JP2001174463A - 自己免疫疾患又は腫瘍の診断方法 - Google Patents

自己免疫疾患又は腫瘍の診断方法

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JP2001174463A
JP2001174463A JP36001099A JP36001099A JP2001174463A JP 2001174463 A JP2001174463 A JP 2001174463A JP 36001099 A JP36001099 A JP 36001099A JP 36001099 A JP36001099 A JP 36001099A JP 2001174463 A JP2001174463 A JP 2001174463A
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cct
antibody
diagnosing
autoimmune disease
titer
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Shinichi Yokota
伸一 横田
Hiroshi Kubota
広志 久保田
Hideki Yanagi
秀樹 柳
Takashi Yura
隆 由良
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HSP Research Institute Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便であり、かつより高い信頼度で自己免疫疾
患の徴候を検出しうる、自己免疫疾患の診断方法及び抗
CCT自己抗体価測定用キット並びに簡便に、かつより
高い信頼度で腫瘍の診断を行なうことが可能な腫瘍の診
断方法及びCCT測定用キットを提供すること。 【解決手段】被検試料中の抗CCT自己抗体価を測定す
ることを特徴とする、自己免疫疾患の診断方法、哺乳類
動物のCCT抗原タンパク質を含有してなる、前記診断
方法に用いるための抗CCT自己抗体価測定用キット、
被検試料中のCCT量を測定することを特徴とする、腫
瘍の診断方法、及び抗CCT抗体を含有してなる、前記
診断方法に用いるためのCCT測定用キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己免疫疾患の診
断方法、抗CCT自己抗体価測定用キット、腫瘍の診断
方法及びCCT測定用キットに関する。さらに詳しく
は、簡便であり、かつより信頼度の高い診断を可能にす
る、自己免疫疾患の診断方法、抗CCT自己抗体価測定
用キット、腫瘍の診断方法及びCCT測定用キットに関
する。
【0002】
【従来の技術】熱ショックタンパク質(以下、HSPと
いう)は、分子シャペロンとして、重要な役割を果た
す。前記HSPは、原核生物から真核生物まで保存され
ている。サブユニットの分子量が約60kDaであるH
SP60ファミリータンパク質は、新規に合成され、変
性されたタンパク質のフォールディングを介助する。前
記HSP60ファミリー(シャペロニンファミリーとも
いう)は、アミノ酸配列における相同性を基に、2つの
群にさらに分類されうる。具体的には、ミトコンドリア
のHSP60、マイコバクテリアのHSP65、大腸菌
GroEL、プラスチドのリブロース−1,5−ビスホ
スフェート カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Ru
bisco)サブユニット結合タンパク質は、グループ
Iに分類され、真核生物の細胞質シャペロニンCCT及
び古細菌のシャペロニンは、グループIIに分類され
る。
【0003】例えば、ミトコンドリアHSP60、大腸
菌GroEL及びマイコバクテリアHSP65を含むグ
ループIのシャペロニンとCCTとは、わずかなアミノ
酸同一性しか示さないという特徴を有する。
【0004】前記マイコバクテリアHSP65は、しば
しば、リウマチ性疾患との関連性が議論されており、マ
イコバクテリアHSP65に応答するT細胞は、リウマ
チ性疾患の発生に関与するものと考えられている。さら
に、慢性関節リウマチ(RA)患者は、健常者対照より
も、より高いマイコバクテリアHSP65に対するIg
G及びIgAレベルを有することが報告されている。最
近、マイコバクテリアHSP65に比べて大腸菌Gro
ELに対する高い抗体価がRA患者の血清と健常成人の
血清とに見出されている。また、ミトコンドリアHSP
60と、マイコバクテリアHSP65及び大腸菌Gro
ELとは、互いに約50〜60%の高いアミノ酸同一性
を示すため、ミトコンドリアHSP60に対する自己抗
体は、マイコバクテリアHSP65及び大腸菌GroE
Lに対する分子模倣機構により生じることが考えられて
いる。
【0005】マイコバクテリアHSP65、大腸菌Gr
oEL又はミトコンドリアHSP60に対する自己抗体
の検出によるリウマチ性疾患の診断が試みられている
が、その有用性、即ち健常者と患者との間の抗体価の差
は、報告ごとにばらつきがあり、必ずしも定説として認
められてはいない。これは、特に細菌のHSP60ファ
ミリータンパク質には自己抗原として働く抗原決定基だ
けでなく、外来抗原として認識される抗原決定基も存在
することがその大きな一因と考えられる。
【0006】また、これまで、前記細胞質シャペロニン
CCTの発現制御に関する報告は、ほとんどなく、疾病
