JP2001172427A - 有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハロゲン方法 - Google Patents
有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハロゲン方法Info
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Abstract
(例、可塑剤含有ポリ塩化ビニル、難燃剤含有ポリエチ
レン) に適用可能で、99%以上のハロゲンを安全かつ比
較的短い処理時間で除去できる脱ハロゲン法を提供す
る。 【解決手段】 有機ハロゲン含有プラスチックを、金属
酸化物、水酸化物および炭酸塩から選ばれた少なくとも
1種の金属化合物 (例、生石灰) と混練してから、遊星
型ボールミルでの粉砕等を利用してメカノケミカル処理
を行い、塩素分を金属化合物との反応により水溶性化合
物に変化させ、水洗して塩素分を溶出させ、脱ハロゲン
化したプラスチックを回収する。
Description
素樹脂といったハロゲン含有樹脂、或いは可塑剤、難燃
剤、増量剤等として有機ハロゲン化合物を含有する樹脂
等といった、燃焼または焼却時に有害ガスを発生する危
険性が高い、有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハロゲ
ン方法に関し、特に可塑剤を含有するような軟質系のハ
ロゲン含有含有プラスチックの脱ハロゲン方法に関す
る。
性、加工性等に優れていることから、多方面に広く使用
されており、廃棄されるポリ塩化ビニルは年々増加して
いる。この廃棄ポリ塩化ビニルを生ゴミ等と一緒に焼却
処理すると、焼却施設からダイオキシン等の有害ガスが
発生し、大きな社会問題となっている。ポリ塩化ビニリ
デン等の他の塩素含有樹脂にも同様の問題がある。
フッ化ビニリデン等のフッ素樹脂は、耐熱性や耐薬品性
に優れているため、バルブやライニングの材料に使用さ
れているが、焼却処理により弗化水素等の有毒ガスを発
生するという問題がある。
いポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン等の各種
樹脂でも、難燃剤としてデカブロモジフェニルエーテル
のような有機臭素化合物が配合または共重合されている
と、焼却処理により臭化水素や臭素化ダイオキシン等の
有毒ガスを発生する危険性がある。
有機化合物がハロゲンを含有する有機ハロゲン含有プラ
スチックは、化学的安定性と種々の良好な特性から多方
面で用いられているが、その化学的安定性から廃棄処理
が困難で、廃棄手段に苦慮しているのが現状である。他
に有効な処分方法がないことから、有機ハロゲン含有プ
ラスチックを含むプラスチックの多くは埋め立て処分さ
れている。しかし、埋め立て処分には限界がある上、好
ましい処分法ではないので、有機ハロゲン含有プラスチ
ックを安全に焼却できるように、その実用化可能な脱ハ
ロゲン化技術が強く求められている。
を 250〜300 ℃に加熱して分解し、塩素を塩酸として回
収することが試みられた。しかし、この方法は高温処理
を含み、処理設備の安全性の問題から普及するには至っ
ていない。
ニルの成形品を粉末にしてから、酸化カルシウム、水酸
化カルシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウムから選ばれ
た金属酸化物 (または水酸化物) の粉末と一緒に、常温
でメカノケミカル処理し、処理物を水洗濾過して塩素分
を溶出させるという、ポリ塩化ビニルの非加熱脱塩素方
法が提案されている。メカノケミカル処理手段として
は、ボールミルの1種である遊星ミルによる粉砕が利用
されている。
撃、粉砕、曲げ、延伸等の機械的エネルギーを固体物質
に加えて、固体に活性な表面を創出し、その表面または
周囲に化学的変化または影響を生じさせる処理法であ
る。例えば、ボールミル等の衝撃粉砕装置で2種類の反
応成分を粉砕すると、反応物が物理的に引きちぎられ、
活性の高い表面が現れ、通常では常温で起こり得ない反
応を、常温で進行させることができる。
では、ボールミルで粉砕する間に、ポリ塩化ビニル中の
塩素が金属酸化物と反応して水溶性の金属塩化物 (例え
ば、金属酸化物がCaO の場合にはCaOHCl) になるため、
