JP2001158985A - 金属酸化膜の除去方法および金属酸化膜の除去装置 - Google Patents

金属酸化膜の除去方法および金属酸化膜の除去装置

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JP2001158985A
JP2001158985A JP34025099A JP34025099A JP2001158985A JP 2001158985 A JP2001158985 A JP 2001158985A JP 34025099 A JP34025099 A JP 34025099A JP 34025099 A JP34025099 A JP 34025099A JP 2001158985 A JP2001158985 A JP 2001158985A
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oxide film
metal
metal oxide
inert gas
gas
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Masanobu Takahashi
正信 高橋
Yoshimasa Matsubara
賢政 松原
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TAISEI KAKEN KK
Ueda Japan Radio Co Ltd
Taisei Kaken KK
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TAISEI KAKEN KK
Ueda Japan Radio Co Ltd
Taisei Kaken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属表面に生成した酸化膜を簡便に、かつ完
全に、そして、金属および金属の周囲に影響を与えるこ
となく除去することにより、既に酸化膜が生成している
金属の再利用を可能とする金属酸化膜の除去方法、およ
び金属酸化膜の除去装置を提供すること。 【解決手段】 表面に酸化膜が生成した金属に、加熱さ
れた不活性ガスを噴射すると同時に、レーザー光を照射
することによって、該酸化膜を焼き飛ばすことを特徴と
する金属酸化膜の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属表面に生成し
た酸化膜を機械加工や化学薬品処理以外の方法で除去す
る方法および酸化膜を除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品の電極部、電極基板上の電極面
に備えられたはんだ、変圧器の端子等の金属の表面に生
成している酸化膜(即ち、金属酸化膜)は、電気的な接
合に重大な影響を与える。はんだ付けにおいて、金属酸
化膜を有する電子部品の電極部やはんだをそのまま使用
する場合には、はんだ材に多量のフラックスを含めなけ
ればならず、多量のフラックスの存在は、フラックス残
渣の除去という新たな問題を発生する。そこで、この金
属酸化膜を簡便に、かつ金属に影響を与えないようにし
て除去する必要がある。
【0003】金属酸化膜を除去する方法としては、従来
から、電子部品の電極部表面やはんだ表面に生成した酸
化膜部分を機械的な手法で除去したり、化学薬品で還元
したりする方法が知られている。しかし、はんだ付けの
工程を増やし、はんだ付け後の電気的接合に悪影響を与
えるという問題点がある。
【0004】特開平8−222846号公報には、配線
基板上の半導体チップ1上に備えられたはんだ2の表面
に生成した酸化膜3に、アルゴン原子を順次スパッタリ
ングすることによって(図1の工程(a))、酸化膜を
除去したはんだを得る方法(図1の工程(b))が開示
されている。しかし、この方法では、飛散した金属酸化
物がはんだや半導体チップ表面に付着する。
【0005】特開昭62−144871号公報には、水
素ガスを酸化膜が生成しているはんだ表面に導入し、そ
の酸化膜を還元することによって、酸化膜のないはんだ
を得る方法が開示されているが、水素ガスのみでは酸化
膜を充分に除去できないという問題点を有する。特開平
3−145192号公報には、非酸化性ガス雰囲気下
に、酸化膜が生成しているはんだ表面にグリセリン、ア
ルコール等を噴射することによって、はんだ表面の濡れ
性を向上させる方法が開示されているが、この方法で
は、はんだ付け後にグリセリン等を除去する洗浄操作を
行わなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属表面に
生成した酸化膜を簡便に、かつ完全に、そして、金属お
