JP2001178375A - 単胃家畜飼料中の魚粉の代替方法 - Google Patents
単胃家畜飼料中の魚粉の代替方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 単胃家畜の安価なタンパク質飼料を提供す
る。 【構成】 本発明は、タンパク質飼料である魚粉の代替
物としてコリネ型細菌の菌体を使用する方法により安価
なタンパク質飼料を提供する。また、菌体に含まれるタ
ンパク質の消化率を向上させる処理を施したコリネ型細
菌の菌体を使用する場合は配合比率を高めることができ
る。
る。 【構成】 本発明は、タンパク質飼料である魚粉の代替
物としてコリネ型細菌の菌体を使用する方法により安価
なタンパク質飼料を提供する。また、菌体に含まれるタ
ンパク質の消化率を向上させる処理を施したコリネ型細
菌の菌体を使用する場合は配合比率を高めることができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単胃家畜用のタン
パク質飼料である魚粉をコリネ型細菌の菌体で代替する
方法に関する。
パク質飼料である魚粉をコリネ型細菌の菌体で代替する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、単胃家畜用のタンパク質飼料とし
て大豆粕や魚粉が用いられている。大豆粕は主なタンパ
ク質飼料であるが塩基性アミノ酸等が少ないため、魚粉
を配合する場合が多い。しかし、魚粉は高価なため配合
飼料を調製する際コスト高の原因となる。安価なタンパ
ク質飼料の供給源として微生物由来のタンパク質が利用
できる。微生物由来のタンパク質としてはメタノール資
化性酵母(Poult. Sci 1974May53(3)1039-42)や乳酸菌
(特開昭58-053829)が知られている。
て大豆粕や魚粉が用いられている。大豆粕は主なタンパ
ク質飼料であるが塩基性アミノ酸等が少ないため、魚粉
を配合する場合が多い。しかし、魚粉は高価なため配合
飼料を調製する際コスト高の原因となる。安価なタンパ
ク質飼料の供給源として微生物由来のタンパク質が利用
できる。微生物由来のタンパク質としてはメタノール資
化性酵母(Poult. Sci 1974May53(3)1039-42)や乳酸菌
(特開昭58-053829)が知られている。
【0003】また、コリネ型細菌の細胞壁成分含有物は
家畜、家禽、ペット等の白痢・下痢の予防、治療剤とな
ることが知られている(特開平03-173826)が、コリネ
型細菌の菌体は消化性の問題からタンパク質飼料、特に
魚粉の代替物として利用した例はない。
家畜、家禽、ペット等の白痢・下痢の予防、治療剤とな
ることが知られている(特開平03-173826)が、コリネ
型細菌の菌体は消化性の問題からタンパク質飼料、特に
魚粉の代替物として利用した例はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、単胃
家畜用飼料を安価に提供するため、高価なタンパク質飼
料である魚粉を安価な他のタンパク質原料で代替する方
法を提供することである。
家畜用飼料を安価に提供するため、高価なタンパク質飼
料である魚粉を安価な他のタンパク質原料で代替する方
法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の検
討を重ねた結果、コリネ型細菌の菌体の組成が魚粉の組
成に近いことを見いだし、コリネ型細菌の菌体を魚粉の
代替物として単胃動物に投与してみたところ、単胃家畜
の体重が増加し、コリネ型細菌の菌体がタンパク質源と
して有用である知見を得ることができ、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、単胃家畜用飼料中の
魚粉をコリネ型細菌の菌体で代替する方法及びコリネ型
細菌の菌体で単胃家畜用飼料中の魚粉を代替した飼料に
関するものである。該飼料中の魚粉の代替割合として
は、1.5〜70%が好ましい。
討を重ねた結果、コリネ型細菌の菌体の組成が魚粉の組
成に近いことを見いだし、コリネ型細菌の菌体を魚粉の
代替物として単胃動物に投与してみたところ、単胃家畜
の体重が増加し、コリネ型細菌の菌体がタンパク質源と
して有用である知見を得ることができ、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、単胃家畜用飼料中の
魚粉をコリネ型細菌の菌体で代替する方法及びコリネ型