脱塩素が可能になる。
報に提案されたメカノケミカル処理を利用したポリ塩化
ビニルの脱塩素方法は、常温で実施でき、安全性が高い
点で有利である。また、この方法は、ポリ塩化ビニルの
脱塩素に限られるものでなく、原理的に広く有機ハロゲ
ンを含有するプラスチック全般の脱ハロゲンに適用可能
である。
処理を利用した脱塩素法には、いくつかの問題点があ
る。その最大の問題点は、この方法が硬質系のプラスチ
ックにはかなり有効であるものの、軟質系のプラスチッ
クでは脱塩素効率が非常に低くなり、塩素のごく一部し
か除去できないことである。即ち、この脱塩素方法は、
実際には硬質系のポリ塩化ビニルだけを対象とした脱塩
素法である。
ン含有プラスチックは、そのままで使用されることもあ
るが、常温では堅く、衝撃に弱いため、10〜50%程度の
可塑剤を混練して使用する製品が多い。可塑剤により変
形能を向上させたことで、農業用シート、長靴、ホー
ス、電線被覆材等、多くの用途が生み出された。このよ
うな可塑剤を配合して変形能を高めたポリ塩化ビニル
が、軟質系のポリ塩化ビニルであり、これがポリ塩化ビ
ニルの消費量の半分以上を占めている。従って、可塑剤
を全くあるいはごく少量しか配合しない硬質系のポリ塩
化ビニルの方が、消費量は少ない。上記公報に記載の脱
塩素法は、この消費量の少ない硬質系のポリ塩化ビニル
だけにしか実質的に有効ではない。
機ハロゲン含有プラスチックであり、比較的衝撃に強く
金属のコーティング等にもよく用いられている。軟質系
の有機ハロゲン含有プラスチックの例としては、他にも
ウレタン/塩化ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン等
がある。
軟性と靱性があり、また熱により軟化しやすい性質があ
るため、ボールミル等の衝撃力や摩擦力を利用した粉砕
機では粉砕に支障を生じ、メカノケミカル処理の反応効
率を著しく低下する。また、上記方法ではメカノケミカ
ル処理に付す前に既に粉末化しているが、この粉末化も
困難な場合がある。
質系のポリ塩化ビニルを用いて、上記特開平11−124463
号公報に記載のように酸化カルシウムと一緒にメカノケ
ミカル処理したところ、脱塩素率は10%にも届かなかっ
た。
mに粉砕したポリ塩化ビニル樹脂を酸化カルシウムと一
緒にメカノケミカルした場合の脱塩素化率は8時間の処
理時間で90%近くに達することが記載されている。公報
には可塑剤の記載がなく、ポリ塩化ビニルを予め粉末化
してから処理していることから考えて、この実施例に使
用したのは硬質系にポリ塩化ビニルであったと推測され
る。
題点は、上記実施例の結果からわかるように、脱塩素率
が最高で90%近く (10%以上の塩素が残留する) と、脱
塩素率がなお不十分であることと、この最高の脱塩素効
率を得るのに、8時間という長いメカノケミカル処理時
間が必要であることである。さらに、メカノケミカル処
理前に、予め60〜400 μmといった粉末に粉砕しなけれ
ばならない点も、軟質系プラスチックにとっては厄介な
問題となる。
適用可能で、かつ比較的短いメカノケミカル処理により
99%以上というような非常に高い脱ハロゲン率を達成す
ることができる、有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハ
ロゲン方法を提供することを課題とする。
解決すべく検討を重ねた結果、以下の知見を得た。 (1) 軟質系の有機ハロゲン含有プラスチックを加熱軟化
させて、金属酸化物等の金属化合物と混練すると、固化
後に得られた混合物中のプラスチックは脆化しており、
粉砕機で容易に粉砕できるようになる。 (2) この混合物をボールミル等で粉砕してメカノケミカ
ル処理すると、脱ハロゲン効率が著しく向上し、例え
ば、3時間のメカノケミカル処理でハロゲンの99%以上
を除去することが可能となる。
高いハロゲン除去率が比較的短いメカノケミカル処理で
達成可能となるのは、上記(1) の混練処理中にプラスチ
ックが十分に脆化し、メカノケミカル処理中に活性な表
面が現れ易くなっていることと、この混練でプラスチッ
クと反応成分である金属化合物とが均一に混合されてい
るため、プラスチックと金属化合物との接触効率が高い
こと、の相乗効果としてメカノケミカル反応効率が著し
く高まるためではないかと考えられる。
有機ハロゲン含有プラスチックを、金属とO、H、Cの
