JP2001182711A - ロータリーベーンアクチュエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来機においては、圧力室へ負荷するとき、
圧力室を構成する部材が歪んで油漏れを起こした。ま
た、主軸が外力により傾くとき、圧力室が変形して油漏
れを起こした。本発明は、圧力室へ負荷しても油漏れの
原因となる歪みを作らせず、また主軸が傾いても油漏れ
の原因となる変形を作らせず、圧力室への高負荷を可能
にし、高出力で稼働できるロータリーベーンアクチュエ
ータを得る。 【解決手段】主軸１・外筒２・固定翼６・回転翼７及び
円筒穴１１を多数穿ちここにＯリング１２を巻いた円盤
１３を挿入して空洞１４を画成しこの空洞１４と圧力室
５の間に小孔１５を通した２組の円環板１０によって圧
力室５を画成し、れらを外殻３と蓋４によって遊包する
とともに、上下部軸１ａ、１ｂを軸受けし、外殻３と外
筒２をこれらの中央部において栓１６で停結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリーベーン
アクチュエータに係わり、詳しくは、当該機の圧力室端
部における油漏れ防止に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、径小の上下部軸と径大の中部
軸からなり、それらの境界が階段面をなし、中部軸に回
転翼を装備してなる主軸の中部軸へ、固定翼を装備して
なる外筒を嵌合し、この外筒に蓋を結合して圧力室を画
成するとともに、蓋で前記上下部軸を軸受けしたロータ
リベーンアクチュエータが知られている。

【０００３】本出願者は、上記機に内在した、機の圧力
室への負荷（油圧を掛けること）に起因する、蓋と主軸
の階段面とによって構成される摺動面の強度及び油漏れ
の問題を、蓋と主軸の階段面の間に“円筒穴を多数穿ち
ここにＯリングを巻いた円盤を挿入して空洞を画成し、
この空洞と圧力室の間に小孔を貫通してなる円環板”を
設置することによって解決した。（平成１０年特許願第
１０１６８２号参照）

【０００４】しかしながら、従来機は勿論、０００３項
記載の機においても、圧力室の負荷が、圧力室を構成す
る部材のそれぞれに、その負荷に応じた歪みを発生させ
ると言う問題を残していた。その具体的な現象として、
圧力室の負荷によって外筒は伸長するが、主軸の中部軸
にはそれがなく、負荷が大きくなるにつれ、遂には主軸
の階段面に隙間を作り油漏れを起こした。

【０００５】さらにはこの問題に加えて、主軸が外力等
によって傾くとき、（上下部軸の軸受けの隙間の範囲で
傾く）主軸の階段面と円環板との均等な接触を壊して、
当該部に油漏れや、接触面の方当たりによる損傷を生じ
させた。

【０００６】以上の原因により、従来のロータリーベー
ンアクチュエータにおいては圧力室の負荷を高位に上げ
ることができず、低出力の稼働を余儀なくされた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記に鑑みて本発明
は、圧力室へ負荷しても、外筒の軸方向の歪みを発生さ
せないようにする。

【０００８】さらに、主軸が傾いても、主軸の階段面に
均等な接触が保てるようにする。これらによって、圧力
室の高負荷を可能にして、高出力で稼働できるロータリ
ーベーンアクチュエータを提供することを目的としてい
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のロータリーベーンアクチュエータにおいて
は、径小の上下部軸と径大の中部軸からなり、それらの
境界が階段面をなし、中部軸に回転翼を装備してなる主
軸の中部軸へ、固定翼を装備してなる外筒を嵌合し、円
筒穴を多数穿ってここにＯリングを巻いた円盤を挿入し
て空洞を画成し、この空洞と後記圧力室の間に小孔を貫
通してなる２組の円環板を、主軸の階段面と外筒の端面
に接置し、加えて外筒の端面に締結して圧力室を画成し
たうえで、外筒の両端に蓋を結合してこの蓋で上下部軸
で軸受けした従来機において、前記外筒と蓋の結合を解
き、この蓋に追設の外殻を締結して、この両者で外筒と
円環板を遊包するとともに、外筒と外殻をそれらの中央
部において栓で停結した。

