JP2001165820A - 車両の加振方法,加振器および振動特性検出方法 - Google Patents

車両の加振方法,加振器および振動特性検出方法

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JP2001165820A JP35224299A JP35224299A JP2001165820A JP 2001165820 A JP2001165820 A JP 2001165820A JP 35224299 A JP35224299 A JP 35224299A JP 35224299 A JP35224299 A JP 35224299A JP 2001165820 A JP2001165820 A JP 2001165820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】四輪自動車の異常振動の発生原因の推定を容易
にする。 【解決手段】異常振動が発生した四輪自動車の4輪22
を鋼板32に支持させ、それら4輪にそれぞれ1個ずつ
の加振器10を取り付け、それら4個の加振器10をコ
ンピュータにより制御することによって、四輪自動車の
振動試験を行い、異常振動の発生原因を推定する。加振
器10は、ディスクホイール24を取り付けるためのハ
ブボルトおよびハブナット38と複数本の支柱42とに
より、ディスクホイール24に取り付ける。加振器10
はACサーボモータ62により回転させられる偏心回転
体60によりディスクホイール24に加振力を加える。
各加振器10における偏心回転体60の回転速度を変化
させることにより加振周波数を変化させ、一定レベル以
上の振動が発生する加振条件を探し、その加振条件から
異常振動の発生原因を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の振動試験に
関するものであり、特に、車輪に強制的な加振力を加え
て車体側の所望部位の振動を測定する振動試験に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】車両の振動低減は乗り心地改善上重要な
問題である。そのため、試作設計段階における振動特性
の実測、製造,出荷段階における振動特性の調整、市場
における不具合処理等、種々の目的のために振動試験が
行われている。試作設計段階においては、振動特性が設
計通りのものになっているか否かの確認や、振動特性改
善のための基礎データの収集等のために振動試験が行わ
れ、製造,出荷段階においては、車両全体としての振動
特性が設計仕様を満たすように、各部の調整が行われ
る。したがって、新車には、設計仕様から外れた異常な
振動が生じることはないのであるが、使用時間の累積に
伴う車両状態の変化、あるいはユーザによるタイヤ,デ
ィスクホイールの交換等によって、異常な振動が発生す
ることがある。例えば、運転者の足が載せられるフロア
やステアリングホイールに異常な振動が発生するのであ
る。
【0003】この異常振動には、例えば、車輪(ディス
クホイールにタイヤが付けられた状態の車輪であり、以
下、そのことを明瞭にするためにタイヤ付車輪と称す
る)側に原因のある振動と、シャシー側に原因のある振
動とがある。タイヤ付車輪側に原因のある振動として
は、例えば、回転アンバランスやノンユニフォーミティ
に起因する振動がある。ノンユニフォーミティとは、タ
イヤの真円度不良,タイヤの半径方向の弾性変形に対す
るばね定数の円周方向における不均一等のことである。
シャシー側に原因のある振動としては、例えば、サスペ
ンションのショックアブソーバ,ゴムブッシュ等の不良
や、パワーステアリングユニットの車体への取付用ゴム
ブッシュの調整不良等に起因する振動がある。後者は、
ゴムブッシュの取付位相や締付トルクの不適切等に起因
して生じ、ステアリングホイールの振動原因になり易
い。ゴムブッシュの取付位相が設計通りでなければ、異
常振動発生の原因になることは自明であるが、締付トル
クは、不足するとガタが生じて振動発生の原因になり、
逆に過大であると、共振点が高くなって、例えば高速道
路の走行に丁度よい車速で振動が大きくなったりする。
【0004】従来、これらの異常振動についての不満が
寄せられた場合には、車両を振動試験台の上に載せて、
振動試験を行い、異常振動発生の原因追求および振動低
減処置の実施が行われていた。例えば、車軸に、上下方
向の加振機と前後方向の加振機とを接続し、それら加振
機を所望の振動数,振幅で作動させたり、タイヤ付車輪
にアンバランスマスを取り付け、そのタイヤ付車輪を回
転ドラムに支持させて、回転ドラムによりタイヤ付車輪
車輪を所望の回転速度で回転させたりし、車両の任意の
部分の振動を振動センサで検出することが行われていた
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】しかし、振動試験台は大がかりで高価なものであ
り、限られた施設に設置されていたのみであった。その
ため、中小のディーラや修理工場では、ユーザから異常
振動発生の状況をよく聞き、過去の経験から原因を推測
して低減処置を施した後、実際に車両を走行させてみて
異常振動が低減したか否かを確認するより仕方がなかっ
た。
【0006】本発明は、この不便を解消すべく、小形で
安価な加振器により車両の振動試験を行い得るようにす
ることを課題としてなされたものであり、本発明によっ
て下記態様の加振方法,加振器,加振システム,振動特
性検出方法,振動特性検出システム,異常振動発生原因
推定方法,各方法の実施に使用可能な記録媒体等が得ら
れる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番
号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で
記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にす
るためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれ
らの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると
解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項
が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に
採用しなければならないわけではない。一部の事項のみ
を選択して採用することも可能なのである。
【0007】(1)ディスクホイールの外周にタイヤが
装着されたタイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両を
加振する方法であって、前記ディスクホイールに加振器
を取り付け、前記車体を前記タイヤ付車輪を介して静止
支持面に支持させた状態で、前記加振器を作動させるこ
とによりディスクホイールを介して車体を振動させるこ
とを特徴とする車両の加振方法(請求項1)。本項に記
載の加振方法によれば、加振器をディスクホイールに取
り付けることにより、専用の振動試験台に載置すること
なく、車両がタイヤ付車輪において静止支持面により支
持されたままの状態で、簡便に振動試験を行うことがで
きる。加振器は小形で構造も単純なもので十分であるた
め、国内,外の中小ディーラ,修理工場等において導入
することができる。そして、メーカにおいても同じ方法
で振動試験を行い、異常振動の発生形態(ないし発生状
況)と発生原因および低減処置を予め調べて情報を提供
しておけば、中小ディーラ,修理工場等においても、異
常振動の発生原因を容易に突き止め、有効な低減処置を
実施することができる。また、メーカ,ディーラ,修理
工場等のすべてにおいて同じ振動試験を行うことが可能
であるため、いずれかにおいて新たな異常振動の発生形
態あるいは発生原因が発見される度に、メーカに報告さ
れるようにし、異常振動の発生形態,発生原因および低
減処置の情報をメーカからグループ全体に流せば、グル
ープ全体としてのサービスを向上させることができる。
あるいは、中小のディーラ,修理工場等においては異常
振動の発生原因や低減処置が判らない場合には、振動試
験データをメーカや大手ディーラに送り、そこで振動試
験データを解析して、異常振動の発生原因や低減処置を
検討し、検討結果を中小ディーラ,修理工場等に返すよ
うにすることもできる。この場合、グループ全体で振動
