JP2001164993A - スターリングエキスパンダ - Google Patents

スターリングエキスパンダ

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JP2001164993A
JP2001164993A JP35309799A JP35309799A JP2001164993A JP 2001164993 A JP2001164993 A JP 2001164993A JP 35309799 A JP35309799 A JP 35309799A JP 35309799 A JP35309799 A JP 35309799A JP 2001164993 A JP2001164993 A JP 2001164993A
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stirling
pressure gas
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temperature chamber
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Sumio Yagyu
寿美夫 柳生
Naoji Isshiki
尚次 一色
Seita Isshiki
誠太 一色
Hiroshi Kojima
博 小島
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Kubota Corp
Maeta Concrete Industry Ltd
Kashiyama Industries Ltd
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Kubota Corp
Maeta Concrete Industry Ltd
Kashiyama Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スターリングエキスパンダの圧力ガス使用量
を低減する。 【解決手段】 半周期の位相差をもって動作する2組の
スターリング機構A,A′の夫々について、容積減少工
程から容積増加工程への移行時点付近で低温室C,C′
へ圧力ガスS,S′を注入し、かつ、容積減少工程に伴
い低温室C,C′から内部圧力ガスS,S′の一部を排
出する圧力ガス給排手段Lを設け、これらスターリング
機構A,A′の相互において、一方が容積増加工程から
容積減少工程への移行時点付近で圧力ガス給排手段Lに
よる圧力ガス排出の直前時期にあり、かつ、他方が容積
減少工程から容積増加工程への移行時点付近で圧力ガス
給排手段Lによる圧力ガス注入の直前時期にあるとき、
圧力ガス回収用の連通路22を開いて両スターリング機
構A,A′の低温室C,C′どうしを連通させる弁手段
23を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の用途の動力
源に用いるスターリングエキスパンダに関し、詳しく
は、作動ガスを熱再生器を通じて低温室から加熱器を備
える高温室へ移動させる高温化工程と、熱再生器を通じ
て連通する低温室と高温室との全室容積を増加させる容
積増加工程と、作動ガスを熱再生器を通じて高温室から
低温室へ移動させる低温化工程と、低温室と高温室との
全室容積を減少させる容積減少工程とを、その順に繰り
返すスターリング機構において、容積減少工程から容積
増加工程への移行時点付近で低温室へ作動ガスとする圧
力ガスを注入し、かつ、容積減少工程に伴い低温室から
作動ガスとしての内部圧力ガスの一部(先の注入量に対
し質量的に相当する量)を排出する圧力ガス給排手段を
設けたスターリングエキスパンダに関する。
【0002】
【従来の技術】このようなスターリングエキスパンダ
は、スターリングサイクルを行うスターリングエンジン
や、ランキンサイクルを行う蒸気機関に比べ、図4に実
線で示す如き複合サイクル(一点鎖線で示す如きスター
リングサイクルの上半部を上部に有し、二点鎖線で示す
如きランキンサイクルの下半部を下部に有する複合サイ
クル)の実施により高い比出力を得られるものとして、
また、高圧ヘリウムガスなどの封入ガスを作動ガスとす
るスターリングエンジンに比べ、特殊な作動ガスの高圧
封入が不要で装置構造も簡略にし得るものとして提案さ
れているが、従来、この種のスターリングエキスパンダ
