JP2001172331A - 吸水性樹脂及びその製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂及びその製造方法

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JP2001172331A
JP2001172331A JP35643499A JP35643499A JP2001172331A JP 2001172331 A JP2001172331 A JP 2001172331A JP 35643499 A JP35643499 A JP 35643499A JP 35643499 A JP35643499 A JP 35643499A JP 2001172331 A JP2001172331 A JP 2001172331A
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absorbent resin
absorbing
cyclic imide
polymer
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Kozo Kubota
耕三 窪田
Minoru Atsuji
稔 阿津地
Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
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Toagosei Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/10Esters
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水倍率が高く、且つ水可溶成分が少なく、
紙おむつなどの吸収体物品を形成した時の吸収特性、特
に逆戻り性に優れる吸水性樹脂及びその製造方法の提
供。 【解決手段】 環状イミド基を有するビニル系単量体を
必須構成単量体とする吸水性重合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性樹脂及びそ
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、吸水
倍率が高く、且つ水可溶成分が少なく、紙おむつなどの
吸収体物品を形成した時の吸収特性、特に逆戻り性に優
れる吸水性樹脂及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多量の水を吸収させることを目的
として、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パットなどの
衛生材料の構成材料や原料として、吸水性樹脂が広く利
用されている。また、衛生材料以外にも、土壌の保水
剤、種子コーティング剤、止水剤、増粘剤、結露防止
剤、汚泥凝固剤、乾燥剤、調湿剤、蓄熱剤用ゲル、芳香
剤用ゲル、ポリマー電池用ゲル、人工雪用ゲルなどの広
範囲な用途にも吸水性樹脂が使用されている。このよう
な吸水性樹脂を構成する重合体としては、例えば、ポリ
アクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリル
グラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフ
ト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体のケン化物などの吸水性重合体が知られている。
【0003】上記の吸水性樹脂の用途の中で、最も多く
吸水性樹脂が使用されている分野は、生理用品、紙おむ
つなどの衛生材料分野であり、これらの衛生用品に要求
される性質は、体液を吸収した後、その表面がさらっと
としていて、圧力をかけた場合に吸収した体液が逆戻り
しないことである。したがって、衛生材料用途に使用さ
れる吸水性樹脂に求められる特性としては、体液などの
水性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸水速度、
通液性、膨潤ゲルの強度などが挙げられる。そして、こ
れらの特性の中で、最も基本的で必須の吸水性樹脂の特
性は高い吸水倍率と少ない水可溶分であり、その様な特
性を有する吸水性樹脂が強く望まれている。すなわち、
水可溶分が多い吸水性樹脂は、架橋割合が低かったり不
均一であるため、そのゲル強度や耐久性が低いという欠
点を有し、さらに、吸水性樹脂を高濃度に含有する吸収
体を長時間着用した場合に、吸水性樹脂中の水可溶分が
徐々に溶出し、吸収体中での水性液体の拡散性を低下さ
せたり、上記水性液体の逆戻り量を増加させたりすると
いう問題を発生する。さらに、水可溶分の多い吸水性樹
脂は、表面架橋による物性改良、例えば、加圧下吸収倍
率の向上が困難であるという問題を有している。吸水性
樹脂の水可溶分を下げるには、一般的には架橋密度を上
げればよいが、その場合、吸水倍率が大きく低下してし
まう。すなわち、その様な方法では、吸水倍率の高さと
水可溶分の少なさは、両者互いに相反してしまい希望す
る特性を有するものを得ることは困難である。したがっ
て、樹脂中の水可溶分が少なく、さらに紙おむつなどの
吸収体物品を形成した時の吸収特性、特に逆戻り性に優
れる吸水性樹脂を得ることは困難なことであり、それゆ
えにその様な吸水性樹脂を得ることに対し強い要望が存
在している。
【0004】吸水倍率が高く、且つ水可溶分が少ない吸
水性樹脂の製造方法として、未中和あるいは低中和の酸
基含有単量体を架橋重合した後、得られた重合ゲルを後
中和する方法(特開平1−103606)や、20〜70
℃で静置重合する方法(特開平4−175319)などが
