JP2001161369A - ケモカインhvc002の有する活性を阻害する抗体 - Google Patents

ケモカインhvc002の有する活性を阻害する抗体

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Hideji Anazawa
秀治 穴澤
Akio Shinkai
暁男 新海
Nobuo Hanai
陳雄 花井
Emi Shoji
絵美 庄司
Akiko Furuya
安希子 古谷
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 好酸球の浸潤が関与する各種炎症疾患に対す
る治療薬または診断薬を提供することにある。 【解決手段】 本発明では、HVC002を特異的に認
識し、かつケモカインHVC002の有する活性を阻害するモ
ノクローナル抗体、該抗体を有効成分として含有する、
好酸球の浸潤が関与する各種炎症疾患に対する治療薬お
よび診断薬に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケモカインHVC002
を特異的に反応し、かつケモカインHVC002の有する活性
を阻害する抗体を提供する。また、本発明の抗体を用い
て、ケモカインHVC002により活性化される好酸球の浸潤
が関与している疾患、例えば、アレルギー性炎症疾患、
好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症、または自己免疫疾
患の治療または診断に関する。
【0002】
【従来の技術】HVC002はヒト血管内皮細胞をIL−4で
刺激した際、発現する蛋白質である。cDNAクローニ
ングによりアミノ酸一次配列が明らかとなり、この蛋白
質は分子中にCysCys配列を持つ新規CCケモカイ
ンであることが明らかとなった(WO98/24817)。
【0003】ケモカインは、リセプターを介して白血球
をケモカイン濃度の高い方向に遊走させる活性を有する
分子であり、炎症疾患の際の白血球の浸潤に重要な役割
を果たしている。また、ケモカインがリセプターに結合
することにより、細胞内カルシウム濃度が上昇すること
が知られており、遊走活性だけでなく白血球細胞を活性
化する作用も報告されている[Nature, 361, 79 (199
3)、Journal of Leukocyte Biology, 59, 81 (199
6)]。
【0004】種々の細胞株およびヒト末梢血単核球を用
い、HVC002のターゲット細胞を検索した結果、HVC002は
好酸球に作用してその活性化と遊走を引き起こすことが
明らかとなった(WO98/24817)。また、CCR3遺伝子
導入細胞を用いた解析から、HVC002のレセプターはCC
R3であることが明らかとなった[WO98/24817、J. Immu
nology, 163, 1602 (1999)]。炎症疾患のうち喘息等の
アレルギー性の炎症疾患では好酸球の浸潤が症状の進行
に主に関与していることが知られている。したがってHV
C002は好酸球性肺炎や突発性好酸球増多症、さらに喘息
等アレルギー性の炎症疾患の進行に関与している可能性
がある。
【0005】好酸球に作用するケモカインとしては、こ
れまでにエオタキシン(eotaxin)、RANTES、MCP-3、MC
P-4、eotaxin-2等が報告されている。この中でもエオタ
キシンは、作用が好酸球特異的なこと、抗原感作による
動物アレルギーモデルで発現の上昇が見られることから
注目されている。しかし、エオタキシン遺伝子ノックア
ウトマウスの解析から、エオタキシンは、通常時の末梢
好酸球の数の維持には関与しているが、アレルギー性炎
症時等の病的な好酸球の浸潤にはその初期にしか関与し
ていないこと、初期においてもエオタキシン以外のケモ
カインも関与していることが示唆された[J. Exp. Me
d., 185, 785 (1997)]。
【0006】HVC002に対する抗体としては、C末端ペプ
チドを抗原として作製されたモノクローナル抗体である
KM1885がすでに取得されている。該抗体はウェスタンブ
ロッティングによる検出や同定に使用することができる
(WO98/24817)。しかし、これまでにC末端ペプチドを
含め5種類の部分ペプチドを抗原に用いHVC002に対する
抗体を作製したが、その立体構造を認識する抗体は取得
されていない。したがって、HVC002の立体構造を認識
し、さらに、ケモカインHVC002の有する活性を阻害でき
る抗体の取得は非常に困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ケモカインHVC002の有
する活性を阻害し得る抗体は、好酸球の浸潤が関与する
各種炎症疾患に対する治療薬となる可能性がある。また
該抗体はHVC002の立体構造を認識することから、これら
炎症疾患の診断に応用できる可能性がある。また、未だ
不明な点の多いHVC002の作用機作の解明にも役立つと考
えられる。
【0008】したがって、本発明の課題はHVC002を特異
的に認識し、かつケモカインHVC002の有する活性を阻害
できるモノクローナル抗体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、HVC002を特
異的に認識し、かつケモカインHVC002の有する活性を阻
害するモノクローナル抗体を作製し、該抗体を有効成分
として含有する、好酸球の浸潤が関与する各種炎症疾患
に対する治療薬および診断薬に関する。すなわち、本発
明は以下の(1)〜(20)に関する。
【0010】(1) ケモカインHVC002を特異的に認識
し、かつケモカインHVC002の有する活性を阻害する抗
体。 (2) ケモカインHVC002の立体構造を認識する抗体。 (3) 抗体がモノクローナル抗体である、上記(1)
または(2)記載の抗体。
【0011】(4) モノクローナル抗体がマウスモノ
クローナル抗体である上記(3)記載のモノクローナル
抗体。 (5) マウスモノクローナル抗体がIgG1サブクラスで
ある上記(4)記載のモノクローナル抗体。 (6) マウスモノクローナル抗体がIgG1サブクラスで
ある上記(5)記載のモノクローナル抗体KM2427。
【0012】(7) 上記(3)〜(6)のいずれか1
項に記載のモノクローナル抗体の部分断片。 (8) 上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の抗
体またはその抗体断片と、放射性同位元素、蛋白質また
は低分子の化合物とを結合させた抗体の誘導体。
【0013】(9) 上記(1)〜(8)のいずれか1
項に記載の抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を
コードするDNA。 (10) 上記(9)記載のDNAを含有する組換えベク
ター。 (11) 上記(10)記載の組換えベクターを宿主細
胞に導入して得られる形質転換株。
【0014】(12) 上記(11)記載の形質転換株
を培地に培養し、培養物中に上記(1)〜(8)のいず
れか1項に記載のモノクローナル抗体、その抗体断片ま
たはそれらの誘導体を生成蓄積させ、該培養物からモノ
クローナル抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を
採取することを特徴とするモノクローナル抗体、その抗
体断片またはそれらの誘導体の製造方法。
【0015】(13) 上記(1)〜(8)のいずれか
1項に記載の抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体
を含有する医薬組成物。 (14) 上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の
抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を含有する、
アレルギー性炎症、好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症
または自己免疫疾患の治療薬。
【0016】(15) 上記(1)〜(8)のいずれか
1項に記載の抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体
を含有する、アレルギー性炎症、好酸球性肺炎、突発性
好酸球増多症または自己免疫疾患の診断薬。 (16) 上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の
抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を用いて、ケ
モカインHVC002を免疫学的に定量する方法。
【0017】(17) 上記(1)〜(8)のいずれか
1項に記載の抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体
を用いて、ケモカインHVC002を免疫学的に検出する方
法。 (18) 上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の
抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を用いて、ア
レルギー性炎症、好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症ま
たは自己免疫疾患を診断する方法。
【0018】(19) 上記(1)記載のモノクローナ
ル抗体を生産するハイブリドーマ。 (20) ハイブリドーマが、KM2427(FERM BP-6662)で
ある、上記(19)記載のハイブリドーマ。以下に、本
発明を詳細に説明する。
【0019】 〔発明の詳細な説明〕ケモカインHVC002の有する活性と
は、好酸球の細胞表面に発現するケモカインHVC002のリ
セプターであるCCR3を介した遊走および活性化を意味す
る。HVC002の立体構造とは、天然に存在されたもので
