JP2001178462A - 核酸を連鎖的に増幅する方法およびこれに用いる装置 - Google Patents

核酸を連鎖的に増幅する方法およびこれに用いる装置

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JP2001178462A
JP2001178462A JP37014699A JP37014699A JP2001178462A JP 2001178462 A JP2001178462 A JP 2001178462A JP 37014699 A JP37014699 A JP 37014699A JP 37014699 A JP37014699 A JP 37014699A JP 2001178462 A JP2001178462 A JP 2001178462A
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Michifumi Nika
通文 丹花
Hiroshi Okamura
浩 岡村
Kenichi Takagi
研一 高木
Kojiro Takahashi
浩二郎 高橋
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Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、既存の核酸配列を増幅させる方法と
して、上記従来の温度制御によるPCRと同等またはそ
れ以上に効率よく増幅可能で、かつ上記問題点を解決で
きる方法を見出すことを目的とする。 【解決手段】目的の核酸につき1本鎖への変性段階、該
核酸の一部に対応する配列を有するプライマーの該核酸
に対するアニーリング段階およびDNAポリメラーゼに
よる鎖伸長段階からなるサイクルを繰り返して核酸を増
幅させる方法において、該サイクルを電圧制御により進
行させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電圧サイクラ
ーにより各種核酸を増幅させる方法、および核酸増幅さ
せるための自動化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、既存の配列から核酸配列を合成す
る方法として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)がある
(特開平7−75544号公報、特開平7−30346
9号公報)。
【0003】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とは、目
的とするDNAを1組のプライマーで挟み、DNAポリ
メラーゼを作用させることを繰り返し、プライマーでは
さんだ領域を無限に増幅させることができる方法であ
る。
【0004】PCRによれば、目的とする配列のみをか
なり正確に多数増幅させることができ、しかも短時間で
効率よく増幅することができるので、現在、生化学、医
療分野等の各種研究、試験、検査等に広く用いられてい
る。
【0005】従来より、PCRの原理は温度制御にある
とされ、その反応は加熱及び冷却の繰り返しにより進め
られている(サーマルサイクル)。すなわち、増幅対象
である二本鎖DNA分子を相補的1本鎖に高温変性させ
た後、冷却して該DNAの一部に相補するように選択さ
れたプライマーを鎖にアニールさせ、再び加熱してDN
Aポリメラーゼによりプライマーの後ろにDNAを伸長
させるという風に、変性、アニール、伸長のプロセスを
1サイクルとして複数サイクル繰り返すことにより2本
鎖DNAを多数増幅することができる。
【0006】しかしながら、加熱、冷却による温度制御
により反応を進めると、一瞬にして温度を変化させるに
は限界があり、各段階への切り替えがスムーズにいか
ず、増幅される核酸の配列の正確性に影響が出る場合も
考えられた。また、迅速な温度変化をさせるためには、
特別の装置や技術が必要となるため、設備投資等の経済
的な問題や技術的な問題があった。さらに、使用するD
NAポリメラーゼは変性の際の高温に耐えうる高度な耐
熱性を有することが必須条件であり、種類が限定される
とともに、高価な場合が多かった。このような問題点な
く、目的の核酸を増幅させることができる方法が要望さ
れてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、既存の核酸
配列を増幅させる方法として、上記従来の温度制御によ
るPCRと同等またはそれ以上に効率よく増幅可能で、