試験の方法が同じであるため、メーカや大手ディーラに
おける振動試験データの解析を確実に行うことができ
る。 (2)前記加振器として、本体と、その本体に対して相
対移動可能な振動部材と、その振動部材を本体に対して
振動させる加振機構とを備えたものを使用し、前記本体
を前記ディスクホイールに対して相対移動不能に固定す
る (1)項に記載の車両の加振方法。 (3)鋼板の表面を前記静止支持面とする (1)項または
(2) 項に記載の車両の加振方法。タイヤの弾性は、車両
の振動に重大な影響を与えるものであるので、振動試験
時には車両をジャッキアップをしない方がよい。しか
し、その場合にはタイヤとそれを支持する静止支持面と
の間の摩擦係数が振動試験の結果に影響を与える。摩擦
係数が小さい場合には、加振器により発生させられたデ
ィスクホイールの振動が、タイヤと静止支持面とのスリ
ップを生じさせ、振幅が大きくなる。したがって、タイ
ヤと静止支持面との摩擦係数が同じである状態で振動試
験を行うことが望ましく、この条件を簡単にかつ世界中
で普遍的に満たし得るものの代表が鋼板の表面なのであ
る。 (4)前記車両が4つの車輪を備えた四輪車両であり、
前記加振器を4つの車輪の各々に取り付ける (1)項ない
し (3)項のいずれか1つに記載の車両の加振方法。1個
のタイヤ付車輪が異常振動の発生源である場合には、車
両の複数のタイヤ付車輪の1個ずつに順次加振器を取り
付けて加振すれば、異常振動の原因を発見することがで
き、加振器は1個で済む。しかしながら、複数のタイヤ
付車輪に同時に加振力を加えなければ、異常振動の発生
原因を突き止め得ない場合、あるいは発生原因の発見に
長時間を要する場合がある。例えば、車体のローリング
やピッチングの形態の振動の発生原因の追求には、右と
左との1輪以上ずつ、あるいは前と後との1輪以上ずつ
に加振器を取り付け、それら1輪以上ずつを同時に加振
し、かつ、加振の方向や相対位相を互いに異ならせるこ
とが必要あるいは望ましい。車体全体の上下振動の発生
原因の追求には、全部のタイヤ付車輪に加振器を取り付
け、それらを同期して作動させることが望ましい。ま
た、1個のタイヤ付車輪にのみ異常振動の発生原因があ
る場合でも、試験開始前に複数のディスクホイール全部
に加振器を取り付けておく方が振動試験を能率的に行う
ことができる。 (5)前記加振器が加振周波数を変更可能なものであ
り、前記4つの車輪に取り付けた加振器の少なくとも2
つの周波数を互いに異ならせる (4)項に記載の車両の加
振方法。 (6)前記4つの加振器のうちの2つ以上の加振器の周
波数を、振動解析上それらの周波数がほぼ同じと見なし
得る範囲で互いに異ならせる (5)項に記載の車両の加振
方法。周波数が共振周波数に近ければ、共振は支障なく
発生し、周波数を互いに僅かに異ならせれば、振動の相
対位相が徐々に変化し、やがて、異常振動発生時と同じ
形態の振動が発生して、異常振動の発生形態が確認され
る。そのためには、複数のタイヤ付車輪の相対位相の各
々において車両が安定して振動し得るように、相対位相
の変更は緩慢に行われることが必要であり、複数のタイ
ヤ付車輪の周波数の差は十分小さくすることが望まし
い。しかし、周波数の差が小さいほど振動試験に要する
時間が長くなるため、周波数の差は安定振動の実現と試
験能率の向上との両方を考慮して決定されるべきであ
る。 (7)前記加振器として、加振方向が一直線に沿った方
向であるものを使用し、その加振器を前記一直線と前記
ディスクホイールの回転中心線とが直交する状態に取り
付ける (1)項ないし (6)項のいずれか1つに記載の車両
の加振方法。このようにすれば、ディスクホイールを所
望の方向のみに加振することができる。加振器として、
加振方向をディスクホイールに対して相対的に変更可能
(ディスクホイールの回転中心線まわりに相対回転可
能)なものを使用すれば、加振方向を容易に変更するこ
とができるが、加振器にそのような機能がない場合に
は、加振器を取り付けた状態で、ディスクホイールを所
望角度回転させれば、加振方向を所望角度だけ変更する
ことができる。 (8)前記加振器として、加振方向が一軸線まわりの回
転方向であるものを使用し、前記一軸線が前記ディスク
ホイールの回転中心線と一致する状態で取り付ける (1)
項ないし (6)項のいずれか1つに記載の車両の加振方
法。このようにすれば、タイヤ付車輪にそれの回転中心
線まわり加振モーメントを加えることができる。 (9)ディスクホイールの外周にタイヤが装着されたタ
イヤ付車輪が車体に取り付けられた車両を加振する加振
器であって、本体と、その本体に対して相対移動可能な
振動部材と、その振動部材を本体に対して振動させる加
振機構と、前記本体を、前記ディスクホイールに固定す
る固定装置とを含む加振器(請求項2)。本体を固定装
置によりディスクホイールに固定し、その状態で加振機
構により振動部材を振動させれば、簡便にディスクホイ
ールを加振することができる。振動部材は直線的に往復
移動するものでもよく、回転中心線まわりに回転する偏
心回転体でもよく、両者の組合わせでもよい。 (10)前記固定装置が、前記ディスクホイールをハブ
に取り付けるためにハブに固定されたハブボルトに、そ
れらハブボルトに螺合されるハブナットの代わりに螺合
されることによりディスクホイールをハブに固定すると
同時にディスクホイールに固定され、前記本体を保持す
る複数の雌ねじ部材を含む (9)項に記載の加振器(請求
項3)。ハブボルトはディスクホイールをハブに取り付
けるためのものであり、十分な強度を備えている。した
がって、このハブボルトを利用すれば、本体をディスク
ホイールに強固に取り付けることができる。雌ねじ部材
は、例えば、全体として棒状をなし、一端にハブボルト
と螺合する雌ねじ穴を有し、他端に雄ねじ部または雌ね
じ部を有するものとすることができる。他端に雄ねじ部
を有する場合には、その雄ねじ部を本体を貫通して反対
側へ突出する長さを有するものとし、その突出部にハブ
ナットを螺合することにより、本体を雌ねじ部材に固定
し得るようにすることが望ましい。 (11)前記固定装置が、前記ディスクホイールに固定
された状態の前記複数の雌ねじ部材と前記本体とを固定
する手段を含む(10)項に記載の加振器。前記雌ねじ部材
と本体とは、雌ねじ部材の前記ボルトへの螺合が終了す
るまでは互いに分離された状態にあるようにしてもよ
く、雌ねじ部材のボルトへの螺合を許容する状態で互い
に係合させられており、雌ねじ部材の螺合終了後に互い
に固定されるようにしてもよい。前者の一例が前記棒状
の雌ねじ部材である。 (12)前記振動部材が、前記本体に回転中心線まわり
に回転可能に取り付けられ、回転中心線に対して偏心し
た偏心質量を有する偏心回転体を含み、前記加振機構
が、その偏心回転体を回転させる回転駆動装置を含む
(9)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の加振器(請
求項4)。例えば、タイヤ付車輪のアンバランスに起因
する振動は、タイヤ付車輪の回転に伴って加振力の向き
がタイヤ付車輪の全半径方向に均等に変化し、加振力の
ベクトルの先端の軌跡が円を描く振動となり、タイヤ付
車輪の回転中心線まわりに回転する偏心回転体を備えた
加振器の使用により実現できる。 (13)前記偏心回転体として、互いに等しい偏心質量
を有するものを2個備え、それら2個の偏心質量が、前
記ディスクホイールの回転中心線に対して互いに対称に
配置されており、かつ、前記回転駆動装置が、それら2
個の偏心回転体に共通の駆動源と、その駆動源の運動を
2個の偏心回転体に伝達する回転伝達装置とを含む(12)
項に記載の加振器(請求項5)。2個の偏心回転体それ
ぞれに専用の回転駆動源を設け、相対回転位相の制御も
可能にすれば、加振器の利用範囲が広くなる。例えば、
それぞれの回転駆動源としてステップモータを使用すれ
ば、両偏心回転体の相対位相を任意に制御することがで
きる。ステップモータに脱調の可能性があれば、例え
ば、フィードバック制御することにより脱調を防止する
ことができる。それに対し、本項におけるように、共通
の回転駆動源の回転が回転伝達装置により2個の偏心回
転体に伝達されるようにすれば、2個の偏心回転体を決
まった相対位相を保って回転させることが容易となる。
回転伝達装置としては、例えば、歯車列,タイミングベ
ルトとタイミングプーリとの組合わせ等、すべりのない
回転伝達装置が望ましい。例えば、タイヤのノンユニフ
ォーミティに起因する振動のように、ある特定の半径方