も、遺伝子組換えにより得られたものでも、いずれのも
のも包含される。
【0020】本発明のモノクローナル抗体としては、ハ
イブリドーマが産生する抗体、ヒト化抗体およびヒト抗
体などがあげられる。ハイブリドーマとは、ヒト以外の
哺乳動物に抗原を免疫して取得されたB細胞と、マウス
等に由来するミエローマ細胞とを細胞融合させて得られ
る、所望の抗原特異性を有したモノクローナル抗体を産
生する細胞を意味する。
【0021】ヒト化抗体としては、ヒト型キメラ抗体、
ヒト型相同性決定領域(complementarity determining
region:以下、CDRと略記する)移植抗体などがあげられ
る。ヒト型キメラ抗体は、ヒト以外の動物の抗体重鎖可
変領域(以下、重鎖はH鎖として、可変領域はV領域とし
てHVまたはVHとも称す)および抗体軽鎖可変領域(以
下、軽鎖はL鎖としてLVまたはVLとも称す)とヒト抗体
の重鎖定常領域(以下、定常領域はC領域としてCHとも
称す)およびヒト抗体の軽鎖定常領域(以下、CLとも称
す)とからなる抗体を意味する。ヒト以外の動物として
は、マウス、ラット、ハムスター、ラビット等、ハイブ
リドーマを作製することが可能であれば、いかなるもの
も用いることができる。
【0022】本発明のヒト型キメラ抗体は、ケモカイン
HVC002に特異的に反応するモノクローナル抗体を生産す
るハイブリドーマより、VHおよびVLをコードするcDNAを
取得し、ヒト抗体CHおよびヒト抗体CLをコードする遺伝
子を有する動物細胞用発現ベクターにそれぞれ挿入して
ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築し、動物細胞へ導
入することにより発現させ、製造することができる。
【0023】ヒト型キメラ抗体のCHとしては、ヒトイム
ノグロブリン(以下、hIgと表記する)に属すればいか
なるものでもよいが、hIgGクラスのものが好適であり、
更にhIgGクラスに属するhIgG1、hIgG2、hIgG3、hIgG4と
いったサブクラスのいずれも用いることができる。ま
た、ヒト型キメラ抗体のCLとしては、hIgに属すればい
かなるものでもよく、κクラスあるいはλクラスのもの
を用いることができる。
【0024】ヒト型CDR移植抗体は、ヒト以外の動物の
抗体のVHおよびVLのCDRのアミノ酸配列をヒト抗体のVH
およびVLの適切な位置に移植した抗体を意味する。本発
明のヒト型CDR移植抗体は、ケモカインHVC002に特異的
に反応するヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDR配
列を任意のヒト抗体のVHおよびVLのCDR配列に移植したV
領域をコードするcDNAを構築し、ヒト抗体のCHおよびヒ
ト抗体のCLをコードする遺伝子を有する動物細胞用発現
ベクターにそれぞれ挿入してヒト型CDR移植抗体発現ベ
クターを構築し、該発現ベクターを動物細胞へ導入する
ことによりヒト型CDR移植抗体を発現させ、製造するこ
とができる。
【0025】ヒト型CDR移植抗体のCHとしては、hIgに属
すればいかなるものでもよいが、hIgGクラスのものが好
適であり、更にhIgGクラスに属するhIgG1、hIgG2、hIgG
3、hIgG4といったサブクラスのいずれも用いることがで
きる。また、ヒト型CDR移植抗体のCLとしては、hIgに属
すればいかなるものでもよく、κクラスあるいはλクラ
スのものを用いることができる。
【0026】ヒト抗体は、元来、ヒト体内に天然に存在
する抗体を意味するが、最近の遺伝子工学的、細胞工学
的、発生工学的な技術の進歩により作製されたヒト抗体
ファージライブラリーおよびヒト抗体産生トランスジェ
ニック動物から得られる抗体等も含まれる。ヒト体内に
存在する抗体は、例えば、ヒト末梢血リンパ球を単離
し、EBウイルス等を感染させ不死化、クローニングする
ことにより、該抗体を産生するリンパ球を培養でき、培
養物中より該抗体を精製することができる。
【0027】ヒト抗体ファージライブラリーは、ヒトB
細胞から調製した抗体遺伝子をファージ遺伝子に挿入す
ることによりFab、一本鎖抗体等の抗体断片をファージ
表面に発現させたライブラリーである。該ライブラリー
より、抗原を固定化した基質に対する結合活性を指標と
して所望の抗原結合活性を有する抗体断片を発現してい
るファージを回収することができる。該抗体断片は、更
に遺伝子工学的手法により、2本の完全なH鎖および2本
の完全なL鎖からなるヒト抗体分子へも変換することが
できる。
【0028】ヒト抗体産生トランスジェニック動物は、
ヒト抗体遺伝子が細胞内に組込まれた動物を意味する。
具体的には、マウスES細胞へヒト抗体遺伝子を導入し、
該ES細胞を他のマウスの初期胚へ移植後、発生させるこ
とによりヒト抗体産生トランスジェニック動物を作製す
ることができる。ヒト抗体産生トランスジェニック動物
からのヒト抗体の作製方法は、通常のヒト以外の哺乳動
物で行われているハイブリドーマ作製方法によりヒト抗
体産生ハイブリドーマを得、培養することで培養物中に
ヒト抗体を産生蓄積させることができる。
【0029】抗体断片としては、Fab(fragment of ant
igen bindingの略)、Fab'、F(ab')2、一本鎖抗体(sin
gle chain Fv:以下、scFvと略記する)、ジスルフィド
安定化抗体(disulfide stabilized Fv;dsFv)、CDRを
含むペプチドなどがあげられる。Fabは、IgGを蛋白
質分解酵素パパインで処理して得られる断片のうち(H
鎖の224番目のアミノ酸残基で切断される)、H鎖のN末
端側約半分のアミノ酸とL鎖全体がジスルフィド結合で
結合した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片
である。
【0030】本発明のFabは、ケモカインHVC002に特異
的に反応する抗体を蛋白質分解酵素パパインで処理して
得ることができる。または、該抗体のFabをコードするD
NAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベ
クターに挿入し、該ベクターを原核生物あるいは真核生
物へ導入することにより発現させ、Fabを製造すること
ができる。
【0031】F(ab')2は、IgGを蛋白質分解酵素ペプ
シンで処理して得られる断片のうち(H鎖の234番目のア
ミノ酸残基で切断される)、Fabがヒンジ領域のジスル
フィド結合を介して結合されたものよりやや大きい、分
子量約10万の抗原結合活性を有する抗体断片である。本
発明のF(ab')2は、ケモカインHVC002に特異的に反応す
る抗体を蛋白質分解酵素ペプシンで処理して得ることが
できる。または、下記のFab'をチオエーテル結合あるい
はジスルフィド結合させ、作製することができる。
【0032】Fab'は、上記F(ab')2のヒンジ領域のジス
ルフィド結合を切断した分子量約5万の抗原結合活性を
有する抗体断片である。本発明のFab'は、ケモカインHV
C002に特異的に反応するF(ab')2を還元剤ジチオスレイ
トール処理して得ることができる。または、該抗体のFa
b'断片をコードするDNAを原核生物用発現ベクターある
いは真核生物用発現ベクターに挿入し、該ベクターを原
核生物あるいは真核生物へ導入することによりFab'を発
現させ、製造することができる。
【0033】scFvは、一本のVHと一本のVLとを適当なペ
プチドリンカー(以下、Pと称す)を用いて連結した、V
H−P−VLないしはVL−P−VHポリペプチドを示す。本発
明のscFvに含まれるVHおよびVLは、本発明のハイブリド
ーマが産生する抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体のいずれを
も用いることができる。本発明のscFvは、ケモカインHV
C002に特異的に反応する抗体のVHおよびVLをコードする
cDNAを取得し、scFvをコードするDNAを構築し、該DNAを
原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクタ
ーに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生
物へ導入することにより発現させ、scFvを製造すること
ができる。
【0034】dsFvは、VHおよびVL中のそれぞれ1アミノ
酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドを該シ
ステイン残基間のジスルフィド結合を介して結合させた
ものをいう。システイン残基に置換するアミノ酸残基は
Reiterらにより示された方法[Protein Engineering,
7, 697 (1994)]に従って、抗体の立体構造予測に基づ
いて選択することができる。本発明のdsFvに含まれるVH
およびVLは本発明のハイブリドーマが産生する抗体、ヒ
ト化抗体、ヒト抗体のいずれをも用いることができる。
【0035】本発明のdsFvは、ケモカインHVC002に特異
的に反応する抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得
し、dsFvをコードするDNAを構築し、該DNAを原核生物用
発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入
し、該発現ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入
することにより発現させ、dsFvを製造することができ
る。
【0036】CDRを含むペプチドは、H鎖またはL鎖CDRの
少なくとも1領域以上を含んで構成される。複数のCDR
は、直接または適当なペプチドリンカーを介して結合さ
せることができる。本発明のCDRを含むペプチドは、ケ
モカインHVC002に特異的に反応する抗体のVHおよびVLを
コードするcDNAを取得した後、CDRをコードするDNAを構
築し、該DNAを原核生物用発現ベクターあるいは真核生
