JP2001162165A - パラフィンの脱水素化触媒および該触媒を用いたパラフィン脱水素化方法 - Google Patents

パラフィンの脱水素化触媒および該触媒を用いたパラフィン脱水素化方法

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JP2001162165A
JP2001162165A JP35019599A JP35019599A JP2001162165A JP 2001162165 A JP2001162165 A JP 2001162165A JP 35019599 A JP35019599 A JP 35019599A JP 35019599 A JP35019599 A JP 35019599A JP 2001162165 A JP2001162165 A JP 2001162165A
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Yuuki Kanai
勇樹 金井
Toshio Yamaguchi
敏男 山口
Eiji Yokozuka
英治 横塚
Takashi Matsuda
高志 松田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐硫黄性に優れ、寿命の長いパラフィンの脱
水素化触媒および該触媒を用いたパラフィン脱水素化方
法を提供する。 【解決手段】 非晶質金属酸化物担体のMg/Siの原
子比は0.45以上で1.5以下であり、周期律表第VI
II族貴金属は白金またはパラジウムの中から選ばれた少
なくとも1種からなり、さらに全触媒に対して0.05
〜5重量%の範囲の担持量で担持されることが好まし
い。周期律表第IA族金属は全触媒に対して0.05〜
1.0重量%の担持量で担持されることが好ましい。2
0ppm以下の硫黄に周期的に曝される反応領域中でパ
ラフィンからオレフィンを得る方法において、触媒の存
在下で、パラフィンと接触させるパラフィン脱水素化方
法を特徴とし、原料供給物が0.01〜20ppmの硫
黄を含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硫黄に周期的に曝さ
れる反応領域中でパラフィンを脱水素化する方法、およ
び該方法に用いる触媒に関し、特に硫黄による被毒を受
け難く、かつ寿命の長い脱水素化触媒に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】パラフィン脱水素化触媒はパラフィンを
オレフィンに変換する触媒であるが、パラフィンの脱水
素化触媒としては望ましくないクラッキング反応を抑制
し、反応の選択性を増加させ、かつ所望の生成物の収率
を増加させるなどの機能が求められる。従来の脱水素化
プロセスでは、アルミナやシリカ−アルミナなどの担体
に担持された貴金属(通常は白金)を含有する触媒が用
いられている。また1種または2種の反応促進剤によっ
て触媒を改良して、脱水素化プロセスに供される炭化水
素原料のクラッキングを制御することも知られている。
このようなタイプの触媒は、例えば米国特許第3679
773号明細書、同第4000210号明細書、同第4
177218号明細書、同第4381257号明細書、
同第4486547号明細書、同第4880764号明
細書および同第5012027号明細書に開示され、周
期律表第IVA 族、第IVB 族および第VIII族から選択され
た活性金属がよく用いられている。これらの触媒は直鎖
パラフィンから直鎖オレフィンへの脱水素化活性は高い
が、炭化水素原料中に含有する極微量の硫黄分によって
被毒を受けて活性劣化を起こすという問題があった。
【0003】近年上記のようなアルミナ担体に替わって
ゼオライト担体が用いられるようになっている。ゼオラ
イトは炭化水素原料中に含まれる硫黄分に対する耐性が
強いので広く用いられ、この技術は、例えば米国特許第
3507931号明細書、同第3551353号明細
書、同第3932554号明細書、同第4400576
号明細書、同第4935578号明細書および同第51
