JP2001170703A - ラルゼン型継手を有する直線型鋼矢板及びその製造方法 - Google Patents

ラルゼン型継手を有する直線型鋼矢板及びその製造方法

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JP2001170703A
JP2001170703A JP35743499A JP35743499A JP2001170703A JP 2001170703 A JP2001170703 A JP 2001170703A JP 35743499 A JP35743499 A JP 35743499A JP 35743499 A JP35743499 A JP 35743499A JP 2001170703 A JP2001170703 A JP 2001170703A
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rolling
mill
steel sheet
sheet pile
straight steel
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Yoshiaki Kusaba
芳昭 草場
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大型のH形鋼を製造する熱間圧延設備を利用し
て、その継手がラルゼン型である幅700mmを超える
直線型鋼矢板とその製造方法を提供する。 【解決手段】2重式の粗圧延機で複数の孔型を使用した
往復圧延を行い、次いで、少なくとも1台の粗ユニバー
サル圧延機と2重式のエッジャー圧延機で構成される中
間圧延機群において、粗ユニバーサル圧延機での水平ロ
ールを用いた1パス圧延又は往復圧延及び2重式のエッ
ジャー圧延機での1パス圧延又は往復圧延を行い、その
後更に、仕上げユニバーサル圧延機での水平ロールを用
いた1パス圧延を行う。仕上げユニバーサル圧延機によ
る1パス圧延代えて2重式の孔型仕上げ圧延機で1パス
圧延してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築や土木の分野
で用いられる熱間圧延鋼矢板の1種である直線型鋼矢板
のうち、ラルゼン型継手を有する鋼矢板及びその製造方
法に関し、詳しくは、熱間圧延によって製造され、その
継手がラルゼン型である全幅700mmを超える直線型
鋼矢板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築や土木の分野においては、その断面
形状がU形、Z形、直線形及びH形であるU型鋼矢板、
Z型鋼矢板、直線型鋼矢板及びH型鋼矢板が各種の連続
壁を構成するための鋼矢板として用いられている。この
うち、直線型鋼矢板は、鋼矢板打設方向に垂直な面で連
続壁を切断した場合、その形状が円弧状となる連続壁を
構成するために用いられてきた。しかし、最近では、前
記の直線型鋼矢板を鋼矢板打設方向に垂直な面で連続壁
を切断した場合、その形状が直線に近い形状となる連続
壁を構成するために用いることも多くなっている。これ
は、次の理由による。
【0003】すなわち、従来は、鋼矢板打設方向に垂直
な面で連続壁を切断した場合、その形状が直線に近い形
状となる連続壁を構成するためにU型鋼矢板を用いるこ
とが多かったが、この形式の鋼矢板を用いた場合には壁
面に大きな凸凹が生じるので、その窪み部分には水の流
れのよどみや土砂の堆積が起こりやすく、更に、土地に
大きなデッドスペースが生じるといった問題も発生す
る。したがって、壁面の凸凹を小さくして平坦にするた
めに最近では直線型鋼矢板が用いられることも多くなっ
てきたのである。
【0004】図3は、熱間圧延によって製造される一般
的なU型鋼矢板の形状を示す図で、その全幅(以下、鋼
矢板の「全幅」を単に「幅」という)は400〜700
mmであり、又、その継手は1重爪のラルゼン型と称さ