との関連などの臨床的知見は、全くなかったといってよ
いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便であ
り、かつより高い信頼度で自己免疫疾患の徴候を検出し
うる、自己免疫疾患の診断方法及び抗CCT自己抗体価
測定用キットならびに簡便に、かつより高い信頼度で腫
瘍の診断を行なうことが可能な腫瘍の診断方法及びCC
T測定用キットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 被検試料中の抗CCT自己抗体価を測定するこ
とを特徴とする、自己免疫疾患の診断方法、〔2〕 哺
乳類動物のCCT抗原タンパク質を含有してなる、前記
〔1〕記載の診断方法に用いるための抗CCT自己抗体
価測定用キット、〔3〕 被検試料中のCCT量を測定
することを特徴とする、腫瘍の診断方法、及び〔4〕
抗CCT抗体を含有してなる、前記〔3〕記載の診断方
法に用いるためのCCT測定用キット、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の自己免疫疾患の診断方法
は、該被検試料中の抗CCT自己抗体価を測定すること
を1つの大きな特徴とする。本発明は、自己免疫疾患患
者の血清中のCCTに反応する抗体価(以下、抗CCT
自己抗体価という)が、健常者対照の血清中の抗CCT
自己抗体価と比較して有意に高く、かつマイコバクテリ
アHSP65、大腸菌GroEL又はミトコンドリアH
SP60に対する抗CCT自己抗体価と比較して、さら
に優先的に患者中で上昇するという本発明者らの知見に
基づく。かかる知見は、CCTが、ミトコンドリアHS
P60、大腸菌GroEL及びマイコバクテリアHSP
65を含むグループIのシャペロニンとわずかなアミノ
酸同一性しか示さないため、かかるCCTとリウマチ性
疾患などの自己免疫疾患との関連性は対照とされておら
ず、予想外のことである。
【0010】また、本発明者らは、抗CCT自己抗体
が、グループIの前記3種のタンパク質と交差反応し、
CCTと他のHSP60ファミリータンパク質とにより
共有される1若しくは複数のエピトープを認識するとい
う予想外の性質を有することを明らかにしている。
【0011】本発明の自己免疫疾患の診断方法は、健常
者対照における場合と比較して力価が有意に高く、優先
的に患者中で上昇する抗CCT自己抗体価を測定するた
め、より高い信頼度で自己免疫疾患の徴候を検出しうる
という優れた効果を発揮する。
【0012】CCTは、細胞質タンパク質のフォールデ
ィングを介助するヘテロオリゴマーの分子シャペロンと
して機能し、ATPの存在下にアクチン及びチューブリ
ンなどの細胞質タンパク質のフォールディングを容易に
するタンパク質である。前記CCTは、8種のサブユニ
ット、α、β、γ、δ、ε、ζ−1(精巣中のζ−2を
含む)、η及びθを含有しており、該サブユニットは、
GroELの14量体複合体と同様に16量体複合体に
会合する。前記サブユニットは、互いに約30%のアミ
ノ酸配列の同一性を示す。
【0013】ミトコンドリアHSP60と大腸菌Gro
ELとの間のアミノ酸同一性は約50%であり、一方、
CCTとHSP60(又はGroEL、HSP65)と
の間の同一性はわずか15〜20%にすぎないが、血清
吸収実験及び抗体価の相関のデータより、ほとんどの抗
CCT自己抗体がCCTとミトコンドリアHSP60の
両方を認識し、GroELとHSP65とに対しても交
差反応することが示唆されるため、前記抗CCT自己抗
体の1若しくは複数のエピトープは、恐らく保存されて
局在するか、あるいはアミノ酸配列又は立体構造を保存
すると考えられる。
【0014】CCTとHSP60との両方に交差反応す
る自己抗体の有意に高い抗体価が健常成人の血清に比べ
てリウマチ性自己免疫疾患の血清で見られることが示唆
される。また、主に細胞質に局在するCCTは、自己抗
体に反応する他のHSP60ファミリータンパク質であ
ると考える。CCTは、全てのタイプの細胞で発現さ
れ、増殖期の細胞において、豊富に発現される必須な細
胞質タンパク質の1つである。リウマチ性疾患進行中の
関節破壊は、CCTを含む細胞質タンパク質の血液流へ
の漏れを引き起こすと考えられる。抗CCT自己抗体と
抗原抗体複合体を形成し、全身性エリテマトーデスにお
けるループス腎炎などのより厳しい疾患状態、及び上皮
細胞傷害を引き起こすと考えられる。
【0015】本発明の診断方法を適用しうる自己免疫疾
患としては、リウマチ性疾患に分類される疾患であれば
よく、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シ
ェーグレン症候群、混合性結合組織病、強皮症、皮膚筋
炎、リウマチ熱、結節性多発動脈炎、Wegener肉
芽腫症、ベーチェット病などが挙げられる。本発明の自
己免疫疾患の診断方法は、慢性関節リウマチ、全身性エ
リテマトーデス、シェーグレン症候群及び混合性結合組
織病の診断に好適である。
【0016】被検試料としては、血液、血清、滑膜液な
どが挙げられる。前記被検試料の由来は、特に限定され
るものではなく、例えば、動物、具体的には、哺乳類動
物、特にヒトなどが挙げられる。例えば、被検物質が血
液である場合、通常の採血手法により該血液を採取する
ことができる。
【0017】被検試料中の抗CCT自己抗体価は、CC
T抗原タンパク質と被検試料とを接触させて、抗原抗体
反応を検出及び/又は定量することにより測定されう