よび金属の周囲に影響を与えることなく除去することに
より、既に酸化膜が生成している金属の再利用に有効な
金属酸化膜の除去方法、および金属酸化膜の除去装置を
提供することを、その課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に酸化膜
が生成した金属に、加熱された不活性ガスを噴射すると
同時に、レーザー光を照射することによって、該酸化膜
を焼き飛ばすことを特徴とする金属酸化膜の除去方法に
ある。
【0008】本発明の金属酸化膜の除去方法の好ましい
態様は以下の通りである。 (1)不活性ガスの噴射およびレーザー光の照射を同一
の器具を用いて行う。 (2)金属が、電極基板上にはんだ付けされる電子部品
の電極部である。 (3)金属が、電極基板の電極面上に備えられたはんだ
材である。 (4)金属が、変圧器の端子である。 (5)レーザー光としてYAGレーザー光を用いる。 (6)加熱された不活性ガスとして、150℃以上の温
度に加熱された不活性ガスを用いる。 (6)加熱された不活性ガスとして、高温の窒素ガスを
噴出する主ノズルと、その主ノズルの周囲に同心円状に
形成され、主ノズルから噴出する窒素ガスよりも低温の
窒素ガスを噴出する副ノズルとを含む加熱ガス流噴出器
具より噴出されるガスを用いる。
【0009】本発明は、また、レーザー光を照射する照
射器具、加熱された不活性ガスを噴出する加熱ガス流噴
出器具、該照射器具を酸化膜が生成している金属の近傍
に案内する案内具、および該加熱ガス流噴出器具を該金
属の近傍に案内する案内具を含むことを特徴とする金属
酸化膜の除去方法に用いるための金属酸化膜の除去装置
にもある。
【0010】本発明の金属酸化膜の除去装置は、好まし
くは、レーザー光を照射する照射器具および加熱ガス流
噴出器具が一体化されたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図2に、本発明の代表的な金属酸
化膜の除去方法(特に、金属が、電極基板にはんだ付け
される電子部品の電極部(あるいはリード線)である場
合)を示す。電子部品5の電極部6の表面には、酸化膜
3(黒塗り部分が酸化膜に該当する)が生成しており、
その酸化膜部分に、加熱ガス流噴出器具8より加熱され
た不活性ガス9を噴射すると同時に、レーザー照射口7
よりレーザー光10を照射し、該酸化膜を焼き飛ばす。
尚、図2に示した加熱ガス流噴出器具8は、加熱ガス流
噴出器具の加熱ガスを噴射する部分を抜粋して表したも
のである。本発明では、加熱された不活性ガスを噴射す
ることによって、酸化膜を実質的に燃焼させて飛散させ
るため、完全な酸化膜の除去が可能である。
【0012】本発明の金属酸化膜の除去方法では、レー
ザー光の照射と加熱された不活性ガスの噴射とを、レー
ザー光照射路、およびそのレーザー光照射路の周囲に不
活性ガスを酸化膜表面に誘導する不活性ガスパイプを備
えた一体型器具(例えば、はんだコテ)を用いて行うこ
とが好ましい。このような一体型器具としては、特開平
9−181436号公報、国際出願明細書(WO98/
30252)等に記載のはんだコテを挙げることができ
る。レーザー光の照射および加熱された不活性ガスの噴
射は、酸化膜表面に対して非接触的に行っても、接触的
に行ってもよい。酸化膜除去後には、酸化膜が除去され
た金属表面に加熱された不活性ガスをさらに一定時間噴
射し続けることによって、再酸化を防止する不活性ガス
のバリアあるいはシールを形成させることが好ましい。
このときに用いる不活性ガスは、温度については酸化膜
の除去時に用いたガスの温度よりも低い温度のガスであ
ることが好ましく、また、ガスの流量については酸化膜
の除去時に用いたガスの流量を変化させたもの(好まし
くは、流量の小さいガス)であってもよい。
【0013】加熱された不活性ガスとしては、高温の窒
素ガスを噴出する主ノズル8aと、その主ノズル8aの
周囲に同心円状に形成され、主ノズル8aから噴出する
窒素ガスよりも低温の窒素ガスを噴出する副ノズル8b
とを含む加熱ガス流噴出器具8より噴出される不活性ガ
スを用いることが好ましい。加熱された不活性ガスを非
酸化性雰囲気を形成すると共に熱源としても使用するた
め、酸化膜の周囲よりも酸化膜部分に対して高温のガス
の噴射が必要とされるためである。
【0014】加熱された不活性ガスは、150℃以上の
温度に加熱された不活性ガスを用いることが好ましく、
150乃至500℃の温度範囲に加熱された不活性ガス
を用いることが好ましく、150乃至180℃の温度範
囲に加熱された不活性ガスを用いることが特に好まし
い。不活性ガスは、酸化膜が生成していない金属表面の
新たな酸化、あるいは酸化膜を焼き飛ばした後の再酸化
を防止するために用いる。不活性ガスとしては、99.
