JP2001159717A - 光導波路回路装置 - Google Patents

光導波路回路装置

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JP2001159717A
JP2001159717A JP34433099A JP34433099A JP2001159717A JP 2001159717 A JP2001159717 A JP 2001159717A JP 34433099 A JP34433099 A JP 34433099A JP 34433099 A JP34433099 A JP 34433099A JP 2001159717 A JP2001159717 A JP 2001159717A
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waveguide
wave plate
optical
circuit device
diffraction grating
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JP34433099A
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Kazuhisa Kashiwabara
一久 柏原
Kazutaka Nara
一孝 奈良
Tsuneaki Saito
恒聡 斎藤
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半波長板挿入によるクロストーク劣化の問題
を解消可能なアレイ導波路回折格子等の光導波路回路装
置を提供する。 【解決手段】 図1の(a)に示すように、光入力導波
路2と、第1のスラブ導波路3と、互いに異なる長さの
複数の並設したアレイ導波路4と、第2のスラブ導波路
5と、複数の並設した光出力導波路6とを順に接続して
なる光導波路部10を基板1上に形成してなるアレイ導
波路回折格子を形成し、全てのアレイ導波路4を横切る
半波長板挿入溝9を形成した後、半波長板挿入溝9に半
波長板8を設け、半波長板8の周りにドーナツ型のダム
15を接着剤7により形成し、このダム15の内側にマ
ッチングオイル12を充填し、半波長板挿入溝9にチッ
ピング部位にマッチングオイル12を充填する。(b)
に示すように、マッチングオイル12を接着剤7により
シールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信などに使用
されるアレイ導波路回折格子等の光導波路回路装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信においては、その伝送容量
を飛躍的に増加させる方法として、光波長多重通信の研
究開発が盛んに行われ、実用化が進みつつある。光波長
多重通信は、例えば互いに異なる波長を有する複数の光
を波長多重化して伝送させるものであり、このような光
波長多重通信システムにおいては、伝送される多重光か
ら、光受信側で波長ごとの光を取り出すために、予め定
められた波長の光のみを透過する光透過素子等を、シス
テム内に設けることが不可欠である。
【0003】光透過素子の一例として、例えば、図5に
示すようなアレイ導波路回折格子(AWG;Array
ed Waveguide Grating)がある。
アレイ導波路回折格子は、シリコンの基板1上に、下部
クラッド層とコア回路と上部クラッド層とを順に形成し
てなる光導波路回路を有する光導波路装置の一種であ
る。各クラッド層とコア回路は、石英系ガラスによって
形成されており、光導波路部10を形成している。
【0004】上記コア回路は、同図に示す構成の導波路
構成を有している。導波路構成は、1本以上の並設され
た光入力導波路2の出射側に、第1のスラブ導波路3が
接続され、第1のスラブ導波路3の出射側には複数の並
設されたアレイ導波路4が接続され、アレイ導波路4の
出射側には第2のスラブ導波路5が接続され、第2のス
ラブ導波路5の出射側には複数の並設された光出力導波
路6が接続されて形成されている。
【0005】前記アレイ導波路4は、第1のスラブ導波
路3から導出された光を伝搬するものであり、互いに異
なる長さに形成され、隣り合うアレイ導波路4の長さは
互いにΔL異なっており、これらのアレイ導波路4によ
って回折格子が形成されている。
【0006】なお、光入力導波路2や光出力導波路6