かつ上記問題点を解決できる方法を見出すことを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明者らは鋭意検討の結果、化学修飾した基板に目的
の核酸を固定させ、これをPCR反応液に浸漬した上で
基板に電圧付加し、電圧制御することにより、一定の温
度で目的の核酸を増幅可能であり、温度制御が不要なこ
とを見出した。本発明はかかる知見に基づいて得られた
ものである。
【0009】本発明は、目的の核酸につき1本鎖への変
性段階、該核酸の一部に対応する配列を有するプライマ
ーの該核酸に対するアニーリング段階およびDNAポリ
メラーゼによる鎖伸長段階からなるサイクルを繰り返し
て核酸を増幅させる方法において、該サイクルを電圧制
御により進行させることを特徴とする核酸を連鎖的に増
幅する方法である。すなわち、本発明の請求項1の核酸
を連鎖的に増幅する方法は、目的の核酸につき1本鎖へ
の変性段階、該核酸の一部に対応する配列を有するプラ
イマーの該核酸に対するアニーリング段階およびDNA
ポリメラーゼによる鎖伸長段階からなるサイクルを繰り
返して核酸を増幅させる方法において、該サイクルを電
圧制御により進行させることを特徴とする。請求項2の
方法は、電極を有する固定化チップともう一方の電極と
の間に核酸が位置するように一方の固定化チップに核酸
が固定化され、核酸固定側電極において、該サイクルを
電圧制御により進行させることを特徴とする。請求項3
の方法は、電極を有する固定化チップともう一方の電極
との間に核酸が位置するように一方の固定化チップに核
酸が固定化され、核酸固定側電極において、サイクルの
各段階につき、変性段階でDC−0.001〜1000
V/mm、アニーリング段階でDC−0.1〜0.1V
/mmパルス、鎖伸長段階でDC0Vを加えることを特
徴とする。この場合において、電極を有する固定化チッ
プが化学修飾された基板であることが望ましい。また、
この場合において、目的の核酸がcDNAであることが
望ましい。また、この場合において、cDNAは、固定
化チップにオリゴdTを介して固定されたあとに増幅に
供されるものであることが望ましい。また、この場合に
おいて、mRNAからプライマーとしてオリゴdTを用
いた逆転写反応により、cDNAがオリゴdTを介して
固定化チップに固定されたあとに増幅に供されるもので
あることが望ましい。本発明の請求項8の核酸を連鎖的
に増幅させる装置は、目的の核酸につき1本鎖への変性
段階、該核酸の一部に対応する配列を有するプライマー
の該核酸に対するアニーリング段階およびDNAポリメ
ラーゼによる鎖伸長段階からなるサイクルを繰り返して
核酸を増幅させる装置において、該サイクルを制御すべ
く電圧を加える手段を有することを特徴とする。請求項
9の装置は、目的の核酸につき1本鎖への変性段階、該
核酸の一部に対応する配列を有するプライマーの該核酸
に対するアニーリング段階およびDNAポリメラーゼに
よる鎖伸長段階からなるサイクルを繰り返して核酸を増
幅させる装置において、各段階に反応系に電圧を加える
手段を有し、各段階の反応系の温度を一定としてサイク
ルを繰り返すことを特徴とする。この場合において、核
酸を連続的に増幅するための反応室が設けられ、該反応
室には内側の相対面に2枚の基板が設けられ、両基板間
に直流電圧を加える手段を有することが望ましい。ま
た、この場合において、2枚の基板のうち1枚がDNA
固定化用チップであり、該チップに核酸が反応室の内側
に向かうように固定されていることが望ましい。また、
この場合において、核酸は逆転写反応を行うための手段
を有することが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明の核酸を連鎖的に増
幅する方法について説明する。本発明の方法は、目的の
核酸につき、その増幅手段としての変性段階、アニーリ
ング段階および鎖伸長段階からなるサイクルを、直流電
圧により制御することを特徴とするものである。
【0011】目的の核酸は、増幅させたいと思っている
核酸(DNA)であれば1本鎖か2本鎖かの別、鎖長等
の限定は特にない。
【0012】本発明ではこの目的の核酸をDNA固定化
チップに固定させることにより、電圧制御により連鎖的
に増幅させることができる。ここで、DNA固定化チッ
プとは、DNAを固定化できるダイヤモンド等の素材か
らなるチップをいい、通常は化学修飾した基板である。
【0013】化学修飾は、ポリヌクレオチドを結合可能
とすべく、末端に極性基、例えば、水酸基、カルボキシ
ル基、エポキシ基、アミノ基等を有する炭化水素基で固