32479号明細書などに開示されている。しかしなが
らゼオライト系触媒は、炭化水素原料のクラッキング反
応に伴うコーキングを抑制することが難しく、安定した
脱水素化活性を得ることが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、パラ
フィンの脱水素化反応に対して高性能を示すとともに、
耐硫黄性に優れ、コーキングなどによる活性劣化を起こ
し難く、また寿命の長いパラフィンの脱水素化触媒およ
び該触媒を用いたパラフィン脱水素化方法を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の実施態様に係るパラフィンの脱水素
化触媒は、ケイ素とマグネシウムを主成分とする実質的
に非晶質の金属酸化物担体に、活性金属として周期律表
第VIII族貴金属の中から選ばれた少なくとも1種と、周
期律表第IA族金属の中から選ばれた少なくとも1種とを
担持してなることを特徴とするものであり、前記非晶質
金属酸化物担体のMg/Siの原子比は0.45以上で
1.5以下であり、また前記周期律表第VIII族貴金属は
白金またはパラジウムの中から選ばれた少なくとも1種
からなり、さらに全触媒に対して0.05〜5重量%の
範囲の担持量で担持されることが好ましい。また前記周
期律表第IA族金属は全触媒に対して0.05〜1.0重
量%の担持量で担持されることが好ましい。
【0006】また本発明の第2の実施態様に係るパラフ
ィンの脱水素化方法は、20ppm以下の硫黄に周期的
に曝される反応領域中でパラフィンを含む原料供給物を
脱水素化する方法において、担体としてケイ素とマグネ
シウムを主成分とする実質的に非晶質の金属酸化物に、
活性金属として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれ
た少なくとも1種と、周期率表第IA族金属の中から選ば
れた少なくとも1種とを含有する触媒の存在下で、パラ
フィン系炭化水素と接触させることを特徴とするもので
あり、また前記原料供給物が0.01〜20ppmの硫
黄を含むものである。
【0007】
【発明の実施の形態】まず本発明で用いる触媒担体は、
ケイ素とマグネシウムを主成分とする実質的に非晶質の
金属酸化物からなるものである。そして本発明において
ケイ素とマグネシウムを主成分とする実質的に非晶質の
金属酸化物とは、該金属酸化物を構成する元素のうち常
に最も多い酸素および水や水酸基として多く存在する水
素は除外して、原子数を基準として最も多い上位2つの
元素がケイ素とマグネシウムである実質的に非晶質の金
属酸化物のことを意味するものとする。
【0008】本発明ではケイ素とマグネシウムは、ケイ
素が多くてマグネシウムが少なくても、あるいは逆にケ
イ素が少なくてマグネシウムが多くてもよいが、Mg/
Siの原子比は0.45〜1.5の範囲とすることが好
ましい。その理由はMg/Siの原子比が0.45未満
あるいは1.5を超えるとパラフィンの脱水素化活性が
低下するからである。なお非晶質金属酸化物は、ケイ素
とマグネシウム以外の少量成分、例えば遷移金属、典型
金属などを含んでいてもよい。
【0009】また本発明に好適に用いられる担体として
はマグネシウムとケイ素を主成分とすることが不可欠で
あり、マグネシウム以外のアルカリ土類金属とケイ素を
主成分とする非晶質金属酸化物担体は十分な触媒性能が
得られないので本発明の範囲には含まれない。またケイ
素とマグネシウムを主成分とする金属酸化物には、「結
晶質」のものと「非晶質」のものが存在するが、「結晶
質」の金属酸化物は本発明の範囲に含まれない。ケイ素
とマグネシウムを主成分とする結晶質の金属酸化物とし
ては、スチブンサイト、へクトライト、サポナイト、緑
泥石群、タルク、バーミキュライト、蛇紋石、アンチゴ
ライト、セピオライト、アタパルジャイト、パリゴルス
カイト、エンスタタイト、フォルステライト、プロトエ
ンスタタイトなどが知られているが、これらの金属酸化
物は本発明の範囲外である。
【0010】本明細書において「結晶質」とは、標準的
なX線回折装置を用いて測定されたX線回折図形におい