る。
【0018】抗原抗体反応の検出及び/又は定量は、特
に限定されないが、標識されたCCT抗原タンパク質を
用いて、例えば、エンザイムイムノアッセイ(ELIS
A)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ラテックス凝
集法などの慣用の方法により行なうことができる。かか
る方法においては、「免疫生化学研究法」〔東京化学同
人、(1986)〕、「単クローン抗体−ハイブリドー
マとELISA−」〔講談社、(1983)〕などを参
照することができる。本発明においては、操作の簡便性
及び安全性の観点から、ELISAが望ましい。
【0019】ELISAによる抗原抗体反応の検出及び
/又は定量は、例えば、下記のように検出及び/又は定
量を行なうことができる。すなわち、慣用のELISA
の手法に従い、例えば、CCT抗原タンパク質で被覆し
たマルチウェルプレートの各ウェルに被検物質の希釈物
を供し、各ウェルに酵素標識した2次抗体を添加して反
応させ、酵素基質を添加した後、該酵素により生じた産
物を検出及び/又は定量することにより、抗原抗体反応
の検出及び/又は定量を行なう。
【0020】前記ELISAの場合、標識に用いられる
酵素としては、通常、ELISAに用いられる慣用の酵
素であればよく、例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリ
ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコー
スオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、エステラーゼ、β−
D−グルクロニダーゼなどが挙げられる。より高感度で
安定な検出を達成することが可能である観点から、ペル
オキシダーゼ又はアルカリホスファターゼが望ましい。
また、酵素基質は、用いる酵素により適宜選択すること
ができ、例えば、ペルオキシダーゼの場合、3,3’,
5,5’−テトラメチルベンジジンなどが用いられ、ア
ルカリホスファターゼの場合、パラニトロフェニルリン
酸ナトリウムなどが用いられる。
【0021】酵素により生じた産物の検出及び/又は定
量は、該産物の吸光度を測定することにより行なうこと
ができる。例えば、酵素基質として、3,3’,5,
5’−テトラメチルベンジジンを用いた場合、450n
mにおける吸光度を測定すればよい。
【0022】本発明の自己免疫疾患の診断方法において
は、健常者対照の被検試料中の抗CCT自己抗体価と被
検体の被検試料中の抗CCT自己抗体価とを比較し、健
常者対照の被検試料中の抗CCT自己抗体価よりも被検
体の被検試料中の抗CCT自己抗体価が高い場合を自己
免疫疾患陽性の指標とする。
【0023】さらに、本発明の自己免疫疾患の診断方法
においては、健常者対照の被検試料中の抗CCT自己抗
体価と被検体の被検試料中の抗CCT自己抗体価との間
の有意差がp<0.05、好ましくはp<0.01であ
ることがより望ましい指標である。
【0024】本発明の抗CCT自己抗体価測定キット
は、本発明の自己免疫疾患の診断方法に好適である。か
かる抗CCT自己抗体価測定キットは、哺乳類動物のC
CT抗原タンパク質を含有する。
【0025】哺乳類動物のCCT抗原タンパク質は、例
えば、ガオら[Gao,Y., et al., Cell 69, 1043-1050 (1
992)] 、フリードマンら[Frydman, J., et al., EMBO
J., 11, 4767-4778 (1992)]及びノーカム[Norcum, M.
T., Prot. Sci. 5, 1366-1375(1996)] に記載の方法の
組み合わせにより、後述の実施例2に従って製造するこ
とができる。
【0026】例えば、ヒトのCCT抗原タンパク質は、
以下に示すように調製することができる。
【0027】BALL−1細胞を凍結融解することによ
り、細胞抽出物を調製する。得られた細胞抽出液を緩衝
液A(5mM 2−メルカプトエタノール、2mM E
DTA、1%グリセロール、0.1M NaCl、50
mM HEPES−KOHpH7.6)で平衡化された
Q−セファロース(アマシャムファルマシアバイオテッ
ク社製)カラムに供し、ついで0.1〜0.5M Na
Clのリニアグラジェントにより溶出する。抗CCT抗
体を用いたウエスタンブロッティングによりCCT画分
を決定し、CCTピーク画分をプールする。なお、ウエ
スタンブロッティングは、モレキュラークローニング:
ア・ラボラトリーマニュアル第2版[ザンブルーク(Samb
rook)ら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual Se
condeds.,(1980)]などに記載の慣用の条件により行なう
ことができる。得られた画分を前記緩衝液Aで平衡化さ
れたヘパリン−セファロース(アマシャム ファルマシ
ア バイオテック社製)カラムに供し、ついで0.1〜
0.5M NaClのリニアグラジェントにより溶出す
る。抗CCT抗体を用いたウエスタンブロッティングに
よりCCT画分を決定し、CCTピーク画分をプールす
る。得られた画分を0.15M NaClを含んだ10
mM Tris−HCl(pH7.6)で平衡化された
セファクリル S−400(アマシャムファルマシア社
製)カラムに供する。抗CCT抗体を用いたウエスタン
ブロッティングによりCCT画分を決定し、CCTピー
