JP2022051789A - 液晶パネルの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶パネルの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子保護フィルムとして薄くても耐透湿性、寸法安定性、機械的強度に優れたポリエステルを用いながら、視認性に優れ(虹斑の抑制)、高い生産性を有する、薄型化出来る液晶表示装置に用いられる液晶パネルの製造方法を提供することにある。また、本発明は、前記液晶パネルの製造方法に用いる偏光板、及び前記偏光板を用いた液晶表示装置を提供することにある。【解決手段】長尺状の光源側偏光板を所定の大きさに切断する工程、長尺状の視認側偏光板を所定の大きさに切断する工程、および液晶セルに光源側偏光板及び視認側偏光板を貼り合わせる工程を含む液晶パネルの製造方法であって、長尺状の光源側偏光板および長尺状の視認側偏光板のいずれか又は両方が下記の(1)~(5)の特性を有する液晶パネルの製造方法。(1)ポリエステル基材フィルム上に偏光子を有し、ポリエステル基材フィルムの進相軸と偏光子の透過軸方向とのなす角度が10度以下である。(2)ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率が1.53~1.62である。(3)ポリエステル基材フィルムの厚みが90μm以下である。(4)ポリエステル基材フィルムのNz係数が1.40~2.5である。(5)ポリエステル基材フィルムの長手方向と90度の方向と前記基材フィルムの進相軸とがなす角が、10°以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、薄型の液晶表示装置に用いられる液晶パネルの製造方法に関する。更に詳しくは、液晶ディスプレイの偏光板の保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合であっても着色や虹斑の生じず、薄型化が可能な液晶パネルの製造方法に関する。さらに、液晶パネルの製造方法に用いる偏光板、及び前記偏光板を用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置には偏光板が用いられており、偏光板の偏光子保護フィルとして面内リタデーションが3000~30000nmのポリエステルフィルムが提案されている(例えば特許文献参照)。しかし、ポリエステルフィルムに十分な面内リタデーションを与えるためにはフィルムを厚くする必要があり、近年の液晶表示装置の薄型化には不利なものであった。
一方、トリアセチルセルロース(TAC)やアクリルなどの面内リタデーションが低い偏光子保護フィルムではリタデーションによる着色や虹斑の問題は生じないが、フィルムを薄くした場合には、TACであれば透湿量が多くなることによる偏光子の劣化や寸法安定性、製造プロセスでも吸湿による寸法安定性、機械的強度の不足などの問題があり、アクリルの場合では割れやすく取り扱い性に劣るといった問題があった。
薄型の液晶表示装置に対応する偏光板として片面のみに保護フィルムを設けた偏光板(特開平10-186133号)や、保護フィルムとなる基材フィルムに二色性有機色素を塗布した偏光板(特開2013-156665、特開2015-16502)が提案されているが、これらの保護フィルムとしてもTACやアクリルには上記の問題点があった。
特開2012-256057号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、偏光子保護フィルムとして薄くても耐透湿性、寸法安定性、機械的強度に優れたポリエステルを用いながら、視認性に優れ(虹斑の抑制)、高い生産性を有する、薄型化出来る液晶表示装置に用いられる液晶パネルの製造方法を提供することにある。また、本発明は、前記液晶パネルの製造方法に用いる偏光板、及び前記偏光板を用いた液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。
すなわち、代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
長尺状の光源側偏光板を所定の大きさに切断する工程、
長尺状の視認側偏光板を所定の大きさに切断する工程、および
液晶セルに光源側偏光板及び視認側偏光板を貼り合わせる工程
を含む液晶パネルの製造方法であって、
長尺状の光源側偏光板および長尺状の視認側偏光板のいずれか又は両方が下記の(1)~(3)の特性を有する液晶パネルの製造方法。
(1)ポリエステル基材フィルム上に偏光子を有し、ポリエステル基材フィルムの進相軸と偏光子の透過軸方向とのなす角度が10度以下である、
(2)ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率が1.53~1.62である、および
(3)ポリエステル基材フィルムの厚みが90μm以下である
項2.
前記ポリエステル基材フィルムの進相軸が、ポリエステル基材フィルムの長手方向と略垂直の関係にある、項1に記載の液晶パネルの製造方法。
項3.
前記ポリエステル基材フィルムのリタデーションが1500~10000nmである、項1または2に記載の液晶パネルの製造方法。
項4.
前記視認側偏光板が、2000~5000nmのリタデーションを有するポリエステル基材フィルムを有する、項1~3のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
項5.
前記視認側偏光板が、厚みが20~60μmのポリエステル基材フィルムを有する、項1~4のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
項6.
前記光源側偏光板が、厚みが30~90μmのポリエステル基材フィルムを有する、項1~5のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
項7.
前記偏光子と前記液晶セルとの間に塗工層のみ有する、項1~6のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
項8.
偏光子と偏光子の少なくとも一方に偏光子保護フィルムとして下記特性を有するポリエステル基材フィルムが設けられた偏光板。
(1)ポリエステル基材フィルムの進相軸と偏光子の透過軸方向とのなす角度が10度以下である、
(2)ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率が1.53~1.62である、および、
(3)ポリエステル基材フィルムの厚みが90μm以下である
項9.
偏光板が長尺状であり、ポリエステル基材フィルムの進相軸がポリエステル基材フィルムの長手方向と略垂直の関係にある、項8に記載の偏光板。
項10.