て、少なくとも1本以上の回折ピークを与える金属酸化
物の状態を意味し、一方「非晶質」とは、標準的なX線
回折装置を用いて測定されたX線回折図形において回折
ピークを1本も与えない金属酸化物の状態を意味する。
ただし、非晶質のX線回折図形において非常にブロード
なピークが現れる(例えば、入射X線がCuKαの場合
2θ=20°〜40°付近)ことがあるが、このような
ピーク(X線回折の分野でハローと呼ばれる)は非晶質
に特有のものあるので前記の回折ピークとして数えない
ここで「標準的なX線回折装置」とは、X線発生装置、
ゴニオメータ、計数記録装置、制御演算装置の4つの部
分を基本構成とする装置であり、通常CuのX線管球を
用い、管電圧:20〜60kV,管電流:20〜200
mAで測定される装置である。
【0011】そして本発明において触媒担体として使用
する金属酸化物が非晶質のものに限定した理由は、非晶
質の金属酸化物が水素化精製に最適な固体酸性質を有し
ているためであり、また該担体におけるSiOとMg
Oの合計量は60重量%以上で、好ましくは70重量%
以上、より好ましくは80重量%以上含有するものであ
る。また本発明に用いる担体には結合剤を添加しても構
わない。結合剤の種類には特に制限はなく、結晶質およ
び/または非晶質のアルミナ、シリカ、マグネシア、ボ
リア、チタニア、ジルコニア、カルシア、シリカ−アル
ミナ、シリカ−マグネシアなどの金属酸化物を添加する
ことができる。ただし結晶質の結合剤を添加した場合、
その添加物質に起因するX線回折ピークが当該担体のX
線回折図形上に現れることがあっても、本発明の範囲か
ら外れることはなくケイ素とマグネシウムを主成分とす
る非晶質金属酸化物を担体中に含有する限り本発明の範
囲に含まれる。
【0012】本発明に用いられるケイ素とマグネシウム
を主成分とする実質的に非晶質の金属酸化物担体の調製
方法は特に限定されることはなく、沈殿法、溶媒蒸発
法、ゾル−ゲル法、熱分解法、気相反応法その他の方法
で調製することができる。そしてケイ素源としては水ガ
ラス、アルコキシド、塩化物、オキシ塩化物、アルキル
化合物、その他のケイ素化合物を用いることができ、一
方マグネシウム源としては塩化物、過塩素酸塩、臭化
物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、チオシアン酸
塩、リン酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、有機酸塩、アルコキシ
ド、その他のマグネシウム化合物を用いることができ
る。本発明に用いられる担体のBETの吸着等温式によ
る比表面積は50m/g以上で600m/g以下で
あることが好ましい。また本発明の触媒は、担体および
触媒の形状について特に限定されるものではなく、円柱
型、四つ葉型、三つ葉型、その他あらゆる形状のものを
適宜選択して使用することができる。それらの成型は通
常行われる任意の方法で行うことができ、例えば押出成
型、打錠成型、オイルドロップ法などが挙げられる。
【0013】また本発明において前記した触媒担体に活
性金属として用いられる周期律表第VIII族貴金属として
は、ロジウム、パラジウム、イリジウムおよび白金を挙
げることができるが、白金および/またはパラジウムが
好ましい。そして周期律表第VIII族貴金属は,全触媒に
対し0.05〜5重量%の範囲の量で担持される。全触
媒に対して0.05重量%未満の担持量では活性が不足
し、一方5重量%を超えると活性低下を起こし易いから
である。一方本発明において前記した触媒担体に活性金
属として用いられる周期律表第IA族金属としては、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム、セシウムおよびルビジウ
ムを挙げることができるが、ナトリウムおよび/または
カリウムが好ましい。そして周期律表第IA族金属は、全
触媒に対し0.05〜1.0重量%の範囲の量で担持さ
れる。全触媒に対して0.05重量%未満の担持量では
コーキングによる活性劣化が起こり易くなり、一方1.