向の振動成分が大きくなって、振動成分を表すベクトル
の先端が楕円等の非円形を描く場合があり、あるいは、
殆どある特定の半径方向の振動成分のみが生じて、振動
成分のベクトルの先端の軌跡が直線を描く振動もある。
あるいは、車両の振動特性を調べる上で、特定の半径方
向のみの振動を発生させる方が都合がよい場合もある。
本項の加振器はこれらの振動を実現する場合に特に有効
である。 (14)前記回転伝達装置が、前記2個の偏心回転体
に、それらが互いに逆方向に同期して回転するように回
転を伝達する逆方向回転伝達装置を含む(13)項に記載の
加振器(請求項6)。例えば、2個の偏心回転体を、そ
れら2個の偏心回転体の回転中心線を結ぶ直線と直交
し、かつ、ディスクホイールの回転中心線を含む平面に
対して互いに対称の関係を保って回転させれば、上記平
面内においてディスクホイールの回転中心線と直交する
方向の成分のみを含む加振力を発生させることができ、
特定の半径方向のみの振動を発生させることができる。
そして、タイヤ付車輪を適宜回転させれば、加振方向を
任意に変更することができる。この特殊な状態に対し
て、2個の偏心回転体に種々の位相差を与えれば、種々
の形態の加振力を得ることができる。 (15)前記回転伝達装置が、前記2個の偏心回転体
に、それらが互いに同方向に同期して回転するように回
転を伝達する同方向回転伝達装置を含む(13)項に記載の
加振器。本項の加振器は、例えば、タイヤ付車輪の回転
中心線まわりの回転モーメントを生じさせることができ
る。2個の偏心回転体を、丁度180度の位相差を持た
せて互いに同方向に回転させればよいのである。この特
殊な状態に対して、2個の偏心回転体に種々の位相差を
与えれば、種々の形態の加振力を得ることができる。 (16)前記偏心回転体として、互いに偏心質量を異に
するものを複数個備えた(12)項に記載の加振器。偏心回
転体を複数個備え、それら偏心回転体の偏心質量が異な
る場合に、それら複数の偏心回転体の回転速度を互いに
異ならせ、あるいは回転速度は同じでも相対回転位相を
任意に制御することにより、複雑な加振力を発生させる
ことができる。複数の偏心回転体を、同じ回転中心線ま
わりに回転するようにすれば、特殊な使用が可能とな
る。例えば、2個の偏心回転体を同一位相で回転させる
状態と、180度の相対位相で同速度で逆向きに回転さ
せる状態とを生じさせれば、偏心質量の大きさを変更し
たのと同じ作用,効果が得られる。 (17)前記複数個の偏心回転体が2個であり、前記回
転駆動装置が、それら2個の偏心回転体のうち偏心質量
の小さいものを偏心質量の大きいものより大きな回転速
度で回転させるものである(16)項に記載の加振器(請求
項7)。車体の振動には、タイヤ付車輪のアンバランス
等による一次振動以外に、二次振動以上の高次の振動が
含まれることがある。本項の加振器は、このように一次
の振動成分のみでは十分な振動試験ができない場合に、
有効である。偏心質量の小さいものを偏心質量の大きい
ものの回転速度の整数倍で回転させれば、二次以上の振
動を生じさせることができる。特に、偏心回転体毎に専
用の駆動源を設ければ、二次,四次等、周波数を任意に
変更することが容易になる。 (18)前記回転駆動装置が、前記2個の偏心回転体を
互いに逆方向に同速度で回転させるものである(17)項に
記載の加振器。 (19)前記回転駆動装置がサーボモータを含む(12)項
ないし(18)項のいずれか1つに記載の加振器(請求項
8)。回転駆動装置が、回転速度の制御が可能であれば
十分な場合には、駆動源としてACサーボモータが適し
ている。回転速度のみならず、回転位相の制御も必要な
場合には、ステップモータが好適である。ただし、脱調
を防止するために、回転角度のフィードバック制御を行
うことが望ましい。サーボモータにエンコーダを取り付
けて、位相のフィードバック制御を行ってもよい。 (20)前記本体が、前記複数の雌ねじ部材に、前記デ
ィスクホイールの回転中心線に直角に保持される板状部
材であり、前記偏心回転体がその板状部材とディスクホ
イールとの間に配設された(10)項ないし(19)項に記載の
加振器。偏心回転体を板状部材に対してディスクホイー
ルとは反対側に配設することも、板状部材と同一平面内
で回転するようにすることも可能である。後者の場合に
は、回転体が板状部材の外周側あるいは内周側を回転す
るようにするのである。しかし、本項におけるように、
板状部材よりホイール側に配設する方が、ディスクホイ
ールに近い位置で加振力を発生させる上で望ましい。 (21)前記回転駆動装置の回転速度を連続的に変更可
能な駆動制御装置を含む(12)項ないし(20)項のいずれか
1つに記載の加振器。偏心回転体の回転速度は、タイヤ
付車輪の回転速度、すなわち車両の走行速度と考えるこ
とができ、本項の発明に従えば、種々の走行速度で発生
する振動を実現することができる。 (22)前記偏心回転体の偏心質量の大きさと偏心量と
の少なくとも一方を変更することにより、当該加振器の
加振力を変更する加振力変更装置を含む(12)項ないし(2
1)項のいずれか1つに記載の加振器(請求項9)。偏心
質量の大きさと偏心量との少なくと一方を変更すれば、
周波数を変更することなく加振力の大きさを変更するこ
とができる。 (23) (9)項ないし(22)項のいずれか1つに記載の加
振器を複数個と、それら複数個の加振器に接続され、そ
れら複数の加振器の前記加振機構を集中制御する集中制
御装置とを含む加振システム。集中制御装置は、例え
ば、前記 (5)項, (6)項等に記載の方法で加振するよう
に加振器を制御する異周波数加振部,微小周波数差維持
加振部等を備えたものとすることができ、それによっ
て、 (5)項, (6)項等に記載の加振方法を自動で実施す
ることが可能となる。微小周波数差維持加振部は、複数
の加振器の加振周波数を徐々に変化させつつ、それら複
数の加振周波数の間に僅かな違いを維持するものとする
ことが望ましい。そのようにすれば、複数のタイヤ付車
輪が特定の相対位相になったときに車体に異常な振動が
生じる現象を実現し得る。例えば、複数のタイヤ付車輪
にそれぞれ特定の方向の加振力が加えられている場合
に、それら車輪の相対位相差が特定の値になった場合
に、車体のピッチング振動,ローリング振動,上下振動
等が大きくなる場合がある。車両の走行中に、複数のタ
イヤ付車輪の相対位相は、それらの実半径,走行軌跡,
スリップ量等の違いによって、徐々に変化するため、そ
れらが丁度特定の相対位相になることがあり、その時期
にのみ特定の形態や周波数の振動が大きくなることがあ
るのである。微小周波数差維持加振部はこの形態の振動
の実現に有効なのである。微小周波数差は、複数のタイ
ヤ付車輪の相対位相を徐々に変化させるためのものであ
るので、差自体の大きさは精度を必要としない。したが
って、周波数差が文字通り一定に維持されても、周波数
の比が1に近くかつ1ではない値に維持されてもよい。
集中制御装置を、予め定められたメニューに従って、複
数の加振器の作動モードを自動的に変更(加振周波数の
変更を含む)する加振モード自動変更部を備えたものと
すれば、加振システムの使い勝手が向上する。 (24) (9)項ないし(22)項のいずれか1つに記載の加
振器と、その加振器の加振周波数を連続的に変更可能な
加振制御装置と、前記車両の任意の位置に取り付け可能
な振動センサと、その振動センサと前記加振制御装置と
に接続され、加振制御装置による前記加振器の制御状態
と振動センサにより検出される振動との関係を解析する
振動解析装置とを含むタイヤ付車輪を備えた車両の振動
特性検出システム。本振動特性検出システムによれば、
タイヤ付車輪を備えた車両の振動特性を容易に検出する
ことができる。特に、加振制御装置を、複数の加振器の
作動モードを予め定められた制御プログラムにより自動
で変更する加振モード自動変更部を備えたものとすると
ともに、振動解析装置も自動的に振動解析を行う自動振
動解析部を備えたものとすれば、車両の振動特性の検出
を自動で行い得る振動特性検出システムが得られる。 (25)ディスクホイールの外周にタイヤが装着された
タイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両の振動特性を
検出する方法であって、(9)項ないし(22)項のいずれか
1つに記載の加振器を前記車両の複数のタイヤ付車輪の
ディスクホイールに取り付け、それら複数の加振器の作
動/非作動,加振周波数,加振形態の少なくとも1つを
含む加振状態を変更しつつ前記車両の少なくとも一か所