れるものである。
【0005】これに対して、熱間圧延によって製造され
る一般的な直線型鋼矢板の形状は図4に示すものであ
り、その継手は2重爪でラカワナ型と称され、その幅は
最大500mm程度である。この一般的な直線型鋼矢板
の継手がラカワナ型であるのは、ラカワナ型継手の場合
には大きな引張強度が得られるので、直線型鋼矢板の従
来の使用方法(つまり、鋼矢板打設方向に垂直な面で連
続壁を切断した場合にその形状が円弧状となる連続壁を
構成する使用方法)に適しているためである。
【0006】又、図4の一般的な直線型鋼矢板の幅が最
大500mm程度でしかないのは、継手がラカワナ型継
手の場合、熱間圧延時にロールに加わる応力がロールの
破断限界強度(以下、「ロールの破断限界強度」を単に
「ロール強度」という)を超えてしまうためである。す
なわち、図5に、図4のラカワナ型継手を有する直線型
鋼矢板を製造する場合の典型的なロール孔型の一例を示
すが、この図5から明らかなように、2重爪造形のため
の孔型、特に外側の爪造形のための孔型を非常に狭く且
つ深いものとする必要があるため、ロールは容易に折れ
てしまうのである。なお、この場合、素材である粗形鋼
片やブルームは、例えば、2重式の粗圧延機(以下、
「2重式の粗圧延機」を「BDミル」という)で図5
(a)〜(c)の3個の孔型位置に順にシフトしながら
往復圧延され、次いで、2重式の孔型圧延機(以下、
「2重式の孔型圧延機」を「Sミル」といい、「2重式
の孔型圧延機」が複数台ある場合には、「S1ミル」、
「S2ミル」などという)で図5(d)、(e)の2個
の孔型位置に順にシフトしながら往復圧延され、更にそ
の後、2重式の孔型仕上げ圧延機(以下、「2重式の孔
型仕上げ圧延機」を「SFミル」という)で図5
(f)、(g)の2個の孔型位置に順にシフトしながら
往復圧延されて、最終的に図4の直線型鋼矢板に仕上げ
られる。
【0007】しかし、直線型鋼矢板を鋼矢板打設方向に
垂直な面で連続壁を切断した場合、その形状が直線に近
い形状となる連続壁を構成するために用いることも多く
なっている現状では、従来のU型鋼矢板と同等の引張強
度が確保できさえすればよく、この場合には、図3に示
すラルゼン型継手で十分である。しかも、ラルゼン型継
手の場合には、幅が700mm以下、特に幅が600m
m程度なら、現状の圧延設備を用いて熱間圧延によって
直線型鋼矢板を製造することが可能である。
【0008】この直線型鋼矢板の幅を更に大きくして7
00mmを超えるようににできれば、打設回数が減少す
るので施工期間の短縮が図れるし、使用鋼材の重量低減
も図れるのでコスト面での効果も大きい。このため産業
界からは、幅700mmを超えるラルゼン型継手を有す
る直線型鋼矢板に対する要望が大きくなっている。
【0009】ところが、直線型鋼矢板を熱間圧延で製造
しようとすると、平均7個程度の造形孔型を使用してブ
ルームや粗形鋼片などの素材を各孔型位置にシフトしな
がら圧延する必要があるので、幅700mmを超える直
線型鋼矢板、特に幅が700mmを超え、ウェブ厚さが
20mm以上の直線型鋼矢板の場合には、たとえラルゼ
ン型継手を有する直線型鋼矢板であっても、各孔型での
圧延荷重が非常に大きくなり、既存の圧延設備配置のま
まではロールの折損やモータの容量不足が生じてしま
う。
【0010】つまり、幅が400mmや500mm程度
の直線型鋼矢板の場合には、H形鋼の製造に用いる連続
圧延機を利用し、素材を各孔型位置にシフトしながら連
続圧延して最終製品に仕上げることが可能である。しか
し、H形鋼の場合でも幅が600mm以上になると、こ
れを連続圧延して仕上げる圧延機(圧延設備)はなく、
3〜5台の圧延機を用いた往復圧延で製造されている。
したがって、幅が600mm以上の直線型鋼矢板の場合
も、H形鋼と同様に往復圧延することが必要となる。
【0011】上記の幅が600mm以上の直線型鋼矢板