0重量%を超えると硫黄分に対して被毒を受け易くなっ
て活性低下を起こすからである。
【0014】そして周期律表第VIII族貴金属は通常行わ
れる任意の方法で担持でき、具体的には浸漬法、含浸
法、吸蔵法、イオン交換法などが挙げられ、また好まし
い原料は塩化物、硝酸塩、酢酸塩、アンミン錯塩などが
挙げられる。一方周期律表第IA族金属も通常行われる任
意の方法で担持でき、具体的には浸漬法、含浸法、吸蔵
法、イオン交換法などが挙げられ、また好ましい原料は
塩化物、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられる。さらに周期
律表第VIII族貴金属および周期律表第IA族金属の担持順
序は、同時にあるいは順次行ってもよい。周期律表第VI
II族貴金属および周期律表第IA族金属は担体中に微細に
分散されていることが好ましく、また周期律表第VIII族
貴金属および周期律表第IA族金属の担持は、担体の成型
の前でも後でも構わない。
【0015】そして本発明の触媒は、通常前記した担体
の成型後に焼成処理を行う。焼成温度は400〜900
℃が好ましく、500〜800℃がより好ましい。また
必須条件ではないが、前処理として水素気流中で水素還
元を行うことが好ましく、その際の還元温度は200〜
500℃が好ましく、300〜400℃がより好まし
い。本発明の触媒における重要な特徴は触媒の耐硫黄性
であり、耐硫黄性とはここでは主に0.01〜20pp
mの硫黄に触媒を曝しても、良好な脱水素化性能を示す
ものとしてここで用いることができる。本発明の触媒
は、20ppm以下の硫黄分に対して全く脱水素化活性
が低下せず、顕著な耐硫黄性を有している。したがって
本発明の触媒を用いた時、脱水素化装置の資本コストを
減少させることができる。何故なら脱水素化領域を保護
するのに必要な硫黄防護または硫黄除去装置を設ける必
要が無くて済むからである。硫黄は有機硫黄化合物の形
になっていてもよく、あるいは硫化水素の形になってい
てもよい。
【0016】触媒は慣用的種類の接触脱水素化装置に用
いることができる。脱水素化装置へ供給されるパラフィ
ン系炭化水素は、好ましくは軽質炭化水素またはナフサ
留分、より好ましくは230℃より低く、一層好ましく
は約120℃より低く、最も好ましくは70℃より低い
温度で沸騰する留分のものである。これには例えば、直
留ナフサ、芳香族抽出からのパラフィン系ラフィネー
ト、実質的に純粋なC、C、C流、またはそれら
の混合物、およびC〜C10のパラフィンに富む原料
供給物、その他水素化分解または慣用的改質のような精
製工程からのパラフィン含有ナフサ生成物が含まれる。
原料供給物は好ましくはプロパン、ブタン、イソブタン
またはそれらの混合物のうち少なくとも1種類を含む。
パラフィンに富む原料供給物は好ましくは0.5重量%
より多くのC〜C10パラフィン、一層好ましくは
0.5重量%より多いC〜Cパラフィンを含む。実
際の脱水素化条件は高度に芳香族性、パラフィン性また
はナフテン性であるか否か、その他用いた原料供給物に
も大きく依存する。その原料供給物は、非反応性ガス
(例えば窒素ガスまたはメタン)を含んでいてもよく、
それらは反応性炭化水素の分圧を下げる働きをし、それ
によって一層好ましい熱力学的平衡および一層大きな脱
水素化率を与える結果となる。
【0017】本発明の触媒は、脱水素化装置へ供給され
るパラフィン系炭化水素中の水分が重量で50ppmよ
り少なく、一層好ましくは25ppmより少ないなら
ば、一層大きな活性の安定性を与える。本発明の方法に
おける反応圧力はケージ圧基準で、好ましくは0.7M
Pa以下、一層好ましくは0.2MPa以下、最も好ま
しくは0.1MPa以下である。一方、LHSV(標準
状態の液体として1時間当たり触媒床に導入された炭化
水素の体積を、触媒床の容積で割ることによって計算さ
れる液空間速度)は0.1〜20h−1が好ましく、
0.3〜5h−1の範囲がより好ましい。また反応温度
は好ましくは370℃〜700℃、一層好ましくは43
0℃〜600℃、最も好ましくは約430℃〜540℃