細菌の菌体で単胃家畜用飼料中の魚粉を代替した飼料に
関するものである。該飼料中の魚粉の代替割合として
は、1.5〜70%が好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
単胃家畜とは単一嚢構造の胃を有する家畜であり、例え
ば豚、鶏などが挙げられる。コリネ型細菌とは従来、ブ
レビバクテリウム属に分類されていたが現在コリネバク
テリウム属に統合された細菌を含み(Int. J. Syst. Ba
cteriol., 41,255(1981))、またコリネバクテリウム属
と非常に近縁なブレビバクテリウム属細菌を含む。また
野生株の他に薬剤耐性、栄養要求性などの性質を有する
変異株、アミノ酸や核酸関連物質生産性を有するまたは
失った変異株、遺伝子工学的手法を用いて各種酵素を増
強した株など、いかなる菌株を用いてもよい。これらの
コリネ型細菌の例として以下のものが挙げられる。
単胃家畜とは単一嚢構造の胃を有する家畜であり、例え
ば豚、鶏などが挙げられる。コリネ型細菌とは従来、ブ
レビバクテリウム属に分類されていたが現在コリネバク
テリウム属に統合された細菌を含み(Int. J. Syst. Ba
cteriol., 41,255(1981))、またコリネバクテリウム属
と非常に近縁なブレビバクテリウム属細菌を含む。また
野生株の他に薬剤耐性、栄養要求性などの性質を有する
変異株、アミノ酸や核酸関連物質生産性を有するまたは
失った変異株、遺伝子工学的手法を用いて各種酵素を増
強した株など、いかなる菌株を用いてもよい。これらの
コリネ型細菌の例として以下のものが挙げられる。
【0007】 コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム コリネバクテリウム・アセトグルタミカム コリネバクテリウム・アルカノリティカム コリネバクテリウム・カルナエ コリネバクテリウム・グルタミカム コリネバクテリウム・リリウム(コリネバクテリウム・
グルタミカム) コリネバクテリウム・メラセコーラ コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス コリネバクテリウム・ハーキュリス ブレビバクテリウム・ディバリカタム(コリネバクテリ
ウム・グルタミカム) ブレビバクテリウム・フラバム(コリネバクテリウム・
グルタミカム) ブレビバクテリウム・インマリオフィラム ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(コリネバ
クテリウム・グルタミカム) ブレビバクテリウム・ロゼウム ブレビバクテリウム・サッカロティカム ブレビバクテリウム・チオゲニタリス ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(コリネバクテ
リウム・アンモニアゲネス) ブレビバクテリウム・アルバム ブレビバクテリウム・セリヌム ミクロバクテリウム・アンモニアフィラム
グルタミカム) コリネバクテリウム・メラセコーラ コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス コリネバクテリウム・ハーキュリス ブレビバクテリウム・ディバリカタム(コリネバクテリ
ウム・グルタミカム) ブレビバクテリウム・フラバム(コリネバクテリウム・
グルタミカム) ブレビバクテリウム・インマリオフィラム ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(コリネバ
クテリウム・グルタミカム) ブレビバクテリウム・ロゼウム ブレビバクテリウム・サッカロティカム ブレビバクテリウム・チオゲニタリス ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(コリネバクテ
リウム・アンモニアゲネス) ブレビバクテリウム・アルバム ブレビバクテリウム・セリヌム ミクロバクテリウム・アンモニアフィラム
【0008】具体的には、下記のような菌株を例示する
ことができる。 コリネバクテリウム・アセトアシドフィラムATCC1
3870 コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15
806 コリネバクテリウム・アルカノリティカムATCC21
511 コリネバクテリウム・カルナエATCC15991 コリネバクテリウム・グルタミカムATCC1302