体支持体表面を置換することによるが、末端に活性化エ
ステル基を有する炭化水素基を用いることが望ましい。
【0014】活性化エステル基としては、特にN−ヒド
ロキシスクシンイミドエステル、p‐ニトロフェノール
エステルが好ましい。このような活性化エステル基等を
末端に有する炭化水素基の炭化水素部分は、炭素数0〜
12、中でも0〜6であることが好ましい。このような
ものとして、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボ
ン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フ
マル酸などのジカルボン酸、トリメリット酸等の多価カ
ルボン酸等が挙げられるが、中でもシュウ酸、コハク酸
が望ましい。
【0015】そして、この炭化水素基は固体支持体表面
に対しアミド結合されていることが望ましい。アミド結
合させることにより、化学修飾を容易かつ強固なものと
できるからである。
【0016】このような化学修飾は、固体支持体表面を
塩素化、アミノ化、次いでカルボキシル化後、末端カル
ボキシル基を所定のイミド等と脱水縮合することにより
達成できるが、この方法よりも固体支持体表面にあらか
じめ形成された第1級アミノ基に活性化ジエステルの一
方のエステル基を脱水縮合させることにより形成される
ことが望ましい。
【0017】化学修飾した基体の固体支持体としては、
ダイヤモンド、金、銀、銅、アルミニウム、タングステ
ン、モリブデン等の金属;上記金属とセラミックスとの
積層体;ポリカーボネート、フッ素樹脂等のプラスチッ
ク等が挙げられる。その他の材料でも、化学的に安定な
材料であれば使用でき、例えば、グラファイト、ダイヤ
モンドライクカーボンなどが挙げられる。また、プラス
チックと上記金属、セラミックス、ダイヤモンド等との
混合体でもよい。
【0018】これらのうち、導電性の点から、ボロンを
ドープしたダイヤモンドが好ましい。ダイヤモンドは、
核酸の固定支持体として優れている上、導電性を有する
ため、本発明の目的に最適である。
【0019】ダイヤモンド基板の素材として、合成ダイ
ヤモンド、高圧形成ダイヤモンド、或いは天然のダイヤ
モンド等のいずれも使用できる。また、それらの構造が
単結晶体或いは多結晶体のいずれでも差し支えない。生
産性の観点よりマイクロ波プラズマCVD法などの気相
合成法を用いて製造されたダイヤモンドを用いることが
好ましい。
【0020】本発明の基体の形成方法は公知の方法で行
うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD
法、ECRCVD法、IPC法、直流スパッタリング
法、ECRスパッタリング法、イオンプレーティング
法、アークイオンプレーティング法、EB蒸着法、抵抗
加熱蒸着法などが挙げられる。また、金属粉末やセラミ
ック粉末等に樹脂をバインダーとして混合して結合形成
したものが挙げられる。また、金属粉末やセラミック粉
末等の原料をプレス成形機を用いて圧粉したものを高温
で焼結したものもあげられる。
【0021】本発明の基体の基板表面は意図的に粗面化
されていることが望ましい。このような粗面化表面は基
体の表面積が増えて多量のDNA等を固定させることに
好都合であるからである。基体の形状は平板状、糸状、
球状、多角形状、粉末状など特に問わない。さらに、こ
のダイヤモンド基板は、ダイヤモンドと他の物質との複
合体(例えば、2相体)であってもよい。
【0022】このような化学修飾した基板に核酸を固定
させる。固定は、基板の活性基に核酸を直接アミド結合
させることにより行うことができるが、目的の核酸の塩
基を保護すべく、数塩基介して結合させることが望まし
い。
【0023】本発明は原則としてDNAを直接の対象と
するが、mRNAから合成したcDNAを対象とするこ
とにより、間接的ながらRNAを対象とすることもでき
る。
【0024】この場合には、mRNAから逆転写反応を
利用してcDNAを得るが、cDNAを得ると同時に基
板に固定させることができる。まず、基板の化学修飾部
分に逆転写プライマーを結合させる。プライマーとして
は、一般にオリゴdTプライマー、特定塩基配列に相補
的なプライマー、ランダム6塩基プライマーが用いられ
るが、中でもRNAの5’末端のpoly(A)配列
に対応させてT(チミン塩基)が10〜20個程度連な
った配列からなるオリゴdTプライマーを用いることが
望ましい。
【0025】オリゴdTプライマーを用いる場合には、
鋳型となるRNAの5’末端のpoly(A)部分をア
