JP2001163987A - 複合材 - Google Patents

複合材

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JP2001163987A JP2000290097A JP2000290097A JP2001163987A JP 2001163987 A JP2001163987 A JP 2001163987A JP 2000290097 A JP2000290097 A JP 2000290097A JP 2000290097 A JP2000290097 A JP 2000290097A JP 2001163987 A JP2001163987 A JP 2001163987A
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Pierre Jean Francois Layrolle
ジャン フランソワ レイロール ピエール
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Isotis BV
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 置換手術において使用することのできるセラ
ミック−ポリマー複合材の新規な製造方法を提供する。 【解決手段】 セラミックの水性溶液からセラミックの
ゲルを沈殿させる段階、ゲルとポリマーとを混合する段
階および低温で乾燥させる段階を含む、セラミック−ポ
リマー複合材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックおよび
ポリマー材料に基づく複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】骨置換手術においては、種々の材料が使
用される。例えば股関節部のための移植片はしばしば金
属材料から作られているのに対して、セメント充填剤は
通常、天然のポリマーである。さらに、天然の骨の組成
をより近く真似るために、セラミック材料、例えばヒド
ロキシアパタイトの移植片を製造する研究が進行中であ
る。しかしながら事実上、多くの材料が、ポリマー‐セ
ラミック複合材、例えば骨ではコラーゲンとヒドロキシ
アパタイトとの複合材、外皮(shell)ではキチンと炭酸
カルシウムとの複合材に基づく。したがって、そのよう
な複合材を製造するための幾つかの試みがなされた。そ
のような製造において遭遇する1つの問題は、セラミッ
クの製造において一般に使用される焼結段階を避けなけ
ればならないことである。というのは、複合材のポリマ
ー部分は焼結に必要な条件に耐えることができないから
である。 天然に生じるポリマー‐セラミック複合材の性質を研究
するために、ツァン(Zhang)およびゴンサルベス(Gonsal
ves)(Mat. Res. Soc. Symp., 351巻、1994年、245-250
頁)は、低分子量のポリアクリル酸を添加剤として用い
て、炭酸カルシウム‐キトサン複合材を製造した。キト
サン基体上での炭酸カルシウムの結晶成長が、異なるポ
リアクリル酸濃度で、炭酸カルシウムの過飽和溶液から
達成された。 ザ ジャーナル オブ マテリアルズ サイエンス(the
Journal of Materials Science):マテリアルズ イン
メディシン(materials in Medicin)、第4巻、1993
年、58-65頁において、ファーヘイエン(Verheyen)ら
は、ヒドロキシアパタイト‐ポリ(L-ラクチド)複合材
の評価研究について記載した。複合剤は、粒状にされ、
焼結され、砕かれ、粉砕され、かつふるい分けされた、
ヒドロキシアパタイト(HA)およびL-ジラクチドから出発
して製造された。重合を開始してその場で (in situ)
ポリ(L-ラクチド)(PLLA)を形成するために、これら出
発材料の混合物にオクタン酸スズ(II)を添加した。2つ
の異なる複合材が製造され:1つは0.30重量%のHAを有
するPLLAであり、1つは、50重量%のHAを有するPLLAで
あった。複合材の製造のための代替のアプローチとし
て、充填されていないPLLA試料の1面をHAコーティング
でプラズマ溶射すること(plasma-spraying)が提案され
た。この代替のアプローチの不都合は、セラミックとポ