バックライト光源、液晶セル、液晶セルの視認側及び光源側に偏光板を有する液晶表示装置であって、視認側偏光板、光源側偏光板の少なくとも一方が、請求項8に記載された偏光板、又は請求項9に記載された長尺状の偏光板から切断されたものである、液晶表示装置。
本発明によれば、偏光子保護フィルムとして薄くても耐透湿性、寸法安定性、機械的強度に優れたポリエステルを用いながら、視認性に優れ(虹斑の抑制)、高い生産性を有する、薄型化出来る液晶表示装置に用いられる液晶パネルの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、前記液晶パネルの製造方法に用いる偏光板、及び前記偏光板を用いた液晶表示装置を提供することができる。
まず、本発明に用いられる偏光板に関して説明する。
偏光板はポリエステル基材フィルム上に二色性色素が配向した偏光子を有し、偏光子の透過軸方向がポリエステル基材フィルムの進相軸方向と略平行となっている。なお、以下ポリエステル基材フィルムを単に基材フィルムと称することがある。
(ポリエステル基材フィルム)
ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率(nx)は、1.53以上1.62以下の範囲になるよう低く調節することが好ましい。これにより、ポリエステル基材フィルムの厚みを薄くした場合であっても虹斑を抑制することが可能である。虹斑を抑制するメカニズムの詳細は不明であるが、偏光子の透過軸方向での空気層と基材フィルムとの界面の反射が抑制されたり、偏光子の二色性色素が分子内に芳香環を有する色素である場合には二色性色素の芳香環の配向方向と基材フィルムの芳香環の配列方向が近くなり、この界面における反射が抑制されたりするためと思われる。屈折率が1.62を超えると、斜め方向から観察した際に虹状の色斑が生じることがある。好ましくは1.61以下であり、より好ましくは1.60以下であり、さらに好ましくは1.59以下であり、よりさらに好ましくは1.58以下である。
一方、屈折率の下限値は1.53である。屈折率が1.53未満になると、基材フィルムの結晶化が不十分となり、寸法安定性、力学強度、耐薬品性等の延伸により得られる特性が不十分となることから好ましくない。好ましくは1.54以上、より好ましくは1.55以上、さらに好ましくは1.56以上、よりさらに好ましくは1.57以上である。
偏光板は、偏光子の透過軸と基材フィルムの進相軸(遅相軸と垂直方向)とが略平行であることが好ましい。ここで略平行であるとは、偏光子の透過軸と基材フィルムの進相軸とがなす角が、好ましくは10°以下、より好ましくは7°以下、さらに好ましく5°以下、よりさらに好ましくは3°以下、一層好ましくは2°以下、特に好ましくは1°以下であることを意味する。進相軸、遅相軸の方向は、分子配向計(例えば、王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)で測定して求めることができる。
基材フィルムの進相軸方向の屈折率(nx)と遅相軸方向の屈折率(ny)との差は0.05~0.2であることが好ましい。0.05未満であると、基材フィルムの進相軸方向の屈折率を規定の範囲内にすることが困難となる場合がある。0.2を超えると、基材フィルムが遅相軸方向に裂けやすくなり、取り扱いが困難になる場合がある。進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率との差の下限は0.06がより好ましく、0.07がさらに好ましく、0.08が特に好ましい。進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率との差の上限は0.17がより好ましく、0.15がさらに好ましく、0.13が特に好ましい。
また、基材フィルムは1500~10000nmのリタデーション(Re、以下単にリタデーションという場合は面内リタデーションを意味する)を有することが好ましい。好ましいリタデーションの下限値は2000nm、次に好ましい下限値は2500nm、より好ましい下限値は3000nm、更に好ましい下限値は3500nm、より更に好ましい下限値は4000nmである。バックライト光源の種類にもよるが、リタデーションが低すぎる場合には、虹斑が現れることがある。好ましい上限は8000nmであり、さらに好ましい上限は7000nmであり、さらに好ましい上限は6000nm、特に好ましい上限は5500nmであり、最も好ましい上限は5000nmである。これ以上のリタデーションを有する基材フィルムでは厚みが大きくなり、薄型液晶表示装置に用いるには不適である。
なかでも、光源側の偏光板の場合には基材フィルムの面内リタデーションは下限値が2500nmであることが好ましく、より好ましい下限値は3000nmであり、更により好ましい下限値は3500nmであり、特に好ましい下限値は4000nmである。上限は上述の通りである。
視認側の偏光板の場合には基材フィルムの面内リタデーションの上限は6000nmであることが好ましく、より好ましい上限は5500nmであり、更に好ましい上限は5000nmである。下限は上述の通りである。
なお、面内リタデーションは、基材フィルム上の直交する2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることもできるし、KOBRA-21ADH(王子計測機器株式会社)といった市販の自動複屈折測定装置を用いて求めることもできる。なお、屈折率は、アッベの屈折率計(測定波長589nm)によって求めることができる。
基材フィルムの面内リタデーションと厚さ方向のリタデーション(Rth)との比(Re/Rth)は、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上である。上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、観察角度による虹状の色斑の発生が生じ難くなる傾向にある。完全な1軸性(1軸対称)フィルムでは上記面内リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)は2.0となることから、上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)の上限は2.0が好ましい。なお、厚さ方向位相差は、フィルムを厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz、△Nyzにそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られる位相差の平均を意味する。
基材フィルムの厚みは15~90μmの範囲が好ましい。より好ましくは20~80μmの範囲である。15μmを下回る厚みのフィルムでも、原理的には1500nm以上のリタデーションを得ることは可能である。しかし、その場合にはフィルムの力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下する。厚みの下限はより好ましくは20μmであり、更に好ましくは25μmであり、特に好ましくは30μmであり、最も好ましくは35μmである。一方、ポリエステル基材フィルムの厚みの上限は90μmを超えると薄型化の主旨にそぐわなくなり好ましくない。厚み上限はより好ましくは80μmであり、さらに好ましくは70μmであり、特に好ましくは60μmであり、最も好ましくは50μmである。
なかでも、光源側の偏光板の場合には基材フィルムの厚みは下限値が30μmであることが好ましく、より好ましい下限値は35μmであり、更に好ましい下限値は40μmである。上限は上述の通りである。
視認側の偏光板の場合には基材フィルムの厚みの上限は60μmであることが好ましく、より好ましい上限は50μmであり、更に好ましい上限は45μmである。下限は上述の通りである。
基材フィルムに用いられるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることができるが、他の共重合成分を含んでも構わない。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れており、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。特に、ポリエチレンテレフタレートは固有複屈折が大きく、フィルムを延伸することで進相軸(遅相軸方向と垂直)方向の屈折率を低く抑えることができること、及びフィルムの厚みが薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られることから、最も好適な素材である。