提案されている。しかしながら、上記に紹介した方法の
うち、酸基含有単量体を重合したあとで中和することに
より得られる吸水性樹脂は、水可溶成分を低減させるこ
とはできるものの、重合後のゲル後中和に長時間必要で
生産性が低くなるという問題がある。また、20〜70
℃で静置重合する方法は、重合反応を厳密に制御する必
要があるため、生産性の低下や製造装置コストの上昇と
いう問題を伴っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決すること、すなわち吸収倍率が高く、且つ
水可溶分が従来よりも低減され、さらには吸収体物品に
加工した時の吸収特性、特に逆戻り性に優れる吸水性樹
脂及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題を改良するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構
造を持つイミド基を有するビニル系単量体を必須構成単
量体とし、必要により吸水性を付与する水溶性又は水混
和性エチレン性不飽和単量体とを重合させて吸水性重合
体を得る方法によれば、煩雑なゲル後の中和や厳密な重
合条件を必要とすることなく、吸収倍率が高く、且つ水
可溶分が従来よりも低減され、さらには吸収体物品に加
工した時の吸収特性、特に逆戻り性に優れる高吸水性樹
脂が得られることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。すなわち本発明は、環状イミド基を有するビニル系
単量体を必須構成単量体とする吸水性重合体からなるこ
とを特徴とする吸水性樹脂に関するものであり、また、
該環状イミド基が下記構造式(1)で表されるものである
ことを特徴とする吸水性樹脂に関するものである。尚、
構造式(1)において、R1及びR2は両者が結合して5又
は6員の炭化水素環を形成しているか、それぞれ別個に
水素原子又は炭素数4以下のアルキル基である。
【0007】
【化3】
【0008】さらに、本発明は先の環状イミド基を有す
るビニル系単量体が下記構造式(4)で表される化合物で
ある吸水性樹脂に関するものであり、また、環状イミド
基を有するビニル系単量体を含有する単量体混合物を活
性エネルギー線により重合して得られた吸水性重合体か
ら調製することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法に関
するものである。尚、構造式(2)において、R1及びR2
は両者が結合して5又は6員の炭化水素環を形成してい
るか、それぞれ別個に水素原子又は炭素数4以下のアル
キル基であり、R3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状
アルキレン基であり、R4は水素原子又はメチル基、n
は1〜6の整数である。
【0009】
【化4】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の吸水性樹脂を構成する吸
水性重合体は環状イミド基を有するビニル系単量体を必
須構成単量体とするものであり、ビニル系単量体とは、
ビニル基を有しラジカル重合などにより重合体を形成し
得る化合物であり、具体的にはアクリル酸エステルやメ
タクリル酸エステルが好ましいビニル系単量体として例
示される。好ましい環状イミド基は、上記構造式(1)で
表される環状イミド基であり、上記構造式におけるR1
及びR2は、上記の様に、両者が結合して5又は6員の
炭化水素環を形成しているか、それぞれ別個に水素原子
又は炭素数4以下のアルキル基である。5又は6員の炭
化水素環とはR1及びR2が結合し、両者で例えば、−C
2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−などを形
成していることを意味し、本発明においては、後述する
が、架橋の容易性から上記の様な飽和環を形成するもの
が好ましい。さらに、環状イミド基を有するビニル系単
量体としては、その製造が容易である点で、上記構造式
(2)で表される環状イミド基を有するビニル系単量体[以
下イミド(メタ)アクリレートという]が好ましい。構造
式(2)で表されるイミド(メタ)アクリレートの中でも、
下記構造式(3)(4)で表されるビニル系単量体がより好ま
しい。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】但し、構造式(3)、構造式(4)において、R
4及びR5は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜6の
整数を示す。これらのイミド(メタ)アクリレートは、種
々の方法で製造されたものが使用できる。例えば、以下
の文献及び特許に記載された方法により、酸無水物、ア
ミノアルコール及び(メタ)アクリル酸より製造すること
ができる。 ・加藤清ら、有機合成化学協会誌30(10),89
7,(1972) ・Javier de Abajo ら、Polymer,vol. 3(5),(1
992) ・特開昭56−53119号公報、特開平1−2425
69号公報
【0014】本発明の吸水性樹脂を構成する重合体は吸
水性を有することが必要であり、そのためには、環状イ
ミド基を有するビニル系単量体と水溶性又は水混和性エ
チレン性不飽和単量体を共重合するのが好ましく、また
環状イミド基を有するビニル系単量体として上記イミド
(メタ)アクリレートを用いるときは水溶性又は水混和性
エチレン性不飽和単量体を共重合することにより、得ら
れる重合体に吸水性を付与することができる。水溶性又
は水混和性エチレン性不飽和単量体としては、水溶性又
は水混和性である各種の化合物が例示され、具体的には
