JP2001181871A - 金属の腐食防止方法 - Google Patents

金属の腐食防止方法

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JP2001181871A
JP2001181871A JP2000313497A JP2000313497A JP2001181871A JP 2001181871 A JP2001181871 A JP 2001181871A JP 2000313497 A JP2000313497 A JP 2000313497A JP 2000313497 A JP2000313497 A JP 2000313497A JP 2001181871 A JP2001181871 A JP 2001181871A
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acetic acid
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metal
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Masaya Yano
昌也 矢野
Kazuo Fujita
和夫 藤田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化物を含有する酢酸と接触する耐食性の低
い金属の腐食を防止する方法を提供する。 【解決手段】 塩化物を含有する酢酸と接触する金属の
腐食防止方法に於いて、金属と接触する該酢酸中に水を
存在せしめ、該酢酸中に含まれる水及び塩化物(Cl-
換算)の濃度をそれぞれXppm及びYppmとしたと
き、下記(式1)、(式2)、(式3) Y≦50において X≧1836・Y0.150 (式1) 50<Y≦250において X≧0.735・Y2.15 (式2) 250<Yにおいて X≧16161・Y0.339 (式3) を満足するように水と塩化物の濃度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化物を含有する
酢酸と接触する金属の腐食を防止する方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】酢酸は各
種有機合成反応の原料として使用されている化合物であ
る。通常、酢酸は、化学工場の各種製造工程、例えばア
クリル酸の製造工程に見られる如く副生物として発生す
る場合には、これを回収貯蔵し、自社内の他の製品製造
原料として自消したり、自消しきれない場合は売却され
ている。回収酢酸はその回収工程より塩化物等の不純物
が混入する場合が有り、その塩化物濃度は一義的ではな
い。酢酸溶液の腐食性は然程高くなく、通常汎用のオー
ステナイト系ステンレス鋼のSUS304やSUS31
6Lで充分な耐蝕性を有するとされているが、酢酸溶液
中の塩化物濃度が上昇する場合には高い腐蝕性を示すた
め、これらを取り扱う反応容器、回収容器、貯蔵容器、
さらにはこれら容器を接続する配管材料として、前記し
たSUS304やSUS316L等の汎用の金属材料を
用いることはできず、耐蝕性の高い高価な合金材料を使
用しなければならないとされていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる事情下に鑑み、本
発明者等は汎用されているオーステナイト系ステンレス
鋼、例えば、クロムが16〜20重量%、ニッケルが8
〜15重量%で残部が鉄であるような材料を用いた場合
であっても、腐蝕が実質的にない方法を見出すべく、鋭
意検討した結果、酢酸中の水及び塩化物の量が腐蝕性に
大きな影響を与えること、酢酸中の水と塩化物の濃度を
特定範囲に調整する場合には、汎用の金属材料を用い反
応容器、貯蔵タンク、配管等を構築した場合でも耐食防
止効果を発揮し得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0004】即ち、本発明は、塩化物を含有する酢酸と
接触する金属の腐食防止方法に於いて、該酢酸中に水を
存在せしめ、金属と接触する該酢酸中に含まれる水及び
塩化物(Cl-換算)の濃度をそれぞれXppm及びY
ppmとしたとき、下記下記(式1)、(式2)、(式
3) Y≦50において X≧1836・Y0.150 (式1) 50<Y≦250において X≧0.735・Y2.15 (式2) 250<Yにおいて X≧16161・Y0.339 (式3) を満足するように水と塩化物の濃度を制御することを特
徴とする金属の腐食防止方法を提供するにある。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明が対象となる酢酸は特に制限されるものでは
なく、少なくとも塩素イオン(Cl-)換算で約0.1
ppm以上の塩化物を含有するものである。塩化物とし
ては塩化水素、塩素や塩化ナトリウム、塩化カリウムあ
るいは塩化アンモニウムのような塩等が挙げられるがこ
れに限定されるものではない。
【0006】本発明においては、酢酸中に塩化物が含有
される場合、酢酸溶液中の水及び塩化物(Cl-換算)
の濃度をそれぞれXppm及びYppmとしたとき、下
記(式1)、(式2)、(式3) Y≦50において X≧1836・Y0.150 (式1) 50<Y≦250において X≧0.735・Y2.15 (式2) 250<Yにおいて X≧16161・Y0.339 (式3) 好ましくは下記(式4)、(式5)、(式6) Y≦1において X≧19000・Y1.16 (式4) 1<Y≦300において X≧19000・Y0.342 (式5) 300<Yにおいて X≧6.42・Y1.74 (式6) を満足するように水と塩化物の濃度を制御するものであ
る。かかる制御を行う場合には、クロムが16〜20重
量%、ニッケルが8〜15重量%、モリブデンが1〜3
重量%で残部が鉄であるような汎用のステンレス材料、
例えばSUS316Lを用い、接触温度70℃において
も、その腐蝕速度は0.1 [g/m2・hr]以下の耐食
性を示す。
【0007】本発明において、金属材料として、クロム
が16〜20重量%、ニッケルが8〜15重量%でモリ
ブデンを含有せず残部が鉄であるようなSUS316L
よりも更に廉価な汎用のステンレス材料、例えばSUS