また、偏光子に用いられる二色性色素の劣化を抑制することを目的として、ポリエステル基材フィルムは、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。なお、透過率は、フィルムの平面に対して垂直方向に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U-3500型)を用いて測定することができる。
基材フィルムの波長380nmの透過率を20%以下にするためには、紫外線吸収剤の種類、濃度、及びフィルムの厚みを適宜調節することが望ましい。本発明で使用される紫外線吸収剤は公知の物質である。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、環状イミノエステル系等、及びその組み合わせが挙げられるが上述した吸光度の範囲であれば特に限定されない。しかし、耐久性の観点からはベンゾトリアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい。2種以上の紫外線吸収剤を併用した場合には、別々の波長の紫外線を同時に吸収させることができるので、より紫外線吸収効果を改善することができる。
また、紫外線吸収剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、触媒以外の各種の添加剤を含有させることも好ましい様態である。添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためにはポリエステル基材フィルムに実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
基材フィルムは、|ny-nz|/|ny-nx|で表されるNz係数が2.5以下であることが好ましい。Nz係数は次のようにして求めることができる。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)を用いてフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向とこれに直交する方向の二軸の屈折率(ny、nx、但しny>nx)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッべ屈折率計(アタゴ社製、NAR-4T、測定波長589nm)によって求める。こうして求めたnx、ny、nzを、|ny-nz|/|ny-nx|で表される式に代入して、Nz係数を求めることができる。なお、nzはポリエステル基材フィルムの面と垂直方向の屈折率である。
基材フィルムのNz係数が2.5を超えると、液晶表示装置を斜め方向から観察した際に、角度によっては虹斑が生じる場合がある。Nz係数はより好ましくは2.4以下、さらに好ましくは2.3以下である。Nz係数の下限値は、1.20である。これは、1.20未満のフィルムを得ることは製造技術的に難しいためである。また、フィルムの機械的強度を保つためには、Nz係数の下限値は1.30以上が好ましく、より好ましくは1.40以上、さらに好ましくは1.45以上、さらにより好ましくは1.50以上である。
基材フィルムは(nx+ny)/2-nzで表される面配向度を特定値以下にすることが好ましい。ここで、nx、ny及びnzの値は、Nz係数と同様の方法で求められる。ポリエステル基材フィルムの面配向度は0.150以下が好ましく、より好ましくは0.140以下、さらの好ましくは0.135以下である。面配向度が0.150を超えると、液晶表示装置を斜め方向から観察した場合に角度によって虹斑が観察される場合がある。面配向度が0.080未満では、フィルム厚みが変動し、リタデーションの値がフィルム面内で不均一となる場合がある。
基材フィルムは延伸することにより、所定の面内リタデーションを付与することができる。延伸は特性が得られる限り、一軸延伸でも二軸延伸でも良い。
基材フィルムは長尺状のフィルムとして準備される。基材フィルムの進相軸は基材フィルムの長手方向であっても長手方向と直交する方向であっても良いが、本発明では、基材フィルムの進相軸が基材フィルムの長手方向と略垂直であることが好ましい形態である。略垂直であるとは、基材フィルムの長手方向と90度の方向(すなわち基材フィルムの幅方向)と基材フィルムの進相軸とがなす角が、好ましくは10°以下、より好ましくは7°以下、さらに好ましく5°以下、よりさらに好ましくは3°以下、一層好ましくは2°以下、特に好ましくは1°以下であることを意味する。
一般的な延伸したポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素を吸着させた偏光子は、長手方向に対して垂直方向に透過軸を持つため、基材フィルムも進相軸を基材フィルムの長手方向と略垂直にすることで、ロールツーロールでの貼り合わせが可能となる。また、基材フィルムの進相軸を基材フィルムの長手方向とした場合では、基材フィルムの分子が長手方向とは垂直になり、偏光子との貼り合わせ工程、液晶セルとの貼り合わせ工程等で強い張力や曲げる力がかかる場合に破断し易く安定生産し難くなり、特に基材フィルムを薄くした場合に破断が顕著になり、さらに、偏光子を薄くした場合には偏光子の長手方向の強度が低くなるために上記破断の問題が起こりやすくなるが、基材フィルムの進相軸を基材フィルムの長手方向と略垂直にすることで、これらの問題が起こりにくくなる。
基材フィルムの進相軸が基材フィルムの長手方向と略垂直とするためには、長尺状の基材フィルムを製造する際に長手方向に延伸する。長手方向の延伸方法として速度の異なるロール間での延伸方法を例にして具体的に説明する。
溶融したPETを冷却ロール上に押し出して得られた未延伸原反を低速ロールに導きその後高速ロールに導くことで低速ロール-高速ロール間で延伸される。低速ロールは予備加熱として複数の加熱ロールでフィルムを加熱することが好ましい。低速ロール-高速ロール間に赤外線ヒーターを設けてフィルムを加熱しても良い。
延伸温度は80~130℃が好ましく、特に好ましくは90~120℃である。延伸倍率は3.0倍~7.5倍が好ましく、より好ましくは3.5倍~7.0倍、さらに好ましくは4.0倍~7.0倍である。延伸は2段又は3段以上の多段階で行っても良い。
延伸されたフィルムは引き続き熱処理を行う。熱処理温度は100~250℃が好ましく、特に好ましくは180~245℃である。熱処理はロールで行っても良いし、乾燥機の様な設備内で温風を用いて行っても良い。
また、熱処理工程で緩和処理を行っても良い。緩和処理は0.5~10%が好ましく、より好ましくは1~7%、さらに好ましくは2~5%である。緩和処理を行うことで、基材フィルムの熱収縮率を低下させることができる。緩和処理はロールの速度差で行うことができる。
なお、長手方向の延伸の前に、テンター内で横方向に1.05~2.8倍の弱い延伸を加えても良い。
上記は、ロールによる延伸方法を説明したが、未延伸原反をテンターに導き、同時二軸延伸機を用いて長手方向に延伸しても良い。
基材フィルムの熱収縮率は全方向において5%以下であることが好ましい。基材フィルムの全方向における熱収縮率は以下のようにして測定される。
基材フィルムを一辺21cmの正方形状に切り出し、23℃、65%RHの雰囲気で2時間以上放置する。この基材フィルム上にその中央を中心とする直径80mmの円を描き、二次元画像測定機(例えば、MITUTOYO製QUICK IMAGE)を使用して、フィルムの流れ方向を0度として5度間隔で直径を測定する。ここで、フィルム流れ方向を0度として、テンター内でフィルムを上面から見た際に時計回り(右回り)を正の角度、反時計回り(左回り)を負の角度とする。-90度~85度の範囲で測定すれば全方位についての直径が測定できる。
次いで、基材フィルムを85℃で30分間、水中で加熱処理した後、フィルム表面に付着した水分を拭き取り、風乾してから23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置する。その後、上記と同様に円の直径を5度間隔で測定する。熱処理前の直径をLo、熱処理後の同方向の直径をLとし、下記の式に従って、各方向の熱収縮率が求められる。
熱収縮率(%)=((Lo- L) / Lo)×100
上記の測定方法で求められる熱収縮率は、その最大値が5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらにより好ましくは1%以下、最も好ましくは0.7%以下である。熱収縮率の下限は特に制限されないが、例えば0.01%以上である。