である。この広い範囲内の温度の最初の選択は、主に原
料供給物および触媒の特性を考慮してパラフィン系炭化
水素の希望の脱水素化率水準の関数として主に行われ
る。
【0018】そして本発明によれば、脱水素化工程は水
素を添加せずに行う。このことはオレフィン生成物の収
率を増大するのに都合がよく、脱水素化工程を一層低い
温度で操作することができるようにする。また本発明の
触媒は、脱水素化で用いる前にそれらを予め硫化するな
らばオレフィン生成に対し特に良好な選択性を達成でき
る。触媒の硫化はその場で、または脱水素化反応器の外
部で行うことができるが、硫化はその場で行うのが好ま
しい。
【0019】また本発明の第2の実施態様として、パラ
フィン系原料供給物を脱水素化領域または脱水素化反応
器の中で脱水素化条件下で上述したように接触させる。
この接触は固定床系、移動床系、流動床系またはバッチ
式操作で触媒を用いることにより達成することができる
が、固定床系または移動床系を用いるのが好ましい。固
定床系では、原料供給物を希望の反応温度で予熱し、つ
ぎに触媒固定床の入った脱水素化領域へ送るのが典型的
である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を用いて
詳細に説明する。ただし本発明は実施例の範囲に限定さ
れるものではない。 [実施例1]3号ガラス2727gに水酸化ナトリウム
(粒状、純度95%)192gを添加し、イオン交換水
を添加して全量を6リットルとしたものをA液とし、一
方塩化マグネシウム六水和物(純度98%)1234g
にイオン交換水を加えて全量を6リットルとしたものを
B液とした。ついで60℃に保持したイオン交換水8リ
ットルを30リットルの容器内に張っておき、それに前
記A液とB液を強い撹拌下、定速度(毎分100ミリリ
ットル)で添加しながら水和物沈殿を生成させた。そし
てこの沈殿物を十分に水洗いした後、押出成型し、11
0℃で12時間乾燥した後、600℃で3時間焼成して
シリカ−マグネシア担体aを調製した。
【0021】得られた担体aの化学組成はシリカ77重
量%、マグネシア23重量%であり、BETの吸着等温
式により比表面積を求めたところ461m/gであっ
た。この担体aにテトラアンミン白金塩化物と塩化ナト
リウムの混合水溶液を含浸し、110℃で12時間乾燥
した後、500℃で3時間焼成を行って触媒A(実施例
1)を調製した。なお触媒AにおけるPtとNaの担持
量はそれぞれ0.8重量%、0.3重量%であった。つ
ぎに触媒Aを充填した固定床流通式反応装置を用いて脱
水素化試験を行った。触媒の前処理として水素中450
℃で2時間還元し、つぎに反応温度=500℃、大気圧
下で10ppmの硫化水素を含有するノルマルブタンを
LHSV=5 −1で供給して脱水素化反応を行った。2
00時間反応を行った後のノルマルブタンの転化率は3
8%であり、ノルマルブテン選択率=95%が得られ
た。また活性劣化は殆ど起こらなかった。
【0022】[実施例2]3号水ガラス2266gに水
酸化ナトリウム(粒状、純度95%)564gを添加
し、イオン交換水を添加して全量を6リットルとしたも
のをC液とし、一方塩化マグネシウム六水和物(純度9
8%)1932gにイオン交換水を加えて全量を6リッ
トルとしたものをD液とした。ついで60℃に保持した
イオン交換水8リットルを30リットルの容器内に張っ
ておき、それに前記C液とD液を強い撹拌下、定速度
(毎分100ミリリットル)で添加しながら水和物沈殿
を生成させた。そしてこの沈殿物を十分に水洗いした
後、押出成型し、110℃で12時間乾燥した後、60
0℃で3時間焼成してシリカ−マグネシア担体bを調製
した。
【0023】得られた担体bの化学組成はシリカ64重
量%、マグネシア36重量%であり、BETの吸着等温
式により比表面積を求めたところ348m/gであっ
た。この担体bにテトラアンミン白金塩化物と塩化カリ
ウムの混合水溶液を含浸し、110℃で12時間乾燥し
た後、500℃で3時間焼成を行って触媒B(実施例
2)を調製した。なお触媒BにおけるPtとKの担持量
