JP2001170801A - 円筒部材の加工方法及び加工装置及び円筒部材 - Google Patents

円筒部材の加工方法及び加工装置及び円筒部材

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JP2001170801A
JP2001170801A JP35598999A JP35598999A JP2001170801A JP 2001170801 A JP2001170801 A JP 2001170801A JP 35598999 A JP35598999 A JP 35598999A JP 35598999 A JP35598999 A JP 35598999A JP 2001170801 A JP2001170801 A JP 2001170801A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】被加工物の自重撓み変形による真直度の劣化を
防止し、高精度な円筒部材を生産性よく製造することが
出来る加工装置を提供する。 【解決手段】円筒部材の両端部を非回転状態に支持し、
円筒部材の外周の回りに加工工具24を回転させるとと
もに、円筒部材と加工工具とを円筒部材の軸線方向に沿
って相対的に移動させて、円筒部材の外周面を加工する
ための円筒部材の加工装置Mであって、円筒部材を略鉛
直方向に立てた状態で、その両端部を非回転状態に支持
するための支持部材20,22と、加工工具を円筒部材
の略鉛直方向を向いた中心軸線の回りに回転させる回転
装置6と、円筒部材と加工工具とを円筒部材の中心軸線
に沿って相対移動させる移動装置とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒部材の外周面
の表面を加工するための加工方法及び加工装置及びそれ
らにより加工された円筒部材に関するものである。
【0002】特に、本発明は複写機、レーザビームプリ
ンタなどの画像形成装置に用いる現像スリーブ、感光ド
ラムなどの円筒部材、及びその加工方法及び加工装置に
関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、円筒部材の外周面の切削、研削加
工などの場合、円筒部材を、回転軸が水平に設置された
回転チャックに水平保持させ、駆動源からの回転力によ
り回転させて、バイトなどの工具を回転表面に押し当て
て加工していた。
【0004】このような、円筒部材を水平に保持して回
転させる方式の場合、1つのワークの加工終了毎に、回
転停止操作を行って、ワークの装着交換作業を行う必要
があり、さらに次のワークの加工開始のために回転開始
操作が必要であった。すなわち回転停止、及び回転開始
のための無駄な時間が発生し、生産性が低下するという
問題があった。
【0005】この問題を解決するために、特開平6−3
28303号公報に開示されるような、円筒部材を非回
転状態かつ水平に支持し、円筒部材の外周面の周りに加
工工具を回転させて加工する方法が提案されている。こ
の方法によれば、円筒部材の所定の外表面の加工終了後
も、加工工具の回転操作を停止せずにワークの交換作業
を続行させることができるので、大幅な生産性の改善が
図れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば画像
形成装置に用いる現像スリーブ、感光ドラム部材などの
円筒部材は現像装置に組込んで画像形成操作を行う場
合、円筒部材の加工表面の仕上げ精度、すなわち、表面
粗さ精度、軸方向の真直度精度が良好であることが重要
となる。円筒部材の生産性を考慮すると、加工時間と仕
上精度の相関関係が重要である。
【0007】すなわち、上記の円筒部材の回りに加工工
具を回転させる加工法式において、生産性向上のために
加工工具の回転数、工具の送り速度を上げると、両端固
定支持されている円筒部材のビビリ振動の現象が生じ
て、加工面の精度が低下し、不良品の発生を招くことに
なる。
【0008】このビビリ振動を防止するため、例えば、
ゴムなどの弾力性のある部材の内部に複数の固体を収納
した構成の防振部材を、円筒部材内に挿入することが有
効である。この防振部材の防振作用は防振部材の重量と
相関があり、重量が大きいほどビビリ振動を抑制する能
力は高い。
【0009】しかしながら、十分な防振効果を有する防
振体を、水平保持されている円筒部材の内径部に挿入す
ると、防振体の自重により水平に支持されたワークはた
わみ変形を生じ、外周面加工終了後に円筒部材から防振
体を抜き取った後、弾性回復により、このたわみ変形分
だけワークがもとの形に戻るので、最終的な円筒部材の
外周面の真直度が劣化してしまう問題点があった。
【0010】さらに従来の円筒部材の外周面加工装置で
はワークを水平に保持するため、保持具などを含めた装