は、例えばアレイ導波路回折格子によって分波あるいは
合波される互いに異なる波長の信号光の数に対応させて
設けられるものであり、アレイ導波路4は、通常、例え
ば100本といったように多数設けられるが、同図にお
いては、図の簡略化のために、これらの光入力導波路
2、アレイ導波路4、光出力導波路6の各々の本数を簡
略的に示してある。
【0007】光入力導波路2には、例えば送信側の光フ
ァイバ(図示せず)が接続されて、波長多重光が導入さ
れるようになっており、光入力導波路2を通って第1の
スラブ導波路3に導入された光は、その回折効果によっ
て広がって各アレイ導波路4に入射し、アレイ導波路4
を伝搬する。
【0008】このアレイ導波路4を伝搬した光は、第2
のスラブ導波路5に達し、さらに、光出力導波路6に集
光されて出力されるが、全てのアレイ導波路4の長さが
互いに異なることから、アレイ導波路4を伝搬した後に
個々の光の位相にずれが生じ、このずれ量に応じて集束
光の波面が傾き、この傾き角度により集光する位置が決
まる。そのため、波長の異なった光の集光位置は互いに
異なることになり、その位置に光出力導波路6を形成す
ることによって、波長の異なった光を各波長ごとに異な
る光出力導波路6から出力できる。
【0009】また、アレイ導波路回折格子は、光回路の
相反性(可逆性)の原理を利用しているため、光分波器
としての機能と共に、光合波器としての機能も有してい
る。すなわち、各光出力導波路6から互いに波長が異な
る複数の光を入射させると、これらの光は、上記と逆の
伝搬経路を通り、アレイ導波路4によって合波され、光
入力導波路2から出射される。
【0010】このようなアレイ導波路回折格子において
は、前記の如く、回折格子の波長分解能が回折格子を構
成するアレイ導波路4の長さの差(ΔL)に比例するた
めに、ΔLを大きく設計することにより、従来の回折格
子では実現できなかった波長間隔の狭い波長多重光の光
合分波が可能となり、高密度の光波長多重通信の実現に
必要とされている、複数の信号光の光合分波機能、すな
わち、波長間隔が1nm以下の複数の光信号を分波また
は合波する機能を果たすことができる。
【0011】ところで、上記のようなアレイ導波路回折
格子において、アレイ導波路4を伝搬する光のTEモー
ドの伝搬速度とTMモードで伝搬速度が異なるために、
偏波依存性損失が生じることが知られている。
【0012】そこで、この偏波依存性損失を解消するた
めに、図6の(a)に示すように、全てのアレイ導波路
4の長手方向中央部に直交する態様で、半波長板8を挿
入する挿入溝としての半波長板挿入溝9を形成し、この
半波長板挿入溝9内に半波長板8を挿入配設し、同図の
(b)に示すように、半波長板8の周りに接着剤7を設
けて半波長板8を半波長板挿入溝9内に固定したアレイ
導波路型回折格子が提案されている。
【0013】上記のように、半波長板8をアレイ導波路
4の長手方向中央部に設けると、半波長板8の前後でT
EモードがTMモードに変換し、逆にTMモードがTE
モードに変換するので、この変換により、アレイ導波路
4を伝搬した光が半波長板8に入射する前に生じた前記
TEモードとTMモードの伝搬速度の違いが、アレイ導
波路4の出射側に伝搬するまでにキャンセルされ、偏波
依存性損失が解消される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アレイ導波
路回折格子に半波長板8を設ける場合、アレイ導波路回
折格子をダイサーなどによって切断して半波長板挿入溝
9を形成しており、この半波長板挿入溝9の形成時にチ
ッピングが生じる。そこで、半波長板挿入溝9によって
切断されたアレイ導波路4の切断面と、半波長板挿入溝
9に挿入される半波長板8との間にチッピングによる小
さな隙間が生じてしまうことは免れない。そして、図6
に示した従来の光導波路回路装置においては、半波長板
8の周りに半波長板8の固定用の接着剤7を直接設けて
いたために、上記隙間に接着剤7や接着剤7に含まれる
泡等が入ってしまう。
【0015】そのため、従来の製造方法によりアレイ導
波路型回折格子を製造すると、上記隙間に入った接着剤
7や接着剤7の泡の影響によってアレイ導波路4と半波
長板8との接続損失の増大が生じ、アレイ導波路回折格
子の重要特性であるクロストーク(アレイ導波路回折格
子によって分波または合波する各信号光間のクロストー
ク)を大きく劣化してしまうといった問題があった。