の振動を検出し、その検出した振動と前記加振器の加振
状態とに基づいて車両の振動特性を検出することを特徴
とする車両の振動特性検出方法(請求項10)。 (26)前記車両を前記タイヤ付車輪において静止支持
面に支持させるとともに、その静止支持面を車両の横方
向と前後方向との少なくとも一方に傾斜させた状態で、
前記振動特性の検出を行う(25)項に記載の車両の振動特
性検出方法。静止支持面を傾斜させれば、各タイヤ付車
輪および対応するサスペンションの荷重が変化する。例
えば、水平な状態で車両を支持し、その後傾斜し得る支
持台を使用したり、あるいは車両を自走させて傾斜面に
登らせたりするのである。その状態で車両の振動特性を
検出すれば、特殊な状態における振動特性を調べること
ができる。例えば、タイヤ付車輪やサスペンションは荷
重が変われば振動に関連した特性が変化するため、その
特性の変化を調べることができる。また、車両の旋回
中,制動中、坂道走行中等における振動特性を検出する
こともできる。 (27)ディスクホイールの外周にタイヤが装着された
タイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両の振動特性を
コンピュータを利用して検出するためのプログラムであ
って、前記車両の複数のタイヤ付車輪のディスクホイー
ルの各々に取り付けられた (9)項ないし(22)項のいずれ
か1つに記載の加振器の作動/非作動,加振周波数,加
振形態の少なくとも1つを含む加振状態を変更する加振
状態変更ステップと、前記車両の少なくとも一か所に取
り付けられた振動センサの出力信号を読み込む読込ステ
ップと、前記複数の加振器の加振状態の情報と、前記振
動センサの出力信号とに基づいて、前記車両の振動特性
を取得する振動特性取得ステップとを含むプログラム
が、コンピュータにより読み取り可能な状態で記録され
た車両の振動特性検出用記録媒体。 (28)ディスクホイールの外周にタイヤが装着された
タイヤ付車輪が複数個車体に取り付けられた車両の異常
振動発生の原因を推定するシステムであって、(9)項な
いし(22)項のいずれか1つに記載の加振器の複数個と、
前記車両に取り付け可能であり、取付位置の振動を検出
する少なくとも1個の振動センサと、前記複数個の加振
器のうちそれぞれ前記ディスクホイールに取り付けられ
たものと前記振動センサとに接続され、複数の加振器の
作動/非作動,加振周波数,加振形態の少なくとも1つ
を含む加振状態を制御しつつ、振動センサにより検出さ
れた振動の情報を読み込み、加振器の加振状態と読み込
んだ振動情報とに基づいて前記車両の振動特性を取得す
る振動特性取得装置と、複数種類の異常振動がそれらの
発生原因と対応付けられて格納されたデータベースと、
前記振動特性取得装置により取得された振動特性が異常
なのものである場合に、前記データベースの情報に基づ
いて、その異常振動の発生原因を推定して、出力する原
因推定装置とを含む異常振動発生原因推定システム。 (29)ディスクホイールの外周にタイヤが装着された
タイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両の異常振動発
生の原因を推定する方法であって、(9)項ないし(22)項
のいずれか1つに記載の加振器を前記車両の複数のタイ
ヤ付車輪のディスクホイールに取り付け、それら複数の
加振器の作動/非作動,加振周波数,加振形態の少なく
とも1つを含む加振状態を変更しつつ前記車両の少なく
とも一か所の振動を検出し、その検出した振動と前記加
振器の加振状態とに基づいて車両の振動特性を検出し、
その検出した振動特性に基づいて異常振動の発生原因を
推定することを特徴とする車両の異常振動発生原因推定
方法。 (30)ディスクホイールの外周にタイヤが装着された
タイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両に発生した異
常振動の発生原因をコンピュータにより推定するための
プログラムであって、前記車両の複数のタイヤ付車輪の
ディスクホイールの各々に取り付けられた (9)項ないし
(22)項のいずれか1つに記載の加振器の作動/非作動,
加振周波数,加振形態の少なくとも1つを含む加振状態
を変更させる加振状態変更ステップと、前記車両の少な
くとも一か所に取り付けられた振動センサの出力信号を
読み込む読込ステップと、前記複数の加振器の加振状態
の情報と、前記振動センサの出力信号とに基づいて、前
記車両の振動特性を取得する振動特性取得ステップと、
取得された振動特性と、種々の異常振動とそれらの発生
原因とを関連付けて予め記録されている情報とに基づい
て、異常振動発生の判定と発生した異常振動の原因の推
定とを行う異常振動発生原因推定ステップとを含むプロ
グラムが、コンピュータにより読み取り可能な状態で記
録された車両の異常振動発生原因推定用記録媒体。 (31)前記プログラムが、運転者からの異常振動発生
状況を入力すれば、その発生状況から予測される異常振
動発生原因を自動で検索し、その異常振動発生原因に対
応する加振状態を他の加振状態より優先的に生じさせる
ステップを含む(30)項に記載の車両の異常振動発生原因
推定用記録媒体。本項の発明に従えば、異常振動発生の
原因が短時間で突き止められる可能性が高くなる。 (32)前記プログラムが、前記種々の異常振動とそれ
らの発生原因とを関連付けて予め記録されている情報
に、新たに発見された情報を追加するステップを含む(3
0)項または(31)項に記載の車両の異常振動発生原因推定
用記録媒体。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態である
車両の異常振動発生原因推定システムの一実施形態を示
す。本システムは、四輪自動車の異常振動の発生原因を
推定するためのシステムとして構成されており、複数個
の加振器10と、それら加振器10の駆動源であるサー
ボモータを制御するモータアンプ12と、車両の振動を
検出する少なくとも1個の振動センサ14と、モータア
ンプ12および振動センサ14に接続されたコンピュー
タ16とを備えている。コンピュータ16はパーソナル
コンピュータにより構成されており、四輪自動車の異常
振動発生原因推定用記録媒体をセットすれば、その記録
媒体に記憶されたプログラムとデータベースとに基づい
て、モータアンプ12を介して加振器10の加振状態を
制御するとともに、振動センサ14により検出された振
動の情報を読み込み、加振状態の情報と振動の情報とに
基づいて四輪自動車の振動特性を取得する。加振状態の
情報は、現に取り付けられている加振器10の種類、取
り付けられている加振器10のうちのいずれを作動さ
せ、いずれを作動させないかの情報と、作動させる加振
器10の加振周波数と、作動させる加振器10の加振形
態等を含む。
【0009】上記記録媒体はさらに、複数種類の異常振
動と、それらの発生原因および発生原因除去処置とが互
いに関連付けて格納されたデータベースを備えている。
コンピュータ16は、上記のように取得した振動特性が
異常振動を示すものであった場合には、その振動特性
と、データベースの情報とに基づいて、その振動特性を
有する異常振動の発生原因を推定し、出力する。上記加
振器10,モータアンプ12および振動センサ14と、
コンピュータ16の振動特性を取得する部分とによって
振動特性取得装置が構成され、コンピュータ16の異常
振動の発生原因を推定する部分により原因推定装置が構
成されているのである。
【0010】加振器10として、後述するように複数種
類のものが準備されており、各種類の加振器10は4個
ずつ準備されている。それらの加振器10のうちから、
適宜選択されたものが、図2および図3に一例を示すよ
うに取り付けられる。現に調べようとする異常振動の発
生原因が推定できている場合には、その事実を確認する
のに適した加振器10が取り付けられ、異常振動発生原
因推定用記録媒体に記憶されているプログラムのうち必
要なもののみが実行される。しかし、発生原因が不明な
場合には、異常振動発生原因推定用記録媒体に記憶され
ている標準的なプログラムに従った振動試験が実行され
る。その場合には、順次取り付けるべき加振器10の種
類と、取り付けるべき位置とがディスプレイに表示さ
れ、試験者はその指示に従って加振器10を取り付け
る。
【0011】加振器10は、四輪自動車20(以下、車
と略称する)のタイヤ付車輪22に取り付けられる。タ
イヤ付車輪22は、ディスクホイール24の外周にタイ