置全体の占める床面積が大きくなり、生産工場でのスペ
ース効率が悪いという問題点があった。
【0011】例えば、全長250mm、外径16mmの
円筒部材用の加工装置の場合、本体のみでも全長約2
m、奥行き約1mで、装置占有床面積は2m2も必要で
あった。
【0012】さらに、上記のように水平に支持されたワ
ーク及び防振体の自重による撓み変形の加工精度への影
響を抑制する手法として、例えば自重分相当の荷重をワ
ークに対して反重力方向に作用させる方法などが提案さ
れている。しかしながらこの方法では一定荷重をワーク
に対し作用させるため、正確にワークの撓みを除去する
ことが出来ず、また、一定荷重を加える手段の設定作業
が煩雑になるという問題を有していた。
【0013】自重Wを有するワークを水平支持し、その
内部に自重W’を有する防振体を挿入した場合の自重に
よる撓み変形について説明する。
【0014】ワークの長さをL、外径をD、肉厚をt、
縦弾性係数をEとすると、ワークが水平面内の2点によ
り両端支持された場合の長手方向xにおける撓み量ωは
防振体が十分柔軟だとして、近似的には以下のようにな
る。
【0015】 ω(x)=(W+W')L2x{1-2(x/L)2+(x/L)3}/24EI この式からx=0およびx=Lのとき、たわみ量ω=0
となっていることは明らかである。x=0およびx=L
の位置はワークの支持点であるからたわみ量ω=0とな
るのは当然である。
【0016】また、x=L/2の位置、すなわちワーク
の中央部においてたわみ量ωは最大となる。上式にx=
L/2を代入すると、 ωmax=5(W+W')L3/384EI となる。
【0017】ここで、実際の現像スリーブの寸法、重量
を上式に代入してみる。
【0018】一般的に現像スリーブはアルミニウム合金
を用いており、E=7400kg/mm2であり、外形
D=12mm、肉厚t=0.8mm、全長L=250m
mの場合、重量W=19gである。
【0019】また、Iは断面2次モーメントであり、上
記寸法の場合、 I=π{D4−(D−2t)4}/64=443.6 である。
【0020】また、効果的な防振効果の得られる防振体
としては、図10に示すとおり、ゴム外筒に鋼球を挿入
した構成があり、例えば重量W’=65gである。
【0021】これらの値を上式に代入すると、 ω(x)=6.664×10-2x×(1−3.2×10-5x+6.4×10-8
3) (単位μm) である。この時のワークの軸方向位置座標とその位置に
おけるたわみ量の関係を示したものが図11である。
【0022】上記寸法のワーク、防振体の構成において
はワーク中央部での最大たわみ量はωmax=5.21μ
mである。
【0023】ワークを非回転状態に支持した状態では、
初期的に上記計算例のような自重たわみ変形を伴なって
おり、このまま外径部を回転工具により切削加工する
と、加工終了後、ワークの支持を開放した場合、自重に
よってたわんでいた分が弾性回復して、真直度誤差とな
る。
【0024】上記したωmax=5.21μmのレベルで
あっても、回転させた時の振れ回り量としてはωmaxの
2倍となり、10μm程度振れてしまい、現像スリーブ
の回転ピッチむらなどの画像不良が生じ、最近の高画質
対応の現像スリーブとしては使用できない。
【0025】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的は、被加工物の自重撓み変
形による真直度の劣化を防止し、高精度な円筒部材を生
産性よく製造することが出来る加工方法及び加工装置及
びそれらにより加工された円筒部材を提供することであ
る。
【0026】また、本発明の他の目的は、加工装置の占
有床面積を小さく抑えることができる加工方法及び加工
装置を提供することである。
【0027】また、本発明のさらに他の目的は、本発明
により得られた高精度な円筒部材を画像形成装置用現像
スリーブ及び感光ドラムに用いることにより、高画質な
画像形成を実現することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明に係わる円筒部材の加工
方法は、円筒部材の両端部を非回転状態に支持し、該円
筒部材の外周の回りに加工工具を回転させるとともに、
前記円筒部材と前記加工工具とを前記円筒部材の軸線方
向に沿って相対的に移動させて、前記円筒部材の外周面
を加工するための円筒部材の加工方法であって、前記円
筒部材を略鉛直方向に立てた状態で、その両端部を非回
転状態に支持する支持工程と、前記加工工具を前記円筒
部材の略鉛直方向を向いた中心軸線の回りに回転させる
回転工程と、前記円筒部材と前記加工工具とを前記円筒
部材の中心軸線に沿って相対移動させて、前記加工工具
により前記円筒部材の外周面を加工する加工工程とを具
備することを特徴としている。
【0029】また、この発明に係わる円筒部材の加工方
法において、前記支持工程では、先端部にテーパー面を