では、熱再生器及び加熱器による熱付与により容積増加
工程で膨張させた作動ガスとしての内部圧力ガス(例え
ば蒸気)を、低温化工程において熱再生器で熱回収する
ものの、容積減少工程に伴い圧力ガス給排手段により低
温室から大気中ないし復水器へ単に排出していた(例え
ば、特開平11−107856号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、容積増加工程
の終期で膨張を完了した内部圧力ガスとは言え、圧力ガ
ス給排手段による圧力ガス排出に至るまでは閉塞の作動
ガス空間(高温室と低温室との連通空間)において熱再
生器や加熱器の存在により未だかなり高い圧力(例え
ば、圧力ガス給排手段による圧力ガス注入圧力の40%
程度の圧力)を保有しており、このような膨張内部圧力
ガスを上記の如く単に大気中ないし復水器へ排出してし
まう点で従来装置にはエネルギー的な無駄があり、この
点、未だ改善の余地があった。
【0004】この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、
容積増加工程で膨張させた内部圧力ガスを有効に回収利
用する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔1〕請求項1に係る発
明では、作動ガスを熱再生器を通じて低温室から加熱器
を備える高温室へ移動させる高温化工程と、前記熱再生
器を通じて連通する前記低温室と前記高温室との全室容
積を増加させる容積増加工程と、作動ガスを前記熱再生
器を通じて前記高温室から前記低温室へ移動させる低温
化工程と、前記低温室と前記高温室との全室容積を減少
させる容積減少工程とを、その順に繰り返すスターリン
グ機構を2組設け、これら2組のスターリング機構を互
いに半周期の位相差をもって動作させる構成にし、前記
2組のスターリング機構の夫々について、容積減少工程
から容積増加工程への移行時点付近で前記低温室へ作動
ガスとする圧力ガスを注入し、かつ、容積減少工程に伴
い前記低温室から作動ガスとしての内部圧力ガスの一部
を排出する圧力ガス給排手段を設け、前記2組のスター
リング機構の前記低温室どうしにわたる圧力ガス回収用
の連通路を設け、前記2組のスターリング機構の相互に
おいて、その一方が容積増加工程から容積減少工程への
移行時点付近で前記圧力ガス給排手段による圧力ガス排
出の直前時期にあり、かつ、他方が容積減少工程から容
積増加工程への移行時点付近で前記圧力ガス給排手段に
よる圧力ガス注入の直前時期にあるときに、前記連通路
を開いて両スターリング機構の前記低温室どうしを連通
させる弁手段を設ける。
【0006】つまり、この装置構成では、上記2組のス
ターリング機構の夫々について、容積減少工程から容積
増加工程への移行時点付近で低温室へ作動ガスとする圧
力ガス(例えば蒸気)を注入し、かつ、容積減少工程に
伴い低温室から作動ガスとしての内部圧力ガスの一部を
排出することにより、上部にスターリングサイクルの上
半部を有し下部にランキンサイクルの下半部を有する複
合サイクルを実行させ、動力を発生させる。
【0007】そして、これら2組のスターリング機構の
相互において、その一方が容積増加工程から容積減少工
程への移行時点付近で前記圧力ガス給排手段による圧力
ガス排出の直前時期にあり、かつ、他方が容積減少工程
から容積増加工程への移行時点付近で前記圧力ガス給排
手段による圧力ガス注入の直前時期にあるときに、上記
弁手段により両スターリング機構の低温室どうしにわた
る圧力ガス回収用の連通路を開いて、両スターリング機
構の低温室どうしを連通させることにより、容積増加工
程から容積減少工程への移行時点付近にある側のスター
リング機構における膨張内部圧力ガス(先述の如く未だ
かなり高い圧力を保有する内部圧力ガス)の一部を回収
して、その回収圧力ガスを、容積減少工程から容積増加
工程への移行時点付近にある側のスターリング機構(圧
力ガス給排手段による圧力ガス排出で内部圧力が大気圧
ないし復水器圧まで低下した側のスターリング機構)に
おける低温室へ上記連通路を通じ注入し、これにより、
容積減少工程から容積増加工程への移行時点付近にある
側のスターリング機構における作動ガス空間を、圧力ガ
ス給排手段による圧力ガス注入に先立ち、上記連通路か
ら注入する回収圧力ガスをもって予圧する形態にする。
【0008】すなわち、この回収圧力ガスによる予圧を
行うことにより、各スターリング機構が実施する複合サ
