JP2001161348A - クロレラの乾燥物及びその製造方法 - Google Patents

クロレラの乾燥物及びその製造方法

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JP2001161348A
JP2001161348A JP34822099A JP34822099A JP2001161348A JP 2001161348 A JP2001161348 A JP 2001161348A JP 34822099 A JP34822099 A JP 34822099A JP 34822099 A JP34822099 A JP 34822099A JP 2001161348 A JP2001161348 A JP 2001161348A
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chlorella
dried
water
plant
suspension
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JP34822099A
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English (en)
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Yoshimasa Tanaka
義正 田中
Yotaro Ando
洋太郎 安藤
Kuniaki Tanaka
邦明 田中
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KURORERA KOGYO KK
Chlorella Industry Co Ltd
Original Assignee
KURORERA KOGYO KK
Chlorella Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水などの水性媒体に対して速やかな分散性を
示し、且つ、懸濁状態を長時間維持することのできる、
乾燥クロレラに代表される植物の乾燥物とそれを使用し
た飲料物、着色料、動物性プランクトン用飼料、及び植
物の乾燥物の製造方法を提供する。 【解決手段】 屋外プール培養法やタンク培養法などの
通常の方法によって大量培養されたクロレラの懸濁液を
遠心分離にかけ、水洗を繰り返した後、脱水する。脱水
して得られた高濃度のクロレラ懸濁液を加熱用プレート
式熱交換器を用いて加熱処理する。加熱処理を行った
後、冷却用プレート式熱交換器に通し、速やかに冷却す
る。加熱・冷却処理した後のクロレラ懸濁液を凍結乾燥
して乾燥クロレラを得る。クロレラに添加する水溶性糖
類としては、デキストリン、シクロデキストリン、オリ
ゴ糖からなるグループから選択された一または二以上を
備えているものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロレラに代表さ
れる単細胞の植物を凍結乾燥した植物の乾燥物とそれを
使用した飲料物、着色料、動物性プランクトン用飼料、
及び植物の乾燥物の製造方法に関する。更に詳しくは、
水などの水性媒体に対して速やかな分散性を示し、且
つ、懸濁状態を長時間維持することのできるようにし、
しかも乾燥によって植物本来の色や栄養価が損なわれる
ことを防止するようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】クロレラは、緑藻類のクロロコックム目ク
ロレラ科に属する単細胞藻類である。クロレラは良質の
タンパク質を多く含み、且つ、必須アミノ酸のリジンと
メチオニンが豊富であることから、その乾燥粉末は健康
食品の原料や食品添加物として広く利用されている。ま
た、クロレラの乾燥粉末はクロレラに由来する緑色を呈
しており、製品を緑色に着色するための安全な着色料と
して、食品や医薬の分野で利用されている。従来、クロ
レラの乾燥は、クロレラを含む懸濁液を熱風の中へ霧状
に噴霧して乾燥させる噴霧乾燥法によるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、噴霧乾
燥によって得られたクロレラの乾燥粉末をそのまま、あ
るいは顆粒や錠剤に成形した後に水などの水性媒体に懸
濁させると、短時間のうちに粉末の大部分が浮遊もしく
は沈殿して、均一な懸濁液とはならない。このため、乾
燥させたクロレラを飲料物そのものの原料や飲料物に加
えて一緒に食するための栄養補給を目的とした食品添加
物として、あるいは飲料物の着色料として用いるものと
しては充分とは言えず、クロレラを細胞状態のまま水性
媒体に懸濁させて用いる商品として普及させるのに大き
な障害となっていた。また、上記したように、噴霧乾燥
法では熱風処理によってクロレラを乾燥させるため、本
来緑色であるはずのクロレラの色が僅かであるが黒褐色
化してしまい、特に着色料として使用した場合の商品価
値を下げるような結果となっていた。更に、熱風処理を
伴う噴霧乾燥法では、細胞を変質させる恐れがあり、ク
ロレラ本来の栄養価を低下させてしまう可能性が高かっ
た。
【0004】一方、特開昭63−254968号公報に
は、クロレラの懸濁液にデキストリンなどの水溶性糖類
を添加した後、噴霧乾燥を行うことにより、懸濁状態を
一部改善したクロレラの乾燥粉末の製造方法が提案され
ている。この方法で得られたクロレラの乾燥粉末は、水
に対して1時間程度の懸濁性を示しているが、水性媒体
に懸濁させて用いる飲料物関連の商品としては、必ずし
も充分な懸濁性を有するものとは言えなかった。
【0005】そこで、本発明者は、他の乾燥方法で更に
懸濁状態を長時間維持することのできる乾燥クロレラを
得るべく鋭意研究を重ね、凍結乾燥法によってクロレラ
を乾燥することを試みたところ、懸濁状態を長時間維持
することができることを見出した。また、その原因が何
に由来するかを調べるために、凍結乾燥法及び噴霧乾燥
法によって得られた各乾燥クロレラを電子顕微鏡で見た
ところ、乾燥時におけるクロレラの細胞状態の違いによ
り、水などの水性媒体に対する懸濁性が著しく異ってく
るということを知見した。本発明は、かかる知見に基づ
いてなされたものである。
【0006】そこで、本発明の目的は、水などの水性媒
体に対して速やかな分散性を示し、且つ、懸濁状態を長
時間維持することのできる、乾燥クロレラに代表される
植物の乾燥物とそれを使用した飲料物、着色料、動物性
プランクトン用飼料、及び植物の乾燥物の製造方法を提
供することにある。また本発明の他の目的は、乾燥によ
って植物本来の色や栄養価が損なわれることを防止する
ようにしたものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、単細胞の植物が凍結乾燥されていることを
特徴とする、植物の乾燥物である。
【0008】第2の発明にあっては、単細胞の植物と水
溶性糖類とを含むものが凍結乾燥されていることを特徴
とする、植物の乾燥物である。
【0009】第3の発明にあっては、単細胞の植物はプ
ロトプラスト化されたものであることを特徴とする、第
1または第2の発明に係る植物の乾燥物である。
【0010】第4の発明にあっては、単細胞の植物はク
ロレラであることを特徴とする、第1、2または第3の