ニーリングさせる。これに逆転写酵素を作用させ、鋳型
RNAに対し相補的なdNTPをプライマーの3’末端
に順々に重合させることで、5’から3’の方向にcD
NAを合成する。この逆転写反応のプライマーの結合、
アニーリング、逆転写酵素による相補鎖重合は、定法に
従い温度制御(サーマルサイクル)で行うことができ
る。
【0026】このように逆転写反応を行うと同時に基板
への固定も可能であることから、本発明の方法によれば
いわゆるRT−PCR(reverce transcript-PCR)を効
率よく行うことができ、mRNAの定量用としても有用
である。
【0027】本発明の方法は、このようにして固定化用
チップに結合した核酸について、連鎖的に増幅させるも
のである。増幅は、基本的には、従来の増幅方法と同様
に目的の核酸につき1本鎖への変性段階、該核酸の一部
に対応する配列を有するプライマーの該核酸に対するア
ニーリング段階およびDNAポリメラーゼによる鎖伸長
段階からなるサイクルを繰り返すことにより行うが、本
発明の特徴は、該サイクルを電圧制御により進行させる
ことにある。
【0028】加える直流電圧は、サイクルの各段階につ
き、変性段階でDC−0.001V〜1000V/m
m、アニーリング段階でDC−0.1〜+0.1V/m
mパルス、鎖伸長段階でDC0Vとすることが望まし
い。各段階の時間は、通常のサーマルサイクラーによる
場合と同様に、適宜設定する。このように、電圧を加え
ることにより一定の温度下でサイクルの各段階を進行さ
せて目的の核酸を増幅でき、温度制御の必要がない。な
お、電圧を加える際には、反応液全体の温度を60℃前
後に昇温することにより、DC0Vのときに鎖伸長反応
が起きるので、好ましい。
【0029】電圧を加える方法としては、図1に示すよ
うに、例えば化学修飾した基板の反対側に、増幅対象と
なる核酸をはさむようにしてもう一枚基板を置き、基板
間を直流電圧が流れるようにすることが考えられる。化
学修飾した基板に固定した核酸を増幅する場合には、化
学修飾した基板に直流電圧を加えることができる。
【0030】その他核酸増幅に際しての条件、例えばプ
ライマー、DNAポリメラーゼ、反応液等については、
サーマルサイクルの場合と同様に適宜設定することがで
きる。本発明においては、DNAポリメラーゼについて
制限なく使用できる点が優れている。通常のサーマルサ
イクラーによるPCRでは、熱変性段階で94℃まで昇
温する必要があることから、その温度に耐えうるDNA
ポリメラーゼを選択使用する必要があるが、本発明の方
法によればそのような高温にする必要がないため、制限
なくDNAポリメラーゼを使用することができる。
【0031】得られた増幅産物の検出は、定法に従い、
アガロース電気泳動やポリアクリルアミドゲル電気泳動
等に供した後、適宜染色してUV照射、オートラジオグ
ラフィー等により行うことができる。
【0032】次に、本発明の核酸を連鎖的に増幅させる
装置について説明する。本発明の装置は、目的の核酸を
増幅させるにあたり、該サイクルを制御すべく電圧を加
える手段を有することを特徴とする。
【0033】本発明の装置において、電圧は、既に説明
した核酸を増幅させるためのサイクルを進行させるべく
サイクルの各段階に応じた電圧となるように制御できる
ように行う。したがって、加える電圧の範囲は上記した
本発明の方法と同様である。
【0034】本発明の装置において電圧を加えるための
手段としては、例えば核酸増幅反応室を設け、該反応室
の相対する側面に2枚の基板が設けられ、両基板間に直
流電圧を加えることのできる手段が設けられていること
が挙げられ、このようにすることが好ましい。この基板
の一方は、核酸が固定化された固定化用チップであり、
反応室は、目的とする核酸が中心部に向いている状態と
なることになる。
【0035】また、目的とする核酸がcDNAである場
合には、本発明の装置に逆転写反応を行うための手段を
有することが好ましい。このようにすれば、RNAから
得る際に得られるcDNAを逆転写反応と同時に固定化
用チップに固定することができるからである。
【0036】逆転写反応を行うための手段とは、定法に
より逆転写反応を行うための手段であり、鋳型となるR
NA、逆転写酵素、プライマーとなるオリゴdT、4種
類のdNTP、および逆転写のための温度制御手段が設
けられていることが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、本発明につき実施例を挙げて詳細に説
明する。 実施例1(RT−PCR) TaKaRa RNA KIT(AMV)VER.2.