を圧延機で往復圧延して製造する場合には、H形鋼の圧
延に用いるユニバーサル圧延機を2重式の圧延機に交換
し、且つ、各圧延機のロールに2個以上の孔型を刻設し
て素材を各孔型位置にシフトしながら往復圧延すること
になる。したがって、ロールはその胴長が1500mm
以上の長いものが必要になり、一方、ロール胴長が長く
なればなるほどロール強度は著しく低下してしまう。こ
のため、幅が700mmを超える直線型鋼矢板、特に幅
が700mmを超え、ウェブ厚さが20mm以上の直線
型鋼矢板を製造しようとすると、ロール強度を保ったま
までは通常7個程度必要な造形孔型の数を既存の圧延機
に収容しきれなくなる。例えば、前記Sミル、SFミル
のような一般的な2重式孔型圧延機のロール胴長は最大
2000mmであり、この場合には、幅が700mm以
下、特に幅が600mm程度の直線型鋼矢板であればロ
ール強度を保ったままで2個の造形孔型をロール胴長内
に刻設することができる。
【0012】しかし、幅700mmを超える直線型鋼矢
板、特に幅が700mmを超え、ウェブ厚さが20mm
以上の直線型鋼矢板の場合には、2個の造形孔型をロー
ルに刻設するとロール強度が大きく低下するので、圧延
時にロールが折損してしまう。
【0013】このため、既存の圧延機台数のままでは、
ロール強度の確保と必要とされる造形孔型個数の確保と
を両立させることができない。したがって、圧延機台数
を増加させる必要が生じ、H形鋼製造用の圧延設備配置
を変更しなければならなくなるのである。
【0014】上記のような理由から、現状の熱間圧延に
よって製造される直線型鋼矢板は幅700mm以下とな
っている。
【0015】なお、特開平8−100422号公報で、
「ウェブ部の両端に非対称ラルゼン型継手部を設けてな
る直線型鋼矢板」として提案されている直線型鋼矢板
は、継ぎ手部の一方は鍵型爪をフランジ部を介して、し
かも高さを最小限まで低くした構成とし、これに係合さ
せる他方の継手部はフランジの代わりに鍵型爪の近傍に
係合間隔をおいて抜止め突条を突設したものであるた
め、従来のU型鋼矢板と同様の形状であるラルゼン型継
手を有する直線型鋼矢板に比べて容易に離脱してしまう
という問題を有している。
【0016】又、特開平11−140864号公報に
も、上記特開平8−100422号公報で開示された直
線型鋼矢板とよく似た形状の壁型鋼矢板、すなわち直線
型鋼矢板が提案されているが、ウェブの一方に造形され
る突起高さが従来のU型鋼矢板のラルゼン型継手に比べ
低く、このため従来のU型鋼矢板と同様の形状であるラ
ルゼン型継手を有する直線型鋼矢板に比べて容易に離脱
してしまうという問題を有している。
【0017】更に、上記2つの公報で提案された直線型
鋼矢板の場合も、前記したロールへの孔型刻設の制約か
ら、現状の熱間圧延によって製造される寸法は幅700
mm以下、特に幅が600mm程度のものとならざるを
得ず、したがって、幅700mmを超えるラルゼン型継
手を有する直線型鋼矢板に対する産業界からの要望には
応えきれるものではない。
【0018】このため、幅700mmを超えるラルゼン
型継手を有する直線型鋼矢板は、鋼板を冷間で成形して
製造しなければならないのが現状であり、例えば、幅が
1000mmの軽量直線型鋼矢板が製造されている。し
かし、冷間成形であるためコストが嵩むし、更に、板厚
に制約があるためウェブ厚さが20mm以上のものは製
造されていない状況である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みなされたもので、その目的は、熱間圧延、それも大
型のH形鋼を製造する圧延設備を利用して、その継手が
ラルゼン型である幅700mmを超える直線型鋼矢板と
その製造方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)に示す直線型鋼矢板と(2)、(3)に示す直線
型鋼矢板の製造方法にある。
