JP2001165612A - レーザ干渉計 - Google Patents

レーザ干渉計

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JP2001165612A
JP2001165612A JP34941699A JP34941699A JP2001165612A JP 2001165612 A JP2001165612 A JP 2001165612A JP 34941699 A JP34941699 A JP 34941699A JP 34941699 A JP34941699 A JP 34941699A JP 2001165612 A JP2001165612 A JP 2001165612A
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light
laser
signal light
fabry
signal
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JP34941699A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Nagasawa
泰之 長沢
Takashi Doi
崇史 土井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ干渉計に関し、レーザを高出力化する
ことなく信号光のパワーを増加させ、S/N比を向上さ
せることを可能にする。 【解決手段】 計測対象物1に向けてレーザ光3を照射
するレーザ光源2と、レーザ光3が計測対象物1で反射
して得られる信号光4を入出力ミラー14と反射ミラー
15との間で反射往復させて共振増幅させるファブリペ
ロー干渉計13と、ファブリペロー干渉計13を通過し
た信号光4を電気信号に変換して処理する信号処理手段
16,17とをそなえたレーザ干渉計において、信号光
4のファブリペロー干渉計13への入射路上にフォトリ
フラクティブ結晶8を配設し、フォトリフラクティブ結
晶8に入射した信号光4に参照光9を所定の角度で交差
させるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業機械等の分野
において、超音波により誘起される物体の表面振動の計
測に用いるレーザ干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ干渉計は非接触,高帯域等の特長
を有しており、多くの分野において、機械等の物体の振
動の計測に用いられている。特に超音波計測は非破壊検
査等の工業的に極めて有用であり、レーザ干渉計の適用
も多く見られる。図6は従来のレーザ干渉計を用いた超
音波振動計測系を示したものである。この従来の超音波
振動計測系は、図6に示すように超音波により表面振動
が誘起された計測対象物1に向けてレーザ2を配設し、
計測対象物1の表面に向けてレーザ光3を照射するよう
になっている。照射されたレーザ光3は計測対象物1の
表面で散乱され、その散乱光は周波数,位相に計測対象
物1の表面振動の情報が含まれる信号光4となる。信号
光4の散乱方向にはレンズ5が配設されており、信号光
4はこのレンズ5で集光されて光ファイバ6に導入さ
れ、光ファイバ6を通過した信号光4はレンズ7,ビー
ムスプリッタ12を通してファブリペロー干渉計13に
導入されるようになっている。
【0003】ファブリペロー干渉計13は、平行に配置
された2枚のミラー間の繰返反射による等傾角干渉を利
用するものであり、導入された信号光4は入出力ミラー
14と反射ミラー15との間を反射往復し、振動信号が
共振増幅された後に入出力ミラー14から出力されるよ
うになっている。そして、出力された信号光4はビーム
スプリッタ12で反射され、ディテクタ(光検出器)1
6において電気信号に変換された後、最後に信号処理装
置17で処理,評価されるようになっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】ところが、上述した従来
のレーザ干渉計を用いた超音波振動計測系には以下のよ
