JP2001178097A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

Info

Publication number
JP2001178097A
JP2001178097A JP35190699A JP35190699A JP2001178097A JP 2001178097 A JP2001178097 A JP 2001178097A JP 35190699 A JP35190699 A JP 35190699A JP 35190699 A JP35190699 A JP 35190699A JP 2001178097 A JP2001178097 A JP 2001178097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spindle motor
shaft
rotating body
bearing
rolling element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35190699A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Yabe
久雄 矢部
Tetsuya Ito
哲也 伊東
Katsuya Seko
克也 世古
Naoki Miyagi
直樹 宮城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Digital Media Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Digital Media Engineering Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP35190699A priority Critical patent/JP2001178097A/ja
Publication of JP2001178097A publication Critical patent/JP2001178097A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドルモータの剛性を向上させ高速化さ
せると共に、ロータにおける電位の発生を抑制するこ
と。 【解決手段】 軸部と、前記軸部の外周側に配置された
ステータコイルを有するステータ部と、前記軸部に軸受
を介して回転可能に支持され、かつ前記ステータコイル
と所定の間隙をもって対向配置された永久磁石を有する
回転体とを具備するスピンドルモータにおいて、前記軸
受の転動体はセラミックス部材からなり、前記軸部と前
記回転体とは電気的に接続され、かつ前記セラミックス
部材は窒化ケイ素又はジルコニアからなるヤング率20
0GPa以上であるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックスボール
を用いたスピンドルモータに係り、特に高精度化、高速
化、高信頼化に対応させたスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にスピンドルモータは、ハードディ
スクドライブ(HDD)等の磁気記録再生装置や光ディ
スク装置に使用されている。スピンドルモータは、図6
に示したような金属性ボールベアリング(Ball B
earing)タイプ、又は図7に示されるようなオイ
ル動圧流体ベアリング(又はエア動圧流体ベアリング)
タイプが主に使用されている。
【0003】図6に示されるスピンドルモータは、中心
部に固定される軸20と、軸20と一定の距離をおいて
配置されるステータ21とを有するモータ台23と、軸
20を中心として回転する回転体24とを有している。
この回転体24には内側に磁石25が配置されており、
この磁石25とモータ台23のステータ21との作用に
より、回転体24が回転する構造となっている。このと
き、回転体24と軸20との間には、潤滑剤を用いてボ
ールベアリング26が配置される構造となっている。こ
のようなボールベアリングを使用したものは、回転体と
軸との摩擦を少なくできるため比較的高回転にしやすい
利点がある。
【0004】これに対して、図7に示されるスピンドル
モータは、軸20と回転体24との間にボールベアリン
グを用いず、液体又は空気等の潤滑流体27を用いたも
のである。このような潤滑流体を用いたものは軸剛性が
小さく、また軸剛性を大きくすれば軸と回転体との摩擦
が増大し、消費電力が大きくなるため、ハードディスク
等のように負荷容量のディスクを高速で回転するものに