0、ATCC13032、ATCC13060 コリネバクテリウム・リリウム(コリネバクテリウム・
グルタミカム)ATCC15990 コリネバクテリウム・メラセコーラATCC17965 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM B
P−1539 コリネバクテリウム・ハーキュリスATCC13868 ブレビバクテリウム・ディバリカタム(コリネバクテリ
ウム・グルタミカム)ATCC14020 ブレビバクテリウム・フラバム(コリネバクテリウム・
グルタミカム)ATCC13826、ATCC1406
7 ブレビバクテリウム・インマリオフィラムATCC14
068 ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(コリネバ
クテリウム・グルタミカム)ATCC13665、AT
CC13869 ブレビバクテリウム・ロゼウムATCC13825 ブレビバクテリウム・サッカロティカムATCC140
66 ブレビバクテリウム・チオゲニタリスATCC1924
0 ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(コリネバクテ
リウム・アンモニアゲネス)ATCC6871、ATC
C6872 ブレビバクテリウム・アルバムATCC15111 ブレビバクテリウム・セリヌムATCC15112 ミクロバクテリウム・アンモニアフィラムATCC15
354
ことができる。 コリネバクテリウム・アセトアシドフィラムATCC1
3870 コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15
806 コリネバクテリウム・アルカノリティカムATCC21
511 コリネバクテリウム・カルナエATCC15991 コリネバクテリウム・グルタミカムATCC1302
0、ATCC13032、ATCC13060 コリネバクテリウム・リリウム(コリネバクテリウム・
グルタミカム)ATCC15990 コリネバクテリウム・メラセコーラATCC17965 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM B
P−1539 コリネバクテリウム・ハーキュリスATCC13868 ブレビバクテリウム・ディバリカタム(コリネバクテリ
ウム・グルタミカム)ATCC14020 ブレビバクテリウム・フラバム(コリネバクテリウム・
グルタミカム)ATCC13826、ATCC1406
7 ブレビバクテリウム・インマリオフィラムATCC14
068 ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(コリネバ
クテリウム・グルタミカム)ATCC13665、AT
CC13869 ブレビバクテリウム・ロゼウムATCC13825 ブレビバクテリウム・サッカロティカムATCC140
66 ブレビバクテリウム・チオゲニタリスATCC1924
0 ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(コリネバクテ
リウム・アンモニアゲネス)ATCC6871、ATC
C6872 ブレビバクテリウム・アルバムATCC15111 ブレビバクテリウム・セリヌムATCC15112 ミクロバクテリウム・アンモニアフィラムATCC15
354
【0009】これらコリネ型細菌の培養には、通常これ
らの細菌が資化しうる栄養源であれば何でも使用し得
る。例えばグルコース、シュークロース等の炭水化物、
エタノールやグリセロール等のアルコール、酢酸、プロ
ピオン酸等の有機酸、大豆油などまたはこれらの混合物
の炭素源、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンス
ティープリカー、硫安、アンモニア等の含窒素無機有機
栄養源、リン酸塩、マグネシウム、鉄、マンガン、カリ
等の無機栄養源、およびビオチン、チアミン等のビタミ
ン類を適宜配合した通常の培地が用いられる。培養の方
法としては、栄養培地のpHを4.0〜9.5の範囲で20℃〜4
0℃で12時間〜5日間好気的に培養すればよい。
らの細菌が資化しうる栄養源であれば何でも使用し得
る。例えばグルコース、シュークロース等の炭水化物、
エタノールやグリセロール等のアルコール、酢酸、プロ
ピオン酸等の有機酸、大豆油などまたはこれらの混合物