ク画分をプールし、ヒトCCT標品が得られる。なお、
本発明者らは、特に腫瘍組織において、前記CCTの発
現亢進が認められることを見出している。したがって、
この知見により、後述の腫瘍の診断方法をも提供されう
る。
【0028】なお、抗CCT抗体は、いずれのサブユニ
ットに対する抗体でも使用可能である。細胞や生体試料
からの精製CCT、大腸菌組換えCCTサブユニットタ
ンパク質もしくは部分タンパク質、化学合成ペプチドな
どを抗原としてマウス、ラット、ウサギ、ヤギなどに免
疫し、血清からはポリクローナル抗体、脾細胞などの抗
体産生細胞を細胞融合法などで得た細胞からモノクロー
ナル抗体を調製することにより得ることができる。
【0029】本発明の抗CCT自己抗体価測定用キット
は、前記哺乳類動物のCCT抗原タンパク質に加え、抗
原抗体反応の検出及び/又は定量に必要な試薬などを適
宜含有してもよい。
【0030】さらに、本発明者らは、特に腫瘍組織にお
いて、前記CCTの発現量の亢進が認められることを見
出しており、これにより腫瘍の診断方法をも提供するこ
とができる。かかる腫瘍の診断方法も本発明の範囲に含
まれる。これまで、細胞質シャペロニンCCTの発現制
御に関する報告はほとんどなく、疾病との関連などの臨
床的知見は、全くなかったといってよい。本発明は、C
CTの細胞内発現量が細胞の増殖速度と高い正の相関を
示すことが見出され、それにより、この現象について細
胞増殖がその疾病の第1要因となっている腫瘍性疾患、
具体的には癌のマーカーとしての応用、とりわけ悪性度
の高さの1つの要素である高増殖性のマーカーとしての
応用への可能性を示したことに基づく。
【0031】本発明の腫瘍の診断方法は、被検試料中の
CCT量を測定することを1つの特徴とする。本発明の
腫瘍の診断方法によれば、CCTの発現量を診断の指標
とするため、より簡便に、かつより信頼度の高い診断を
可能にする。
【0032】被検試料中のCCT量は、CCTに対する
抗体(抗CCT抗体)を用いた方法、CCTをコードす
る核酸にストリンジェントな条件下にハイブリダイズし
うるオリゴヌクレオチドを用いた方法などにより、測定
することができる。
【0033】前記抗CCT抗体を用いた方法としては、
例えば、ウエスタンブロッティング、エンザイムイムノ
アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RI
A)、ドットブロッティング、ラテックス凝集法などが
挙げられる。
【0034】例えば、ウエスタンブロッティングによ
り、CCT量を測定する場合、下記のように測定するこ
とができる。すなわち、被検体の腫瘍化部と非腫瘍化部
のそれぞれの試料をホモジナイズし、得られた試料につ
いて、慣用の条件により、抗CCT抗体を用いてウエス
タンブロッティングを行ない、バンドの濃度を基に、総
タンパク質量に対するCCTの量を算出する。
【0035】本発明の腫瘍の診断方法においては、非腫
瘍化部におけるCCT量を対照として用い、該非腫瘍化
部におけるCCT量に比べ、被検試料中のCCT量が有
意に上昇している場合を腫瘍陽性の指標とする。
【0036】この場合、被検試料中の非腫瘍化部におけ
るCCT量と腫瘍化部のCCT量との有意差がp<0.
05、好ましくはp<0.01であることがより望まし
い指標となりうる。
【0037】本発明のCCT測定用キットは、前記腫瘍
の診断方法に好適である。かかるCCT測定用キットと
しては、抗CCT抗体を含有したキット、CCTをコー
ドする核酸(配列番号:1)にストリンジェントな条件
下にハイブリダイズしうる少なくとも1種のオリゴヌク
レオチドを含有したキットなどが挙げられる。
【0038】
【実施例】実施例1 血清 血清は、「免疫生化学研究法」(東京化学同人)198
6年に記載の方法に従い、慢性関節リウマチ(RA)を
罹患した25患者、全身性エリテマトーデス(SLE)
を罹患した25患者、シェーグレン症候群(SS)を罹
患した9患者、混合性結合組織病(MCTD)を罹患し
た15患者及び25人の健常者対照から得た。診断は、
RA、SLE、SS、及びMCTDの診断基準〔Arnet
t, F. C.,et al., Arthritis Rheum 31, 315-324 (198
8) 、Tan, E. M., et al., Arthritis Rheum 25, 1271
-1277 (1982) 、Vitali, C., et al., Arthritis Rheum
36, 340-347 (1993)、Kasukawa, R., et al., "Mixed
connective tissue diseaseand anti-nuclear antibodi
es", 41-47, Elsevier (1987) 〕に基づいた。
【0039】実施例2 抗原 ガオら[Gao,Y., et al., Cell 69, 1043-1050 (1992)]
、フリードマンら[Frydman, J., et al., EMBO J., 1
1, 4767-4778 (1992)]及びノーカム[Norcum, M.T., Pro
t. Sci. 5, 1366-1375 (1996)] に記載の方法の組み合
わせによりヒトB細胞白血病細胞株BALL−1細胞か
らCCTを調製した。以下にCCTの調製の概略を示
す。
【0040】BALL−1細胞を凍結融解することによ
り、細胞抽出物を調製した。得られた細胞抽出液を緩衝
液A(5mM 2−メルカプトエタノール、2mM E