うな課題がある。まず、ディテクタ16におけるS/N比
は、ディテクタ16への信号光4の入力パワーをPiと
すると次式(1)で表される。
【0005】 S/N∝Pi2 ・・・(1) 上式(1)から分かるように、S/N比の向上にはディ
テクタ16への入力パワーPiの増加が有効である。し
かしながら、超音波振動計測系では散乱光を信号光4と
して検出するため、信号光4のパワーは微少となる。信
号光4のパワーを増加させるにはレーザ2の出力を上げ
ることも考えられるが、高出力レーザは干渉性、安定性
に問題があり、このような系には適用できない。このた
め、レーザ2は低出力にならざるを得ず、高出力化によ
るS/N比の向上は難しい。
【0006】また、S/N比の向上対策として、光ファ
イバ6としてマルチモードファイバを用い、レンズ5と
の結合効率を上げることにより信号光4のパワーの増加
を図ることも考えられる。しかしながら光ファイバ6と
してマルチモードファイバを用いる場合には、信号光4
が光ファイバ6中を伝搬する際に分散の影響を受けるた
め、信号がなまってしまう。このため、検出信号の立ち
上がり等の詳細な評価が困難になるという課題がある。
これに対し、光ファイバ6としてシングルモードファイ
バを用いれば上記の課題は解決できるが、得られる信号
パワーが低くなるためS/N比を向上させることはでき
ない。
【0007】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、レーザを高出力化することなく信号光のパワ
ーを増加させ、S/N比を向上させることを可能にし
た、レーザ干渉計を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のレーザ干渉計は、計測対象物に向けてレーザ
光を照射するレーザ光源と、該レーザ光が該計測対象物
で反射して得られる信号光を入出力ミラーと反射ミラー
との間で反射往復させて共振増幅させるファブリペロー
干渉計と、該ファブリペロー干渉計を通過した該信号光
を電気信号に変換して処理する信号処理手段とをそなえ
たレーザ干渉計において、該信号光の該ファブリペロー
干渉計への入射路上、若しくは該信号光の該ファブリペ
ロー干渉計からの出射路上にフォトリフラクティブ結晶
を配設し、該フォトリフラクティブ結晶に入射した該信
号光に参照光を所定の角度で交差させるように構成した
ことを特徴としている。なお、好ましくはビーム分割手
段をそなえ、該レーザ光から参照光を分割して取り出す
ようにする。
【0009】また、請求項2記載の本発明のレーザ干渉
計は、計測対象物に向けてレーザ光を照射するレーザ光
源と、該レーザ光が該計測対象物で反射して得られる信
号光を入出力ミラーと反射ミラーとの間で反射往復させ
て共振増幅させるファブリペロー干渉計と、該ファブリ
ペロー干渉計を通過した該信号光を電気信号に変換して
処理する信号処理手段とをそなえたレーザ干渉計におい
て、該反射ミラーをフォトリフラクティブ結晶で構成
し、該フォトリフラクティブ結晶に入射した該信号光に
向けて参照光を対向する2方向から照射するように構成
するとともに、該ファブリペロー干渉計への該信号光の
入射路と該ファブリペロー干渉計からの該信号光の出射
路とを光学的対称に構成したことを特徴としている。な
お、好ましくは光分割手段をそなえ、該レーザ光から参
照光を分割して取り出すようにする。
【0010】
【発明の実施形態】以下、図面を参照しながら本発明の
実施の形態について説明する。図1,図2は本発明の第
1実施形態としてのレーザ干渉計について示すものであ
り、図1は本レーザ干渉計を用いた超音波振動計測系の
全体構成図、図2は本レーザ干渉計にかかるフォトリフ
ラクティブ結晶の作用を説明するための図である。な
お、図1において前述した従来のレーザ干渉計と同一の
部位については同一の符号を用いて示し、詳細な説明は
省略するものとする。
【0011】本レーザ干渉計は、図1に示すように、従
来のレーザ干渉計(図6参照)と同様に、計測対象物1
にレーザ光3を照射するレーザ(レーザ光源)2,レー
ザ光3が計測対象物1で反射して得られる信号光4を入
出力ミラー14と反射ミラー15との間で反射往復させ