有する支持部材を前記円筒部材に挿入し、該円筒部材の
センタリングを行うことを特徴としている。
【0030】また、この発明に係わる円筒部材の加工方
法において、前記加工工程では、固定位置にある前記加
工工具に対して前記円筒部材を移動させて加工を行うこ
とを特徴としている。
【0031】また、この発明に係わる円筒部材の加工方
法において、前記加工工程では、固定位置にある前記円
筒部材に対して前記加工工具を移動させて加工を行うこ
とを特徴としている。
【0032】また、本発明に係わる円筒部材の加工装置
は、円筒部材の両端部を非回転状態に支持し、該円筒部
材の外周の回りに加工工具を回転させるとともに、前記
円筒部材と前記加工工具とを前記円筒部材の軸線方向に
沿って相対的に移動させて、前記円筒部材の外周面を加
工するための円筒部材の加工装置であって、前記円筒部
材を略鉛直方向に立てた状態で、その両端部を非回転状
態に支持するための支持手段と、前記加工工具を前記円
筒部材の略鉛直方向を向いた中心軸線の回りに回転させ
る回転手段と、前記円筒部材と前記加工工具とを前記円
筒部材の中心軸線に沿って相対移動させる移動手段とを
具備することを特徴としている。
【0033】また、この発明に係わる円筒部材の加工装
置において、前記支持手段は、先端部にテーパー面を有
する支持部材を有することを特徴としている。
【0034】また、この発明に係わる円筒部材の加工装
置において、前記移動手段は、固定位置にある前記加工
工具に対して前記円筒部材を移動させることを特徴とし
ている。
【0035】また、この発明に係わる円筒部材の加工装
置において、前記移動手段は、固定位置にある前記円筒
部材に対して前記加工工具を移動させることを特徴とし
ている。
【0036】また、本発明に係わる円筒部材は、上記の
円筒部材の加工方法により加工されたことを特徴として
いる。
【0037】また、この発明に係わる円筒部材におい
て、画像形成装置の現像スリーブまたは感光ドラムに使
用されることを特徴としている。
【0038】また、本発明に係わる円筒部材は、上記の
円筒部材の加工装置により加工されたことを特徴として
いる。
【0039】また、この発明に係わる円筒部材におい
て、画像形成装置の現像スリーブまたは感光ドラムに使
用されることを特徴としている。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0041】(第1の実施形態)図8は、公知の押し出
し、引き抜きによって製造された管材を所定の長さに切
断し、切断された筒状体である円筒部材(以下、「ワー
ク」という。)を端面加工し、軸部を装着する工程を説
明する図である。(a)は管材から切断後のワーク1の
断面形状を示し、(b)はワーク1の一端1aに軸部材
102を装着すると共に他端1bに内径拡大部1cを加
工した状態を示す。
【0042】内径拡大部1cは、ワーク内面の一部分を
高精度で所定の内径に切削し、極めて高い真円度と真直
度を有する環状部を形成したものである。ワーク1の外
周面を図1に示す切削装置Mによって切削するに際し
て、ワーク1の内径拡大部1cを後述する保持手段によ
り保持することで切削装置Mに対するワーク1のセンタ
リングを高精度に行うことが出来る。内径拡大部1cを
保持する手段としては開きコレットによる方法、さらに
高精度な保持を実現する方法としてはテーパ形状の保持
具などがあるが、いずれの場合もワーク内径拡大部1c
の真円度、真直度が高精度であることが望ましい。
【0043】軸部材102を挿入した他端1a側も、1
cと同様に軸部材102の外径、または面取り部を高精
度に切削しておく必要がある。軸部材側を保持する手法
としては閉じコレット、またはテーパ形状の保持具など
がある。
【0044】図1は、本発明の切削装置の第1の実施形
態の基本構成を示す図であり、図1Aは切削装置の正面
図、図1Bは切削装置の側面図である。
【0045】本実施形態では、テーパ形状の保持具によ
りワークを保持する場合について説明する。
【0046】図1において、符号2は切削装置の基台で
あるベース、3はベース2上に取り付けられたメインフ
レームであり、このメインフレーム3には後述する切削
工具が回転支持される。
【0047】4,5はベース2上に接地面Eに対して鉛
直方向に取り付けられた平行ガイド、7は平行ガイド
4,5に沿って接地面Eに対して鉛直方向に移動できる
テーブルである。テーブル7はNC駆動モータ等の駆動
装置10及び送りネジ10aにより鉛直方向に駆動され
る。テーブル7上には図示上側にスライダ支持体8が取
り付けられている。
【0048】12は、スライダ支持体8上に取り付けら
れたスライダであり、スライダ12には上ポスト14が
固定されている。スライダ12はスライダ支持体8に取
り付けられたNC駆動モータ等の駆動装置11及び送り