1種以上とから構成された少なくとも1種の金属化合物
と混練し、固化した混練混合物をメカノケミカル処理し
てから脱ハロゲン処理を行うことを特徴とする有機ハロ
ゲン含有プラスチックの脱ハロゲン方法である。
は、ポリ塩化ビニルのような樹脂の分子中にハロゲンを
含有するプラスチックと、樹脂それ自体はハロゲンを含
まないが、配合材料として有機ハロゲン化合物を含有す
るプラスチックの両者を包含する意味である。
有プラスチックが軟質系のものであり、(2) 金属化合物
がアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属から選ば
れ、および/または(3) メカノケミカル処理する混合物
がプラスチック中のハロゲンに対して反応当量の1倍以
上の金属化合物を含有する。
aO) を用いてポリ塩化ビニルを脱塩素化する場合を例に
とって、本発明の実施態様について具体的に説明する。
なお、以下に説明する実施態様に対して、本発明の範囲
内で各種の変更を加えることは当然可能である。
理に限られるものではなく、前述したフッ素樹脂、難燃
剤を配合したポリエチレン樹脂といった、他の軟質系の
有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハロゲンにも有効で
あり、さらには硬質系の有機ハロゲン含有プラスチック
にも適用できる。硬質系の樹脂に適用した場合、特開平
11−124463号公報に記載の方法に比べてより短いメカノ
ケミカル処理時間でより高い脱ハロゲン率を達成するこ
とができる。但し、本発明の方法は混練工程を含むの
で、軟化しない熱硬化性樹脂には適用することができな
い。
ニル製品の廃棄物を、まず裁断機やシュレッダー等を用
いて、5mm以下程度に細分化する。この細分化は、粉砕
とは異なり、軟質系プラスチックでも容易に実施でき
る。
キサー等の適当な混練機に供給し、120〜130 ℃に加熱
すると溶融軟化する。混練機上の軟化したポリ塩化ビニ
ルに生石灰 (酸化カルシウム) を徐々に添加して混練を
続け、両者が均一に混合された混練混合物になってか
ら、適当な形状 (シート状、ペレット状、棒状等) にし
て固化させる。この混練中にポリ塩化ビニル中の塩素と
生石灰とが反応し、ポリ塩化ビニルは脆化する。混練
は、均一混合物が得られるように行えばよく、長い混練
時間は必要ない。
生石灰を追加添加した後、ボールミル等で粉砕すること
でメカノケミカル処理する。この処理中に、前述したよ
うに、ポリ塩化ビニル中の塩素1原子が生石灰1分子と
反応して、水溶性のCaOHClになる。その後、粉砕で微粉
化された混合物を取り出し、脱塩素処理 (脱ハロゲン処
理) をする。この脱塩素処理は、塩素分が水溶性化合物
になっていることから、混合物を水洗して塩素を水中に
溶出させることにより実施すればよい。水洗は、例え
ば、プラスチック量の約10倍以上の量の水中で1〜2時
間程度攪拌することにより実施できる。温度は室温で十
分であるが、多少加温してもよい。
脱塩素生成物を回収する。回収された脱塩素生成物は、
脱塩素されたプラスチックと過剰の生石灰に由来するカ
ルシウム化合物 (乾燥条件にもよるが、水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム等) との混合物である。金属化合物
が水溶性であるか、水と反応して水溶性化合物に変化す
る場合 (例、アルカリ金属化合物の場合) には、脱塩素
プラスチックだけが回収される。
当な反応で水溶性にするか、或いはプラスチックを有機
溶剤で抽出することにより、脱塩素プラスチックだけを
分離回収することができる。メカノケミカル処理によ
り、プラスチックは脱塩素と同時に低分子量化を受けて
いるので、脱塩素プラスチックは有機溶剤で容易に抽出
することができる。回収された脱塩素プラスチックは資
源としての有効利用が可能であり、例えば、化学原料ま
たはクリーンな燃料として利用できる。
プラスチックは、そのまま安全に焼却処理してもよい。
焼却後に残る酸化カルシウム (生石灰) は、本発明の脱
塩素処理における混練時に添加する金属化合物として再
利用してもよく、或いは土壌改良剤、建材 (モルタル
等) 等といった用途に利用することもできる。また、脱
塩素プラスチックはそのまま埋め立て等に利用しても安
全である。
たプラスチックと金属化合物との混練温度は、処理対象