【0016】本発明者が、実際に、図6に示した従来の
製造方法を用いてアレイ導波路型回折格子を製造し、こ
のクロストーク特性を調べたところ、例えば、半波長板
挿入溝9の形成前には、前記クロストークの値が−32
dB〜−40dBであったものが、製造されたアレイ導
波路型回折格子における前記クロストークは−30dB
以上に大きく劣化し、例えば約−10dBまで劣化する
ものもあった。
【0017】特に、近年、波長多重伝送システムに適用
される光信号の波長域が広帯域化しており、それに伴
い、アレイ導波路型回折格子におけるアレイ導波路4の
本数が増加しているために、このように本数の多いアレ
イ導波路4を備えたアレイ導波路型回折格子において、
上記クロストークの劣化の問題がさらに深刻化するおそ
れもあった。
【0018】なお、上記アレイ導波路型回折格子以外に
も、光導波路回路に半波長板や光フィルタを設けて形成
される光導波路回路装置が広く用いられているが、この
ような光導波路回路においても、上記と同様に、半波長
板や光フィルタの周りの気泡等による特性劣化の問題
は、深刻な問題であった。
【0019】本発明は、上記問題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、光導波路回路に設けられ
る半波長板や光フィルタの周りの気泡等による特性劣化
の問題を抑制できる光導波路回路装置を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、第1の発明は、基板上
に下部クラッド層とコア回路と上部クラッド層とを順に
形成してなる光導波路回路に、半波長板又は光フィルタ
を挿入する挿入溝が形成されており、該挿入溝には前記
半波長板又は光フィルタが挿入されて該半波長板又は光
フィルタの挿入部には屈折率整合剤が充填されている構
成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】また、第2の発明は、上記第1の発明の構
成に加え、前記屈折率整合剤がシール材によりシールさ
れている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0022】さらに、第3の発明は、上記第1又は第2
の発明の構成に加え、前記半波長板又は光フィルタの周
りに屈折率整合剤の流出を防ぐダムが形成され、該ダム
の内側に屈折率整合剤が充填されている構成をもって課
題を解決する手段としている。
【0023】さらに、第4の発明は、上記第1の発明の
構成に加え、前記半波長板又は光フィルタの少なくとも
一端側が接着剤で固定されており、光導波路回路が筐体
内に収容されて該筐体内が屈折率整合剤で充填されてい
る構成をもって課題を解決する手段としている。
【0024】さらに、第5の発明は、上記第1乃至第4
のいずれか一つに記載の発明の構成に加え、前記屈折率
整合剤はマッチングオイルとした構成をもって課題を解
決する手段としている。
【0025】さらに、第6の発明は、上記第1乃至第5
のいずれか一つに記載の発明の構成に加え、1本以上の
並設された光入力導波路の出射側に第1のスラブ導波路
が接続され、該第1のスラブ導波路の出射側には該第1
のスラブ導波路から導出された光を伝搬する互いに異な
る長さの複数の並設されたアレイ導波路が接続され、該
複数のアレイ導波路の出射側には第2のスラブ導波路が
接続され、該第2のスラブ導波路の出射側には複数の並
設された光出力導波路が接続されて成る導波路構成のコ
ア回路を備えたアレイ導波路回折格子とした構成をもっ
て課題を解決する手段としている。
【0026】上記構成の本発明においては、光導波路回
路に、半波長板又は光フィルタを挿入する挿入溝が設け
られ、該半波長板挿入溝に設けられた半波長板又は光フ
ィルタの挿入部にマッチングオイル等の屈折率整合剤が
設けられているために、たとえ上記挿入溝の形成時にア
レイ導波路回折格子のチッピングが生じたとしても、こ
のチッピング部位に屈折率整合剤が充填される。
【0027】そのため、本発明においては、半波長板又
は光フィルタの挿入部において、半波長板又は光フィル
タの周りに接着剤を直接設けた場合と異なり、光導波路
回路が接着剤や接着剤の泡等の影響を受けることも無
く、屈折率整合剤による屈折率整合効果によって、光導
波路回路と半波長板又は光フィルタとが接続損失の少な
い状態で光接続される。そのため、例えば光導波路回路
をアレイ導波路回折格子としたときにも、半波長板介設