発明に係る植物の乾燥物である。
【0011】第5の発明にあっては、単細胞の植物はク
ロレラであり、水溶性糖類は、デキストリン、シクロデ
キストリン、オリゴ糖からなるグループから選択された
一または二以上を備えていることを特徴とする、第2の
発明に係る植物の乾燥物である。
【0012】第6の発明にあっては、クロレラは95〜
50重量部であり、水溶性糖類は5〜50重量部である
ことを特徴とする、第5の発明に係る植物の乾燥物であ
る。
【0013】第7の発明にあっては、第1、2、3、
4、5または第6の発明に係る植物の乾燥物が水性媒体
に懸濁されていることを特徴とする、飲料物。
【0014】第8の発明にあっては、第1、2、3、
4、5または第6の発明に係る植物の乾燥物を含むこと
を特徴とする、着色料である。
【0015】第9の発明にあっては、第1、2、3、
4、5または第6の発明に係る植物の乾燥物を含むこと
を特徴とする、動物性プランクトン用飼料である。
【0016】第10の発明にあっては、多細胞の植物を
単細胞化するステップ、単細胞化した植物を凍結乾燥す
るステップ、を含むことを特徴とする、植物の乾燥物の
製造方法である。
【0017】第11の発明にあっては、培養したクロレ
ラ懸濁液からクロレラを濃縮するステップ、濃縮したク
ロレラをプロトプラスト化するステップ、プロトプラス
ト化したクロレラを凍結乾燥するステップ、を含むこと
を特徴とする、植物の乾燥物の製造方法である。
【0018】第12の発明にあっては、培養したクロレ
ラ懸濁液からクロレラを濃縮するステップ、濃縮したク
ロレラに水溶性糖類を添加するステップ、水溶性糖類を
添加したクロレラを凍結乾燥するステップ、を含むこと
を特徴とする、植物の乾燥物の製造方法である。
【0019】第13の発明にあっては、培養したクロレ
ラ懸濁液からクロレラを濃縮するステップ、濃縮したク
ロレラを100℃〜130℃の温度で30秒〜3分間加
熱するステップ、加熱処理したクロレラを速やかに冷却
するステップ、冷却処理したクロレラに水溶性糖類を添
加するステップ、水溶性糖類を添加したクロレラを凍結
乾燥するステップ、を含むことを特徴とする、植物の乾
燥物の製造方法である。
【0020】第14の発明にあっては、水溶性糖類は、
デキストリン、シクロデキストリン、ガラクトオリゴ糖
からなるグループから選択された一または二以上を備え
ていることを特徴とする、第12または第13の発明に
係る植物の乾燥物の製造方法である。
【0021】第15の発明にあっては、クロレラは95
〜50重量部であり、水溶性糖類は5〜50重量部であ
ることを特徴とする、第14の発明に係る植物の乾燥物
の製造方法である。
【0022】本明細書において「単細胞の植物」の用語
は、クロレラの他,セネデスムス,ドナリエラ等の微細
藻類、多細胞であるアスパラガスやほうれん草などの野
菜類を単細胞化したもの、あるいは多細胞であるバラな
どの花弁を単細胞化したものなども含む広い概念として
使用している。
【0023】水溶性糖類を添加した状態で単細胞の植物
を凍結乾燥すると、単細胞の植物は水溶性糖類で被覆さ
れた状態で乾燥されるため、得られた乾燥物は全体が均
一な親水性を帯びるようになる。このため、水性溶媒中
に乾燥物を加えると、細胞間の結着力は弱められて植物
の細胞が個々の状態に離れて分散し、良好な懸濁状態を
維持する。
【0024】本明細書にいう「水溶性糖類」としては、
デキストリン、シクロデキストリン、オリゴ糖の他、例
えば、寒天、ゼラチン、食物繊維、澱粉、グルコマンナ
ン、キサンタンガム、アルギン酸、ソルビトール、マン
ニトール、ショ糖等を挙げることができるが、上記した
ものに限定されない。また、オリゴ糖は、例えばガラク
トオリゴ糖や大豆オリゴ糖などを挙げることができる。
【0025】単細胞の植物がクロレラである場合に使用
する「水溶性糖類」としては、物理的特性(保形性、ク
ラッキング)及び水性媒体に対する懸濁性を考慮した結
果、「デキストリン、シクロデキストリン、オリゴ糖か
らなるグループから選択された一または二以上を備えて
いるもの」が好ましい。クロレラに添加する水溶性糖類
の量は、乾燥させた状態のクロレラ95〜50重量部に
対して5〜50重量部であることが好ましく、20〜4
0重量部がより好ましい。なお、本明細書中において、
乾燥させた状態のクロレラの量と水溶性糖類の量を合わ
せて全体で100重量部になるように示している。水溶
性糖類が5重量部未満では、乾燥成形体としての物理的
特性(保形性、クラッキング)が悪く、水性媒体に懸濁
させた際の懸濁性に劣る。水溶性糖類が50重量部を越
えた場合でも、同様に、乾燥成形体としての物理的特性
(保形性、クラッキング)が悪く、水性媒体に懸濁させ
た際の懸濁性に劣る。水溶性糖類が20〜40重量部で
は、乾燥成形体としての物理的特性(保形性、クラッキ
ング)及び懸濁性は良好である。
【0026】本明細書にいう「水性媒体」の用語は、
水、牛乳、果物や野菜のしぼり汁、またはそれらを加工
したもの、その他水を溶媒としたものすべてを含む広い
概念として使用している。植物の乾燥物が水性媒体に懸
濁された状態の「飲料物」の用語は、予め植物の乾燥物
が水性媒体に懸濁されて飲料物として製品化されるもの
や、飲む直前に水性溶媒に懸濁させて飲料物としている
ものも含む概念として使用している。
【0027】本明細書にいう「動物性プランクトン用飼
料」としては、例えばワムシやミジンコなどの飼料を挙
げることができる。
【0028】培養したクロレラ懸濁液から濃縮したクロ
レラは、加熱と冷却処理が行われる。加熱処理は、10
0℃〜130℃の温度で30秒〜3分間加熱処理が行う
ことが好ましい。また、上記加熱処理をした後の冷却
は、速やかに行うことが好ましい。この加熱・冷却処理
により、クロレラ細胞中の酵素を失活させ、クロレラの
変色を防ぐことができる。なお、加熱温度が100℃未
満、または加熱時間が30秒未満ではその効果を十分に
得ることができず、加熱温度が130℃を越えたり、加
熱時間3分を越えたりするとクロロフィルが分解して、
本来緑色であるはずのクロレラが黒褐色化するため、好
ましくない。
【0029】また、クロレラを凍結乾燥する前に、アス
コルビン酸ナトリウムなどの酸化防止剤を添加すること
もできる。
【0030】凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ
は、例えば、アルミ蒸着フィルムなどによってピロー包
装される。また、乾燥クロレラの品質を保持するため、
包装時に窒素等の不活性ガスを充填することもできる。
【0031】
【実施例】実施例1 単細胞の植物として、クロレラを
使用した場合 屋外プール培養法やタンク培養法などの通常の方法によ
って大量培養されたクロレラの懸濁液を遠心分離にか
け、水洗を繰り返した後、脱水した。脱水して得られた
高濃度のクロレラ懸濁液(乾燥重量換算で125〜17
5g/l)を加熱用プレート式熱交換器を用いて120
℃の温度で1分間加熱処理を行った。加熱処理を行った
後、冷却用プレート式熱交換器に1分間通し、速やかに
4℃〜6℃まで冷却した。
【0032】次に、クロレラ懸濁液を(50mm角×
5.2mm深さ)/13mlの内容量を有する合成樹脂
容器に充填し、凍結乾燥用のアルミトレーに並べた。こ