の炭素源、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンス
ティープリカー、硫安、アンモニア等の含窒素無機有機
栄養源、リン酸塩、マグネシウム、鉄、マンガン、カリ
等の無機栄養源、およびビオチン、チアミン等のビタミ
ン類を適宜配合した通常の培地が用いられる。培養の方
法としては、栄養培地のpHを4.0〜9.5の範囲で20℃〜4
0℃で12時間〜5日間好気的に培養すればよい。
【0010】培養によって得られた菌体は培養物から遠
心分離などで分離したものをそのまま用いることができ
る。しかしながら、菌体の破砕処理を行ったものも望ま
しい。破砕処理する菌体は生菌体、殺菌処理物のいずれ
であっても良い。破砕する方法は酵素的方法、物理的方
法いずれであっても良い。酵素的方法は培養菌体を水に
溶解し生理食塩水などに懸濁しこれに細胞を分解させ
る。この際用いる酵素としてはリゾチームなどの溶菌酵
素若しくはパパイン、ブロメラインなど植物由来のプロ
テアーゼ、若しくはカビや細菌等の微生物が生産する各
種プロテアーゼ、若しくは動物の消化器由来のプロテア
ーゼなどが挙げられる。これらの反応条件は公知の方法
に従えばよい。また物理的方法としては例えばエクスト
ルーダやフレンチプレス、超音波破砕機などによる処理
が挙げられる。酵素的方法と物理的方法は併用すること
もできる。これらの菌体処理は菌体に含まれるタンパク
質の消化率が向上する方法であればどんな処理法でも使
用できる。また処理された後の菌体は乾燥させても良
い。乾燥された菌体は場合によって粉砕しても良い。
心分離などで分離したものをそのまま用いることができ
る。しかしながら、菌体の破砕処理を行ったものも望ま
しい。破砕処理する菌体は生菌体、殺菌処理物のいずれ
であっても良い。破砕する方法は酵素的方法、物理的方
法いずれであっても良い。酵素的方法は培養菌体を水に
溶解し生理食塩水などに懸濁しこれに細胞を分解させ
る。この際用いる酵素としてはリゾチームなどの溶菌酵
素若しくはパパイン、ブロメラインなど植物由来のプロ
テアーゼ、若しくはカビや細菌等の微生物が生産する各
種プロテアーゼ、若しくは動物の消化器由来のプロテア
ーゼなどが挙げられる。これらの反応条件は公知の方法
に従えばよい。また物理的方法としては例えばエクスト
ルーダやフレンチプレス、超音波破砕機などによる処理
が挙げられる。酵素的方法と物理的方法は併用すること
もできる。これらの菌体処理は菌体に含まれるタンパク
質の消化率が向上する方法であればどんな処理法でも使
用できる。また処理された後の菌体は乾燥させても良
い。乾燥された菌体は場合によって粉砕しても良い。
【0011】魚粉、コリネ型細菌の菌体及び代表的な飼
料用タンパク質原料である大豆粕の組成の分析結果を表
1に示した。表1からわかるように、コリネ型細菌の菌
体は魚粉以上のタンパク質を含んでおり、代表的なタン
パク質原料である大豆粕と比較しても魚粉と似ている。
また、アミノ酸組成も魚粉に近いことを見いだした。た
だし、コリネ型細菌の菌体は魚粉よりメチオニンやリジ
ンの含有量が若干低いため、本発明の実施の際には、リ
ジン塩酸塩、メチオニン等ののアミノ酸を添加しアミノ
酸バランスを整えると、より効果的である。
料用タンパク質原料である大豆粕の組成の分析結果を表
1に示した。表1からわかるように、コリネ型細菌の菌
体は魚粉以上のタンパク質を含んでおり、代表的なタン
パク質原料である大豆粕と比較しても魚粉と似ている。
また、アミノ酸組成も魚粉に近いことを見いだした。た
だし、コリネ型細菌の菌体は魚粉よりメチオニンやリジ
ンの含有量が若干低いため、本発明の実施の際には、リ
ジン塩酸塩、メチオニン等ののアミノ酸を添加しアミノ
酸バランスを整えると、より効果的である。
【0012】
【表1】
【0013】コリネ型細菌の菌体を混合する単胃家畜用
飼料としては、魚粉を含有している飼料であり、通常、
とうもろこし、大麦、小麦、ライ麦、ソルガム、大豆、
黄粉などの穀類、大豆油かす、大豆蛋白、油脂、スキム
ミルク、肉骨粉、血粉、血漿蛋白、ホエー、米ぬか、ふ
すま、砂糖、ブドウ糖、ミネラル、ビタミン、食塩など
を単独あるいは組み合わせたものを用いればよい。コリ
ネ型細菌の菌体による魚粉の代替割合は70%以下が好ま
しい。また特に処理していない菌体では35%以下が望ま
しい。コリネ型細菌の菌体の配合比率は高い方が安価な
飼料が配合できる。従って1.5%以上配合するのが望まし
い。すなわち魚粉に対するコリネ型菌体の代替比率は1.