物用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物
あるいは真核生物へ導入することにより発現させ、CDR
を含むペプチドを製造することができる。
【0037】また、CDRを含むペプチドは、Fmoc法(フ
ルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t-ブ
チルオキシカルボニル法)等の化学合成法によって製造
することもできる。本発明の抗体の誘導体は、本発明の
ハイブリドーマが産生する抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体
またはそれらの抗体断片に放射性同位元素、蛋白質また
は低分子の化合物などを結合させた抗体に関する。
【0038】本発明の抗体の誘導体は、ケモカインHVC0
02に特異的に反応する抗体または抗体断片のH鎖或いはL
鎖のN末端側或いはC末端側、抗体または抗体断片中の適
当な置換基あるいは側鎖、さらには抗体または抗体断片
中の糖鎖に放射性同位元素、蛋白質あるいは低分子の化
合物などを化学的手法[抗体工学入門(金光修著 19
94年 (株)地人書館)]により結合させることによ
り製造することができる。
【0039】または、ケモカインHVC002に特異的に反応
する抗体または抗体断片をコードするDNAと、結合させ
たい蛋白質をコードするDNAを連結させて発現ベクター
に挿入し、該発現ベクターを宿主細胞へ導入する。遺伝
子工学的手法によっても製造することができる。放射性
同位元素としては、131I、125I等があげられ、例えば、
クロラミンT法等により、抗体に結合させることができ
る。
【0040】低分子の薬剤としては、ナイトロジェン・
マスタード、サイクロフォスファミドなどのアルキル化
剤、5−フルオロウラシル、メソトレキセートなどの代
謝拮抗剤、ダウノマイシン、ブレオマイシン、マイトマ
イシンC,ダウノルビシン、ドキソルビシンなどの抗生
物質、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンの
ような植物アルカロイド、タモキシフェン、デキサメタ
ソンなどのホルモン剤等の抗癌剤[臨床腫瘍学(日本臨
床腫瘍研究会編 1996年 癌と化学療法社)]、ま
たはハイドロコーチゾン、プレドニゾンなどのステロイ
ド剤、アスピリン、インドメタシンなどの非ステロイド
剤、金チオマレート、ペニシラミンなどの免疫調節剤、
サイクロフォスファミド、アザチオプリンなどの免疫抑
制剤、マレイン酸クロルフェニラミン、クレマシチンの
ような抗ヒスタミン剤等の抗炎症剤[炎症と抗炎症療法
昭和57年 医歯薬出版株式会社]などがあげられ
る。例えば、ダウノマイシンと抗体を結合させる方法と
しては、グルタールアルデヒドを介してダウノマイシン
と抗体のアミノ基間を結合させる方法、水溶性カルボジ
イミドを介してダウノマイシンのアミノ基と抗体のカル
ボキシル基を結合させる方法等があげられる。
【0041】蛋白質としては、免疫担当細胞を活性化す
るサイトカインが好適であり、例えば、ヒトインターロ
イキン−2(以下、hIL-2と表記する)、ヒト顆粒球−
マクロファージ−コロニー刺激因子(以下、hGM-CSFと
表記する)、ヒトマクロファージコロニー刺激因子(以
下、hM-CSFと表記する)、ヒトインターロイキン12(以
下、hIL-12と表記する)等があげられる。また、癌細胞
を直接障害するため、リシンやジフテリア毒素などの毒
素を用いることができる。例えば、蛋白質との融合抗体
ついては、抗体または抗体断片をコードするcDNAに蛋白
質をコードするcDNAを連結させ、融合抗体をコードする
DNAを構築し、該DNAを原核生物あるいは真核生物用発現
ベクターに挿入し、該発現ベクターを原核生物あるいは
真核生物へ導入することにより発現させ、融合抗体を製
造することができる。
【0042】以下に、本発明のモノクローナル抗体の作
製方法について記す。 1.抗HVC002モノクローナル抗体の作製 (1)抗原の調製 HVC002をコードするcDNA(WO98/24817)を含む発現ベク
ターを大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞等に導入して
リコンビナントHVC002蛋白質を得る。あるいはヒト血管
内皮細胞、例えば臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC:クラ
ボウ社製)等からHVC002を精製する。あるいは、HVC002
部分配列、具体的には配列番号1〜5に示すアミノ酸配
列を有する合成ペプチドを抗原に用いることもできる。
【0043】これら抗原は、そのままあるいはキーホー
ルリンペットヘモシアニン(KLH)、牛血清アルブミ
ン(BSA)、メチル化牛血清アルブミン(メチル化B
SA)、牛チログロブリン(THY)等の分子量の大き
いキャリアタンパク質と結合させて投与する。 (2)動物の免疫と抗体産生細胞の調製 免疫に用いる動物としては、マウス、ラット、ハムスタ
ー、ラビットなどハイブリドーマを作製することが可能
であれば、いかなるものでもよい。下記に、マウスおよ
びラットを用いる例を説明する。
【0044】3〜20週令のマウスまたはラットに、上
記1(1)で調製した抗原を免疫し、その動物の脾、リ
ンパ節、末梢血より抗体産生細胞を採取する。免疫は、
動物の皮下、静脈内または腹腔内に、適当なアジュバン
トとともに抗原を数回投与することにより行う。アジュ
バンドとしては、フロインドの完全アジュバント(Compl
ete Freund's Adjuvant)または、水酸化アルミニウムゲ
ルと百日咳菌ワクチンなどがあげられる。各投与後3〜7
日目に免疫動物の眼底静脈叢あるいは尾静脈より採血
し、抗原として用いたHVC002に対しての反応性につい
て、酵素免疫測定法などで確認し[酵素免疫測定法(EL
ISA 法):医学書院刊(1976年)]、その血清が十
分な抗体価を示したマウスまたはラットを抗体産生細胞
の供給源とする。抗原物質の最終投与後3〜7日目に、免
疫したマウスまたはラットより公知の方法[アンティボ
ディズ・ア・ラボラトリー・マニュアル、コールド・ス
プリングハーバー・ラボラトリー(Antibodies-A Labor
atory Manual Cold Spring Harbor Laboratory, 198
8)、以下、アンチボディズ・ア・ラボラトリー・マニ
ュアルと記す]に準じて脾臓を摘出し、脾細胞と骨髄腫
細胞とを融合させる。
【0045】(3)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としては、マウスから得られた株化細胞であ
る、8-アザグアニン耐性マウス(BALB/c由来)骨髄腫細
胞株P3-X63Ag8-U1(P3-U1)[Euro. J. Immunol., 6, 511
(1976)]、SP2/0-Ag14(SP-2)[Nature, 276, 269 (197
8)]、P3-X63-Ag8653(653)[J. Immunol., 123, 1548
(1979)]、P3-X63-Ag8(X63)[Nature, 256, 495 (197
5)]など、イン・ビトロ(in vitro)で増殖可能な骨髄
腫細胞であればいかなるものでもよい。これらの細胞株
の培養および継代については公知の方法(アンチボディ
ズ・ア・ラボラトリー・マニュアル)に従い、細胞融合
時までに2×107個以上の細胞数を確保する。
【0046】(4)細胞融合 上記で得られた抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを洗浄した
のち、ポリエチレングライコール−1000(PEG-1000)など
の細胞凝集性媒体を加え、細胞を融合させ、培地中に懸
濁させる。細胞の洗浄にはMEM培地またはPBS(リ
ン酸二ナトリウム1.83g 、リン酸一カリウム0.21g、食
塩7.65g 、蒸留水1リットル、pH7.2)などを用いる。ま
た、融合細胞を懸濁させる培地としては、目的の融合細
胞のみを選択的に得られるように、HAT培地{正常培地
[RPMI-1640培地にグルタミン(1.5mM) 、2-メルカプト
エタノール(5×10-5M)、ジェンタマイシン(10μg/ml)
および牛胎児血清(FCS)(CSL社製、10%)を加えた培
地]にヒポキサンチン(10-4M)、チミジン(1.5×10-5
M)およびアミノプテリン(4×10-7M)を加えた培地}
を用いる。
【0047】培養後、培養上清の一部をとり、酵素免疫
測定法により、抗原蛋白質に反応し、非抗原蛋白質に反
応しないサンプルを選択する。ついで、限界希釈法によ
りクローニングを行い、酵素免疫測定法により安定して
高い抗体価の認められたものをモノクローナル抗体産生
ハイブリドーマ株として選択する。 (5)ハイブリドーマ産生抗HVC002モノクローナル抗体
の選択 抗HVC002モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
の選択は、アンチボディズ・ア・ラボラトリー・マニュ
アルに述べられている方法などに従い、以下に述べる測
定法により行う。これらの方法により、後述する抗HVC0
02ヒト化抗体、該抗体断片を産生する形質転換株の培養
上清中に含まれる抗HVC002抗体あるいはすべての精製抗
HVC002抗体の結合活性を測定することができる。酵素免疫測定法 抗原あるいは抗原を発現した細胞などを96ウェルプレ
ートにコートし、ハイブリドーマ培養上清もしくは上述
の方法で得られる精製抗体を第一抗体として反応させ
る。
【0048】第一抗体反応後、プレートを洗浄して第二
抗体を添加する。第二抗体とは、第一抗体のイムノグロ
ブリンを認識できる抗体を、ビオチン、酵素、化学発光
物質あるいは放射線化合物等で標識した抗体である。具
体的にはハイブリドーマ作製の際にマウスを用いたので
あれば、第二抗体としては、マウスイムノグロブリンを
認識できる抗体を用いる。