熱収縮率を下げるためには基材フィルムをオフラインでアニール処理する方法が挙げられる。インラインであれば、熱処理時にクリップ幅を狭めて緩和させる、クリップ開放後巻き取り前に緩和させながら加熱してアニールする等の方法が挙げられる。
(易接着層)
基材フィルムには配向層や偏光子との密着性を向上させるため、易接着層(易接着層P1)が設けられていても良い。
易接着層に用いられる樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などが用いられ、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。易接着層は架橋されていることが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ樹脂、オキサゾリン化合物等が挙げられる。
易接着層はこれら樹脂と必要により架橋剤、粒子等を添加した水系塗料として基材フィルムに塗布・乾燥して設けることができる。粒子としては上述の基材に用いられるものが例示される。
易接着層は、延伸済みの基材にオフラインで設けても良いが、製膜工程中にインラインで設けることが好ましい。インラインで設ける場合は、ロール延伸前に易接着コート液を塗工後、乾燥機に導いて加熱乾燥させた後、ロールにより延伸する。テンター内で同時二軸延伸機で延伸する場合やロール延伸でも乾燥機内で加熱する場合には、易接着コート液を塗工後、乾燥を延伸の際の加熱工程で行っても良い。
易接着層の塗工量は0.01~1.0g/mが好ましく、さらには0.03~0.5g/mが好ましい。
(機能性層)
基材フィルムの偏光子とは反対側には、ハードコート層、反射防止層、低反射層、防眩層、帯電防止層などの機能性層が設けられていることも好ましい形態である。
機能性層を設ける場合、基材との間に易接着層(易接着層P2)を設けても良い。易接着層P2は上述の易接着層P1で挙げた樹脂、架橋剤などが好適に用いられる。また、易接着層P1と易接着層P2は同じ組成であっても異なった組成であっても良い。
易接着層P2もまたインラインで設けることが好ましい。易接着層P1と易接着層P2は順次塗工、乾燥させても良いが、両面同時塗工することも好ましい形態である。
なお、以下の説明において基材フィルムという場合は、易接着層を設けていないものだけでなく設けたものも含まれる。同様に、機能層を設けたものも基材フィルムに含まれる。
(偏光子)
本発明で用いられる偏光子は、PVAにヨウ素に代表される二色性色素を吸着させたフィルム、液晶化合物と二色性色素を塗工することで得られたものなど制限なく用いることができる。中でもPVAにヨウ素を吸着させたものが好ましい。PVAにヨウ素を吸着させた偏光子は、一般的にはPVAの未延伸フィルムをヨウ素を含有する浴に浸漬した後に一軸延伸するか、一軸延伸したフィルムをヨウ素を含有する浴に浸漬し、その後ホウ酸浴で架橋処理して得られる。
偏光子の厚みは、1~30μmが好ましく、より好ましくは1.5~20μmである。さらに好ましくは2~15μmである。1μm未満であると、十分な偏光特性が出せない場合や薄すぎて取り扱いが困難になる場合がある。30μmを超えると、薄型の目的に合致しない。
(偏光板の作成)
偏光板は基材フィルムに偏光子を積層させて得られる。積層方法は、PVAにヨウ素を吸着させた偏光子であれば基材フィルムと偏光子を貼り合わせて製造することが好ましい方法である。貼り合わせるための接着剤としては、従来から用いられているものを制限なく使用することができる。なかでも、PVA系の水性接着剤、紫外線硬化型接着剤などが好ましい例であり、特には紫外線硬化型接着剤が好ましい。
PVAにヨウ素を吸着させた偏光子は偏光子単体としてのフィルムを用いても良いが、支持基材と積層された基材積層偏光子を用いて、ポリエステル基材フィルムに偏光子を転写する方法も好ましい方法である。この基材積層偏光子は偏光子の厚みを10μm以下にしても支持基材があるために取り扱いが容易であり、さらに8μm以下や6μm以下の薄型の偏光子をポリエステル基材フィルムに容易に積層させることができる。
この技術は特開2001-350021号公報、特開2009-93074号公報など多く紹介されている。
具体的な例を挙げると、まず、未延伸又は長手方向とは垂直に一軸延伸された熱可塑性樹脂の支持基材にPVAを塗布し、その後PVAを塗布した熱可塑性樹脂の支持基材とPVAの積層体を長手方向に2~20倍、好ましくは3~15倍に延伸する。延伸温度は好ましくは80~180℃、さらに好ましくは100~160℃である。引き続き延伸された積層体を二色性色素を含有する浴に浸漬し二色性色素を吸着させる。二色性色素としては、例えば、ヨウ素や有機染料等があげられる。ヨウ素を用いる場合は、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液が好ましい。引き続きホウ酸の水溶液に浸漬して処理を行い、水洗後、乾燥させる。なお、二色性色素の吸着前に予備延伸として1.5~3倍の延伸を行っても良い。なお、上記は一例であり、延伸前に二色性色素の吸着を行っても良く、二色性色素の吸着前にホウ酸での処理を行っても良く。二色性色素を含有する浴内やホウ酸水溶液の浴中で延伸しても良い。また、これらの工程を多段階に分けて組み合わせて行っても良い。
熱可塑性樹脂の支持基材としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタンなどが用いられる。熱可塑性樹脂の支持基材には、易接着処理や易剥離処理を行っても良い。
ポリエステル基材フィルムに基材積層偏光子の偏光子面を接着剤で貼り合わせ、その後、支持基材を剥離することで、偏光板が得られる。
この様にして得られた、ポリエステル基材フィルムと偏光子との積層体は偏光板として用いることができる。
また、偏光子のポリエステル基材フィルムとは反対面に別途保護層や位相差層を設けることも好ましい形態である。
保護層はトリアセチルセルロース、アクリル、環状ポリオレフィンなどの樹脂フィルムが挙げられ、これらは接着剤で貼り合わせることができる。また、塗工により保護層を設けることもできる。塗工による保護層は、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系など各種のものを用いることが出来る。また、光硬化型、熱硬化型など、適宜選択できる。
位相差層としては、トリアセチルセルロース、アクリル、環状ポリオレフィンなどの樹脂フィルムを延伸配向させたもの、これらの基材に液晶化合物を塗工したものなどが挙げられ、これらは接着剤で貼り合わせることができる。
また、偏光子の上に塗工型位相差層を設けることもできる。塗工型位相差層とは位相差層自体は塗工により形成された位相差層であり、単体として独立した状態にはならないものである。位相差層を設ける方法としては、偏光子上に位相差性の化合物を塗工する方法、別途離型性のある基材上に位相差層を設け、これを偏光子上に転写する方法が挙げられる。位相差層としては液晶化合物からなる位相差層であることが好ましい。液晶化合物としては、棒状の液晶化合物、平板状の液晶化合物等目的に合わせて用いられ、ポリマー状や反応性の官能基を持つものであっても良い。偏光子上に位相差性の化合物を塗工する方法では、偏光子にラビング処理を行うか、偏光子に別途配向層を設けて配向制御力を持たせた上で液晶化合物を塗工することが好ましい。配向層はポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリイミドおよびその誘導体、アクリル樹脂、ポリシロキサン誘導体などが好ましく用いられ、配向層にラビング処理を行う。
配向層は光配向層であっても良い。光配向層とは、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む塗工液を基材フィルムに塗布し、偏光、好ましくは偏光紫外線を照射することによって配向規制力を付与した配向膜のことをいう。
シンナモイル基及びカルコン基など光二量化反応を起こしうる光反応性基を有するポリイミド、ポリアミド、(メタ)アクリル、ポリエステル等が具体的な光配向層の樹脂として挙げられる。
具体的な配向層としては、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特開2002-229039号公報、特開2002-265541号公報、特開2002-317013号公報、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報、特開2013-33248号公報、特開2015-7702号公報、特開2015-129210号公報に記載の配向層が挙げられる。