【0021】(1)熱間圧延によって製造され、その継
手がラルゼン型である幅700mmを超える直線型鋼矢
板。
【0022】(2)熱間圧延によって直線型鋼矢板を製
造する方法であって、2重式の粗圧延機で複数の孔型を
使用した往復圧延を行い、次いで、少なくとも1台の粗
ユニバーサル圧延機と2重式のエッジャー圧延機で構成
される中間圧延機群において、粗ユニバーサル圧延機で
の水平ロールを用いた1パス圧延又は往復圧延及び2重
式のエッジャー圧延機での1パス圧延又は往復圧延を行
い、その後更に、2重式の孔型仕上げ圧延機での1パス
圧延を行うことを特徴とする上記(1)に記載の直線型
鋼矢板の製造方法。
【0023】(3)熱間圧延によって直線型鋼矢板を製
造する方法であって、2重式の粗圧延機で複数の孔型を
使用した往復圧延を行い、次いで、少なくとも1台の粗
ユニバーサル圧延機と2重式のエッジャー圧延機で構成
される中間圧延機群において、粗ユニバーサル圧延機で
の水平ロールを用いた1パス圧延又は往復圧延及び2重
式のエッジャー圧延機での1パス圧延又は往復圧延を行
い、その後更に、仕上げユニバーサル圧延機での水平ロ
ールを用いた1パス圧延を行うことを特徴とする上記
(1)に記載の直線型鋼矢板の製造方法。
【0024】本発明者らは、前記した課題を解決するた
めに種々検討を行い、下記の知見を得た。
【0025】(a)大型H形鋼を製造する熱間圧延設備
を利用して直線型鋼矢板を製造する際、素材である被圧
延材を各孔型位置にシフトせず、H形鋼を圧延する場合
と同様に同じパスラインで1パス圧延又は往復圧延すれ
ば、通常6〜7個程度必要な造形孔型の数を確保するこ
とができるので、ラルゼン型継手を有する幅が700m
mを超える直線型鋼矢板の製造が可能である。
【0026】(b)ラルゼン型の継手を左右非対称とす
れば、直線型鋼矢板を打設して連続壁を構築する際、2
枚の鋼矢板の継手を係合させるために鋼矢板の向きを変
える必要がなくなるので、施工作業が容易になり、施工
期間の短縮やコスト削減に効果がある。
【0027】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を説明
する。
【0029】先ず、図6(a)にレイアウトを示す大形
H形鋼製造のための代表的な圧延設備を用いて、大形H
形鋼を熱間で製造する方法について述べる。
【0030】素材である粗形鋼片やブルームは、BDミ
ル(2重式の粗圧延機)で複数の孔型を使用した往復圧
延を受ける。次いで、被圧延材は、2台の粗ユニバ−サ
ル圧延機(以下、「粗ユニバ−サル圧延機」を「URミ
ル」といい、「粗ユニバ−サル圧延機」が複数台ある場
合には、「UR1ミル」、「UR2ミル」などという)
と2重式のエッジャ−圧延機(以下、「2重式のエッジ
ャ−圧延機」を「Eミル」という)から構成される中間
圧延機群によって複数回の圧延を受け、その後更に、仕
上げユニバ−サル圧延機(以下、「仕上げユニバ−サル
圧延機」を「UFミル」という)で1パス圧延されて大
形H形鋼に仕上げられる。ここで、上記の中間圧延機群
の各ミルにおける圧延は同一のパスラインで行われる。
【0031】次に、直線型鋼矢板を、前記の大型H形鋼
を製造する圧延設備を利用して被圧延材を各孔型位置に
シフトして圧延する場合について説明する。この従来形
式による直線型鋼矢板製造方法の場合、図6(b)に示
すように、BDミルはそのままであるが、図6(a)の
圧延設備レイアウトに記載のEミルが撤去され、その位
置にテ−ブル(図示せず)が設置される。又、UR1ミ
ルとUR2ミルも撤去され、その位置に2重式の孔型圧
延機であるS1ミルとS2ミルが設置される。更に、U
Fミルも撤去され、その位置にはSFミル(2重式の孔
型仕上げ圧延機)が設置される。なお、直線型鋼矢板の
幅によっては、SFミルが設置されない場合もある。
【0032】図6(b)に示すレイアウトの圧延設備を
用いて、幅600〜700mmの直線型鋼矢板、なかで