イクルは例えば図3において実線で示す如き形態になる
が、このような予圧を行わない従来のスターリングエキ
スパンダの実施複合サイクルが同図3において破線で示
す如き形態でx′→a′→aの経路を取り、圧力ガス給
排手段による圧力ガス注入をもって昇圧する部分がa′
→b間となるのに対し、上記予圧を行う場合では、その
予圧Δpの効果として複合サイクルがx′→aの経路を
取ることにより、圧力ガス給排手段による圧力ガス注入
をもって昇圧する部分がa→b間で済むようになり、こ
れにより、従来のスターリングエキスパンダに比べ圧力
ガス使用量を効果的に低減できて、装置のエネルギ効率
を高めることができる。
【0009】ちなみに、この回収圧力ガスによる予圧の
効果は、圧力ガス給排手段の圧力ガス注入圧力psが高
いほど顕著になり、圧力ガス給排手段の圧力ガス注入圧
力psが10気圧以上の場合、圧力ガス使用量の低減量
は回収圧力ガスによる予圧を行わない場合の圧力ガス使
用量の25%程度にも達し得る。
【0010】なお、図3においてpeは大気圧ないし復
水器圧を示す。また、図3において破線で示す従来装置
の複合サイクルがx→d′→dの経路を取るのに対し、
実線で示す本発明装置の複合サイクルがx→dの経路を
取るのは、容積増加工程から容積減少工程への移行時点
付近で圧力ガス給排手段による圧力ガス排出の前に、膨
張内部圧力ガスの一部を上記連通路を通じ他方のスター
リング機構へ送出するためであり、Δp′は、この圧力
ガス送出による内部圧力降下である。
【0011】〔2〕請求項2に係る発明では、請求項1
に係る発明の実施において、前記2組のスターリング機
構を、互いの同種対応ピストンどうしが同一の中心軸心
を有する状態で共通のクランク軸に対し対称配置となる
構造にする。
【0012】つまり、この構造であれば、両スターリン
グ機構における同種の対応ピストンどうしが同一の中心
軸心を有して共通のクランク軸に対し対称位置に位置す
るピストン位置関係から、これら2組のスターリング機
構を半周期の位相差で動作させることができて、2組の
スターリング機構を半周期の位相差をもって動作させる
ための付加的な同期構造を不要にすることができ、これ
により、装置構造を簡略なものにして装置の製作を容易
にすることができる。
【0013】また、両スターリング機構における同種の
対応ピストンを共通クランク軸に連結するにしても、こ
れら対応ピストンを共通クランク軸の軸心方向で位置を
異ならせて配置するに比べ、共通クランク軸の軸心方向
における装置長を短くすることができ、この点、上記の
如き装置構造の簡略化と相俟って装置をコンパクトにす
ることができる。
【0014】なお、上記の構造に加え、2組のスターリ
ング機構の各々における複数のピストンを、互いに平行
姿勢にして共通クランク軸の軸心方向に並列配置する構
造を採れば、例えば、2組のスターリング機構の各々に
おける複数ピストンを、それらの中心軸心が捻れの位置
関係となる状態に配置するに比べ、装置を一層コンパク
トにすることができる。
【0015】〔3〕請求項3に係る発明では、請求項1
又は2に係る発明の実施において、前記2組のスターリ
ング機構の夫々について、前記圧力ガス給排手段におけ
る前記低温室への圧力ガス注入路に、その低温室からの
圧力ガスの逆流を阻止する逆止弁を設ける。
【0016】つまり、この構成によれば、2組のスター
リング機構の夫々について、熱再生器及び加熱器での熱
付与による内部圧力ガスの圧力上昇で、その内部圧力ガ
スが圧力ガス給排手段の圧力ガス注入圧力に打ち勝って
低温室から圧力ガス給排手段の圧力ガス注入路へ逆流漏
出することを、上記逆止弁により阻止して、そのような
逆流漏出による内部圧力ガスの圧力上昇値の低下を防止
することができ、これにより、高い比出力を確実に発揮
させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は2組の同構造の2シリンダ
・ガンマ型スターリング機構A,A′を装備したスター
リングエキスパンダを示し、各スターリング機構A,
A′において、1,1′はパワーピストン2,2′を内
装したパワーシリンダ、3,3′はディスプレーサピス
トン4,4′を内装した底部閉塞型のディスプレーサシ
リンダであり、パワーシリンダ1,1′とディスプレー
サシリンダ3,3′とは平行姿勢で並列に配置してあ
る。
【0018】パワーシリンダ1,1′のピストン先端側
室1a,1a′とディスプレーサシリンダ3,3′のピ