て共振増幅させるファブリペロー干渉計13,ファブリ
ペロー干渉計13を通過した信号光4を電気信号に変換
するディテクタ16,その電気信号を処理,評価する信
号処理装置17等の構成要素をそなえている。なお、デ
ィテクタ16と信号処理装置17とにより、信号処理手
段が構成されている。
【0012】そして、本レーザ干渉計では、さらに、レ
ンズ7からビームスプリッタ12までの信号光4の進路
上にフォトリフラクティブ結晶8をそなえるとともに、
レーザ2と計測対象物1との間にレーザ光3から参照光
9を分割して取り出すためのビームスプリッタ(光分割
手段)10をそなえている。フォトリフラクティブ結晶
8としてはBi12SiO20,BaTiO3等が用いられ、レンズ7
を通過した信号光4とともに、レーザ光3から分割され
た参照光9が信号光4に対して所定の角度θをなして入
射されるようになっている。また、フォトリフラクティ
ブ結晶8の信号光4,参照光9の入光面に平行な結晶軸
方向には電源11により外部電界が架けられている。
【0013】以下、上述のような構成を有する本発明の
第1実施形態としてのレーザ干渉計を用いて計測対象物
1の振動を計測する際の作用効果について説明する。超
音波により表面振動が誘起された計測対象物1の表面に
向けてレーザ2から照射されたレーザ光3は、その一部
がビームスプリッタ10により分割されて参照光9とな
る。計測対象物1に照射されたレーザ光3はその表面で
散乱し、その散乱光は周波数,位相に計測対象物1の表
面振動の情報が含まる信号光4となる。信号光4は散乱
方向に向けて配設されたレンズ5で集光され、光ファイ
バ6に導入される。
【0014】光ファイバ6に導入された信号光4はレン
ズ7を通過した後、電源11により外部電界が架けられ
たフォトリフラクティブ結晶8に入射される。また、信
号光4の入射と同時にフォトリフラクティブ結晶8には
信号光4と所定の角度θをなしてビームスプリッタ10
で分割された参照光9が入射される。このとき、信号光
4と参照光9との間で干渉が生じ、フォトリフラクティ
ブ結晶8の作用により、信号光4と参照光9とのパワー
比,交差角θ,電源11出力に応じて信号光4が増幅さ
れる。
【0015】ここで、図2を用いて電源11により電界
が架けられているときのフォトリフラクティブ結晶8の
作用について説明する。はじめに、フォトリフラクティ
ブ結晶8とはBi12SiO20等の常磁性体やBaTiO3,LiNbO3
等の強誘電体であるが、これらには通常Fe,Co等の不純
物が混入しており、この不純物や格子欠陥がドナー準位
を形成している。このような状態において光を照射する
と、ドナー準位から伝導体に遷移した電子がドリフト,
拡散し、その結果結晶内に電荷分布変化を生じ、照射し
た光の入力強度分布に応じた空間的な屈折率変化(屈折
率格子)を形成する。
【0016】したがって、図2に示すように、2方向か
らレーザ光I1(z),I2(z)を照射してフォトリフラクテ
ィブ結晶8中で交差させると、2つのレーザ光I1(z),
2(z)の干渉によって生じる干渉縞(強度分布)によ
り、上述した屈折率格子が誘起される。干渉縞と屈折率
格子とは必ずしも同位相ではなく、その結果、屈折率格
子は回折格子として働き、2つのレーザ光I1(z),I
2(z)の一方から他方へパワーの流れ込みが生じる(これ
を2光波混合による光増幅という)。なお、フォトリフ
ラクティブ結晶8は比較的厚いので(一般的には1〜5
mm程度)、結晶内部の光間の結合とその結果として生じ
る屈折率格子の変更とが同時に進行し、光増幅はある時
定数で定常状態に収束する。
【0017】例えば、I1(0)<I2(0)の場合にはI2(z)
からI1(z)へパワーの流れ込みが生じ、この結果、フォ
トリフラクティブ結晶8から出射されるときのI1(z)は
次式(2)で表されるようになる。
【0018】
【式1】
【0019】上式(2)において、Γはフォトリフラク
ティブ結晶8の増幅係数、zはフォトリフラクティブ結
晶8の厚さ、Cは定数である。増幅係数Γは次式(3)
で表される。
【0020】
【式2】
【0021】上式(3)において、λはレーザ光の波