も幅が600mmの直線型鋼矢板を製造する場合には、
S1ミル、S2ミル、SFミルの各ロールにそれぞれ2
個の孔型を刻設してもロール強度が大きく低下すること
はないので、被圧延材は各孔型位置にシフトされ、S1
ミル、S2ミル、SFミルでの圧延を受けて、最終形状
の直線型鋼矢板に仕上げられる。
【0033】しかし、幅が700mmを超える直線型鋼
矢板、なかでも幅が700mmを超え、ウェブ厚さが2
0mm以上の直線型鋼矢板を、上記図6(b)の圧延設
備配置のままで製造しようとしても、既に述べたよう
に、S1ミル、S2ミル、SFミルの各ロールに対し
て、ロール強度を保ったままで2個の造形孔型を刻設す
ることが困難となるので、既存の圧延機台数のままであ
る図6(b)に記載の圧延設備配置のままでは最終形状
の直線型鋼矢板が得られない。
【0034】本発明の場合には、大型H形鋼を製造する
圧延設備を利用して直線型鋼矢板を製造するものの、図
6(b)に示す従来形式の圧延設備レイアウトのように
圧延機そのものを入れ替えることはせず、図6(a)の
圧延設備はそのままにし、BDミル、UR1ミル、Eミ
ル、UR2ミル及びUFミルのロールだけを変更し、し
かも、UR1ミル以降の圧延機においては同一のパスラ
インで圧延する。
【0035】すなわち、BDミルのロール(つまり水平
ロール)を鋼矢板用に変更し、素材である被圧延材を各
孔型位置にシフトしながら往復圧延する。
【0036】UR1ミル、UR2ミルの水平ロール及び
竪ロールも鋼矢板用に変更し、この水平ロールを用い
て、H形鋼の圧延の場合と同様に、同一のパスラインで
1パス圧延、又は往復圧延する。この場合、竪ロールは
使用してもよいし、使用しなくてもよい。Eミルにおい
ても同様で、ロールを鋼矢板用に変更して同一のパスラ
インで1パス圧延、又は往復圧延する。又、UFミルに
おいても、水平ロール及び竪ロールを鋼矢板用に変更
し、この水平ロールを用いて1パス圧延する。
【0037】上記の場合、鋼矢板用の孔型を刻設された
UR1ミル、UR2ミル、UFミルにおいて、これらの
水平ロールで圧延しても、前記各水平ロ−ルの胴長は現
在製造されているH形鋼の最大幅以下(つまり、120
0mm以下)であり、S1ミル、S2ミルやSFミルの
ロール胴長(2000mm程度)に比べて小さいので、
ロール強度は大幅に向上する。このため、圧延荷重が大
きくなってもロールが折損することは殆どなく、したが
って、幅が700mmを超える直線型鋼矢板の製造が可
能となる。
【0038】Eミルでの圧延は同一のパスラインでの1
パス圧延、又は往復圧延であり、したがって、Eミルの
ロールに刻設する孔型は1個であるため、上記のUR1
ミル、UR2ミル、UFミルの各水平ロールで圧延する
場合と同様に、ロールが折損することは殆どない。
【0039】なお、UFミルでの圧延が1パスであるの
で、上記UFミルに代えてSFミルを使用してもよい。
但し、SFミルを用いる場合、UFミルを撤去してその
位置にSFミルを設置するという圧延機自体の入れ替え
が必要になるし、ロール胴長が大きくなるためUFミル
を用いる場合に比べてロール折損の危険性も大きくな
る。したがって、中間圧延機群で圧延した後の1パスで
の仕上げ圧延は、UFミルで行うことが好ましい。
【0040】以上、図6(a)にそのレイアウト示す大
形H形鋼製造のための代表的な圧延設備を利用して本発
明に係る直線型鋼矢板を製造する方法の1例について説
明した。
【0041】なお、本発明に係る直線型鋼矢板の製造方
法は前記したものに限定されず、種々の変化型があるの
は勿論であり、例えば、中間圧延機群において、UR1
ミルで複数回の圧延(往復圧延)を行った後Eミル及び
UR2ミルでそれぞれ1パス圧延する方法、URミル及
びEミルで複数回の圧延(往復圧延)を行った後UR2
ミルで1パス圧延する方法、UR1ミルで1パス圧延を
行った後Eミル及びUR2ミルで複数回の圧延(往復圧