リマーとが、互いの間に均質に分配されている、均質な
複合材をもたらさないことである。第1の方法の不都合
は、すべてのタイプのポリマーが、セラミック材料の存
在中で、その場で(in situ)重合できるわけではないこ
とである。また、使用される開始剤(オクタン酸スズ(I
I))は非常に毒性であるが、これが必然的に複合材中に
組み込まれる。国際特許出願99/19003号は、移植可能な
ポリマー/セラミック複合材に関し、その製造方法は、
例えばヒドロキシアパタイトと混合されるポリマーゲル
の形成および高温での焼結段階を含む。特開平11-19920
9号公報は、リン酸カルシウムとコラーゲンとの共沈
殿、次いで得られる沈殿を加圧して有機‐無機配向した
複合材料を形成することによる複合材料の製造を開示す
る。後者の段階は、比較的高圧を含むということに不都
合がある。国際特許出願95/0834号には、酸性ホスフェ
ート粉末を、水およびコラーゲンと混合された塩基性カ
ルシウム粉末と反応させることによるリン酸カルシウム
セメントを製造する方法が開示されている。酸性粉末と
塩基性粉末との化学反応は、イン ビトロ(in vitro)ま
たはイン ビボ(in vivo)で硬化されることができる固
まるペースト(cementing paste)をもたらす。この方法
は、特別に処方された粉末の使用を必要とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セラミック
‐ポリマー複合材の新規な製造方法を提供することを目
的とし、この方法は、このタイプの複合材を製造する従
来の方法の問題を持たない。本発明の特別の目的は、置
換手術において使用することのできるセラミック‐ポリ
マー複合材の新規な製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、ゲル沈
殿および低温での乾燥によって上記のゴールが達成され
ることがここで見出された。したがって、本発明は、セ
ラミックの水性溶液からセラミックのゲルを沈殿させる
段階、ゲルをポリマーと混合する段階および低温で乾燥
させる段階を含むセラミック‐ポリマー複合材の製造方
法に関する。
【0005】本発明の方法は、成分が、非常に均質なや
り方で互いの間に分配される複合材をもたらす。さら
に、本発明の方法においては、種々の性質のセラミック
‐ポリマー複合材を製造することが可能である。複合材
のセラミック成分およびポリマー成分の両方の化学組成
が広く選べるだけでなく、2つの成分タイプの比もまた
非常に広い範囲で選ぶことができる。このように本発明
は、その性質のプロフィールが随意に設定できるセラミ
ック‐ポリマー複合材の便利な均質な製造方法を提供す
る。
【0006】本発明の方法は、脊椎動物において骨格組
織、例えば骨および歯を作る自然の方法を真似る。さら
に、本発明の方法が至る生成物は、天然材料、例えば脊
椎動物の外皮(shell)または皮膚骨格(exaskeleton)を真
似る。この材料の有機成分であるポリマーは、結晶の核
形成、成長および配向のための一種の基幹を与える。無
機物成分であるセラミックは、まれな機械的特性、例え
ば高い圧縮強度および硬さを与える。一般に、有機成分
は好ましくは、複合材料の30重量%を超えない。非常に
高い強度は、例えば、マイクロメートル以下の非常に配
向したヒドロキシカーボネートアパタイト結晶と組合せ
た、たった1重量%のタンパク質からなる歯において達
成することができる。
【0007】本発明に従って製造されるセラミック‐ポ
リマー複合材は、置換手術における用途のために好まし
く使用されるので、生物適合性であるのが好ましい。こ
のことは、複合材が基づくセラミックとポリマーの両方
が生物適合性であるのが好ましいことを意味する。複合
材が生物分解性であるのがさらに好ましい。かくして、
複合材が基づくセラミックおよびポリマーが生物分解性
であることがまた好ましい。
【0008】本発明においては、生物適合性という語
は、ヒトまたは動物の容認できない応答が実質的にな
く、ヒトまたは動物の体内に、例えば医用移植片の形状
で組み込まれることができる材料をいうと意図される。
生物分解性という語は、一定期間後に、生物学的環境中
で壊される材料をいう。好ましくは、崩壊速度は、身体
が自家組織を生成して、生物分解性材料が製造される移