れを冷蔵庫に入れ−30℃以下に急速に凍結して固形状
とし、真空度107Pa以下で凍結した氷結晶を加速度
的に加熱(最終品温45℃前後)することにより乾燥
(昇華)させた。以上のようにして得られた乾燥クロレ
ラを検体Aとした。
【0033】また、加熱・冷却処理した後のクロレラ懸
濁液に、デキストリン、シクロデキストリン、ガラクト
オリゴ糖、及び大豆オリゴ糖の各種水溶性糖類を表1に
示す量でそれぞれ添加し、検体Aと同じ条件下で同様に
凍結乾燥した。このようにして得られた乾燥クロレラを
検体B〜Eとした。そうして、以下に示す要領で、検体
A〜Eの物理的特性(保形性、クラッキング)及び水性
媒体に対する懸濁性を比較検討し、その結果を表1に示
した。
【0034】
【表1】
【0035】なお、表1中の糖類の添加量は、乾燥させ
た状態のクロレラ重量と合わせて全体で100重量部に
なるように換算して示している。また、表1に示した糖
類の添加量は、上記実験を行う前にクロレラに対する糖
類の添加量を適宜変化させて乾燥クロレラを製造し、物
理的特性(保形性、クラッキング)及び懸濁性が良好と
判断されたときのものについて表示した。これらに関し
ては、表2についても同じである。
【0036】保形性は、乾燥クロレラを輸送した場合や
長期間保管した場合でも、製造時の形をほぼ同じ状態で
保持することができるか否かを、実用性を考慮して判断
したものである。そして、乾燥クロレラを手で軽く握っ
た際に、壊れないものを◎、殆ど壊れないものを○、多
少壊れるが実用上問題ないものを●で表した。クラッキ
ングは、乾燥クロレラの表面にひび割れが形成されてい
るか否かを目視で確認したものである。そして、ひびが
入っていないものを◎、殆どひびが入っていないものを
○で表した。水性媒体に対する懸濁性は、室温(約20
℃)で高さ50cmのガラス管に入れた水性媒体に乾燥
クロレラを懸濁させ、懸濁状態をどれくらい維持するこ
とができるかを目視で確認した。そして、目視した結
果、懸濁性が最良であるものを◎、良好であるものを○
で表した。なお、水性媒体としては、クロレラ細胞の分
散状態を確認しやすいように、約20℃の牛乳を用い
た。上記した物理的特性(保形性、クラッキング)及び
懸濁性の評価方法については、後述する表2についても
同じである。
【0037】表1の結果、糖類を添加しないもの(検体
A)については、水性媒体に対する懸濁性が良好であ
り、物理的特性(保形性、クラッキング)についても実
用上問題ないことが分かった。また、糖類としてデキス
トリン、シクロデキストリン、ガラクトオリゴ糖、及び
大豆オリゴ糖を使用したもの(検体B、C、D、E)に
ついては、水性媒体に対する懸濁性が最良であり、物理
的特性(保形性、クラッキング)についても実用上問題
ないことが分かった。
【0038】更に、表1の結果から選出したデキストリ
ン、シクロデキストリン、ガラクトオリゴ糖に関して、
デキストリンとシクロデキストリン、デキストリンとガ
ラクトオリゴ糖、デキストリンとガラクトオリゴ糖をそ
れぞれ1:1の配合で添加した場合、またこれらの3種
類の糖類を1:1:1の配合で混合した場合について、
同様に物理的特性(保形性、クラッキング)及び水性媒
体に対する懸濁性の確認実験を行った。その結果を表2
に示した。
【0039】
【表2】
【0040】表2により、いずれの場合でも良好な結果
が得られ、しかも、各糖類を単独で添加した場合より
も、混合して添加した場合の方が物理的特性(保形性、
クラッキング)、水性媒体に対する懸濁性ともに良好な
乾燥物を得ることが確認できた。なお、表2では記載し
ていないが、表2で示したある糖類の代わりに大豆オリ
ゴ糖を加えた場合でも、同様に物理的特性(保形性、ク
ラッキング)及び水性媒体に対する懸濁性が良好な乾燥
クロレラを得ることができた。
【0041】凍結乾燥法と噴霧乾燥法との比較 (1)水性媒体に対する懸濁性について 凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ(本実施例とし
て、表2中の検体Fを使用)と、噴霧乾燥して得られた
乾燥クロレラ(比較例)のそれぞれを用い、室温(約2
0℃)で高さ50cmのガラス管に入れた水性媒体に懸
濁させて22時間静置した。そして、その間の水性溶媒
に分散している部分のクロレラ層の深さを測った。その
経時変化を表3に示す。また、水性媒体としては、クロ
レラ細胞の分散状態を確認しやすいように約20℃の牛
乳を用いた。なお、比較例として用いた噴霧乾燥による
乾燥クロレラは、乾燥状態のクロレラ40重量部に対し
てデキストリンを60重量部含んだもの(特開昭63−
254968号公報で開示されているものと同一条件で
製造したもの)を使用した。
【0042】
【表3】
【0043】表3に示すように、凍結乾燥によって得ら
れた乾燥クロレラ(本実施例)は、水分散性が良好で、
22時間経過後も良好な懸濁状態を保っていた。これに
対し、噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比較
例)は、静置後1時間を経過すると、大部分が浮上もし
くは沈殿してしまう結果となった。
【0044】(2)色について 凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ(上記本実施
例)は、クロレラ本来の色が損なわれておらず、きれい
な緑色をしていた。これに対し、噴霧乾燥によって得ら
れた乾燥クロレラ(上記比較例)は、凍結乾燥したもの
と比べて、クロレラ本来の緑色が僅かに黒褐色化してい
た。
【0045】(3)細胞状態について 図1及び図2は凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ
(上記本実施例を用いて)の電子顕微鏡写真を示してお
り、図1の倍率は左右ともに100倍で、図2は100
0倍である。図1の左側は氷結晶の昇華方向と垂直に交
わる方向に対して乾燥クロレラを割った際のクロレラ表
面の写真で、同じく図1の右側は氷結晶の昇華方向に沿
って乾燥クロレラを割った際のクロレラ表面の写真を示
している。これに対し、図3及び図4は噴霧乾燥によっ
て得られた乾燥クロレラ(上記比較例を用いて)の電子
顕微鏡写真を示しており、図3の倍率は100倍で、図
4の倍率は1000倍である。
【0046】図3及び図4で示した電子顕微鏡写真から
分かるように、噴霧乾燥によって得られたもの(比較
例)は、細胞同士が互いに結合して塊を形成しているよ
うに見え、細胞の一つ一つを確認することができない。
これに対し、凍結乾燥によって得られたもの(本実施
例)は、図1及び図2から分かるように、細胞全体が均
一に並んで層状に形成されており、クロレラ細胞の一つ
一つを確認することができる。
【0047】(考察)図1ないし図4で示した電子顕微
鏡写真を参照して、乾燥法の違いによる乾燥クロレラの
水性媒体に対する懸濁性と色の状態について考察する。
噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比較例)は、
多数の細胞の集合体であり、加熱により脱水密着した細
胞間の結合が強固であるため、水性媒体中に加えても元
の単細胞の状態に戻らず懸濁性が劣ってしまうものと思
われる。これに対し、凍結乾燥によって得られた乾燥ク
ロレラ(本発明)は、同様に多数の細胞からできている