延)を行う方法、UR1ミル、Eミル及びUR2ミルで
それぞれ1パス圧延する方法など、いずれの方法で行っ
てもよい。
【0042】本発明に係る方法によれば、ラルゼン型継
手を有する直線型鋼矢板を大型H形鋼を製造する圧延設
備を利用して比較的容易に製造することができる。な
お、本発明に係るラルゼン型継手を有する直線型鋼矢板
は幅700mmを超えるものが対象であるが、その上限
はロール強度の面から1000mm程度となる。
【0043】本発明に係るラルゼン型継手の形状は、図
1に示すように左右非対称であってもよいし、図2に示
すように左右対称であってもよい。しかし、ラルゼン型
の継手形状を左右非対称とすれば、直線型鋼矢板を打設
して連続壁を構築する際、2枚の鋼矢板の継手を係合さ
せるために鋼矢板の向きを変える必要がなくなるので、
施工作業が容易になり、施工期間の短縮やコスト削減に
効果がある。したがって、ラルゼン型継手の形状は、図
1に示すような左右非対称の形状とすることが好まし
い。
【0044】以下、実施例により本発明を説明する。
【0045】
【実施例】(実施例1)図7に示すレイアウトの大形H
形鋼製造のための圧延設備を利用して、左右非対称のラ
ルゼン型継手を有する幅が750mm、ウエブ厚さが1
2mmの直線型鋼矢板を製造した。
【0046】すなわち、図7にレイアウトを示したBD
ミル、URミル、Eミル、及びUFミルに対して、いず
れもそのロールを変更して圧延した。
【0047】具体的には、BDミルのロールを、ボック
ス孔型及び図8(a)〜(c)に示す孔型を有する鋼矢
板用のロールに変更し、URミルの水平ロール及び竪ロ
ール、Eミルのロール、UFミルの水平ロール及び竪ロ
ールをそれぞれ鋼矢板用に変更した。なお、URミルの
水平ロール、Eミルのロール及びUFミルの水平ロール
の孔型形状はそれぞれ図8(d)、図8(e)、図8
(f)に示すものである。
【0048】先ず、BDミルを用いて、ウェブ厚さが1
80mmで幅が800mmの素材を1パス目にボックス
孔型を用いて圧延して幅を770mmとし、この後、2
パス目以降を表1に示すパススケジュールで各孔型位置
にシフトしながら往復圧延した。
【0049】
【表1】
【0050】次いで、URミルの水平ロールを用いて3
パス圧延し、その後更に、EミルのロールとUFミルの
水平ロールを用いてそれぞれ1パス圧延した。なお、U
RミルとUFミルでの圧延においてはいずれの場合も竪
ロールを使用しなかった。
【0051】表2に、URミル、Eミル及びUFミルに
おける具体的な圧延パススケジュールを示す。
【0052】
【表2】
【0053】上記の方法によって左右非対称のラルゼン
型継手を有する幅が750mm、ウエブ厚さが12mm
の直線型鋼矢板を200枚製造したが、ロールの折損は
生じなかった。
【0054】(実施例2)図6(a)に示すレイアウト
の大形H形鋼製造のための圧延設備を利用して、左右非
対称のラルゼン型継手を有する幅が1000mm、ウエ
ブ厚さが20mmの直線型鋼矢板を製造した。
【0055】すなわち、図6(a)にレイアウトを示し
たBDミル、UR1ミル、Eミル、UR2ミル及びUF
ミルに対して、いずれもそのロールを変更して圧延し
た。
【0056】具体的には、BDミルのロールを、ボック
ス孔型及び実施例1において用いた図8(a)、(b)
に示すのと同様の孔型を有する鋼矢板用のロールに変更
し、UR1ミルの水平ロール及び竪ロール、Eミルのロ
ール、UR2ミルの水平ロール及び竪ロール、UFミル
の水平ロール及び竪ロールをそれぞれ鋼矢板用に変更し
た。なお、UR1ミルの水平ロール、Eミルのロール、
UR2ミルの水平ロール、UFミルの水平ロールの孔型
形状もそれぞれ実施例1において用いた図8(c)、図
8(d)、図8(e)、図8(f)に示すのと同様のも
のである。
【0057】先ず、BDミルを用いて、ウェブ厚さが1
80mmで幅が1100mmの素材を1パス目にボック