304を用いる場合には下記(式7)、(式8) Y≦7において X≧4770・Y0.389 (式7) 7<Yにおいて X≧28150・Y0.389 (式8) より好ましくは下記(式9)、(式10) Y≦2において X≧23497・Y0.655 (式9) 2<Yにおいて X≧428349・Y0.125 (式10) を満足するように水と塩化物の濃度を制御すればよい。
この場合には、SUS316Lを用いる場合と同様に、
接触温度70℃においても、その腐蝕速度は0.1 [g
/m2・hr]以下の耐食性を示す。
【0008】制御方法としては特に制限されるものでは
ないが、酢酸中に水が不足する場合には水を添加する方
法、塩化物濃度が高すぎる場合には、塩化物含有量の低
い酢酸を混合する、或いは酢酸中より塩化物を除去する
等の方法を採用すればよい。
【0009】図1および図2は汎用ステンレス鋼である
SUS316LとSUS304を用い、これを70℃の
酢酸溶液中に浸漬し、酢酸中に含有される水及び塩化物
の濃度と腐蝕速度の関係を示したものである。図中、
A、Bは0.1 [g/m2・hr]以下の腐蝕速度示す範
囲であり、Aはその中でも特に優れた耐食性を示す範囲
である。しかしながらこの範囲よりも塩化物の濃度が高
くなり、水の濃度が低くなるCの範囲では腐蝕性が高
く、汎用のステンレス鋼を用いることはできない。
【0010】酢酸中の水分濃度や塩化物濃度の測定法は
特に制限されるものではなく、通常公知の方法が適用さ
れる。例えば試料を適宜サンプリングして水であればカ
ールフィシャー法、塩化物はイオンクロマトグラフィー
法等により測定して調整すればよい。
【0011】また本発明の対象とする酢酸中に塩化物以
外の不純物が存在する場合であっても、本発明の本質を
左右する物質や量範囲のものでない限り、他の不純物を
含有するものであってもよい。
【0012】
【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明者等は、塩
化物を含有する酢酸の腐蝕特性が、酢酸中の塩化物と水
の量に特定条件で関係すること、そしてこの量関係に基
づき個々の含有量を調整する場合には、SUS304や
SUS316L等の汎用性のオーステナイトステンレス
鋼に対しても優れた耐腐蝕効果を発揮し得る事を見出し
たもので、これらを適用する装置材料として安価な汎用
金属材料が適用可能となることより、その産業上の利用
価値は頗る大なるものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明をより詳細に説明するために実
施例及び比較例を掲げるが、本発明はこれらの実施例お
よび比較例の記載に限定されるものではない。尚、実施
例および比較例で試験片として用いたステンレス鋼の化
学組成を第1表に示した。
【0014】
【表1】
【0015】また、試験片の腐食速度は、試験片をナイ
ロン製歯ブラシで軽くこすって腐食生成物を除去し、純
水で洗浄した後に秤量し腐食減量を求め、次式によって
算出した。
【0016】腐食速度[g/m2/hr]=腐食速度
[g]/{試験片の表面積[m2]×試験時間[h
r]}
【0017】実施例1 表1に示す各供試材から70mm×15mm×2mmの
試験片を製作した。供試材Aを650℃で2時間熱処理
後、空冷した。供試材Bは750℃で2時間熱処理後、
空冷した。その後、#400のエメリー紙で仕上げ研磨
した後、U字曲げして(曲げ半径8mm)応力を付与し
た。その試験片を、内容量500ccガラス製容器に、
ガラス製フックで吊るし、表2,3に記す水および塩化
物イオンを有する酢酸を仕込んだ。塩化物イオンは食塩
より調整した。70℃で168hrの浸漬試験を行い腐
食速度を求めた。その結果を表2,3に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 酢酸中に含まれる水および塩化物の濃度とス
テンレス鋼SUS316Lの腐蝕との関係を示す。
【図2】 酢酸中に含まれる水および塩化物の濃度とス
テンレス鋼SUS304の腐蝕との関係を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化物を含有する酢酸と接触する金属の腐
    食防止方法に於いて、金属と接触する該酢酸中に水を存
    在せしめ、該酢酸中に含まれる水及び塩化物(Cl-
    算)の濃度をそれぞれXppm及びYppmとしたと
    き、下記(式1)、(式2)、(式3) Y≦50において X≧1836・Y0.150 (式1) 50<Y≦250において X≧0.735・Y2.15 (式2) 250<Yにおいて X≧16161・Y0.339 (式3) を満足するように水と塩化物の濃度を制御することを特
    徴とする金属の腐食防止方法。
  2. 【請求項2】塩化物を含有する酢酸と接触する金属の腐
    食防止方法に於いて、金属と接触する該酢酸中の水と塩
    化物の濃度の関係が、 下記(式4)、(式5)、(式
    6) Y≦1において X≧19000・Y1.16 (式4) 1<Y≦300において X≧19000・Y0.342 (式5) 300<Yにおいて X≧6.42・Y1.74 (式6) を満足するように水と塩化物の濃度を制御することを特
    徴とする請求項1記載の金属の腐食防止方法。
  3. 【請求項3】塩化物を含有する酢酸と接触する金属の腐
    食防止方法に於いて、金属と接触する該酢酸中に水を存
    在せしめ、該酢酸中に含まれる水及び塩化物(Cl-
    算)の濃度をそれぞれXppm及びYppmとしたと
    き、下記(式7)、(式8) Y≦7において X≧4770・Y0.389 (式7) 7<Yにおいて X≧28150・Y0.389 (式8) を満足するように水と塩化物の濃度を制御することを特
    徴とする金属の腐食防止方法。
  4. 【請求項4】塩化物を含有する酢酸と接触する金属の腐
    食防止方法に於いて、金属と接触する該酢酸中に水を存
    在せしめ、該酢酸中に含まれる水及び塩化物(Cl-
    算)の濃度をそれぞれXppm及びYppmとしたと
    き、下記(式9)、(式10) Y≦2において X≧23497・Y0.655 (式9) 2<Yにおいて X≧428349・Y0.125 (式10) を満足するように水と塩化物の濃度を制御することを特
    徴とする請求項3記載の金属の腐食防止方法。
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