が、水性媒体中に加えると容易に細胞間の結合が離れて
元の単細胞の状態に戻り、良好な懸濁性を示すものと思
われる。また、噴霧乾燥よって得られた乾燥クロレラが
緑色が僅かであるが黒褐色化しているのは、熱風処理に
よりクロレラを乾燥させるため、クロロフィルが分解し
て本来緑色であるはずのクロレラが変色したためだと思
われる。
【0048】以上のように、凍結乾燥によって得られる
乾燥クロレラ(本実施例)は、噴霧乾燥によって得られ
るもの(比較例)と比べ、水などの水性媒体に対して速
やかな分散性を示し、且つ、懸濁状態を長時間維持する
ことができる。また、凍結乾燥によれば、クロレラ本来
の緑色が損なわれにくい。したがって、飲料物そのもの
の原料や飲料物に加えて一緒に食するための栄養補給を
目的とした食品添加物として、あるいは飲料物の着色料
として有効に使用することができる。
【0049】(4)ワムシの飼料として 海産魚の初期飼料として重要なシオミズツボワムシ(以
下、ワムシという)の増殖実験をクロレラを用いて行っ
た。飼料として用いたクロレラは、凍結乾燥によって得
られた乾燥クロレラ(本実施例として、表2中の検体F
を使用)、噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比
較例1)、ワムシ飼料として通常使用される生クロレラ
(比較例2)である。ワムシは、水1トン(水温24
℃)あたり1×10個体に調整した。培養初日と翌日
には、朝と夕方の2回に分けて、クロレラを水槽10ト
ンあたり25gずつを投入した。2日目は、朝と夕方の
2回に分けて、クロレラを水槽10トンあたり30gず
つを投入した。ワムシの培養には人工海水(商品名:ジ
ャマリンS)を用いた。培養液1mlあたりのワムシ個
体数を表4に示す。なお、表4に示す各ワムシの個体数
は、開始時個体数を100と換算して表している。
【0050】
【表4】
【0051】表4から分かるように、ワムシ飼料として
通常使用される生クロレラ(比較例2)の場合では、2
日間で240%ほどの増加率を示した。また、凍結乾燥
によって得られた乾燥クロレラ(本実施例)の場合で
は、増加率が180%と生クロレラ(比較例2)には及
ばないものの、優れた保存性(貯蔵性)を有するワムシ
飼料として十分に実用的であることが確認された。これ
に対し、噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比較
例1)の場合では、2日後に10%減少し、ワムシ飼料
として実用的ではないことが分かった。
【0052】(考察)噴霧乾燥による乾燥クロレラ(比
較例1)は熱風処理されることにより、細胞が変質して
生クロレラ(比較例2)とは異なる細胞状態になってい
るものと思われる。また上記したように、噴霧乾燥によ
る乾燥クロレラ(比較例1)は水に対する懸濁性が悪い
ため、水底に沈殿しやすい。このため、水中に存在する
ワムシとの接触頻度は低く、ワムシはクロレラを食べる
ことなく死滅していったものと思われる。これに対し、
凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ(本実施例)
は、噴霧乾燥のような熱風処理が行われないため、細胞
が変質せず生クロレラ(比較例2)の状態に近いものと
思われる。また上記したように、凍結乾燥による乾燥ク
ロレラ(本実施例)は水に対する懸濁状態が長時間続く
ため、水中に存在するワムシとの接触頻度は高く、ワム
シはクロレラを食べて増殖しやすいものと思われる。
【0053】実施例2 単細胞の植物として、プロトプ
ラスト化したクロレラを使用した場合 屋外プール培養法やタンク培養法などの通常の方法によ
って大量培養されたクロレラの懸濁液を遠心分離にか
け、水洗を繰り返した後、脱水した。脱水処理したクロ
レラを25〜26℃で2%セルラーゼオノズカSS(ヤ
クルト薬品工業製)、1%ヘミセルラーゼ(ロッシュ
製)、2%ペクチナーゼ(ロッシュ製)、0.35M
ソルビトール、0.36M マンニトール、2%牛血清
アルブミンを含むpH5.5の酵素液に入れ、90時間
振蕩させた。酵素液に対してクロレラの添加量は、乾燥
重量換算で0.2〜20g/lである。これにより、8
0%のクロレラの細胞がプロトプラスト化した。プロト
プラスト化したクロレラをプレート式熱交換器を用いて
加熱・冷却処理した後、凍結乾燥して乾燥クロレラを得
た。なお、プレート式熱交換器を用いた加熱・冷却処理
及び凍結乾燥に伴う処理は、実施例1で示したものと同
じ条件で行った。
【0054】上記のようにしてプロトプラスト化したク
ロレラの凍結乾燥物は、細胞壁が除去されているため非
常にきれいな緑色を呈し、着色料として好適であること
が分かった。また、水などの水性媒体に対する分散性や
懸濁状態についても実施例1の乾燥クロレラと大体にお
いて同じであるため、飲料物の着色料としても有効に使
用できることが分かった。
【0055】実施例3 単細胞の植物として、多細胞で
あるバラを単細胞化したものを使用した場合 赤いバラの花弁1gをかみそりで細切した後、カミソリ
で細かく刻み、4%セルラーゼオノズカR10(ヤクル
ト薬品工業製)、2%マセロザイムR10(ヤクルト薬
品工業製)、4%ドリセラーゼ(協和発酵製)、0.7
Mマンニトールを含むpH5.5の酵素液10mlに懸
濁させ、30℃、1時間振蕩処理した。その後、300
0×gで10分間の遠心分離にかけ、プロトプラスト化
したバラ細胞を得た。このバラの細胞を凍結乾燥して乾
燥物を得た。なお、凍結乾燥に伴う処理は、実施例1で
示したものと同じ条件で行った。
【0056】上記のようにして得られたバラ細胞の凍結
乾燥物は、実施例2で示したクロレラと同様に、細胞壁
が除去されているため非常にきれいな赤色を呈し、着色
料として好適であることが分かった。また、水などの水
性媒体に対する分散性や懸濁状態についても実施例1の
乾燥クロレラと大体において同じであるため、飲料物の
着色料としても有効に使用できることが分かった。
【0057】実施例4 単細胞の植物として、多細胞で
あるアスパラガスを単細胞化したものを使用した場合 枝分かれ前の芽(spear)形成後5〜8週間を経過した
枝分かれ後のアスパラガスについている葉状枝(cladod
e)を用いた。葉状枝3gを0.6M ショ糖、20m
M MES、4mM 塩化マグネシウム、0.05%
牛血清アルブミン、5mM イソアスコルビン酸ナトリ
ウムを含む細胞単離液10mlに懸濁し、50mlのポ
ッターホモジナイザーに入れた。ポッターホモジナイザ
ーを作動させ、細胞を遊離した。遊離した細胞を含む液
を40ミクロンのナイロンメッシュで濾し、濾液を20
00×gで30秒遠心分離して沈殿物を得た。この沈殿
物を単離細胞として用いて凍結乾燥し、凍結乾燥物を得
た。なお、凍結乾燥に伴う処理は、実施例1で示したも
のと同じ条件で行った。
【0058】上記のようにして得られたアスパラガスの
凍結乾燥物は、水などの水性媒体に対する分散性や懸濁
状態についても実施例1の乾燥クロレラと大体において
同じであるため、飲料物そのものの原料や飲料物に加え
て一緒に食するための栄養補給を目的とした食品添加物
として、あるいは飲料物の着色料として有効に使用でき
ることが分かった。
【0059】実施例5 単細胞の植物として、多細胞で