【0049】反応後、第二抗体を標識した物質に応じた
反応を行ない、抗原に特異的に反応するモノクローナル
抗体を生産するハイブリドーマとして選択する。当該ハ
イブリドーマ株の具体例としては、ハイブリドーマ株KM
2427(FERM BP-6662)があげられる。ハイブリドーマ細
胞株KM2427は平成11年2月26日付でブダペスト条約に基
づき工業技術院微生物工業技術研究所(日本国茨城県つ
くば市東1丁目1番3号)にFERM BP-6662として寄託さ
れている。
【0050】(6)モノクローナル抗体の精製 プリスタン処理〔2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン
(Pristane)0.5ml を腹腔内投与し、2 週間飼育する〕し
た8〜10週令のマウスまたはヌードマウスに、1(4)で得
られた抗HVC002モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ
細胞2×107〜5×106細胞/ 匹を腹腔内に注射する。10〜
21日間でハイブリドーマは腹水癌化する。該マウスまた
はヌードマウスから腹水を採取し、遠心分離、40〜50%
飽和硫酸アンモニウムによる塩析、カプリル酸沈殿法、
DEAE-セファロースカラム、プロテインA-カラムあるい
はセルロファインGSL2000(生化学工業社製)のカラム
などを用いて、IgG あるいはIgM 画分を回収し、精製モ
ノクローナル抗体とする。
【0051】精製モノクローナル抗体のサブクラスの決
定は、マウスモノクローナル抗体タイピングキットまた
はラットモノクローナル抗体タイピングキットなどを用
いて行うことができる。蛋白質量は、ローリー法あるい
は280nmでの吸光度より算出することができる。抗体の
サブクラスとは、クラス内のアイソタイプのことで、マ
ウスでは、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、ヒトでは、IgG
1、IgG2、IgG3、IgG4があげられる。 (7)抗HVC002モノクローナル抗体の反応性 天然の立体構造を有するHVC002に対する抗HVC002モノク
ローナル抗体の反応性を調べる方法として、インヒビシ
ョンELISAがあげられる。
【0052】まず、1(5)に記したように抗原を固相
化したプレートを準備し、第一抗体として抗HVC002モノ
クローナル抗体を反応させる。同時に適当に希釈したHV
C002を加えプレートに固相化したHVC002と競合させる。
その後は1(5)に示した方法と同様に検出することが
できる。抗HVC002モノクローナル抗体が天然の立体構造
を有するHVC002と反応する場合には、液相系で加えたHV
C002濃度依存的に固相化HVC002への結合が阻害され、O
D値が低下する。
【0053】(8)抗HVC002モノクローナル抗体のHVC0
02の生物活性に対する阻害活性の測定方法(1)−HVC0
02刺激による細胞内カルシウム濃度変化の阻害 抗HVC002モノクローナル抗体のHVC002の生物活性に対す
る阻害活性を測定する方法としては、以下の方法があげ
られる。すなわち、HVC002の受容体を有する細胞を蛍光
色素で標識し、モノクローナル抗体存在下、非存在下に
おけるHVC002刺激に対する細胞内カルシウム濃度の変化
を、細胞内イオン測定装置CAF-110(日本分光)にて測
定する方法である。以下に測定法を詳細に記す。
【0054】HVC002の受容体を有する細胞をハンクス・
バランスド・ソルト・ソリューション(HBSS)緩衝液
(使用する細胞種により0.5%BSAを含む)にて1回洗浄
し、1×106細胞/mlに調整する。Fura-2溶液(1mM Fura-
2/AM:Cremophol EL:HBSS緩衝液の含有割合を5:2:1に
調整し超音波で溶解した溶液)またはFluo-3溶液(1mMF
luo-3/AM:Cremophol EL:HBSS緩衝液の含有割合を5:
2:1に調整し超音波で溶解した溶液)を細胞懸濁液1×1
06細胞/mlに対して2μl/mlになるように添加し、37℃で
30分間、途中数回混ぜながら反応させることで細胞を色
素標識する。HBSS緩衝液にて1回洗浄後に再度細胞数を
数え、正確に1×106細胞/mlに懸濁させて使用する。
【0055】細胞内カルシウムイオン濃度変化の測定に
は、細胞内イオン測定装置CAF-110(日本分光)を使用
する。細胞懸濁液500μlを専用装置に入れ、さらにマグ
ネチックスターラーを加え、装置内にて37℃、800回転
で3分間反応させて細胞を安定させた後に測定を開始す
る。細胞をFura-2で標識した場合には、2波長励起法、F
luo-3で標識した場合には1波長励起法で測定する。Fura
-2の場合は励起波長が340nmと380nm、それぞれの測定波
長を500nmに設定し、340nmで励起したときの蛍光強度
(F340)と380nmで励起したときの蛍光強度(F380)との
比(R値=F340/F380)を経時的に記録する。R値という蛍光
比の値を取ることで、標本内の色素量・装置の感度とい
った要素あるいは光散乱のようなノイズを除くことが出
来る。Fluo-3の場合は励起波長が506nm、測定波長を540
nmに設定し、その蛍光強度(F506)を時間経過を追いなが
ら記録する。ケモカインの添加にはマイクロシリンジ
(伊藤製作所)を用い、最終濃度の100倍濃度のものを5
μl添加する。
【0056】抗HVC002モノクローナル抗体の阻害活性を
検討するには、抗HVC002モノクローナル抗体を適宜希釈
し、ケモカイン溶液と共に氷冷下で30分間反応させて
(計25μl)、同様に蛍光強度を測定する。データ解析に
ついては、Fura-2ではR値をそのままカルシウム濃度上
昇の指標とする。Fluo-3の場合でもF506をそのままカル
シウム濃度上昇の指標とするが、この場合は励起光電圧
(フォトマルチプライヤー電圧)を一定値(400ボルト)
とする。
【0057】このような抗HVC002モノクローナル抗体の
HVC002に対する細胞内カルシウム濃度変化の阻害活性検
出には、ヒト好酸球のほか、HVC002の受容体であるCCR3
を発現したCCR3遺伝子導入細胞株に対しても同様に行う
ことが可能である。 (8)抗HVC002モノクローナル抗体のHVC002の生物活性
に対する阻害活性の測定方法(2)−HVC002のヒト好酸
球に対する遊走活性の阻害 抗HVC002モノクローナル抗体がHVC002の生物活性を阻害
し得るか否かを、以下の方法で検討することができる。
すなわち、ケモタキシスチャンバー(neuro probe)を
用い、モノクローナル抗体存在下または非存在下におけ
るヒト好酸球に対するHVC002の遊走活性を測定する方法
である。
【0058】HVC002はヒト好酸球に対して0.1〜0.8μg/
mlの濃度範囲で最も高い遊走活性を示す。抗HVC002モノ
クローナル抗体を0.5%BSAを含むHBSS緩衝液で100μg/ml
から適宜希釈し、該抗体希釈液200μlと2μg/mlに希釈
したHVC002溶液200μlとを混合し、室温で15分間反応さ
せる。希釈はそれぞれ最終濃度でHVC002が1μg/ml、抗
体が50μg/mlからとする。ケモタキシスチャンバーに専
用プレート(neuro probe)をセットし、反応の終了し
た溶液を380μl/ウェルで分注する。その上に専用フィ
ルター(ポアサイズ 0.5μm、親水性)を空気が混入し
ないように設置し、ケモタキシスチャンバーのふたを閉
める。各ウェルのフィルターの上層にヒト好酸球懸濁液
を2×104細胞 /ウェル / 100μlで分注した後に37℃、5
% CO2気流下で1時間反応させる。その後、上層のヒト好
酸球懸濁液を吸引除去し、静かにケモタキシスチャンバ
ーのふたをはずす。そしてフィルター上に残存している
ヒト好酸球細胞懸濁液をさらに紙で軽く拭い、フィルタ
ー装着のままプレートをケモタキシスチャンバーからは
ずし、1,200回転、4℃、10分間遠心分離することでフィ
ルター裏に付着している好酸球をプレート底に沈着させ
る。フィルターを静かに除去し、下層の上清を注意深く
吸引除去する。遊走好酸球数の検出には好酸球中のペル
オキシダーゼ活性の検出を利用する。上清を除去したプ
レートに、0.3% ヘキサデシルトリメチル−アンモニウ
ム−ブロマイド(ナカライテスク社製)水溶液を50μl/
ウェル添加し、好酸球を溶解させる。その後、発色基質
溶液である0−フェニレンジアミン溶液を100μl/ウェ
ル添加し、発色させる。十分な発色後、3N塩酸溶液で反
応を停止し、マイクロプレートリーダー(Molecular D
evice社製)で吸光度490nmを測定する。HVC002を添加し
ない場合の遊走好酸球数を100%、抗体を添加しない場合
を0%として各抗体濃度における遊走活性阻害率(%)を算
出する。 また、遊走細胞数の検出には、セル・プロラ
イフレーション・アッセイ・キット(Molecelar probes
社製)を用いることも可能である。 2.単球・マクロファージが関与する疾患の診断方法 本発明で使用される抗体を用いた診断方法としては、例
えば、被験者の細胞あるいは組織に存在するケモカイン
HVC002を免疫学的に検出または定量する方法として、イ
ンヒビションELISAがあげられる。
【0059】まず、1(5)に記したように抗原を固相
化したプレートを準備し、第一抗体として抗HVC002モノ
クローナル抗体を反応させる。同時にHVC002濃度を測定
したい培養上清や血清などの被検体を適当に希釈して加
え競合反応させる。その後は1(5)に示した方法と同
様に検出することができる。濃度既知のHVC002蛋白質を
段階的に希釈して作製した検量線より、被験サンプルの
濃度を算出する。その量を健常者と被験者とで比較し、
発現量が上昇しているかどうかを調べることにより、被
験者がアレルギー性炎症疾患、好酸球性肺炎、突発性好
酸球増多症または自己免疫疾患に罹病しているか否かを
診断することができる。
【0060】本発明のケモカインHVC002に対する抗体ま