部における前記クロストークの劣化の問題を解消するこ
とが可能となる。
【0028】また、屈折率整合剤をシール材によってシ
ールしたり筐体内に充填することにより、半波長板や光
フィルタの周りの屈折率整合剤の蒸発が抑制され、上記
屈折率整合剤の効果が維持される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1の(c)には、本発明に係る光
導波路回路装置の第1実施形態例が平面図により示され
ている。
【0030】本実施形態例の光導波路回路装置は、アレ
イ導波路型回折格子であり、本実施形態例が従来例のア
レイ導波路型回折格子と異なる特徴的なことは、半波長
板8の挿入部に屈折率整合剤としてのマッチングオイル
12を設けたことである。なお、本実施形態例では、図
1に示す製造工程を経て製造することにより、図5に示
した構成のアレイ導波路回折格子に複数のアレイ導波路
4を横切る態様で半波長板挿入溝9を設け、該半波長板
挿入溝9に設けられた半波長板8の周りにマッチングオ
イル12を設けている。
【0031】以下、図1、5に基づいて、本実施形態例
の光導波路回路装置の製造方法について説明する。ま
ず、図5に示す構成のアレイ導波路回折格子を製造す
る。なお、本実施形態例で製造したアレイ導波路回折格
子は、100GHzの波長間隔で、16波の光合波およ
び光分波ができるアレイ導波路回折格子であり、以下の
パラメータを有する。すなわち、FSR(Free S
pectral Range)は25nm、回折次数m
は61、隣り合うアレイ導波路4同士の長さの差ΔLは
25℃において65.2μmである。
【0032】次に、上記構成のアレイ導波路回折格子の
中央部分に、図1の(a)に示すように、全てのアレイ
導波路4を垂直に横切る半波長板挿入溝9を形成した
後、該半波長板挿入溝9に半波長板8を設けた。なお、
上記半波長板挿入溝9は、ダイサーにより形成し、同図
の(b)に示すように、幅Wが約20〜25μm、深さ
Dが200〜250μmとした。
【0033】次に、同図の(a)に示すように、半波長
板挿入溝9に半波長板8を挿入した状態で、該半波長板
8と間隔を介した半波長板8の周りに、マッチングオイ
ル12の流出を防ぐドーナツ型のダム15を接着剤7に
より形成した。そして、ダム15の内側にマッチングオ
イル12を充填することにより半波長板8の周りにマッ
チングオイル12を充填した。なお、接着剤7は、例え
ば熱硬化性接着剤とし、マッチングオイル12には信越
化学工業株式会社製の製品名OF−38E(10)を適
用した。このマッチングオイル12の粘度は1000c
psであり、非常に低粘度である。
【0034】その後、同図の(c)に示すように、マッ
チングオイル12を接着剤7によりシールした。
【0035】本実施形態例は以上のようにして製造され
ており、本実施形態例のアレイ導波路回折格子について
前記クロストーク特性を求めたところ、−30dB〜−
37dBの範囲であり、非常に良好な特性を得られるこ
とが確認された。
【0036】本実施形態例によれば、上記のように、半
波長板挿入溝9の半波長板挿入部を含む、半波長板8の
周りにマッチングオイル12を設けたために、このマッ
チングオイル12によって半波長板挿入溝9のチッピン
グ部分の屈折率を整合し、チッピングを埋めることがで
き、従来のように、チッピング部分に気泡などが入って
前記クロストーク特性を劣化させることはなく、クロス
トーク特性の良好なアレイ導波路型回折格子を得ること
ができる。
【0037】そのため、本実施形態例によれば、波長多
重伝送システムに適用される光信号の波長域の広帯域化
に伴い、アレイ導波路型回折格子におけるアレイ導波路
4の本数が増加しても、クロストーク特性が良好で、し
かも半波長板8を設けることによって偏波依存特性の問
題も解消でき、広帯域波長域の波長多重システムの実現
を可能とする優れたアレイ導波路型回折格子を提供する
ことができる。
【0038】また、本実施形態例によれば、半波長板8
の周りに接着剤7によるダム15を形成し、このダム1
5の内側にマッチングオイル12を充填しているため
に、マッチングオイル12の他の部位への流出を確実に
防ぐことができる。また、本実施形態例の光導波路回路
装置を製造するに際し、上記ダム15を形成し、その
後、マッチングオイル12を接着剤7によりシールする
ことで、マッチングオイル12のシール作業も非常に容
易に、かつ、的確に行なうことができる。