ストン先端側室3a,3a′とは、一連の高温室H,
H′として加熱路5,5′を通じ連通させてあり、この
高温室H,H′において加熱路5,5′は内部の作動ガ
スG,G′を加熱する加熱器を構成し、この加熱路5,
5′においてその路内を通過する作動ガスG,G′を付
帯のバーナ6,6′により加熱する。
【0019】ディスプレーサシリンダ3,3′のピスト
ン基端側室3b,3b′は低温室C,C′として、ディ
スプレーサピストン4,4′に形成の内部ガス路4a,
4a′を通じディスプレーサシリンダ3,3′における
高温室H,H′としてのピストン先端側室3a,3a′
に連通させてあり、ディスプレーサピストン4,4′に
形成の内部ガス路4a,4a′には、通気性の蓄熱材充
填層からなる熱再生器7,7′を設けてある。
【0020】また、ディスプレーサシリンダ3,3′に
おける低温室C,C′としてのピストン基端側室3b,
3b′には、シリンダ底部寄りに配置して張り出し部3
c,3c′を形成し、この張り出し部3c,3c′に
は、両スターリング機構A,A′に対する共通のボイラ
8により生成した飽和近傍の高圧蒸気S,S′を作動ガ
スG,G′として低温室C,C′に注入する蒸気注入路
9,9′、及び、作動ガスG,G′としての内部蒸気
S,S′を低温室C,C′から外部(大気中ないし復水
器)へ排出する蒸気排出路10,10′を接続するとと
もに、蒸気注入路9,9′を開閉する蒸気注入弁11,
11′、及び、蒸気排出路10,10′を開閉する蒸気
排出弁12,12′を設けてある。
【0021】13は両スターリング機構A,A′に対す
る共通のクランク軸であり、パワーピストン2,2′と
ディスプレーサピストン4,4′とは、平行姿勢でクラ
ンク軸13の回転軸心qcの方向に並列配置して、夫
々、ピストンロッド14,14′,15,15′を介し
クランク軸13に連結してあり、そして、クランク軸1
3におけるパワーピストン用のクランクピン16とディ
スプレーサピストン用のクランクピン17とは、ディス
プレーサピストン4,4′がパワーピストン2,2′に
対し所定の先行クランク角度差Δθ(例えば70°)を
保って先行動作(進相)するように相対配置してある。
【0022】また、2組のスターリング機構A,A′
は、互いの同種対応ピストンどうしが同一の中心軸心を
有する状態で上記の共通クランク軸13に対し対称配置
となる配設形態、すなわち、パワーピストン2,2′ど
うしが同一の中心軸心q1を有してクランク軸13に対
し対称配置となり、かつ、ディスプレーサピストン4,
4′どうしが同一の中心軸心q2を有してクランク軸1
3に対し対称配置となる配設形態にしてあり、これによ
り、両スターリング機構A,A′は互いに半周期(すな
わち、クランク角度θにして180°)の位相差をもっ
て動作し、そして、各々が、作動ガスG,G′を熱再生
器7,7′を通じ低温室C,C′から加熱器5,5′を
備える高温室H,H′へ移動させる高温化工程と、熱再
生器7,7′を通じて連通する低温室C,C′と高温室
H,H′との全室容積V(加熱路5,5′の内部を含む
全作動ガス空間の容積)を増加させる容積増加工程と、
作動ガスG,G′を熱再生器7,7′を通じて高温室
H,H′から低温室C,C′へ移動させる低温化工程
と、低温室C,C′と高温室H,H′との全室容積Vを
減少させる容積減少工程とを、その順に繰り返す。
【0023】18はクランク軸13に付設した蒸気注入
弁用のカムであり、このカム18と蒸気注入弁11,1
1′との弁ロッド19、19′を介しての連動により、
図2の(イ),(ロ)に示す如く2組のスターリング機
構A,A′の夫々につき、蒸気注入弁11,11′は、
容積減少工程から容積増加工程への移行時点a(パワー
ピストン2,2′の上死点)から所定の短期間a→bだ
け開弁して、低温室C,C′へボイラ8の発生蒸気S,
S′を注入する。
【0024】また、20はクランク軸13に付設した蒸
気排出弁用のカムであり、このカム20と蒸気排出弁1
2,12′との弁ロッド21、21′を介しての連動に
より、2組のスターリング機構A,A′の夫々につき、
蒸気排出弁12,12′は、容積増加工程から容積減少
工程への移行時点d(パワーピストン2,2′の下死
点)の直前から所定期間c→eにわたり開弁して、容積
減少工程に伴ない低温室C,C′から内部蒸気S、S′
を排出し、この蒸気給排を伴なう前記各工程の実行によ
り、両スターリング機構A,A′は、夫々、上部にスタ