また、偏光子上に位相差層を設ける方法としては、別途離型性基材上に塗工型位相差層を設けこれを偏光子上に転写する方法があり、偏光子が位相差層を設ける際の溶媒等に影響を受けないと言う面で好ましい方法である。
離型性基材上に塗工型位相差層を設ける方法としては、離型性のある基材にラビング処理を行うか、上述したような配向層を設けて配向制御力を持たせた上で液晶化合物を塗工することが好ましい。この様にして得られた転写型の位相差層を偏光子に接着剤又は粘着剤を用いて貼り合わせた後、離型性基材を剥離する。
これらの方法、位相差層の例としては、特開2008-149577号公報、特開2002-303722号公報、WO2006/100830号公報、特開2015-64418号公報等を参考とすることができる。
なお、これらの位相差層は液晶セルのタイプに合わせて好適な特性のものを選択することができる。
偏光板を液晶セルに貼り合わせる場合には、一般的に粘着剤が用いられる。
粘着層としては、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、オレフィン系、シリコーン系などの粘着剤が制限なく用いられ、中でもアクリル系の粘着剤が好ましい。粘着剤は対象物例えば偏光板の偏光子面に塗布してもかまわないが、基材レスの光学用透明粘着剤(離型フィルム/粘着剤層/離型フィルム)の片面の離型フィルムを剥離後、偏光子面に貼り合わせて設ける方法が好ましい。接着剤としては、紫外線硬化型やウレタン系、エポキシ系のものが好ましく用いられる。
本発明では、偏光子と液晶セルの間に塗工層のみが存在していることが好ましい実施形態である。これは、偏光子と液晶セルとの間には、単体として独立した状態のフィルムが存在しないと言うことである。具体的には、偏光子と液晶セルの間には、接着剤層、粘着剤層、保護コート層、塗工型位相差層の任意の組合せのみが存在すると言うことである。このような構成により、液晶表示装置を薄型化出来る。
偏光子-液晶セル間の具体的な好ましい積層例としては下記が挙げられる。
偏光子/粘着剤層/液晶セル
偏光子/保護コート層/粘着剤層/液晶セル
偏光子/塗工型位相差層/粘着剤層/液晶セル
偏光子/粘着剤層/塗工型位相差層/粘着剤層/液晶セル
偏光子/保護コート層/塗工型位相差層/粘着剤層/液晶セル
偏光子/保護コート層/粘着剤層/塗工型位相差層/粘着剤層/液晶セル
なお、上記で粘着剤層は接着剤層であっても良い。
また、本明細書ではポリエステル基材フィルムと偏光子の積層体だけでなく、偏光子の上に粘着層、接着剤層、保護層、位相差層が積層されたものを含めて偏光板と称することがある。
本発明では、偏光板は長尺状の物を準備する。長尺状の偏光板はロール状に巻き取られていることが好ましい。長尺状偏光板の長さとしては、生産性の面から、100m以上であることが好ましく、さらに好ましくは300m以上、特に好ましくは500m以上である。長さの上限は取り扱いできる限り特に限定はしないが、現実的には10000m以下が好ましい。
長尺状の偏光板の幅は液晶セルの大きさに合わせて準備する。液晶表示装置は長方形であることが多い。偏光板の透過軸を液晶セルの長辺と垂直又は平行に配置させる場合には、光源側と視認側では幅の異なる長尺状の偏光板を準備することが好ましい。この場合、それぞれの幅は、対象となる液晶セルの長辺と短辺に合わせた幅にする。また、偏光板の透過軸を液晶セルに対して略45度の斜め方向に設置する場合は、光源側と視認側では同じ幅の長尺状偏光板を準備することが好ましい。
予め、予定の偏光板の幅より広めにスリットした長尺状のポリエステル基材フィルムを準備して、偏光子や他の層を積層後、所定の幅にスリットすることが好ましい。
(液晶パネルの製造)
液晶セルと偏光板を貼り合わせて液晶パネルを製造する。
液晶パネルの製造方法としては、長尺状の光源側偏光板を所定の大きさに切断する工程、長尺状の視認側偏光板を所定の大きさに切断する工程、および、液晶セルに光源側偏光板及び視認側偏光板を貼り合わせる工程が含まれる。これらの工程の順序は問わない。すなわち、長尺状の偏光板を所定の大きさに切断した後に液晶セルに貼り合せても良いし、先に液晶セルに長尺状の偏光板を貼り合せた後に所定のサイズに切断してよいし、又は、切断と貼り合せをほぼ同時に行ってもよい。
長尺状の光源側偏光板および偏光板のうちいずれか又は両方が、下記の(1)~(3)の要件を満たすことが好ましい。
(1)ポリエステル基材フィルム上に偏光子を有し、ポリエステル基材フィルムの進相軸(遅相軸と垂直方向)と偏光子の透過軸方向とのなす角度が10度以下である、
(2)ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率が1.53~1.62である、および
(3)ポリエステル基材フィルムの厚みが90μm以下である。
なお、長尺状の光源側偏光板と長尺状の視認側偏光板は、同一のものであってもよいし、異なったものであってもよい。
光源側の偏光板と視認側の偏光板の両方にセットで上述の特性(1)~(3)を満たす偏光板を用いる場合、光源側偏光板の基材フィルムの厚みは視認側偏光板の基材フィルムの厚みと同じか、より厚いことが好ましい。
片方の長尺状の偏光板のみが上記(1)~(3)の要件を満たす偏光板である場合、他方の偏光板は、例えば公知の偏光板を用いてもよい。
また、他方の偏光板としては、ポリエステル基材フィルム上に偏光子を有し、ポリエステル基材フィルムの進相軸(遅相軸と垂直方向)と偏光子の透過軸方向とのなす角度が80~90度であり、さらに上記(2)、(3)の条件を満たすものであることも好ましい。この場合、ポリエステル基材フィルムの進相軸が、ポリエステル基材フィルムの長手方向と略平行の関係にあることが好ましい。このような偏光板は保護フィルムとして用いるポリエステル基材フィルムを主に幅方向に延伸されたものを用いることによって得られる。
長尺状の偏光板から枚葉偏光板を切り出し、液晶セルに貼り合わせる工程としては代表的に以下の方法が挙げられる。
(1)長尺状の偏光板を予め切断しておいて枚葉偏光板を複数準備する工程、これらを液晶セルと貼り合わせる工程、と分けて貼り合わせる。
(2)一連の貼り合わせ工程の中で、ロール状に巻かれた長尺状の偏光板から偏光板を巻き出して、都度必要長さにカットし、カットされた偏光板を液晶セルに貼り合わせる。
(3)一連の貼り合わせ工程の中で、ロール状に巻かれた長尺状の偏光板から偏光板を巻き出して、液晶セルに貼り合わせながら必要長さにカットする。
(4)一連の貼り合わせ工程の中で、ロール状に巻かれた長尺状の偏光板から偏光板を巻き出して液晶セルに貼り合わせた後、液晶セルにほぼ一致する長さで偏光板をカットする。
なお、これらの工程では先に述べた様に、偏光板に予め粘着層を設けたものを用いることが好ましいが、貼り合わせ工程中で粘着層を積層しても良い。また、液晶セル側に粘着層を設けても良い。
液晶セルに偏光板を積層する際は、偏光子を起点として、ポリエステル基材フィルムが液晶セルとは反対側になるように積層することが好ましい。すなわち、視認側偏光板の偏光子の視認側、及び/又は、光源側偏光板の偏光子の光源側にポリエステル基材フィルムが配置されるように積層することが好ましい。
(液晶セル)
液晶セルは液晶駆動回路を設けたガラス等の基板の間に液晶化合物が配置されたものである。液晶セルとしては、NTタイプ、VAタイプ、IPSタイプなど、特に制限なく用いることができる。また、液晶セルにタッチセンサー機能を持たせたインセル型(基板の液晶側にタッチセンサー回路が設けられている)、オンセル型(基板の外側にタッチセンサー回路が設けられている)と呼ばれるものであっても良い。インセル型、オンセル型はタッチセンサー機能を持たせる場合には、表示装置の薄型化が可能で、特に好ましい液晶セルである。
なお、本明細書では、液晶セルがタッチセンサー機能を有する場合、タッチセンサー機能を有する構成部材を含め、液晶セルと呼ぶ。また、液晶セルのガラス基板上のカラーフィルタも含めて液晶セルと呼ぶ。
(液晶表示装置)
この様にして得られた液晶パネルは、バックライト光源と共に筐体に納められ、液晶表示装置となる。また、液晶パネルにタッチパネルを積層させても良い。また、液晶表示装置の表面にガラスや樹脂シート、樹脂フィルムなどの保護体を設けても良い。さらに液晶セルなどに用いられるガラスなどが割れた場合の飛散防止フィルムを設けても良い。
(バックライト光源)
バックライト光源は特に限定されるものではない。代表的な光源としては、青色発光ダイオードと黄色蛍光体を組み合わせたもの、青色発光ダイオードと緑色蛍光体と赤色蛍光体を組み合わせたもの、有機EL光源、量子ドット光源、KSF蛍光体(KSiF:Mn4+)を用いた白色発光ダイオードなどが挙げられる。これらの中でも青色発光ダイオードと黄色蛍光体を組み合わせたもの、有機EL光源、量子ドット光源が好適な光源である。