たはその抗体断片を用いた、アレルギー性炎症疾患、好
酸球性肺炎、突発性好酸球増多症または自己免疫疾患を
免疫学的に定量または検出する方法としては、蛍光抗体
法、免疫酵素抗体法(ELISA)、放射性物質標識免疫抗
体法(RIA)、免疫組織染色法、免疫細胞染色法などの
免疫組織化学染色法(ABC法、CSA法等)、ウェスタンブ
ロッティング法、免疫沈降法、上記に記した酵素免疫測
定法、サンドイッチELISA 法[単クローン抗体実験マニ
ュアル(講談社サイエンティフィック、1987年)、続生
化学実験講座5免疫生化学研究法(東京化学同人、1986
年)]などを用いることができる。
【0061】蛍光抗体法は、文献[Monoclonal Antibod
ies: Principles and practice, Third edition (Acade
mic Press, 1996), 単クローン抗体実験マニュアル(講
談社サイエンティフィック、1987)]等に記載された方
法を用いて行うことができる。具体的には、生体内から
分離された細胞またはその破砕液、組織またはその破砕
液、細胞培養上清、血清などに、本発明のモノクローナ
ル抗体またはその抗体断片を反応させ、さらにフルオレ
シン・イソチオシアネート(FITC)またはフィコエリス
リンなどの蛍光物質でラベルした抗イムノグロブリン抗
体または結合断片を反応させた後、蛍光色素をフローサ
イトメーターで測定する方法である。
【0062】免疫細胞染色法、免疫組織染色法などの免
疫組織化学染色法(ABC法、CSA法等)は、文献[Monocl
onal Antibodies: Principles and practice, Third ed
ition (Academic Press, 1996), 単クローン抗体実験マ
ニュアル(講談社サイエンティフィック, 1987)]等に
記載された方法を用いて行うことができる。免疫酵素抗
体法(ELISA)は、生体内から分離された細胞またはそ
の破砕液、組織またはその破砕液、細胞培養上清、血清
などに、本発明のモノクローナル抗体またはその抗体断
片を反応させ、さらにペルオキシダーゼ、ビオチンなど
の酵素標識などを施した抗イムノグロブリン抗体または
結合断片を反応させた後、発色色素を吸光光度計で測定
する方法である。
【0063】放射性物質標識免疫抗体法(RIA)は、生
体内から分離された細胞またはその破砕液、組織または
その破砕液、細胞培養上清、血清などに、本発明のモノ
クローナル抗体またはその抗体断片を反応させ、さらに
放射線標識を施した抗イムノグロブリン抗体または結合
断片を反応させた後、シンチレーションカウンターなど
で測定する方法である。
【0064】免疫細胞染色法、免疫組織染色法は、生体
内から分離された細胞または組織などに、本発明のモノ
クローナル抗体またはその抗体断片を反応させ、さらに
フルオレシン・イソチオシアネート(FITC)などの蛍光
物質、ペルオキシダーゼ、ビオチンなどの酵素標識を施
した抗イムノグロブリン抗体または結合断片を反応させ
た後、顕微鏡を用いて観察する方法である。
【0065】ウェスタンブロッティング法は、生体内か
ら分離された細胞またはその破砕液、組織またはその破
砕液、細胞培養上清、血清などをSDS-ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動[Antibodies-A Laboratory Manual, Co
ld Spring Harbor Laboratory, 1988]で分画した後、
該ゲルをPVDF膜あるいはニトロセルロース膜にブロッテ
ィングし、該膜に本発明のモノクローナル抗体またはそ
の抗体断片を反応させ、さらにFITCなどの蛍光物質、ペ
ルオキシダーゼ、ビオチンなどの酵素標識を施した抗マ
ウスIgG抗体あるいは結合断片を反応させた後、確認す
る。
【0066】免疫沈降法とは、生体内から分離された細
胞またはその破砕液、組織またはその破砕液、細胞培養
上清、血清などを本発明のモノクローナル抗体またはそ
の抗体断片と反応させた後、プロテインG―セファロー
ス等のイムノグロブリンに特異的な結合能を有する担体
を加えて抗原抗体複合体を沈降させるものである。サン
ドイッチELISA法とは、本発明のモノクローナル抗体ま
たはその抗体断片で、抗原認識部位の異なる2種類のモ
ノクローナル抗体のうち、あらかじめ一方のモノクロー
ナル抗体または抗体断片はプレートに吸着させ、もう一
方のモノクローナル抗体または抗体断片はFITCなどの蛍
光物質、ペルオキシダーゼ、ビオチンなどの酵素で標識
しておく。抗体吸着プレートに、生体内から分離された
細胞またはその破砕液、組織またはその破砕液、細胞培
養上清、血清などを反応後、標識したモノクローナル抗
体またはその抗体断片を反応させ、標識物質に応じた反
応を行う方法である。3.アレルギー性炎症疾患、好酸
球性肺炎、突発性好酸球増多症または自己免疫疾患の治
療薬および診断薬上述した抗HVC002抗体、該抗体断片ま
たはそれらの誘導体は、HVC002と好酸球上のCCR3との結
合を阻害し、HVC002により誘導される好酸球の遊走を阻
害するため、アレルギー性炎症疾患、好酸球性肺炎、突
発性好酸球増多症または自己免疫疾患の治療等に有用で
ある。
【0067】本発明に使用される抗体を含有する医薬
は、治療薬として単独で投与することも可能ではある
が、通常は薬理学的に許容される一つあるいはそれ以上
の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく
知られる任意の方法により製造した医薬製剤として提供
するのが望ましい。投与経路は、治療に際して最も効果
的なものを使用するのが望ましく、経口投与、または口
腔内、気道内、直腸内、皮下、筋肉内および静脈内等の
非経口投与をあげることができ、抗体またはペプチド製
剤の場合、望ましくは静脈内投与をあげることができ
る。
【0068】投与形態としては、噴霧剤、カプセル剤、
錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟
膏、テープ剤等があげられる。経口投与に適当な製剤と
しては、乳剤、シロップ剤、カプセル剤、錠剤、散剤、
顆粒剤等があげられる。乳剤およびシロップ剤のような
液体調製物は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖等の糖
類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等
のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油
類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ス
トロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類
等を添加剤として用いて製造できる。
【0069】カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤等は、乳
糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール等の賦形剤、デン
プン、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸
マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合
剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可
塑剤等を添加剤として用いて製造できる。
【0070】非経口投与に適当な製剤としては、注射
剤、座剤、噴霧剤等があげられる。注射剤は、塩溶液、
ブドウ糖溶液、あるいは両者の混合物からなる担体等を
用いて調製される。座剤はカカオ脂、水素化脂肪または
カルボン酸等の担体を用いて調製される。また、噴霧剤
は該抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体そのも
の、ないしは受容者の口腔および気道粘膜を刺激せず、
かつ該化合物を微細な粒子として分散させ吸収を容易に
させる担体等を用いて調製される。
【0071】担体として具体的には乳糖、グリセリン等
が例示される。該抗体および用いる担体の性質により、
エアロゾル、ドライパウダー等の製剤が可能である。ま
た、これらの非経口剤においても経口剤で添加剤として
例示した成分を添加することもできる。投与量または投
与回数は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、
年齢、体重等により異なるが、通常成人1日当たり10μ
g/kg〜8mg/kgである。
【0072】本発明で使用される抗体は、アレルギー性
炎症疾患、好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症または自
己免疫疾患の診断薬あるいは治療薬に用いることができ
る。
【0073】
【実施例】実施例1 抗原の調製―大腸菌を宿主とした
HVC002の発現及び精製 (1)発現プラスミドの作製 配列番号6および7に示された塩基配列を有する合成DN
A、およびプラスミドpHVC002の成熟体領域をコードする
PmaCI/NotI(390bp)断片を、ベクターpET21a(+)(Novage
n製)上のT7プロモーターの下流(NdeI/NotI部位)に導
入し、Met-Ile-Glu-Gly-Arg-HVC002成熟体融合遺伝子を
導入したプラスミドpET-HVCを作製した(図6)。上記
の合成DNAは、メチオニン(以下、Metと示す)、プロテ
アーゼFactor Xaが切断を認識するアミノ酸配列である
イソロイシン−グルタミン酸−グリシン−アルギニン
(以下、Ile-Glu-Gly-Argと示す)、およびHVC002成熟
体のN末端アミノ酸残基(スレオニン;以下、Thrと示
す)をコードしている。
【0074】(2) Met-Ile-Glu-Gly-Arg-HVC002成熟