5〜70%が好ましく、特に処理をしない菌体では1.5〜35%
が好ましい。
飼料としては、魚粉を含有している飼料であり、通常、
とうもろこし、大麦、小麦、ライ麦、ソルガム、大豆、
黄粉などの穀類、大豆油かす、大豆蛋白、油脂、スキム
ミルク、肉骨粉、血粉、血漿蛋白、ホエー、米ぬか、ふ
すま、砂糖、ブドウ糖、ミネラル、ビタミン、食塩など
を単独あるいは組み合わせたものを用いればよい。コリ
ネ型細菌の菌体による魚粉の代替割合は70%以下が好ま
しい。また特に処理していない菌体では35%以下が望ま
しい。コリネ型細菌の菌体の配合比率は高い方が安価な
飼料が配合できる。従って1.5%以上配合するのが望まし
い。すなわち魚粉に対するコリネ型菌体の代替比率は1.
5〜70%が好ましく、特に処理をしない菌体では1.5〜35%
が好ましい。
【0014】コリネ型細菌の菌体は上記の飼料に添加、
混合して家畜に給餌できる。特に魚粉の代替物として給
餌するのが望ましく、魚粉を用いる飼料ならばいずれに
も使用できる。例えば養鶏用飼料は、前期飼料と後期飼
料があるが、それらいずれにも混合できる。
混合して家畜に給餌できる。特に魚粉の代替物として給
餌するのが望ましく、魚粉を用いる飼料ならばいずれに
も使用できる。例えば養鶏用飼料は、前期飼料と後期飼
料があるが、それらいずれにも混合できる。
【0015】本発明のコリネ型細菌の菌体で飼料中の魚
粉を代替する方法及び飼料中の魚粉を代替した飼料は、
単胃家畜への適用が有用であり、特に鶏への適用が有用
である。以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
粉を代替する方法及び飼料中の魚粉を代替した飼料は、
単胃家畜への適用が有用であり、特に鶏への適用が有用
である。以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
【0016】
【実施例】<実施例1> コリネ型細菌の菌体調製方法
コリネ型細菌を通常の培地で調製した発酵ブロス12
kLをアルファラバル社製BRPX510で遠心分離し
た後、10kLの水で洗浄し再度遠心分離を行って菌体
濃縮液1.4kLを得た。その後、菌体濃縮液をドラム
ドライヤー(接触面積22.5m2)を使用して140℃、
2.25L/min.の条件で乾燥することにより、乾燥菌体(以
下、未処理菌体という。)を調製した。次に、得られた
未処理菌体菌体を水で100g/Lに懸濁しリゾチーム
0.1%とパパイン0.2%を添加して30℃で16時間処理し
た。得られた酵素液を上記と同じ条件で乾燥させ、乾燥
酵素処理菌体(以下、酵素処理菌体という。)を得た。
また、上記未処理菌体を日本製鋼所製エクストルーダー
であるラボルーダーマークを用いて物理的破砕を行っ
た。エクストルーダーの運転条件は主モーター回転数2
00rpm、温度は第1ヒーター100℃、第2ヒータ
ー140℃、第3ヒーター180℃でとし、水分添加量
は乾燥菌体の12%とした。エクストルーダー(ラボルー
ダーマーク)で処理された菌体を三田村理研工業株式
会社製クロスビーターミル182300SK1を用いて
粉砕し、粉砕菌体(以下、物理的処理菌体という。)を
得た。
コリネ型細菌を通常の培地で調製した発酵ブロス12
kLをアルファラバル社製BRPX510で遠心分離し