ス孔型を用いて圧延して幅を1050mmとし、この
後、2パス目以降を表3に示すパススケジュールで各孔
型位置にシフトしながら往復圧延した。
【0058】
【表3】
【0059】次いで、UR1ミルの水平ロール、Eミル
のロール、UR2ミルの水平ロール及びUFミルの水平
ロールを用いてそれぞれ1パス圧延した。なお、UR1
ミル、UR2ミルとUFミルでの圧延においてはいずれ
の場合も竪ロールを使用しなかった。
【0060】表4に、UR1ミル、Eミル、UR2ミル
及びUFミルにおける具体的な圧延パススケジュールを
示す。
【0061】
【表4】
【0062】上記の方法によって左右非対称のラルゼン
型継手を有する幅が1000mm、ウエブ厚さが20m
mの直線型鋼矢板を200枚製造したが、ロールの折損
は生じなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明のラルゼン型継手を有する直線型
鋼矢板は、幅が700mmを超えるので打設回数が大幅
に減少する。したがって、この鋼矢板を用いれば施工期
間の短縮が図れる。更に、使用鋼材の重量低減が図れる
のでコスト面での効果も大きい。このラルゼン型継手を
有する直線型鋼矢板は本発明の方法によって比較的容易
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】左右非対称のラルゼン型継手を有する直線型鋼
矢板を示す図である。
【図2】左右対称のラルゼン型継手を有する直線型鋼矢
板を示す図である。
【図3】1重爪のラルゼン型継手を有する一般的なU型
鋼矢板を示す図である。
【図4】2重爪のラカワナ型継手を有する既存の直線型
鋼矢板を示す図である。
【図5】直線型鋼矢板の一般的なロ−ル孔型配置を示す
図である。
【図6】大形H形鋼及び直線型鋼矢板の圧延設備レイア
ウトを示す図で、(a)は大形H形鋼製造のための代表
的な圧延設備レイアウト、(b)は(a)の大型H形鋼
製造用圧延設備を利用して、直線型鋼矢板を製造するた
めの従来形式の圧延設備レイアウトを示す図である。
【図7】大形H形鋼製造のための別の圧延設備レイアウ
トを示す図である。
【図8】実施例1において直線型鋼矢板を圧延するため
に用いたロールの孔型を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間圧延によって製造され、その継手がラ
    ルゼン型である全幅700mmを超える直線型鋼矢板。
  2. 【請求項2】熱間圧延によって直線型鋼矢板を製造する
    方法であって、2重式の粗圧延機で複数の孔型を使用し
    た往復圧延を行い、次いで、少なくとも1台の粗ユニバ
    ーサル圧延機と2重式のエッジャー圧延機で構成される
    中間圧延機群において、粗ユニバーサル圧延機での水平
    ロールを用いた1パス圧延又は往復圧延及び2重式のエ
    ッジャー圧延機での1パス圧延又は往復圧延を行い、そ
    の後更に、2重式の孔型仕上げ圧延機での1パス圧延を
    行うことを特徴とする請求項1に記載の直線型鋼矢板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】熱間圧延によって直線型鋼矢板を製造する
    方法であって、2重式の粗圧延機で複数の孔型を使用し
    た往復圧延を行い、次いで、少なくとも1台の粗ユニバ
    ーサル圧延機と2重式のエッジャー圧延機で構成される
    中間圧延機群において、粗ユニバーサル圧延機での水平
    ロールを用いた1パス圧延又は往復圧延及び2重式のエ
    ッジャー圧延機での1パス圧延又は往復圧延を行い、そ
    の後更に、仕上げユニバーサル圧延機での水平ロールを
    用いた1パス圧延を行うことを特徴とする請求項1に記
    載の直線型鋼矢板の製造方法。
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