DTA、1%グリセロール、0.1M NaCl、50
mM HEPES−KOHpH7.6)で平衡化された
Q−セファロース(アマシャムファルマシアバイオテッ
ク社製)カラムに供し、ついで0.1〜0.5M Na
Clのリニアグラジェントにより溶出した。ラット抗C
CTαモノクローナル抗体84a(StressGen
社製) を用いたウエスタンブロッティングによりCCT
画分を決定し、CCTピーク画分をプールした。なお、
ウエスタンブロッティングは、前記モレキュラークロー
ニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版などに記載
の慣用の条件により行なった。
【0041】得られた画分を前記緩衝液Aで平衡化され
たヘパリン−セファロース(アマシャム ファルマシア
バイオテック社製)カラムに供し、ついで0.1〜
0.5M NaClのリニアグラジェントにより溶出し
た。抗CCTα抗体84aを用いたウエスタンブロッテ
ィングによりCCT画分を決定し、CCTピーク画分を
プールした。
【0042】得られた画分を0.15M NaClを含
んだ10mM Tris−HCl(pH7.6)で平衡
化されたセファクリル S−400(アマシャムファル
マシア社製)カラムに供した。抗CCTα抗体84aを
用いたウエスタンブロッティングによりCCT画分を決
定し、CCTピーク画分をプールした。その結果、20
gの全可溶性タンパク質から約10mgのヒトCCT標
品が得られた。
【0043】なお、ウエスタンブロッティングは、クボ
タら[Kubota, H., et al., Eur. J.Biochem. 262, 492-
500 (1999)]に記載の方法に従って行なった。
【0044】ついで、得られたヒトCCT標品を、3〜
10%リニアグラジェントポリアクリルアミドゲルでの
ネイティブPAGE又は10〜20%リニアグラジェン
トポリアクリルアミドゲルでのSDS−PAGEに供し
た。クボタら[Kubota, H., et al., Eur. J. Biochem.
262, 492-500 (1999)]に記載のように、イムノブロッテ
ィングを行なった。すなわち、ゲル上のタンパク質をポ
リビニリデンジフロリドフィルターに転写し、ついで該
フィルターを5%スキムミルクを含むPBSでブロッキ
ングした。フィルターとヒト血清とのインキュベーショ
ンの後、5%スキムミルクを含むPBSTで100倍に
希釈し、二次抗体及び基質として、アルカリホスファタ
ーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ鎖特異的)抗体(B
ioSource International社製)
と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェー
トテトラゾリウム/ニトロブルーテトラゾリウム溶液と
を用いて特異的結合を視覚化した。
【0045】図1に示すように、ヒトCCT標品は、ネ
イティブPAGEにより約900kDaの単一バンドを
示し、SDS−PAGEでは59〜65kDaの複数の
バンドのクラスターとして示された。図1の結果より、
CCTは、約60kDaの8種のサブユニットの16量
体複合体であることが示唆された。また、前記CCT標
品の泳動パターンは、クボタら[Kubota, H., et al., C
urr. Biol., 4, 89-99(1994)]、ガオら[Gao, Y., Cell
69, 1043-1050 (1992)]、Frydman, J., EMBOJ. 11, 476
7-4778 (1992)]及びノーカム[Norcum, M. T., EMBO J.
11, 4767-4778 (1992)] に記載されたものと同様であっ
た。クマシーブリリアントブルー(CBB)染色によ
り、他のバンドは観察されなかった。
【0046】さらに、HSP60特異的モノクローナル
抗体を用いたウエスタンブロッティングにより、ミトコ
ンドリアHSP60の混入は検出されなかった。
【0047】ヒトミトコンドリアHSP60、大腸菌G
roEL、マイコバクテリウム・ボビス(Mycoba
cterium bovis)BCG HSP65及び
ヒトHSP70は、それぞれStressGen社より
購入した。
【0048】実施例3 被検試料における抗体価の評価 (1)ELISA 実施例2に記載の抗原を1μg/mlの濃度で50mM
炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)に希釈し、96
ウェルマルチプレートに分注した。4℃で一晩インキュ
ベートした後、ウェルを2%ヒト血清アルブミンで37
℃で2時間ブロックした。ヒト血清を0.05% Tw
een20を含んだリン酸緩衝化生理食塩水(以下、P
BSTという)で1000倍に希釈した。得られた希釈
物を抗原被覆プレートに供した後、37℃で90分間イ
ンキュベートした。各ウェルをPBSTで洗浄した後、
30,000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ結
合ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ特異的)抗体(BioSo
urce International社製)をウェル
に分注し、37℃で90分間インキュベートした。PB
STで洗浄した後、特異的結合を、基質として3,
3’,5,5’−テトラメチルベンジジン溶液(KPL