光源の設置場所としては液晶パネル直下に設置される直下型、液晶パネルの下横側に設置されるサイドエッジ型が挙げられる。光源のタイプに合わせて、導光板、拡散フィルム、レンズフィルムなどが用いられる。
本発明の表示装置は、一般のテレビや映像表示システム、コンピューターのディスプレイだけでなく、スマートフォン、タブレット末端、ATM、カーナビゲーションシステム、自動車等の計器類やミラー代替のモニター、サインボード等で特に有用である。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限
定されず、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)ポリエステル基材フィルムの屈折率
分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計)を用いて、フィルムの遅相軸方向を求め、遅相軸方向が長辺と平行になるように、4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(遅相軸方向の屈折率:ny、進相軸(遅相軸方向と直交する方向の屈折率):nx)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR-4T、測定波長589nm)によって求めた。
(2)リタデーション(Re)
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|nx-ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)を、上記(1)の方法により求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|nx-ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)として算出した。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
(3)厚さ方向リタデーション(Rth)
厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|nx-nz|)、及び△Nyz(=|ny-nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメーターである。リタデーションの測定と同様の方法でnx、ny、nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
(4)偏光子の透過軸方向
サンプルの偏光板を消光軸(透過軸方向と直交する方向)が既知の偏光板と重ね合わせて回転させ、最も透過光量の少なくなる状態での消光軸方向が既知の偏光板の消光軸と平行の方向をサンプルの透過軸方向とした。
(5)ポリエステル基材フィルムの進相軸と偏光子の透過軸方向との角度
サンプルの偏光板から偏光子を溶剤を含浸させた布で除去し(1)に準じて進相軸の方向を求め、(4)で求めた偏光子の透過軸方向との角度を求めた。
(6)Nz係数
|ny-nz|/|ny-nx|で得られる値をNz係数とした。ただし、ny>nxとなるように、ny及びnxの値を選択した。
(7)面配向度(ΔP)
(nx+ny)/2-nzで得られる値を面配向度(ΔP)とした。
(8)波長380nmにおける光線透過率
分光光度計(日立製作所製、U-3500型)を用い、空気層を標準として各フィルムの波長300~500nm領域の光線透過率を測定し、波長380nmにおける光線透過率を求めた。
(9)熱収縮率
スリットロールから切り出されたポリエステルフィルムを一辺21cmの正方形状に切り出し、23℃、65%RHの雰囲気で2時間以上放置した。このポリエステルフィルムの中央を中心とする直径80mmの円を描き、二次元画像測定機(MITUTOYO製QUICK IMAGE)を使用して、フィルムの流れ方向を0度として5度間隔で直径を測定した。ここで、フィルム流れ方向を0度として、フィルム上面において時計回り(右回り)を正の角度、反時計回り(左回り)を負の角度と設定した。直径を測定したため、-90度~85度の範囲の測定で、全方向について測定された。次いで、このポリエステルフィルムを85℃で30分間、水中で加熱処理した後、フィルム表面に付着した水分を拭き取り、風乾してから23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置した。その後、上記と同様に円の直径を5度間隔で測定した。熱処理前の直径をLo、熱処理後の同方向の直径をLとし、下記の式に従って、各方向の熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=((Lo- L) / Lo)×100
(10)熱収縮率の最大値
5度間隔で全方向に測定した熱収縮率のうち最大となる値を最大熱収縮率とした。
(11)虹斑観察
各実施例で得られた液晶表示装置を、正面、及び斜め方向から暗所で目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。ここで、斜め方向とは、液晶表示装置の画面の法線方向から30度~60度の範囲を意味する。
○: 虹斑が全く観察されない
△: 虹斑が僅かに観察される
×: 虹斑が観察される
<基材フィルム用ポリエステル樹脂の製造>
(製造例1-ポリエステルX)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(X)の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(X)と略す。)
(製造例2-ポリエステルY)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンズオキサジノン-4-オン)10質量部、粒子を含有しないPET(X)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(Y)を得た。(以後、PET(Y)と略す。)
<易接着層成分の製造>
(ウレタン樹脂D-1の重合)
脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂D-1を次の手順で作製した。撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min-1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂の水分散体(Dw-1)を調製した。得られた脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするポリウレタン樹脂(D-1)のガラス転移点温度は-30℃であった。
(オキサゾリン系架橋剤E-1の重合)
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロート、および攪拌機を備えたフラスコに水性媒体としてのイオン交換水58質量部とイソプロパノール58質量部との混合物、および、重合開始剤(2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)・二塩酸塩)4質量部を投入した。一方、滴下ロートに、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としての2-イソプロペニル-2-オキサゾリン16質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数・9モル、新中村化学製)32質量部、およびメタクリル酸メチル32質量部の混合物を投入し、窒素雰囲気下、70℃において1時間にわたり滴下した。滴下終了後、反応溶液を9時間攪拌し、冷却することで固形分濃度40質量%のオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(Ew-1)を得た。
(易接着層用塗布液調製)
下記の塗剤を混合しして易接着層用塗布液を作成した。
水 55.62質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂の水分散体(Dw-1) 11.29質量%
オキサゾリン系架橋剤水溶液(Ew-1) 2.26質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
<基材フィルム1の製造>