は、ボールベアリングを用いたものを使用することが多
くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハード
ディスクドライブ(HDD)等は記録容量の増加に伴
い、より高速化、小型化が図られるようになっている。
このため、以下のような問題が生じるようになってい
る。
【0006】図6に示した金属性ボールベアリングを用
いたスピンドルモータの場合、高速で回転すると軸受に
おける外輪と転動体との接触面積が大きくなり、摩擦損
失や発熱が大きくなる。これにより金属性ボールベアリ
ングは膨張し、磨耗等がおきやすくなる。また、金属性
ボールベアリングの場合、ボールベアリングの比重が大
きく高速回転により遠心力が増加して外輪と転動体との
接触荷重が増加し、寿命が低下する。さらに、金属性ボ
ールベアリングは高湿等により腐食するため、長期間の
使用により腐食され振動等が大きくなる。
【0007】別の問題としては、スピンドルモータを携
帯用コンピュータ装置に応用した場合、衝撃が加わえら
れると、ボールベアリングの接触面積が小さいため、過
大な圧力がボールベアリングの一部分に集中し、ボール
ベアリングの変形や損傷を引き起こすことがある。
【0008】本発明は上記したような問題を解決するた
めになされたものであって、高速においても安定した回
転を行い、ノイズ等の発生がなく、かつ小型化されたス
ピンドルモータの提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のスピンドルモー
タは、軸部と、前記軸部の外周側に配置されたステータ
コイルを有するステータ部と、前記軸部に軸受を介して
回転可能に支持され、かつ前記ステータコイルと所定の
間隙をもって対向配置された永久磁石を有する回転体と
を具備するスピンドルモータにおいて、前記軸受の転動
体はセラミックス部材からなり、かつ前記軸部と前記回
転体とが電気的に接続されていることを特徴とする。
【0010】前記回転体と前記軸部とを電気的に接続す
るには、導電性ブラシを用いることが好ましい。あるい
は、前記回転体と前記軸部とを磁性流体を用いて、電気
的に接続してもよい。
【0011】また、本発明のスピンドルモータは、前記
軸部の頭部に接触配置された導電性材料からなる球体
と、前記球体と接触するように前記回転体に設置された
導電部材とを有し、前記球体と前記導電部材により前記
回転体と前記軸部とを電気的に接続したことを特徴とす
るものである。
【0012】さらに、本発明のスピンドルモータは、軸
部と、前記軸部の外周側に配置されたステータコイルを
有するステータ部と、前記軸部に軸受を介して回転可能
に支持され、かつ前記ステータコイルと所定の間隙をも
って対向配置された永久磁石を有する回転体とを具備す
るスピンドルモータにおいて、前記軸受は複数の転動体
を有し、前記複数の転動体のうち少なくとも1個が導電
性物質からなり、他の転動体はセラミックス部材からな
ることを特徴とするものである。
【0013】このとき、前記複数の転動体の数をnとし
たとき、1個以上n/2個以下の転動体を導電性物質か
らなるものとすることが好ましい。
【0014】また、前記回転体は内筒部と外筒部とを有
し、前記外筒部の内周面に沿って前記永久磁石が配置さ
れていると共に、前記内筒部の内側に前記軸受を介して
前記軸部が嵌め込まれていることが好ましい。さらに、
前記軸受は、前記軸部の外周に円周方向に沿って設けら
れた溝内に挿入された前記転動体と、前記転動体を保持
する保持器と、前記転動体の外周側に配置された外側リ
ングとにより構成された回転部を複数有し、前記複数の
回転部は前記軸部の軸方向に所定の間隔で設置されてい
ることが好ましい。
【0015】また、前記転動体を構成する前記セラミッ
クス部材は200GPa以上のヤング率を有することが
好ましく、さらに窒化ケイ素質部材またはジルコニア質
部材からなることが好ましい。特に、このようなセラミ
ックスからなる転動体を用いれば、軸受部の寿命が延び
ると共に、スピンドルモータの回転時の摺動音を小さく
することが可能となる。
【0016】本発明のスピンドルモータは、軸受の転動
体をセラミックス部材からなるものとすることで、軸受
部の信頼性を向上させることにより、回転速度及び信頼
性を向上させることができる。また、軸部と回転体とを
電気的に接続することによって、例えばハードディスク
等に応用した場合に、ノイズの混入を抑制することが可
能となる。
【0017】電気的に接続する方法として、導電ブラシ
を用いることによって、効率的に軸部と回転体とを電気