1の反応溶液を用いて、オリゴヌクレオチド固定化用ダ
イヤモンドチップ2枚にcDNA(配列表の配列番号1
参照)を固定化し、電圧制御PCR(RT−PCR)を
試みた。
【0038】まず、Positive contoro
l RNA(pSTet3プラスミドの転写poly
(A)RNA)について、相補的なcDNAを得るべ
く、逆転写反応を行った。
【0039】まず、以下の組成からなる反応液Aを作成
した。 ・MgCl2 20.0μL ・10×RNA PCR Buffer 10.0μL ・RNase Free dH2O 47.5μL ・Reverse Transcriptase 5.0μL ・Positive contorol RNA 5.0μL Total 100.0μL
【0040】なお、Reverse Transcri
ptase(逆転写酵素:Avian Myeloblastosis Virus
由来)添加時には、数回のピペッティングによる混合を
行った。調整した反応液を50μLずつエッペンドルフ
チューブに分取し、オリゴdT固定化ダイヤモンドチッ
プを投入して、逆転写反応を行うと同時に得られるcD
NAをチップに固定した。
【0041】逆転写反応の条件は以下のとおりとした。 (1)サーマルサイクラーの設定・・・42℃×30分 (2)cDNA固定化チップを取り出し、エタノールで
洗浄し、水洗乾燥する。
【0042】次に、固定化cDNAについてPCRを行
った。まず、次の組成からなる反応液Bを調製した。 ・MgCl2 10.0μL ・10×RNA PCR Buffer 10.0μL ・滅菌蒸留水 75.5μL ・dNTP Mixture 47.5μL ・TaKaRa TaqTM 2.0μL ・上流PCRプライマー 1.0μL ・下流PCRプライマー 1.0μL Total 100.0μL
【0043】ここで、上流および下流のPCRプライマ
ーの塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号1および2
に示したとおりである。なお、通常のRT−PCRで
は、逆転写反応の反応液Aに上記PCR反応液Bを追加
するが、本実施例の場合はすでに固定化チップを取出し
た段階で反応液Aを廃棄しているので、B液量の総量を
通常の場合のA液とB液との総量となるように調製して
いる。
【0044】この反応液50μLを、cDNAを固定化
したBドーピングダイヤモンドで作成した反応セルに分
取した後、以下の条件でPCRを行った。なお、図1に
電圧を制御する際の模式図を示す。 (1)セル温度…60℃ (2)直流電圧サイクラーをスタートし、cDNAを増
幅 ・DC(+)100V×30秒→0V×30秒を25サ
イクル
【0045】得られたPCR産物につき、以下の組成か
らなる試料液を調製した。 ・PCR産物 2μL ・ゲルローディングバッファー 1μL ・10×TAE 1μL ・蒸留水 6μL
【0046】これをアガロースゲル上で電気泳動させた
のち、エチジウムブロミド染色を行い、バンドを検出し
た。染色は、蒸留水250mLにエチジウムブロミド1
0μLを添加したものをマイルドミキサーで30分緩や
かに揺動させたものを染色液として用い、その後UV照
射して検出した。その結果、本発明の電圧制御による方
法により、核酸を正確に増幅させることができることが
明らかとなった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、電圧制御により核酸を
増幅させることができるので、温度制御による従来の方
法により、各段階への切り替えをスムーズに移行させる
ことができる。また、特別の装置や技術がなくとも迅速
な増幅をさせることが可能であり、設備投資等の経済的
な問題や技術的な問題がない。しかも、反応系が高温に
なることがないので、使用できるDNAポリメラーゼが
限定されず、耐熱性の高い酵素を用いる必要がない。ま
た、本発明ではRNAから逆転写反応を行ってcDNA
を得ると同時に該cDNAの基板への固定も可能である
ことから、いわゆるRT−PCR(revercetranscript-
PCR)を効率よく行うことができ、mRNAの検出用お
よび定量解析用としても有用である。このことから、本
発明は生化学、医療等の各種分野における試験、研究、
診断用に重要である。
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Toyo Kohan Co,. Ltd. <120> 核酸を連続的に増幅する方法およびこれに
用いる装置 <130> P1624 <160> 2 <210> 1 <211> 配列の長さ <212> DNA <213> artifical sequence <400> 1 ctgctcgctt cgctacttgg a 21 <210> 2 <211> 配列の長さ <212> DNA <213> artifical sequence <400> 2 cggcacctgt cctacgagtt g 21