植片を置換する速度と同様かまたは同一に選ばれる。
【0009】好ましく使用されるセラミック材料は、リ
ン酸カルシウムおよび炭酸カルシウムである。というの
は、これらの材料は、天然の骨材料の性質と非常に似て
いるからである。非常に好ましいセラミック材料は、リ
ン酸オクタカルシウム、アパタイト、例えばヒドロキシ
アパタイトおよびカーボネートアパタイト、ウィトロカ
イト(whitlockite)、例えばリン酸α‐トリカルシウム
およびリン酸β‐トリカルシウムならびにそれらの組合
せである。
【0010】使用されるポリマーは、生物供給源から選
ぶことができ、例えばポリアミノ酸、絹、コラーゲン、
ゼラチン、カゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、
ポリヒドロキシアルカン酸、多糖類、セルロース、ヒア
ルロン酸、アルギネートおよびアルギン酸である。さら
に、生物分解性または生物吸収性(bioresorbable)の合
成ポリマーを使用できる。そのようなポリマーの例は、
ポリ-L-乳酸、ポリリジン、ポリ-D,L-乳酸、ポリグリコ
ール酸、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ
カプロラクトン、ポリシアノアクリレートまたはポリア
クティブ(polyactive)(ポリアルキレングリコール例え
ばPEGとポリアルキルテレフタレート例えばポリブチル
テレフタレートとのコポリマー)である。合成ポリマー
が使用されるなら、特に生物学的環境において、その分
解生成物が本質的に有害でないように選ばれる。さら
に、ポリマーは好ましくは、天然で親水性である。非常
に好ましいポリマーはポリアミノ酸であり、好ましくは
負に帯電している。
【0011】好ましくはポリマーは、繊維状、網目状ま
たはスポンジ状で、新たに沈殿したリン酸カルシウムゲ
ル中に組み込まれる。これによって、室温で乾燥後に、
優れた特性を有する繊維強化されたセラミックがもたら
される。強化のために使用されるポリマーは、好ましく
はリン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムのセラミック
と相互作用しなくてはならない。それらは好ましくは、
カルボキシル、ヒドロキシルまたはホスフェート基を有
していて、親水性でかつ負に帯電していなければならな
い。これらのポリマー基は結合されているか、またはセ
ラミック粒子からのカルシウムイオンを錯化/キレート
化していることができる。ポリマーはさらに、好ましく
は、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムのセラミッ
クのためのバインダーとして作用しなければならない。
ポリマーは好ましくは、生物適合性と生物分解性の両方
である。繊維状の不織の網目またはポリマースポンジが
特に好ましい。
【0012】好ましい実施態様においては、ポリマー
は、低濃度(例えば2〜10重量%)で、水中でゲル様ま
たはコロイド状の物質を形成することができる。これ
は、アガロース、ゼラチン、アルギン酸、ポリ乳酸また
はポリグリコール酸、ヒドロキシメチルセルロースを用
いた場合である。ポリマーは好ましくは非常に高分子量
を有し、乾燥すると堅くなる。ポリマー繊維は、好まし
くは5〜50ミクロンの厚み、より好ましくは5〜20ミク
ロンの厚みおよび、1〜100mmの長さであって、スポ
ンジ様または綿様の物質を形成する。
【0013】本発明の方法によれば、セラミックのゲル
が沈殿する。そのようなゲルは、適当な量の塩(セラミ
ックの形成のために必要なイオンを含む)を水に添加す
ることによって、水性媒体中で適当に形成することがで
きる。幾つかの水性溶液を互いに添加し、それぞれが、
セラミックの形成のために必要な1種以上のイオンを含
むことがまた可能である。
【0014】セラミックがリン酸カルシウムであるべき
場合(これは好ましい)には、カルシウム塩の水性溶液
をリン酸塩の水性溶液と混合することができる。
【0015】好ましくは、これらの塩はそれぞれCaC
2・6H2OおよびNa2HPO4・12H2Oである。第
1の溶液中のカルシウム塩の濃度が0.05〜1Mにあるの
が好ましく、より好ましくは0.1〜0.8Mである。リン酸
塩の濃度は、好ましくは0.02〜2M、より好ましくは0.