的に接続することができる。また、磁性流体を用いるこ
とによって、ダストの混入や、潤滑剤の飛散を抑制する
ことができる。
【0018】本発明のスピンドルモータは、軸部の頭部
に接触配置された導電性材料からなる球体を介して、軸
部と回転体とを電気的に接続することによって、導電性
を確保するとともに、接触している部分の磨耗を抑制す
ることができる。
【0019】また、本発明のスピンドルモータでは、転
動体としてセラミックス部材を用いた場合において、少
なくとも転動体の一つを導電性物質からなるものとする
ことで、回転体の電位発生を抑制し、例えばハードディ
スク等の装置に用いた場合、ノイズの混入を抑制するこ
とができる。
【0020】このような導電性物質からなる転動体の数
を、転動体の総数をnとしたとき、1個以上n/2個以
下とすることによって、スピンドルモータの強度確保
と、回転体の電位制御とを両立させることができる。
【0021】また、本発明のスピンドルモータは、内筒
部と外筒部とを有する回転体を有し、内筒部に軸受を介
して軸部が嵌め込むことによって、高速かつ高精度な回
転を達成することができる。さらに、転動体を軸部外周
に円周方向に沿って設けられた溝内に挿入し、保持器、
外側リングにより保持する回転部を、軸部の軸方向に所
定の間隔で設置することにより、一層高精度な回転を達
成することができる。
【0022】また、転動体を構成するセラミックス部材
のヤング率を200GPa以上とすることによって、耐
衝撃性に優れるスピンドルモータとすることができる。
さらに、セラミックス部材を窒化ケイ素質部材、ジルコ
ニア質部材からなるものとすることで、転動体の耐磨耗
性等を向上させ、より長期間使用可能とすることができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスピンドルモータ
の実施の形態について説明する。
【0024】図1は本発明のスピンドルモータの実施形
態を示した一例である。
【0025】本発明のスピンドルモータ1は、大きく分
けてモータ台2と回転体3とからなる。モータ台2には
回転体3を嵌め込み、回転体3の回転の中心となる軸部
4と、この軸部4から一定の距離を置いて配置されるス
テータ5とが配置されている。ステータ5は、例えばス
テータコイル5aとステータコア5bとからなるもので
ある。また、回転体3は外筒部及び内筒部からなってお
り、外筒部内側にはマグネット6が配置され、このマグ
ネット6とステータ5との磁気的作用により回転体3を
回転させる駆動力を発生させる。回転体3の内筒部には
外側リング7が設けられ、この外側リング7と軸部4に
設けられた溝8との間にセラミックスボール9(転動
体)を嵌め込むことにより、軸部4を中心として回転体
3を自由かつ安定に回転させることが可能となる。この
とき、セラミックスボールは保持器10等により保持す
ることが好ましい。
【0026】また、回転体3には導電性ブラシ11の一
端を固定し、導電性ブラシ11の他端を軸部4に接触さ
せることが好ましい。同時に、磁性流体12により回転
体3と軸部4とを電気的に接続するとより一層好まし
い。
【0027】このようなスピンドルモータにおいて、転
動体としてセラッミックスボールを用いることとしたの
は、セラミックスボールが強度や剛性に優れるため金属
ボールを用いたものより高速化等に優れたものを作製す
ることができるからである。また、セラミックスボール
は優れた自己潤滑性を有しているため、高速化による転
動体の磨耗や焼きつきを抑制することが可能となる。さ
らに、セラミックスは熱による膨張が金属に比べて小さ
いため、転動体として使用することによって、膨張に伴
う磨耗等の問題を解決することができる。また、転動体
としてセラミックスボールを用いることにより、転動体
の重量を軽くすることができ、転動体にかかる遠心力を
減少させ、外側リング等にかかる荷重を少なくし、疲労
による寿命の低下を抑制することができる。また、セラ
ミックスボールは高温、高湿等により腐食することがほ
とんどないため、長期間安定した回転を維持することが
可能となる。
【0028】また、軸部4の外周に円周方向の溝8を2
本設けることによって、転動体を安定に保持することが
可能になると共に、回転体3と軸部4との位置関係を正
確に維持し、安定した回転を行うことができるようにな
る。
【0029】しかしながら、スピンドルモータにおいて
セラミックスボールを用いた場合、セラミックスボール
が絶縁性であるため、回転体3に発生した電位を制御す
ることが難しく、特に、ハードディスク等に用いた場
合、前記電位によりディスクにノイズ等が発生したり、