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(X)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(Y)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(X)を常法により乾燥して押出機1(外層I層及び外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
次いで、リバースロール法によりこの未延伸PETフィルムの両面に易接着用塗布液をいずれも乾燥後の塗布量が0.08g/mになるように塗布した後、乾燥機に導き80℃で20秒間乾燥した。
得られた未延伸フィルムを引き続き加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に4.0倍延伸した後、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に1.0倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理した。
その後、130℃まで冷却したフィルムの両端部をシェア刃で切断した後に巻き取り、フィルム厚み60μmの一軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムの中央部を30cm幅にスリットし、長さ約500mのフィルムロールとした。得られたフィルムロールは全幅にわたって進相軸がフィルムの長手方向に対して90±0.5度の範囲であることを確認した。
上記の基材フィルムの諸特性は幅方向に3点サンプリング(中央、両端部の3点)し、平均値である。なお、熱収縮率の測定は、中央の1点をサンプリングして行った。
<基材フィルム2~4の製造>
ラインスピードを変更して未延伸フィルムの厚みを変えた以外は基材フィルム1と同様にして製膜し、フィルム厚みの異なるフィルムを得た。基材フィルム1と同様に幅30cmにスリットした得られたフィルムロール(基材フィルム2~4)は、全幅にわたって進相軸がフィルムの長手方向に対して90±0.5度の範囲であることを確認した。
<基材フィルム5の製造>
基材フィルム1と同様の方法により作製された未延伸フィルム(易接着層塗工済み)を同時二軸延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、走行方向に6.5倍、幅方向に2.2倍延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理した。
その後、130℃まで冷却したフィルムの両端部をシェア刃で切断した後に巻き取り、フィルム厚み40μmの二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムの中央部を30cm幅にスリットし、長さ約500mのフィルムロールとした。得られたフィルムロールは全幅にわたって進相軸がフィルムの長手方向に対して90±0.5度の範囲であることを確認した。
<基材フィルム6、7の製造>
未延伸フィルムの厚みを変更し、走行方向に6.0倍、幅方向に2.2倍延伸した以外は基材フィルム5と同様にして、フィルム厚み約40μmの二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムの中央部を30cm幅にスリットし、長さ約500mのフィルムロールとしたものを基材フィルム6、得られたフィルムの右端部から30cm幅にスリットし、長さ500mのフィルムロールとしたものを基材フィルム7としたものである。基材フィルム6のフィルムロールは全幅にわたって進相軸がフィルムの長手方向に対して90±0.5度の範囲であることを確認した。基材フィルム7のフィルムロールは全幅にわたって進相軸がフィルムの長手方向に対して90±3度の範囲であることを確認した。
<基材フィルム8の製造>
未延伸フィルムの厚みを変更し、走行方向に4.5倍、幅方向に2.4倍延伸した以外は基材フィルム5と同様にして、フィルム厚み約40μmの二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムの中央部を30cm幅にスリットし、長さ約500mのフィルムロールとした。得られたフィルムロールは全幅にわたって進相軸がフィルムの長手方向に対して90±1度の範囲であることを確認した。
Figure 2022051789000001
<基材積層偏光子1の製造>
ポリエステルXを用いて厚さ100μmの未延伸フィルムを作成し、この未延伸フィルムの片面に、重合度2400、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコールの水溶液を塗布および乾燥して、PVA層を形成した。
得られた積層体を、120℃で周速の異なるロール間で長手方向に2倍に延伸して巻き取った。次に、得られた積層体を4%のホウ酸水溶液で30秒間の処理を行った後、ヨウ素(0.2%)とヨウ化カリウム(1%)の混合水溶液で60秒間浸漬し染色し、引き続き、ヨウ化カリウム(3%)とホウ酸(3%)の混合水溶液で30秒間処理した。
さらに、この積層体を72℃のホウ酸(4%)とヨウ化カリウム(5%)混合水溶液中で長手方向に一軸延伸を行い、引き続き、4%ヨウ化カリウム水溶液で洗浄、エアナイフで水溶液を除去した後に80℃のオーブンで乾燥し、両端部をスリットして巻き取り、幅30cm、長さ1000mの基材積層偏光子1(ポリエステルからなる熱可塑性樹脂基材上に偏光子が積層されたもの)を得た。合計の延伸倍率は6.5倍で、偏光子の厚みは5μmであった。なお、厚みは基材積層偏光子をエポキシ樹脂に包埋して切片を切り出し、光学顕微鏡で観察して読み取った。
<基材積層偏光子2、3の製造>
ポリビニルアルコール水溶液の塗工厚みを変えた以外は基材積層偏光子1と同様にして偏光子の厚みが3.5μmの基材積層偏光子2と偏光子の厚みが8.0μmの基材積層偏光子3を得た。
<単層偏光子1の製造>
ケン化度99.9%のポリビニルアルコール樹脂フィルムを、周速差のあるロールに導き、100℃で3倍に一軸延伸を行った。得られた延伸ポリビニルアルコール延伸フィルムを、ヨウ化カリウム(0.3%)とヨウ素(0.05%)の混合水溶液中で染色した後、72℃のホウ酸10%水溶液中で、1.8倍に一軸延伸した。その後、イオン交換水で水洗処理を行い、さらに6%ヨウ化カリウム水溶液に浸漬し、エアナイフで水溶液を除去した後、45℃で乾燥して偏光子を得た。偏光子の厚みは18μmであった。
<偏光板1の作成>
基材フィルム1に紫外線硬化型のアクリル系接着剤を塗工後、基材積層偏光子1の偏光子面を貼り合わせ、基材積層偏光子側から紫外線を照射して、ポリエステル基材フィルムに基材積層偏光子1を積層し、ロール状に巻き取った。次に、ロールから巻き出しながら、基材積層偏光子の熱可塑性樹脂基材を剥がし、一方、アクリル系粘着剤層(基材無し)の両面に離型フィルム(軽剥離ライナー、重剥離ライナー)が積層された市販の光学用透明粘着シート(日東電工社製)の軽剥離ライナーを剥がし、偏光子面と貼り合わせて、粘着層積層が積層したロール状に巻き取られた長尺状の偏光板1を得た。
<偏光板2~8の作成>
基材フィルムを2~8に変えた以外は偏光板1の作成と同様にして、長尺状の偏光板2~8を得た。
<偏光板9、10、11の作成>
基材積層偏光子を2、3、単層偏光子1に変えた以外は偏光板4の作成と同様にして、長尺状の偏光板9、10、11を得た。
<偏光板12、13の作成>
(反射防止層の形成)
基材フィルム5の片面に、下記組成の中屈折率層形成用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、70℃1分間乾燥後、高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、乾燥膜厚5μmの中屈折率層を得た。次に、形成した中屈折率層の上に、バーコーターを用いて、下記組成の高屈折率層形成用塗布液を中屈折率層と同様の方法で形成し、さらにその上に下記組成の低屈折率層形成用塗布液を中屈折率層と同様の方法で形成した。その後、反対面に基材フィルム1と同様にして偏光層を設けた。反射防止層を積層した長尺状の偏光板12を得た。同様にして基材フィルム6から長尺状の偏光板13を得た。
中屈折率層形成用塗布液(屈折率1.52)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70重量部
1,6-ビス(3-アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン
30重量部
光重合開始剤 4重量部