とするプラスチックにより異なり、そのプラスチックの
軟化温度よりやや高い温度とすることが好ましい。
温度は、可塑剤の添加量が50%付近と多い時は 120〜13
0 ℃であり、10%程度と少ない場合は 150〜160 ℃とや
や高温になる。しかし、約180 ℃以上に加熱すると塩酸
蒸気が発生し、危険である。フッ素系樹脂では 220〜23
0 ℃の温度が混練に適しており、 270〜280 ℃では液体
状となり、300 ℃以上まで加熱するとフッ化水素ガスが
発生して危険である。難燃剤配合ポリエチレンの場合に
は 120〜130 ℃の混練温度が適当である。
ンターミックス型のバンバリーミキサー、押し出し成型
機、ニーダー、練りロール機等を用いればよい。
O、H、Cの1種以上とからなる化合物から選ばれた少
なくとも1種である。具体的には、金属の酸化物、水酸
化物、炭酸塩といった無機化合物、ならびにカルボン酸
塩等の有機化合物が例示される。安価な無機化合物で十
分である。
は、アルカリ性の強いアルカリ金属およびアルカリ土類
金属の化合物、例えば、これらの金属の酸化物、水酸化
物、および炭酸塩である。しかし、酸化亜鉛、酸化アル
ミニウム等といった他の金属化合物も使用できる。
物は、カルシウムおよびストロンチウムの酸化物、水酸
化物および炭酸塩である。価格面を考慮すると、カルシ
ウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩の1種以上を使用する
ことが有利である。金属化合物がストロンチウムかカル
シウムを含有しない場合でも、メカノケミカル処理の前
にこれを添加すると、脱塩素効率が向上する。
ム) は、純品である必要はなく、これを含有する各種材
料、特に廃棄物を有効利用してもよい。例えば、酸化カ
ルシウムを含有する鉄鋼スラグをそのまま金属化合物の
供給源としてポリ塩化ビニルと混練することができる。
鉄鋼スラグとしては、例えば、高炉スラグ、転炉スラ
グ、取鍋残留スラグ、電気炉スラグ、二次精錬スラグ、
取鍋精錬スラグ等が挙げられる。特にアルミナを含むス
ラグを用いると反応速度が速くなり、有利である。アル
ミナ含有量の低いカルシウム含有材料でも、ボーキサイ
ト、アルミナ煉瓦等のアルミナ含有材料を添加すると、
その反応速度が上昇する。従って、金属化合物が、例え
ば生石灰の純品である場合、アルミナ含有材料を添加し
て反応速度を高めることができる。アルミナも、メカノ
ケミカル処理時に添加することも可能である。
カノケミカル処理する混合物中に、脱ハロゲン処理する
プラスチック中のハロゲンに対する反応当量 (即ち、こ
のハロゲンと反応させるのに必要な化学量論量) の1倍
以上の金属化合物が含まれているようにすることが好ま
しい。例えば、上記の例では、ポリ塩化ビニル中の塩素
1モルに対して1モルの生石灰(CaO) が反応するので、
1モル以上の生石灰がメカノケミカル処理時点で混合物
中に存在することが好ましい。金属化合物を過剰に使用
する方が、脱ハロゲン率が向上するので、望ましくは反
応当量の2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。
るとハロゲンの除去率は70〜80%に止まるが、反応当量
の約2倍では90%の除去率が得られ、反応当量の3〜5
倍またはそれ以上では99%以上の除去率を得ることがで
きる。添加量が多いほど、短時間で除去率を増大させる
ことができるが、反応当量の10倍より多く添加すると、
反応系全体におけるハロゲン濃度が低下し、除去速度が
低下する傾向がある。従って、金属化合物は有利には反
応当量の3〜10倍、特に4〜8倍の量で添加することが
望ましい。
ックと混合してもよいが、添加量が多すぎて混練しにく
い場合 (例えば、金属化合物が純品ではない場合、或い
はプラスチックが硬質系である場合) には、金属化合物
の一部だけをプラスチックと混練し、残りはメカノケミ
カル処理前に混練混合物に添加してもよい。混練時にハ
ロゲン含有プラスチックを脆化させるためには、少なく
とも反応当量の0.5 倍以上、より好ましくは1倍以上、
最も好ましくは2倍以上の金属化合物をプラスチックと
の混練時に使用することが好ましい。
には、その合計量が上記のようであればよい。ただし、
金属化合物がスラグのように純品ではない場合には、そ