ヤ26が取り付けられたものであり、加振器10はディ
スクホイール24に取り付けられる。振動試験の実施時
には、図2に示すように、4つのタイヤ付車輪22がい
ずれも、固い床面(コンクリート製であることが望まし
い)30上に敷かれた鋼板32の上に載せられる。メー
カ,ディーラ,修理向上等あらゆる場所で実施されるす
べての振動試験におけるタイヤ付車輪22とそれを支持
する静止支持面との摩擦係数を一定に揃えるためであ
る。
【0012】加振器10は、図4に示すように、ディス
クホイール24をアクスルハブ40に取り付けるハブボ
ルト36とハブナット38とを利用して取り付けられ
る。まず、ハブナット38の1個がハブボルト36から
取り外され、代わりに支柱42が取り付けられる、支柱
42は、加振器10の本体としてのベース板44をディ
スクホイール24に固定するものであり、一端に雌ねじ
穴46を、他端に雄ねじ部48を備えている。雌ねじ穴
46がハブボルト36に螺合され、雄ねじ部48がベー
ス板44の貫通穴50に挿通され、雄ねじ部48のベー
ス板44から突出した部分にハブナット38が螺合され
ることにより、支柱42およびベース板44がディスク
ホイール24に固定される。ただし、実際には、まずす
べての支柱42がディスクホイール24に固定された
後、それら支柱42にベース板44が固定される。1個
のハブナット38を取り外す毎に1本の支柱42を取り
付ければ、車20のジャッキアップを省略することがで
きる。
【0013】図2および図3に示す加振器10は、振動
部材として1個の偏心回転体60を備えたものである。
この加振器10を他の加振器と区別するために、以後、
符号10Aで表すこととする。偏心回転体60は、ディ
スクホイール24の回転中心線と同軸の回転中心線のま
わりに回転可能にベース板44に取り付けられており、
ベース板44に取り付けられたACサーボモータ62
(以下、モータと略称する)により回転させられる。モ
ータ62の回転は、ベース板44と一体的なギヤボック
ス64内に設けられた図示しない歯車列により構成され
る回転伝達装置により偏心回転体60に伝達される。
【0014】偏心回転体60の一例を図5に拡大して示
す。この偏心回転体60は、回転板68と複数個のアン
バランスウエイト70とを備えている。回転板68は全
体として円板状をなすものであるが、約半分の部分が他
の部分より肉の厚い厚肉部72とされている。この厚肉
部72自体もアンバランスウエイトとして機能するので
あるが、さらに、着脱可能なアンバランスウエイト70
が付加されることにより、偏心回転体60の偏心質量が
変更可能とされているのである。複数個のアンバランス
ウエイト70は、ボルト74等の固定手段により着脱可
能に取り付けられており、取付位置および個数を変更す
ることにより偏心質量の変更が行われるのである。回転
板68は鋼製であるが、アンバランスウエイト70は比
重の大きいタングステンを主体とする材料製とされてい
る。
【0015】加振器10Aにおける偏心回転体60の偏
心質量の大きさは、その質量の、ディスクホイール24
の軸方向における位置と、メーカや大手ディーラに設置
される振動試験台においてディスクホイール24に加え
られる加振力の軸方向位置とは一致しないのが普通であ
るため、これらの軸方向位置の相違と、振動試験台にお
ける加振力の大きさとを考慮に入れて、偏心回転体60
の偏心質量の大きさが決定されることが望ましい。その
ようにすれば、振動試験台による振動試験の結果と、本
発明に係る振動試験の結果とを比較検討することが容易
であるからである。
【0016】振動センサ14は、車20の各部のうち、
異常振動が発生するか否かを調べたい部分に取り付けら
れる。以下の説明では、仮に、ステアリングホイール7
8に異常振動が発生するか否かが調べられるものとす
る。したがって、図6に示すよに、振動センサ14がス
テアリングホイール78に取り付けられるとともに、加
振器10Aがすべてのタイヤ付車輪22に取り付けられ
る。
【0017】これら4個の加振器10Aのうちのいずれ
かのモータ62が回転させられれば、偏心回転体60が
回転させられ、偏心回転体60の半径方向の加振力が発
生する。この加振力はディスクホイール24の回転中心
線と直交する方向に作用し、かつ、その方向は偏心回転
体60の回転につれてディスクホイール24の回転中心
線のまわりを回転する。加振力は、ディスクホイール2
4の回転中心線を起点とするベクトルで表すことができ
るが、そのベクトルの先端の軌跡がディスクホイール2
4の回転中心線を中心とする円を描くのである。
【0018】この形態の加振力は、タイヤ付車輪22の
動バランスが不良の場合に発生する。そして、この加振
力の周波数はタイヤ付車輪22の回転速度、すなわち車
20の走行速度に比例して大きくなる。加振力の大きさ
もタイヤ付車輪22の回転速度の増大につれて大きくな
る。加振器10Aが取り付けられていないタイヤ付車輪
22を備えた車20が走行する場合でも、タイヤ付車輪
22の動バランスが不良であれば同じ現象が発生する。
車20の走行速度が増せば加振力が増すのであるが、車
20がある走行速度で走行している状態で、運転者に異
常と感じさせる大きさの振幅となり、さらに走行速度が
大きくなれば、加振力は増大するにもかかわらず、振幅
は減少することが多い。車20の特定の走行速度に対応
する周波数の加振力が加えられた場合に、車20の特定
の部分に共振が発生するためである。したがって、加振
器10Aの偏心回転体60の回転速度を、予め定められ
た最小回転速度から最大回転速度まで徐々に変化させれ
ば、車20を走行させることなく、走行時と同じ振動状
態を再現することができる。
【0019】タイヤ付車輪22のいずれか1つの動バラ
ンス不良に起因して発生した異常振動は、4個のタイヤ
付車輪22の各々について上記振動試験を行えば必ず再
現できるのであるが、車20に発生する異常振動には種
々の形態のものがあり、以上説明した振動試験では再現
できない場合もある。しかし、殆どの異常振動は4個の
タイヤ付車輪22に加えられる加振力の組み合わせによ
って引き起こされるものであるから、4個のタイヤ付車
輪22に取り付けた加振器10Aによる加振力の組み合
わせによって多くの異常振動を再現することができる。
それでも再現できない場合には、加振器10Aとは加振
形態の異なる別の加振器10を取り付けることにより、
再現することができる。これら、別の加振器10につい
ては後に説明する。
【0020】前記コンピュータ16は、図7ないし図9
のフローチャートで表される異常振動発生原因推定プロ
グラムを実行することにより、異常振動発生の有無、異
常振動があれば異常振動の特定およびその発生原因の推
定を行う。異常振動発生原因推定プログラムは、図10
に一部を示す内容のデータベースとともに、異常振動発
生原因推定用記録媒体に記憶されており、振動試験の開
始に先立ってコンピュータ16のRAMに読み込まれて
実行される。
【0021】図7のフローチャートはメインプログラム
を示し、コンピュータ16の入力装置82(キーボー
ド,マウス等)からの実行開始指令に応じて実行され
る。まず、ステップ1(S1で表す。他のステップにつ
いても同じ。)において初期設定が行われ、S2におい
てディスプレイ84へのメニュー表示が行われる。その
表示に従って試験者が標準メニューを選択すれば、S3
の判定がYESとなってS4以下が実行されるが、特定
の振動試験の実施を選択すれば、S3の判定がNOとな
ってS5以下が実行される。
【0022】S4においては、標準メニューに従う振動
試験を実行するために最初に必要になる加振器10の種
類、取付位置(左前輪,右前輪等)等、および振動セン
サ14の取付位置がディスプレイ84に表示される。試
験者がこの指示に従って必要な加振器10および振動セ
ンサ14の取付けを行い、振動試験の開始を入力装置8
2から指令すれば、S6の判定がYESとなり、S7の
振動特性検査ルーチンが実行される。この振動特性検査
ルーチンの詳細については後に説明する。
【0023】振動特性検査ルーチンS7の実行後、S8
において異常振動が発生したか否かが判定され、発生し
たのであれば、S9において、発生した異常振動のうち
のn番目のものがRAMの異常振動メモリから読み出さ
れる。そして、S10の原因推定ルーチンが実行され、
読み出された異常振動と同じ形態の異常振動がデータベ
ースにおいて検索される。この原因推定ルーチンの詳細
は後に説明する。続いて、S11において、nが1増加
させられ、S12において、n+1番目の異常振動が異
