示した側鎖型アクリル重合体の10wt%塩化
メチレン溶液を調製した。
【0026】
【化2】
【0027】液晶高分子溶液の調製3: (III)式で示した液晶性ポリエステル(対数粘度=0.
16、Tg=100℃)の7wt%のクロロホルム溶液を
調製した。
【0028】
【化3】
【0029】実施例1(楕円偏光板Aの作製):650
mm幅、厚み100μmの長尺のPEEKフィルムを搬
送しながら、レーヨン布を巻き付けた150mmφのラ
ビングロールを斜めに設定し、高速で回転させることに
より連続的にラビングを行い、ラビング角度45°の配
向基板フィルムを得た。ここで、ラビング角度はラビン
グ面を上からみたときにMD方向から時計回り方向の角
度とする。液晶高分子溶液の調製例1で得られた溶液
を、前記配向基板フィルム上に、ダイコーターを用いて
連続的に塗布・乾燥し、未配向の液晶高分子層を形成し
た後、200℃×10分間加熱処理をして液晶高分子を
配向させ、次いで室温に冷却して配向を固定化した。こ
の液晶高分子は、ねじれネマチック配向しており、ねじ
れ角は−230°、Δndは0.84μmであった。P
EEKフィルム上の液晶高分子層に紫外線硬化型アクリ
ル系接着剤を塗布し、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムと貼り合わせた後に硬化させ、PEEK
フィルムを剥離して液晶高分子層をPETフィルム上に
転写した。次いで、液晶高分子層の表面に同じアクリル
系接着剤を塗布し、PETフィルムと貼り合わせた後に
硬化させ、PETフィルム(剥離可能な基板)/硬化ア
クリル系接着剤層(透光性オーバーコート層)/液晶高
分子層/硬化アクリル系接着剤層(透光性オーバーコー
ト層)/PETフィルム(剥離可能な基板)からなる積
層フィルムAを得た。
【0030】延伸したポリビニルアルコールに沃素を吸
着させた偏光素子の両側に、アクリル系接着剤を用い
て、厚さ80μmの鹸化した三酢酸セルロース(TA
C)フィルムを貼り合わせて作製された偏光板と上記の
積層フィルムAとをその片側のPETフィルムを連続的
に剥がしながら、アクリル系粘着剤を介して連続的に貼
合して楕円偏光板Aを作製した。この楕円偏光板の総膜
厚は約200μmであった。この楕円偏光板Aを光学検
査したところ液晶高分子層にシミや傷などの損傷は見ら
れなかった。この楕円偏光板Aから液晶高分子層側のP
ETフィルムを剥がし、アクリル系粘着剤を介してガラ
ス板に貼り付けて試験片とした。この試験片を80℃ド
ライの恒温槽と60℃90%RHの恒温恒湿槽に入れ、
それぞれ500時間経過後に取り出して観察したとこ
ろ、両条件とも剥がれや泡の発生などの異常は一切認め
られなかった。
【0031】実施例2(楕円偏光板Bの作製):650
mm幅、厚み80μmの長尺のPPSフィルムを実施例
1と同様にラビング処理をしてラビング角度45°の配
向基板フィルムを得た。液晶高分子溶液の調製例2で調
製した溶液を、前記配向基板フィルムに塗布し、乾燥後
加熱配向処理をして液晶高分子層を配向固定化した。こ
の液晶高分子層はネマチック配向しており、Δndは
0.8μmであった。以下、実施例1と同様な操作によ
り積層フィルムBを作製し、さらに楕円偏光板Bを作製
した。
【0032】この楕円偏光板の総膜厚は約200μmで
あった。この楕円偏光板Bを光学検査したところ液晶高
分子層にシミや傷などの損傷は見られなかった。この楕
円偏光板Bから液晶高分子層側のPETフィルムを剥が
し、アクリル系粘着剤を介してガラス板に貼り付けて試
験片とした。この試験片を80℃ドライの恒温槽と60
℃90%RHの恒温恒湿槽に入れ、それぞれ500時間
経過後に取り出して観察したところ、両条件とも剥がれ
や泡の発生などの異常は一切認められなかった。
【0033】実施例3(楕円偏光板Cの作製):650
mm幅、厚み100μmの長尺のPEEKフィルムを搬
送しながら、レーヨン布を巻き付けた150mmφのラ
ビングロールの回転方向とMD方向が平行になるように
設定し、高速で回転させることにより連続的にラビング
を行い、配向基板フィルムを得た。液晶高分子溶液の調
製例3で得られた溶液を、前記配向基板フィルム上に、
ダイコーターを用いて塗布した後乾燥し、230℃×1
0分間加熱処理をして液晶高分子を配向させ、次いで固
定化した。膜厚0.6μm、膜厚方向の平均チルト角が
35°のネマチックハイブリッド配向をしていることが
確かめられた。以下、実施例1と同様な操作により積層
フィルムCを作製し、さらに楕円偏光板Cを作製した。
【0034】この楕円偏光板の総膜厚は約200μmで
あった。この楕円偏光板Cを光学検査したところ液晶高
分子層にシミや傷などの損傷は見られなかった。この楕
円偏光板Cから液晶高分子層側のPETフィルムを剥が
し、アクリル系粘着剤を介してガラス板に貼り付けて試