静電破壊(静電気による悪影響)を生じる恐れがある。
従って、本発明のスピンドルモータにおいては、このよ
うな電位による不具合を抑制するため、回転体3と軸部
4とを電気的に接続し、回転体3の電位を制御するもの
とした。
【0030】図1に示すように、回転体3と軸部4とを
電気的に接続する方法としては、導電性ブラシ11の一
端を回転体3に設置し、他端を軸部4に接触させる方法
や、回転体3と軸部4との間に磁性流体12を存在させ
る方法が挙げられる。導電性ブラシ11を用いた場合
は、比較的簡単な構造で回転体3と軸部4との導電性を
確保することが可能となる。また、磁性流体12を用い
た場合は、磁気的なシールにより、軸受に用いたオイル
や微粒子の拡散を抑制し、またダストの混入も抑制する
ことができる。磁性流体としては、磁性粉末を含有する
樹脂等の流体であれば特に限定されるものではないが、
例えば磁性流体としての導電率が10-8S/m以上のも
のが好ましい。また、粒径が30μm以下の磁性粉末
を、磁性流体中に5〜50vol%程度含有しているも
のがよい。磁性粉末そのものは、金属粉末、酸化鉄、フ
ェライト等、磁気特性を有していれば特に限定されるも
のではない。例えば、フェライト等のように絶縁物を用
いる場合は、フェライト粉に別途導電性金属粉末を混合
したものを用いても良い。このような磁性流体であれ
ば、適度な導電性及び流体としての適度な粘性を保つこ
とが可能となるため、前述のような磁気的シール効果や
ダスト等の混入の抑制等の効果をより得やすくなる。
【0031】以下に、本発明における回転体と軸部とを
電気的に接続する他の方法について図を参照して説明す
る。
【0032】図2は回転体3の上部に導電体13の一端
を固定し、他端を軸部4の上部に接触させたものであ
る。このように軸部4の上部に導電体13を接触させる
ことで、回転体と軸部との導電性を確保し、回転体の電
位を制御し、例えばハードディスク等に用いた場合、ノ
イズ等の発生を抑制することが可能となる。
【0033】また、図3は回転体3の上部に導電体13
の一端を固定し、導電体13の他端を軸部4方向に湾曲
させて、軸部4頭部に接触させたものである。このよう
にすることで、導電体13にバネ性を持たせることが可
能なり、軸部4と導電体13との接触を一層確実なもの
とすることができる。このように導電体13の形状は、
様々であり、例えば、導電体13の先端部にスリットを
入れ櫛歯状にすることも可能である。
【0034】さらに、図4は軸部4の頭部に耐磨耗性に
優れる導電材料からなる接触部14を設け、この接触部
14に導電体13を接触させたものである。このように
磨耗しやすい接触部15に耐磨耗性に優れる材料を使用
することにより、磨耗による導電不良を抑制し、長期間
の使用が可能となる。このような接触部に用いられる材
料としては、導電性、耐磨耗性に優れるカーボンを使用
することが好ましい。より好ましくは、耐磨耗性が一層
優れるアモルファスカーボンを用いるのが好ましい。こ
のような導電性ブラシ11、導電体13、接触部14等
のように導電性を持たせたい部分には、カーボン、P
t、Pd、Au等の金属が好ましく、導電率が10 8S
/m以上であれば特によく、導電性や耐磨耗性が得られ
るのであれば、導電率の低い部材に導電性膜を形成した
ものであってもよい。
【0035】次に、本発明のスピンドルモータの他の実
施形態を図5に示す。
【0036】図5に示されるスピンドルモータ1は、軸
部4頭部の中心に金属等の導電性材料からなる球体15
を配置し、回転体3にねじ16で止められた導電性材料
からなるばね状の押さえ板17を設け、このおさえ板1
7により前記球体15を軸部4の頭部に抑えつけたもの
である。このようにすることで、回転体3と軸部4との
接触をより確実なものとし、回転体3の電位を確実に制
御することができるようになる。
【0037】このような本発明のスピンドルモータに用
いられる転動体としては、ヤング率が200MPa以
上、かつ窒化ケイ素又はジルコニアからなるセラミック
スボールであることが好ましい。ヤング率が200GP
a未満であると、従来の転動体材料とほぼ同程度とな
り、性能向上が期待できないからである。また、窒化ケ
イ素又はジルコニアからなるものとすることで、従来の
転動体に比較して耐焼付性、耐熱性、耐磨耗性に優れた
転動体とすることができ、スピンドルモータの高速化、
摺動音の小音化、安定化、高寿命化及び小型化を達成す
ることができる。
【0038】本発明においては、転動体の全てをセラミ
ックスからなるものとしてもよいが、その場合には回転
体の電位を制御するため軸部と回転体とを電気的に接続