た後、10kLの水で洗浄し再度遠心分離を行って菌体
濃縮液1.4kLを得た。その後、菌体濃縮液をドラム
ドライヤー(接触面積22.5m2)を使用して140℃、
2.25L/min.の条件で乾燥することにより、乾燥菌体(以
下、未処理菌体という。)を調製した。次に、得られた
未処理菌体菌体を水で100g/Lに懸濁しリゾチーム
0.1%とパパイン0.2%を添加して30℃で16時間処理し
た。得られた酵素液を上記と同じ条件で乾燥させ、乾燥
酵素処理菌体(以下、酵素処理菌体という。)を得た。
また、上記未処理菌体を日本製鋼所製エクストルーダー
であるラボルーダーマークを用いて物理的破砕を行っ
た。エクストルーダーの運転条件は主モーター回転数2
00rpm、温度は第1ヒーター100℃、第2ヒータ
ー140℃、第3ヒーター180℃でとし、水分添加量
は乾燥菌体の12%とした。エクストルーダー(ラボルー
ダーマーク)で処理された菌体を三田村理研工業株式
会社製クロスビーターミル182300SK1を用いて
粉砕し、粉砕菌体(以下、物理的処理菌体という。)を
得た。
【0017】<実施例2> 調製された各種菌体サンプ
ルの人工消化試験 調製された各種菌体サンプルがどの程度破壊されている
かを測定するためトリプシンによる人工消化試験を行っ
た。人工消化試験は20mlの50mM-リン酸カリウム緩衝液
(pH8.2)に3.0g/lのトリプシン250(DIFCO社製)水
溶液を5ml添加し、調製した菌体サンプルを0.2g添加し
て37℃、16時間反応させた。反応停止には2N-塩酸10m
lを使用した。反応停止後の液をNo.5Cの濾紙で濾過し得
られた濾液の窒素分析をケルダール分解法で行った。全
窒素に占めるトリプシンによる反応で可溶化した窒素分
を総消化率と定義し各サンプルの総消化率を求めたとこ
ろ未処理菌体は24.0%、エクストルーダー処理菌体(物
理的処理菌体)は28.5%、リゾチームとパパインによる
酵素処理菌体は36.5%であった。
ルの人工消化試験 調製された各種菌体サンプルがどの程度破壊されている
かを測定するためトリプシンによる人工消化試験を行っ
た。人工消化試験は20mlの50mM-リン酸カリウム緩衝液
(pH8.2)に3.0g/lのトリプシン250(DIFCO社製)水
溶液を5ml添加し、調製した菌体サンプルを0.2g添加し
て37℃、16時間反応させた。反応停止には2N-塩酸10m
lを使用した。反応停止後の液をNo.5Cの濾紙で濾過し得
られた濾液の窒素分析をケルダール分解法で行った。全
窒素に占めるトリプシンによる反応で可溶化した窒素分
を総消化率と定義し各サンプルの総消化率を求めたとこ
ろ未処理菌体は24.0%、エクストルーダー処理菌体(物
理的処理菌体)は28.5%、リゾチームとパパインによる
酵素処理菌体は36.5%であった。
【0018】<実施例3> ブロイラーの飼育試験 飼育は1区4羽の4反復で1条件につき16羽使用し
た。飼育は開放鶏舎で自由給水のもと35日間行った。
実施例1で調製した未処理菌体、物理的処理菌体、酵素
処理菌体の3種の菌体を使用して魚粉の代替試験を行っ
た。全飼料に対する魚粉の割合は、8.67%であり、コリ
ネ型細菌の菌体による魚粉の代替比率は0、33、6
7、100%の4水準とした。このとき、飼料に対する菌体
の配合比率は、それぞれ0.2.5%、5.0%、7.