常振動メモリに記憶されているか否かにより、すべての
異常振動の原因の推定が終了したか否かが判定され、終
了したのであれば、S13において、各異常振動と発生
原因および発生原因除去処置とが関連付けられてディス
プレイ84に表示され、あるいは必要に応じて図示しな
いプリンタにおいて印字される。最後にS14の終了処
理が行われて1回の異常振動発生原因推定プログラムの
実行が終了する。
【0024】前記S3の判定がNOであった場合には、
S5において中止指令が発せられたか否かが判定され、
発せられた場合にはS19の中止処理実行後、異常振動
発生原因推定プログラムの実行が終了させられる。本異
常振動発生原因推定プログラムの実行中に、試験者が振
動試験を中止することを望む場合には、入力装置82か
らその旨の指令を入力することにより、振動試験を中止
することができるようにされているのである。中止指令
が発せられない場合には、S15において、試験者に何
らかの指令を入力すべきことが促され、それに応じて試
験者が、必要な加振器10および振動センサ14の取付
けを行い、特定の形態の振動試験の実行を指令する入力
を行った場合には、S16の判定がYESとなり、S1
7の振動特性検出ルーチンが実行される。このルーチン
は前記S7における振動特性検出ルーチンに類似のもの
であるが、試験者により指令された特定の形態の振動試
験のみが実行される点において異なっている。S18に
おいて異常振動が発見されたか否かが判定され、発見さ
れない場合にはプログラムの実行がS5に戻されるが、
発見された場合には、S13においてその旨の出力が行
われ、S14の終了処理が行われる。
【0025】次に前記振動特性検出ルーチンの詳細を図
8に基づいて説明する。まず、S21において、第m輪
が選択される。車20には左前輪,右前輪,左後輪およ
び右後輪の4輪があるが、これらに1から4までの番号
が付されており、その番号mのタイヤ付車輪22が選択
されるのである。その後、必要があればS22,S19
において試験の中止が行われるが、通常はS23におい
て第m輪の加振が行われる。この加振は予め定められた
最小周波数の加振から開始され、徐々に周波数を増加さ
せつつ最大周波数まで行われる。加振器10の周波数は
タイヤ付車輪22の回転速度、すなわち車20の走行速
度と対応しており、最小周波数および最大周波数は、そ
れぞれ振動試験の必要がある走行速度範囲の最小値およ
び最大値に対応する周波数に定められている。
【0026】上記加振が行われている間、S22〜S2
6が繰返し実行され、振動のレベル(振幅)が設定レベ
ルを超えるか、あるいは最大周波数に到達するのが待た
れる。設定レベルを超えた場合には、S25において、
振動の極大点が探され、極大点の振幅および周波数が、
その時点に加振されていたタイヤ付車輪22が何であっ
たか、取り付けられていた加振器10がどんなものであ
ったか、加振形態がいかなるものであったか、および振
動センサ14の取付位置等の情報と共に、異常振動メモ
リに記憶される。この場合と、設定レベルを超えないう
ちに加振周波数が最大周波数に達し、S26の判定がY
ESとなった場合とには、S27において、mが1増加
させられて、加振されるべきタイヤ付車輪22が変更さ
れ、S28においてすべてのタイヤ付車輪22について
の加振が終了したか否かが判定される。
【0027】以上のようにして、すべてのタイヤ付車輪
22の加振が終了したならば、S29において、加振形
態の選択が行われる。本異常振動発生原因推定プログラ
ムの標準メニューにおいては、左前輪および右前輪、
あるいは左後輪と右後輪を加振して車20にローリング
振動を生じさせる加振形態、左前輪および左後輪、あ
るいは右前輪および右後輪を加振して車20にピッチン
グ振動を生じさせる加振形態、左前輪と右後輪、ある
いは右前輪と左後輪を加振して車20に捩じり振動を生
じさせる加振形態、四輪すべてを加振するとともに、
4つの加振器10の加振周波数を僅かずつ異ならせる加
振形態を始め、種々の加振形態での加振が予め定められ
た順序で行われるようにされており、それらが順次選択
されるのである。
【0028】加振形態の選択が行われた後、中止指令が
発せられない限り、S31において、次の振動試験に必
要な加振器10および振動センサ14の取付けが、ディ
スプレイ84への表示により指示され、試験者が指示に
応じた作業を行い、入力装置82から取付完了を入力す
れば、S33ないしS36において次の振動試験が行わ
れる。この実行は前記S23なしいS26と同様である
ため説明を省略する。S37において、標準メニューの
すべての加振形態の振動試験が終了したか否かが判定さ
れ、未だ終了していない場合には、S29以降が再び実
行されるが、終了していれば、メインプログラムへの復
帰が行われる。
【0029】次に、前記原因推定ルーチンを図9に基づ
いて説明する。まず、S41において、p番目の異常振
動が読みだされる。先に説明したように、振動特性検出
ルーチンにおいて異常振動が検出されれば、異常振動メ
モリに記憶させられるのであるが、検出される異常振動
は1つとは限らないため、各異常振動に、検出された順
序を示す番号pが付されて記憶させられている。この番
号pの異常振動が読み出されるのである。各異常振動
は、前述のように、振動センサ14の取付位置(すなわ
ち異常振動の発生位置),加振形態,加振されたタイヤ
付車輪(すなわち加振輪),周波数,振幅等の情報によ
り特定されており、これらの情報を異常振動メモリから
読み出されるのである。
【0030】そして、S42において、読み出された異
常振動と同じ異常振動の情報がデータベース内にあるか
否かが検索され、有ればS44において、その異常振動
の発生原因およびその発生原因除去処置(すなわち異常
振動低減処置)がRAMの発生原因メモリに記憶され
る。発生原因は1つとは限らず、複数あればそれらのす
べてが記憶される。また、同じ異常振動がデータベース
にない場合は、新しい異常振動であって発生原因は不明
である旨の情報が記憶される。S46において、異常振
動メモリ内に記憶されている異常振動のすべてについて
発生原因の推定が行われたか否かが判定され、判定がN
Oであればさらに推定が行われるが、YESであればメ
インルーチンへの復帰が行われる。
【0031】以上の原因推定ルーチンの実行後に行われ
るメインルーチンのS13における出力は、前記異常振
動を特定する情報と、推定された発生原因と、その発生
原因の除去処置とがディスプレイ84に表示され、ある
いは必要に応じてプリントアウトされる等により行われ
るため、試験者はその出力から、異常振動の発生原因の
みならず、異常振動の低減処置も知ることができる。な
お、異常振動の周波数に関しては、周波数のみならず、
その周波数に対応する車20の走行速度も共に出力され
る。
【0032】異常振動の発生原因には種々のものがあ
り、それぞれに応じて異常振動低減処置も異なる。例え
ば、タイヤ付車輪22の動バランス不良は、ディスクホ
イール28へのアンバランスウエイトの取付けにより低
減させることができる。したがって、発生原因除去処置
として、アンバランスウエイトの取付けが表示される。
したがって、試験者は動バランスが不良であるタイヤ付
車輪22を車20から外し、ホイールバランサに取り付
けて動バランス取りを行えばよい。また、異常振動の発
生位置(部分)がステアリングホイール28であり、発
生原因がパワーステアリング系の取付状態の不適切等で
ある場合には、それら発生原因と共に、パワーステアリ
ング系の取付状態の修正,調整等が発生原因除去処置と
して出力される。発生原因が、サスペンションの調整不
良であれば、発生原因除去処置として、ゴムブッシュの
交換やショックアブソーバの調整,修理が出力される。
試験者はそれら出力に応じて発生原因除去処置を施せば
よい。
【0033】上記のように、コンピュータ16の出力情
報に従った異常振動低減処置を実行すれば、異常振動が
低減するはずであるが、念のため、異常振動低減処置の
実行後に、少なくとも、振動試験で発生した異常振動が
十分低減されたか否かを確認するための振動試験を行う
ことが望ましい。なお、ある異常振動を低減させると、
別の異常振動が発生することも稀にはあるため、標準メ
ニューの振動試験を行って、車20が完全な状態に戻さ
れたことを確認することが一層望ましい。
【0034】最後に、以上の振動試験に使用される加振
器10A以外の加振器10の数例を説明する。図11な
いし図14はその一つを原理的に示す図である。この加