【0039】次に、本発明に係る光導波路回路装置の第
2実施形態例について説明する。本第2実施形態例の光
導波路回路装置は、上記第1実施形態例の光導波路回路
装置とほぼ同様に構成されており、本第2実施形態例が
上記第1実施形態例と異なる特徴的なことは、光導波路
回路装置の製造方法を異にしていることである。すなわ
ち、本第2実施形態例も、上記第1実施形態例と同様
に、アレイ導波路型回折格子であり、その構成は上記第
1実施形態例とほぼ同様であるが、本第2実施形態例で
は、その製造方法を異にすることにより、上記第1実施
形態例よりも、さらに、上記クロストーク特性を良好に
している。
【0040】以下、本第2実施形態例の光導波路回路の
製造方法について、図2,3,5に基づいて説明する。
まず、本第2実施形態例でも、図5に示した構成のアレ
イ導波路回折格子を製造する。次に、本第2実施形態例
では、図5に示した構成のアレイ導波路回折格子におい
て、図2の(a)に示すように、全てのアレイ導波路4
を横切る態様で、アレイ導波路4の上側の上部クラッド
に、エッチングによりエッチング溝11を形成する。な
お、このエッチング溝11は、同図の(b)に示す工程
で形成される半波長板挿入溝9よりも幅広で、深さが浅
い溝とする。
【0041】次に、上記第1実施形態例と同様に、上記
半波長板挿入溝9をアレイ導波路回折格子に形成する。
次に、半波長板挿入溝9に半波長板8を挿入した状態で
上記エッチング溝11の一端側(図の下部端側)に接着
剤7を設け、この接着剤7により半波長板8の一端側を
固定する。また、エッチング溝11の他端側には半波長
板8と間隔を介して接着剤7を設け、このように、エッ
チング溝11の両端側に接着剤7を設けることにより、
マッチングオイル12の流出を防ぐダム15を接着剤7
により形成した。
【0042】そして、ダム15の内側にマッチングオイ
ル12を充填することにより半波長板8の周りに、上記
第1実施形態例に適用したものと同様のマッチングオイ
ル12を充填した後、マッチングオイル12中の気泡を
真空脱泡し、その後、図3に示すように、マッチングオ
イル12を接着剤7によりシールした。
【0043】本第2実施形態例は上記のようにして製造
されており、本第2実施形態例の光導波路回路装置にお
いて、前記クロストーク特性を求めたところ、−32d
B〜−39dBの範囲であり、非常に良好な特性を得ら
れることが確認された。
【0044】本第2実施形態例も上記第1実施形態例と
同様の効果を奏することができる。
【0045】また、マッチングオイル12は、前記の如
く低粘度であり、マッチングオイル12内に気泡が存在
しにくいが、本第2実施形態例では、マッチングオイル
12内の気泡を真空脱泡したので、マッチングオイル1
2内の気泡をほぼ完全に除くことができ、前記クロスト
ーク特性をより一層向上させることができた。
【0046】次に、本発明に係る光導波路回路装置の第
3実施形態例について説明する。本第3実施形態例も上
記第1、第2実施形態例と同様に、図5に示した構成の
アレイ導波路回折格子に複数のアレイ導波路4を横切る
態様で半波長板挿入溝9を設け、該半波長板挿入溝9に
設けられた半波長板8の周りにマッチングオイル12を
設けたことを特徴としているが、本第3実施形態例は、
図4の(b)に示すように、アレイ導波路型回折格子を
マッチングオイル12が充填されたパッケージ13内に
収容して形成されている。
【0047】次に、本実施形態例の光導波路回路装置の
製造方法について説明する。本第3実施形態例は、図4
に示す製造工程を経て製造するものであり、上記第1、
第2実施形態例と同様に、まず、図5に示す構成のアレ
イ導波路回折格子を製造する。そして、このアレイ導波
路回折格子における全てのアレイ導波路4を垂直に横切
る半波長板挿入溝9を形成し、この半波長板挿入溝9に
半波長板8を挿入するまでの工程は、上記第1実施形態
例と同様である。
【0048】次に、本第3実施形態例では、図4の
(a)に示すように、半波長板挿入溝9に半波長板8を
挿入した状態で半波長板8の一端側を接着剤7で固定
し、然る後に、同図の(b)に示すように、該半波長板
8を固定したアレイ導波路回折格子を筐体としてのパッ
ケージ13内のチップ収容部14に収容し、パッケージ
13内をマッチングオイル12で充填した。
【0049】本第3実施形態例の光導波路回路装置につ
いて、前記クロストーク特性を求めたところ、−30d
B〜−37dBの範囲であり、非常に良好な特性を得ら