Laboratories Inc.社製)で検出し
た。1M リン酸の添加により反応を停止した後、45
0nmにおける吸収を測定した。得られた測定値を抗体
価とした。
【0049】(2)統計学的分析 Studentのt検定を用いて、2つのグループ間の
抗体価を比較した。Spearmanのランク相関検定
により、2つの抗原に対する抗体のレベルの相関を算出
した。
【0050】(3)結果 (i)自己免疫疾患患者の血清中におけるHSP60フ
ァミリータンパク質に対する抗体価の評価 ELISA解析において、1000倍希釈した血清を用
いた。その結果、この希釈律で全ての抗原及び血清の抗
体価とELISA示数値(A450 )との間に直線性が確
認された。
【0051】
【表1】
【0052】図2及び表1に示されるように、RA、S
LE、SS及びMCTD患者の血清中のCCTに対する
抗体価は、健常者対照の血清における力価よりも、より
有意に高いことが分かる。
【0053】対照的に、図2及び表1に示されるよう
に、大腸菌GroELに対する抗体価は、RA、SL
E、MCTD群において、数例について高い陽性を示す
が、該抗体価の平均値としては、健常者対照と患者との
有意な差異が認められない。また、結核菌HSP65に
対する抗体価は、低く、またMCTD群において、健常
者との間に有意な差異が認められるのみで、他の症候群
においては有意な差異が認められない。さらにミトコン
ドリアHSP60に対する抗体価は、健常者との有意差
を示すp値がCCTよりも低く、シェーグレン症候群の
群では、有意差が認められない。
【0054】(ii)HSP60ファミリータンパク質に
対する抗体価間の相関 図3に示すように、CCTに対する抗体価とミトコンド
リアHSP60に対する抗体価は、高い相関率(r2=
0.726)を示した。対照的に、結核菌HSP60に
対する抗体価はCCTに対する抗体価とミトコンドリア
HSP60に対する抗体価とのより低い相関を示し、大
腸菌GroELといかなる他の抗原との間において抗体
価の非常に低い相関が観察されるか、あるいは相関が観
察されなかった。
【0055】これらの結果により、抗CCT自己抗体価
は、自己免疫疾患の良い指標であり、また、CCTは、
HSP60ファミリータンパク質に対する自己抗体を検
出するための良い抗原候補であることが示唆される。
【0056】また、グラム陰性細菌である大腸菌のGr
oELに対する抗体価は、グラム陽性細菌である結核菌
HSP65に対する抗体価よりも一般的に高くなる。細
菌、特にグラム陰性細菌による感染によって、おそらく
HSP60ファミリータンパク質に対する一次免疫応答
を引き起こすことが示唆される。また、CCT又はミト
コンドリアHSP60に対して交差反応する抗体の誘導
は、健常者で抑制されるが、自己免疫疾患患者では抑制
されないように思われる。
【0057】実施例4 イムノブロット解析 ヒト血清を用い、ヒトCCT、ミトコンドリアHSP6
0及び大腸菌GroELのイムノブロット解析を行なっ
た。
【0058】まず、CCT、ミトコンドリアHSP60
及び大腸菌GroEL(各0.2μg/レーン)を3〜
10%リニアグラジェントポリアクリルアミドゲルでの
ネイティブPAGE又は10〜20%リニアグラジェン
トポリアクリルアミドゲルでのSDS−PAGEに供し
た。クボタら[Kubota, H., et al., Eur. J. Biochem.
262, 492-500 (1999)]に記載のように、イムノブロッテ
ィングを行なった。すなわち、ゲル上のタンパク質をポ
リビニリデンジフロリドフィルターに転写し、ついで該
フィルターを5%スキムミルクを含むPBSでブロッキ
ングした。フィルターとヒト血清とのインキュベーショ
ンの後、5%スキムミルクを含むPBSTで100倍に
希釈し、二次抗体及び基質として、アルカリホスファタ
ーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ鎖特異的)抗体(B
ioSource International社製)
と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェー
トテトラゾリウム/ニトロブルーテトラゾリウム溶液と
を用いて特異的結合を視覚化した。
【0059】その結果、図4のパネルA及びBに示すよ
うに、CCT、ミトコンドリアHSP60及び大腸菌G
roELを用いた、ネイティブPAGE後のイムノブロ
ッティングは、約700〜900kDaの特定のバンド
を示した。CCT又はミトコンドリアHSP60のバン
ドは、SDS−PAGE後のイムノブロッティングには
検出されなかった。また、図4のパネルCに示されるよ
うに、大腸菌GroELに特異的なバンドは、SDS−
PAGE後のイムノブロッティングにより約60kDa
で検出された。かかる結果は、SDS処理により、自己
免疫疾患患者の自己抗体により認識される、CCT及び
ミトコンドリアHSP60中のエピトープ構造は破壊す
るが、ヒト血清中のGroEL特異的抗体は配列特異的
エピトープを認識するため該構造は維持されることが示
される。
【0060】換言すれば、ヒト血清中抗体のうちCCT
と交差反応する画分は、バンドがネイティブPAGE後
で観察されるが、SDS−PAGE後では観察されなか
ったため、恐らく、シャペロニンタンパク質の1若しく
は複数のSDS感受性エピトープを認識するであると思
われる。