ネジ11aによりスライダ支持体8に対して鉛直方向に
駆動される。テーブル7には、このテーブル7を駆動装
置10で移動させる際の動力を軽減するために、テーブ
ル7の自重をキャンセルするためのバランサー16が連
結されている。また、スライダ12には、このスライダ
12を駆動装置11で移動させる際の動力を軽減するた
めに、スライダ12の自重をキャンセルするためのバラ
ンサー15が連結されている。
【0049】18はテーブル7上に取り付けられた下ポ
ストである。20は上ポスト14に取り付けられた上ワ
ーク保持具であり、22は下ポスト18に取り付けられ
た下ワーク保持具である。1は上ワーク保持具20と下
ワーク保持具22によりその両端を支持される円筒部材
(ワーク)である。円筒部材1は、その上下端部にそれ
ぞれ上ワーク保治具20のテーパー部20a、下ワーク
保治具22のテーパー部22aが挿入されることにより
芯出しされる。
【0050】メインフレーム3には工具回転軸6が取り
付けられている。工具回転軸6には、図9に示した切削
工具ホルダー24の中空軸部(不図示)が支持されてい
る。工具ホルダー24の上記の中空軸部は円筒部材1が
貫通できるように構成されている。
【0051】工具ホルダー24の工具保持部24aには
仕上げバイト26を保持する保持部と、粗削りバイト2
8を保持する保持部とが備えられており、各バイトは取
付けネジにより取り付けられている。
【0052】(第1の実施例)次に上記の実施形態の加
工装置を用いて画像形成装置用の現像装置に用いる現像
スリーブを加工した第1の実施例について説明する。
【0053】被加工物である円筒部材1の材料は、画像
形成装置用の現像装置に用いる現像スリーブとして、純
度99.5%以上のAlに0.05〜0.20%のCu
を含むCu−Al合金を用いる。
【0054】または、0.05〜0.20%のCuと
1.0〜1.5%のMnを含むCu−Mn−Al合金、
あるいは、0.20〜0.60%のSiと0.45〜
0.90%のMgを含むSi−Mg−Al合金などを用
いる。
【0055】円筒部材1の原材料としては、上記の材料
を押し出し成形または、引き抜き成形したものを用い
る。円筒部材1の外形寸法、内径寸法、全長は次の通り
である。
【0056】 外径:12.15mm 内径:10.4mm(=肉厚0.8mm) 全長:250mm 一端に取り付ける軸部材102は全長15mm、軸部外
径8mmである。
【0057】円筒部材1の中空部には、円筒部材1自体
の共振周波数によるビビリ振動を防止するだけの防振体
を挿入する。被加工物に挿入する防振体の構成を図10
に示す。
【0058】以下、円筒部材1の外径切削の様子を詳細
に説明する。
【0059】図2乃至図6は本実施例における加工装置
の加工状態を示した図で、図2A、図2B、図3A、図
3Bはワーク取り付け時の位置を示す。
【0060】図2において、テーブル7は下端で停止し
ている。また、上ワーク保持具20が取り付けられてい
る上ポスト14は、スライダ12が上端に移動すること
により、上部に位置している。この状態で下ワーク保持
具22の先端部にワーク(円筒部材)1が鉛直に供給さ
れる。ワーク1の供給方法としては作業者の手による場
合、ロボットのオートハンドによる場合などがあり、量
産ラインの構成によっていずれかを選択する。ワーク1
を下ワーク保持具22の先端に供給した状態で、スライ
ダ12を下降させ、上ワーク保持具20にワーク1の上
端部を保持させる。
【0061】ワーク1の保持が完了した時点で、供給手
段(人手又はロボットハンド)によるワーク把持を解除
する。この状態を図3に示す。
【0062】続いて、図4に示すように、テーブル7
が、駆動装置10の動作により上方に移動を開始する。
このとき、ワーク1はメインフレーム3上に取り付けら
れた、回転する工具回転軸6の中空部を挿通し、図9に
示した回転工具軸6に取り付けられた工具ホルダ24に
装着された工具28,26により外周部が切削される。
【0063】あらかじめ、スライダ12を駆動するNC
制御のスライダ駆動装置11にはスライダ12の下端停
止位置をセッティングし、テーブル7を駆動するNC制
御のスライダ駆動装置10にはテーブル7の送り速度、
加工送り開始位置座標、加工送り終了位置座標をセッテ
ィングしておく。
【0064】工具回転軸6に工具ホルダ24、切削工具
26,28を取り付けた様子を図9に示す。
【0065】本実施例においては、工具ホルダーの条件
として、 粗削りバイトの切り込み量0.06mm 粗削りバイトの先端コーナ半径0.1mm 仕上げバイトの切り込み量0.015m 仕上げバイトの先端コーナ半径1.0mm 工具ホルダーの回転数 3000〜18000rpm ワークの送り速度 5〜30mm/s(0.1m
/revで一定) を設定して切削加工を行った。
【0066】ワーク外周面を切削することにより生じる
切り屑は集塵カバー23に接続されたポンプにより回収