れることが確認された。
【0050】本第3実施形態例も、上記第1、第2実施
形態例と同様の効果を奏することができる。
【0051】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、
上記第2、第3実施形態例において、半波長板8を半波
長板挿入溝9に固定する際に、半波長板挿入溝9に挿入
した半波長板8の一端側を接着剤7により固定したが、
半波長板8の両端側を接着剤7により固定した状態で、
半波長板8の周りにマッチングオイル12を設けてもよ
い。
【0052】また、上記第1実施形態例では、半波長板
挿入溝9に挿入した半波長板8の周りに、マッチングオ
イル12の流出を防ぐダム15をドーナツ型に形成し、
上記第2実施形態例では、エッチング溝11の両端側に
接着剤7を設けて上記ダム15を形成したが、接着剤7
などによって形成する上記ダム15の構成は特に限定さ
れるものではなく、適宜設定されるものである。
【0053】例えば、上記各実施形態例のように、半波
長板挿入溝9をアレイ導波路回折格子の一端側から他端
側にかけて設けるのではなく、半波長板挿入溝9をアレ
イ導波路回折格子の一端側から途中部にかけて形成し、
アレイ導波路回折格子の一端側(半波長板挿入溝9の形
成開始端側)に接着剤7等を設け、この接着剤7を上記
ダム15としてもよい。
【0054】このようにした場合も、半波長板挿入溝9
にマッチングオイル12を充填したときに、半波長板挿
入溝9の一端側からマッチングオイル12が流出するこ
とを接着剤7のダム15により防止することができ、半
波長板挿入溝9の他端側はアレイ導波路回折格子の途中
部までしか形成されていないので、クラッド層によって
マッチングオイル12の流出を防止することができる。
そして、製造されたアレイ導波路型回折格子は、上記第
1、第2実施形態例とほぼ同様の効果を奏することがで
きる。
【0055】さらに、上記第1実施形態例の光導波路回
路装置の製造において、マッチングオイル12の充填後
に、上記第2実施形態例における光導波路回路装置の製
造と同様に、マッチングオイル12の気泡を真空脱泡に
より除去しても良いし、上記第2実施形態例の光導波路
回路装置の製造において、上記真空脱泡の工程は省略す
ることができる。ただし、マッチングオイル12の真空
脱泡を行なうと、上記第2実施形態例の光導波路回路装
置のように、前記クロストーク特性をより一層向上させ
ることができる。
【0056】さらに、上記第1、第2実施形態例では、
マッチングオイル12の流出を防ぐダム15およびマッ
チングオイル12をシールするシール材として接着剤7
を用いたが、ダム15を形成する材料やマッチングオイ
ル12をシールするシール材は必ずしも接着剤とすると
は限らず、適宜の材料を適用できるものである。
【0057】さらに、上記各実施形態例では、アレイ導
波路型回折格子にに半波長板8を設け、この半波長板8
の挿入部にマッチングオイル12を設けたが、アレイ導
波路回折格子以外の光導波路回路に半波長板8又は光フ
ィルタの挿入溝を設け、この挿入溝に半波長板8又は光
フィルタを挿入し、半波長板8又は光フィルタの挿入部
にマッチングオイル12を設けてもよい。
【0058】さらに、マッチングオイル12の代わり
に、上記半波長板8又は光フィルタの挿入部に他の屈折
率整合剤を設けてもよい。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、光導波路回路に、半波
長板又は光フィルタを挿入する挿入溝を設け、該半波長
板挿入溝に設けられた半波長板又は光フィルタの挿入部
に屈折率整合剤を設けたものであるから、たとえ上記挿
入溝の形成時にアレイ導波路回折格子のチッピングが生
じたとしても、このチッピング部位に屈折率整合剤を充
填することができる。そのため、チッピング部位に泡な
どが入って、半波長板又は光フィルタの挿入部における
接続損失増加などの問題を招くおそれが無く、上記泡等
の存在による特性劣化を抑制することができる。
【0060】また、屈折率整合剤をシール材によってシ
ールしたり筐体内に充填した構成の発明によれば、半波
長板や光フィルタの周りの屈折率整合剤の蒸発を抑制す
ることができるために、上記屈折率整合剤の効果を維持
することができ、光導波路回路装置の特性を良好に維持
できる。
【0061】さらに、半波長板又は光フィルタの周りに
屈折率整合剤の流出を防ぐダムを形成した構成の本発明
によれば、前記ダムによって屈折率整合剤の流出を効果