5%となった。尚、魚粉とコリネ型細菌の菌体の化学的
な組成を比較して不足するアミノ酸などは別に添加し
た。前期飼料の配合組成を表2に示し、後期飼料の配合
組成を表3に示した。
た。飼育は開放鶏舎で自由給水のもと35日間行った。
実施例1で調製した未処理菌体、物理的処理菌体、酵素
処理菌体の3種の菌体を使用して魚粉の代替試験を行っ
た。全飼料に対する魚粉の割合は、8.67%であり、コリ
ネ型細菌の菌体による魚粉の代替比率は0、33、6
7、100%の4水準とした。このとき、飼料に対する菌体
の配合比率は、それぞれ0.2.5%、5.0%、7.
5%となった。尚、魚粉とコリネ型細菌の菌体の化学的
な組成を比較して不足するアミノ酸などは別に添加し
た。前期飼料の配合組成を表2に示し、後期飼料の配合
組成を表3に示した。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】表4に各種菌体の配合比率と菌体飼育35
日目の消費飼料量、体重の関係示した。また、図1に魚
粉の代替割合と35日目の体重の関係を示した。未処理
菌体を使用した場合は約35%まで、また酵素処理菌体
(リゾチームとパパインで処理した菌体)や物理的処理
菌体(エクストルーダー処理した菌体)を使用した場合
は約70%まで魚粉を代替しても、35日目の体重は、
菌体で代替しなかった場合(魚粉のみを配合した場合)
とほぼ同等であり、魚粉の代替が可能であった。
日目の消費飼料量、体重の関係示した。また、図1に魚
粉の代替割合と35日目の体重の関係を示した。未処理
菌体を使用した場合は約35%まで、また酵素処理菌体
(リゾチームとパパインで処理した菌体)や物理的処理
菌体(エクストルーダー処理した菌体)を使用した場合
は約70%まで魚粉を代替しても、35日目の体重は、
菌体で代替しなかった場合(魚粉のみを配合した場合)
とほぼ同等であり、魚粉の代替が可能であった。
【0022】
【表4】
【0023】
【発明の効果】本発明により、コリネ型細菌の菌体を、
単胃家畜用の安価なタンパク質飼料として使用できる。
特に高価なタンパク質原料である魚粉を代替することに
有効である。また消化率を向上させるため菌体を処理し
た場合は配合比率を高めることが可能である。
単胃家畜用の安価なタンパク質飼料として使用できる。
特に高価なタンパク質原料である魚粉を代替することに
有効である。また消化率を向上させるため菌体を処理し
た場合は配合比率を高めることが可能である。
【図1】菌体による魚粉の代替割合と35日間飼育時のブ
ロイラー体重の関係
ロイラー体重の関係
Claims (3)
- 【請求項1】 単胃家畜用飼料中の魚粉をコリネ型細菌
の菌体で代替する方法。 - 【請求項2】 単胃家畜用飼料中の魚粉の1.5〜70%をコ
リネ型細菌の菌体で代替することを特徴とする請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】 単胃家畜用飼料中の魚粉をコリネ型細菌
の菌体で代替した飼料。
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---|---|---|---|
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BRPI0006240-5A BR0006240B1 (pt) | 1999-12-24 | 2000-12-21 | composiÇço de raÇço para animais domÉsticos monogÁstricos. |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3173826B2 (ja) * | 1991-11-15 | 2001-06-04 | レッキス工業株式会社 | 融着継手の融着方法及び装置 |
CN1222307A (zh) * | 1998-11-25 | 1999-07-14 | 王燕军 | 高蛋氨酸生物饲料蛋白及其制备方法 |
-
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- 1999-12-24 JP JP36726499A patent/JP2001178375A/ja active Pending
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- 2000-12-21 MY MYPI20006088A patent/MY140766A/en unknown
- 2000-12-24 CN CNB001373382A patent/CN1328972C/zh not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3068235A4 (en) * | 2013-11-15 | 2017-06-28 | Archer Daniels Midland Company | Methods of feeding animals fermentation cell mass |
AU2014348514B2 (en) * | 2013-11-15 | 2018-07-05 | Archer Daniels Midland Company | Methods of feeding animals fermentation cell mass |
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Publication number | Publication date |
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MY140766A (en) | 2010-01-15 |
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