あるほうれん草から単離した無傷葉緑体を使用した場合 水洗後氷冷したほうれん草の葉50gを約1cm平方に
切断した。切断したほうれん草の葉を、0.33M ソ
ルビトール、5mM 塩化マグネシウム、2mM イソ
アスコルビン酸ナトリウム、10mM Na
・6HOを含む半分凍ったpH6.5の葉緑体調製液
200mlに入れ、よく冷やしたミキサーで5秒間摩砕
した。この摩砕液を8層、ついで16層のガーゼで濾過
し、濾液を4000×gで60秒間遠心分離にかけた。
【0060】次に沈殿物に0.33M ソルビトール、
1mM 塩化マグネシウム、2mMEDTA、50mM
HEPES−NaOHを含むpH7.6の反応溶液5
0mlに加え、綿を巻いたガラス棒で穏やかに懸濁し
た。得られた葉緑体は氷中に保存した。以上のようにし
て得られたほうれん草の無傷葉緑体を凍結乾燥し、凍結
乾燥物を得た。なお、凍結乾燥に伴う処理は、実施例1
で示したものと同じ条件で行った。
【0061】上記のようにして得られたほうれん草の乾
燥物は、水などの水性媒体に対する分散性や懸濁状態に
ついても実施例1の乾燥クロレラと大体において同じで
あるため、飲料物そのものの原料や飲料物に加えて一緒
に食するための栄養補給を目的とした食品添加物とし
て、あるいは飲料物の着色料として有効に使用できるこ
とが分かった。
【0062】なお、本明細書で使用している用語と表現
は、あくまで説明上のものであって限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。また、本発明は図示した実施の形態に限定さ
れるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変
形が可能である。
【0063】
【発明の効果】凍結乾燥によって得られた本発明に係る
植物の乾燥物は、水などの水性媒体中に対して速やかな
分散性を示し、且つ、懸濁状態を長時間維持することが
できる。したがって、飲料物そのものの原料や飲料物に
加えて一緒に食するための栄養補給を目的とした食品添
加物として、あるいは飲料物の着色料として有効に使用
することができる。また、熱風による乾燥処理が行われ
ていないため、噴霧乾燥によって得られた植物の乾燥物
と相違して、植物本来の色や栄養価が損なわれにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、左右ともに倍率は100倍で
ある。
【図2】凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、倍率は1000倍である。
【図3】噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、倍率は100倍である。
【図4】噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、倍率は1000倍である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月7日(2000.8.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 クロレラの乾燥物及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロレラを凍結乾
燥したクロレラの乾燥物及びその製造方法に関する。更
に詳しくは、水などの水性媒体に対して速やかな分散性
を示し、且つ、懸濁状態を長時間維持することのできる
ようにし、しかも乾燥によってクロレラ本来の色や栄養
価が損なわれることを防止するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来技術】クロレラは、緑藻類のクロロコックム目ク
ロレラ科に属する単細胞藻類である。クロレラは良質の
タンパク質を多く含み、且つ、必須アミノ酸のリジンと
メチオニンが豊富であることから、その乾燥粉末は健康
食品の原料や食品添加物として広く利用されている。ま
た、クロレラの乾燥粉末はクロレラに由来する緑色を呈
しており、製品を緑色に着色するための安全な着色料と
して、食品や医薬の分野で利用されている。従来、クロ
レラの乾燥は、クロレラを含む懸濁液を熱風の中へ霧状
に噴霧して乾燥させる噴霧乾燥法によるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、噴霧乾
燥によって得られたクロレラの乾燥粉末をそのまま、あ
るいは顆粒や錠剤に成形した後に水などの水性媒体に懸
濁させると、短時間のうちに粉末の大部分が浮遊もしく
は沈殿して、均一な懸濁液とはならない。このため、乾
燥させたクロレラを飲料物そのものの原料や飲料物に加
えて一緒に食するための栄養補給を目的とした食品添加
物として、あるいは飲料物の着色料として用いるものと
しては充分とは言えず、クロレラを細胞状態のまま水性
媒体に懸濁させて用いる商品として普及させるのに大き
な障害となっていた。また、上記したように、噴霧乾燥
法では熱風処理によってクロレラを乾燥させるため、本
来緑色であるはずのクロレラの色が僅かであるが黒褐色
化してしまい、特に着色料として使用した場合の商品価
値を下げるような結果となっていた。更に、熱風処理を
伴う噴霧乾燥法では、細胞を変質させる恐れがあり、ク
ロレラ本来の栄養価を低下させてしまう可能性が高かっ
た。
【0004】一方、特開昭63−254968号公報に
は、クロレラの懸濁液にデキストリンなどの水溶性糖類
を添加した後、噴霧乾燥を行うことにより、懸濁状態を
一部改善したクロレラの乾燥粉末の製造方法が提案され
ている。この方法で得られたクロレラの乾燥粉末は、水
に対して1時間程度の懸濁性を示しているが、水性媒体
に懸濁させて用いる飲料物関連の商品としては、必ずし
も充分な懸濁性を有するものとは言えなかった。
【0005】そこで、本発明者は、他の乾燥方法で更に
懸濁状態を長時間維持することのできる乾燥クロレラを
得るべく鋭意研究を重ね、凍結乾燥法によってクロレラ
を乾燥することを試みたところ、懸濁状態を長時間維持
することができることを見出した。また、その原因が何
に由来するかを調べるために、凍結乾燥法及び噴霧乾燥
法によって得られた各乾燥クロレラを電子顕微鏡で見た
ところ、乾燥時におけるクロレラの細胞状態の違いによ
り、水などの水性媒体に対する懸濁性が著しく異ってく
るということを知見した。本発明は、かかる知見に基づ
いてなされたものである。
【0006】そこで、本発明の目的は、水などの水性媒
体に対して速やかな分散性を示し、且つ、懸濁状態を長
時間維持することのできるクロレラの乾燥物及びその
造方法を提供することにある。また本発明の他の目的
は、乾燥によってクロレラ本来の色や栄養価が損なわれ
ることを防止するようにしたものを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、水性媒体に対して速やかな分散性を示し、
且つ、懸濁状態を長時間維持することができ、更に乾燥
によってクロレラ本来の色や栄養価が損なわれることを
防止したクロレラの乾燥物であってクロレラと水溶性
糖類とを含むものが凍結乾燥されており、上記水溶性糖
類は、デキストリン、シクロデキストリン、オリゴ糖か
らなるグループから選択された一または二以上を備えて