される。
【0067】図5に示すように、ワーク1が工具回転軸
6内を挿通し終え、ワーク外周面が下端まで切削された
後、テーブル7は停止し、図6に示すようにスライダ1
2が再び上端まで移動し、ワーク1の保持が解除され、
加工の完了したワーク1が取り出される。
【0068】(第2の実施形態)第2の実施形態は、加
工時の移動部分が第1の実施形態ではテーブル7であっ
たものを、回転工具軸側としたものである。この場合、
移動体の重量を低減でき、加工開始時、及び加工終了時
の急激な加減速が可能となる。
【0069】図7に本実施形態の加工装置の構成図を示
す。
【0070】第1の実施形態でテーブル7が移動してい
たのが、回転工具軸6を取り付けた回転工具ユニット1
7が駆動装置10により鉛直移動するようになってい
る。第1の実施形態でのテーブル7に相当する部材7’
はメインフレーム3に固定取り付けされている。下ワー
ク保持具22はメインフレーム3に下ポスト18を介し
て固定取り付けされており、上ワーク保持具20は部材
7’に取り付けられた上下移動可能なスライダ支持体
8、スライダ12、上ポスト14を介して取り付けられ
ている。
【0071】以上説明したように、上記の実施形態によ
れば、図11のごとく水平に保持した場合に自重により
たわむワークを、鉛直に保持することにより、重力によ
るたわみを生じない状態でワーク外周面を切削できる。
そのため、加工終了後、ワークを切削装置から取り外
し、挿入しておいた防振体を除去しても、外周面の真直
度は自重によるたわみの影響のない精度の良好な仕上げ
面を得ることが可能になった。
【0072】図12に第1の実施形態により得られたワ
ークの両端外径基準での振れ精度と、従来の切削方法で
得られたワークの外周面の両端外径基準での振れ精度を
比較したものを示す。
【0073】この図からも明らかなようにワークの寸
法、重量に依存せずに振れ精度1μm以下のきわめて良
好な外周面が得られている。
【0074】さらに第2の実施形態によれば、加工条件
は第1の実施形態と同一ながら、テーブル7に比べて遥
かに軽量な回転工具ユニット17が移動するため、起動
停止時の加速度を大きくすることができ、加工サイクル
タイム短縮、さらにはバランサー16が不要になり装置
重量低減も可能となった。
【0075】また、第1及び2の実施形態とも装置占有
床面積は幅、奥行きとも約1mであり、従来の横型装置
に比ベ1/2となり、生産工場内の省スペース、レイア
ウト自由度アップが実現できた。
【0076】さらに本実施形態により得られた円筒部材
を画像形成装置の現像スリーブ、感光ドラム基体として
用いた場合には、高精細な画像を得ることが可能となっ
た。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被加工物の自重撓み変形による真直度の劣化を防止し、
高精度な円筒部材を生産性よく製造することが出来る。
【0078】また、加工装置の占有床面積を小さく抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の切削装置の第1の実施形態の基本構
成を示す図である。
【図1B】本発明の切削装置の第1の実施形態の基本構
成を示す図である。
【図2A】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図2B】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図3A】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図3B】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図4A】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図4B】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図5A】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図5B】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図6A】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図6B】第1の実施形態の加工装置の加工状態を示し
た図である。
【図7A】本発明の切削装置の第2の実施形態の基本構
成を示す図である。
【図7B】本発明の切削装置の第2の実施形態の基本構
成を示す図である。
【図8】ワークの製造工程の説明図である。
【図9】切削工具ホルダーを工具回転軸に取り付けた状
態を示した図である。
【図10】ワークに挿入する防振体を示す図である。