の中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属化合物の量
が上記範囲になるようにすることが好ましい。
するのが便利であるが、メカノケミカル反応が可能であ
れば、他のタイプの装置も使用可能である。使用できる
粉砕機としては、ボールミル、特に遊星型ボールミル、
アトライターミル、ロッドミル、ロールミル、クラッシ
ャーミル等があるが、重力加速度の数倍以上の衝撃を与
えることができる種類の粉砕機が反応効率の点で好まし
く、例えば遊星型ボールミルが適当である。粉砕容器お
よび粉砕用のボールの材質は特に限定するものではない
が、ステンレス鋼、クロム鋼、タングステンカーバイ
ド、メノウ等が望ましい。
合物の種類や添加量、使用する粉砕機によっても異なる
が、遊星型ボールミルの場合で3時間程度で十分であ
る。いずれにしても、それ以上ハロゲン除去が実質的に
進まなくなるまでメカノケミカル処理を続ければよい。
する、軟質系ポリ塩化ビニルシート (厚み約1.5mm)を5
×5mm以下に裁断し、その試料20gに54gの生石灰(Ca
O) を混合した。この生石灰の量は、ポリ塩化ビニル中
の塩素に対する反応当量の6倍に相当する。
鋼製の遊星型ボールミルで1〜8時間粉砕してメカノケ
ミカル処理を行った。ボールミル内の著しい温度上昇が
起こらないように適当に運転休止時間を挟んだ。粉砕物
をボールミルから取り出し、約500 ccの水中で約1時間
攪拌して塩素分を溶出させることにより、脱塩素処理し
た。濾過および自然乾燥後に得られた固形分中の塩素分
析を行い、脱塩素率を求めた。結果をメカノケミカル処
理時間ごとに表1に示す。
%含有するポリ塩化ビニルシートを5×5mm以下に裁断
し、その試料20gをステンレス容器中で 120〜130 ℃に
加熱し、これに54gの生石灰を投入して、容器内で回転
ロッドで攪拌することにより混練した。生石灰の量は、
比較例1と同じく、ポリ塩化ビニル中の塩素に対する反
応当量の6倍に相当する。
化した混練混合物を比較例1と同様にして遊星型ボール
ミルで1〜8時間粉砕してメカノケミカル処理を行っ
た。粉砕物は、比較例1の同じ時間での粉砕物に比べて
より微細になっていた。粉砕物を実施例1と同様に水
洗、濾過、および乾燥して脱塩素処理を行い、脱塩素率
を求めた。結果を同様に表1に示す。
%含有するポリ塩化ビニルシートを5×5mm以下に裁断
し、その試料20gをステンレス容器中で 120〜130 ℃に
加熱し、これに66gの高炉スラグを投入して、容器内で
回転ロッドで攪拌することにより混練した。この高炉ス
ラグの化学組成は次の通りであった。CaO: 40.5, SiO2:
31.7, Al2O3: 14.4, MgO: 5.6, T-Fe: 0.3, S: 1.17,
P2O5:0.0, F-CaO: 0.43, MnO: 0.3, C: 0.76, F: 0.2
。
れに高炉スラグを67g追加してから、比較例1と同様に
して遊星型ボールミルで1〜8時間粉砕してメカノケミ
カル処理を行った。投入した合計133 gの高炉スラグ中
の生石灰量は、比較例1と同じく、ポリ塩化ビニル中の
塩素に対する反応当量の6倍に相当し、そのうち混練時
に投入した生石灰量は反応当量の3倍に相当する。粉砕
物を実施例1と同様に水洗、濾過、および乾燥して脱塩
素処理を行い、脱塩素率を求めた。結果を同様に表1に
示す。
に裁断し、その試料10gに54gの生石灰(CaO) を混合し
た。生石灰の量はプラスチック中の塩素に対する反応当
量の6倍に相当する。この混合物を用いて、比較例1と
同様に遊星型ボールミルによるメカノケミカル処理、水
洗、濾過、および乾燥を行い、脱塩素率を求めた。結果
を表1に示す。
同様に裁断し、その試料10gをステンレス容器中で 120
〜130 ℃に加熱し、これに30gの生石灰を投入して、容
器内で回転ロッドで攪拌することにより混練した。混練
した混合物を常温まで放冷した後、固化した混練混合物
にさらに生石灰24gを追加してから、比較例1と同様に
して遊星型ボールミルで1〜8時間粉砕してメカノケミ
カル処理を行った。使用した合計54gの生石灰量は、比
較例2と同じく、ポリ塩化ビニル中の塩素に対する反応
当量の6倍に相当し、そのうち混練時に投入した生石灰
量は反応当量の3.3 倍に相当する。粉砕物を実施例1と
同様に水洗、濾過、および乾燥して脱塩素処理を行い、