【0061】実施例5 血清吸収実験 HSP60ファミリータンパク質のリン酸緩衝化生理食
塩水(PBS)溶液又はヒト血清アルブミンのPBS溶
液(対照)と等量のPBS10倍希釈ヒト血清とを混合
した。37℃で1時間のインキュベートの後、混合物を
PBSで100倍に希釈した後、ELISAにより抗体
の特異的結合を解析した。その結果を図5に示す。
【0062】図5に示されるように、CCTに対するI
gG抗体及びミトコンドリアHSP60に対する抗体
は、ほとんど完全に互いを吸収した。また、抗CCT抗
体及び抗HSP60抗体は、RA#27における抗HS
P60を除き、大腸菌GroEL又は結核菌HSP65
により、ほとんど完全に吸収された。対照的に、抗Gr
oEL抗体の結合は、他のHSP60ファミリータンパ
ク質を同程度に添加することにより、RA#27を除い
て、Normal#72、SLE#6及びMCTD#9
4においては阻害されず、Normal#52、RA#
27、SS#80及びMCTD#88においては、部分
的に阻害された。いくつかの血清中における抗結核菌H
SP65の結合は、CCT又はミトコンドリアHSP6
0の添加により、RA#27及びSS#80において
は、ほぼ完全に阻害され、Normal#72、RA#
41及びMCTD#88においては、部分的に阻害され
た。4つのHSPファミリー抗原への結合は、他のファ
ミリーの分子シャペロンタンパク質、HSP70の添加
により、阻害されなかった。これらの結果により、CC
T及びHSP60に反応する抗体は2つの抗原間に類似
した1若しくは複数のエピトープを認識し、GroEL
及び結核菌HSP65も類似した1若しくは複数のエピ
トープを含むことが示唆される。対照的に、GroEL
又は結核菌HSP65を認識する抗体は、GroEL及
び/又は結核菌HSP65に特異的なものを含む。抗G
roEL又は抗結核菌HSP65は、Normal#5
2、Normal#72、SLE#6及びMCTD#9
4の場合において、抗原により、お互いに一部分であっ
た。この結果により、GroEL及び結核菌HSP65
は、CCT及びHSP60により共有される1若しくは
複数のエピトープに加えて、特異的なエピトープを有す
ることが示唆される。
【0063】実施例6 腫瘍とCCT発現量との関連性 (1)各種マウス細胞株におけるCCTの発現量 種々のマウス細胞株におけるCCTサブユニットタンパ
ク質の発現量をウエスタンブロッティングにより調べ
た。用いたマウス細胞株は、FM3A(乳癌)、7TD
1(IL−6依存性ハイブリドーマ)、DA3(IL−
3依存性ミエロイド細胞)、L5187Y(リンパ
腫)、LLC−1(肺癌)、L929(繊維芽細胞)、
J744A.1(単球マクロファージ株)である。
【0064】その結果、細胞によってCCTサブユニッ
トタンパク質の量は大きく異なっていることが示され
た。特に、細胞増殖の早い浮遊細胞の方が増殖の遅い付
着細胞よりも発現量が多かった。
【0065】そこで、細胞増殖能とCCTの発現量との
関連性を検討するため、細胞増殖速度の指標として[3H]
- チミジンの取り込み能を求め、得られたチミジン取り
込み値と前記ウエスタンブロッティングで求めたCCT
の細胞内タンパク質量との関連性を調べた。その結果を
図6に示す。
【0066】図6のパネルA〜Dの結果より、いずれの
サブユニットにおいても高い正の相関性を示すことがわ
かる。
【0067】(2)癌組織又は正常組織におけるCCT
の発現量 CCTの発現量と細胞の増殖とが、密接な正の関係のあ
ることが明らかとなったので、増殖性細胞が関係する疾
患の1つとして癌について検討した。
【0068】19癌患者の手術検体のうち、同一患者か
ら得られた摘出組織の腫瘍化部と非腫瘍化部とのペアに
ついて、CCTの発現量の差異を調べた。
【0069】臓器試料をホモジナイザーでホモジナイズ
後、遠心し、得られた可溶性画分のタンパク質3μg相
当量を用いて、総タンパク質量に対するCCTの量につ
いてウエスタンブロッティングにより検討した。結果を
図7、表2及び図8に示す。
【0070】
【表2】
【0071】図7、表2及び図8の結果より、原発巣癌
のうち、大腸癌(10症例中8症例)及び肝細胞癌(7
症例中5症例)において、腫瘍化部でCCT発現が亢進
していることがわかる。
【0072】また、他のシャペロン〔HSP70、Gr
p78(グルコース調節タンパク質78)、ORP15
0など)についても、腫瘍化部で発現の亢進が認められ
ている例も多く認められたが、CCTに比べて発現亢進
の認められる頻度は低かった。
【0073】さらに、細胞増殖と関連があり、癌マーカ
ーとしても用いられている増殖細胞核抗原(PCNA)
とCCTの発現量を比較した。
【0074】なお、前記PCNAは、サイクリンもしく
はDNAポリメラーゼδ関連タンパク質としても知られ
ている約36kDaのタンパク質であり、細胞周期の初
期G1〜S期で合成され、増殖細胞のマーカーとして組
織染色などでよく使用される指標である。
【0075】その結果、図7、表2及び図8に示すよう
に、PCNAとCCTの発現量の間に非常によい相関性
が認められることがわかる。
【0076】
【発明の効果】本発明の自己免疫疾患の診断方法は、健
常者対照と比較して力価が有意に高く、優先的に患者中
で上昇する抗CCT自己抗体価を測定するため、簡便で
あり、かつより高い信頼度で自己免疫疾患の徴候を検出
することができるという優れた効果を奏する。また、本
発明の抗CCT自己抗体価測定用キットは、前記自己免