振器10Bは、同じ形状,寸法の偏心回転体90を2個
備え、これら偏心回転体90が歯車列により共通の駆動
源であるACサーボモータ92(以下、モータと略称す
る)に接続されている。2個の偏心回転体90が、本体
としてのベース板98の中心線を含む面を対称面として
面対称の位置に設けられ、かつ、2個の偏心回転体90
の位相が上記対称面に対して互いに対称となるように歯
車列により接続されている。
【0035】具体的には、図15に示すように、2個の
偏心回転体90のそれぞれと一体的に設けられた同一寸
法の一対の歯車94が互いに噛み合わされるとともに、
一方の歯車94が、モータ92の回転軸に固定の歯車9
6と噛み合わされているのである。これら歯車94,9
6はギヤボックス100内に、偏心回転体90およびモ
ータ92はギヤボックス100外にそれぞれ設けられて
おり、ギヤボックス100はベース板98に、ベース板
98の中心線を回転中心線として相対回転可能とされて
おり、かつ、ギヤボックス100に固定のウォームホイ
ール102と、ベース板98に回転可能に取り付けら
れ、ウォームホイール102と噛み合わされたウォーム
104とを介してステッピングモータ106に接続され
ている。したがって、ステッピングモータ106によ
り、ギヤボックス100がベース板98に対して任意の
相対回転位相へ回転させられる。
【0036】本加振器10Bは、ベース板98の中心線
がディスクホイール24の回転中心線と同軸になるよう
にディスクホイール24に取り付けられる。そのための
取付手段は加振器10Aと同じである。したがって、モ
ータ92が回転させられれば、前記2個の偏心回転体9
0の対称面上において、ディスクホイール24の回転中
心線と直交する方向のベクトルで表される加振力が発生
する。加振力を表すディスクホイール24の回転中心線
を起点とするベクトルの先端の描く軌跡が、ディスクホ
イール24の回転中心線と直交する一直線となるのであ
る。そして、ステッピングモータ106の作動によりギ
ヤボックス100が回転させられることにより、上記直
線的な加振力の方向が、図12ないし図14に矢印で示
されているように、ディスクホイール24の回転中心線
まわりの任意の方向に変更される。また、ステッピング
モータ106に設けられたエンコーダによりギヤボック
ス100の回転位相が検出されるようになっている。こ
のエンコーダが加振方向検出装置を構成しているのであ
る。
【0037】本加振器10Bによれば、タイヤ付車輪2
2に所望の方向(位相)の加振力を加えることができ、
前記加振器10Bによる場合より、一層複雑な形態の加
振を実現することができ、また、情報量の多い試験結果
を得ることができる。例えば、複数のタイヤ付車輪22
に互いに方向が異なる加振力を加えることができるので
ある。前記加振器10Aにおいても、複数の加振器10
Aのモータ62の回転速度を互いに僅かに異ならせた状
態で加振すれば、複数のタイヤ付車輪22における加振
方向の相対位相を変えることができるのであるが、特定
のタイヤ付車輪22における加振方向が所望の方向であ
り、かつ、その特定のタイヤ付車輪22と別のタイヤ付
車輪22との加振方向の位相差が所望の大きさである状
態は、長い振動試験時間中のごく限られた時期であり、
その時期になるまで待つ外はない。それに対して、加振
器10Bによればそのような状態を意図的に作り出し得
るため、振動試験の種類によっては、所要時間を著しく
短縮することができる。
【0038】ただし、加振器10Bにおいて、ギヤボッ
クス100のベース板98に対する相対回転位相を変更
することにより、一対の偏心回転体90の加振方向を変
更し得るようにすることは不可欠ではない。ギヤボック
ス100とベース板98とが一体的な加振器10を取り
付けた状態で、タイヤ付車輪22を回転させれば加振方
向を変更することができるのである。そのためには、車
20を一時的にジャッキアップし、タイヤ付車輪22を
所望角度回転させた後、再び静止支持面に支持させる
か、あるいはタイヤ付車輪22を静止支持面に支持させ
たままの状態で車20を小距離移動させてタイヤ付車輪
22を所望角度回転させればよい。
【0039】図16に別の加振器10Cを原理的に示
す。この加振器10Cは上記加振器10Bにおいて、一
対の偏心回転体90が同方向に回転するようにしたもの
である。図16においては、一対の偏心回転体114が
ベルト116により接続することにより同方向に回転さ
せられるものが示されているが、例えば、上記加振器1
0Bにおいて、互いに噛み合わされていた歯車94を噛
み合わない状態とし、歯車96を両歯車94に直接噛み
合わせるなど、他の構成によっても実現し得る。本加振
器10Cにおいて、一対の偏心回転体114が図示のよ
うに180度の位相差を保って回転するようにすれば、
図中に矢印で示されている加振モーメントを発生させる
こと、すなわちディスクホイール24の回転中心線を中
心とし、周期的に増減(向きの反転も含む)する回転モ
ーメントを発生させることができる。
【0040】本加振器10Cは、上記のように、一対の
偏心回転体114が180度の位相差を保って回転する
態様の外、任意の相対位相で回転する態様でも使用する
ことができる。その場合には、回転モーメントと、ディ
スクホイール24の回転中心線と直交する方向の加振力
とが組み合わされた加振力が加えられることとなるが、
前記加振器10Bにおけると同様に、加振力の方向を任
意に変更し得るようにすることが望ましい。
【0041】さらに別の加振器10Dを図17および図
18に示す。本加振器10Dも2個の偏心回転体12
4,126を備えているが、両偏心回転体124,12
6は偏心質量が互いに異ならされている。偏心回転体1
24の偏心質量が偏心回転体126の偏心質量より大き
くされているのであり、それと同時に、偏心回転体12
4の回転が偏心回転体126の回転に対して1/2に回
転速度が減速されている。駆動源としてのACサーボモ
ータ128の回転を偏心回転体124,126に伝達す
る回転伝達装置がそのように構成されているのである。
【0042】そのため、本加振器10Dによりディスク
ホイール24に加えられる加振力は図18に示すよう
に、一次の加振力と周波数が倍である二次の加振力との
組合わせとなる。また、回転伝達装置は歯車列により構
成されているが、その歯車列の組換えにより、周波数が
4倍である四次の加振力も発生させ得るようにされてい
る。偏心回転体124が一次加振用、偏心回転体126
が二次あるいは四次加振用とされているのであり、本加
振器10Dによれば、高次の加振力の存在下における振
動試験を実施することができる。
【0043】以上説明した加振器10においては、2個
の偏心回転体の回転駆動源が共通とされ、一定の相対位
相を保って回転させられるようになっていた。このよう
にすれば、2個の偏心回転体の相対回転位相を一定に保
つことが容易となるが、2個の偏心回転体のそれぞれに
専用の回転駆動源を設け、それら回転駆動源を電気的に
同期させて作動させることも可能であり、また、回転駆
動源の回転を互いに独立に制御することにより、2個の
偏心回転体の相対回転位相を任意に変更し得るようにす
ることも可能である。
【0044】さらに、2個の偏心回転体が互いに異なる
回転中心線のまわりに回転させられるようにされていた
が、互いに同軸の回転中心線のまわりに回転させられる
ようにすることも可能である。また、図17および図1
8に示す加振器10Dにおいては、一次の偏心回転体1
24と高次の偏心回転体126とが、ベース板130を
間に挟んで互いに反対側に配設されている以外は、偏心
回転体がいずれもベース板よりディスクホイール24側
に配設されていた。これは、できる限りディスクホイー
ル24に近い位置において加振力を発生させるためであ
るが、周囲の条件によっては、図19に示すようにベー
ス板134と同一平面上、あるいは図20に示すよう
に、ベース板136に対してディスクホイール24とは
反対側に偏心回転体138,140を設けることも可能
である。図2に示した加振器10Aにおいては、タイヤ
付車輪22の側面に車両外側から接する平面から偏心回
転体60までの距離L1が負となっている(平面より内
側となっている)のに対して、図19および図20に示
す加振器10E,10Fにおいては、距離L2,L3が
正となり、後者の方が大きくなる。ただし、偏心回転体
自体の交換、あるいはアンバランスウエイト70の変更
の作業は、後者ほど容易である。
【0045】前記図3ないし図5の実施例においては、