おり、上記クロレラは80〜60重量部であり、上記水
溶性糖類は20〜40重量部であることを特徴とする、
クロレラの乾燥物である。
【0008】第2の発明にあっては、第の発明に係る
クロレラの乾燥物が水性媒体に懸濁されていることを特
徴とする、 飲料物である。
【0009】第3の発明にあっては、第の発明に係る
クロレラの乾燥物を含むことを特徴とする、着色料であ
る。
【0010】第4の発明にあっては、第の発明に係る
クロレラの乾燥物を含むことを特徴とする、動物性プラ
ンクトン用飼料である。
【0011】第5の発明にあっては、水性媒体に対して
速やかな分散性を示し、且つ、懸濁状態を長時間維持す
ることができ、更に乾燥によってクロレラ本来の色や栄
養価が損なわれることを防止したクロレラの乾燥物の製
造方法であって、培養したクロレラ懸濁液からクロレラ
を濃縮するステップ、濃縮したクロレラを100℃〜1
30℃の温度で30秒〜3分間加熱するステップ、加熱
処理したクロレラを速やかに4℃〜6℃まで冷却するス
テップ、冷却処理したクロレラに水溶性糖類を添加する
ステップ、水溶性糖類を添加したクロレラを凍結乾燥す
るステップ、を含むことを特徴とする、クロレラの乾燥
の製造方法である。
【0012】第6の発明にあっては、水溶性糖類は、デ
キストリン、シクロデキストリン、オリゴ糖からなるグ
ループから選択された一または二以上を備えており、上
記クロレラは80〜60重量部であり、上記水溶性糖類
は20〜40重量部であることを特徴とする、第5の発
明に係るクロレラの乾燥物の製造方法である。
【0013】水溶性糖類を添加した状態でクロレラを凍
結乾燥すると、クロレラは水溶性糖類で被覆された状態
で乾燥されるため、得られた乾燥物は全体が均一な親水
性を帯びるようになる。このため、水性溶媒中に乾燥物
を加えると、細胞間の結着力は弱められてクロレラ細胞
が個々の状態に離れて分散し、良好な懸濁状態を維持す
る。
【0014】オリゴ糖は、例えばガラクトオリゴ糖や大
豆オリゴ糖などを挙げることができる。
【0015】使用する「水溶性糖類」としては、物理的
特性(保形性、クラッキング)及び水性媒体に対する懸
濁性を考慮した結果、「デキストリン、シクロデキスト
リン、オリゴ糖からなるグループから選択された一また
は二以上を備えているもの」が好ましい。クロレラに添
加する水溶性糖類の量は、乾燥させた状態のクロレラ9
5〜50重量部に対して5〜50重量部であることが好
ましく、20〜40重量部がより好ましい。なお、本明
細書中において、乾燥させた状態のクロレラの量と水溶
性糖類の量を合わせて全体で100重量部になるように
示している。水溶性糖類が5重量部未満では、乾燥成形
体としての物理的特性(保形性、クラッキング)が悪
く、水性媒体に懸濁させた際の懸濁性に劣る。水溶性糖
類が50重量部を越えた場合でも、同様に、乾燥成形体
としての物理的特性(保形性、クラッキング)が悪く、
水性媒体に懸濁させた際の懸濁性に劣る。水溶性糖類が
20〜40重量部では、乾燥成形体としての物理的特性
(保形性、クラッキング)及び懸濁性は良好である。
【0016】本明細書にいう「水性媒体」の用語は、
水、牛乳、果物や野菜のしぼり汁、またはそれらを加工
したもの、その他水を溶媒としたものすべてを含む広い
概念として使用している。植物の乾燥物が水性媒体に懸
濁された状態の「飲料物」の用語は、予め植物の乾燥物
が水性媒体に懸濁されて飲料物として製品化されるもの
や、飲む直前に水性溶媒に懸濁させて飲料物としている
ものも含む概念として使用している。
【0017】本明細書にいう「動物性プランクトン用飼
料」としては、例えばワムシやミジンコなどの飼料を挙
げることができる。
【0018】培養したクロレラ懸濁液から濃縮したクロ
レラは、加熱と冷却処理が行われる。加熱処理は、10
0℃〜130℃の温度で30秒〜3分間加熱処理が行う
ことが好ましい。また、上記加熱処理をした後の冷却
は、速やかに行うことが好ましい。この加熱・冷却処理
により、クロレラ細胞中の酵素を失活させ、クロレラの
変色を防ぐことができる。なお、加熱温度が100℃未
満、または加熱時間が30秒未満ではその効果を十分に
得ることができず、加熱温度が130℃を越えたり、加
熱時間3分を越えたりするとクロロフィルが分解して、
本来緑色であるはずのクロレラが黒褐色化するため、好
ましくない。
【0019】また、クロレラを凍結乾燥する前に、アス
コルビン酸ナトリウムなどの酸化防止剤を添加すること
もできる。
【0020】凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ
は、例えば、アルミ蒸着フィルムなどによってピロー包
装される。また、乾燥クロレラの品質を保持するため、
包装時に窒素等の不活性ガスを充填することもできる。
【0021】
【実施例】屋外プール培養法やタンク培養法などの通常
の方法によって大量培養されたクロレラの懸濁液を遠心
分離にかけ、水洗を繰り返した後、脱水した。脱水して
得られた高濃度のクロレラ懸濁液(乾燥重量換算で12
5〜175g/l)を加熱用プレート式熱交換器を用い
て120℃の温度で1分間加熱処理を行った。加熱処理
を行った後、冷却用プレート式熱交換器に1分間通し、
速やかに4℃〜6℃まで冷却した。
【0022】次に、クロレラ懸濁液を(50mm角×
5.2mm深さ)/13mlの内容量を有する合成樹脂
容器に充填し、凍結乾燥用のアルミトレーに並べた。こ
れを冷蔵庫に入れ−30℃以下に急速に凍結して固形状
とし、真空度107Pa以下で凍結した氷結晶を加速度
的に加熱(最終品温45℃前後)することにより乾燥
(昇華)させた。以上のようにして得られた乾燥クロレ
ラを検体Aとした。
【0023】また、加熱・冷却処理した後のクロレラ懸
濁液に、デキストリン、シクロデキストリン、ガラクト
オリゴ糖、及び大豆オリゴ糖の各種水溶性糖類を表1に
示す量でそれぞれ添加し、検体Aと同じ条件下で同様に
凍結乾燥した。このようにして得られた乾燥クロレラを
検体B〜Eとした。そうして、以下に示す要領で、検体
A〜Eの物理的特性(保形性、クラッキング)及び水性
媒体に対する懸濁性を比較検討し、その結果を表1に示
した。
【0024】
【表1】
【0025】なお、表1中の糖類の添加量は、乾燥させ
た状態のクロレラ重量と合わせて全体で100重量部に
なるように換算して示している。また、表1に示した糖
類の添加量は、上記実験を行う前にクロレラに対する糖
類の添加量を適宜変化させて乾燥クロレラを製造し、物
理的特性(保形性、クラッキング)及び懸濁性が良好と
判断されたときのものについて表示した。これらに関し
ては、表2についても同じである。
【0026】保形性は、乾燥クロレラを輸送した場合や
長期間保管した場合でも、製造時の形をほぼ同じ状態で
保持することができるか否かを、実用性を考慮して判断
したものである。そして、乾燥クロレラを手で軽く握っ
た際に、壊れないものを◎、殆ど壊れないものを○、多
少壊れるが実用上問題ないものを●で表した。クラッキ
ングは、乾燥クロレラの表面にひび割れが形成されてい
るか否かを目視で確認したものである。そして、ひびが
入っていないものを◎、殆どひびが入っていないものを
○で表した。水性媒体に対する懸濁性は、室温(約20
℃)で高さ50cmのガラス管に入れた水性媒体に乾燥