(チバスペシャルティケミカルズ(株)製、イルガキュア184)
イソプロパノール 100重量部
高屈折率層形成用塗布液(屈折率1.64)
ITO微粒子(平均粒径0.07μm) 85重量部
テトラメチロールメタントリアクリレート 15重量部
光重合開始剤(KAYACURE BMS、日本化薬製) 5重量部
ブチルアルコール 900重量部
低屈折率層形成用塗布液(屈折率1.42)
1,10-ジアクリロイルオキシ-2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフルオロデカン 70重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10重量部
シリカゲル微粒子(XBA-ST、日産化学製) 60重量部
光重合開始剤(KAYACURE BMS、日本化薬製) 5重量部
<角度の異なる枚葉偏光板14~18の作成>
ポリエステル基材フィルム5と基材積層偏光子1を30cm×30cmの大きさに切り出し、基材フィルム5にアクリル系接着剤を塗工後、基材積層偏光子1の偏光子面を貼り合わせ、基材積層偏光子側から紫外線を照射して硬化させた後、熱可塑性樹脂基材を剥がした。引き続き、市販の光学用透明粘着シートの軽剥離ライナーを剥がし、偏光子面に貼り合わせた。ポリエステル基材フィルム5と基材積層偏光子1の張り合わせの角度を変えて、枚葉偏光板14~18とした。なお、角度を変えた際に生じる積層されていない部分は削除した。
<実施例1~12、比較例1>
(液晶パネルおよび液晶表示装置の作成1)
市販の10インチの液晶表示装置(IPSタイプ、光源は青色LED+黄色蛍光体のエッジ光源)の光源側及び視認側の偏光板を剥がしたものを準備した。一方、光源側の長尺状の偏光板として偏光板4を液晶セルの長辺側の長さに合わせてスリットした長さ500mのロール状に巻き取られた偏光板とし、このロール状の偏光板を巻き出して液晶セルの短辺側の長さに合わせて切断し枚葉状の光源側偏光板を準備した。
さらに、視認側の長尺状の偏光板として表2に記載の偏光板を液晶セルの短辺側の長さに合わせてスリットした長さ500mのロール状に巻き取られた偏光板とし、このロール状の偏光板を巻き出して液晶セルの長辺側の長さに合わせて切断し、枚葉状の視認側偏光板とした。
それぞれの枚葉状の偏光板の重剥離ライナーを剥離し、液晶セルに貼り合わせて液晶パネルを作成し、この液晶セルを元の液晶表示装置に装着した。結果を表2に示す。
<実施例13~16>
(液晶パネルおよび液晶表示装置の作成2)
光源側の偏光板のみを置き換えた以外は上記と同様にした。なお、視認側偏光板は、市販の液晶表示装置の視認側に使用されていた偏光板をそのまま使用した。結果を表3に示す。
<実施例17~19>
(液晶パネルおよび液晶表示装置の作成3)
視認側の偏光板のみを置き換えた以外は上記と同様にした。なお、光源側偏光板は、市販の液晶表示装置の光源側に使用されていた偏光板をそのまま使用した。結果を表3に示す。
なお、上記の実施においてポリエステル基材フィルムおよび長尺状の偏光板の破断によるトラブルは起こらなかった。
<参考例1~5>
(液晶パネルおよび液晶表示装置の作成4)
ポリエステル基材フィルムの進相軸と偏光子の透過軸方向とのなす角度の適正範囲を以下の方法により確認した。
枚葉偏光板14~18を偏光子の透過軸方向が液晶セルの短辺と平行、かつ短辺側の長さに合うように、吸収軸方向が液晶セルの長辺側の長さに合うように切り出した。この切り出した偏光板を視認側偏光板として用いた以外は実施例1と同様にした。結果を表4に示す。
Figure 2022051789000002
Figure 2022051789000003
Figure 2022051789000004
本発明の液晶表示装置用の液晶パネルの製造方法は、用いる偏光板の基材フィルムとしてポリエステルを用いているために、基材フィルムが薄くても(1)機械的特性に優れ、吸湿伸びが少ないため、各工程でのトラブルが少なく扱いやすい、(2)耐吸湿性、耐透湿性に優れ、偏光子の保護効果に優れる、等という点で優れた液晶パネルを製造することができる。
さらには、巻き取られた長尺状の偏光板では基材フィルムの配向方向が長手方向であるために偏光板の作成時、液晶セルの貼り付け時などでの破断も起こりにくく生産性に優れる。加えて、片面のみを保護フィルムとした偏光板としても上記の問題がなく、使用しやすいために液晶パネルの大幅な薄型化が可能である。

Claims (16)

  1. 長尺状の光源側偏光板を所定の大きさに切断する工程、
    長尺状の視認側偏光板を所定の大きさに切断する工程、および
    液晶セルに光源側偏光板及び視認側偏光板を貼り合わせる工程
    を含む液晶パネルの製造方法であって、
    長尺状の光源側偏光板および長尺状の視認側偏光板のいずれか又は両方が下記の(1)~(5)の特性を有する液晶パネルの製造方法。
    (1)ポリエステル基材フィルム上に偏光子を有し、ポリエステル基材フィルムの進相軸と偏光子の透過軸方向とのなす角度が10度以下である。
    (2)ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率が1.53~1.62である。
    (3)ポリエステル基材フィルムの厚みが90μm以下である。
    (4)ポリエステル基材フィルムのNz係数が1.40~2.5である。
    (5)ポリエステル基材フィルムの長手方向と90度の方向と前記基材フィルムの進相軸とがなす角が、10°以下である。
  2. 前記偏光子の厚みが1~20μmである請求項1に記載の液晶パネルの製造方法。
  3. 前記ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率(nx)と遅相軸方向の屈折率(ny)との差が0.080~0.150である請求項1又は2に記載の液晶パネルの製造方法。
  4. 前記ポリエステル基材フィルムのNz係数が1.85以上である請求項1~3のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
  5. 前記ポリエステル基材フィルムの、Re/Rthが0.6以上である請求項1~4のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
  6. 前記ポリエステル基材フィルムの、Re/Rthが0.74以下である請求項1~5のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
  7. 前記偏光子と前記液晶セルとの間に塗工層のみを有する、請求項1~6のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
  8. 前記偏光子と前記液晶セルとの間に塗工型の位相差層を有する請求項7に記載の液晶パネルの製造方法。
  9. 偏光子と偏光子の少なくとも一方に偏光子保護フィルムとして下記特性を有するポリエステル基材フィルムが設けられた長尺状の偏光板。
    (1)ポリエステル基材フィルムの進相軸と偏光子の透過軸方向とのなす角度が10度以下である。
    (2)ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率が1.53~1.62である。
    (3)ポリエステル基材フィルムの厚みが90μm以下である。
    (4)ポリエステル基材フィルムのNz係数が1.40~2.5である。
    (5)ポリエステル基材フィルムの長手方向と90度の方向と前記基材フィルムの進相軸とがなす角が、10°以下である。
  10. 前記偏光子の厚みが1~20μmである請求項9に記載の長尺状の偏光板。
  11. 前記ポリエステル基材フィルムの進相軸方向の屈折率(nx)と遅相軸方向の屈折率(ny)との差が0.080~0.150である請求項9又は10に記載の長尺状の偏光板。
  12. 前記ポリエステル基材フィルムのNz係数が1.85以上である請求項9~11のいずれかに記載の長尺状の偏光板。
  13. 前記ポリエステル基材フィルムの、Re/Rthが0.6以上である請求項9~12のいずれかに記載の長尺状の偏光板。
  14. 前記ポリエステル基材フィルムの、Re/Rthが0.74以下である請求項9~13のいずれかに記載の長尺状の偏光板。
  15. 前記偏光子と前記液晶セルとの間に塗工層のみを有する、請求項9~14のいずれかに記載の長尺状の偏光板。
  16. 前記偏光子と前記液晶セルとの間に塗工型の位相差層を有する請求項15に記載の長尺状の偏光板。
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