はそれぞれ0.8重量%,0.6重量%であった。つぎ
に触媒Bを充填した固定床流通式反応装置を用いて実施
例1と同様にして脱水素化反応を行ったところ、200
時間反応を行った後のノルマルブタンの転化率は44%
であり、ノルマルブテン選択率=97%が得られた。ま
た活性劣化は殆ど起こらなかった。
【0024】[実施例3]3号水ガラス1950gに水
酸化ナトリウム(粒状、純度95%)766gを添加
し、イオン交換水を添加して全量を6リットルとしたも
のをE液とし、一方塩化マグネシウム六水和物(純度9
8%)2415gにイオン交換水を加えて全量を6リッ
トルとしたものをF液とした。ついで60℃に保持した
イオン交換水8リットルを30リットルの容器内に張っ
ておき、それに前記E液とF液を強い撹拌下、定速度
(毎分100ミリリットル)で添加しながら水和物沈殿
を生成させた。そしてこの沈殿物を十分に水洗いした
後、押出成型し、110℃で12時間乾燥した後、60
0℃で3時間焼成してシリカ−マグネシア担体cを調製
した。
【0025】得られた担体cの化学組成はシリカ55重
量%、マグネシア45重量%であり、かつBETの吸着
等温式により比表面積を求めたところ194m/gで
あった。この担体cにテトラアンミン白金塩化物とテト
ラアンミンパラジウム塩化物と塩化ナトリウムの混合水
溶液を含浸し、110℃で12時間乾慢した後、500
℃で3時間焼成を行って触媒C(実施例3)を調製し
た。なお触媒CにおけるPtとPdとNaの担持量はそ
れぞれ0.6重量%、0.2重量%、0.1重量%であ
った。つぎに触媒Cを充填した固定床流通式反応装置を
用いて実施例1と同様にして脱水素化反応を行ったとこ
ろ、200時間反応を行った後のノルマルブタンの転化
率は28%であり、ノルマルブテン選択率=99%が得
られた。また活性劣化は殆どを起こらなかった。
【0026】[比較例1]ケイ素とマグネシウムを構成
金属成分とする結晶性層状粘土鉱物であるスチブンサイ
トを担体原料として用いた。用いたスチブンサイトは、
ケイ素=26.5重量%、マグネシウム=16.6重量
%、ナトリウム=0.8重量%を含有しており,イオン
交換容量は54ミリ当量/100gであった。このスチ
ブンサイトをアルミナ水和物と混合し、水を加えながら
よく練って押出成型した。つぎに110℃で12時間乾
燥した後、600℃で3時間焼成して担体dを調製し
た。
【0027】得られた担体d中のスチブンサイトの量は
80重量%であり、かつBETの吸着等温式より担体d
の比表面積を求めたところ224m/gであった。こ
の担体dにテトラアンミン白金塩化物を含浸し、110
℃で12時間乾燥した後、500℃で3時間焼成を行っ
て触媒D(比較例1)を調製した。なお触媒Dにおける
PtとNaの担持量はそれぞれ0.8重量%、0.5重
量%であった。つぎに触媒Dを充填した固定床流通式反
応装置を用いて実施例1と同様にして脱水素化反応を行
ったところ、200時間反応を行った後のノルマルブタ
ンの転化率は31%であり、ノルマルブテン選択率=6
4%と低くなった。また経時的な活性の劣化が起こり、
活性は徐々に低下していった。
【0028】[比較例2]シリカ/アルミナモル比=3
00、Na含有量=0.05重量%であるZSM−5型
ゼオライトをアルミナ水和物と混合し、よく練って押出
成型した。つぎに110℃で12時間乾燥した後、50
0℃で3時間焼成して担体eを調製した。
【0029】得られた担体e中のZSM−5型ゼオライ
トの量は80重量%であり、かつBETの吸着等温式に
より担体gの比表面積を求めたところ365m/gで
あった。この担体eにテトラアンミン白金塩化物と塩化
ナトリウムの混合水溶液を含浸し、110℃で12時間
乾燥した後、500℃で3時間焼成を行って触媒E(比
較例2)を調製した。なお触媒EにおけるPtとNaの
担持量はそれぞれ0.8重量%、0.1重量%であっ
た。つぎに触媒Eを充填した固定床流通式反応装置を用
いて実施例1と同様にして脱水素化反応を行ったとこ
ろ、200時間反応を行った後のノルマルブタンの転化