クロレラを懸濁させ、懸濁状態をどれくらい維持するこ
とができるかを目視で確認した。そして、目視した結
果、懸濁性が最良であるものを◎、良好であるものを○
で表した。なお、水性媒体としては、クロレラ細胞の分
散状態を確認しやすいように、約20℃の牛乳を用い
た。上記した物理的特性(保形性、クラッキング)及び
懸濁性の評価方法については、後述する表2についても
同じである。
【0027】表1の結果、糖類を添加しないもの(検体
A)については、水性媒体に対する懸濁性が良好であ
り、物理的特性(保形性、クラッキング)についても実
用上問題ないことが分かった。また、糖類としてデキス
トリン、シクロデキストリン、ガラクトオリゴ糖、及び
大豆オリゴ糖を使用したもの(検体B、C、D、E)に
ついては、水性媒体に対する懸濁性が最良であり、物理
的特性(保形性、クラッキング)についても実用上問題
ないことが分かった。
【0028】更に、表1の結果から選出したデキストリ
ン、シクロデキストリン、ガラクトオリゴ糖に関して、
デキストリンとシクロデキストリン、デキストリンとガ
ラクトオリゴ糖、デキストリンとガラクトオリゴ糖をそ
れぞれ1:1の配合で添加した場合、またこれらの3種
類の糖類を1:1:1の配合で混合した場合について、
同様に物理的特性(保形性、クラッキング)及び水性媒
体に対する懸濁性の確認実験を行った。その結果を表2
に示した。
【0029】
【表2】
【0030】表2により、いずれの場合でも良好な結果
が得られ、しかも、各糖類を単独で添加した場合より
も、混合して添加した場合の方が物理的特性(保形性、
クラッキング)、水性媒体に対する懸濁性ともに良好な
乾燥物を得ることが確認できた。なお、表2では記載し
ていないが、表2で示したある糖類の代わりに大豆オリ
ゴ糖を加えた場合でも、同様に物理的特性(保形性、ク
ラッキング)及び水性媒体に対する懸濁性が良好な乾燥
クロレラを得ることができた。
【0031】凍結乾燥法と噴霧乾燥法との比較 (1)水性媒体に対する懸濁性について 凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ(本実施例とし
て、表2中の検体Fを使用)と、噴霧乾燥して得られた
乾燥クロレラ(比較例)のそれぞれを用い、室温(約2
0℃)で高さ50cmのガラス管に入れた水性媒体に懸
濁させて22時間静置した。そして、その間の水性溶媒
に分散している部分のクロレラ層の深さを測った。その
経時変化を表3に示す。また、水性媒体としては、クロ
レラ細胞の分散状態を確認しやすいように約20℃の牛
乳を用いた。なお、比較例として用いた噴霧乾燥による
乾燥クロレラは、乾燥状態のクロレラ40重量部に対し
てデキストリンを60重量部含んだもの(特開昭63−
254968号公報で開示されているものと同一条件で
製造したもの)を使用した。
【0032】
【表3】
【0033】表3に示すように、凍結乾燥によって得ら
れた乾燥クロレラ(本実施例)は、水分散性が良好で、
22時間経過後も良好な懸濁状態を保っていた。これに
対し、噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比較
例)は、静置後1時間を経過すると、大部分が浮上もし
くは沈殿してしまう結果となった。
【0034】(2)色について 凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ(上記本実施
例)は、クロレラ本来の色が損なわれておらず、きれい
な緑色をしていた。これに対し、噴霧乾燥によって得ら
れた乾燥クロレラ(上記比較例)は、凍結乾燥したもの
と比べて、クロレラ本来の緑色が僅かに黒褐色化してい
た。
【0035】(3)細胞状態について 図1及び図2は凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ
(上記本実施例を用いて)の電子顕微鏡写真を示してお
り、図1の倍率は左右ともに100倍で、図2は100
0倍である。図1の左側は氷結晶の昇華方向と垂直に交
わる方向に対して乾燥クロレラを割った際のクロレラ表
面の写真で、同じく図1の右側は氷結晶の昇華方向に沿
って乾燥クロレラを割った際のクロレラ表面の写真を示
している。これに対し、図3及び図4は噴霧乾燥によっ
て得られた乾燥クロレラ(上記比較例を用いて)の電子
顕微鏡写真を示しており、図3の倍率は100倍で、図
4の倍率は1000倍である。
【0036】図3及び図4で示した電子顕微鏡写真から
分かるように、噴霧乾燥によって得られたもの(比較
例)は、細胞同士が互いに結合して塊を形成しているよ
うに見え、細胞の一つ一つを確認することができない。
これに対し、凍結乾燥によって得られたもの(本実施
例)は、図1及び図2から分かるように、細胞全体が均
一に並んで層状に形成されており、クロレラ細胞の一つ
一つを確認することができる。
【0037】(考察)図1ないし図4で示した電子顕微
鏡写真を参照して、乾燥法の違いによる乾燥クロレラの
水性媒体に対する懸濁性と色の状態について考察する。
噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比較例)は、
多数の細胞の集合体であり、加熱により脱水密着した細
胞間の結合が強固であるため、水性媒体中に加えても元
の単細胞の状態に戻らず懸濁性が劣ってしまうものと思
われる。これに対し、凍結乾燥によって得られた乾燥ク
ロレラ(本発明)は、同様に多数の細胞からできている
が、水性媒体中に加えると容易に細胞間の結合が離れて
元の単細胞の状態に戻り、良好な懸濁性を示すものと思
われる。また、噴霧乾燥よって得られた乾燥クロレラが
緑色が僅かであるが黒褐色化しているのは、熱風処理に
よりクロレラを乾燥させるため、クロロフィルが分解し
て本来緑色であるはずのクロレラが変色したためだと思
われる。
【0038】以上のように、凍結乾燥によって得られる
乾燥クロレラ(本実施例)は、噴霧乾燥によって得られ
るもの(比較例)と比べ、水などの水性媒体に対して速
やかな分散性を示し、且つ、懸濁状態を長時間維持する
ことができる。また、凍結乾燥によれば、クロレラ本来
の緑色が損なわれにくい。したがって、飲料物そのもの
の原料や飲料物に加えて一緒に食するための栄養補給を
目的とした食品添加物として、あるいは飲料物の着色料
として有効に使用することができる。
【0039】(4)ワムシの飼料として 海産魚の初期飼料として重要なシオミズツボワムシ(以
下、ワムシという)の増殖実験をクロレラを用いて行っ
た。飼料として用いたクロレラは、凍結乾燥によって得
られた乾燥クロレラ(本実施例として、表2中の検体F
を使用)、噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比
較例1)、ワムシ飼料として通常使用される生クロレラ
(比較例2)である。ワムシは、水1トン(水温24
℃)あたり1×10個体に調整した。培養初日と翌日
には、朝と夕方の2回に分けて、クロレラを水槽10ト
ンあたり25gずつを投入した。2日目は、朝と夕方の
2回に分けて、クロレラを水槽10トンあたり30gず
つを投入した。ワムシの培養には人工海水(商品名:ジ
ャマリンS)を用いた。培養液1mlあたりのワムシ個
体数を表4に示す。なお、表4に示す各ワムシの個体数