【００１０】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
づき図面を参照して説明する。図１において、主軸１
は、径小の上下部軸１ａ、１ｂと径大の中部軸１ｃから
なり、それらの境界が階段面１ｄをなし、中部軸１ｃに
２個の回転翼６を装備している。外筒２は、主軸の中部
軸１ｃと長さを等しくし、内部に２個の固定翼７を装備
し、主軸の中部軸１ｃを嵌合している。２個の円環板１
０は、蓋４と主軸の階段面１ｄ・外筒２の端面の間に設
置され、かつ外筒２の端面にボルト１９で締結してい
る。円環板１０は、後記圧力室５の反対面に円筒孔１１
を多数穿ち、ここにＯリング１２を巻いた円盤１３を挿
入して空洞１４を画成し、この空洞１４と圧力室５を貫
通する小孔１５を有する。前記主軸の中部軸１ｃ・外筒
・回転翼６・固定翼７及び円環板１０によって４個の圧
力室５を画成し、これら対面する圧力室５を連通孔２０
で結んで２区画となし、それぞれの区画に１個の作動油
の供給兼排出孔１７を設けている。外殻３と蓋４は、ボ
ルト１９で締結し、外筒２と円環板１０の周囲に隙間を
持って包含するとともに、上下部軸を軸受けしている。
また、外殼３と蓋４は、円盤にかかる空洞の負荷を支持
している。外筒２と外殻３は、１個の栓１６によって、
両者の相対関係が、主軸まわりの回転は拘束・傾きは自
由（上下部軸の軸受けの隙間の範囲で）に停結されてい
る。

【００１１】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００１２】圧力室へ負荷するとき、小孔で通ずる圧力
室と空洞の内圧は同圧ゆえ、仮に、円環板に投影される
圧力室の面積にあわせて空洞の面積を等しく採るように
すれば、円環板に対する圧力室と空洞の負荷は相殺され
るから、円環板と主軸の階段面・外筒の端面には圧力室
の負荷の影響は及ばない。従って、従来機のように外筒
の軸方向の歪みはなく

【０００７】記載の課題は解決される。

【００１３】圧力室を構成する主軸・外筒・回転翼・固
定翼・円環板は円環板を外筒にボルト１８で締結するこ
とによって一体化された群をなす。そして、この群はそ
の中央部で栓１６によって主軸まわりの回転は拘束・傾
きは自由な状態で外殻に停結されるから、従来機のよう
に主軸が傾いてもその影響を主軸の階段面に及ぼすこと
はなく、

【０００８】記載の課題は解決される。

【図面の簡単な説明】

【図１】ロータリーベーンアクチュエータの縦断面図で
ある。

【図２】ロータリーベーンアクチュエータの円環板の外
面（圧力室の反対面）を示す図である。

【図３】ロータリーベーンアクチュエータの中央部横断
面図である。

【符号の説明】

１ 主軸 ５ 圧力室 １５ 小孔 １ａ主軸の上部軸 ６ 回転翼 １６ 栓 １ｂ主軸の下部軸 ７ 固定翼 １７ 作動油の
供給兼排出口 １ｃ主軸の中部軸 １０ 円環板 １８ ボルト １ｄ主軸の階段部 １１ 円筒穴 １９ ボルト ２ 外筒 １２ Ｏリング ２０ 連通孔 ３ 外殻 １３ 円盤 ４ 蓋 １４ 空洞

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平成１０年特許願第１０１６８２におけ
   るロータリーベーンアクチュエータ即ち、径小の上下部
   軸（１ａ、１ｂ）と径大の中部軸（１ｃ）からなり、そ
   れらの境界が階段面（１ｄ）をなし、中部軸（１ｃ）に
   回転翼（６）を装備してなる主軸（１）の中部軸（１
   ｃ）へ、固定翼（７）を装備してなる外筒（２）を嵌合
   し、円筒穴（１１）を多数穿ち、ここにＯリング（１
   ２）を巻いた円盤（１３）を挿入して空洞（１４）を画
   成し、この空洞（１４）と後記圧力室（５）の間に小孔
   （１５）を貫通してなる２組の円環板（１０）を、主軸
   の階段面（１ｄ）・外筒（２）の端面に接置し、かつ外
   筒（２）の端面に締結して圧力室（５）を画成したうえ
   で、外筒（２）の両端に蓋（４）を結合し、これらの蓋
   （４）で上下部軸（１ａ、１ｂ）を軸受けしたロータリ
   ベーンアクチュエータにおいて、外筒（２）と蓋（４）
   の結合を解き、この蓋（４）に外殻（３）を追設締結し
   て、この両者（４、３）で外筒（２）と円環板（１０）
   を遊包するとともに、外筒（２）と外殻（３）をそれら
   の中央部にて栓（１６）で停結したロータリーベーンア
   クチュエータ。