する手段を設けなければならない。従って、本発明のス
ピンドルモータでは、少なくとも1つの転動体を導電性
材料からなるものとすることで、回転体と軸部との導電
性を確保することができ、回転体の電位を制御する他の
特別な手段を設けずに回転体の電位を制御することがで
きるようになる。
【0039】このような場合において、転動体の数をn
としたとき、導電性材料からなる転動体の数を1個以上
n/2以下とし、残りをセラミックスからなる転動体と
することが好ましい。このような割合とすることで、ス
ピンドルモータの剛性、安定性等を確保しつつ、回転体
の電位を制御することができ、特にハードディスク等に
用いた場合においてノイズの発生を有効に抑制すること
が可能となる。
【0040】上記本発明の実施の形態では、モータはス
テータコアを用いた例について説明したが、本発明のス
ピンドルモータにおいてはステーターコアは必ずしも必
要ではなく、ステータコアを用いない空芯タイプのもの
であっても同様の効果を有するものである。
【0041】また、上記実施の形態では主にハードディ
スクドライブ装置等にスピンドルモータに適用した場合
について示したが、本発明のスピンドルモータはハード
ディスクドライブ装置への適用に限られず、他の装置へ
の適用が可能であることは言うまでもない。
【0042】
【実施例】実施例1〜4、比較例1、2 本発明の実施例として図1に示されるような構成を有す
るスピンドルモータを作製した。このとき、転動体とし
て窒化ケイ素からなるヤング率が180〜250GPa
のものを用いたものを実施例1乃至3とし、ジルコニア
からなるヤング率が200GPaのものを用いたものを
実施例4とした。
【0043】これに対して、同様の構成を有し、転動体
として軸受鋼(SUJ2)からなるヤング率が150G
Paのものを用いたものを比較例1とし、軸受鋼(SU
J2)からなるヤング率が100GPaのものを用いた
ものを比較例2とした。
【0044】このようにして作製された各実施例及び比
較例のスピンドルモータのロータを回転速度5400r
pmで回転させたときに発生する摺動音を測定した。表
1に測定結果を示す。なお、測定方法としては、比較例
2の軸受鋼(ヤング率100GPa)の摺動音を100
とし、各実施例及び比較例の転動体を用いた場合の摺動
音を、摺動音比率(%)=(各実施例又は比較例1の摺
動音/比較例2の摺動音)×100で表わした。
【0045】
【表1】
【0046】表1から分かるように、セラミックス転動
体を用いたものは、摺動音が小さいことが分かり、特に
ヤング率が200GPa以上の場合にその効果が大きい
ことが分かった。
【0047】この摺動音が小さいということは、軸受に
おいて転動体と軸受部の潤滑性がよいことを意味するも
のである。図示してはいないが、各実施例1〜4では比
較例1の軸受に対して、潤滑寿命が3倍以上に向上して
いることからも、潤滑性に優れていることがわかる。こ
こでいう潤滑寿命とは、転動体と軸受部が高速回転によ
り焼付けを起こすまでの時間を意味する。従って、潤滑
寿命の長い本発明のスピンドルモータは、長時間に渡り
安定した回転駆動を示すことが分かる。
【0048】実施例5〜10、比較例3 本発明の実施例として図1に示されるような構成を有す
るスピンドルモータを作製した。このとき、転動体を全
て窒化ケイ素からなるセラミックスボールとし、ロータ
と軸とを導電性ブラシ及び磁性流体のどちらか一方によ
り電気的に接続したものをそれぞれ実施例5、実施例6
とし、導電性ブラシ及び磁性流体双方を用いたものを実
施例7とした。また、図1に示されるスピンドルモータ
より導電性ブラシ及び磁性流体を取り除き、転動体とし
て窒化ケイ素からなるセラミックスボールと軸受鋼SU
J2からなる導電性金属ボールを用いたものを作製し
た。ここで転動体の一つを導電性金属ボールとしたもの
を実施例8とし、導電性金属ボールとセラミックスボー
ルを同数としたものを実施例9とした。また、転動体に
導電性金属を1つ用い、さらに電気的接続手段として導
電性ブラシ及び磁性流体を設けたものを実施例10とし
た。
【0049】これに対して、図1に示すスピンドルモー
タより導電性ブラシ及び磁性流体を取り除き、かつ転動
体を全て窒化ケイ素からなるセラミックスボールとした
ものを比較例3とした。
【0050】このような本発明の各実施例及び比較例の
スピンドルモータをそれぞれ50台作製し、回転速度5
400rpmで連続100時間作動させたときの静電破
壊の有無を調べた。その結果を表2に示す。なお、本結
果における静電破壊の有無は、スピンドルモータの作動
に伴う静電気の発生により、ハードディスクに不具合が