01〜1.5Mにある。カルシウム塩の溶液の量対リン酸塩
の溶液の量の比(Ca/P比)は、好ましくは0.1〜
2、より好ましくは0.2〜1にある。好ましくはカルシ
ウム塩溶液とリン酸塩溶液の両方が7〜12のpH、より
好ましくは8〜10のpHを有する。所望のpHは、例え
ばNaOH、KOHまたはNH4OHを用いて設定する
ことができる。
【0016】好ましい実施態様においては、1種以上の
結晶成長阻害剤が、溶液の一方または両方に存在する。
そのような阻害剤は、マグネシウム塩(Mg2+)、カー
ボネート塩(HCO3 -)またはピロリン酸塩(P27 4-
であり得る。好ましい阻害剤は、塩化マグネシウムおよ
び重炭酸ナトリウムである。リン酸塩溶液と混合する前
にカルシウム溶液に、マグネシウムイオンを1〜50m
M、好ましくは1〜10mMの量で添加することができ
る。炭酸塩および/またはピロリン酸塩のイオンを、カ
ルシウム溶液と混合する前にリン酸塩溶液にそれぞれ、
0.2〜2M、好ましくは0.5〜1Mおよび、0.02〜1M、
好ましくは0.01〜0.5Mの量で添加することができる。
【0017】好ましい実施態様においては、1種以上の
生物活性な化合物、例えば成長因子またはホルモンを、
カルシウム溶液およびリン酸塩溶液の一方または両方に
添加する。例えばBMPが複合材に組み込まれて、骨の内
への成長(ingrowth)を奨励することができる。EGFまた
はVEGFを添加して、血管新生および血管の内への成長を
奨励することができる。フィブロネクチンおよび関連す
るタンパク質を添加して、細胞接着およびコロニー化を
奨励することができる。
【0018】別の好ましい実施態様においては、細孔製
造剤(pore maker)またはポロゲン(porogen)化合物を、
カルシウム溶液およびリン酸塩溶液の一方または両方に
添加する。これに関しては、細孔製造剤(pore maker)化
合物は、ゲルの乾燥および固化中に気体に転化するかま
たは気体を放出し、複合材本体中に細孔を提供する化合
物である。細胞の集積、浸透、血管新生および生物分解
性を促進するために、100〜500ミクロンの大きさを有す
る開口または相互連結した細孔が好ましい。開口の多孔
性は、緻密な本体の端からの単独の骨接触よりむしろ骨
の内への成長を可能にする。適当な細孔製造剤またはポ
ロゲン化合物の例は、二酸化炭素気体および過酸化水素
である。二酸化炭素は、リン酸カルシウム結晶(新たに
沈殿させた)を溶解することができる弱酸である。二酸
化炭素気体の空気との相互交換中、複合材の硬化をもた
らす再沈殿が生じ得る。非毒性の揮発性有機溶媒がまた
使用できる。溶媒はまた、水性ゲルとの混合中にポリマ
ーを溶解するために使用することができる。乾燥中、揮
発性化合物は蒸発し、複合材本体に細孔を形成する。
【0019】溶液を、好ましくは効率的な撹拌を用いて
混合すると、セラミックのゲルが沈殿し得る。好ましく
は、このゲルを一定時間、例えば0.5〜5時間放置して
成熟させる。pHは好ましくは、この段階では中性(6
〜8)である。好ましい実施態様においては、さらにど
のような熱処理もせずに、室温で沈殿を行う。ゲル沈殿
物は、室温、すなわち10〜80℃、好ましくは20〜50℃
で、湿度調節して乾燥させる。
【0020】次に、ゲル中に存在する水の大部分を除去
するのが好ましい。これは、ゲルを含む水性媒体をろ過
器に注ぎ、重力のみで、または減圧の施与により水を除
去させることによって達成できる。しかしながら、急ぎ
すぎてゲルを乾燥させないように気をつけるべきであ
る。というのは、これは、割れ目を有するケーキの形成
をもたらし得るからである。これが起こる前に、ろ過器
上のゲルを、好ましくは水洗する。遠心分離によって水
の一部を除去することがまた可能である。好ましくは、
この段階でのゲルの水分含量は、250〜750%、より好ま
しくは350〜500%である。
【0021】かくして得られたゲルは、ポリマーと適当
に混合することができる。生物起源のポリマーが使用さ
れる場合には、それを固体状態で加えることができ、ま
たは適当な溶媒に溶かして加えることができる。適当な
溶媒は好ましくは低沸点を有し、よって室温または少し
高められた温度での乾燥を実行でき、かつ、好ましくは
親水性である。非常に好ましい溶媒は水である。したが
って、リン酸カルシウムゲルへの均質な分散を確実にす
るために、水溶性ポリマーが好ましい。合成ポリマーが