【図11】円筒部材に防振体を挿入した場合のたわみ曲
線を示した図である。
【図12】本発明の方法と従来の方法の加工精度の違い
を示した図である。
【符号の説明】 1 ワーク 3 メインフレーム 6 回転工具軸 7 テーブル部材 12 スライダ 17 回転工具軸ユニット 24 工具ホルダー

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒部材の両端部を非回転状態に支持
    し、該円筒部材の外周の回りに加工工具を回転させると
    ともに、前記円筒部材と前記加工工具とを前記円筒部材
    の軸線方向に沿って相対的に移動させて、前記円筒部材
    の外周面を加工するための円筒部材の加工方法であっ
    て、 前記円筒部材を略鉛直方向に立てた状態で、その両端部
    を非回転状態に支持する支持工程と、 前記加工工具を前記円筒部材の略鉛直方向を向いた中心
    軸線の回りに回転させる回転工程と、 前記円筒部材と前記加工工具とを前記円筒部材の中心軸
    線に沿って相対移動させて、前記加工工具により前記円
    筒部材の外周面を加工する加工工程とを具備することを
    特徴とする円筒部材の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記支持工程では、先端部にテーパー面
    を有する支持部材を前記円筒部材に挿入し、該円筒部材
    のセンタリングを行うことを特徴とする請求項1に記載
    の円筒部材の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記加工工程では、固定位置にある前記
    加工工具に対して前記円筒部材を移動させて加工を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒部材の加工方
    法。
  4. 【請求項4】 前記加工工程では、固定位置にある前記
    円筒部材に対して前記加工工具を移動させて加工を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒部材の加工方
    法。
  5. 【請求項5】 円筒部材の両端部を非回転状態に支持
    し、該円筒部材の外周の回りに加工工具を回転させると
    ともに、前記円筒部材と前記加工工具とを前記円筒部材
    の軸線方向に沿って相対的に移動させて、前記円筒部材
    の外周面を加工するための円筒部材の加工装置であっ
    て、 前記円筒部材を略鉛直方向に立てた状態で、その両端部
    を非回転状態に支持するための支持手段と、 前記加工工具を前記円筒部材の略鉛直方向を向いた中心
    軸線の回りに回転させる回転手段と、 前記円筒部材と前記加工工具とを前記円筒部材の中心軸
    線に沿って相対移動させる移動手段とを具備することを
    特徴とする円筒部材の加工装置。
  6. 【請求項6】 前記支持手段は、先端部にテーパー面を
    有する支持部材を有することを特徴とする請求項5に記
    載の円筒部材の加工装置。
  7. 【請求項7】 前記移動手段は、固定位置にある前記加
    工工具に対して前記円筒部材を移動させることを特徴と
    する請求項5に記載の円筒部材の加工装置。
  8. 【請求項8】 前記移動手段は、固定位置にある前記円
    筒部材に対して前記加工工具を移動させることを特徴と
    する請求項5に記載の円筒部材の加工装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    円筒部材の加工方法により加工されたことを特徴とする
    円筒部材。
  10. 【請求項10】 画像形成装置の現像スリーブまたは感
    光ドラムに使用されることを特徴とする請求項9に記載
    の円筒部材。
  11. 【請求項11】 請求項5乃至8のいずれか1項に記載
    の円筒部材の加工装置により加工されたことを特徴とす
    る円筒部材。
  12. 【請求項12】 画像形成装置の現像スリーブまたは感
    光ドラムに使用されることを特徴とする請求項11に記
    載の円筒部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103722191A (zh) * 2013-12-21 2014-04-16 孙红琴 一种立式顶针
CN103737035A (zh) * 2013-12-21 2014-04-23 孙红琴 一种具有立式顶针的尾座
JP2019005880A (ja) * 2017-06-28 2019-01-17 三菱日立パワーシステムズ株式会社 長尺材に自由曲面を加工する方法

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