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-(メタ)アクリル
アミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリ
ロイルエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルプロパ
ンスルホン酸などのアニオン性不飽和単量体及びその
塩;(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルア
ミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アク
リルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N-
ビニルピロリドン、N-アクリロイルピペリジン、N-アク
ロイルピロリジン、N-ビニルアセトアミドなどのノニオ
ン性の親水基含有単量体;N,N-ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド及びそれらの四級塩などのカチオン性不飽和単量
体を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を
使用することができる。本発明における吸水性重合体
は、上記した様に一般的には、環状イミド基を有するビ
ニル系単量体と水溶性又は水混和性エチレン性不飽和単
量体の単量体混合物を共重合させて製造され、その際に
おける、それら単量体混合物の内における環状イミド基
を有するビニル系単量体の割合は0.0005〜10重
量%の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは0.0
01〜5重量%、さらに好ましくは0.001〜2重量
%の範囲にあることである。
【0015】本発明における吸水性重合体を得る方法と
しては、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させ水溶
性重合体、特に高重合度の増粘剤や凝集剤として用いら
れる水溶性重合体を得る重合方法が問題なく適用され
る。例えば、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、バルク重
合法、沈殿重合法などの重合方法が挙げられ、重合の制
御の容易さや安全性から、単量体を水溶液として、水溶
液重合または逆相懸濁重合をおこなう方法が好ましい。
単量体水溶液の濃度としは、水溶液である限り特に制限
はないが、好ましくは5〜70重量%、さらに好ましく
は10〜60重量%である。また、重合時の重合温度や
重合時間等の反応条件は、用いる単量体成分の組成等に
応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではな
いが、通常、0℃〜110℃、好ましくは5℃〜100
℃の温度範囲で重合が行われる。なお、重合時に、デン
プン、デンプンの誘導体、セルロース、セルロースの誘
導体、ポリビニルアルコールの誘導体、ポリアクリル酸
(塩)、ポリアクリル酸塩架橋体などの親水性高分子、次
亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤、不活性気体や炭酸塩など
の発泡剤などを添加してもよい。また、重合開始には、
熱ラジカル重合開始剤や、紫外線や電子線等の活性エネ
ルギー線等を用いることができ、熱ラジカル重合開始剤
の例としては、熱によりラジカル種を発生する、過酸化
物、過硫酸塩化合物、アゾ化合物及びレドックス開始剤
などが挙げられる。過酸化物の例としては、過酸化ベン
ゾイル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキシ
ド、t-ブチルヒドロペルオキシド及びジクミルペルオキ
シドなどが挙げられる。過硫酸塩化合物の例としては、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリ
ウムなどが挙げられる。アゾ化合物の例としては、アゾ
ビスイソブチロニトリル及びアゾビス-2,4-ジメチルバ
レロニトリルなどが挙げられる。レドックス開始剤の例
としては、過酸化水素−鉄(II)塩、ペルオキソ二硫酸塩
−亜硫酸水素ナトリウム及びクメンヒドロペルオキシド
−鉄(II)塩などが挙げられる。これらの使用量として
は、単量体に対して0.0005〜1重量%が好まし
く、0.001〜0.5重量%がより好ましい。また、活
性エネルギー線を用いて重合開始させる場合には、光重
合開始剤や光増感剤を併用することもできる。光重合開
始剤としては、ベンゾインとそのアルキルエーテル類、
アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン
類、ケタール類、ベンゾフェノン類及びキサントン類な
どが挙げられる。光増感剤としては、安息香酸系及びア
ミン系光増感剤などが挙げられる。これらは、2種以上
を組み合わせて用いることもできる。これらの使用量
も、単量体に対して0.0005〜1重量%が好まし
く、0.001〜0.5重量%がより好ましい。これらの
重合開始方法のうち、共重合体の生産性の点、環状イミ
ド基の2量化(架橋構造の形成)が起こる点から、活性エ
ネルギー線による重合開始が好ましく、本発明の特長が
より効果的に発揮させ得るものである。また、活性エネ
ルギー線により重合し、環状イミド基の2量化を図るた
めには、前記した環状イミド基のR1及びR2が結合して
飽和の5又は6員の炭化水素環を形成しているものを用
いるのが好ましい。
【0016】吸水性樹脂は水を吸収するが水には溶解し
ないということが必要で、そのため通常架橋構造を有す