は、開始時個体数を100と換算して表している。
【0040】
【表4】
【0041】表4から分かるように、ワムシ飼料として
通常使用される生クロレラ(比較例2)の場合では、2
日間で240%ほどの増加率を示した。また、凍結乾燥
によって得られた乾燥クロレラ(本実施例)の場合で
は、増加率が180%と生クロレラ(比較例2)には及
ばないものの、優れた保存性(貯蔵性)を有するワムシ
飼料として十分に実用的であることが確認された。これ
に対し、噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラ(比較
例1)の場合では、2日後に10%減少し、ワムシ飼料
として実用的ではないことが分かった。
【0042】(考察)噴霧乾燥による乾燥クロレラ(比
較例1)は熱風処理されることにより、細胞が変質して
生クロレラ(比較例2)とは異なる細胞状態になってい
るものと思われる。また上記したように、噴霧乾燥によ
る乾燥クロレラ(比較例1)は水に対する懸濁性が悪い
ため、水底に沈殿しやすい。このため、水中に存在する
ワムシとの接触頻度は低く、ワムシはクロレラを食べる
ことなく死滅していったものと思われる。これに対し、
凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラ(本実施例)
は、噴霧乾燥のような熱風処理が行われないため、細胞
が変質せず生クロレラ(比較例2)の状態に近いものと
思われる。また上記したように、凍結乾燥による乾燥ク
ロレラ(本実施例)は水に対する懸濁状態が長時間続く
ため、水中に存在するワムシとの接触頻度は高く、ワム
シはクロレラを食べて増殖しやすいものと思われる。
【0043】なお、本明細書で使用している用語と表現
は、あくまで説明上のものであって限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。
【0044】
【発明の効果】凍結乾燥によって得られた本発明に係る
クロレラの乾燥物は、水などの水性媒体中に対して速や
かな分散性を示し、且つ、懸濁状態を長時間維持するこ
とができる。したがって、飲料物そのものの原料や飲料
物に加えて一緒に食するための栄養補給を目的とした食
品添加物として、あるいは飲料物の着色料として有効に
使用することができる。また、熱風による乾燥処理が行
われていないため、噴霧乾燥によって得られたクロレラ
の乾燥物と相違して、クロレラ本来の色や栄養価が損な
われにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、左右ともに倍率は100倍で
ある。
【図2】凍結乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、倍率は1000倍である。
【図3】噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、倍率は100倍である。
【図4】噴霧乾燥によって得られた乾燥クロレラの電子
顕微鏡写真を示しており、倍率は1000倍である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/52 C09B 61/00 B 4B065 C09B 61/00 A23L 2/00 F Fターム(参考) 2B005 GA08 MB05 MB07 2B150 AA20 DC13 DD31 DD60 4B017 LE01 LE06 LG06 LG20 LK11 LP02 LP03 4B018 LB08 MA04 MA07 MD53 MD89 MF06 4B036 LF17 LH29 LH46 LK01 4B065 AA84X AA88X BA10 BD11 BD12 BD37 CA41 CA43 CA52

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単細胞の植物が凍結乾燥されていること
    を特徴とする、 植物の乾燥物。
  2. 【請求項2】 単細胞の植物と水溶性糖類とを含むもの
    が凍結乾燥されていることを特徴とする、 植物の乾燥物。
  3. 【請求項3】 単細胞の植物はプロトプラスト化された
    ものであることを特徴とする、 請求項1または2記載の植物の乾燥物。
  4. 【請求項4】 単細胞の植物はクロレラであることを特
    徴とする、 請求項1、2または3記載の植物の乾燥物。
  5. 【請求項5】 単細胞の植物はクロレラであり、 水溶性糖類は、デキストリン、シクロデキストリン、オ
    リゴ糖からなるグループから選択された一または二以上
    を備えていることを特徴とする、 請求項2記載の植物の乾燥物。
  6. 【請求項6】 クロレラは95〜50重量部であり、 水溶性糖類は5〜50重量部であることを特徴とする、
    請求項5記載の植物の乾燥物。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の植物の乾燥物が水性媒体に懸濁されていることを特徴
    とする、 飲料物。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の植物の乾燥物を含むことを特徴とする、 着色料。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の植物の乾燥物を含むことを特徴とする、 動物性プランクトン用飼料。
  10. 【請求項10】 多細胞の植物を単細胞化するステッ
    プ、 単細胞化した植物を凍結乾燥するステップ、を含むこと
    を特徴とする、 植物の乾燥物の製造方法。
  11. 【請求項11】 培養したクロレラ懸濁液からクロレラ
    を濃縮するステップ、 濃縮したクロレラをプロトプラスト化するステップ、 プロトプラスト化したクロレラを凍結乾燥するステッ
    プ、を含むことを特徴とする、 植物の乾燥物の製造方法。
  12. 【請求項12】 培養したクロレラ懸濁液からクロレラ
    を濃縮するステップ、 濃縮したクロレラに水溶性糖類を添加するステップ、 水溶性糖類を添加したクロレラを凍結乾燥するステッ
    プ、を含むことを特徴とする、 植物の乾燥物の製造方法。
  13. 【請求項13】 培養したクロレラ懸濁液からクロレラ
    を濃縮するステップ、 濃縮したクロレラを100℃〜130℃の温度で30秒
    〜3分間加熱するステップ、 加熱処理したクロレラを速やかに冷却するステップ、 冷却処理したクロレラに水溶性糖類を添加するステッ
    プ、 水溶性糖類を添加したクロレラを凍結乾燥するステッ
    プ、を含むことを特徴とする、 植物の乾燥物の製造方法。
  14. 【請求項14】 水溶性糖類は、デキストリン、シクロ
    デキストリン、ガラクトオリゴ糖からなるグループから
    選択された一または二以上を備えていることを特徴とす
    る、 請求項12または13記載の植物の乾燥物の製造方法。
  15. 【請求項15】 クロレラは95〜50重量部であり、 水溶性糖類は5〜50重量部であることを特徴とする、 請求項14記載の植物の乾燥物の製造方法。
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