9容量%以上の高濃度を有する窒素ガス、アルゴンガ
ス、ヘリウムガス等を用いることが好ましく、該窒素ガ
スを用いることが特に好ましい。不活性ガスが加熱され
ていることを要するのは、該不活性ガスが、非酸化性雰
囲気を形成するだけでなく、酸化膜を焼き飛ばすのに効
果を発揮するからである。
【0015】レーザーとしては、YAGレーザーあるい
はサファイアレーザーを用いることが好ましく、YAG
レーザーを用いることが特に好ましい。YAGレーザー
およびサファイアレーザーは、局部加熱法の中でも最も
エネルギー密度が高く、特にYAGレーザーを用いる
と、レーザーを照射する対象物を短時間に加熱昇温する
ことができるからである。
【0016】図3、4および5に、本発明の金属酸化膜
の除去方法の代表的な適用例を模式的に示す。図3は、
はんだ材11が電極基板12上に電極面13を介して形
成されており、そのはんだ材表面に酸化膜3が生成して
いる場合に、本発明の金属酸化膜の除去方法を利用し
て、該酸化膜を除去する様子を示す。図4は、電子部品
15が既に実装されている電極基板12と同一の電極基
板12上に備えられたテストポイント(接触不良検出)
用ランドパッド14に、酸化膜3が生成している場合
に、本発明の金属酸化膜の除去方法によって該酸化膜を
除去する様子を示す。図5は、変圧器17の端子16表
面に、酸化膜3が生成している場合に、本発明の金属酸
化膜の除去方法によって該酸化膜を除去する様子を示
す。その他に酸化膜を有する金属としては、プリント基
板、フレキシブルプリント基板等の電極基板の表面に酸
化膜が生成しているものを挙げることができる。このよ
うに、どのような金属表面の酸化膜であっても本発明に
よって除去することができ、除去された金属は再度の利
用が可能となる。
【0017】加熱された不活性ガスとしては、高温の窒
素ガスを噴出する主ノズル8aと、その主ノズル8aの
周囲に同心円状に形成され、主ノズル8aから噴出する
窒素ガスよりも低温の窒素ガスを噴出する副ノズル8b
とを含む加熱ガス流噴出器具8より噴出される不活性ガ
スを用いることが好ましい。加熱された不活性ガスを非
酸化性雰囲気を形成すると共に熱源としても使用するた
め、酸化膜の周囲よりも酸化膜部分に対して高温のガス
の噴射が必要とされるためである。
【0018】図6は、本発明の代表的な金属酸化膜の除
去装置である。該除去装置は、レーザー光を照射する照
射器具19、加熱された不活性ガスを噴出する加熱ガス
流噴出器具8、該照射器具19を酸化膜が生成している
金属の近傍に案内する案内具20、および該加熱ガス流
噴出器具8を該金属の近傍に案内する案内具21を含
む。レーザー光を照射する照射器具19、および加熱さ
れた不活性ガスを噴出する加熱ガス流噴出器具8は、そ
れぞれが独立した器具であっても、これらが一体型とな
った器具(例えば、はんだコテ)であってもよい。金属
酸化膜の除去装置に、これらの案内具を装備することに
よって、特別の案内具を有しない従来法(特開平8−2
22846号公報等)では困難であった細部の金属酸化
膜部分にも、容易にレーザー光照射器具および加熱ガス
流噴出器具を近接させることができるため、完全な金属
酸化膜の除去が可能となる。また、金属酸化膜の除去を
より完全にするため、本発明の金属酸化膜の除去装置
に、さらに、CCDカメラを搭載した直交型ロボットと
画像処理装置を採用することも好ましい。レーザー光照
射器具および加熱ガス流噴出器具には、三次元的な高精
度の位置決めを実現するため、高さ検出機能を具備させ
ることも好ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明の金属酸化膜の除去方法および除
去装置によって、従来法と比較して簡便にかつ完全に、
そして金属および金属の周囲に影響を与えることなく、
酸化膜を除去することが可能である。従って、一旦その
表面に酸化膜が生成してしまった金属についても再利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】はんだバンプの表面に生成した金属酸化膜に、
アルゴン原子をスパッタリングして金属酸化膜を除去す
る従来の方法を模式的に表した図である。
【図2】本発明の金属酸化膜の除去方法によって、電子
部品の電極部表面に生成した酸化膜を除去する様子を示
す模式図である。