使用される場合には、適当な溶媒に溶かして、それを添
加する。重ねて、ポリマーが親水性であり、かつ水溶性
であるのが好ましく、よって、リン酸カルシウム粒子の
ためのバインダーとして働くことができる。一般に、所
望のポリマーのモノマーをゲルに添加し、それをその場
で(in situ)重合してポリマーを形成することがまた認
識される。ポリマーは好ましくは1〜40重量%、より好
ましくは1〜25重量%の量でゲルに添加される。この段
階で、他の添加剤をまた添加することができる。適当な
添加剤の例としては、生物活性な剤または薬剤、例えば
成長因子、ホルモン、抗生物質等を包含する。そのよう
な添加剤の量は好ましくは、セラミック−ポリマー複合
材の形成を妨げるような量を超えてはならない。
【0022】ゲルとポリマーの混合物は次に、所望の大
きさと形を有する型に導かれることができる。好ましく
は、型の大きさは、複合材の乾燥中に生じ得る少しの程
度の収縮について補正される。混合物を型に入れたら、
混合物内部に閉じ込められたすべての気体および過剰の
水を除去するのが望ましい。というのは、これらは、不
均質性および機械的特性の局部的損失をもたらすからで
ある。振動および/または超音波によって気体を除去す
ることができる。
【0023】最後に、低い温度で、型中で複合材をゆっ
くりと乾燥させる。複合材を急いで乾燥させないことが
重要であることがわかった。というのは、これは、望ま
ない程度の収縮および/または機械的特性の損失をもた
らし得るからである。添付の図面は、複合材を形成する
ために、ポリマー繊維を有するヒドロキシアパタイトセ
ラミックのゲル沈殿物の乾燥を概略的に示す。
【0024】適当には、複合材は、10〜50℃、好ましく
は15〜40℃の温度で乾燥することができる。減圧で乾燥
することが可能であるが、これは乾燥プロセスをあまり
に増加させすぎるので、好ましくない。また、乾燥中の
相対湿度は、好ましくは100%未満である。乾燥中にゆ
っくりと減少する相対湿度が、より好ましい。相対湿度
90〜70%で乾燥プロセスを開始し、7〜14日の期間でそ
れを10〜5%に減少させることによって、良好な結果が
得られた。この手順は、乾燥速度および得られる複合材
の機械的特性に最適度を与えることが分かった。乾燥プ
ロセスを調節するために、乾燥中、相対湿度の制御され
た減少を施与することができる。複合材の最終的な水分
含量は、複合材の重量に対して5重量%より下、好まし
くは1〜2重量%であろう。
【0025】好ましい実施態様においては、ゲルとポリ
マーとの混合物は、気体状の弱酸、例えば二酸化炭素
を、乾燥前に含む。ポリマーが、水中の溶液または分散
液の形状でゲルに添加される場合には、この溶液は、気
体状の酸で飽和されることができる。乾燥前に、ゲルと
ポリマーとの混合物を通して気体状の酸を一時的に泡立
たせることがまた可能である。その結果、混合物のpH
は乾燥前に下がり、ゲル中に存在するセラミックのいく
らかの溶解が起こり得る。乾燥プロセス中、気体状の酸
は放出され、溶解したセラミックは再沈殿することがで
きる。このときまでに、混合物は幾らか収縮し得るの
で、再沈殿したセラミックは、混合物中に存在するセラ
ミック粒子と互いに結合することができ、かくして、乾
燥プロセスを促進させる。セラミックがリン酸カルシウ
ムを含むときに特に、このプロセスは、この実施態様の
利益を得ることがわかった。
【0026】複合材の組成に依存して、かくして、複合
材を製造するために選ばれるポリマーおよびセラミック
のタイプに依存して、種々のタイプの用途においてそれ
を使用できる。好ましい実施態様においては、複合材は
リン酸カルシウムを含み、例えば骨の充填材、セメン
ト、移植片または組織工学のための足場として、置換手
術において使用するのに非常に適当である。後者の場
合、複合材は好ましくは多孔性である。
【0027】
【実施例】以下の非限定的実施例によって、本発明をこ
こで説明する。実施例 以下の成分を用いて、2種の溶液を製造した: A:CaCl2・6H2O 43.6g(0.2モル)、MgCl2
・6H2O 1.25g(0.006モル)および脱イオン水500m
l; B:Na2HPO4・12H2O 218g(0.6モル)、NaH
CO3 80g(0.95モル)、脱イオン水1500mlおよび
NH4OHの0.6M溶液80ml。 溶液Aを10分間撹拌し、溶液Bを1時間撹拌した。次