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の核酸を増幅させる方法の実施例を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 核酸固定側電極 2 増幅の対象となるDNA配列部分 → は増幅の方向を示す。
フロントページの続き (72)発明者 高木 研一 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内 (72)発明者 高橋 浩二郎 広島県広島市南区宇品御幸1丁目9番26号 Fターム(参考) 4B024 AA19 AA20 CA01 CA09 CA12 HA19 4B029 AA23 AA24 CC03 CC08 4B063 QQ42 QQ53 QR08 QR32 QR35 QR62 QR84 QS25 QS39

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的の核酸につき1本鎖への変性段階、
    該核酸の一部に対応する配列を有するプライマーの該核
    酸に対するアニーリング段階およびDNAポリメラーゼ
    による鎖伸長段階からなるサイクルを繰り返して核酸を
    増幅させる方法において、該サイクルを電圧制御により
    進行させることを特徴とする核酸を連鎖的に増幅する方
    法。
  2. 【請求項2】 電極を有する固定化チップともう一方の
    電極との間に核酸が位置するように一方の固定化チップ
    に核酸が固定化され、核酸固定側電極において、該サイ
    クルを電圧制御により進行させることを特徴とする請求
    項1記載の核酸を連鎖的に増幅する方法。
  3. 【請求項3】 電極を有する固定化チップともう一方の
    電極との間に核酸が位置するように一方の固定化チップ
    に核酸が固定化され、核酸固定側電極において、サイク
    ルの各段階につき、変性段階でDC−0.001〜10
    00V/mm、アニーリング段階でDC−0.1〜0.
    1V/mmパルス、鎖伸長段階でDC0Vを加えること
    を特徴とする請求項1又は2記載の核酸を連鎖的に増幅
    する方法。
  4. 【請求項4】 電極を有する固定化チップが化学修飾さ
    れた基板である請求項1〜4記載の核酸を連鎖的に増幅
    する方法。
  5. 【請求項5】 目的の核酸がcDNAである請求項1〜
    4記載のいずれかの核酸を連鎖的に増幅する方法。
  6. 【請求項6】 cDNAが固定化チップにオリゴdTを
    介して固定されたあとに増幅に供される請求項1〜5の
    いずれかの核酸を連鎖的に増幅する方法。
  7. 【請求項7】 mRNAからプライマーとしてオリゴd
    Tを用いた逆転写反応により、cDNAがオリゴdTを
    介して固定化チップに固定されたあとに増幅に供される
    請求項1〜6のいずれかの核酸を連鎖的に増幅する方
    法。
  8. 【請求項8】 目的の核酸につき1本鎖への変性段階、
    該核酸の一部に対応する配列を有するプライマーの該核
    酸に対するアニーリング段階およびDNAポリメラーゼ
    による鎖伸長段階からなるサイクルを繰り返して核酸を
    増幅させる装置において、該サイクルを制御すべく電圧
    を加える手段を有することを特徴とする核酸を連鎖的に
    増幅させる装置。
  9. 【請求項9】 目的の核酸につき1本鎖への変性段階、
    該核酸の一部に対応する配列を有するプライマーの該核
    酸に対するアニーリング段階およびDNAポリメラーゼ
    による鎖伸長段階からなるサイクルを繰り返して核酸を
    増幅させる装置において、各段階に反応系に電圧を加え
    る手段を有し、各段階の反応系の温度を一定としてサイ
    クルを繰り返すことを特徴とする核酸を連鎖的に増幅さ
    せる装置。
  10. 【請求項10】 核酸を連続的に増幅するための反応室
    が設けられ、該反応室には内側の相対面に2枚の基板が
    設けられ、両基板間に直流電圧を加える手段を有する請
    求項8又は9記載の核酸を連鎖的に増幅させる装置。
  11. 【請求項11】 2枚の基板のうち1枚がDNA固定化
    用チップであり、該チップに核酸が反応室の内側に向か
    うように固定されている請求項8〜10のいずれかの核
    酸を連鎖的に増幅させる装置。
  12. 【請求項12】 逆転写反応を行うための手段を有する
    請求項8〜11のいずれかの核酸を連鎖的に増幅させる
    装置。
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