長、θはI1(z),I2(z)の交差角、n 0はフォトリフラ
クティブ結晶8のレーザ光の波長λにおける屈折率、γ
41はフォトリフラクティブ結晶8の電光学定数、Eはフ
ォトリフラクティブ結晶8に架けられた電界であり、φ
はI1(z),I2(z)がフォトリフラクティブ結晶8内で形
成した干渉縞とその干渉によって形成される屈折率格子
〔フォトリフラクティブ結晶8の屈折率の周期分布(グ
レーティング)〕と間の位相差である。
【0022】また、ΔφはI1(z),I2(z)の位相差にΔ
ψの変化が生じたときに発生する、I1(z),I2(z)がフ
ォトリフラクティブ結晶8内で形成した干渉縞とその干
渉によって形成される屈折率格子と間の位相差であり、
次式(4)で表される。なお、Λは干渉縞のピーク間隔
である。
【0023】
【式3】
【0024】以上の式(2)〜式(4)によって示され
るように、フォトリフラクティブ結晶8内において、2
本のレーザ光I1(z),I2(z)を干渉させると〔ただし、
1(0)<I2(0)〕、その位相差の変化Δψに応じて一方
のレーザ光I1(z)のパワーが増加する。したがって、本
レーザ干渉計のようにフォトリフラクティブ結晶8内に
おいて信号光4と参照光9とを干渉させた場合には、計
測対象物1の表面振動により信号光4に与えられる位相
変化Δψに応じて信号光4は増幅され、信号光4のパワ
ーが増加することになる。また、この信号光4の増幅
は、信号光4と参照光9のパワー比,交差角θ,電界E
の適正化を図ることによって最大にすることができる。
【0025】そして、上述のようなフォトリフラクティ
ブ結晶8の作用により増幅された信号光4は、ビームス
プリッタ12を通過してファブリペロー干渉計13に導
入される。ファブリペロー干渉計13に導入された信号
光4は入出力ミラー14と反射ミラー15との間を反射
往復し、振動信号が共振増幅された後に入出力ミラー1
4から出力される。そして、ファブリペロー干渉計13
から出力された信号光4はビームスプリッタ12で反射
され、ディテクタ16において電気信号に変換された
後、信号処理装置17で処理,評価される。
【0026】以上のように、本レーザ干渉計によれば、
フォトリフラクティブ結晶8をファブリペロー干渉計1
3に組み合わせて構成し、フォトリフラクティブ結晶8
とファブリペロー干渉計13との2段階で信号光4のパ
ワーを増幅させることが可能であるので、レーザ2を高
出力化することなくディテクタ16におけるS/N比を
向上させることができ、より詳細な信号の解析が可能に
なるという利点がある。
【0027】なお、上述の実施形態では、フォトリフラ
クティブ結晶8をファブリペロー干渉計13の前段に設
置しているが、その逆にファブリペロー干渉計13の後
段に、具体的には、ビームスプリッタ12からディテク
タ16までの信号光4の進路上にフォトリフラクティブ
結晶8を設置するようにしてもよい。この場合でも上述
の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、上
述の実施形態では、参照光9をビームスプリッタ10に
よりレーザ光3から分割して取りだしているが、レーザ
光3から取り出すのではなく他の手段を用いて参照光9
を作り出すようにしてもよい。
【0028】次に、本発明の第2実施形態としてのレー
ザ干渉計について図3〜図5を用いて説明する。図3は
本レーザ干渉計を用いた超音波振動計測系の全体構成
図、図4は本レーザ干渉計にかかるフォトリフラクティ
ブ結晶の作用を説明するための図、図5は本レーザ干渉
計にかかるファブリペロー干渉計の反射ミラーの詳細構
成図である。なお、図3において前述した従来のレーザ
干渉計と同一の部位については同一の符号を用いて示
し、詳細な説明は省略するものとする。
【0029】本レーザ干渉計は、第1実施形態と同様に
ファブリペロー干渉計とフォトリフラクティブ結晶とを
組み合わせたものである。しかしながら、第1実施形態
がファブリペロー干渉計13の前段にフォトリフラクテ
ィブ結晶8を配設し、フォトリフラクティブ結晶8で増
幅した信号光4をさらにファブリペロー干渉計13で増
幅するような構成であるのに対し、本レーザ干渉計は、