体融合蛋白質の発現 大腸菌BL21 (D E3)(Novagen製)株にpET-HVCを導入
し、上記融合蛋白質の発現細胞[以下、BL21(D E3)/pET
-HVCと記載する]を作製した。該組換え菌株を37℃、LB
培地中でOD660が約0.7になるまで培養した後、isopropy
l-b-D-tiogalactopyranoside(IPTG)を1 mMになるよう
に添加し、さらに5時間培養することによって上記融合
蛋白質を発現させた。
【0075】(3)Met-Ile-Glu-Gly-Arg-HVC002成熟体
融合蛋白質の可溶化、Factor Xa切断認識部位の切断、
および成熟体HVC002の精製 (2)で得られた菌体(培養液100 ml相当分)を20 mM
Tris-HCl (pH 8.0) /250 mM Sucrose溶液10mlに懸濁さ
せ、フレンチプレッシャーセルプレス(アミンコ製)を
用い、12,000 psiで菌体を破砕した後、150,000×gで30
分間、遠心分離し、顆粒として発現した上記融合蛋白質
を沈殿画分に回収した。6Mグアニジン塩酸/1 mM DTT/
0.1 M Tris-HCl (pH 8.0)溶液2 mlに溶解後、0.1 M Tri
s-HCl (pH 8.0)/1 mM酸化型グルタチオン/0.1 mM還元
型グルタチオン溶液で20倍に希釈し、4℃で12時間攪拌
することによって上記融合蛋白質を可溶化させた。該可
溶化蛋白質を50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.5)で平衡
化させたヘパリンセルロファイン(チッソ製)カラム
(25 ml)に通塔し、50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.5)
100 mlで洗浄した後、カラム吸着画分を、0-1M NaClの
濃度勾配80 mlにより溶出させて、上記融合蛋白質を精
製した。融合蛋白質を含む画分を回収し、20 mMTris-HC
l(pH 8.0)/100 mM NaCl/2 mM CaCl2に対して透析した
後、Factor Xaを、融合蛋白質:Factor Xa=400:1(量
比)になるように添加し、25℃で5時間反応させること
によって融合蛋白質のN末端側ペプチドMet-Ile-Glu-Gly
-Argを切断した。切断後、該溶液に50 mMリン酸ナトリ
ウム(pH 6.5)/0.4 M NaCl溶液で平衡化させたSPセフ
ァロース(ファルマシア社製)1 mlを添加し、4℃で12
時間反応させた。反応後、SPセファロースを回収してカ
ラムに詰め、50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.5)/0.4 M N
aCl溶液10 mlで洗浄した後、50 mMリン酸ナトリウム(p
H 6.5)/1 M NaCl溶液5 mlで溶出させた。該溶出液をP
BSに対して透析した。
【0076】実施例2 抗HVC002モノクローナル抗体の
作製 (1)動物の免疫と抗体産生細胞の調整 実施例1で得られた大腸菌発現HVC002蛋白質は、免疫原
性を高める目的で以下の方法でメチル化BSA(シグマ
社)とのコンジュゲートを作製し、免疫原とした。すな
わち、2回蒸留水に溶解したメチル化BSAを、BSA:HVC00
2=1:4(重量比)になるように4℃で混合し、10秒間
ボルテックスミキサーで攪拌した。その後、HVC002濃度
が200μg/mlになるように、0.4M NaCl溶液で希釈後、連
結針付きシリンジを用いて完全フロインドアジュバン
ト、あるいは不完全フロイントアジュバントと容量比
1:1で混合し、免疫原とした。
【0077】5週令雌マウス(Balb/c)に、完全フロイ
ンドアジュバントを用いて上記のように調整した免疫原
であるHVC002を30μg投与し、2週間後より不完全フ
ロインドアジュバントを用いて同様に調整した免疫原を
1週間に1回、計4回投与した。眼底静脈叢より採血
し、その血清抗体価を実施例2(4)に示すバインディ
ングELISAで調べ、十分な抗体価を示したマウスから最
終免疫3日後に脾臓を摘出した。
【0078】脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細断
し、ピンセットでほぐし、遠心分離(1200rpm、
5分間)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモニウ
ム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理し赤血球を
除去し、MEM培地で3回洗浄し、細胞融合に用いた。 (2)マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞株P3−U1を
正常培地で培養し、細胞融合時に2×107以上の細胞
を確保し、細胞融合に親株として供した。
【0079】(3)ハイブリドーマの作製 実施例2(1)で得られたマウス脾細胞と(2)で得ら
れた骨髄腫細胞とを10:1になるよう混合し、遠心分
離(1,200rpm、5分間)した後、上清を捨て、
沈澱した細胞群をよくほぐした後、攪拌しながら、37
℃で、ポリエチレングライコール−1,000(PEG
−1,000)2g、MEM培地2mlおよびジメチル
スルホキシド0.7mlの混液0.2〜1ml/108
マウス脾細胞を加え、1〜2分間毎にMEM培地1〜
2mlを数回加えた後、MEM培地を加えて全量が50
mlになるようにした。遠心分離(900rpm、5分
間)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、メ
スピペットによる吸込み、吸出しでゆるやかに細胞をH
AT培地100ml中に懸濁した。
【0080】この懸濁液を96ウェル培養用プレートに
100μl/ウェルずつ分注し、5%CO2インキュベ
ーター中、37℃で10〜14日間CO25%下で培養
した。この培養上清を実施例2(4)に示すバインディ
ングELISAで調べ、HVC002に反応してHVC002を含ま
ない抗原に反応しないウェルを選び、さらにHT培地と
正常培地に換え、2回クローニングを繰り返して、抗HV
C002モノクローナル抗体産生ハイブリドーマKM2425、KM
2426、KM2427、KM2428およびKM2429を確立した。図1に
示すKM2425、KM2426、KM2427、KM2428およびKM2429のバ
インディングELISAの結果を示す。
【0081】(4)モノクローナル抗体の選択―バイン
ディングELISA アッセイ用の抗原としては、実施例1で得られた大腸菌
発現HVC002蛋白質を実施例2(1)で述べた方法により
メチル化BSAとコンジュゲートしたものを用いた。ただ
し、HVC002とメチル化BSAの混合比は1:3(重量比)
に変えた。コントロール抗原としては、大腸菌発現精製
IL−1βを同様の方法で調整したメチル化BSA−IL
−1βコンジュゲートを用いた。96ウェルのEIA用
プレート(グライナー社)に、上述のように調製したコ
ンジュゲートをHVC002またはIL-1β濃度1μg/mlで
50μl/ウェルで分注し、4℃で一晩放置して吸着させ
た。洗浄後、1%BSA-PBSを100μl/ウェルで加え、室温
1時間反応させて残っている活性基をブロックした。1%
BSA-PBSを捨て、被免疫マウス抗血清、抗HVC002モノク
ローナル抗体の培養上清もしくは精製抗HVC002モノクロ
ーナル抗体を50μl/ウェルで分注し2時間反応させ
た。tween−PBSで洗浄後、希釈したペルオキシダーゼ標
識ウサギ抗マウスイムノグロブリン(ダコ社)を50μl
/ウェルで加えて室温、1時間反応させ、tween−PBSで
洗浄後ABTS基質液[2.2-アジノビス(3-エチルベンゾチ
アゾール-6-スルホン酸)アンモニウム]を用いて発色
させOD415nmの吸光度をプレートリーダー(Emax;和光純
薬)にて測定した。
【0082】(5)モノクローナル抗体の精製 プリスタン処理した8週令ヌード雌マウス(Balb/c)に
実施例2(3)で得られたハイブリドーマ株を5〜20
×106細胞/匹それぞれ腹腔内注射した。10〜21
日後に、ハイブリドーマは腹水癌化した。腹水のたまっ
たマウスから、腹水を採取(1〜8ml/匹)し、遠心
分離(3,000rpm、5分間)して固形分を除去し
た。モノクローナル抗体がIgGのときは、カプリル酸沈
殿法〔Antibodies - A Laboratory Manual, Cold Sprin
g Harbor Laboratory, 1988〕により精製し、精製モノ
クローナル抗体とした。抗体のサブクラスはサブクラス
タイピングキットを用いて酵素免疫測定法により行な
い、IgG1であると決定した。
【0083】実施例3 抗HVC002モノクローナル抗体の
反応性の検討 (1)HVC002の天然の立体構造に対する反応性 実施例2(3)で選択された抗HVC002モノクローナル抗
体の液相系において立体構造を保つHVC002に対する反応
性を、インヒビションELISAで調べた。
【0084】実施例2(4)に示したように抗原を固相
化したプレートを準備し、2μg/mlより5倍希釈で
段階的に希釈したHVC002を50μl/ウェルで分注後、抗
HVC002モノクローナル抗体の培養上清を希釈して(希釈
倍率;KM1885:×29、KM2425:×41、KM2426:×55、KM
2427:×16.7、KM2428:×11.1、KM2429:×20)50μl
/ウェルで分注し、ウェル内で混合して室温で2時間反
応させた。ウェルをtween−PBSで洗浄後、希釈したペル
オキシダーゼ標識ウサギ抗マウスイムノグロブリン(ダ
コ社)を50μl/ウェルで加えて室温、1時間反応さ
せ、tween−PBSで洗浄後ABTS基質液[2.2-アジノビス
(3-エチルベンゾチアゾール-6-スルホン酸)アンモニ
ウム]を用いて発色させOD415nmの吸光度をプレートリ
ーダー(Emax;和光純薬)にて測定した。図2に示すよ