【図3】本発明の金属酸化膜の除去方法によって、熱溶
融性の導電性金属の表面に生成した酸化膜を除去する様
子を示す模式図である。
【図4】本発明の金属酸化膜の除去方法によって、テス
ト用電極面の表面に生成した酸化膜を除去する様子を示
す模式図である。
【図5】本発明の金属酸化膜の除去方法によって、変圧
器の端子の表面に生成した酸化膜を除去する様子を示す
模式図である。
【図6】本発明の代表的な金属酸化膜の除去装置を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 半導体チップ 2 はんだバンプ 3 酸化膜 4 飛散するアルゴン原子粒 5 電子部品 6 電極部 7 レーザー照射口 8 加熱ガス流噴出器具 8a 主ノズル 8b 副ノズル 9 加熱された不活性ガス 10 レーザー光 11 はんだ 12 電極基板 13 電極面 14 テストポイント用ランドパッド 15 実装済みの電子部品 16 端子 17 変圧器 18 加熱不活性ガス供給源 19 レーザー光照射器具 20、21 案内具 22 レーザー光発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 26/14 B23K 26/14 Z // H05K 3/26 H05K 3/26 A (72)発明者 松原 賢政 兵庫県姫路市新在家中の町10番29号 株式 会社大成化研内 Fターム(参考) 3B116 AA46 AB01 BB33 BB62 BB82 BC01 4E068 AJ03 CG01 CJ01 4K053 PA11 PA14 PA17 QA01 RA02 SA01 SA19 SA20 XA11 YA27 5E343 BB54 EE08 EE42 GG20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に酸化膜が生成した金属に、加熱さ
    れた不活性ガスを噴射すると同時に、レーザー光を照射
    することによって、該酸化膜を焼き飛ばすことを特徴と
    する金属酸化膜の除去方法。
  2. 【請求項2】 不活性ガスの噴射およびレーザー光の照
    射を同一の器具を用いて行うことを特徴とする請求項1
    に記載の金属酸化膜の除去方法。
  3. 【請求項3】 金属が、電極基板上にはんだ付けされる
    電子部品の電極部であることを特徴とする請求項1に記
    載の金属酸化膜の除去方法。
  4. 【請求項4】 金属が、電極基板の電極面上に備えられ
    たはんだ材であることを特徴とする請求項1に記載の金
    属酸化膜の除去方法。
  5. 【請求項5】 金属が、変圧器の端子であることを特徴
    とする請求項1に記載の金属酸化膜の除去方法。
  6. 【請求項6】 レーザー光としてYAGレーザー光を用
    いることを特徴とする請求項1もしくは2にに記載の金
    属酸化膜の除去方法。
  7. 【請求項7】 加熱された不活性ガスとして、150℃
    以上の温度に加熱された不活性ガスを用いることを特徴
    とする請求項1に記載の金属酸化膜の除去方法。
  8. 【請求項8】 加熱された不活性ガスとして、高温の窒
    素ガスを噴出する主ノズルと、その主ノズルの周囲に同
    心円状に形成され、主ノズルから噴出する窒素ガスより
    も低温の窒素ガスを噴出する副ノズルとを含む加熱ガス
    流噴出器具より噴出されるガスを用いることを特徴とす
    る請求項1もしくは2に記載の金属酸化膜の除去方法。
  9. 【請求項9】 レーザー光を照射する照射器具、加熱さ
    れた不活性ガスを噴出する加熱ガス流噴出器具、該照射
    器具を酸化膜が生成している金属の近傍に案内する案内
    具、および該加熱ガス流噴出器具を該金属の近傍に案内
    する案内具を含むことを特徴とする金属酸化膜の除去方
    法に用いるための金属酸化膜の除去装置。
  10. 【請求項10】 レーザー光を照射する照射器具および
    加熱ガス流噴出器具が一体化されたものであることを特
    徴とする請求項9に記載の金属酸化膜の除去装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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