図3に示すように、ファブリペロー干渉計13の反射ミ
ラー18をフォトリフラクティブ結晶で構成し、対向す
る2方向から参照光9を照射するように構成したことを
特徴としている。
【0030】また、本レーザ干渉計は、ファブリペロー
干渉計13への信号光4の入力系とファブリペロー干渉
計13からの出力系とを反射ミラー18を中心に光学的
対称を成して構成したことも特徴としている。すなわ
ち、本レーザ干渉計では、ファブリペロー干渉計13か
ら出力された信号光4はビームスップリッタ12におい
て反射された後、レンズ19により光ファイバ20に導
入され、その後レンズ21で集光されてディテクタ16
に入力されるようになっているが、レンズ7とレンズ1
9,光ファイバ6と光ファイバ20及びレンズ5とレン
ズ21とはそれぞれ同一のものを用いているのである。
なお、レーザ2と計測対象物1との間にレーザ光3から
参照光9を分割して取り出すためのビームスプリッタ
(光分割手段)10をそなえた構成については、第1実
施形態と同様である。
【0031】以下、上述のような構成を有する本発明の
第2実施形態としてのレーザ干渉計を用いて計測対象物
1の振動を計測する際の作用効果について説明する。超
音波により表面振動が誘起された計測対象物1の表面に
向けてレーザ2から照射されたレーザ光3は、その一部
がビームスプリッタ10により分割されて参照光9とな
る。計測対象物1に照射されたレーザ光3はその表面で
散乱し、その散乱光は周波数,位相に計測対象物1の表
面振動の情報が含まる信号光4となる。信号光4は散乱
方向に向けて配設されたレンズ5で集光され、光ファイ
バ6に導入される。
【0032】光ファイバ6に導入された信号光4はレン
ズ7を通過した後、ファブリペロー干渉計13へ入射す
る。ファブリペロー干渉計13へ入射した信号光4には
光ファイバ6,レンズ7の分散等の影響により波面に位
相歪が生じている。入出射ミラー14を通過した信号光
4は、反射ミラー18において反射するが、このとき、
フォトリフラクティブ結晶により構成された反射ミラー
(以下、フォトリフラクティブ結晶と表記する)18の
作用により、信号光4の波面は反転させられる。
【0033】詳述すると、フォトリフラクティブ結晶1
8によるレーザ光の波面の反転は、4光波混合により形
成される位相共役鏡により、レーザ光が位相共役光に変
換されることにより得られる。以下、図4を用いて本実
施形態にかかるフォトリフラクティブ結晶18の作用に
ついて説明する。まず、位相歪のないもとの信号光I0
を次式(5)で表すものとする。
【0034】 I0=ψ0exp[i(k・r−ωt)] ・・・(5) なお、ψ0は信号光I0の複素振幅、kは波数ベクトル、r
は位置ベクトル、ωは光周波数、tは時間である。この
信号光I0がレンズや光ファイバ等の媒質中を通過する
ことにより、次式(6)で表される信号光Iとなる。 I=ψexp[i(k・r−ωt)] ・・・(6) ここで、ψはレンズや光ファイバ等の媒質中を通過した
信号光Iの複素振幅であり、ψsを媒質の通過による変
化分とするとψは次式(7)で表される。
【0035】 ψ=ψ0・ψs ・・・(7) 上記の信号光(プローブ波)Iは、一方の参照光(ポン
プ波)IFPとフォトリフラクティブ結晶18中で干渉
し、フォトリフラクティブ結晶18中にホログラム格子
19を形成する。このホログラム格子19でもう一方の
参照光(ポンプ波)IBPが回折され、次式(7)で表さ
れる位相共役光I*が発生する。
【0036】 I*=ψ*exp[i(k・r−ωt)] ・・・(8) ここで、ψ*は位相共役光の複素振幅であり、ψs *をψs
の複素共役とすると、ψ*は次式(9)で表される。 ψ*=ψ0・ψs * ・・・(9) 本レーザ干渉計の場合、信号光4(信号光I)がレンズ
5,光ファイバ6及びレンズ7を通過する際に式(6)
に示すように位相歪が生じる。また、図5に示すよう
に、フォトリフラクティブ結晶(反射ミラー)18を挟
むようにミラー22,23からなる共振器が配設されて
おり、ビームスプリッタ10で分岐された参照光9は信
号光4のフォトリフラクティブ結晶18への入射と同時