的に抑制することができ、光導波路回路装置の製造を容
易にすることができる。
【0062】さらに、屈折率整合剤をマッチングオイル
とした本発明によれば、屈折率整合剤として一般的に用
いられているマッチングオイルを用いて、上記優れた効
果を奏する光導波路回路装置を容易に構成することがで
きる。
【0063】さらに、光導波路回路装置をアレイ導波路
回折格子により構成した本発明によれば、半波長板や光
フィルタ介設部に、接着剤等に含まれる気泡等が入って
しまうことによりアレイ導波路型回折格子に生じるクロ
ストークの劣化の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光導波路回路装置の第1実施形態
例の構成とその製造工程を示す説明図である。
【図2】本発明に係る光導波路回路装置の第2実施形態
例の製造工程を示す説明図である。
【図3】本発明に係る光導波路回路装置の第2実施形態
例を示す構成図である。
【図4】本発明に係る光導波路回路装置の第3実施形態
例の構成とその製造工程を示す説明図である。
【図5】アレイ導波路回折格子の構成例を平面図により
示す説明図である。
【図6】アレイ導波路回折格子に半波長板を設けて形成
されるアレイ導波路型回折格子の従来の製造方法を示す
説明図である。
【符号の説明】 1 基板 2 光入力導波路 3 第1のスラブ導波路 4 アレイ導波路 5 第2のスラブ導波路 6 光出力導波路 7 接着剤 8 半波長板 9 半波長板挿入溝 10 光導波路部 11 エッチング溝 12 マッチングオイル 13 パッケージ 15 ダム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 恒聡 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA02 KA04 KA12 LA01 LA19 RA00 TA00 TA32 TA43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下部クラッド層とコア回路と上
    部クラッド層とを順に形成してなる光導波路回路に、半
    波長板又は光フィルタを挿入する挿入溝が形成されてお
    り、該挿入溝には前記半波長板又は光フィルタが挿入さ
    れて該半波長板又は光フィルタの挿入部には屈折率整合
    剤が充填されていることを特徴とする光導波路回路装
    置。
  2. 【請求項2】 屈折率整合剤がシール材によりシールさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の光導波路回路
    装置。
  3. 【請求項3】 半波長板又は光フィルタの周りに屈折率
    整合剤の流出を防ぐダムが形成され、該ダムの内側に屈
    折率整合剤が充填されていることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の光導波路回路装置。
  4. 【請求項4】 半波長板又は光フィルタの少なくとも一
    端側が接着剤で固定されており、光導波路回路が筐体内
    に収容されて該筐体内が屈折率整合剤で充填されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光導波路回路装置。
  5. 【請求項5】 屈折率整合剤はマッチングオイルとした
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つ
    に記載の光導波路回路装置。
  6. 【請求項6】 1本以上の並設された光入力導波路の出
    射側に第1のスラブ導波路が接続され、該第1のスラブ
    導波路の出射側には該第1のスラブ導波路から導出され
    た光を伝搬する互いに異なる長さの複数の並設されたア
    レイ導波路が接続され、該複数のアレイ導波路の出射側
    には第2のスラブ導波路が接続され、該第2のスラブ導
    波路の出射側には複数の並設された光出力導波路が接続
    されて成る導波路構成のコア回路を備えたアレイ導波路
    回折格子としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれか一つに記載の光導波路回路装置。
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