生じた(正常に作動しない)かどうかによって判定し
た。本結果では、ハードディスクに不具合が生じたもの
を、静電破壊「有」とし、ハードディスクに不具合が生
じなかったものを、静電破壊「無」とした。
【0051】
【表2】
【0052】表2に示されるように、本発明のように電
気的接続手段を設けたものは、スピンドルモータの作動
に伴う静電気の影響である静電破壊は認められなかっ
た。
【0053】なお、実施例8及び実施例9のように導電
性金属ボールを用いた場合、金属ボールの数は1つより
複数個用いたほうが静電破壊を防ぐ効果が大きいが、実
施例9のようにあまり金属ボールを増やすと、焼付きや
摺動音の増大につながるので、金属ボールの数は全体の
50%以下が好ましいことが分かった。
【0054】また、実施例5〜7のように導電性ブラシ
又は/及び磁性流体により電気的接続を行ったものも静
電破壊は認められなかった。実施例においては、導電性
ブラシ又は磁性流体どちらか一方により静電破壊を防ぐ
ことが可能であることが分かったが、例えば、本実施例
よりさらに高速回転又は長時間の連続稼動を要する分野
に適用する場合は、本実施例7のように導電性ブラシと
磁性流体の併用、さらには実施例10のように金属ボー
ルとの組合わせが有効である。具体的には表中に示さな
いが、例えば実施例8のように電気的接続が他の実施例
と比較して少ないものは電気的破壊は起きないものの、
静電気(軸受の回転により発生する電位)が原因と思わ
れるノイズが若干観測された。
【0055】これに対して、転動体をすべてセラミック
スボールとし、静電破壊を防ぐ手段を特に設けなかった
比較例3では、静電破壊が発生し、ハードディスク等に
悪影響を与えることが分かった。
【0056】このことから例えば、転動体をヤング率2
00GPa以上のセラミックス製にすることにより、潤
滑寿命を向上させ、なおかつ静電破壊をも防止できるス
ピンドルモータを形成することが可能となる。
【0057】以上のことより、例えば本発明のスピンド
ルモータをハードディスクドライブ等に用いることによ
って、高速化を初めとする機器の性能向上が可能になる
と共に、回転に伴う摺動音の発生、ノイズの発生や静電
気による破壊を有効に抑制し、機器の信頼性を向上させ
ることができる。
【0058】
【発明の効果】本発明のスピンドルモータは、転動体を
セラミックスからなるものとし、かつ軸部と回転体とを
電気的に接続することによって、スピンドルモータの性
能を向上させると共に、回転体に発生する電位を制御す
ることによって、電位の発生に伴うノイズの発生、静電
破壊等を抑制し信頼性のあるものとすることができる。
【0059】従って、本発明のスピンドルモータを、例
えばハードディスク等に用いることによって、安定かつ
高速な回転により高密度な記録が可能になると共に、デ
ィスク等におけるノイズの発生、静電破壊等を抑制し信
頼性に優れる装置の作製が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスピンドルモータの一例を示した断
面図。
【図2】 本発明における回転体と軸部との電気的接続
手段の一例を示した断面図。
【図3】 本発明における回転体と軸部との電気的接続
手段の一例を示した断面図。
【図4】 本発明における回転体と軸部との電気的接続
手段の一例を示した断面図。
【図5】 本発明のスピンドルモータの一例を示した断
面図。
【図6】 金属性転動体を用いた従来のスピンドルモー
タを示した断面図。
【図7】 潤滑流体を用いた従来のスピンドルモータを
示した断面図。
【符号の説明】
1……スピンドルモータ 2……モータ台 3……回転体 4……軸部 8……溝 9……セラミックスボール 11……導電性ブラシ 12……磁性流体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月19日(2000.7.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】さらに、図4は軸部4の頭部に耐磨耗性に
優れる導電材料からなる接触部14を設け、この接触部
14に導電体13を接触させたものである。このように
磨耗しやすい接触部14に耐磨耗性に優れる材料を使用
することにより、磨耗による導電不良を抑制し、長期間
の使用が可能となる。このような接触部に用いられる材
料としては、導電性、耐磨耗性に優れるカーボンを使用
することが好ましい。より好ましくは、耐磨耗性が一層
優れるアモルファスカーボンを用いるのが好ましい。こ
のような導電性ブラシ11、導電体13、接触部14等