ーリングサイクルの上半部を有し、かつ、下部にランキ
ンサイクルの下半部を有する複合サイクルを実施する。
【0025】22は両スターリング機構A,A′の張り
出し部3c,3c′どうし(すなわち低温室C,C′ど
うし)にわたらせた蒸気回収用の連通路、23はこの連
通路22に介装したロータリー弁であり、このロータリ
ー弁23は、クランク軸13を操作軸としての切り替わ
り動作により、同図2の(イ),(ロ)に示す如く、2
組のスターリング機構A,A′の相互において、その一
方が容積増加工程から容積減少工程への移行時点dより
少し前(本例ではクランク角度θにして約15°前)で
蒸気排出弁12,12′による蒸気排出c→eの直前時
期にある時点xから容積減少工程への移行時点dに至る
までの期間x→d、すなわち、他方について言えば、容
積減少工程から容積増加工程への移行時点aより少し前
(クランク角度θにして15°前)で蒸気注入弁11,
11′による蒸気注入a→bの直前時期にある時点x′
から容積増加工程への移行時点aに至るまでの期間x′
→a、蒸気回収用の連通路22を開いて両スターリング
機構A,A′の低温室C,C′どうしを連通させる。
【0026】つまり、このロータリー弁23による蒸気
回収用連通路22の開閉により、容積増加工程から容積
減少工程への移行時点d付近にある側のスターリング機
構A,A′における膨張内部蒸気S,S′(未だかなり
高い圧力を保有する内部蒸気)の一部を回収して、その
回収蒸気S,S′を、容積減少工程から容積増加工程へ
の移行時点a付近にある側のスターリング機構A′,A
(すなわち、蒸気排出弁12,12′による蒸気排出で
内部圧力が大気圧ないし復水器圧まで低下した側のスタ
ーリング機構)における低温室C′,Cへ上記連通路2
2を通じ注入し、これにより、容積減少工程から容積増
加工程への移行時点a付近にある側のスターリング機構
A,A′における作動ガス空間(低温室C,C′と高温
室H,H′の連通空間)を、蒸気注入弁11,11′に
よるボイラ発生蒸気S,S′の注入に先立ち、上記連通
路22からの注入回収蒸気S,S′をもって予圧する。
【0027】そして、この回収蒸気による予圧を行うこ
とで、各スターリング機構A,A′の実施複合サイクル
が図3において実線で示す如き形態になるようにして、
このような予圧を行わない蒸気スターリングエキスパン
ダの実施複合サイクルが同図3において破線で示す如き
形態でx′→a′→aの経路(すなわち、蒸気注入弁1
1,11′によるボイラ発生蒸気S,S′の注入をもっ
て昇圧する部分がa′→b間となる経路)を取るのに対
し、上記予圧Δpの効果として、複合サイクルがx′→
aの経路(すなわち、蒸気注入弁11,11′によるボ
イラ発生蒸気S,S′の注入をもって昇圧する部分がa
→b間で済む経路)を取るようにし、これにより、ボイ
ラ発生蒸気S,S′の使用量を低減して、装置のエネル
ギ効率を高めるようにしてある。
【0028】なお、図3においてpsは蒸気注入路9,
9′からの蒸気注入圧力(すなわち、ボイラ発生蒸気の
圧力)を示し、peは大気圧又は復水器圧を示す。
【0029】24,24′は各スターリング機構A、
A′に対する蒸気注入路9,9′の夫々に設けた逆止弁
であり、2組のスターリング機構A、A′の夫々につい
て、容積増加工程における内部蒸気S,S′の圧力上昇
で、その内部蒸気S,S′が蒸気注入路9,9′からの
蒸気注入圧psに打ち勝って蒸気注入路9,9′へ逆流
することを、これら逆止弁23,23′により阻止し、
この逆流阻止により、容積増加工程における内部蒸気
S,S′の圧力上昇を確実にして、高い比出力を確実に
得るようにしてある。
【0030】以上、本実施形態において、ボイラ8、蒸
気注入路9,9′、蒸気排出路10,10′、蒸気注入
弁11,11′、蒸気排出弁12,12′、カム18,
20、弁ロッド19,19′,21,21′は、半周期
の位相差をもって動作する2組のスターリング機構A、
A′の夫々について、容積減少工程から容積増加工程へ
の移行時点a付近で低温室C,C′へ作動ガスG,G′
としての蒸気S,S′(圧力ガスの一例)を注入し、か
つ、容積減少工程に伴い低温室C,C′から作動ガス
G,G′としての内部蒸気S,S′の一部を排出する圧
力ガス給排手段Lを構成する。
【0031】そして、前記ロータリー弁23は、半周期
の位相差をもって動作する上記2組のスターリング機構
A、A′の相互において、その一方が容積増加工程から