うに、抗HVC002モノクローナル抗体はいずれもHVC002の
天然の立体構造に反応した。また抗体の反応性はKM242
5、KM2427>KM2428、KM2429>KM2426であった。
【0085】(2)ヒト好酸球の分離 ヘパリンナトリウム注射液(武田薬品工業)を200単位
(200μl)入れた注射筒を用いて健常人ヒト末梢血60mlを
採取し、続いて120mlの注射用生理食塩水(大塚製薬)
を加えた。分離用Percoll(Pharmacia LKB)をピペラジ
ン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)緩衝液
にて比重1.085g/mlに調整し、それを50ml容量の遠心管6
本に12mlづつ分注し、その上に生理食塩水で希釈したヒ
ト末梢血を30ml重層した。室温で25分間、1,500rpmで遠
心分離すると、好酸球を含む顆粒球は赤血球層の上面に
バフィーコートとして確認することができたため、それ
より上層の血漿層、単核球層、Percoll層の半量を吸引
除去した。次に、滅菌した氷冷水18mlを各チューブに分
注し30秒間遠心管を転倒混和することで溶血させ、赤血
球の除去を行った。30秒後に、氷冷した10倍濃度PIPES
緩衝液を2ml添加して等張に戻し、4℃で5分間、1,400rp
mで遠心分離した。遠心分離後、上清を除き、2mlのPIPE
S緩衝液を加えて細胞塊を良くほぐしてから再度上記溶
血操作を一回繰り返した。得られた細胞塊を10mlの1%の
ウシ胎児血清を含むPIPES緩衝液(FCS-PIPES)に懸濁して
15ml容量の遠心管に移し、同緩衝液にて2回洗浄した後
に再度10mlに懸濁した。細胞数を数え、細胞濃度を5×1
07細胞/mlに調整し、1×107細胞当たり2μgの抗CD16抗
体(クローン名3G8、Coulter社製)を加え、氷冷下で30
分間反応させた。この操作により、CD16抗原を有する好
中球画分を排除することが出来る。反応終了後、10mlの
FCS-PIPESを加えて細胞を2回洗浄し、1.5mlの1%FCS-RPM
Iに懸濁した。1細胞に対して4個の抗マウスIgG抗体結合
磁気ビーズ(DYNAL)を1%FCSを含むRPMI培地(1%FCS-RPM
I)で洗浄し、1.5mlの1%FCS-RPMIに懸濁して細胞浮遊液
に加えた。氷冷下で磁気ビーズが沈殿しないように振と
うしながら30分間反応させた。終了後磁気ビーズ集積器
(DYNAL MPCTM-1)でビーズおよびビーズが結合した細
胞を分離し、上清を回収した。上清中の細胞を2回洗浄
し、精製好酸球として用いた。
【0086】(3) HVC002刺激によるヒト好酸球の細
胞内カルシウム濃度変化に対する抗HVC002抗体の阻害作
用 精製ヒト好酸球をHBSS緩衝液にて1回洗浄し、1×106
胞/mlに調整した。蛍光色素であるFura-2溶液[1mM Fu
ra-2/AM(和光純薬):Cremophol EL(純正薬品):HBSS
緩衝液の含有割合を5:2:1に調整し超音波で溶解した
もの]を細胞懸濁液1×106細胞/mlに対して2μl/mlに
なるように添加し、37℃で30分間反応させ、細胞をFura
-2で標識した。0.5%BSAを含むHBSS緩衝液にて1回洗浄後
に再度細胞数を数え、正確に1×106細胞/mlに懸濁させ
て実験に使用した。細胞内カルシウムイオン濃度変化の
測定には、細胞内イオン測定装置CAF-110(日本分光)
を使用した。細胞懸濁液500μlを専用キュベット(日本
分光)に入れ、さらにマグネチックスターラー(井内)を
加え、装置内にて37℃、800回転で3分間反応させて細胞
を安定化した後に測定を開始した。励起波長を340nMと3
80nM、測定波長をそれぞれ500nMに設定して、340nmで励
起したときの蛍光強度(F340)と380nmで励起したとき
の蛍光強度(F380)との比(R=F340/F380)を経時的に記録
した。ケモカインによる刺激は、0.1mg/mlに調整した大
腸菌発現HVC002溶液をマイクロシリンジ(伊藤製作所)
で5μl(0.5μg)注入することによって行った。このリ
ガンド刺激による細胞内カルシウム濃度上昇活性に対す
る抗HVC002モノクローナル抗体の阻害活性の測定を、下
記の方法で行った。
【0087】0.1mg/mlのHVC002溶液を5μl(0.5μg)に、
1.25mg/mlに調整した抗HVC002モノクローナル抗体KM242
5もしくはKM2427溶液を20μl(25μg)を加え、氷冷下で3
0分間反応させた。該混合溶液を25μl注入し、その時の
細胞内カルシウム濃度上昇反応性を経時的に観察した。
データ解析には、記録されたR値をそのままカルシウム
濃度上昇の指標とした。図3に示す様に、KM2425およびK
M2427は500ngのHVC002刺激による好酸球内のカルシウム
濃度上昇活性を25μgの量で完全に抑制した。また、KM2
425およびKM2427は両方共にエオタキシン、エオタキシ
ン-2の刺激に対しては阻害活性を示さなかった。
【0088】(4)HVC002のヒト好酸球に対する遊走活
性の阻害 ケモタキシスチャンバー(neuro probe社製)を用い
た、ヒト好酸球に対するHVC002の遊走活性の抑制効果を
検討した。抗HVC002モノクローナル抗体KM2425もしくは
KM2427を0.5%BSAを含むHBSS緩衝液にて100μg/mlから10
倍希釈で5段階希釈液を調製した。該抗体希釈液200μl
と2μg/mlに希釈したHVC002を200μlとを混合し、室温
で15分間反応させ、最終濃度がHVC002が1μg/ml、抗体
が50μg/mlからの希釈とした。ケモタキシスチャンバー
に専用プレート(neuro probe社製)をセットし、反応
の終了した溶液を380μl/ウェルで分注した。その上に
専用フィルター(ポアサイズ 0.5μm、親水性、neuro p
robe社製)を空気が混入しないように設置し、ケモタキ
シスチャンバーのふたを閉めた。各ウェルのフィルター
の上層にヒト好酸球懸濁液を2×104細胞 /ウェルで分注
した後に、5%CO2気流下、37℃で1時間反応させた。その
後、上層のヒト好酸球懸濁液を吸引除去し、静かにケモ
タキシスチャンバーのふたをはずした。そしてフィルタ
ー上に残存しているヒト好酸球細胞懸濁液を紙で軽く拭
い、フィルター装着のままプレートをケモタキシスチャ
ンバーからはずし、4℃で10分間、1200回転で遠心分離
した。フィルターを静かに除去し、下層の上清を吸引除
去した。遊走好酸球数の検出には好酸球中のペルオキシ
ダーゼ活性の検出を利用した。上清を除去したプレート
に、0.3% ヘキサデシルトリメチル−アンモニウム−ブ
ロマイド(ナカライテスク社製)水溶液を50μl/ウェル
添加し、好酸球を溶解させた。その後、発色基質溶液で
ある0−フェニレンジアミン溶液を100μl/ウェル添加
し、発色させた。十分な発色後、3N 塩酸溶液を50μl/
ウェル添加することで反応を停止し、マイクロプレート
リーダーで吸光度490nmを測定した。HVC002を非添加な
場合の遊走好酸球数を100%、抗体を非添加な場合を0%と
して各抗体濃度における遊走活性阻害率(%)を算出し
た。図4に示すように、HVC002濃度が1μg/mlの場合に、
KM2425、KM2427の両抗体により、好酸球遊走の阻害活性
を検出することが可能であった。特にKM2427は17μg/ml
以上の濃度で好酸球遊走を90%阻害した。
【0089】(5)IL-4刺激HUVEC細胞の培養上清中HVC
002濃度のインヒビションELISA法による測定 HUVEC細胞をEBM培地(三光純薬社製:培地500ml中に以
下の添加因子を含む。ウシ脳抽出液6mg、ヒト表皮成長
因子5μg、ハイドロコーチゾン0.5mg、ウシ胎児血清2
%、ゲンタマイシン25mg、アンフォテリシン25μg)にて
付着細胞用フラスコ(住友ベークライト)でセミコンフ
ルエントになるまで培養した。培地を吸引除去後、37℃
に保温したPBSで1回洗浄し、添加因子を一切含まないEB
M培地20mlに交換した。該培地にヒトIL-4(R&Dsystems
社製)を最終濃度2ng/mlになるように添加し、5%CO2
流下、37℃で24時間培養した。培養フラスコ4個分、計8
0mlの培養上清を採取し、5分間、1200回転で遠心分離し
て細胞画分を除いた。その上清をセントリプレップ−3
(amicon社製)を用いて、4℃で3000回転、溶液を4mlに
なるまで遠心濃縮を行い、これを測定サンプルとした。
定量のための標準品には大腸菌発現HVC002を用いた。希
釈は、標準品、サンプル共に0.5%BSAを含む専用緩衝液
(0.4M塩化ナトリウム、0.5mMりん酸水素二ナトリウ
ム、pH7.3)にて行った。5μg/mlに希釈したKM2427を10
μlと測定サンプルを90μl混合して発色させ、KM2427の
終濃度が0.5μg/mlとなるようにした。HVC002の標準品
を1μg/mlに希釈し(抗体希釈液と合わせたプレート上で
の終濃度0.9μg/ml)、3倍希釈にて7段階に希釈して、標
準曲線を描いた。測定サンプルは濃縮した培養上清を90
μl/ウェル(最終希釈倍率約1.1倍)から3倍希釈で6段
階希釈した。各サンプルを添加後、室温で2時間反応さ
せて、0.05%Tween-PBSにて5回洗浄した。検出抗体はHRP
O標識抗マウスIg抗体(DAKO社製)を用い、1%BSA-PBSで
400倍希釈して50μl/ウェルずつ分注した。室温で1時間
反応後、0.05%Tween-PBSにて5回洗浄し、さらにレジン
水で数回洗浄し、よく水分を切った。30%過酸化水素水
を1000分の1量加えたABTSを50μl/ウェルずつ分注して
発色させ、十分な発色後に5%SDS溶液を50μl/ウェル加
えることで反応を停止した。マイクロプレートリーダー
(Molecular Device社製)で主波長415nm、副波長490nm
にて吸光度を測定した。図5に示すように、大腸菌発現H
VC002を用いた標準曲線での検出感度は4ng/ml前後であ