に一方のミラー22から入射し、2枚のミラー22,2
3間を反射往復して対向する2方向からの参照光IFP
BPとなる。そして、このフォトリフラクティブ結晶1
8における4光波混合により信号光Iに対する位相共役
光I*が発生する。
【0037】フォトリフラクティブ結晶18において発
生した位相共役光I*は、反射光として入出力ミラー1
4から出射され、ビームスプリッタ12で反射された
後、レンズ19,光ファイバ20及びレンズ21を通過
する。このとき、上述したようにレンズ7とレンズ1
9,光ファイバ6と光ファイバ20及びレンズ5とレン
ズ21とはそれぞれ同一のものであり、ファブリペロー
干渉計13への信号光4の入力系とファブリペロー干渉
計13からの出力系とは反射ミラー18を中心に光学的
対称を成して構成されているので、位相共役光I*がレ
ンズ19,光ファイバ20及びレンズ21を通過したと
きのレンズ21からの出射光I'は次式(10)で表さ
れる。
【0038】 I'=ψs *・I*=ψs *ψ0ψsexp[i(k・r−ωt)] =ψ0exp[i(k・r−ωt)]=I0 ・・・(10) このように入射時の信号光4(信号光I)の波面が反転
した位相共役光I*が信号光4の入射路と光学的に対称
な経路を伝搬することにより、レンズ5,光ファイバ6
及びレンズ7を通過する際に生じた位相歪は補正され波
面は回復される。そして、レンズ21からの出射光I'
はディテクタ16において電気信号に変換された後、信
号処理装置17で処理,評価される。
【0039】以上のように、本レーザ干渉計によれば、
ファブリペロー干渉計13の反射ミラー18をフォトリ
フラクティブ結晶で構成し、反射ミラー18に入射した
信号光4に向けて参照光9を対向する2方向から照射す
るように構成するとともに、ファブリペロー干渉計13
への入射路とファブリペロー干渉計13からの出射路と
を光学的対称に構成しているので、4光波混合により位
相共役光を発生させることができるとともに、発生した
位相共役光を入射路と光学的対称な出射路を伝搬させる
ことで入射路において信号光4に生じた位相歪を補正す
ることができ、光ファイバ等を用いた伝搬における信号
の劣化を防いでより詳細な信号の解折が可能になるとい
う利点がある。
【0040】なお、上述の実施形態では、ビームスプリ
ッタ10によりレーザ光3から分割して取りだした参照
光9を用いて4光波混合のための参照光IFP,IBPを作
り出しているが、レーザ光3から取り出すのではなく他
の手段を用いて参照光IFP,IBPを作り出すようにして
もよい。さらに、外部からの参照光9を用いることな
く、フォトリフラクティブ結晶の結晶内部の散乱光によ
り参照光IFP,IBPを発生させることも可能である。た
だし、この場合には発生する位相共役光I*のパワーは
低くなる。
【0041】以上、本発明のレーザ干渉計について2つ
の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施することができるものである。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のレーザ干渉計によれば、フォトリフラクティブ結
晶をファブリペロー干渉計に組み合わせて構成し、フォ
トリフラクティブ結晶とファブリペロー干渉計との2段
階で信号光のパワーを増幅させることが可能であるの
で、レーザ光源を高出力化することなく信号処理手段に
おけるS/N比を向上させることができ、より詳細な信
号の解析が可能になるという利点がある。
【0043】また、請求項2記載の本発明のレーザ干渉
計によれば、ファブリペロー干渉計の反射ミラーをフォ
トリフラクティブ結晶で構成し、反射ミラーに入射した
信号光に向けて参照光を対向する2方向から照射するよ
うに構成するとともに、ファブリペロー干渉計への入射
路とファブリペロー干渉計からの出射路とを光学的対称
に構成しているので、4光波混合により位相共役光を発
生させることができるとともに、発生した位相共役光を
入射路と光学的対称な出射路を伝搬させることで入射路
において信号光に生じた位相歪を補正することができ、
光ファイバ等を用いた伝搬における信号の劣化を防いで