容積減少工程への移行時点d付近で圧力ガス給排手段L
による蒸気排出c→eの直前時期にあり、かつ、他方が
容積減少工程から容積増加工程への移行時点a付近で圧
力ガス給排手段Lによる蒸気注入a→bの直前時期にあ
るときに、蒸気回収用の連通路22(すなわち、圧力ガ
ス回収用の連通路)を開いて両スターリング機構A,
A′の低温室C,C′どうしを連通させる弁手段を構成
する。
【0032】〔別実施形態〕次に本発明の別実施形態を
列記する。前述の実施形態では、注入圧力ガスとして蒸
気S,S′を用いる例を示したが、注入圧力ガスには、
蒸気S、S′に限らず、例えば高圧空気など、その他の
種々の気体を適用できる。
【0033】半周期の位相差をもって動作させる2組の
スターリング機構A、A′の夫々について、高温室H,
H′や低温室C,C′の具体的な室構造、並びに、高温
室H,H′に装備する加熱器5,5′の具体的な構造な
どは種々の構成変更が可能であり、また、高温室H,
H′と低温室C,C′とを熱再生器7,7′を通じて連
通させるのに、熱再生器7,7′を設けた内部ガス路4
a,4a′をディスプレーサピストン4,4′に形成す
るに代え、高温室H,H′と低温室C,C′とを連通さ
せる固定管路を設け、この固定管路に熱再生器7,7′
を介装するようにしてもよい。
【0034】前述の実施形態では、2組のスターリング
機構A,A′の各々における複数のピストン2,2′,
4,4′を互いに平行姿勢にして共通クランク軸13の
軸心方向に並列配置し、そして、これら2組のスターリ
ング機構A,A′を、互いの同種対応ピストンどうしが
同一の中心軸心q1,q2を有する状態で共通クランク
軸13に対し対称配置となる構造にしたが、この構造に
限らず、半周期の位相差をもって動作させる2組のスタ
ーリング機構A,A′の配設形態は種々の変更が可能で
あり、また、これら2組のスターリング機構A,A′に
対し各別のクランク軸を具備させる構造を採ってもよ
い。
【0035】前述の実施形態では、蒸気注入弁11,1
1′、及び、蒸気排出弁12,12′をカム機構などの
機械的連動機構を介してクランク軸13に連動させるこ
とで、各スターリング機構A、A′の低温室C,C′に
対する圧力ガス(蒸気S,S′)の給排を所定タイミン
グで行なうようにしたが、これに代え、各スターリング
機構A、A′の低温室C,C′に対する圧力ガスの給排
をいわゆる電子制御により所定タイミングで行うように
してもよく、2組のスターリング機構A、A′の夫々に
ついて、容積減少工程から容積増加工程への移行時点付
近で低温室C,C′へ作動ガスG,G′としての圧力ガ
スを注入し、かつ、容積減少工程に伴い低温室C,C′
から作動ガスG,G′としての内部圧力ガスの一部を排
出する圧力ガス給排手段Lの具体的構造は、前述の実施
形態で示した構造に限らず種々の構成変更が可能であ
り、また、それら圧力ガス注入及び圧力ガス排出の具体
的なタイミングについても、スターリングエキスパンダ
としての作動が可能な範囲で種々の変更が可能である。
【0036】半周期の位相差をもって動作する2組のス
ターリング機構A、A′の相互において、その一方が容
積増加工程から容積減少工程への移行時点付近で圧力ガ
ス給排手段Lによる圧力ガス排出の直前時期にあり、か
つ、他方が容積減少工程から容積増加工程への移行時点
付近で圧力ガス給排手段Lによる圧力ガス注入の直前時
期にあるときに、圧力ガス回収用の連通路22を開いて
両スターリング機構A,A′の低温室C,C′どうしを
連通させる弁手段には、前述の実施形態で示した如きロ
ータリー弁23に限らず種々の弁形式のものを採用で
き、この弁手段もクランク軸13との機械的連動で動作
させるに代え、電子制御により動作させるようにしても
よい。
【0037】また、この弁手段をもって2組のスターリ
ング機構A、A′の低温室C,C′どうしを連通させる
具体的なタイミングについても、容積増加工程から容積
減少工程への移行時点付近にある側のスターリング機構
A,A′における膨張内部圧力ガスを用いて、容積減少
工程から容積増加工程への移行時点付近にある側のスタ
ーリング機構A′,Aを、圧力ガス給排手段Lによる圧
力ガス注入に先立ち有効に予圧し得る範囲で種々の変更
が可能である。
【0038】高温室H,H′に装備する加熱器5,5′
の熱源や、注入圧力ガスとして蒸気を用いる場合の蒸気
S,S′の生成熱源には、燃料熱源や電気熱源、あるい
は、太陽熱利用熱源や他の装置・設備からの排熱など、