験片とした。この試験片を80℃ドライの恒温槽と60
℃90%RHの恒温恒湿槽に入れ、それぞれ500時間
経過後に取り出して観察したところ、両条件とも剥がれ
や泡の発生などの異常は一切認められなかった。
【0035】実施例4:この楕円偏光板Cを用いて液晶
表示装置を作製した。楕円偏光板Cは液晶高分子層側を
駆動用液晶セルに近接するようにその両側に配置し、液
晶高分子層のラビング方向と液晶セルの隣接する液晶の
配向角が90°となるように配置した。駆動用液晶セル
は、液晶材料としてZLI−4792を用い、セルパラ
メータはセルギャップ4.8μm、ねじれ角90°(左
ねじれ)、プレチルト角4°であった。この液晶表示装
置の視野角特性は液晶高分子層のない場合に比べて広い
特性を示した。
【0036】
【比較例】比較例1(楕円偏光板Dの作製):実施例1
で得られたPEEKフィルム上に形成された液晶高分子
層に、実施例1に準拠して紫外線硬化型アクリル系接着
剤塗布し、厚さ80μmの鹸化していないTACフィル
ムと貼り合わせた後に硬化させた。次いで、PEEKフ
ィルムを剥いで液晶高分子層をTACフィルム上に転写
した。表面保護のために同じアクリル系接着剤を液晶高
分子層側に塗布しPETフィルムと貼り合わせて、PE
T/硬化アクリル系接着層/液晶高分子層/硬化アクリ
ル系接着層/TACなる構成の積層フィルムを得た。こ
の積層フィルムからPETフィルムを連続的に剥がしな
がら、実施例1の偏光板にアクリル系粘着剤を介して連
続的に貼合して楕円偏光板Dを作製した。この楕円偏光
板の総膜厚は約300μmと厚いものであった。この楕
円偏光板Dの液晶高分子層側にアクリル系粘着剤を塗布
しガラス板に貼り付けて試験片とした。実施例1、2と
同様の試験を行ったところ、500時間経過後に60℃
90%RH条件下の試験片に0.4mmの剥がれが認め
られた。
【0037】比較例2(楕円偏光板Eの作製):実施例
1で得られたPETフィルム上に転写された液晶高分子
層の表面に透光性オーバーコート層を形成することな
く、実施例1の偏光板にアクリル系粘着剤を介して連続
的に貼合して楕円偏光板Eを作製した。この楕円偏光板
Eの光学検査を行ったところ、液晶高分子層の損傷によ
ると思われるシミや傷が多数発生していた。この楕円偏
光板Eの液晶高分子層側にアクリル系粘着剤を塗布しガ
ラス板に貼り付けて試験片とした。実施例1、2と同様
の試験を行ったところ、500時間経過後に80℃ドラ
イ条件下の試験片に細かいしわと割れが認められた。
【0038】
【発明の効果】本発明の楕円偏光板は構成するラミネー
ト層の数が少ないために、総膜厚が薄くなり、フィルム
の取扱い性に優れ、1回の貼り合わせ操作でより長いフ
ィルムを処理することが出来る。さらに層構造が簡略化
されているために、促進耐久性試験において界面で剥が
れや泡の発生がない利点がある。貼り合わせ工程におい
て、長尺フィルムの状態で貼合することができるため
に、従来法より貼合工程が合理化でき、液晶高分子層の
損傷もない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光素子と剥離可能な基板上に形成され
    た液晶高分子層を粘接着層を介して貼り合わせられるこ
    とを特徴とする楕円偏光板の製造方法。
  2. 【請求項2】 剥離可能な基板上に形成された液晶高分
    子層の表面が透光性オーバーコート層で保護されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 透光性オーバーコート層がアクリル系樹
    脂からなることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 液晶高分子層が光学的に正の一軸性を示
    す液晶分子からなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 液晶高分子層の両側表面のいずれか一方
    の表面付近における液晶高分子の配向方向が、MD方向
    と平行でないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 剥離可能な基板上に形成された液晶高分
    子層が長尺フィルム形態であり貼り合わせが連続的に行
    われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 液晶セルの少なくとも片側の面に請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の方法で製造された楕円偏
    光板が配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
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