のように導電性を持たせたい部分には、カーボン、P
t、Pd、Au等の金属が好ましく、導電率が10 8
/m以上であれば特によく、導電性や耐磨耗性が得られ
るのであれば、導電率の低い部材に導電性膜を形成した
ものであってもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊東 哲也 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33 株式会 社東芝生産技術センター内 (72)発明者 世古 克也 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 (72)発明者 宮城 直樹 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA32 AA42 AA54 AA62 AA72 BA01 BA10 BA73 BA77 EA01 EA25 EA41 EA42 EA44 EA47 FA01 FA11 FA15 FA53 GA24 GA53 5H621 GA01 GA04 JK08 JK14 JK17 JK19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部と、前記軸部の外周側に配置された
    ステータコイルを有するステータ部と、前記軸部に軸受
    を介して回転可能に支持され、かつ前記ステータコイル
    と所定の間隙をもって対向配置された永久磁石を有する
    回転体とを具備するスピンドルモータにおいて、 前記軸受の転動体はセラミックス部材からなり、かつ前
    記軸部と前記回転体とが電気的に接続されていることを
    特徴とするスピンドルモータ。
  2. 【請求項2】 前記回転体と前記軸部とを電気的に接続
    する導電性ブラシを有することを特徴とする請求項1記
    載のスピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 前記回転体と前記軸部とを電気的に接続
    する磁性流体を有することを特徴とする請求項1記載の
    スピンドルモータ。
  4. 【請求項4】 前記軸部の頭部に接触配置された導電性
    材料からなる球体と、前記球体と接触するように前記回
    転体に設置された導電部材とを有し、前記球体と前記導
    電部材により前記回転体と前記軸部とを電気的に接続し
    たことを特徴とする請求項1記載のスピンドルモータ。
  5. 【請求項5】 軸部と、前記軸部の外周側に配置された
    ステータコイルを有するステータ部と、前記軸部に軸受
    を介して回転可能に支持され、かつ前記ステータコイル
    と所定の間隙をもって対向配置された永久磁石を有する
    回転体とを具備するスピンドルモータにおいて、 前記軸受は複数の転動体を有し、前記複数の転動体のう
    ち少なくとも1個が導電性物質からなり、他の転動体は
    セラミックス部材からなることを特徴とするスピンドル
    モータ。
  6. 【請求項6】 前記複数の転動体の数をnとしたとき、
    1個以上n/2個以下の転動体が前記導電性物質からな
    ることを特徴とする請求項5項記載のスピンドルモー
    タ。
  7. 【請求項7】 前記回転体は内筒部と外筒部とを有し、
    前記外筒部の内周面に沿って前記永久磁石が配置されて
    いると共に、前記内筒部の内側に前記軸受を介して前記
    軸部が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれか1項記載のスピンドルモータ。
  8. 【請求項8】 前記軸受は、前記軸部の外周に円周方向
    に沿って設けられた溝内に挿入された前記転動体と、前
    記転動体を保持する保持器と、前記転動体の外周側に配
    置された外側リングとにより構成された回転部を複数有
    し、前記複数の回転部は前記軸部の軸方向に所定の間隔
    で設置されていることを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれか1項記載のスピンドルモータ。
  9. 【請求項9】 前記転動体を構成する前記セラミックス
    部材は200GPa以上のヤング率を有することを特徴
    とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のスピンドル
    モータ。
  10. 【請求項10】 前記転動体を構成する前記セラミック
    ス部材は窒化ケイ素質部材またはジルコニア質部材から
    なることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記
    載のスピンドルモータ。
JP35190699A 1999-12-10 1999-12-10 スピンドルモータ Pending JP2001178097A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35190699A JP2001178097A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 スピンドルモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35190699A JP2001178097A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 スピンドルモータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001178097A true JP2001178097A (ja) 2001-06-29

Family

ID=18420435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35190699A Pending JP2001178097A (ja) 1999-12-10 1999-12-10 スピンドルモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001178097A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0392500B1 (en) Spindle motor
EP0410293B1 (en) Spindle motor
US20020089245A1 (en) Electric spindle motor with magnetic bearing and hydrodynamic bearing
US6686673B1 (en) Bearing structures, spindle motor, and hard disk drive
US6081057A (en) Spindel motor for a disc drive
US5210665A (en) Floppy disk apparatus having an improved disk rotating mechanism
US6717308B2 (en) Electric spindle motor and method having magnetic starting/stopping device
JP2010138992A (ja) 軸受装置、スピンドルモータ、及びディスク駆動装置
JP2000076779A (ja) 磁気ディスク装置
JPH099568A (ja) ディスク駆動装置
JP5563775B2 (ja) ディスク駆動装置
US6710487B2 (en) Rotary device with matched expansion ceramic bearings
US7178983B2 (en) Spindle motor and magnetic disk drive
JP2001178097A (ja) スピンドルモータ
JP3424797B2 (ja) スピンドルモータ、及びスピンドルモータを回転体の駆動源とした回転体装置
JP2002017065A (ja) スピンドルモータ
JPH05288214A (ja) スピンドルモータ
TW515872B (en) Fluid bearing device and magnetic disk device using fluid bearing device
JP2002098148A (ja) 転がり軸受及びそれを用いたスピンドルモータ
EP1009086A1 (en) Spindle motor
JP2001139971A (ja) 潤滑油、流体動圧軸受、スピンドルモータ及び回転体装置
JP2002369446A (ja) ディスク駆動装置
JPH09219952A (ja) モータ
JP2001016819A (ja) スピンドルモータ
JP2635981B2 (ja) 薄型電動機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090514

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090915