種々の形態のものを採用できる。また、本発明によるス
ターリングエキスパンダの発生動力は発電用や冷凍機駆
動用など種々の用途に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の構成図
【図2】圧力ガス(蒸気)の給排及び回収のタイミング
を示す図
【図3】実施サイクルを示すp−V線図
【図4】複合サイクルを示すp−V線図
【符号の説明】
2,2′ ピストン 4,4′ ピストン 5,5′ 加熱器 7,7′ 熱再生器 9,9′ 圧力ガス注入路 13 クランク軸 22 圧力ガス回収用の連通路 23 弁手段 24,24′ 逆止弁 A,A′ スターリング機構 C,C′ 低温室 G,G′ 作動ガス H,H′ 高温室 L 圧力ガス給排手段 q1,q2 中心軸心 S,S′ 圧力ガス V 全室容積
フロントページの続き (71)出願人 591255689 樫山工業株式会社 東京都杉並区高円寺南1丁目32番3号 (72)発明者 柳生 寿美夫 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 一色 尚次 東京都世田谷区経堂2丁目29番6号 (72)発明者 一色 誠太 東京都世田谷区経堂2丁目29番6号 (72)発明者 小島 博 山形県酒田市上本町6番7号 前田製管株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動ガスを熱再生器を通じて低温室から
    加熱器を備える高温室へ移動させる高温化工程と、前記
    熱再生器を通じて連通する前記低温室と前記高温室との
    全室容積を増加させる容積増加工程と、作動ガスを前記
    熱再生器を通じて前記高温室から前記低温室へ移動させ
    る低温化工程と、前記低温室と前記高温室との全室容積
    を減少させる容積減少工程とを、その順に繰り返すスタ
    ーリング機構を2組設け、 これら2組のスターリング機構を互いに半周期の位相差
    をもって動作させる構成にし、 前記2組のスターリング機構の夫々について、容積減少
    工程から容積増加工程への移行時点付近で前記低温室へ
    作動ガスとする圧力ガスを注入し、かつ、容積減少工程
    に伴い前記低温室から作動ガスとしての内部圧力ガスの
    一部を排出する圧力ガス給排手段を設け、 前記2組のスターリング機構の前記低温室どうしにわた
    る圧力ガス回収用の連通路を設け、 前記2組のスターリング機構の相互において、その一方
    が容積増加工程から容積減少工程への移行時点付近で前
    記圧力ガス給排手段による圧力ガス排出の直前時期にあ
    り、かつ、他方が容積減少工程から容積増加工程への移
    行時点付近で前記圧力ガス給排手段による圧力ガス注入
    の直前時期にあるときに、前記連通路を開いて両スター
    リング機構の前記低温室どうしを連通させる弁手段を設
    けてあるスターリングエキスパンダ。
  2. 【請求項2】 前記2組のスターリング機構を、互いの
    同種対応ピストンどうしが同一の中心軸心を有する状態
    で共通のクランク軸に対し対称配置となる構造にしてあ
    る請求項1記載のスターリングエキスパンダ。
  3. 【請求項3】 前記2組のスターリング機構の夫々につ
    いて、前記圧力ガス給排手段における前記低温室への圧
    力ガス注入路に、その低温室からの圧力ガスの逆流を阻
    止する逆止弁を設けてある請求項1又は2記載のスター
    リングエキスパンダ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9322271B2 (en) 2012-02-24 2016-04-26 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Cryogenic refrigerator

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US9322271B2 (en) 2012-02-24 2016-04-26 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Cryogenic refrigerator

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