より詳細な信号の解折が可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのレーザ干渉計を
用いた超音波振動計測系の全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態としてのレーザ干渉計に
かかるフォトリフラクティブ結晶の作用を説明するため
の図である。
【図3】本発明の第2実施形態としてのレーザ干渉計を
用いた超音波振動計測系の全体構成図である。
【図4】本発明の第2実施形態としてのレーザ干渉計に
かかるフォトリフラクティブ結晶の作用を説明するため
の図である。
【図5】本発明の第2実施形態としてのレーザ干渉計に
かかるファブリペロー干渉計の反射ミラーの詳細構成図
である。
【図6】従来のレーザ干渉計を用いた超音波振動計測系
の全体構成図である。
【符号の説明】
1 計測対象物 2 レーザ 3 レーザ光 4 信号光 5,21 レンズ 6,20 光ファイバ 7、19 レンズ 8 フォトリフラクティブ結晶 9 参照光 10,12 ビームスプリッタ 11 電源 13 ファブリペロー干渉計 14 入出力ミラー 15 反射ミラー 16 ディテクタ 17 信号処理装置 18 反射ミラー(フォトリフラクティブ結晶) 22,23 ミラー I1,I2 レーザ光 I 信号光 I* 位相共役光 IFP,IBP 参照光

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測対象物に向けてレーザ光を照射する
    レーザ光源と、該レーザ光が該計測対象物で反射して得
    られる信号光を入出力ミラーと反射ミラーとの間で反射
    往復させて共振増幅させるファブリペロー干渉計と、該
    ファブリペロー干渉計を通過した該信号光を電気信号に
    変換して処理する信号処理手段とをそなえたレーザ干渉
    計において、 該信号光の該ファブリペロー干渉計への入射路上、若し
    くは該信号光の該ファブリペロー干渉計からの出射路上
    にフォトリフラクティブ結晶を配設し、該フォトリフラ
    クティブ結晶に入射した該信号光に参照光を所定の角度
    で交差させるように構成したことを特徴とする、レーザ
    干渉計。
  2. 【請求項2】 計測対象物に向けてレーザ光を照射する
    レーザ光源と、該レーザ光が該計測対象物で反射して得
    られる信号光を入出力ミラーと反射ミラーとの間で反射
    往復させて共振増幅させるファブリペロー干渉計と、該
    ファブリペロー干渉計を通過した該信号光を電気信号に
    変換して処理する信号処理手段とをそなえたレーザ干渉
    計において、 該反射ミラーをフォトリフラクティブ結晶で構成し、該
    フォトリフラクティブ結晶に入射した該信号光に向けて
    参照光を対向する2方向から照射するように構成すると
    ともに、 該ファブリペロー干渉計への該信号光の入射路と該ファ
    ブリペロー干渉計からの該信号光の出射路とを光学的対
    称に構成したことを特徴とする、レーザ干渉計。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2314235A3 (en) * 2009-10-21 2015-03-18 Covidien LP Methods for ultrasonic tissue sensing and feedback
US9050089B2 (en) 2011-05-31 2015-06-09 Covidien Lp Electrosurgical apparatus with tissue site sensing and feedback control
US9693816B2 (en) 2012-01-30 2017-07-04 Covidien Lp Electrosurgical apparatus with integrated energy sensing at tissue site

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