率は28%であり、ノルマルブテン選択率=37%と低
くなった。また経時的な活性の劣化が起こり、活性は顕
著に低下していった。
【0030】
【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、パラフ
ィンの脱水素化反応に対して高性能を示すとともに、耐
硫黄性に優れ、コーキングなどによる活性劣化を起こし
難く、また寿命の長いパラフィンの脱水素化触媒および
該触媒を用いたパラフィン脱水素化方法を提供すること
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 横塚 英治 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 松田 高志 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA06A BA06B BA20A BA20B BB02A BB02B BB04A BB04B BB06A BB06B BC01A BC02A BC02B BC03A BC03B BC04A BC05A BC06A BC10A BC10B BC69A BC71A BC72A BC72B BC74A BC75A BC75B BD05A BD05B CB07 CB63 DA06 DA07 EA02Y EC02Y EC03Y EC04Y EC26 ED07 ED08 FA01 FB05 FB09 FC08 4H006 AA02 AC12 BA02 BA17 BA25 BA26 BA55 BA56 4H039 CA29 CC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素とマグネシウムを主成分とする実
    質的に非晶質の金属酸化物担体に、活性金属として周期
    律表第VIII族貴金属の中から選ばれた少なくとも1種
    と、周期律表第IA族金属の中から選ばれた少なくとも1
    種とを担持してなることを特徴とするパラフィンの脱水
    素化触媒。
  2. 【請求項2】 前記非晶質金属酸化物担体のMg/Si
    の原子比が0.45以上で、1.5以下であることを特
    徴とする請求項1記載のパラフィンの脱水素化触媒。
  3. 【請求項3】 前記周期律表第IA族金属が全触媒に対し
    て0.05〜1.0重量%の範囲で担持されることを特
    徴とする請求項1または2記載のパラフィンの脱水素化
    触媒。
  4. 【請求項4】 前記周期律表第VIII族貴金属が白金また
    はパラジウムの中から選ばれた少なくとも1種からなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のパ
    ラフィンの脱水素化触媒。
  5. 【請求項5】 前記周期律表第VIII族貴金属が全触媒に
    対して0.05〜5重量%の範囲の量で担持されること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のパラフ
    ィンの脱水素化触媒。
  6. 【請求項6】 20ppm以下の硫黄に周期的に曝され
    る反応領域中でパラフィンを含む原料供給物を脱水素化
    する方法において、担体としてケイ素とマグネシウムを
    主成分とする実質的に非晶質の金属酸化物に、活性金属
    として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた少なく
    とも1種と、周期率表第IA族金属の中から選ばれた少な
    くとも1種とを含有する触媒の存在下で、パラフィン系
    炭化水素と接触させることを特徴とするパラフィン系炭
    化水素の脱水素化方法。
  7. 【請求項7】 前記原料供給物が0.01〜20ppm
    の硫黄を含むことを特徴とする請求項6記載のパラフィ
    ン系炭化水素の脱水素化方法。
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