り、100ng/mlまで定量性を示した。測定サンプルは希釈
倍率1.1倍の希釈液において吸光度の低下が見られ、標
準曲線から算出した定量値は8ng/mlであった。
【0090】
【発明の効果】本発明により、ケモカインHVC002に特異
的に反応し、かつその活性を阻害するモノクローナル抗
体が提供される。該抗体はHVC002により活性化される好
酸球の浸潤が関与している疾患、例えば、アレルギー性
炎症疾患、好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症、または
自己免疫疾患の治療薬または診断薬に利用することがで
きる。
【0091】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KYOWA HAKKO KOGYO CO., LTD <120> The inhibition antibody against chemokine HVC002 <130> H10-202 <140> <141> <160> 7 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0092】 <210> 1 <211> 11 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 1 Ala Thr Arg Gly Ser Asp Ile Ser Lys Thr Cys 1 5 10 11 <210> 2 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400>2 Phe Gln Tyr Ser His Lys Pro Leu Pro Trp Thr Trp Val Arg Ser Tyr Glu Phe 1 5 10 15 18 Thr Cys 20
【0093】 <210> 3 <211> 22 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 3 Cys Thr His Pro Arg Lys Lys Trp Val Gln Lys Tyr Ile Ser Leu LeuLys Thr 1 5 10 15 Pro Lys Gln Leu 20 22 <210> 4 <211> 12 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 4 Ala Val Ile Phe Thr Thr Lys Gly Gly Gly Ser Cys 1 5 10 12
【0094】 <210> 5 <211> 12 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 5 Cys Ser Gly Gly Gly Pro Arg Lys Lys Trp Val Gln 1 5 10 12 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223>Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 6 tatgatcgaa ggtcgtacac 20 <210> 7 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 7 tatgatcgaa ggtcgtacac 18
【図面の簡単な説明】
【図1】 モノクローナル抗体のHVC002蛋白質に対する
特異的な反応性を示す(バインディングELISA)。
【図2】 モノクローナル抗体の、液相系における立体
構造を有するHVC002蛋白質に対する反応性を示す(イン
ヒビションELISA)。○はコントロール、●はHVC002を
示す。
【図3】 HVC002刺激によるヒト好酸球の細胞内カルシ
ウム濃度変化に対するモノクローナル抗体の阻害活性を
示す。
【図4】 HVC002のヒト好酸球に対する遊走活性のモノ
クローナル抗体による阻害を示す。
【図5】 インヒビションELISAによるIL-4刺激HU
VEC細胞の培養上清中HVC002濃度の定量を表す。
【図6】 Met-Ile-Glu-Gly-Arg-HVC002成熟体融合遺伝
子を導入したプラスミドpET-HVCである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/08 C07K 16/18 C07K 16/18 C12P 21/08 C12N 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 5/00 B (72)発明者 庄司 絵美 東京都町田市旭町3丁目6番6号 協和醗 酵工業株式会社東京研究所内 (72)発明者 古谷 安希子 東京都町田市旭町3丁目6番6号 協和醗 酵工業株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA44 CA04 DA06 GA01 HA15 4B064 AG27 CA02 CA10 CA19 CA20 CC24 CE13 DA03 DA13 4B065 AA26X AA91X AA93Y AB01 AB05 BA01 CA25 CA44 CA46 4C085 AA13 AA14 AA19 BB11 BB41 BB43 CC02 CC23 DD61 EE01 4H045 AA11 CA40 DA76 EA22 FA72 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケモカインHVC002を特異的に認識し、か
    つケモカインHVC002の有する活性を阻害する抗体。
  2. 【請求項2】 ケモカインHVC002の立体構造を認識する
    抗体。
  3. 【請求項3】 抗体がモノクローナル抗体である、請求
    項1または2記載の抗体。
  4. 【請求項4】 モノクローナル抗体がマウスモノクロー
    ナル抗体である請求項3記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】 マウスモノクローナル抗体がIgG1サブク
    ラスである請求項4記載のモノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】 マウスモノクローナル抗体がIgG1サブク
    ラスである請求項5記載のモノクローナル抗体KM2427。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか1項に記載のモ
    ノクローナル抗体の部分断片。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の抗
    体またはその抗体断片と、放射性同位元素、蛋白質また
    は低分子の化合物とを結合させた抗体の誘導体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗
    体、その抗体断片またはそれらの誘導体をコードするDN
    A。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の組換えベクターを宿
    主細胞に導入して得られる形質転換株。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の形質転換株を培地に
    培養し、培養物中に請求項1〜8のいずれか1項に記載
    のモノクローナル抗体、その抗体断片またはそれらの誘
    導体を生成蓄積させ、該培養物からモノクローナル抗
    体、その抗体断片またはそれらの誘導体を採取すること
    を特徴とするモノクローナル抗体、その抗体断片または
    それらの誘導体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を含有する医
    薬組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を含有する、
    アレルギー性炎症、好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症
    または自己免疫疾患の治療薬。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を含有する、
    アレルギー性炎症、好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症
    または自己免疫疾患の診断薬。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を用いて、ケ
    モカインHVC002を免疫学的に定量する方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を用いて、ケ
    モカインHVC002を免疫学的に検出する方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    抗体、その抗体断片またはそれらの誘導体を用いて、ア
    レルギー性炎症、好酸球性肺炎、突発性好酸球増多症ま
    たは自己免疫疾患を診断する方法。
  19. 【請求項19】 請求項1記載のモノクローナル抗体を
    生産するハイブリドーマ。
  20. 【請求項20】 ハイブリドーマが、KM2427(FERM BP-6
    662)である、請求項19記載のハイブリドーマ。
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WO2003037079A1 (fr) * 2001-10-29 2003-05-08 Japan Science And Technology Agency Animal modele non humain de reponse hyperimmune a mediation th2

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