る重合体からなるものであり、本発明の吸水性樹脂も架
橋構造を有している重合体からなるなるものである。重
合体に架橋構造を付与する方法としては、特に限定され
ず、通常、高分子鎖の自己架橋、すなわち、2個以上の
重合性不飽和基あるいは2個以上の反応性基を有する内
部架橋剤を共重合又は反応させて架橋構造とすることが
行われるが、本発明における重合体は、高分子鎖中に環
状イミド基を有するため、該環状イミド基中の不飽和基
の共重合による架橋構造の形成が挙げられ、また、重合
時又は重合後の活性エネルギー線照射による環状イミド
基の2量化により架橋構造を形成させることできるとい
う特長を有するものである。尚、内部架橋剤の具体例と
しては、例えば、N,N'-メチレンビス(メタ)アクリルア
ミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセ
リントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリル
ホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキ
シアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレン
ジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アク
リレートなどを挙げることができる。これらの内部架橋
剤は2種以上使用してもよい。これら内部架橋剤の使用
量としては、前記単量体成分に対して0〜5重量%が好
ましく、より好ましくは0〜2重量%である。
【0017】上記のように重合をおこなって得た吸水性
重合体を、必要に応じて、乾燥、粉砕、分級等の操作を
おこなうことにより、本発明の吸水性樹脂を得ることが
できる。また、この吸水性重合体の内部架橋などにより
架橋構造を有するものに、該重合体粒子の表面近傍をさ
らに架橋処理することにより、吸水特性をさらに高めた
吸水性樹脂を得ることができる。表面架橋処理には、通
常吸水性重合体が有するカルボキシル基、水酸基、アミ
ノ基などの官能基と反応し得る架橋剤を用いて行われ
が、本発明の吸水性重合体においては、熱ラジカル重合
で調製されたものである場合において、紫外線や電子線
等の活性エネルギー線等を用いて表面架橋処理を施すこ
とができる。なお、官能基と反応し得る架橋剤として
は、例えば、ポリグリシジルエーテル系化合物、ポリオ
ール系化合物、ポリアミン化合物、ポリイミン系樹脂、
カーボネート系化合物、ハロエポキシ系化合物、ポリア
ルデヒド系化合物などが挙げられ、それらを吸水性重合
体に混合し加熱処理することにより表面架橋構造が得ら
れる。これらの表面架橋剤は、単独で用いてもよいし、
2種以上併用することもできる。さらに本発明の吸水性
樹脂として、必要により任意の工程で、増量剤あるいは
添加剤として有機質粉体(例えば、パルプ粉末、セルロ
ース誘導体、天然多糖類など)、無機粉末(ゼオライト、
シリカ、アルミナ、ベントナイト、活性炭など)、酸化
防止剤、防腐剤、抗菌剤、消臭剤、香料、着色剤などを
吸水性重合体に添加したものを最終製品とすることもで
きる。本発明によって得られる吸水性樹脂は、綿、パル
プなどの繊維基材と複合化され、紙おむつや生理用ナプ
キン、失禁パットなどの衛生材料を構成する材料の1つ
に、好適に使用される。また、その他の用途として、土
壌の保水剤、種子コーティング剤、止水剤、増粘剤、結
露防止剤、汚泥凝固剤、乾燥剤、調湿剤、蓄熱剤用ゲ
ル、芳香剤用ゲル、人工雪用ゲルなどで利用することが
できる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。また、以下の実施例において吸水性樹脂
の特性は以下の方法で測定した。 [吸水倍率]吸水性樹脂0.5gを不織布製の袋に均一に
入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)
中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、5分間水切り
した後、袋の重量W1(g)を測定した。同様の操作を高吸
水性樹脂を用いないで行い、その時の重量W0(g)を測定
した。次式から吸水倍率を算出する。 ○ 吸水倍率(g/g)=[重量W1(g)−重量W0(g)]/吸水
性樹脂の重量 [水可溶分]吸水性ポリマー0.1gを200mlの脱イオ
ン水に膨潤分散させ、16時間攪拌させた。16時間
後、分散液を濾紙で濾過して、得られた濾液をコロイド
滴定により滴定し吸水性樹脂中の水可溶分量(%)を求め
た。 [逆戻り性]吸水性樹脂組成物10gと木材パルプ10g
とを、混合機を用いて混合し、100mm×400mmの混
合シートを作製した。得られた混合シートを不織布と防
水シートで上下から包み込み評価用の吸収体とした。上
記吸収体に生理食塩水50gを15分間隔で3回加え、
さらに30分後、吸収体の上にろ紙10枚を置き、5g
/cm2の荷重を15秒間かけることにより、吸収体から
ろ紙に移行する生理食塩水の量を逆戻り量(g)とした。
【0019】[実施例1]直径150mmのガラス製シャ
ーレにアクリル酸ナトリウム95g、アクリル酸24
g、下記式(5)で表される化合物0.05g、2,2-ジメト
キシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン0.005g及び脱
イオン水180gを仕込み、これに高圧水銀灯を照射し
て重合をおこない、含水ゲルを得た。この含水ゲル状重
合体を150℃で熱風乾燥し、粉砕して粒度調整し10
5〜850μmの吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹
脂100gをミキサーに入れて、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル0.1g、脱イオン水1.4gから
なる混合液を噴霧添加して十分に混合した。混合物を1
20℃で30分間加熱することにより表面近傍に架橋処
理を施した。本品の評価結果を表1に示す。
【0020】
【化7】
【0021】[実施例2]実施例1において、前記式
(5)で表される化合物を0.08gとした以外は、実施例
1と同様の操作を行い吸水性樹脂を得た。本品の評価結
果を表1に示す。 [実施例3]実施例1において、前記式(5)で表される
化合物を0.03gとした以外は、実施例1と同様の操
作を行い吸水性樹脂を得た。本品の評価結果を表1に示
す。 [実施例4]実施例1において、2,2-ジメトキシ-1,2-
ジフェニルエタン-1-オン0.002gとした以外は、実
施例1と同様の操作をおこない吸水性樹脂を得た。本品
の評価結果を表1に示す。 [実施例5]直径150mmのガラス製シャーレにアクリ
ル酸ナトリウム95g、アクリル酸24g、前記式(5)
で表される化合物0.08g及び脱イオン水180gを
仕込み、これに高圧水銀灯を照射して重合をおこない、
含水ゲルを得た。この含水ゲル状重合体を150℃で熱
風乾燥し、粉砕して粒度調整し105〜850μmの吸
水性樹脂を得た。得られた高吸水性樹脂100gをミキ
サーに入れて、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル0.1g、脱イオン水1.4gからなる混合液を噴霧
添加して十分に混合した。混合物を120℃で30分間
加熱することにより表面近傍に架橋処理を施した。本品
の評価結果を表1に示す。
【0022】[比較例1]直径150mmのガラス製シャ
ーレにアクリル酸ナトリウム95g、アクリル酸24
g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.05
g、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン0.
005g及び脱イオン水180gを仕込み、これに高圧
水銀灯を照射して重合をおこない、含水ゲルを得た。こ
の含水ゲル状重合体を150℃で熱風乾燥し、粉砕して
粒度調整し105〜850μmの吸水性樹脂を得た。得
られた吸水性樹脂100gをミキサーに入れて、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル0.1g、脱イオン
水1.4gからなる混合液を噴霧添加して十分に混合し
た。混合物を120℃で30分間加熱することにより表
面近傍に架橋処理を施した。本品の評価結果を表1に示
す。 [比較例2]比較例1において、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート0.05gの代わりにトリエチレン
グリコールジアクリレート0.06gとした以外は、実
施例1と同様の操作をおこない吸水性樹脂を得た。本品
の評価結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の吸水性樹脂は、高い吸水倍率を
維持したまま、可溶分が従来よりも低減されたものであ
る。さらに本発明の吸水性樹脂は、例えば繊維質材料と
ともに複合化して吸収性物品を作成すると、得られた吸
収性物品は吸収特性の優れたものとなる。すなわち本発
明の吸水性樹脂組成物を用いると、逆戻り性に優れた吸
収性物品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 QA03 QA08 QA39 RA04 SA01 SA21 SA31 SA51 SA63 SA64 UA01 WA10 XA02 4J100 AM54P BA08P CA01 JA19 JA60

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状イミド基を有するビニル系単量体を
    必須構成単量体とする吸水性重合体からなることを特徴
    とする吸水性樹脂。
  2. 【請求項2】 環状イミド基が下記構造式(1)で表され
    るものであることを特徴とする請求項1記載の吸水性樹
    脂。但し、構造式(1)において、R1及びR2は両者が結
    合して5又は6員の炭化水素環を形成しているか、それ
    ぞれ別個に水素原子又は炭素数4以下のアルキル基であ
    る。 【化1】
  3. 【請求項3】 環状イミド基を有するビニル系単量体が
    下記構造式(2)で表される化合物である請求項1記載の
    吸水性樹脂。但し、構造式(2)において、R1及びR2
    両者が結合して5又は6員の炭化水素環を形成している
    か、それぞれ別個に水素原子又は炭素数4以下のアルキ
    ル基であり、R3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状ア
    ルキレン基であり、R4は水素原子又はメチル基、nは
    1〜6の整数である。 【化2】
  4. 【請求項4】 環状イミド基を有するビニル系単量体を
    含有する単量体混合物を活性エネルギー線により重合し
    て得られた吸水性重合体から調製することを特徴とする
    吸水性樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005029683A (ja) * 2003-07-14 2005-02-03 Fuji Xerox Co Ltd マレイミド基含有ポリマー粒子およびその製造方法

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