疫疾患の診断方法に好適であり、より信頼度の高い診断
を可能にする。さらに、本発明の腫瘍の診断方法によれ
ば、CCTの発現量を診断の指標とするため、より簡便
に、かつより信頼度の高い診断を可能にする。また、本
発明のCCT測定用キットは前記腫瘍の診断方法に好適
であり、より信頼度の高い診断を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ネイティブPAGE及びSDS−PA
GEによる精製CCT標品のキャラクタリゼーションを
示す図である。ネイティブPAGEは、3〜10%濃度
勾配ポリアクリルアミドゲルで行なった。SDS−PA
GEは、8.5%ポリアクリルアミドゲルで行なった。
SDS−PAGEにより、8つの異なるサブユニットを
示す60kDa前後の複数のバンドとして泳動された。
ネイティブPAGEのためのサイズマーカーとして、チ
ログロブリン(669kDa)、フェリチン(440k
Da)、カタラーゼ(232kDa)及び乳酸デヒドロ
ゲナーゼを用い、SDS−PAGEのサイズマーカーと
して、ホスホリラーゼb(94kDa)、アルブミン
(67kDa)、オブアルブミン(43kDa)、炭酸
アンヒドラーゼb(30kDa)を用いた。
【図2】図2は、慢性関節リウマチ(RA)患者、全身
性エリテマトーデス(SLE)患者、シェーグレン症候
群患者、混合性結合組織病(MCTD)患者及び健常者
におけるヒトCCT、ヒトミトコンドリアHSP60、
大腸菌GroEL及び結核菌のHSP65に対するIg
G力価の比較を示す図である。各抗原をマイクロタイタ
ープレートに被覆し、1000倍に希釈されたヒト血清
を該プレートに供した。ELISAにより測定した抗体
価は450nmにおける吸収として表わされた。平均及
び標準誤差を右側に示す。各群間の統計学的有意性を2
つの星印(p<0.01)及び1つの星印(p<0.0
5)で示す。
【図3】図3は、ヒト血清におけるヒトCCT、ミトコ
ンドリアHSP60、大腸菌GroEL及び結核菌HS
P65に対する抗体価間の相関関係を示す図である。示
された数値は、図2と同じである。
【図4】図4は、ヒト血清を用いたヒトCCT、ミトコ
ンドリアHSP60及び大腸菌GroELのイムノブロ
ット解析の図である。CCT、HSP60又はGroE
LをネイティブPAGE又はSDS−PAGEに供し、
膜にブロットした。得られた膜をヒト血清とインキュベ
ートし、ついでアルカリホスファターゼ結合抗ヒトIg
Gとインキュベートした。その結果、全てのシャペロニ
ンに対する抗体に対して、健常者対照血清#52及び#
72は、陽性であるが、#63及び#67は、陰性であ
った。矢印は、各抗原の位置を示す。分子量マーカーの
移動度を左側に示す。
【図5】図5は、ヒトCCT、ミトコンドリアHSP6
0、大腸菌GroEL及び結核菌HSP65に対する抗
体の各抗原による吸収を示す図である。希釈ヒト血清を
示された抗原で吸収し、ELISAに供した。図中、H
SAはヒト血清アルブミン(対照)を示す。
【図6】図6は、マウス細胞株におけるCCTの発現量
と細胞増殖能との関連性を調べた結果の図である。パネ
ルAは、ウエスタンブロットの結果を示す図である。パ
ネルBは、CCTの各サブユニット量と細胞への[3H]−
チミジンの取り込みの相関性を示す図である。パネルC
は、CCTの基質(アクチン、チューブリン)量と細胞
への[3H]−チミジンの取り込みの相関性を示す図であ
る。パネルDに、パネルB及びCのデータから算出した
相関係数を示す。
【図7】図7は、同一患者由来の腫瘍化組織と正常組織
とにおける各タンパク質発現量をウエスタンブロッティ
ングにより調べた結果の図である。
【図8】図8は、CCT及びPCNAタンパク質の同一
患者における腫瘍化部又は非腫瘍化部における発現量の
相関性を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検試料中の抗CCT自己抗体価を測定
    することを特徴とする、自己免疫疾患の診断方法。
  2. 【請求項2】 哺乳類動物のCCT抗原タンパク質と被
    検試料とを接触させて抗CCT自己抗体価を測定する、
    請求項1記載の診断方法。
  3. 【請求項3】 自己免疫疾患が、慢性関節リウマチ、全
    身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群及び混合性
    結合組織病からなる群より選ばれた少なくとも1種であ
    る、請求項1又は2記載の診断方法。
  4. 【請求項4】 健常者対照の被検試料中の抗CCT自己
    抗体価と被検体の被検試料中の抗CCT自己抗体価とを
    比較し、健常者対照の被検試料中の抗CCT自己抗体価
    よりも被検体の被検試料中の抗CCT自己抗体価が大き
    い場合を自己免疫疾患陽性の指標とする、請求項1〜3
    いずれか記載の診断方法。
  5. 【請求項5】 哺乳類動物のCCT抗原タンパク質を含
    有してなる、請求項1〜4いずれか記載の診断方法に用
    いるための抗CCT自己抗体価測定用キット。
  6. 【請求項6】 被検試料中のCCT量を測定することを
    特徴とする、腫瘍の診断方法。
  7. 【請求項7】 抗CCT抗体を含有してなる、請求項6
    記載の診断方法に用いるためのCCT測定用キット。
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