に、激しく撹拌しながら、溶液Aをすばやく溶液B中に
注いだ。リン酸カルシウムゲルが沈殿するのが観察され
た。得られた白色乳状スラリーを撹拌しながら2時間放
置して熟成させた。次にスラリーを、ワットマン円形ろ
紙#2を備えた大きいろうと(20cm)に注いだ。真空を
施与して水を除去した。ろうと上のゲルが、ひび割れを
有するケーキへと形成される前に、500mlの脱イオン
水ですすいだ。真空を止め、湿ったゲルをスパチュラで
100mlのビーカーに入れた。このビーカーに、50ml
の脱イオン水ならびに、脱イオン水中のアガロース(8
重量%)のコロイド状溶液50mlを加えた。ヨーグルト
様のゲルが得られるまで、混合物をスパチュラで撹拌し
た。これをテフロン(登録商標)の型に注ぎ、15分間振
動させて、閉じ込められていた気泡を除去した。超音波
を用いて、さらに脱気を行った。次に、型を、37℃の一
定温度に保持された気候室(climatic chamber)に置い
た。室内の相対湿度を、90%から40%にゆっくりと減少
させた。2週間後、乾燥複合材を型から取り出した。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、複合材を形成するために、ポリマー
繊維を有するヒドロキシアパタイトセラミックのゲル沈
殿物の乾燥を概略的に示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61L 27/00 A61L 27/00 F K

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックの水性溶液からセラミックの
    ゲルを沈殿させる段階、ゲルとポリマーとを混合する段
    階および低温で乾燥させる段階を含む、セラミック‐ポ
    リマー複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックが、リン酸カルシウムまたは
    炭酸カルシウムである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ポリマーが繊維状である請求項1または
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリマーが、生物適合性ポリマーおよび
    生物分解性ポリマーからなる群より選ばれる請求項1〜
    3のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリマーが、ポリビニルアルコール、多
    糖類、タンパク質、アルギネート、ポリラクチド、ポリ
    グリコリド、ポリアルキレングリコールと芳香族エステ
    ルとのコポリマーならびにそれらの組合せからなる群よ
    り選ばれる請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 ゲルが、カルシウムイオンを含む第1の
    溶液と、リン酸塩イオンを含む第2の溶液とを混合する
    ことによって製造される請求項2〜5のいずれか1項記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 第1の溶液および第2の溶液のうちの1
    つが、マグネシウムイオンを含む請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 第1の溶液および第2の溶液のうちの1
    つが、重炭酸塩イオンを含む請求項6または7記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 乾燥を、10〜50℃の温度で行う請求項1
    〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 乾燥を、100%未満の相対湿度で行う
    請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    方法によって得ることができるセラミック‐ポリマー複
    合材。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のセラミック‐ポリマ
    ー複合材を置換手術において使用する方法。
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