偏心回転体60の回転駆動源が回転速度は制御可能であ
るが回転位相までは制御し得ないACサーボモータとさ
れていたが、ACサーボモータにエンコーダ等の回転位
相検出装置を付加して回転位相の制御を可能とし、ある
いは回転駆動源としてステッピングモータ等、モータ自
体が回転位相の制御が可能なモータを採用すれば、複数
のタイヤ付車輪22における加振力の相対位相を任意に
制御することが可能となる。ただし、ステッピングモー
タを使用する場合でも、脱調しないようにフィードバッ
ク制御を行うことが望ましい。複数のタイヤ付車輪22
における加振力の相対位相を任意に制御することができ
れば、例えば、4個のタイヤ付車輪22における加振力
の位相をすべて一致させ、あるいは左側の2輪と右側の
2輪との位相を互いに逆にし、あるいは前側の2輪と後
ろ側の2輪との位相を互いに逆にし、あるいは対角線上
に位置する2輪ずつの位相を逆にするなどの加振形態を
実現することができる。
【0046】さらに、以上の実施形態においては、振動
部材はすべて偏心回転体で構成されていたが、一直線に
平行な方向に振動する振動部材を備えた加振器の採用も
可能である。その場合、加振機構の駆動源は、一直線方
向に往復作動するものとすることも、回転するものとす
ることもできる。後者の場合には、駆動源と振動部材と
の間に、回転運動を直線往復運動に変換する運動変換装
置を設ければよいのである。振動部材が一定角度範囲内
で往復回動するものなど、他の加振器を採用することも
可能である。
【0047】以上、本発明の実施形態を詳細に説明した
が、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解
決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に
記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて
種々の変更、改良を施した形態で実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である車両の異常振動発生
原因推定システムの外観図である。
【図2】上記システムの加振器の一例を示す斜視図であ
る。
【図3】上記加振器の正面断面図である。
【図4】上記加振器のディスクホイールへの取付装置の
一部を示す正面断面図である。
【図5】上記加振器における偏心回転体の一例を示す正
面図(一部切欠)である。
【図6】前記異常振動発生原因推定システムにおける加
振器と振動センサとの取付位置を概念的に示す平面図で
ある。
【図7】前記異常振動発生原因推定システムにおいて使
用される異常振動発生原因推定プログラムのメインルー
チンを示すフローチャートである。
【図8】上記メインルーチン中における振動特性検出ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図9】上記メインルーチン中における発生原因推定ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図10】上記発生原因推定ルーチンの実施時に使用さ
れるデータベースの内容の一部を示す図である。
【図11】前記異常振動発生原因推定システムにおいて
使用される加振器の別の例を概略的に示す正面断面図で
ある。
【図12】図11の加振器の一作動状態を概念的に示す
図である。
【図13】図11の加振器の別の作動状態を概念的に示
す図である。
【図14】図11の加振器のさらに別の作動状態を概念
的に示す図である。
【図15】図11の加振器の要部の具体的な構造を示す
正面断面図である。
【図16】前記異常振動発生原因推定システムにおいて
使用される加振器のさらに別の例を概略的に示す図であ
る。
【図17】前記異常振動発生原因推定システムにおいて
使用される加振器のさらに別の例を概略的に示す正面断
面図である。
【図18】上記加振器を概念的に示す図である。
【図19】本発明の別の実施形態における加振器を示す
斜視図である。
【図20】本発明のさらに別の実施形態における加振器
を示す斜視図である。
【符号の説明】
10:加振器 12:モータアンプ 14:振動セ
ンサ 16:コンピュータ 20:四輪自動車
22:タイヤ付車輪 24:ディスクホイール 26:タイヤ 32:鋼板 36:ハブボルト
38:ハブナット 40 アクスルハブ 42 支柱 44 ベース板
60 偏心回転体 62:ACサーボモータ 64:ギヤボックス 9
0,114,124,138,140:偏心回転体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクホイールの外周にタイヤが装着
    されたタイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両を加振
    する方法であって、 前記ディスクホイールに加振器を取り付け、前記車体を
    前記タイヤ付車輪を介して静止支持面に支持させた状態
    で、前記加振器を作動させることによりディスクホイー
    ルを介して車体を振動させることを特徴とする車両の加
    振方法。
  2. 【請求項2】 ディスクホイールの外周にタイヤが装着
    されたタイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両を加振
    する加振器であって、 本体と、 その本体に対して相対移動可能な振動部材と、 その振動部材を本体に対して振動させる加振機構と、 前記本体を、前記ディスクホイールに固定する固定装置
    とを含む加振器。
  3. 【請求項3】 前記固定装置が、前記ディスクホイール
    をハブに取り付けるためにハブに固定されたハブボルト
    に、それらハブボルトに螺合されるハブナットの代わり
    に螺合されることによりディスクホイールをハブに固定
    すると同時にディスクホイールに固定され、前記本体を
    保持する複数の雌ねじ部材を含む請求項2に記載の加振
    器。
  4. 【請求項4】 前記振動部材が、前記本体に回転中心線
    まわりに回転可能に取り付けられ、回転中心線に対して
    偏心した偏心質量を有する偏心回転体を含み、前記加振
    機構が、その偏心回転体を回転させる回転駆動装置を含
    む請求項2または3に記載の加振器。
  5. 【請求項5】 前記偏心回転体として、互いに等しい偏
    心質量を有するものを2個備え、それら2個の偏心質量
    が、前記ディスクホイールの回転中心線に対して互いに
    対称に配置されており、かつ、前記回転駆動装置が、そ
    れら2個の偏心回転体に共通の駆動源と、その駆動源の
    運動を2個の偏心回転体に伝達する回転伝達装置とを含
    む請求項4に記載の加振器。
  6. 【請求項6】 前記回転伝達装置が、前記2個の偏心回
    転体に、それらが互いに逆方向に同期して回転するよう
    に回転を伝達する逆方向回転伝達装置を含む請求項5に
    記載の加振器。
  7. 【請求項7】 前記複数個の偏心回転体が2個であり、
    前記回転駆動装置が、それら2個の偏心回転体のうち偏
    心質量の小さいものを偏心質量の大きいものより大きな
    回転速度で回転させるものである請求項4に記載の加振
    器。
  8. 【請求項8】 前記回転駆動装置がサーボモータを含む
    請求項4ないし7のいずれか1つに記載の加振器。
  9. 【請求項9】 前記偏心回転体の偏心質量の大きさと偏
    心量との少なくとも一方を変更することにより、当該加
    振器の加振力を変更する加振力変更装置を含む請求項4
    ないし8のいずれか1つに記載の加振器。
  10. 【請求項10】 ディスクホイールの外周にタイヤが装
    着されたタイヤ付車輪が車体に取り付けられた車両の振
    動特性を検出する方法であって、 請求項2ないし9のいずれか1つに記載の加振器を前記
    車両の複数のタイヤ付車輪のディスクホイールに取り付
    け、それら複数の加振器の作動/非作動,加振周波数,
    加振形態の少なくとも1つを含む加振状態を変更しつつ
    前記車両の少なくとも一か所の振動を検出し、その検出
    した振動と前記加振器の加振状態とに基づいて車両の振
    動特性を検出することを特徴とする車両の振動特性検出
    方法。
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