脱塩素率を求めた。結果を同様に表1に示す。
ルを、特開平11−124463号公報に記載のように生石灰と
混合してメカノケミカル処理した比較例1では、脱塩素
率が処理時間3時間で5%、8時間でも7%にすぎず、
この塩素除去率で効果がほぼ飽和した。従って、塩素の
除去率は非常に低く、実質的な脱塩素を行うことができ
なかった。一方、同じ方法を可塑剤を含まない硬質系の
ポリ塩化ビニルに対して行った比較例2では、3時間処
理で90%、8時間処理で95%と、脱塩素率は高くなっ
た。しかし、この場合も脱塩素率は95%で飽和し、99%
以上という実質的的な脱塩素化率は得られなかった。
リ塩化ビニルに、事前に生石灰を混練してから、メカノ
ケミカル処理を行った実施例1では、生石灰の使用量は
比較例1と同じであるにもかかわらず、2時間処理で95
%、3時間処理では実に99.5%という、非常に高い脱塩
素率を得ることができ、軟質系のポリ塩化ビニルから塩
素をほぼ完全に除去することができた。また、生石灰に
代えて、生石灰を主成分とし、少量のアルミナを含有す
る高炉スラグを用いると、実施例2に示すように、脱塩
素がより促進された。
3に示すように、硬質系プラスチックに対しても有効で
ある。比較例2と実施例3の対比から明らかなように、
本発明の方法では、硬質系プラスチックからより短時間
のメカノケミカル処理によって、ほぼ完全にハロゲンを
除去することができる。
く、メカノケミカル処理に適用しにくい軟質系の有機ハ
ロゲン含有プラスチック (例、可塑剤含有ポリ塩化ビニ
ル) から、粉砕等を利用したメカノケミカル処理によっ
て効率よくハロゲンを除去することができ、比較的短い
処理時間で99%以上という高い脱ハロゲン率を達成する
ことが可能である。その結果、廃棄される有機ハロゲン
含有プラスチックの焼却処理の安全性が高まるので、本
発明は環境問題の解決に貢献するものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 有機ハロゲン含有プラスチックを、金属
とO、H、Cの1種以上の元素とから構成された少なく
とも1種の金属化合物と混練し、固化した混練混合物を
メカノケミカル処理してから、脱ハロゲン処理を行うこ
とを特徴とする、有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハ
ロゲン方法。 - 【請求項2】 有機ハロゲン含有プラスチックが軟質系
のものである、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 金属化合物がアルカリ金属化合物および
アルカリ土類金属から選ばれる、請求項1または2に記
載の方法。 - 【請求項4】 メカノケミカル処理する混合物がプラス
チック中のハロゲンに対して反応当量の1倍以上の金属
化合物を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の
方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP35938399A JP4274342B2 (ja) | 1999-12-17 | 1999-12-17 | 有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハロゲン方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP35938399A JP4274342B2 (ja) | 1999-12-17 | 1999-12-17 | 有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハロゲン方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001172427A true JP2001172427A (ja) | 2001-06-26 |
JP4274342B2 JP4274342B2 (ja) | 2009-06-03 |
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JP (1) | JP4274342B2 (ja) |
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